以下、本発明に係る検体液センサユニットの実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する各図面において同じ構成部材には同じ符号を付すものとする。また、各部材の大きさや部材同士の間の距離などは模式的に図示しており、現実のものとは異なる場合がある。
<第1の実施形態>
図1(a)および図1(b)は、本発明の第1の実施形態に係る検体液センサユニット1(以下、単に「ユニット1」ということがある。)を閉状態で示す斜視図である。図2(a)は、ユニット1を開状態で示す斜視図である。図2(b)は、ユニット1の一部を開状態かつ検体液センサの装着前の状態で示す斜視図である。
ユニット1全体の大きさは、例えば、掌に載る大きさである。寸法の一例を挙げると、閉状態において、厚み(z方向)は30mm〜40mm、幅(y方向)は50mm〜90mm、長さ(x方向)は100mm〜150mmである。
ユニット1は、検体液センサ3と、検体液センサ3が着脱されるリーダ5とを有している。
検体液センサ3は、検体液を吸引および収容し、入力された電気信号をその検体液の性質または成分に応じて変化させて出力する。リーダ5は、検体液センサ3に電気信号を入力するとともに、検体液センサ3から出力される電気信号を受け取る。検体液センサ3は、例えば、使い捨てのセンサであり、一度使用した後は別の新しい検体液センサ3をリーダ5に取り付けて検体液のセンシングを行う。
検体液センサ3は、例えば、全体として概ね板状に構成されている。その平面形状は、例えば、長方形である。検体液センサ3の外形寸法の一例を挙げると、厚み(z方向)は0.5mm〜3mm、長さ(x方向)は60〜80mm、幅(y方向)は20〜30mmである。
リーダ5は、図1に示す閉状態と図2に示す開状態との間で遷移可能(相対移動可能)に連結された固定部7と可動部9とを有している。
固定部7は、机の上面などの概ね水平な面に載置される部分である。可動部9は、固定部7に対して移動される部分である。閉状態では、可動部9は、固定部7に上から重なって固定部7と対向する。開状態では、可動部9は、閉状態よりも固定部7から離れる。また、固定部7および可動部9は、いずれもリーダ5の外形を構成している。換言すれば、固定部7および可動部9は、いずれも筐体の内部に配置される部分ではなく、外部に露出している。
従って、リーダ5が開状態とされると、固定部7および可動部9の互いに対向していた面は外部に露出する。そして、その露出した固定部7の上面に検体液センサ3を載置し、可動部9を移動させて閉状態とすることによって、検体液センサ3は、固定部7と可動部9とに挟まれ、リーダ5に装着される。このように、ユニット1における検体液センサ3の着脱方式は、検体液センサをリーダに抜き差しする方式ではなく、新たな方式とされている。
固定部7および可動部9は、例えば、それぞれの対向面に沿う所定方向(図1に示す閉状態においてx方向)の一端において、対向面に平行かつ前記所定方向に直交する方向(y方向)に平行な回転軸回りに回転可能に連結されている。すなわち、閉状態と開状態との間の遷移の方式は、いわゆる折り畳み式とされている。
固定部7は、固定筐体11を有し、可動部9は、可動筐体13を有している。固定筐体11および可動筐体13は、例えば、主としてポリエチレンテレフタラート(PET)などの樹脂によって構成されている。固定筐体11の外形は、例えば、概ね、薄型直方体状とされている。可動筐体13の外形は、例えば、概ね、閉状態において固定筐体11に対向する面に凹部13aが形成された薄型の箱状とされている。
固定筐体11の一端には、閉状態において可動筐体13に対向する方向(z方向)に突出する第1凸部11aが形成されている。一方、可動筐体13の一端には、第1凸部11aが収容される切り欠き13bが形成されている。換言すれば、切り欠き13bを構成する一対の第2凸部13cが形成されている。そして、第1凸部11aおよび第2凸部13cに不図示のヒンジパーツがy方向に挿通されることによって、固定筐体11および可動筐体13は、y方向に平行な回転軸回りに互いに回転可能に連結されている。
なお、このような開閉機構には、公知の携帯電話機もしくはノート型パーソナルコンピュータの開閉機構を利用してよい。不図示のヒンジパーツは、可動筐体13を固定筐体11に向けて閉じるにときに、閉状態付近において、閉じる方向に勢いが増すような機構としてもよく、また、可動筐体13を固定筐体11から開くときには、開状態付近において、開く方向に勢いが増すような機構とされていてもよい。
固定筐体11および可動筐体13の幅(y方向)は、例えば、同じである。可動筐体13の長さ(閉状態におけるx方向)は、例えば、固定筐体11の長さ(x方向)よりも短い。すなわち、閉状態において、固定筐体11の連結部側とは反対側の端部である延長部11dは、可動筐体13に重ならずに露出する。
検体液センサ3は、その一端が延長部11d上に位置するように固定筐体11の上面に載置される。従って、検体液センサ3は、延長部11d上の端部が可動筐体13に覆われずにリーダ5の外部に露出する。後述するように、この露出部分は、検体液センサ3への検体液の供給に利用できる。その一方で、検体液センサ3は、平面視においてその全体が固定筐体11に重なっている(ただし、全体が当接している必要は無い)から、不用意にユーザの手などが検体液センサ3に当たることが抑制される。
なお、延長部11dの上面の少なくとも一部は、固定筐体11上の検体液センサ3を摘みやすいように、検体液センサ3が載置される面よりも低くされていることが好ましい。本実施形態では、延長部11dの上面は、固定筐体11外側ほど低くなる傾斜面とされている場合を例示している。また、延長部11dは、設けられなくてもよく、固定筐体11の長さと可動筐体13の長さとを同じにしてもよい。
固定筐体11は、例えば、その厚み方向において互いに対向する第1ケース部材15および第2ケース部材17を有している。固定筐体11は、必要に応じて、第1ケース部材15と第2ケース部材17との間に回路基板等を収容可能である。
可動筐体13は、一方が開放された箱状の第3ケース部材19と、第3ケース部材19の内部に配置された、一方が開放された箱状の第4ケース部材21(図2(a))とを有している。第3ケース部材19の箱の深さは、第4ケース部材21の厚みよりも深くされており、第3ケース部材19と第4ケース部材21との間には空間が構成されている。可動筐体13は、必要に応じて、当該空間に回路基板等を収容可能である。
固定筐体11および可動筐体13は、必要に応じて、その内部空間が第1凸部11aおよび第2凸部13cを介して連通される。そして、必要に応じて、同軸細線ケーブルまたはFPC(フレキシブルプリント基板)等によって構成された可撓性の信号線が第1凸部11aおよび第2凸部13cに挿通され、両筐体に設けられた回路同士が接続される。
図2(a)および図2(b)に示すように、固定部7は、検体液センサ3を位置決めするための位置決めピン23と、検体液センサ3の温度を調整するための温度調整部25(図2(b))とを有している。また、可動部9は、検体液センサ3とリーダ5とを電気的に接続するための接続部品27(図2(a))を有している。
位置決めピン23は、例えば、固定部7の上面(閉状態において可動部9と対向する面)から突出している。位置決めピン23は、固定筐体11と一体形成されていてもよいし、固定筐体11とは別個に形成されて、ねじまたは接着剤等によって固定筐体11に固定されていてもよい。位置決めピン23の数、配置位置、断面形状、直径および高さは、適宜に設定されてよい。本実施形態では、断面円形の位置決めピンが2つ設けられている場合を例示している。
一方、検体液センサ3には、位置決めピン23が嵌合する位置決め孔3hが形成されている。そして、検体液センサ3は、位置決め孔3hに位置決めピン23が嵌合することによって、xy平面に沿う方向(閉状態における固定部7および可動部9の対向面に沿う平面方向)における固定部7に対する位置決めがなされる(xy平面において動かないようにされる。)。
温度調整部25は、例えば、ペルチェ素子などの熱電変換素子を含む部材である。ペルチェ素子は、例えば、半導体と、その両側に配置された電極と、さらにその両側に配置された放熱板とを有している。ペルチェ素子は、一対の放熱板のうち一方を固定筐体11の上面に形成された開口から露出させ、他方を固定筐体11の内部側に向けるように固定筐体11に収容されている。
そして、ペルチェ素子は、電圧が印加されると、一方の放熱板から他方の放熱板へ熱を移動させ、また、電圧の極性が反転されると、その熱の移動方向を反転させる。すなわち、温度調整部25は、検体液センサ3の加熱および冷却の双方を行うことが可能である。
なお、温度調整部25と検体液センサ3との間には、空気が介在しないことが好ましい。すなわち、ペルチェ素子の放熱板は、検体液センサ3に当接していることが好ましい。従って、放熱板は、固定筐体11の上面から僅かに突出していてもよい。また、放熱板は、検体液センサ3との密着性を向上させるように、その表面に、シリコーンゴム等の弾性部材からなる、固定筐体11(樹脂)よりも熱伝導率が高い熱伝導シートを有していてもよい。
接続部品27は、端子保持部材29と、端子保持部材29に保持された複数の接続端子31とを有している。
端子保持部材29は、例えば、全体として概ね板状に形成されている。その平面形状は、適宜に設定されてよく、本実施形態では、矩形とされている。端子保持部材29は、特に図示しないが、絶縁基体と、接続端子31に接続される配線とを有している。なお、端子保持部材29は、リジッド式の回路基板によって構成されていてもよい。端子保持部材29の配線は、例えば、第4ケース部材21に形成された開口(端子保持部材29に隠れて図面に現れない部分)を介して、可動筐体13内部に配置されたFPC等からなる信号線とコネクタによって接続されている。
