JP6676402B2 - ワイヤソー切断装置及び切断方法 - Google Patents
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Description
図1は、本実施形態におけるワイヤソー切断装置10の全体を示す斜視図である。ワイヤソー切断装置10は、内部空間が形成された本体部20と、この本体部20から延在された一対(2つ)のスタンド部50とを備えている。更に、ワイヤソー切断装置10は、本体部20の内部空間内及びスタンド部50の外周を巻回するワイヤ60を備えている。
第1プーリー26は、張力付与部として機能し、ワイヤ60を切断対象物に押し付ける張力を付与するためのテンションフィードプーリーである。本実施形態では、連動して移動する2つの第1プーリー26を用いる。各第1プーリー26は、スタンド部50の延在方向(図1の上下方向)と同方向に、移動機構(図示せず)によって、移動可能に配置されている。そして、2つの第1プーリー26の間には、位置の固定された第3プーリー28(ガイドプーリー)が配置されている。切断時に、第1プーリー26を、第3プーリー28から離間する方向に移動させることにより、ワイヤ60に張力を加えてワイヤ60を切断対象物に押し付ける。
更に、ケース部材22のフレームF1の奥面側には、一対(2つ)の差込ブラケット39が、所定間隔で設けられている。差込ブラケット39は、搬送支持部として機能し、上下両側が開口した中空の四角柱形状からなる。この差込ブラケット39は、ワイヤソー切断装置10を移動させる場合に、フォークリフトのフォークを差し込むために用いられる。なお、この差込ブラケット39は、フォークリフトのフォークが差し込まれてワイヤソー切断装置10を持ち上げた場合、ワイヤソー切断装置10の重心がフォーク間に位置するように配置されている。
次に、フォークリフトの一対のフォークを、ワイヤソー切断装置10の差込ブラケット39に挿入して、ワイヤソー切断装置10を持ち上げる。
ここでは、まず、吸引の開始処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、集塵ホース33に接続された集塵装置を稼働させる。これにより、集塵ホース33を介して、ケース部材22、ベース部材21及び接触部材40の内部の空気が排出される。更に、孔71の先端部における空気が、オフセットスタンド51の開口部(集塵口)からオフセットスタンド51を介してベース部材21及び接触部材40の内部に排出され、この内部から集塵ホース33を介して排出される。
そして、第1プーリーの移動及び第2プーリーによる張力調整処理を実行する(ステップS3−3)。具体的には、移動用モータ36を稼働させて、第1プーリー26を鉄筋コンクリートブロック70から遠ざける方向に徐々に移動させる。これにより、高速回転したワイヤ60は、まず、掛止用パイプ45aを切断する。ここで、掛止用パイプ45aの切断によってワイヤ60に加わる張力が変化する場合には、スプリングユニットの付勢力により第2プーリー27が第3プーリー28に対して相対移動するため、ワイヤ60の張力をほぼ一定にする。
以上によって、ワイヤソー切断装置10のオフセットスタンド51間の領域が、水平面状に切断される。
なお、側面切断及び背面切断は、1対の孔を平行に形成し、ワイヤソー切断装置のスタンド部を各孔に挿入し、上述した水平切断と同様にして切断を行なう。
(1)本実施形態のワイヤソー切断装置10は、本体部20と一対のスタンド部50とを備えている。本体部20は、ワイヤ60が巻回されるプーリー(25〜28)を内蔵するケース部材22と、集塵ホース33が接続されたベース部材21とを備えている。各スタンド部50は、ワイヤ60を巻回するオフセットプーリー53が先端に取り付けられた中空のオフセットスタンド51を備えている。オフセットスタンド51の先端側の開口は、基端部側の開口を介してベース部材21の空間31に連通している。切断時には、鉄筋コンクリートブロック70に形成した2つの孔71にスタンド部50を挿入して、ワイヤソー切断装置10を鉄筋コンクリートブロック70に接触するように設置する。これにより、鉄筋コンクリートブロック70の切断作業場所で、ワイヤソーの組み立てを簡略化することができる。更に、孔71内で発生した切断粉をオフセットスタンド51の先端からオフセットスタンド51の中空部及び集塵ホース33を介して切断粉を排出する。これにより、切断のために回転するワイヤ60が通過する経路から外部に粉塵が飛散せずに、切断によって発生した粉塵を効率よく排出でき、ワイヤソー切断装置10の外部への粉塵の飛散を抑制することができる。
