JP3365070B2 - 弾性表面波装置 - Google Patents
弾性表面波装置Info
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Description
Wという。)装置に係り、特に高周波数振動子として使
用されるSAW共振器に適用する場合に好適な装置構造
に関する。
相互に対向した一対の櫛歯電極から成るすだれ状電極変
換器(interdigital transducer:以下、ID変換器とい
う。)を構成したSAW共振器が製造されている。この
SAW共振器は、ID変換器に導入された電気信号によ
り発生する弾性表面波を所定周期で形成された櫛歯電極
により共振させ、この共振周波数の電気信号を取り出す
ことにより基準振動子として機能するものである。この
場合、ID変換器の両側に所定の間隔で一対のグレーテ
ィング反射器(grating reflector:以下、GT反射器と
いう。)を形成すると、両GT反射器の間に弾性表面波
に対する共振空洞が形成され、この共振空洞に弾性表面
波の定在波が立つ。ID変換器はこの定在波と強く結合
するので、安定した振動子を構成することができる。
動数が決定される通常の水晶振動子とは異なり、表面波
の共振を利用するため結晶の表面20μm程度しか影響
を受けず、基板の厚さ等の制約がないので高周波数帯域
まで基本モード振動で駆動できるから、小型でスプリア
スモードの少ない圧電振動子を容易に実現できる。
AW共振器においては振動周波数に大きな温度依存性が
あり、振動周波数は温度に対して上に凸の2次曲線で示
される。この場合の2次曲線は−0.03ppm/℃2
(室温25℃における発振周波数を基準とする。)程度
の2次係数をもつ。このような温度特性は振動周波数の
精度を無効にするため、適切な温度制御を行う必要があ
る。しかし、SAW共振器の動作は水晶基板の表面近傍
の状態に大きく影響されるため、水晶基板の表面に温度
調節のための異物を接触させることができず、水晶基板
に効率的な温度調節を行うことが困難である。
であり、その課題は、SAW共振器等のSAW装置の温
度調節を適切に行うことのできる新規の装置構成を実現
することにある。
に本発明が講じた手段は、圧電基板の表面上に形成され
所定の周期構造を備えた信号電極と、前記圧電基板の表
面温度を測定する温度測定手段と、前記圧電基板の裏面
に一方の温度領域が熱的に接合するように配置された熱
電素子と、を有する弾性表面波装置であって、前記温度
測定手段の測定温度に応じて前記熱電素子を駆動させる
ことにより、前記表面温度を下降または上昇させる温度
制御手段を設けたものである。
度測定手段、前記熱電素子及び前記温度制御手段を単一
のケーシング内に収容することが好ましい。
して支持部材に支持させることが望ましい。
みを接触面として支持部材に支持させることが望まし
い。
裏面上に複数分散配置することが好ましい。
子の一方の温度領域が熱的に接合されていることによ
り、水晶基板の表面側の構造に妨げられることなく、し
かも表面上の弾性表面波に影響を与えることなく大きな
接触面を介して冷却若しくは加熱を行うことができ、安
定したSAW装置の動作を実現できる。また、圧電素子の
裏面上に複数の熱電素子を分散配置することにより、熱
電素子間の応力伝達が分断されるので、水晶基板に与え
る応力をさらに低減することができる。
の実施例を説明する。以下に説明するSAW装置は水晶
基板を使用したSAW共振器である。しかし、本発明は
SAW共振器に限らずSAWフィルター等の各種SAW
装置に適用できるものである。また、圧電基板について
も、水晶以外に、SAW装置の構成や用途に応じてLi
NbO3 、LiTaO3 等の種々の材質が採用される。
すように、縦3mm、横6mm、厚さ400μm程度の
STカットの水晶基板1の表面にID変換器2、GT反
射器3,4、及び感温体5を形成し、水晶基板1の裏面
ほぼ全体にペルチェ素子6を貼着している。ペルチェ素
子6の中央部は支持台7の支持部7aに固着されてい
る。
6を支持台7に対して所定の間隔で離反させ、水晶基板
1に支持台7から応力伝達のないように構成されてお
り、水晶基板1に応力に起因する歪みが発生しないよう
にしている。
異なる実施例の構造を示す。この実施例は上記第1実施
例と同様の水晶基板1、ID変換器2、GT反射器3,
4、感温体5及び支持台7を備えており、その説明は省
略する。本実施例では水晶基板1の裏面の中央部にペル
チェ素子6A、左右にペルチェ素子6B,6Cがそれぞ
れ貼着され、中央のペルチェ素子6Aは支持台7の支持
部7aに固着されている。
例の全体構成を示す。上記図1及び図2に示されている