端子保持部材29は、例えば、凹部13aの底面に対して、凹部13aの開口側から端子保持部材29に挿通されたねじ33によって固定されている。凹部13aは、リーダ5の開状態では外部に露出するから、リーダ5の開状態では端子保持部材29も外部に露出することになる。よって、可動筐体13を分解しなくても、開状態において端子保持部材29を交換することができる。なお、ねじ33の数および配置は適宜に設定されてよい。
接続端子31は、例えば、いわゆるスプリングピンによって構成されており、軸状の接点と、該接点をその軸方向に移動可能に保持する筒と、接点を先端側へ付勢するばねとを有している(図5参照)。接続端子31は、閉状態において固定部7と対向する面から突出するように端子保持部材29に固定されている。接続端子31の数および配列は、検体液センサ3の構成等に応じて適宜に設定される。本実施形態では、合計8個の接続端子31が2列で配列されている場合を例示している。
リーダ5が開状態のときは、接続端子31は、固定部7上に載置された検体液センサ3から離れている。リーダ5が閉状態とされると、接続端子31は、その先端が検体液センサ3の外部端子37(図3参照)に当接する。このとき、検体液センサ3は、接続端子31と固定部7とで挟まれた状態となる。これによって、検体液センサ3のz方向の移動が規制されるとともに、接続端子31と外部端子37とが電気的に接続される。
閉状態において、固定筐体11と可動筐体13とは、その開閉される対向面が当接する。例えば、可動筐体13の周壁部13wは、その大部分(検体液センサ3への当接を避ける切り欠き13wc(図2(a))を除く部分)が固定筐体11の上面に当接する。従って、検体液センサ3に過度の圧縮力が加えられることが抑制されつつ、スプリングピンの弾性力によって、接続端子31と外部端子37との間の接触圧が十分に確保される。なお、固定筐体11および可動筐体13の一方の筐体は、その対向面に、閉状態とされたときに他方の筐体の対向面に当接するゴム等からなる緩衝部材を有していてもよい。
図3は、検体液センサ3の斜視図である。
検体液センサ3には、検体液が流れる流路35および電気信号の入出力に供される複数の外部端子37が設けられている。
流路35は、例えば、検体液センサ3の長手方向(x方向、リーダ5から露出する部分からリーダ5に挟まれる部分への方向)に直線状に延びるように形成されている。流路35の両端は、検体液センサ3の外部に通じている。その一端は、検体液を取り込むための流入口39であり、他端は、検体液が流路35に流れ込んだときに流路35の排気を行うための排気口41である。流入口39および排気口41は、例えば、検体液センサ3の上面に開口している。
流入口39は、図1(a)に示すように、検体液センサ3のうち、閉状態のリーダ5から露出する部分に位置している。従って、検体液センサ3は、リーダ5に装着された後に、検体液を取り込むことが可能である。すなわち、ユニット1は、検体液を取り込むと同時または直後に検体液の測定を行うことができる。その結果、検体液の性質の変化もしくは蒸発等に起因する測定精度の低下を抑制できる。なお、排気口41は、検体液センサ3のうち、可動部9に覆われる部分に位置している。
流路35は、例えば、流入口39に滴下された(流入口39に接触した)検体液を毛細管現象によって排気口41側へ導くように構成されている。例えば、流路35は、その高さ(厚み、z方向)が比較的低く設定されるとともに、底面および天井面の少なくとも一方の濡れ性が比較的高く設定されている。
寸法等の具体例を挙げると、流路35のz方向の高さは、50μm〜0.5mmである。検体液の量を少なくする観点からは、流路35の高さは、50μm程度であることが好ましい。なお、検体液として、血液等の原液を希釈したものが用いられる場合においては、必ずしも検体液の量が少なくされる必要はない。また、流路35の底面および天井面における検体液(水に代表されてもよい。)の接触角(濡れ性)は、90°未満であり、好ましくは60°未満である。
外部端子37は、検体液センサ3がリーダ5に挟まれたときに可動部9の接続端子31と当接するように、検体液センサ3のうちリーダ5に挟まれる部分において、上面側(可動部9側)へ露出するように設けられている。なお、上述のように、流入口39は、可動部9から露出する部分に位置するから、外部端子37は、長尺状の検体液センサ3において、流入口39とは反対側に位置している。外部端子37は、例えば、上面側に面する層状電極とされている。
外部端子37の数および配列は、検体液センサ3内部の回路構成等に応じて適宜に設定される。例えば、本実施形態では、合計8個の外部端子37が、流路35の両側に流路35に沿って配列されている。また、別の観点では、複数の外部端子37は、検体液センサ3の2つの長辺に沿って配列されている。
上記のような流路35および複数の外部端子37を構成するために、検体液センサ3は、支持基板43と、支持基板43を覆い、支持基板43との間に流路35を構成するカバー45とを有している。
支持基板43は、例えば、プリント配線板等の回路基板によって構成されており、絶縁基体47と、外部端子37を含む導電層49とを有している。絶縁基体47は、例えば、樹脂またはセラミックを主体として構成されている。絶縁基体47の平面形状は、例えば、検体液センサ3全体の平面形状と同様である。導電層49は、絶縁基体47の上面に形成され、例えば、銅、ニッケルおよび金などの金属によって構成されている。支持基板43は、導電層として、導電層49のみを有する片面板で十分である。ただし、支持基板43は、シールドとしてのグランド層を内部に有するなど、多層板であってもよい。
カバー45の外形の平面形状は、例えば、概ね、検体液センサ3全体の平面形状と同様である。ただし、カバー45には、複数の外部端子37が露出するように、適宜に切り欠き(孔部でもよい)が設けられている。また、カバー45の下面には、カバー45と支持基板43との間に流路35を構成するための溝が形成されている。また、カバー45には、既述の流入口39および排気口41がカバー45を上下に貫通するように形成されている。カバー45は、例えば、接着剤によって支持基板43と貼り合わされている。
カバー45は、例えば、樹脂またはセラミック等の絶縁性材料によって構成されている。なお、カバー45は、その全体が同一材料によって一体形成されてよい。また、カバー45は、同一材料または互いに異なる材料からなる複数の層状部材が重ねられて構成されてもよい。例えば、カバー45は、流路35となるスリットが形成された層状部材と、その上に重ねられ、流路35の天井面を構成する層状部材とから構成されてもよい。
支持基板43およびカバー45の少なくとも一方は、少なくとも流路35を構成する領域において、流路35の内面の濡れ性が高くなるように、親水性が高い材料から構成されるか、親水性処理が施されるか、親水性フィルムが貼りつけられることが好ましい。例えば、支持基板43は、流路35と重なる領域において、親水性フィルムが貼られてよい。なお、この場合、親水性フィルムは、支持基板43の一部と捉えられてもよい。また、例えば、カバー45は、上述のように、層状部材が重ねられて構成される場合において、スリットを塞ぐ上層の層状部材が親水性フィルムによって構成されてもよい。
なお、検体液センサ3全体としては、例えば、可撓性を有さない。例えば、支持基板43およびカバー45の少なくとも一方は、可撓性を有していない。
図4は、検体液センサ3からカバー45を取り外して示す、検体液センサ3の一部の平面図である。ただし、図4では、カバー45の外縁を2点鎖線で示すとともに、流路35および排気口41を点線で示している。
検体液センサ3は、支持基板43上に実装されるセンサチップ51を有している。センサチップ51は、検体液に応じた信号の変換を実質的に行う。既述の支持基板43およびカバー45は、センサチップ51の取り扱い性の向上等に寄与するパッケージとして機能する。特に図示しないが、カバー45の下面および支持基板43の上面の少なくとも一方には、センサチップ51を収容するための凹部が構成されている。
センサチップ51は、圧電基板53と、圧電基板53の主面に弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)を発生させる第1IDT55Aと、そのSAWを受信するための第2IDT55Bと、第1IDT55Aへの電気信号の入力または第2IDT55Bからの電気信号の出力に供される複数のチップパッド57と、検体液の性質または成分に応じてSAWを変化させるための金属膜59とを有している。
圧電基板53は、例えば、タンタル酸リチウム(LiTaO3)単結晶,ニオブ酸リチウム(LiNbO3)単結晶、水晶などの圧電性を有する単結晶の基板からなる。圧電基板53の平面形状および各種寸法は適宜に設定されてよい。一例として、圧電基板53の厚みは、0.3mm〜1.0mmである。圧電基板53は、主面を支持基板43に平行にするように配置されている。
第1IDT55Aおよび第2IDT55B(以下、単に「IDT」といい、両者を区別しないことがある。)は、圧電基板53の上面に位置する導体層からなる。第1IDT55Aおよび第2IDT55Bは、流路35を挟んで対向している。各IDT55は、一対の櫛歯電極を有している。各櫛歯電極は、バスバーおよびバスバーから延びる複数の電極指を有している。そして、一対の櫛歯電極は、複数の電極指が互いに噛み合うように配置されている。第1IDT55Aおよび第2IDT55Bは、SAWの伝搬方向において互いに離隔して配置され、トランスバーサル型のIDTを構成している。
IDT55の電極指の本数、隣接する電極指同士の距離、電極指の交差幅などをパラメータとして周波数特性を設計することができる。IDT55によって励振されるSAWとしては、レイリー波、ラブ波、リーキー波などが存在し、いずれが利用されてもよい。センサチップ51は、例えば、ラブ波を利用している。
SAWの伝搬方向(y方向)において第1IDT55Aおよび第2IDT55Bの外側にSAWの反射抑制のための弾性部材を設けてもよい。SAWの周波数は、例えば、数メガヘルツ(MHz)から数ギガヘルツ(GHz)の範囲内において設定可能である。なかでも、数百MHzから2GHzとすれば、実用的であり、かつ圧電基板53の小型化ひいてはセンサチップ51の小型化を実現することができる。
