JP2010276960A - 位相シフトマスク又はそのマスクデータの作成方法、及び半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フォトマスクの構造に起因するフォーカスずれを、複数のマスクパターンに対して低減可能とする位相シフトマスク又はそのマスクデータ作成方法、及び半導体装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】露光光を透過させる透過部と、露光光の少なくとも一部を遮光する遮光部と、を備え、ピッチ及びパターン寸法の少なくとも一方を異ならせた複数のマスクパターンを有する位相シフトマスク又はそのマスクデータを用意し、透過部を構成する領域に掘り込みが形成された位相シフトマスク又はそのマスクデータを用いて、露光実験又は露光シミュレーションを実施し、露光結果が所望の寸法を満足するときの、それぞれのフォーカス範囲の重なりを求め、求められたフォーカス範囲の重なりが許容条件を満たすときの掘り込み深さを求め、当該掘り込み深さの掘り込みを備える位相シフトマスク又はそのマスクデータを作成する、ことを含む。
【選択図】図6
【解決手段】露光光を透過させる透過部と、露光光の少なくとも一部を遮光する遮光部と、を備え、ピッチ及びパターン寸法の少なくとも一方を異ならせた複数のマスクパターンを有する位相シフトマスク又はそのマスクデータを用意し、透過部を構成する領域に掘り込みが形成された位相シフトマスク又はそのマスクデータを用いて、露光実験又は露光シミュレーションを実施し、露光結果が所望の寸法を満足するときの、それぞれのフォーカス範囲の重なりを求め、求められたフォーカス範囲の重なりが許容条件を満たすときの掘り込み深さを求め、当該掘り込み深さの掘り込みを備える位相シフトマスク又はそのマスクデータを作成する、ことを含む。
【選択図】図6
Description
本発明は、位相シフトマスク又はそのマスクデータの作成方法、及び半導体装置の製造方法に関する。
半導体装置の製造プロセスにおけるフォトリソグラフィ工程では、パターンの微細化に伴い、露光波長から決定される解像限界を超える高解像度が要求されている。このような要求に対しては、隣接する領域を透過する透過光に位相差をもたせることにより解像度を向上させる、いわゆる位相シフトマスクが提案されている(例えば、特許文献1参照)。位相シフトマスクとしては、例えば、遮光膜にわずかな光透過性をもたせることで透過光の位相を反転させるハーフトーン型の位相シフトマスクが知られている。遮光膜の厚さは、位相シフトマスク上で隣接する、遮光膜が存在する領域と遮光膜が存在しない領域とで、互いの透過光の位相差が180度となるように調整される。
また、微細なパターンを形成するために、露光光としてArFエキシマレーザ光(中心波長193nm)を用いる液浸露光技術が開発されている。この液浸露光技術では、投影レンズの開口数NAを例えば1.3程度とする超高NAでのリソグラフィプロセスが可能となる。この場合、フォトマスク上のパターンサイズは露光光の波長と同等となる。このことから、フォトマスクにおける導波路効果や、フォトマスクへ露光光を斜入射させることによる露光光の遮蔽など、フォトマスクの構造、特に、膜厚に起因する事象が位相ずれへ及ぼす影響が問題となる。瞳上における位相のずれ量は、マスクパターンのピッチやパターン寸法により変化することとなるため、複数のマスクパターンに対してフォーカスを調整することが困難となる。
本発明は、フォトマスクの構造に起因するフォーカスずれを、複数のマスクパターンに対して低減可能とする位相シフトマスクの製造方法、及び露光方法を提供することを目的とする。
本願発明の一態様によれば、露光光を透過させる透過部と、露光光の少なくとも一部を遮光する遮光部と、を備え、ピッチ及びパターン寸法の少なくとも一方を異ならせた複数のマスクパターンを有する位相シフトマスク又はそのマスクデータを用意し、前記透過部を構成する領域に掘り込みが形成された前記位相シフトマスク又はそのマスクデータを用いて、露光実験又は露光シミュレーションを実施し、前記露光実験又は前記露光シミュレーションにより得られる前記複数のマスクパターンそれぞれについての露光結果が所望の寸法を満足するときの、それぞれのフォーカス範囲の重なりを求め、求められた前記フォーカス範囲の重なりが許容条件を満たすときの掘り込み深さを求め、当該掘り込み深さの掘り込みを備える位相シフトマスク又はそのマスクデータを作成する、ことを含む、位相シフトマスク又はそのマスクデータ作成方法が提供される。