支持台7はベース8に固着されており、このベース上に
はICチップ9が実装されている。ベース8にはカバー
10が取付けられ、密封されるようになっている。な
お、ベース8及びカバー10で形成される内部空間には
窒素やアルゴン等の不活性ガスが充填される。ベース8
の下面からは内部回路に導電接続された複数の外部接続
端子11が突出形成されている。
(b)に示すようにそれぞれ櫛歯状に形成された対向電
極2a,2bが形成され、この対向電極2a,2bのそ
れぞれに信号線21,22がボンディングされている。
また、感温体5の両端にも検出線51,52が接続され
ている。これらの信号線21,22及び検出線51,5
2の他端は支持台7に形成された配線パターンを介して
ベース8上の配線パターンに接続され、ICチップ9内
に引き込まれている。
T反射器3,4の格子電極はアルミニウム等その他の合
金を蒸着、スパッタリング等により被着することによっ
て形成されている。ID変換機2の対向電極2a,2b
及びGT反射器3,4の格子電極の形成周期は水晶基板
1の表面に立つ弾性表面波の波長λの半分に設定されて
いる。また、感温体5は蒸着により形成された白金など
の薄膜であり、温度により変化する薄膜の抵抗値から水
晶基板1の表面温度が検出されるようになっている。
水晶基板1に形成されたID変換器2と感温体5はIC
チップ9に接続されている。ID変換器2の信号線2
1,22からは所定周波数の振動波形が取り出される。
また、感温体5の検出線51,52を介して得られた感
温体の抵抗値に応じて水晶基板1の表面温度が検出され
る。ICチップ9は水晶基板1の表面温度と予め設定さ
れた基準温度との差を算出し、この温度差に応じてペル
チェ素子6の駆動電圧を出力する。
のである。ペルチェ素子6は、アルミナ等で形成された
セラミック基板61及び62の間に、電極63,64と
Bi−Te系等のn型半導体65及びp型半導体66を
電気的には直列に、熱的には並列に接続したπ型構造を
複数配列させたものである。セラミック基板61は接着
剤67により水晶基板1に接着され、セラミック基板6
2は接着剤68により支持台7に接着されている。
面上にペルチェ素子6を配置することにより、弾性表面
波に影響を与えることなく、しかも裏面上のいずれにも
ペルチェ素子を接触させることができるので、水晶基板
1全体の温度調節を行うことができる。この場合、水晶
基板1の支持は支持台7の支持部7aによりペルチェ素
子6を介してのみ行われているため周囲に他の接触部が
存在せず、構造が簡素化されるとともに効率的な冷却若
しくは加熱を行うことができる。ペルチェ素子6のセラ
ミック基板61は、上記駆動電圧の極性に応じて水晶基
板1の冷却と加熱を選択的に行い、上記駆動電圧の絶対
値に応じて冷却量若しくは加熱量が調整される。
でペルチェ素子6を介して支持されているため、その表
面に支持台7若しくは他の部材からの応力を受けること
がないので、安定した特性を得ることができる。
貼着されたペルチェ素子6A,6B,6Cが分割された
状態で形成されているため、第1実施例のように水晶基
板1と支持部7aに挟持されたペルチェ素子6を介して
水晶基板が応力を受ける恐れもなく、より安定した動作
を期待できる。
板の裏面に貼着したことにより、極めてコンパクトに温
度制御構造を構成でき、温度制御による装置全体の容積
の増大を抑制することができる。また、各実施例では温
度制御手段により温度の調節を行うことにより振動周波
数を変化させることも可能である。
晶基板1の裏面中央である必要はなく、中央から外れた
位置に形成されていてもよい。また、第2実施例のよう
に複数のペルチェ素子を設ける際のペルチェ素子の個数
や配置は任意である。感温体は上記実施例に示したもの
に限定されることなく、公知の種々の温度センサを温度
計測に適した場所であれば任意の場所に設置することが
できる。また温度制御はICチップ9の内部回路により
通常のPID制御方式等で行うことができ、或いは必要
に応じて他の方式を採用してもよい。さらに、ペルチェ
素子6の冷却若しくは加熱効果を高めるために、支持台
の周囲に若しくはペルチェ素子6B,6Cにおけるセラ
ミック基板62の下面上に放熱フィン等の補助部材を適
宜取付けてもよい。また、上記構造のペルチェ素子に限
らず公知の種々の熱電素子を使用できることは言うまで
もない。
の効果を奏する。
チェ素子の一方の温度領域が熱的に接合されていること
により、水晶基板の表面側の構造に妨げられることな
く、しかも表面上の弾性表面波に影響を与えることなく
大きな接触面を介して冷却若しくは加熱を行うことがで
きるので、効率的かつ安定した温度制御を行うことがで