チップパッド57は、チップ配線56を介してIDT55と接続されている。チップパッド57およびチップ配線56は、例えば、IDT55と同様に、圧電基板53の上面に位置する導体層からなる。第1IDT55Aに接続されたチップパッド57は、第1IDT55Aの第2IDT55Bとは反対側に位置し、第2IDT55Bに接続されたチップパッド57は、第2IDT55Bの第1IDT55Aとは反対側に位置している。なお、各チップパッド57の面積を広く確保しつつ、複数のチップパッド57のx方向の配列範囲を小さくする観点から、チップパッド57は、第1IDT55Aおよび第2IDT55の対向方向(y方向)に見て、IDT55と重なっていることが好ましい。
IDT55、チップ配線56およびチップパッド57は、例えば、金、アルミニウム、アルミニウムと銅との合金などからなる。またこれらの電極は、多層構造としてもよい。多層構造とする場合は、例えば、1層目がチタンまたはクロムからなり、2層目がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる。これらの厚みは、例えば、100nm〜300nmである。
圧電基板53の上面は、IDT55およびチップ配線56の上から、不図示の保護膜によって覆われている。保護膜は、IDT55およびチップ配線56の酸化抑制等に寄与するものである。保護膜は、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、窒化珪素、またはシリコンなどからなる。検体液センサ3では、保護膜として二酸化珪素(SiO2)を使用している。保護膜は、例えば、チップパッド57を露出させるようにして、圧電基板53の上面全体にわたって形成されている。保護膜の厚み(圧電基板53の上面からの高さ)は、例えば、IDT55の厚みよりも厚く、200nm〜10umである。
金属膜59は、上記の保護膜上において、第1IDT55Aと第2IDT55Bとの間に位置している。また、金属膜59は、流路35内に位置している。金属膜59は、例えば、チタンおよびチタン上に成膜された金、またはクロムおよびクロム上に成膜された金の2層構造となっている。金属膜59の表面には、例えば、核酸やペプチドからなるアプタマーが固定化されている。
アプタマーが固定化された金属膜59に検体液が接触すると、検体液中の特定の標的物質がその標的物質に対応するアプタマーと結合し、金属膜59の重さが変化する。その結果、第1IDT55Aから第2IDT55Bへ伝搬するSAWの位相特性などが変化する。従って、その位相特性などの変化に基づいて、検体液の性質または成分を調べることができる。
第1IDT55A、第2IDT55Bおよび金属膜59の組み合わせは、流路35の流路方向において適宜な数で設けられてよい。本実施形態では、当該組み合わせが2組設けられている場合を例示している。このような場合においては、1組の金属膜にはアプタマーを固定化させる一方で、他の1組の金属膜にはアプタマーを固定化させず、両者を比較することによって、検体液とアプタマーとの結合によるSAWの変化を測定してもよい。また、金属膜毎に異なる種類のアプタマーを固定化させ、検体液について異なる性質または成分を測定してもよい。
特に図示しないが、圧電基板53の上面(保護膜の下)においては、第1IDT55Aと第2IDT55Bとの間に、電気的に浮遊状態とされるまたはグランド電位が付与される、ベタ電極状の短絡電極が設けられてもよい。このような短絡電極を設けることによってSAWの種類によってはSAWの損失を小さくすることができる。なお、SAWとして特にリーキー波を使用したときに短絡電極による損失抑制効果が高いと考えられる。
また、特に図示しないが、IDT55上には、SAWの伝搬(圧電基板53の振動)が好適になされるように空間が構成されている。当該空間は、検体液が浸入しないようにされていることが好ましい。例えば、当該空間は、カバー45の下面に流路35とは隔離された凹部が形成されることによって構成されている。また、例えば、当該空間は、センサチップ51の一部としてIDT55を覆うように設けられた部材によって構成されている。
また、流路35において、流入口39から金属膜59の手前までの幅(y方向)は、金属膜59上における幅(y方向)以下であることが好ましい。この場合、検体液の総量を少なくしつつ、測定に実質的に供される検体液の量を多くすることができる。例えば、流路35の金属膜59上における幅が3mm程度である場合、その手前までの幅は、好ましくは、50μm〜3mmであり、より好ましくは、50μm〜1mmであり、さらに好ましくは50μm程度である。
センサチップ51を支持基板43に実装する方式は、適宜なものとされてよい。本実施形態では、センサチップ51の実装方式は、ボンディングワイヤ65を用いた表面実装とされている。具体的には、以下のとおりである。
支持基板43の導電層49は、外部端子37に加えて、センサチップ51のチップパッド57とボンディングワイヤ65によって接続される基板パッド61と、基板パッド61と外部端子37とを接続する基板配線63とを有している。
各基板パッド61は、例えば、対応するチップパッド57の外側(第1IDT55Aおよび第2IDT55Bの対向方向の外側)に位置している。また、各基板配線63は、例えば、基板パッド61から直線状に外側へ延びて、外部端子37に接続されている。従って、第1IDT55Aに接続される外部端子37は、その接続される第1IDT55Aの第2IDT55Bとは反端側に位置し、第2IDT55Bに接続される外部端子37は、その接続される第2IDT55Bの第1IDT55Aとは反端側に位置している。
なお、特に図示しないが、基板パッド61およびチップパッド57周辺においては、カバー45の下面に凹部が形成されることなどによって、ボンディングワイヤ65が配置される空間が適宜に構成されている。
図5は、ユニット1における検体液センサ3の位置決め等に係る細部を示す模式的な断面図である。図5では、図3においてV−V線で示す断面位置における、閉状態のユニット1の一部を示している。
既に述べたように、リーダ5の固定部7は、可動部9との対向面に位置決めピン23を有しており、検体液センサ3は、位置決め孔3hに位置決めピン23が嵌合することによって、固定部7に対して位置決めされる。また、可動部9は、接続部品27を有しており、接続部品27は、可動筐体13に交換可能に取り付けられる端子保持部材29と、端子保持部材29に保持され、検体液センサ3の外部端子37に接続される接続端子31とを有している。
ここで、端子保持部材29は、固定部7および可動部9の対向面に沿う平面方向(xy平面方向)において移動可能に可動筐体13に取り付けられている。また、端子保持部材29には、位置決めピン23が嵌合する位置決め孔29h(凹部でもよい)が形成されている(図2(a)も参照)。
従って、開状態において検体液センサ3を位置決めピン23および位置決め孔3hによって位置決めしつつ固定部7に載置し、その後、リーダ5を閉状態とすると、端子保持部材29は、位置決めピン23によって位置決めされる。すなわち、検体液センサ3および端子保持部材29は、位置決めピン23によって共に位置決めされる。
その結果、位置決めピン23、検体液センサ3および接続部品27さえ、その寸法の精度が高ければ、リーダ5の他の部分の寸法の精度および接続部品27を交換するときの取付精度が低くても、接続端子31を外部端子37に確実に当接させることができる。
なお、リーダ5を閉じたときに、位置決めピン23が円滑に位置決め孔29hに嵌合するように、位置決めピン23が先細っていることが好ましい。同様の理由により、位置決め孔29hは固定部7側ほど径が広くなるように形成されていることが好ましい。
なお、端子保持部材29をxy平面方向に移動可能とする構成の一例を挙げると、以下のとおりである。
既述のねじ33は、可動筐体13の内部に配置されたナット67に嵌め合わされている。ナット67は、小径部67aおよび大径部67bを有する形状とされている。小径部67aは、可動筐体13(第4ケース部材21)に形成された孔部21hに挿通されて、ねじ33のねじ頭とで端子保持部材29を挟持し、大径部67bは、可動筐体13の内側面に係合可能である。
ただし、小径部67aとねじ33とで端子保持部材29を挟持した状態において、大径部67bおよびねじ33は、可動筐体13と端子保持部材29とを共締めしていない。また、小径部67aと孔部21hとの間には遊び(xy平面に沿う方向)がある。
従って、端子保持部材29は、xy平面方向において、小径部67aと孔部21hとの間の遊びに相当する量で移動可能である。遊びの量は、位置決めピン23および位置決め孔29hによる位置決め精度、すなわち、加工精度等に起因するこれらの隙間よりも大きくされている。
なお、大径部67bにおいてxy平面に沿う方向の遊びを規定してもよい。また、ナット67は、ねじ33が取り外されたときに可動筐体13の内部に落下しないように第3ケース部材19等によって、孔部21hから抜かれる方向への移動が規制されていることが好ましい。
リーダ5は、閉状態において、検体液センサ3を覆う固定側対向シールド69および可動側対向シールド71を有している。なお、リーダ5は、この他にも、固定筐体11の側面に設けられたシールドもしくは可動筐体13の側面に設けられたシールド等を有していてもよい。
固定側対向シールド69は、例えば、固定筐体11の内面に塗布された導電性の塗料によって構成されている。同様に、可動側対向シールド71は、可動筐体13の内面に塗布された導電性の塗料によって構成されている。これらシールドは、各筐体と検体液センサ3との重複領域の全体を覆うことが好ましい。これらシールドは、適宜な接点や信号線を介して、リーダ5内部の電子回路の基準電位部と接続されていてもよい。後述する他のシールドについても同様である。
図6は、ユニット1の信号処理系の構成を示すブロック図である。