・上記実施形態においては、ワイヤソー切断装置10のケース部材22には、駆動プーリー25及び2つの第1プーリー26を収容している。各プーリーの個数は、これらに限定されるものではない。例えば、ワイヤ60が切断する切断面の大きさ及びケース部材22の形状に応じて、プーリーの個数を変更できるようにしてもよい。また、駆動プーリー25と第1プーリー26とを一体とした一つのプーリーで構成してもよい。更に、上記実施形態では、第1プーリー26を、スタンド部50の延在方向に移動するように配置する。第1プーリー26の移動方向は、ワイヤ60を切断対象物に押し付ける張力をワイヤ60に付与できる方向であれば、これに限定されない。
Claims (9)
- 切断対象物の切断を行なうワイヤを巻回して回転させるワイヤ駆動部と、
前記ワイヤを前記切断対象物に押し付ける張力を前記ワイヤに付与する張力付与部と、
前記ワイヤ駆動部及び前記張力付与部を内蔵するケース部材と、
前記ケース部材を保持する本体部に固定された一対のスタンド部とを備え、
前記各スタンド部は、先端部側及び前記本体部側に開口部が設けられた中空のオフセットスタンドを備え、
前記オフセットスタンドには、前記ワイヤを巻回するオフセット部が先端に取り付けられており、
前記各スタンド部は、前記スタンド部の基元部の前記本体部に対する取付位置を変更可能とする位置変更機構部と前記スタンド部の前記本体部に対する取付角度を変更可能とする角度変更機構部とを備える取付機構を介して、前記本体部に取り付けられており、
前記位置変更機構部には、前記ワイヤが掛け止められる掛止部材であって前記スタンド部の基元部とともに前記本体部に対する位置を変更可能に構成された前記掛止部材が取り付けられていることを特徴とするワイヤソー切断装置。 - 請求項1に記載のワイヤソー切断装置において、
前記本体部には、前記切断対象物との接触面に、環状のシール部材を設けたことを特徴とするワイヤソー切断装置。 - 請求項2に記載のワイヤソー切断装置において、
前記本体部には、前記シール部材により囲まれた空間を排気する排気手段を設けたことを特徴とするワイヤソー切断装置。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載のワイヤソー切断装置において、
前記本体部において、前記切断対象物との接触面側は、前記切断対象物の表面形状に沿った形状で構成されていることを特徴とするワイヤソー切断装置。 - 請求項1〜4の何れか1項に記載のワイヤソー切断装置において、
前記スタンド部は、前記オフセットスタンドの先端部側を閉塞した状態で前記オフセットスタンドを覆うカバー部を備え、
前記カバー部には、前記ワイヤを露出するための開口部が設けられていることを特徴とするワイヤソー切断装置。 - 請求項5に記載のワイヤソー切断装置において、
前記スタンド部には、前記スタンド部が挿入される孔の壁面に接する方向に突出した回転可能な滑り部が取り付けられていることを特徴とするワイヤソー切断装置。 - 請求項1〜6の何れか1項に記載のワイヤソー切断装置において、
前記張力付与部は、前記オフセットスタンドの延在方向に移動可能な複数のテンションフィードプーリーを備えていることを特徴とするワイヤソー切断装置。 - 請求項1〜7の何れか1項に記載のワイヤソー切断装置において、
前記ケース部材内に、前記ワイヤを巻回し、前記ワイヤの張力を調整する張力調整部を設けたことを特徴とするワイヤソー切断装置。 - 請求項1〜8の何れか1項に記載のワイヤソー切断装置を用いて、切断対象物を切断する切断方法であって、
前記切断対象物に、一対のスタンド部の間隔に対応する間隔で2つの孔を形成し、
前記孔のそれぞれに前記ワイヤソー切断装置の各スタンド部を、各スタンド部のオフセットスタンドの前記本体部に対する相対位置を変更しながら挿入して、前記切断対象物に前記ワイヤソー切断装置との接触面に当接するように、前記ワイヤソー切断装置を前記切断対象物に設置し、
前記ワイヤソー切断装置に巻回されている前記ワイヤによって、前記切断対象物における前記一対のスタンド部の間を面状に切断することを特徴とする切断方法。
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