JP6686462B2 - 階調露光用テストマスク - Google Patents
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Description
階調露光では、マスクの光透過率を制御することにより、所望の階調露光が可能となる。例えば、光透過率の変化に連続性を保った上で、マスク設計値で設定された高い光透過率を再現することを目的としたグレースケールマスクとして、所定の単位領域における光透過部位と遮光部位の二つの矩形の面積を変化させることで開口率を制御し、光透過率を調整したマスクが提案されている(特許文献1)。
本発明は、上述のような実状に鑑みてなされたものであり、マスクの開口率の違いによるレジスト残膜量の測定が容易であり、階調露光に適した寸法をもつ階調パターンを導出するための階調露光用テストマスクを提供することを目的とする。
本発明の他の態様として、複数の前記パターン領域群を備え、遮光膜パターンのパターン形状は前記パターン領域群相互間で異なるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記パターン領域は相互に離間しており、前記パターン領域間には遮光膜が存在しているような構成とした。
本発明の他の態様として、前記遮光膜パターンは、ライン/スペース形状、および、ドット形状の少なくとも一方であるような構成とした。
本発明の他の態様として、一の前記パターン領域における複数の前記単位領域の区分は格子形状であり、隣接する単位領域の開口率の差が小さくなるように各単位領域の開口率が設定されているような構成とした。
尚、図面は模式的または概念的なものであり、各部材の寸法、部材間の大きさの比等は、必ずしも現実のものと同一とは限らず、また、同じ部材等を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比が異なって表される場合もある。
透明基板12の一方の面12aには、同じパターン形状の遮光膜パターン14を有するK個(Kは2以上の整数)のパターン領域21-Kからなるパターン領域群21と、同じパターン形状の遮光膜パターン14を有するK個のパターン領域22-Kからなるパターン領域群22が位置しており、パターン領域群21が有するパターン形状と、パターン領域群22が有するパターン形状は異なるものである。図2では、K=9の場合が示されており、パターン領域群21を構成する9個のパターン領域21-1〜21-9に位置する9種の遮光膜パターン14を、例えば、光透過部と遮光部がライン/スペース形状とすることができる。また、パターン領域群22を構成する9個のパターン領域22-1〜22-9に位置する9種の遮光膜パターン14を、例えば、遮光部がドット形状であるものとすることができる。9個のパターン領域21-1〜21-9と9個のパターン領域22-1〜22-9が画定されている部位を除く領域には、遮光膜13が存在している。
また、図2に示されるように、パターン領域群21とパターン領域群22により、一のパターン領域集合体15が構成されている。そして、図1に示す例では、透明基板12の一方の面12a上に、このようなパターン領域集合体15(鎖線で囲み示している)が5個位置している。
このような階調露光用テストマスク11を構成する透明基板12は、従来の露光用マスクに使用されている透明基板であってよく、例えば、ガラス基板、合成石英基板、樹脂基板等である。
また、遮光膜13、遮光膜パターン14の遮光部は、クロム薄膜等、フォトマスクに従来から使用されている遮光材料からなるものであってよい。
パターン領域群21を構成する9個のパターン領域21-1〜21-9、パターン領域群22を構成する9個のパターン領域22-1〜22-9において、上記のように9種の遮光膜パターン14の最小寸法が相互に異なるものとし、また、開口率を上記のように16個の単位領域31-1〜31-16のそれぞれで相互に異なるものとすることにより、マスクの開口率に対するレジスト残膜量の導出が可能であるとともに、ウェーハ上における被照射体(レジスト膜)で解像しない領域、および、解像する領域を把握することができ、階調露光に適した寸法をもつ階調パターンを導出することが可能となる。
尚、上述の例では、一のパターン領域を区分する単位領域を、単位領域31-1〜31-16の16個としているが、一のパターン領域を区分する単位領域の数は、複数であればよく、特に制限はない。また、上述の例では、単位領域31-1から単位領域31-16に向けて、開口率を5%〜95%の16種としているが、この中に、開口率0%の単位領域(当該単位領域の全域に遮光膜13が存在する)、開口率100%の単位領域(当該単位領域に遮光膜13が存在しない)の少なくとも一方を含むものであってもよい。また、単位領域の位置と開口率の大きさとの間には特に制限がなく、例えば、隣接する単位領域の開口率の差ができるだけ小さくなるように設定することができる。
上述の実施形態は例示であり、本発明の階調露光用テストマスクは、これらの実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、パターン領域群21を構成する9個のパターン領域21-1〜21-9、パターン領域群22を構成する9個のパターン領域21-1〜21-9は、それぞれ直線状に配列されているが、配列形状は、これに限定されるものではない。また、一のパターン領域群を構成するパターン領域の数は、9個に限定されるものではない。さらに、複数のパターン領域群により構成されるパターン領域集合体15の数、配置も、上述の実施形態に限定されるものではない。