ユニット1(リーダ5)は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)101と接続されて使用される。なお、特に図示しないが、リーダ5には、PC101との接続のために、所定の規格に従ったコネクタが適宜に設けられている。PC101は、例えば、表示部103および操作部105等のインターフェースと接続されている。なお、表示部103および操作部105は、タッチパネルを構成していてもよい。
PC101は、例えば、ユーザの操作を促す情報を表示部103に表示させ、操作部105に対するユーザの操作に基づいてリーダ5に対して制御信号を出力する。リーダ5は、PC101からの制御信号に従って、検体液センサ3に電気信号を入力する。また、リーダ5は、検体液センサ3から出力された電気信号に対して、増幅、フィルタリング若しくはAD変換等の適宜な処理を行い、その処理後の電気信号をPC101に出力する。PC101は、リーダ5からの電気信号に基づいて、検体液の性質または成分の情報を表示部103に表示させる。
リーダ5は、第1IDT55Aに入力される電気信号を生成する送信回路73と、第2IDT55Bから出力された電気信号を受信する受信回路75と、既述の温度調整部25と、温度センサ77と、これらの制御等を行う制御部79と、これらに電力を供給する電源部81とを有している。
送信回路73は、例えば、IC等によって構成され、高周波回路を含んでいる。そして、送信回路73は、制御部79からの信号に応じた周波数および電圧の交流信号を生成して第1IDT55Aに入力する。
受信回路75は、例えば、IC等によって構成され、増幅回路、フィルタもしくはAD変換回路を含んでいる。そして、受信回路75は、第2IDT55Bから出力された電気信号に適宜な処理を施して制御部79に出力する。
温度センサ77は、例えば、サーミスタなどの抵抗式等の接触式温度センサによって構成され、検体液センサ3が載置される位置の近傍に設けられている。そして、温度センサ77は、その周囲の温度に応じた電気信号を制御部79に出力する。
制御部79は、CPU、ROMおよびRAM等を含んで構成されている。そして、PC101からの制御信号に基づいて、送信回路73および受信回路75を駆動する。また、制御部79は、温度センサ77の検出する温度が所定の目標値に収束するように、温度調整部25のフィードバック制御を行う。なお、目標値は、例えば、PC101から入力される。
電源部81は、インバータまたはコンバータを含んで構成され、商用電源またはPC101からの電力を適宜な電圧に変換して、送信回路73、受信回路75、温度調整部25、温度センサ77および制御部79に供給する。
以上のとおり、本実施形態では、ユニット1は、外部端子37を有する検体液センサ3と、検体液センサ3が着脱されるリーダ5とを有している。リーダ5は、該リーダ5の外形を構成する固定部7および固定部7に対して変位可能に連結された可動部9を有している。可動部9は、固定部7に最も近接した状態である閉状態において、可動部9の下面と固定部7の上面との間に挟まれた検体液センサ3の外部端子37に可動部9の下面に設けられた接続端子31が接している。可動部9の接続端子31が固定部7から最も離れた状態である閉状態において、接続端子31が外部端子37から離れて、接続端子31が設けられている可動部9の下面が視認できる。
すなわち、検体液センサ3は、リーダに挿入されるのではなく、リーダ5の外形を構成している部分によって挟み込まれる。このように、本実施形態によれば、検体液センサ3の新たな着脱方式が提供される。そして、新たな着脱方式によって種々の効果がもたらされる。
例えば、従来の挿入型のユニットにおいては、検体液センサは、挿入時に座屈しないように、ある程度の剛性が必要である。これに対して、本実施形態においては、そのような剛性は不要であり、さらには、フィルムのように可撓性を有する検体液センサ3を用いることも可能である。従って、検体液センサ3の設計の自由度が向上し、また、検体液センサ3のコスト削減が期待される。
また、例えば、リーダ5を開状態としただけで、接続端子31が外部に露出することから、リーダ5の筐体を分解することなく簡便に、接続端子31の摩耗、変形もしくは位置ずれ等を検査することができる。また、例えば、本実施形態のように、筐体を分解することなく接続部品27を交換するような構成も可能となる。また、例えば、リーダ5において比較的大きな可動部9の重みを外部端子37と接続端子31との接触圧の確保に利用できる。
また、例えば、固定部7が、閉状態において接続端子31とで検体液センサ3を挟む温度調整部25を有する場合においては、検体液センサ3をリーダ5に装着するための挟む力を、検体液センサ3を温度調整部25に密着させる(押し付ける)力として利用することができる。その結果、簡素な構成で熱伝達の効率を向上させることができる。なお、検体液センサ3を挟む力は、例えば、可動部9の重量、固定部7と可動部9との連結機構の付勢力、または、ユーザの押さえる力等によって生じる。
また、本実施形態では、検体液センサ3は、センサチップ51と、センサチップ51が実装される支持基板43と、を有している。センサチップ51は、主面を支持基板43に平行にして支持基板43に固定された圧電基板53と、該圧電基板53の主面に位置し、該主面に沿う方向において互いに離隔する第1IDT55Aおよび第2IDT55Bと、を有している。支持基板43は、第1IDT55Aに接続され、第1IDT55Aの第2IDT55Bとは反対側に位置する外部端子37と、第2IDT55Bに接続され、第2IDT55Bの第1IDT55Aとは反対側に位置する外部端子37と、を有している。
従って、検体液センサ3は、上述のような開閉式のユニット1(リーダ5)に好適に利用可能である。例えば、可動部9は、外部に露出していることから、ユーザによってリーダ5が勢いよく閉じられたり、測定時にユーザが可動部9を押さえていたりすることが考えられる。このような場合、接続端子31から外部端子37に衝撃が加えられたり、測定中に接続端子31と外部端子37との接触圧が変動したりすることが考えられる。しかし、外部端子37は、支持基板43に設けられており、圧電基板53上に設けられていないことから、そのような衝撃あるいは接触圧の変動が圧電基板53に伝達されることが抑制され、ひいては、SAWの伝搬特性が変化することが抑制される。その一方で、外部端子37を圧電基板53外に配置するための配線(基板配線63等)は、外部端子37が一対のIDT55の外側に位置することによって、短くかつ簡素な形状とされるから、ノイズが混入することが抑制される。
別の観点では、スロットに挿入される検体液センサにおいて、支持基板に設けられた外部端子および基板配線は、一般には、センサチップから離れた、該検体液センサの縁部に外部端子を位置させるために利用されるところ、本実施形態においては、そのような目的では支持基板43は利用されていない。
さらに、流路35が、平面視において、検体液センサ3の外部に開口する流入口39から第1IDT55Aと第2IDT55Bとの間まで、第1IDT55Aと第2IDT55Bとの対向方向に直交する方向に直線状に延びている場合においては、配線および流路全体の構成が簡素である。その結果、作製が容易であり、また、検体液の必要量を少なくするとともに、速やかに流入口39からIDT55間へ検体液を導くことができる。
<第2の実施形態>
図7は、第2の実施形態に係る検体液センサユニット201の要部を示す断面図である。
ユニット201のリーダ205は、第1の実施形態に比較して、固定部207および可動部9の対向方向の側方へのノイズの放射または該側方からのノイズの混入が好適に抑制されるように構成されている。具体的には、以下のとおりである。
固定部207の固定筐体211は、可動部9の可動筐体13を収容する凹部211rを有している。換言すれば、固定筐体211は、凹部211rを構成し、可動部9を囲む周壁部211wを有している。
検体液センサ3は、凹部211rの底面に載置されている。従って、周壁部211wは、検体液センサ3に対して、検体液センサ3がリーダ5によって挟まれる方向に直交する方向に位置する。換言すれば、周壁部211wは、平面視において(z方向に見て)、検体液センサ3を囲んでいる。ただし、周壁部211wは、紙面手前側において、検体液センサ3を凹部211rの外側へ延び出させ、ひいては、流入口39を可動部9から露出させるように途切れている。
本実施形態の可動部9は、第1の実施形態の可動部9と同様の構成であり、可動筐体13は、固定筐体211と対向する側に凹部13aを有する箱状である。そして、該凹部13aの周壁部13wは、周壁部211wの内側に位置している。
固定部207は、第1の実施形態の固定部7と同様に、固定側対向シールド69を有している。また、固定部207は、周壁部211wに固定側周壁シールド270を有している。固定側周壁シールド270は、例えば、固定側対向シールド69と同様に、固定筐体211の内面に塗布された導電塗料によって構成されている。固定側周壁シールド270は、例えば、固定側対向シールド69と一体に連続して形成されている。
また、可動部9は、周壁部13wに可動側周壁シールド72を有している。可動側周壁シールド72は、例えば、可動側対向シールド71と同様に、可動筐体13の内面に塗布された導電塗料によって構成されている。可動側周壁シールド272は、例えば、可動側対向シールド71と一体に連続して形成されている。
本実施形態によれば、閉状態における固定部207と可動部9との隙間を塞ぐように周壁部211wが設けられ、その周壁部211wに固定側周壁シールド270が設けられていることから、該隙間を介したノイズの放出または混入が抑制される。また、可動側周壁シールド72と固定側周壁シールド270とが重なることによって、一層のシールド効果が期待される。特に検体液センサとしてSAWを利用した場合には、外部からの不要な信号の影響を受けやすいため、各種のシールドを設けることによって検出感度の低下を抑制する効果が大きい。
なお、固定側対向シールド69は、図11に示すように検体液センサ3が配置される面にも設けてもよい。他の実施形態においても本実施形態と同様に検体液センサ3が配置される面に固定側シールドを設けてもよい。