また、本願発明の一態様によれば、半導体基板上に感光性膜を形成し、上記の方法により作成された位相シフトマスク、又はそのマスクデータに基づいて作成された位相シフトマスクを介した露光光の照射を経て、前記感光性膜にパターンを形成し、前記パターンが形成された前記感光性膜をマスクとして、前記半導体基板を加工する、ことを含む、半導体装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、フォトマスクの構造に起因するフォーカスずれを、複数のマスクパターンに対して低減できるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、本発明の実施の形態に係る位相シフトマスク又はそのマスクデータの作成方法、及び半導体装置の製造方法を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る作成方法により作成された位相シフトマスクの断面模式図である。位相シフトマスクは、透明基板11と、パターニングされた遮光膜12とを備える。透明基板11は、露光光に対し透明な部材、例えば石英部材からなる。遮光膜12は、透明基板11の表面に設けられている。位相シフトマスクのうち、遮光膜12が形成された領域は、露光光の少なくとも一部を遮光する遮光部14として機能する。位相シフトマスクのうち、遮光膜12が取り除かれた領域は、露光光を透過させる透過部13として機能する。位相シフトマスクには、ピッチ及びパターン寸法の少なくとも一方を異ならせた複数のマスクパターンが形成されている。
図1は、第1の実施の形態に係る作成方法により作成された位相シフトマスクの断面模式図である。位相シフトマスクは、透明基板11と、パターニングされた遮光膜12とを備える。透明基板11は、露光光に対し透明な部材、例えば石英部材からなる。遮光膜12は、透明基板11の表面に設けられている。位相シフトマスクのうち、遮光膜12が形成された領域は、露光光の少なくとも一部を遮光する遮光部14として機能する。位相シフトマスクのうち、遮光膜12が取り除かれた領域は、露光光を透過させる透過部13として機能する。位相シフトマスクには、ピッチ及びパターン寸法の少なくとも一方を異ならせた複数のマスクパターンが形成されている。
位相シフトマスクのうち遮光部14は、入射した露光光の殆どを遮る他、入射した露光光のうちのわずかな一部、例えば6%程度を透過させる。位相シフトマスクは、遮光膜12にわずかな光透過性をもたせることで透過光の位相を反転させる、ハーフトーン型の位相シフトマスクである。遮光膜12は、例えば、モリブデンシリサイドを用いて構成されている。遮光膜12の厚さは、互いに隣接する透過部13と遮光部14とで、透過光の位相差が180度となるように調整されている。透明基板11のうち透過部13には、掘り込み15が形成されている。掘り込み15は、透明基板11の表面のうち遮光膜12が形成された領域に対して掘り込まれることにより構成される。
ここで、図2から図5を参照して、従来の作成方法により作成された位相シフトマスクの問題点について説明する。図2は、位相シフトマスクMを介した露光を行う投影露光装置の模式図である。投影露光装置は、不図示の光源からの光を4箇所の開口16が形成された開口絞り19を通過させることにより、位相シフトマスクMへ露光光を斜入射させる。開口16は、光軸AX上以外の位置に設けられている。位相シフトマスクMは、ゼロ次回折光と1次回折光とを生じさせる。投影光学系17は、ゼロ次回折光と1次回折光とをウェハWにて干渉させる。位相シフトマスクMのマスクパターンのフーリエ変換面は、投影光学系17の瞳18の位置とされる。
投影光学系17のNAを高くするほど、位相シフトマスクMへ入射させる露光光の最大入射角度を大きくすることができる。しかし、位相シフトマスクMへ入射させる露光光の入射角度が大きくなるほど、位相シフトマスクMにおける導波路効果や、露光光を斜入射させることによるマスクパターンでの露光光の遮蔽など、位相シフトマスクMの構造、特に、膜厚に起因する事象が位相ずれへ及ぼす影響が問題となる。