き、安定したSAW装置の動作を実現できる。
各構成要素を全て収容することにより、高性能のSAW
デバイスを構成できる。
介して支持部材に支持させることにより、圧電基板の支
持部を温度制御部として兼ねることができるので構造が
簡素化されるとともに効率的な冷却若しくは加熱ができ
る。
一部のみを介して支持することにより、圧電基板の周囲
から受ける応力を低減させることができ、安定した動作
を期すことができる。
数の熱電素子を分散配置することにより、熱電素子間の
応力伝達が分断されるので、圧電基板に与える応力をさ
らに低減することができる。
主要部分の構造を示す縦断面図である。
主要部分の構造を示す縦断面図である。
びカバーを取り去った状態の平面図(b)である。
る。
示す拡大断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 圧電基板の表面上に形成され所定の周期
構造を備えた信号電極と、前記圧電基板の表面温度を測
定する温度測定手段と、前記圧電基板の裏面に一方の温
度領域が熱的に接合するように配置された熱電素子と、
を有する弾性表面波装置であって、 前記温度測定手段の測定温度に応じて前記熱電素子を駆
動させることにより、前記表面温度を下降または上昇さ
せる温度制御手段を設けたことを特徴とする弾性表面波
装置。 - 【請求項2】 請求項1において、前記圧電基板、前記
温度測定手段、前記熱電素子及び前記温度制御手段は単
一のケーシング内に収容されていることを特徴とする弾
性表面波装置。 - 【請求項3】 請求項1において、前記圧電基板は、前
記熱電素子を介して支持部材に支持されていることを特
徴とする弾性表面波装置。 - 【請求項4】 請求項1において、前記圧電基板は、そ
の裏面の一部のみを接触面として支持部材に支持されて
いることを特徴とする弾性表面波装置。 - 【請求項5】 請求項4において、前記熱電素子は、前
記圧電基板の裏面上に複数分散配置されていることを特
徴とする弾性表面波装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21145194A JP3365070B2 (ja) | 1994-09-05 | 1994-09-05 | 弾性表面波装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21145194A JP3365070B2 (ja) | 1994-09-05 | 1994-09-05 | 弾性表面波装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0879002A JPH0879002A (ja) | 1996-03-22 |
JP3365070B2 true JP3365070B2 (ja) | 2003-01-08 |
Family
ID=16606170
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21145194A Expired - Fee Related JP3365070B2 (ja) | 1994-09-05 | 1994-09-05 | 弾性表面波装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3365070B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
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DE102007029393A1 (de) * | 2007-06-26 | 2009-01-22 | Epcos Ag | Transformatoranordnung |
JP6282440B2 (ja) * | 2012-10-31 | 2018-02-21 | 京セラ株式会社 | 検体液センサユニット、検体液センサ用リーダおよび検体液センサ |
JP7086592B2 (ja) | 2016-12-21 | 2022-06-20 | スカイワークス ソリューションズ,インコーポレイテッド | 過温度保護を備えた無線周波数システム、弾性表面波フィルタ及びパッケージ状モジュール |
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1994
- 1994-09-05 JP JP21145194A patent/JP3365070B2/ja not_active Expired - Fee Related
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