<第3の実施形態>
図8は、第3の実施形態に係る検体液センサユニット301の要部を示す断面図である。
ユニット301のリーダ305は、第2の実施形態と同様に、固定部307および可動部309の対向方向の側方へのノイズの放射または該側方からのノイズの混入が好適に抑制されるように構成されている。ただし、その具体的な構造は第2の実施形態とは異なる。具体的には、以下のとおりである。
可動部309の可動筐体313は、他の実施形態と同様に、固定部307に対向する側に凹部313aが形成された箱状とされており、凹部313aを構成する周壁部313wを有している。一方、固定部307の固定筐体311は、周壁部313wが嵌合する溝部311rを有している。溝部311rは、例えば、固定部307と可動部309との連結部側と、検体液センサ3が可動部309から延び出る部分とを除く全体に亘って形成されている。
固定部307は、他の実施形態の固定部と同様に、固定側対向シールド69を有している。また、固定部307は、固定筐体311の溝部311rを構成する部分の内側面(筐体内部側)に、溝シールド370を有している。溝シールド370は、例えば、固定側対向シールド69と同様に、固定筐体311の内面に塗布された導電塗料によって構成されている。溝シールド370は、例えば、固定側対向シールド69と一体に連続して形成されている。
また、可動部309は、第2の実施形態と同様に、周壁部313wに可動側周壁シールド372を有している。可動側周壁シールド372は、例えば、可動側対向シールド71と同様に、可動筐体313の内面に塗布された導電塗料によって構成されている。可動側周壁シールド372は、例えば、可動側対向シールド71と一体に連続して形成されている。
さらに、固定部307は、溝部311rの内面(固定筐体311の外面)に、嵌合シールド383を有している。嵌合シールド383は、例えば、金属メッシュ等の導電性メッシュからなり、接着剤によって溝部311rの内面に貼り付けられている。嵌合シールド383は、固定筐体311を貫通する導電体等によって溝シールド370(ひいては回路の基準電位部)と接続されていてもよい。この嵌合シールド383はガスケットのように機能し、固定部307と可動部309との接触部分に隙間ができるのを抑制する。
本実施形態によれば、周壁部313wが溝部311rに収容されることから、周壁部313wは、閉状態における固定部307と可動部309との隙間を塞ぐことになる。そして、その周壁部311wに可動側周壁シールド372が設けられていることから、該隙間を介したノイズの放出または混入が抑制される。
<第4の実施形態>
図12は、第4の実施形態に係る検体液センサユニット501を開状態で示す斜視図である。
ユニット501は、第1の実施形態と同様に、検体液センサ503をリーダ505の固定部507と可動部509とで挟み込む構成とされている。ただし、ユニット501は、主として、検体液センサ503等からのノイズの放射を抑制する構成、および、検体液センサ503と端子保持部材529(接続端子531)とを位置決めするための構成が第1の実施形態のユニット1と異なる。具体的には、以下のとおりである。
図12において複数のドットによってハッチングして示すように、固定部507の固定筐体511には、シールドとしての固定側導電層569が設けられ、可動部509の可動筐体513には、シールドとしての可動側導電層571が設けられている。なお、これらシールドは、上述の実施形態のシールドと同様、リーダ505内部の電子回路の基準電位部と接続されていてもよい。
固定側導電層569および可動側導電層571は、例えば、樹脂からなる固定筐体511および可動筐体513に対してめっき処理を施すことによって形成され、金属からなる。めっき処理は、例えば、真空蒸着である。金属は、例えば、アルミニウム(Al)である。
固定側導電層569および可動側導電層571は、めっき処理によって形成されていることから、筐体に対して、シールドとして別体を張り付ける構成に比較して、リーダ505の構成は簡素化されている。
固定側導電層569は、例えば、固定筐体511の上面(閉状態において可動筐体513と対向する面)の大部分に設けられている。固定筐体511は、温度調整部25を収容する凹部(図12では温度調整部525に隠れている)を有しており、当該凹部の内壁および底面にも固定側導電層569は設けられている。
なお、温度調整部525は、第1の実施形態の温度調整部25と同様に、ペルチェ素子などの熱電変換素子を含んで構成されている。ただし、温度調整部525は、固定部507の上面において、第1の実施形態の温度調整部25よりも広い範囲に設けられている。例えば、温度調整部525は、検体液センサ503のリーダ505に挟まれる領域全体に当接可能な広さとされている。
可動側導電層571は、例えば、可動筐体513の下面(閉状態において固定筐体511と対向する面)に設けられている。なお、可動筐体513の外形は、第1の実施形態とは異なり、箱型ではなく、概ね薄型の直方体状とされている。可動側導電層571は、例えば、可動筐体513の下面のうち、端子保持部材529の配置範囲を除いた大部分に設けられている。
特に図示しないが、本実施形態においても、第1〜第3の実施形態に示した固定側対向シールド69や可動側対向シールド71が設けられてよい。すなわち、固定筐体511及び可動筐体513の内面に導電層が配置されてもよい。この導電層は、対向面とは反対側の面の内面に設けられてもよい。端子保持部材529の配置領域においては、可動筐体513内部の回路基板の基準電位層がシールドとして利用されたり、可動筐体513の上面(固定筐体511とは反対側の面)の内面に導電層が設けられてシールドとして利用されたり、シールドとなる部材が可動筐体513内部に配置されて利用されたりしてもよい。
固定側導電層569は、それ単独で、または、他のシールドと共に、検体液センサ503のうちリーダ505に挟まれる部分の大部分に対して上下方向において重なる。同様に、可動側導電層571は、それ単独で、または、他のシールドと共に、検体液センサ503のうちリーダ505に挟まれる部分の大部分に対して上下方向において重なる。
固定側導電層569の外周には、固定側ガスケット570が設けられている。同様に、可動側導電層571の外周には、可動側ガスケット572が設けられている。
固定側ガスケット570および可動側ガスケット572は、例えば、金属メッシュ、導電性スポンジ、導電性シリコンゴム等によって構成されており、導電性を有するとともに、弾性を有している。
固定側ガスケット570は、例えば、固定側導電層569の外周部に沿って延び、固定側導電層569を囲み、ひいては、検体液センサ503の固定部507及び可動部509に挟まれる部分を囲んでいる。ただし、検体液センサ503が固定部507及び可動部509の対向領域から延び出る部分においては、固定側ガスケット570は途切れている。
可動側ガスケット572は、例えば、可動側導電層571の外周部に沿って延び、可動側導電層571を囲み、ひいては、検体液センサ503の固定部507及び可動部509に挟まれる部分を囲んでいる。可動側ガスケット572は、固定側ガスケット570とは異なり、検体液センサ503が固定部507及び可動部509の対向領域から延び出る部分においても途切れることなく設けられている。
固定側ガスケット570は固定側導電層569と導通され、可動側ガスケット572は可動側導電層571と導通されている。例えば、固定側ガスケット570は、固定側導電層569の外周部に重ねられ、不図示の導電性の接合材によって固定側導電層569に固定されている。同様に、可動側ガスケット572は、可動側導電層571の外周部に重ねられ、不図示の導電性の接合材によって可動側導電層571に固定されている。なお、導電性の接合材は、例えば、半田(鉛フリー半田を含む)や導電性接着剤である。
図13(a)は、固定部507の模式的な上面図である。同図では、可動側ガスケット572も点線で示されている。
リーダ505が閉状態とされると、可動側ガスケット572は、固定側ガスケット570の内側に位置し、両者は重ならない。従って、固定側ガスケット570は、可動筐体513の下面に当接する。また、可動側ガスケット572は、固定筐体511の上面に当接する。より厳密には、可動側ガスケット572は、固定側導電層569に当接する。
なお、上述のように、固定側および可動側のそれぞれにおいてガスケットと導電層とは導通されているから、可動側ガスケット572が固定側導電層569に当接することによって、固定側導電層569、固定側ガスケット570、可動側導電層571および可動側ガスケット572の全体が同電位とされる。
図13(b)および図13(c)は、図13(a)のXIII−XIII線における断面図であり、図13(b)は閉状態になる直前の状態を示し、図13(c)は閉状態を示している。
両図に示すように、リーダ505が閉じれらていくと、可動側ガスケット572は検体液センサ503の上面に当接する。さらにリーダ505が閉じられていくと、可動側ガスケット572は弾性を有しているので、検体液センサ503と重なる部分は圧縮され、他の部分は固定側導電層569に当接する。
従って、可動側ガスケット572は、検体液センサ503の配置位置にて途切れていないが、可動側ガスケット572の固定側導電層569に対する当接は、検体液センサ503によって阻害されない。そして、可動側ガスケット572は、検体液センサ503を適宜な圧力で温度調整部525に押し付けることに寄与する。
なお、図13(c)に示されているように、閉状態において、固定側ガスケット570および可動側ガスケット572(の少なくとも一部)は、検体液センサ503(の少なくとも一部)に対して横方向に重なる。
図13(b)の領域Cに示されているように、固定筐体511は、その上面に温度調整部525を配置するための凹部が形成されており、ひいては、固定筐体511は、その上面と凹部との稜部(角部)を有している。これ以外にも、種々の事情に応じて、固定筐体511および可動筐体513には、種々の角部が形成される。固定側導電層569および可動側導電層571は、めっき処理によって形成されていることから、導電層塗料を塗布して導電層を形成する場合に比較して、このような角部にも好適に配置される。