図3は、ゼロ次回折光と1次回折光との位相差と、ハーフピッチとの関係の例を表したグラフである。ここでは、1対1のラインアンドスペースパターンにおいて、それぞれの回折光の入射角度が光軸に対して対称に位置するように設定した場合を例とする。ここで縦軸とする位相差とは、ゼロ次回折光と1次回折光とが理想的な位相差である状態、位相差が0度又は180度である状態からのずれ量をいうものとする。マスクパターンのピッチが小さくなるほど、位相ずれ量は大きくなる。
図4は、複数のマスクパターンを備えるフォトマスクの光学像をAIMS(Aerial Imaging Measurement System)により測定した結果の例を表すグラフである。AIMSによると、フォトマスクの光学像を直接観測することで、ウェハWの影響を排除してフォトマスクに起因するフォーカスへの影響を測定できる。ここでは、ピッチ及びパターン寸法の少なくとも一方を異ならせた複数のマスクパターンについて、光学像におけるライン幅のフォーカス依存性を測定する場合を例とする。縦軸は光学像のライン幅、横軸はデフォーカス(基準となるフォーカス位置からのずれ)を示す。各曲線の極大値は、フォーカスのセンター位置を表している。この結果では、フォトマスクの構造に起因するフォーカスずれが30〜40nm程度存在している。
図5は、露光装置による実験結果の例を表すグラフである。縦軸は、ウェハW上に形成されたパターンのパターン寸法(CD:Critical Dimension)を示す。例えば、ライン状のパターンの場合、CDとはライン幅を指すものとする。横軸はデフォーカスを示す。各パターンにおける着目箇所のパターン寸法をプロットしたところ、フォーカスのセンター位置のずれが確認されている。
本実施の形態は、フォトマスクの構造に起因する導波路効果等による露光光の位相ずれ量が、複数のマスクパターンの近傍において略一致するように、掘り込み15(図1参照)の掘り込み深さを最適化することを特徴とする。
図6は、掘り込み深さの最適値を決定する手順を説明するフローチャートである。ステップS1では、初期化として、露光に必要な照明条件を決定し、管理対象とする複数のマスクパターンを含む位相シフトマスク、又はそのマスクデータを用意する。
ステップS2では、マスクパターンのフォーカス依存性を確認するための測定をする。ステップS1において位相シフトマスクを用意する場合は、その位相シフトマスクを介した露光による露光実験にて、フォーカス依存性の確認をする。露光実験では、露光により形成されたレジストパターンの計測により、パターン寸法を判断する。
なお、ステップS1において位相シフトマスクのマスクデータを用意する場合は、露光シミュレーションにて、フォーカス依存性の確認をする。露光シミュレーションとしては、例えば光学像計算やマスク像の観察を実施する。光学像計算を実施する場合は、光学像からレジストパターンを予測することにより、パターン寸法を判断する。シミュレーションにおいて入力されるデータとしては、例えば、所望とするデザインにおけるパターン寸法、位置関係等が用いられる。マスク像の観察を実施する場合は、例えば、AIMSによる観測結果からレジストパターンを予測し、マスクのパターン寸法を判断する。なお、パターン寸法は、露光実験、光学像計算及びマスク像観察の少なくとも一つを実施することで判断すれば良く、これらの組み合わせにより判断することとしても良い。
ステップS3では、複数のマスクパターンのうち、少なくとも二つのマスクパターンを選択マスクパターンとして選択する。選択マスクパターンとしては、掘り込みの形成前の露光実験又は露光シミュレーションによる露光結果が所望のパターン寸法を満足するときのフォーカス範囲の重なりが最も少ないマスクパターンを選択する。
例えば、露光実験により図5に示すような測定結果を得たとする。この結果では、マスクパターンは、CDとデフォーカスとの関係が近い4つのグループA、B、C、Dに、大まかに分類される。所望とするパターン寸法は、フォーカスのセンター位置を中央とする所定のフォーカス範囲において満足するものとする。所望とするパターン寸法を満足するときのフォーカス範囲の重なりが最も少ないのは、グループAに分類されるマスクパターンと、グループDに分類されるマスクパターンとである。