まず、感光材料であるレジストをウェーハ上に塗布して、レジスト膜を形成し、このレジスト膜を、階調露光用テストマスク11を介して所定の条件で露光し、その後、現像する。
次に、現像後のレジスト残膜量を測定する。図1に示される階調露光用テストマスク11の例では、5個のパターン領域集合体15を備えているが、レジスト残膜量の測定は、所望の1個のパターン領域集合体15にて行ってよく、また、2個以上のパターン領域集合体15において行ってもよい。このレジスト残膜量の測定は、パターン領域群21を構成する9個のパターン領域21-1〜21-9のそれぞれにおいて、16個の単位領域31-1〜31-16毎に行い、また、パターン領域群22を構成する9個のパターン領域22-1〜22-9のそれぞれにおいても、16個の単位領域31-1〜31-16毎に行う。
このようなレジスト残膜量の測定により、パターン領域群21を構成する9個のパターン領域21-1〜21-9から、図8(A)に示されるようなマスクの開口率とレジスト残膜量の関係が得られる。ライン/スペース形状の遮光パターン14が位置する9個のパターン領域21-1〜21-9から得られるマスクの開口率とレジスト残膜量の関係からは、基本的には同じレジスト残膜量関数が得られる。
次に、上記のように露光、現像、レジスト残膜量の測定から得られたレジスト残膜量関数から、その逆関数となる開口率関数を図9に示すように求める。この開口率関数としては、9個のパターン領域21-1〜21-9から、階調露光の表現が異なる9種の開口率関数が得られ、9個のパターン領域22-1〜22-9から、階調露光の表現が異なる9種の開口率関数が得られる。
上記のように採用する開口率関数が決定した後、図11に示される開口率の変化を有するマイクロレンズ用の階調露光マスク設計を行う。そして、この階調露光マスク設計にしたがって、図11に示される開口率変化を有する遮光部42を備えた階調露光マスク41を製造する(図12(A))。尚、図示の遮光部42は、便宜的に記載している。
次いで、現像してポストベークすることにより、マイクロレンズ55を作製することができる(図12(B))。
12…透明基板
13…遮光膜
14…遮光膜パターン
14B…遮光部
14T…光透過部
15…パターン領域集合体
21-K,21-1〜21-9…パターン領域
22-K,22-1〜22-9…パターン領域
31-1〜31-16…単位領域
Claims (8)
- 透明基板と、該透明基板の一方の面に位置する遮光膜パターンとを備えた階調露光用テストマスクにおいて、
前記透明基板には、複数のパターン領域からなるパターン領域群が画定されており、各パターン領域には、遮光膜パターンが位置しており、
一の前記パターン領域群を構成する前記複数のパターン領域のそれぞれが具備する遮光膜パターンは、互いに異なる最小寸法を有し、
すべての前記最小寸法は、マスク製造に使用する描画装置の製造限界寸法以上の寸法であり、
前記複数のパターン領域のそれぞれが具備する前記遮光膜パターンのうち、最も小さい最小寸法は、階調露光に使用する露光装置の解像限界寸法よりも小さく、最も大きい最小寸法は、階調露光に使用する露光装置の解像限界寸法以上であり、
個々の前記パターン領域は、複数の単位領域に区分されており、一の前記パターン領域を構成する各単位領域に位置する前記遮光膜パターンの開口率が相互に異なることを特徴とする階調露光用テストマスク。 - 一の前記パターン領域群を構成する前記パターン領域は、同じパターン形状の遮光膜パターンを有していることを特徴とする請求項1に記載の階調露光用テストマスク。
- 複数の前記パターン領域群を備え、遮光膜パターンの形状は前記パターン領域群相互間で異なることを特徴とする請求項2に記載の階調露光用テストマスク。
- 一の前記パターン領域を構成する複数の前記単位領域には、全域に遮光膜が位置して開口率が0%である単位領域、および、遮光膜が存在せず開口率が100%である単位領域の少なくとも一方が含まれることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の階調露光用テストマスク。
- 前記パターン領域は相互に離間しており、前記パターン領域間には遮光膜が存在していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の階調露光用テストマスク。
- 複数の前記パターン領域群によって一のパターン領域集合体が構成され、前記透明基板上には複数の前記パターン領域集合体が位置することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の階調露光用テストマスク。
- 前記遮光膜パターンは、ライン/スペース状、および、ドット形状の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の階調露光用テストマスク。
- 一の前記パターン領域における複数の前記単位領域の区分は格子形状であり、隣接する単位領域の開口率の差が小さくなるように各単位領域の開口率が設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の階調露光用テストマスク。
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