図14は、検体液センサ503の支持基板543の平面図である。なお、同図では、閉状態における可動側ガスケット572の位置も2点鎖線で示している。
検体液センサ503は、支持基板の導電層の形状のみが第1の実施形態の検体液センサ3と相違する。従って、特に図示しないが、検体液センサ503は、支持基板543に実装されるセンサチップ51(図4)と、支持基板543およびセンサチップ51を覆うカバー45(図3)とを有している。
支持基板543は、第1の実施形態の支持基板43と同様に、絶縁基体47と、絶縁基体47に形成された導電層549とを有している。絶縁基体47は、第1実施形態と同様の構成であり、隅部に位置決め孔503hが形成されている。導電層549は、第1の実施形態の導電層49と同様に、外部端子37、基板パッド61および基板配線63を有している。なお、図14では、図4とは異なり、基板配線63が屈曲され、また、基板パッド61の幅が基板配線63の幅と同等とされているが、これらは図4と同様とされてもよい。
導電層549は、さらに、基準電位層564を有している。基準電位層564は、例えば、外部端子37、基板パッド61および基板配線63の組み合わせそれぞれを一定の幅の隙間を介して囲んでいる。従って、基準電位層564は、基板配線63等からのノイズの放射、または、基板配線63等へのノイズの混入を抑制するシールドとして機能し得る。
また、基準電位層564は、例えば、外部端子37、基板パッド61、基板配線63および位置決め孔3h等の配置領域を除いて、ベタパターンとされており、平面状に広がっている。ただし、基準電位層564は、検体液センサ503のうち、固定部507と可動部509とに挟まれる領域(より詳細には可動側ガスケット572に囲まれる領域)に収まっている。なお、平面透視において、センサチップ51は、基準電位層564の配置範囲内に収まる。
基準電位層564は、例えば、リーダ505内部の電子回路の基準電位部と接続された接続端子531(図12)が基準電位層564に当接することによって、基準電位が付与される。基準電位に接続された接続端子531は、外部端子37に当接する接続端子531と同様に、端子保持部材529に保持されているものでよい。接続端子531と基準電位層564との当接位置は、適宜に設定されてよいが、例えば、点線で示すように、複数の外部端子37間である。なお、図12では図示の都合上、図14の接続端子531の当接位置の数よりも接続端子531の数を少なくしている。
基準電位層564は、接続端子531との接続位置を除いて、ソルダーレジストによって覆われていてもよい。
以上のとおり、本実施形態においては、固定部507は、閉状態において検体液センサ503に対して上下方向に重なる位置にシールド(固定側導電層569等)を有するとともに、上面に検体液センサ503の外側に位置し、閉状態において可動部509の下面に当接する導電性の固定側ガスケット570を有する。また、可動部509は、閉状態において検体液センサ503に対して上下方向に重なる位置にシールド(例えば可動側導電層571等)を有するとともに、下面に閉状態において検体液センサ503の外側に位置し、固定部507の上面に当接する導電性の可動側ガスケット572を有する。
従って、第2及び第3の実施形態と同様に、検体液センサ503(特にセンサチップ51周辺)をシールドによって囲むことができ、検体液センサ503からのノイズの放射または検体液センサ503へのノイズの放射を好適に抑制することができる。さらに、ガスケットを用いていることから、固定部507と可動部509との隙間、または、検体液センサ503と可動部509との隙間を好適に塞ぐことが可能であり、さらには、検体液センサ503を温度調整部525に押し付けることもできる。閉状態において、固定側ガスケット570と可動側ガスケット572とが互いに隣接することから、2重のシールド効果が発揮される。
また、検体液センサ503は、固定部507のシールド(固定側導電層569等)および可動部509のシールド(可動側導電層571等)に挟まれる領域にのみ基準電位層564を有している。
従って、例えば、基準電位層を検体液センサ503の全面に形成した場合(基準電位層がリーダ505から延出している場合)に比較して、検体液センサ503からのノイズの放射が抑制される。
次に、本実施形態における、検体液センサ503と端子保持部材529(接続端子531)とを位置決めするための構成について説明する。
図12に戻る。検体液センサ503の固定部507に対する位置決めは、第1の実施形態と同様に、固定筐体511に設けられた位置決めピン523が検体液センサ503に設けられた位置決め孔503hに嵌合することによりなされる。一方、第1の実施形態とは異なり、端子保持部材529の固定部507に対する位置決めは、位置決めピン523とは違う部材によりなされる。具体的には、以下のとおりである。
端子保持部材529は、可動筐体513の下面に平行な面(接続端子531が配置されている面)から突出する位置決めピン529eおよび位置決め板529fを有している。一方、固定筐体511の上面には、位置決めピン529eが嵌合する位置決め孔511e、および、位置決め板529fが嵌合する位置決めスリット511fが形成されている。これらの嵌合によって、端子保持部材529は固定筐体511に対して位置決めされ、ひいては、検体液センサ503に位置決めされる。
位置決めピン529eは、概ねピン状であり、その延び出る方向に直交する断面の形状は例えば円形である。位置決めピン529eは、例えば、複数の接続端子531を挟んで1対設けられている。位置決めピン529eは、例えば、金属によって構成されており、端子保持部材529の接続端子531が配置される面を構成する部材(例えば樹脂からなる)に固定されている。
位置決め板529fは、概ね板状であり、例えば、可動筐体513の下面(固定筐体511に対向する面)に直交するとともに、可動筐体513の固定筐体511に対する回転の回転軸に対して直交する。位置決め板529fは、例えば、複数の接続端子531を挟んで、好ましくは1対の位置決めピン529eをも挟んで、1対設けられている。位置決め板529fは、例えば、複数の接続端子531の配列方向に対して平行である。位置決め板529fは、例えば、端子保持部材529の接続端子531が配置される面を構成する部材(例えば樹脂からなる)と一体的に形成されている。
位置決め孔511eは、閉状態において位置決めピン529eが嵌合する位置、形状および寸法で形成されている。同様に、位置決めスリット511fは、閉状態において位置決め板529fが嵌合する位置、形状および寸法で形成されている。
図15は、図12のXV−XV線における模式的な断面図である。なお、図15において、可動筐体513の紙面上方の面は、閉状態において固定筐体511に対向する面(下面)である。
位置決めピン529eは、位置決め板529fよりも所定の差で突出している。一方、位置決め孔511eおよび位置決めスリット511fは、同一平面に開口している。従って、位置決めピン529eの位置決め孔511eへの挿入は、位置決め板529fの位置決めスリット511fへの挿入よりも先に開始される。
なお、本実施形態では、位置決めピン529eおよび位置決め板529fは、固定部507と可動部509との連結部を回転軸として回転移動するから、両者が仮に同一の突出量である場合、回転軸に近い方の部材が先に固定部507の上面に到達する。従って、両者の突出量の差は、両者の位置(回転軸からの距離)を考慮して設定する。
位置決め板529f(位置決めスリット511f)の、可動部509の下面に沿う方向の最大長さ(可動筐体513の固定筐体511に対する回転の回転軸に直交する方向の長さ)は、位置決めピン529e(位置決め孔511e)の固定部507の上面に沿う方向の最大長さ(直径)に比較して長い。さらに、1対の位置決め板529f(位置決めスリット511f)は、1対の位置決めピン529e(位置決め孔511e)の外側に位置している。
従って、例えば、端子保持部材529が、その中央付近を回転中心として、可動筐体513の下面に沿って回転した場合、位置決め板529fの変位(特に両端の変位)は、位置決めピン529eの変位よりも大きくなる。
一方、位置決めピン529eと位置決め孔511eとの隙間(平行移動に対する遊び)の大きさ、および、位置決め板529fが位置決めスリット511fに対して傾斜していないときの両者の隙間(平行移動に対する遊び)は、例えば、同等とされている。
従って、端子保持部材529が回転すると、位置決め板529fの位置決めスリット511fの内周面に対する当接は、位置決めピン529eの位置決め孔511eの内周面に対する当接よりも先に生じる。すなわち、位置決め板529fおよび位置決めスリット511fの回転に対する位置決め精度は、位置決めピン529eおよび位置決め孔511eの回転に対する位置決め精度よりも高い。
以上のことから、リーダ505を開状態から閉状態に遷移させると、先に位置決めピン529eによる位置決めがなされ、その次に、回転に関してより高精度な、位置決め板529fによる位置決めがながれることになる。その結果、全体として円滑かつ高精度に位置決めがなされることになる。また、回転に関して高精度な位置決めがなされることによって、配列された複数の外部端子37(接続端子531)は、その配列の端部においても精度良く位置決めがなされる。
なお、上記の説明では、平行移動に対する位置決め精度(遊び)は位置決めピン529eと位置決め板529fとで同等と仮定した。しかし、位置決め板529fの平行移動に対する位置決め精度は、位置決めピン529eの平行移動に対する位置決め精度よりも高くてもよいし、また、位置決め板529fの平行移動に対する位置決め精度が、位置決めピン529eの平行移動に対する位置決め精度よりも低くても、その程度によっては、上記のような作用を得ることはできる。