但し、グループAは他のグループに比べてグラフのカーブが緩く、フォーカスの変化によるCDの変動が比較的少ない。このため、フォーカスのセンター位置がずれていても他のパターンとのマージンが比較的取り易いこととなる。そこで、フォーカスに対してCDの変動量が大きく、かつ所望とするパターン寸法を満足するときのフォーカス範囲の重なりが最も少ないグループBとグループDとのそれぞれから一つずつを、選択マスクパターンとして選択することとする。
図7及び図8は、選択マスクパターンの例を説明する図である。ここでは、ウェハに微小な矩形のホールを形成するためのマスクパターンを管理対象とする場合を例とする。例えば、図7において円で囲んで示すマスクパターンは、ウェハ上において、周囲のホールに対して孤立されたホールを形成するために、他のパターンから孤立させて形成されている。図8において円で囲んで示すマスクパターンは、ウェハ上において、一方向へ周期的に並列されたホールを形成するために、一方向へ周期性を持たせて形成されている。このように、配置の態様が大きく異なるマスクパターン同士ほど、所望のパターン寸法を満足するときのフォーカス範囲の重なりが少なくなる傾向がある。
ステップS1において位相シフトマスクを用意する場合、ステップS4では、試験用基板のうち透過部を構成する領域に掘り込みを形成する。ステップS5では、選択マスクパターンのフォーカス依存性を確認するための測定をする。ステップS6では、現在形成されている掘り込みの掘り込み深さが上限値に到達したか否かを判断する。
図9は、試験用基板21への掘り込み22の形成について説明する、試験用マスクの断面模式図である。ここでは、掘り込み22の掘り込み深さdを段階的に増加させながらフォーカス依存性の確認のための測定を行う。掘り込み深さdとは、試験用基板21の表面のうち遮光膜12が形成された領域の高さを基準とした場合の深さとする。ステップS4における1回の掘り込み量は、掘り込み深さdの上限値を複数等分したものとする。
初回のステップS4で掘り込み22を形成し、ステップS5における測定を終えた段階では、掘り込み深さdは上限値未満となるため(ステップS6、No)、ステップS4に戻って2回目の掘り込みを行う。ステップS4からステップS6までの工程は、掘り込み22の掘り込み深さdが上限値に到達するまで繰り返される。なお、掘り込み深さdの上限値は任意であって、適宜設定可能であるものとする。ステップS4における掘り込み22の形成は、少なくとも選択マスクパターンを含む領域についてされれば良く、試験用基板21の全体についてされる場合に限られない。
掘り込み22の掘り込み深さdが上限値に到達した場合(ステップS6、Yes)、掘り込み深さdの最適値を決定する。掘り込み深さdを段階的に変化させるごとに得られた測定結果のうち、所望のパターン寸法を満足するときのフォーカス範囲の重なりが最大となるときの掘り込み深さdが最適値とされる(ステップS7)。以上により、掘り込み深さdの最適値を決定するためのプロセスを終了する。位相シフトマスクは、材料基板である透明基板11に遮光材料の膜を形成し、パターニングした後、上記手順により決定された最適値を掘り込み深さとする掘り込み15を形成することにより製造される。
なお、露光シミュレーションを実施する場合も、位相シフトマスクの掘り込み深さを変えるごとの露光結果から、フォーカス範囲の重なりが最大となるときの掘り込み深さを最適値として決定する。そして、掘り込み深さが最適値である掘り込みを備えるマスクデータを作成し、作成されたマスクデータに基づいて位相シフトマスクを製造する。露光シミュレーションにより掘り込み深さの最適値を決定する場合は、掘り込み深さdの変動量は、最適化のアルゴリズムに応じて設定することとしても良い。このため、掘り込み深さdの変動量は段階的に変化させる場合に限られない。
本実施の形態では、掘り込みの上限値へ至るまで掘り込み深さを変化させ、フォーカス範囲が最大となる掘り込み深さを採用することとしているが、この場合に限られない。例えば、フォーカス範囲を求めるための任意回数の計測をする中でフォーカス範囲の重なりが最大となるときの掘り込み深さを採用することとしても良い。また、任意回数の計測をする中でフォーカス範囲の重なりが許容条件を満たす場合の掘り込み深さを採用することとしても良い。さらに、掘り込み深さを設定したときの1回の計測をした場合であっても、掘り込みが形成されない場合に比べてフォーカス範囲の重なりが大きくなる場合であれば、かかる掘り込み深さを採用しても良いものとする。本実施の形態は、少なくとも、掘り込みが形成されない場合に比べてフォーカス範囲の重なりが大きくなるような掘り込み深さとする位相シフトマスク、又はそのマスクデータを作成可能であれば良いものとする。
図10は、掘り込み深さを変化させた場合における、CDとフォーカスとの関係を表すグラフである。白抜き円のプロットは、マスクパターン1によるCDとフォーカスとの関係の測定結果を表すものとする。白抜き四角のプロットは、マスクパターン2によるCDとフォーカスとの関係を測定した結果を表すものとする。マスクパターン1、マスクパターン2について、破線グラフは、掘り込み無しのときのCDとフォーカスの関係を表すものとする。マスクパターン1、マスクパターン2について、実線グラフは、掘り込み深さdを10nmとしたときのCDとフォーカスとの関係を表すものとする。白抜き円のプロットを付した実線グラフ及び破線グラフの間の一点鎖線グラフは、マスクパターン1について、掘り込み深さdを5nmとしたときのCDとフォーカスとの関係を表すものとする。白抜き四角のプロットを付した実線グラフ及び破線グラフの間の一点鎖線グラフは、マスクパターン2について、掘り込み深さdを5nmとしたときのCDとフォーカスとの関係を表すものとする。
掘り込み無しのとき、マスクパターン1におけるフォーカスのセンター位置が25nm、マスクパターン2におけるフォーカスのセンター位置が14.29nmであったとする。このとき、マスクパターン1とマスクパターン2とにおける、フォーカスのセンター位置の差は10.71nmとなる。
次に、掘り込み深さdが5nmとなるまで掘り込みを施した場合に、マスクパターン1におけるフォーカスのセンター位置が0nm、マスクパターン2におけるフォーカスのセンター位置が4nmであったとする。このとき、マスクパターン1とマスクパターン2とにおける、フォーカスのセンター位置の差は4nmとなる。
次に、掘り込み深さdが10nmとなるまで掘り込みを施した場合に、マスクパターン1におけるフォーカスのセンター位置が−25.0nm、マスクパターン2におけるフォーカスのセンター位置が−6.25nmであったとする。このとき、マスクパターン1とマスクパターン2とにおける、フォーカスのセンター位置の差は18.75nmとなる。
マスクパターン1とマスクパターン2とで所望のパターン寸法を満足するときのフォーカス範囲の重なりが最も大きくなるのは、フォーカスのセンター位置の差が最小となるときである。この結果によると、フォーカスのセンター位置の差が最小となるのは、掘り込み深さdが5nmとなるときである。掘り込み深さdが5nmであるとき、マスクパターン1とマスクパターン2とで所望のパターン寸法を満足するときのフォーカス範囲の重なりが最も大きくなる。よって、掘り込み深さdが5nmである掘り込み15を位相シフトマスクに形成することにより、マスクパターン1とマスクパターン2とで導波路効果の影響が同程度となるようにフォーカスずれを調整することが可能となる。
複数のマスクパターンのうち、所望のパターン寸法を満足するときのフォーカス範囲の重なりが最も少ないものを選択マスクパターンとして掘り込み深さdの最適値を求めることにより、複数のマスクパターンの全体について、導波路効果の影響が同程度となるようなフォーカスずれの調整が可能となる。以上により、フォトマスクの構造に起因するフォーカスずれを、複数のマスクパターンに対して低減できるという効果を奏する。複数のマスクパターン全てについて所望のパターン寸法を満足するように、フォーカス範囲を露光装置のフォーカス裕度範囲内に収めることで、全てのマスクパターンを良好なマージンにて解像させることが可能となる。