端子保持部材529の可動筐体513に対する取付構造は、第1の実施形態(図5)と同様でよいが、図15では、図5とは別の取付構造を例示している。具体的には、以下のとおりである。
可動筐体513の内部には、回路基板510が配置されている。回路基板510は、例えば、リジッド式のプリント配線板によって構成されている。端子保持部材529は、可動筐体513の下面に形成された開口を介して回路基板510に当接し、端子保持部材529に挿通されたねじ533が回路基板510に螺合されることによって、回路基板510に固定されている。
回路基板510は、可動筐体513の開口よりも大きく、端子保持部材529の可動筐体513からの脱落を阻止している。また、端子保持部材529は、端子保持部材529と可動筐体513の開口との隙間の範囲で、および/または、回路基板510と可動筐体513の内面との隙間の範囲で、可動筐体513に対して移動可能である。
接続端子531は、両端に接点を有するスプリングピンによって構成されており、筒状の部材と、その筒状の部材の両端に配置される1対の軸状の接点と、これら接点を軸方向外側に付勢するばねとを有している。そして、回路基板510側の接点は、回路基板510の主面に設けられたパッド510pに当接している。なお、他方の接点は、検体液センサ503の外部端子37または基準電位層564に当接する。
なお、回路基板510は、端子保持部材529側の主面、その反対側の主面、および/または、内部に、ベタパターン状の基準電位層を有していてもよい。この基準電位層は、端子保持部材529が配置される開口を介して放射および/または混入されるノイズを遮断するシールドとして機能し得る。
<第5の実施形態>
図16(a)は、第5の実施形態に係る検体液センサユニットを説明するための模式図である。
本実施形態の検体液センサユニットは、固定部の形状のみが第1〜第4の実施形態の検体液センサユニットと相違する。図16(a)は、本実施形態の固定部421および検体液センサ3のみを模式的に示す側面図である。
固定部421は、その底面に対して、検体液センサ3(または503。以下、3のみ記載)が載置される上面が傾斜している点のみが他の実施形態の固定部と相違する。具体的には、固定部421の上面は、当該上面に載置された検体液センサ3が流入口39(図1〜図3参照)側ほど高くなるように傾斜するように傾斜している。なお、固定部421の上面は、その全体が傾斜している必要はなく、検体液センサ3を支持する領域を含む一部のみが傾斜されてもよい。
流入口39側が高くなるように検体液センサ3がリーダに保持されることによって、流入口39に供給された検体液は、検体液センサ3の反応部(金属膜59、図4)に向かって流路35を流れやすくなる。その結果、迅速かつ確実に検体液を反応部に供給することができる。
図16(b)は、第5の実施形態の固定部の変形例を示す、図16(a)と同様の模式図である。
固定部423は、固定筐体425を傾斜させるように支持する脚部427を有している。このように、検体液センサ3を傾斜させて保持可能な固定部423は、その上面が、固定部423が載置される載置面に対して傾斜すればよいのであり、必ずしも底面に対して上面が傾斜している必要はない。
脚部427は、プロジェクターの脚部のように、その突出量(固定部423の上面の傾斜角)を調整可能なものであってもよい。上面の傾斜角の調整範囲は、適宜に設定されてよく、その下限は0°(上面が載置面に対して水平)であってもよいし、これよりも大きくてもよい。また、固定部423は、リーダを閉状態にしたときに自動的に脚部427を突出させるような機構を有していてもよい。
以上の第1〜第5の実施形態において、位置決めピン529eは第1被位置決め部の一例であり、位置決め孔511eは第1被位置決め部の一例であり、位置決め板529fは第2被位置決め部の一例であり、位置決めスリット511fは第2被位置決め部の一例であり、位置決めピン23は位置決め部材の一例である。また、固定側対向シールド69および固定側導電層569は第1シールドの一例であり、可動側対向シールド71、可動側導電層571および回路基板510(の不図示のグランド層)は第2シールドの一例であり、固定側周壁シールド270は第3シールドの一例であり、可動側周壁シールド372は第4シールドの一例であり、固定側ガスケット570は第1ガスケットの一例であり、可動側ガスケット572は第2ガスケットの一例である。また、位置決め孔3hは位置決め用貫通孔の一例であり、位置決め孔29hは位置決め用孔部の一例である。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
第1〜第5の実施形態は、適宜に組み合わされてよい。例えば、第1の実施形態における端子保持部材の位置決め方法と、第4の実施形態におけるシールドの構成とが組み合わされてもよい。また、例えば、第5の実施形態における固定部の上面の傾斜は、第1〜第4の実施形態のいずれにおいて適用されてもよい。
検体液センサユニット(検体液センサ)は、SAWを利用するものに限定されない。例えば、表面プラズモン共鳴を利用するものであってもよいし、水晶振動子の振動を利用するものであってもよい。また、検体液センサユニットがアプタマーを利用するものである場合において、反応部は、金属膜を有さずに、アプタマーのみを有していてもよい。
実施形態では、検体液センサユニット(リーダ)は、PCに接続されて利用された。しかし、検体液センサユニットは、PC等に接続されない、それ自体で完結したものであってもよい。例えば、リーダ5の可動部9において、固定部7とは反対側の面に、表示部や操作部を設け、また、リーダ5の内部に、図6で説明したPC101の動作と同様の動作を行うコンピュータを設けてもよい。
逆に、実施形態に示した検体液センサユニットの機能の一部は、検体液センサユニットに接続される外部の機器において実現されてもよい。例えば、図6で説明した制御部79の動作の一部(例えば温度調整部25のフィードバック制御)は、PC101において行われてもよい。
リーダは、2種以上の検体液センサに対応可能なものであってもよい。例えば、リーダは、リーダに設けられた操作スイッチの切り換えもしくはPCからの制御信号に応じて、検体液センサに入力する電気信号の周波数等を切り換えたりすることができるものであってもよい。
また、この場合において、2種以上の検体液センサは、外部端子の数および/または配置位置が互いに同一でなくてもよい。例えば、リーダは、特定の種類の検体液センサでは使用され、他の種類の検体液センサでは使用されない接続端子を有していてもよい。また、例えば、接続端子の数等が互いに異なる2種以上の接続部品27が用意され、そのいずれかを選択的にリーダに装着可能であってもよい。
固定部および可動部は、固定部を基準とする相対座標系において可動部が移動可能であればよい。すなわち、固定部は、絶対座標系において固定されていることを意味せず、可動部は、絶対座標系において移動可能であることを意味しない。例えば、絶対座標系において、可動部が机に載置され、机及び可動部に対して固定部が移動してもよい。実施形態で言えば、固定部7が可動部と捉えられ、可動部9が固定部と捉えられてもよい。
同様に、可動部の下面、固定部の上面および上下方向は、固定部を基準とし、閉状態における固定部側から可動部側への方向を上方とする相対座標系において、下面、上面および上下方向であればよく、絶対座標系における下面、上面および上下方向を意味しない。
固定部および可動部は、互いに連結されておらず、互いに分離されていてもよい。例えば、固定部に設けられた凹部に可動部を嵌合させて閉状態とするなど、固定部および可動部の一方が他方に対して蓋体のように配置される構成とされてもよい。また、例えば、固定部および可動部の一方を他方に重ねて閉状態とし、この際、一方に設けられた位置決めピンが他方に設けられた位置決め孔に挿通されるような構成とされてもよい。
なお、このように固定部および可動部が分離されている場合において、両者に電子回路が設けられ、かつ、両者間で信号伝達がなされる場合、両者間の信号伝達は、例えば、可撓性のケーブルを介してなされてもよいし、電波または光を利用した無線通信によりなされてもよいし、閉状態においてのみ接続(当接)される端子を介してなされてもよいし、それぞれが接続されたPC等の他の機器を介してなされてもよい。
固定部および可動部が連結される場合において、その開閉を実現する構造は、折り畳み構造に限定されない。例えば、固定部から上方へ延びるガイド軸によって可動部を案内し、固定部に対して可動部を上下方向に平行移動させる構造であってもよい。ただし、折り畳み構造であれば、接続端子を視認しやすい。
また、リーダは、固定部および可動部を閉状態に維持する係合部および被係合部を有していてもよい。例えば、第4の実施形態において、可動部509の自由端側部分に、係合位置と、非係合位置との間でスライド可能な係合部と、当該係合部を係合位置へ付勢するばねとを設け、固定部507の自由端側部分に、閉状態において係合位置の係合部に係合する被係合部を設けてもよい。このような係合部を設けることによって、可動部509を手で押さえ付けるなどしなくても、接続端子531のスプリング、固定側ガスケット570および可動側ガスケット572等を弾性変形させた状態で、閉状態を確実に維持することができる。このような構成は、検体液センサに検体液を供給してから計測が完了するまでの時間が比較的長い検体液センサユニットに好適である。
リーダの開閉方向は絶対座標系における上下方向に限らず、絶対座標系における左右方向であってもよい。ただし、上下方向であれば、固定部および可動部のうち下方となる部分の上面に検体液センサを載置でき、装着が容易である。また、固定部および可動部は、双方が移動して互いに相対移動してもよい。
リーダは、閉状態において検体液センサの一部(例えば流入口が位置する部分)を外部に露出させる構成でなくてもよい。すなわち、閉状態において検体液センサの全体が固定部と可動部との間に位置してもよい。この場合であっても、開状態で検体液センサをリーダの固定部に載置した状態で検体液センサに検体液を供給し、直後にリーダを閉状態として測定を開始すれば、検体液の取り込みに遅れずに測定を開始することができ、測定精度の低下が抑制される。
リーダは、固定部および可動部の適宜な部位を検体液センサに当接させてよい。すなわち、接続端子および温度調整部以外の部位によって検体液センサを挟んでもよい。例えば、リーダの筐体の対向面が検体液センサに当接してもよいし、該対向面に設けられた弾性シート(ただし筐体の一部と捉えられてもよい)が検体液センサに当接してもよい。
リーダにおいて、接続端子は、実施形態とは逆に、固定部および可動部のうち絶対座標系において固定とされる部分に設けられてもよいし、絶対座標系において下方となる部分に設けられてもよいし、開状態において検体液センサがセットされる部分に設けられてもよい。すなわち、実施形態において、固定部7に接続端子が設けられてもよい。
同様に、温度調整部は、固定部および可動部のうち絶対座標系において可動とされる部分に設けられてもよいし、絶対座標系において上方となる部分に設けられてもよいし、開状態において検体液センサがセットされない部分に設けられてもよい。さらに、温度調整部は、接続端子が設けられる可動部に設けられてもよい。
固定部および可動部の一方は、電気系に係る構成が設けられず、単に検体液センサを挟むための基体とされてもよい。また、リーダは、開閉される2筐体(内部に回路等を収容可能な部材)を有するものに限定されない。例えば、固定部および可動部のうち一方の基体は、筐体に代えて、板状部材とされてもよい。
リーダの接続端子は、スプリングピンに限定されない。例えば、接続端子は、板金を折り曲げて形成したばね端子であってもよいし、付勢力(復元力)を生じないピンであってもよい。
また、リーダの接続端子は、端子保持部材によって保持され、位置決め部材によって検体液センサと共に位置決めされなくてもよい。すなわち、接続端子は、筐体に移動しないように固定されていてもよい。
接続端子の取付部(ねじ33やねじ533)は、開状態において露出する構成に限定されない。すなわち、接続端子の取付部は、筐体を分解しなければ交換できない構成であってもよい。この場合であっても、接続端子と固定部とで検体液センサを挟む構成であれば、例えば、開状態において接続端子が露出することから、接続端子の検査が容易である等の効果が奏される。
接続端子の取付部が、開状態において露出し、筐体を分解せずに接続端子を交換可能な構成である場合において、当該構成は、ねじを用いるものに限定されない。図9(a)〜図9(c)は、ねじ以外の方法に係る変形例を模式的に示す断面図である。
図9(a)の変形例では、筐体401の開状態において露出する面(閉状態における対向面)に係合部403が設けられている。係合部403は、その弾性変形によって、端子保持部材29に対する係合およびその解除がなされる。これによって、端子保持部材29の着脱がなされる。
図9(b)の変形例では、筐体405の開状態において露出する面(閉状態における対向面)にピン407回りに回転可能な係止部材409が設けられている。係止部材409は、回転移動によって、端子保持部材29に対する係合およびその解除がなされる。これによって、端子保持部材29の着脱がなされる。
図9(c)の変形例では、端子保持部材411(筐体であってもよい)は、接続端子31が着脱されるソケット413を有する構成とされている。ソケット413は、例えば、接続端子31が挿通される孔部に、接続端子31を挟持する板バネ415(端子)を有している。この変形例では、端子保持部材411が交換されるのではなく、接続端子31自体が交換される。
検体液センサを位置決めする位置決め部材は、ピンに限定されない。例えば、図10に示すように、固定筐体417の上面に、検体液センサ3が嵌合する周壁部417wが形成されていてもよい。また、検体液センサは、固定側の部分に載置されたときに位置決めされるのではなく、閉状態とされたときに、可動側の部分によって位置決めがなされてもよい。
端子保持部材が位置決め部材によって検体液センサと共に位置決めされる場合においても同様に、位置決め部材はピンに限定されない。例えば、図10に示した周壁部417wの高さを検体液センサ3の厚みよりも高くし、端子保持部材に、周壁部417wに嵌合する部分を形成してもよい。
第4の実施形態では、第1被位置決め部(位置決めピン529e)を第2被位置決め部(位置決め板529f)よりも突出させることによって、第1被位置決め部による位置決めが第2被位置決め部による位置決めよりも先に開始されるようにした。ただし、一方の位置決めを他方の位置決めよりも先に開始させる方法は、これに限定されない。例えば、第1被位置決め部および第2被位置決め部の突出量を同等とし、第1位置決め部(位置決め孔511e)が形成される面を第2位置決め部(位置決めスリット511f)が形成される面よりも高くすることによっても可能である。また、例えば、第4の実施形態の説明においても言及したように、折り畳み式のリーダにおいては、突出量を同等として、第1被位置決め部を第2被位置決め部よりも回転軸に近い位置(位置決め部が板状等である場合においては回転軸までの最短距離で比較してよい)に配置することによっても可能である。一般化すると、開状態から閉状態へ遷移するときの第1被位置決め部と第1位置決め部との相対移動量に対する開状態における第1被位置決め部と第1位置決め部との距離の比が、開状態から閉状態へ遷移するときの第2被位置決め部と第2位置決め部との相対移動量に対する開状態における第2被位置決め部と第2位置決め部との距離の比(位置決め部が板状等である場合は最小の比)よりも小さければ可能である。
第4の実施形態では、第1被位置決め部と第1位置決め部との隙間と、第2被位置決め部と第2位置決め部との隙間とが同程度と仮定したが、これらは互いに異なっていてもよい。固定部の上面に沿う平面方向において、第2被位置決め部の最大長さに対する第2被位置決め部と第2位置決め部との隙間の比が、第1被位置決め部の最大長さに対する第1被位置決め部と第1位置決め部との隙間の比よりも小さければ、固定部の上面に沿う回転に関して、第2被位置決め部による位置決めは、第1被位置決め部による位置決めよりも高精度となりえる。
第1被位置決め部および第1位置決め部は、実施形態とは逆に、第1被位置決め部が凸状とされ、第1位置決め部が穴状とされてもよい。第2被位置決め部および第2位置決め部についても同様である。
各種シールドは、筐体等の基体に塗布された導電塗料によって構成されるものに限定されない。例えば、シールドは、筐体の外面または内面に配置される板金、導電性メッシュまたは導電性シートによって構成されてもよいし、インサート成型によって樹脂性の筐体内に埋設された板金によって構成されてもよいし、筐体内に配置されたシールドケースによって構成されてもよいし、金属からなる筐体によって構成されてもよい。また、メッキ法によって形成してもよい。
なお、シールド(導電層)が形成された筐体、または、シールドとなるその他の部材には、最大径がノイズの波長よりも小さい複数の孔が形成されてもよい。このような孔は筐体内の空冷に役立つ。
図7および図8において、固定部と可動部との隙間を塞ぐための構成は、固定部と可動部とで役割が逆であってもよい。例えば、図7のように一方が他方を収容する場合において、可動部が固定部を収容してもよいし、図8のように溝部および壁部が設けられる場合において、可動部に溝部が設けられ、固定部に壁部が設けられてもよい。
温度調整部は、設けられなくてもよい。また、温度調整部は、ペルチェ素子に限定されない。例えば、温度調整部は、ヒータであってもよい。また、温度調整部は、検体液センサに当接する伝熱板、該伝熱板を加熱可能なヒータおよび前記伝熱板を冷却可能なファンの組み合わせであってもよい。
検体液センサの形状は、平板状に限定されず、例えば、スティック状であってもよい。ただし、平板状であれば、開状態におけるリーダへの載置が容易である。
また、実施形態では、検体液センサがセンサチップとパッケージ(支持基板およびカバー)とを有し、パッケージに外部端子が設けられる場合を例示したが、検体液センサの構成は、これに限定されない。例えば、センサチップの少なくとも一部が露出するようにパッケージが構成され、センサチップにリーダと接続される外部端子が設けられたり、および/または、センサチップに検体液が直接に滴下されてもよい。また、センサチップとパッケージとを区別して概念することが難しい構成であってもよい。
検体液センサがセンサチップおよびパッケージを有する場合において、センサチップの実装方式はワイヤボンディングを用いた表面実装に限定されない。例えば、バンプを用いるフリップチップ実装であってもよいし、リードを基板に挿入するリード挿入実装であってもよい。
また、検体液の流れる流路は、実施形態に例示したもの以外に、適宜に構成されてよい。例えば、適宜に屈曲してもよいし、流入口が検体液センサの上面でなく端面に開口してもよい。検体液センサの反応部(金属膜59)は、検体液の流路の天井面に位置してもよい。
検体液センサの基準電位層は、ベタパターン状のものに限定されない。例えば、外部端子37、基板パッド61および基板配線63に沿って延び、これらを囲む線状のパターンであってもよい。基準電位層がベタパターン状の場合において、その外縁の形状は矩形に限定されず、切り欠きが形成されるなど、適宜な形状とされてよい。基準電位層の、隙間を介して外部端子37、基板パッド61または基板配線63と隣接する縁部(内縁)は、必ずしも外部端子37、基板パッド61または基板配線63と相似形である必要はなく、より簡素な形状とされてもよい。基準電位層は、外部端子37、基板パッド61および基板配線63を1組ごとに囲むことが好ましいが、2組以上を纏めて囲んでもよい。
実施形態では、基準電位層564は、絶縁基体47の一方の主面に、外部端子37、基板パッド61および基板配線63とともに配置された。しかし、基準電位層は、絶縁基体47の他方の主面に配置されてもよいし、内部に配置されてもよい。なお、この場合、基準電位層は、平面透視において外部端子37、基板パッド61および基板配線63に重なっていてもよい。