次に、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。上記の工程を経て作成された位相シフトマスクは、露光装置の光路中に配置される。感光性膜が形成された半導体基板をウェハステージに配置し、位相シフトマスクを介して露光光を照射させる。上記の位相シフトマスクを介した露光により、複数のマスクパターンに対してフォーカスずれを低減可能とし、高解像度かつ忠実にパターンを投影できる。さらには、前述のように露光された感光性膜を現像して感光性膜パターンを形成し、感光性膜パターンをマスクとして半導体基板をエッチング加工することにより、半導体装置を製造することが可能である。なお、本実施の形態で説明する位相シフトマスクの製造方法は、ハーフトーン型の位相シフトマスク以外の位相シフトマスクの製造に応用しても良い。
(第2の実施の形態)
図11は、第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法で用いられる位相シフトマスクの断面模式図である。本実施の形態は、透過部13に透明部材25が設けられた位相シフトマスクを用いることを特徴とする。透明部材25は、第1の実施の形態での掘り込み15(図1参照)に代えて設けられている。第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。透明部材25は、遮光膜12同士の間に充填されている。透明部材25の消衰係数kは、以下の式(1)を満たす。
|k|<0.1 (1)
図11は、第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法で用いられる位相シフトマスクの断面模式図である。本実施の形態は、透過部13に透明部材25が設けられた位相シフトマスクを用いることを特徴とする。透明部材25は、第1の実施の形態での掘り込み15(図1参照)に代えて設けられている。第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。透明部材25は、遮光膜12同士の間に充填されている。透明部材25の消衰係数kは、以下の式(1)を満たす。
|k|<0.1 (1)
透明部材25は、式(1)を満足する部材、例えば、透明樹脂部材である。消衰係数kは、ゼロに近いほど透過率への影響を少なくできるため好ましい。透明部材25を設けることにより、位相シフトマスクを介して露光光を照射させる際、導波路効果による露光光の位相ずれ量を、複数のマスクパターンの近傍において相殺させる。これにより、複数のマスクパターンに対してフォーカスずれを低減可能とし、高解像度かつ忠実にパターンを投影することが可能となる。
(第3の実施の形態)
図12は、第3の実施の形態に係る半導体装置の製造方法で用いられる位相シフトマスクの断面模式図である。本実施の形態は、透明基板11のうち透過部13を構成する領域の屈折率が調整された位相シフトマスクを用いることを特徴とする。第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図12は、第3の実施の形態に係る半導体装置の製造方法で用いられる位相シフトマスクの断面模式図である。本実施の形態は、透明基板11のうち透過部13を構成する領域の屈折率が調整された位相シフトマスクを用いることを特徴とする。第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図12の(a)に示す位相シフトマスクは、透明基板11に生じる温度差を利用して、透明基板11の屈折率が調整される。位相シフトマスクに露光光Lを照射させると、マスクパターンの密度に応じて、透明基板11に温度分布が生じる。マスクパターンが密であるほど、露光光Lによって温度が上昇する。透明基板11は、露光光Lによる温度変化に応じて、屈折率が調整される。なお、透明基板11に温度差を生じさせる手法としては、露光光Lの照射によるものに限られず、他の手段による加熱や冷却を利用することとしても良い。
図12の(b)に示す位相シフトマスクは、露光光Lの照射強度に応じた非線形屈折率変化を利用して、屈折率が調整される。位相シフトマスクに露光光Lを照射させると、マスクパターンの密度に応じて、露光光Lの照射強度分布が透明基板11に生じる。マスクパターンが密であるほど、露光光Lが強く照射される。透明基板11は、露光光Lの照射強度の変化に応じて非線形屈折率変化を生じさせ、屈折率が調整される。
図12の(c)に示す位相シフトマスクは、電磁場Eの印加を利用して、屈折率が調整される。位相シフトマスクに電磁場Eを印加させると、マスクパターンの密度に応じて、印加される電界或いは磁界の分布が透明基板11に生じる。透明基板11は、印加される電界或いは磁界の変化に応じて、屈折率が調整される。
図12に示す三つの態様のいずれかを利用して透明基板11の屈折率を調整することにより、位相シフトマスクを介して露光光を照射させる際、導波路効果による露光光の位相ずれ量を、複数のマスクパターンの近傍において相殺させる。これにより、複数のマスクパターンに対してフォーカスずれを低減可能とし、高解像度かつ忠実にパターンを投影することが可能となる。
11 透明基板、12 遮光膜、13 透過部、14 遮光部、15 掘り込み。
Claims (5)
- 露光光を透過させる透過部と、露光光の少なくとも一部を遮光する遮光部と、を備え、ピッチ及びパターン寸法の少なくとも一方を異ならせた複数のマスクパターンを有する位相シフトマスク又はそのマスクデータを用意し、
前記透過部を構成する領域に掘り込みが形成された前記位相シフトマスク又はそのマスクデータを用いて、露光実験又は露光シミュレーションを実施し、
前記露光実験又は前記露光シミュレーションにより得られる前記複数のマスクパターンそれぞれについての露光結果が所望の寸法を満足するときの、それぞれのフォーカス範囲の重なりを求め、
求められた前記フォーカス範囲の重なりが許容条件を満たすときの掘り込み深さを求め、
当該掘り込み深さの掘り込みを備える位相シフトマスク又はそのマスクデータを作成する、
ことを含む、位相シフトマスク又はそのマスクデータ作成方法。 - 露光光を透過させる透過部と、露光光の少なくとも一部を遮光する遮光部と、を備え、ピッチ及びパターン寸法の少なくとも一方を異ならせた複数のマスクパターンを有する位相シフトマスク又はそのマスクデータを用意し、
前記透過部を構成する領域に掘り込みが形成された前記位相シフトマスク又はそのマスクデータを用いて露光実験又は露光シミュレーションを実施し、
前記露光実験又は前記露光シミュレーションにより得られる前記複数のマスクパターンそれぞれについての露光結果が所望の寸法を満足するときの、それぞれのフォーカス範囲の重なりを求め、
前記掘り込みの掘り込み深さを変えるごとに前記露光実験又は前記露光シミュレーションを実施し、
前記フォーカス範囲の重なりが最大となるときの掘り込み深さを最適値として決定し、掘り込み深さが前記最適値である掘り込みを備える位相シフトマスク又はそのマスクデータを作成する、
ことを含む、位相シフトマスク又はそのマスクデータ作成方法。 - 前記掘り込みの形成前に露光実験又は露光シミュレーションを実施し、
前記露光実験又は前記露光シミュレーションにより得られる露光結果が所望の寸法を満足するときの前記フォーカス範囲の重なりが最も少ない、少なくとも二つのマスクパターンを選択マスクパターンとして選択して、前記掘り込みを形成した場合における前記露光実験又は前記露光シミュレーションを実施する、請求項1又は2に記載の位相シフトマスク又はそのマスクデータ作成方法。 - 半導体基板上に感光性膜を形成し、
請求項1〜3のいずれか一つに記載の作成方法によって作成された位相シフトマスク又はそのマスクデータに基づいて作成された位相シフトマスクを介した露光光の照射を経て、前記感光性膜にパターンを形成し、
前記パターンが形成された前記感光性膜をマスクとして、前記半導体基板を加工する、
ことを含む、半導体装置の製造方法。 - 半導体基板上に感光性膜を形成し、
位相シフトマスクを介した露光光の照射を経て、前記感光性膜にパターンを形成し、
前記位相シフトマスクは、
前記露光光を透過させる透過部と、前記露光光の少なくとも一部を遮光する遮光部と、を備え、ピッチ及びパターン寸法の少なくとも一方を異ならせた複数のマスクパターンを有し、
前記透過部を構成する領域に、消衰係数の絶対値が0.1未満である透明部材が設けられ、導波路効果による前記露光光の位相ずれ量を、前記複数のマスクパターンの近傍において相殺させる、
ことを含む、半導体装置の製造方法。
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