以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
図1乃至図12は、実施形態を説明するための図である。以下、これらの図を参照しながら、以下の流れに沿って実施形態を説明する。まず、「1」で実施形態に係る電子チケットシステムの概要を、使用される表示画面の具体例を挙げながら説明する。続いて「2」で電子チケットシステムで使用されるチケットアプリ及び管理サーバの機能構成を説明し、「3」で電子チケットシステムの処理の流れを説明する。「4」では、電子チケットシステムに含まれる携帯型端末及び管理サーバを実装可能なハードウェア構成の具体例を説明する。最後に、「5」以降で、本実施形態に係る効果などを説明する。
(1. 概要)
(1.1 電子チケットシステムの概要)
まず、図1を参照しながら、実施形態に係る電子チケットシステム1の構成及び処理の概要を説明する。電子チケットシステム1は、例えば、電子チケットを購入及び使用するユーザUA及びUB(以下、総称してユーザUともいう。)の使用する携帯型端末100A及び100B(以下、総称して携帯型端末100ともいう。)と、電子チケットサービスを提供するサービス事業者により管理される管理サーバ200とを含む。携帯型端末100と、管理サーバ200とは、それぞれネットワークNを介して有線又は無線により、相互に通信可能である。
本電子チケットシステム1において、ユーザUは携帯型端末100にインストールされたチケットアプリケーション(以下、チケットアプリとも呼ぶ。また、以下アプリケーションプログラムを、単に「アプリ」とも呼ぶ。)を用いて、電子チケットサービスを受けることができる。具体的には、予めユーザUは、サッカーや野球等の競技場、遊園地や動物園等の各種施設、ライブ会場等(以下、これらを総称して単に「会場」と呼ぶ。)へ入場するためのチケットを購入し、当該チケットに係る電子チケットデータを携帯型端末100の電子チケットアプリがダウンロードする。ユーザUは、当該電子チケットを表示した表示画面を、会場の係員に提示する。当該係員が、当該表示画面に対して所定の操作(例えば、特定のパターンのなぞり操作やスワイプ操作等)を入力したり、特定のパターンを有する電子的なスタンプ部材を画面に押印(タッチパネルへの接触操作等)したり、或いは超音波(高周波音)出力装置を携帯型端末100へ近づけたりすると、チケットアプリは、当該電子チケットを使用済みとするもぎり処理(消込処理)を行う。またチケットアプリは、当該電子チケットが使用済みであることを管理サーバ200へと通知する。なお、以下、電子チケットを使用済みとするために、特定の操作を入力したり、スタンプ部材を画面に押印(タッチパネルへの接触操作等)したり、超音波出力装置を近づけたりする操作を、もぎり操作ともいう。
携帯型端末100には、前述のとおりチケットアプリがインストールされており、当該チケットアプリを使用することで、ユーザUは電子チケットサービスの提供を受けることができる。具体的には、携帯型端末100は、ユーザUが購入した電子チケットデータを管理サーバ200からダウンロードし、電子チケットに係る表示画面を表示することができる。また、当該電子チケットの表示画面においてもぎり操作が入力されると、携帯型端末100は電子チケットが使用済みであることを示す使用済画像を表示すると共に、使用済みであることを管理サーバ200へと通知する。携帯型端末100は、例えばいわゆるスマートフォンと呼ばれる携帯電話や、タブレット型端末、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯型ゲーム機等により実現することができる。
なお、以下の説明では、携帯型端末100が、いわゆるスマートフォン等の、タッチパネルを有する装置である例を中心に説明する。しかしながら、携帯型端末100は、上述の通り、例えばフィーチャーフォン等の、タッチパネルを有さない装置で実現することも考えられる。この場合には、例えば所定のボタン操作や、超音波出力装置から特定パターンの超音波を入力することで、電子チケットを使用済みとする(もぎり操作が入力されたものとする)ことができる。
また、以下の説明では、携帯型端末100に、チケットアプリをインストールした上で、当該チケットアプリに電子チケットデータをダウンロードする例を中心に説明する。しかしながら、携帯型端末100にチケットアプリをインストールせずに電子チケットサービスを提供することも考えられる。この場合には、例えば、電子チケットサービスに係る各種データを、全てブラウザ上で制御すれば良い。この場合には、予め携帯型端末100にインストールされたブラウザから、管理サーバ200の提供するウェブサイトへアクセスし、そこから、電子チケットデータをウェブページデータの一部又は全部としてダウンロードし、更に当該ウェブページデータに対するユーザ操作に応じて、電子チケットに対する各種処理を行うことができる。
管理サーバ200は、電子チケットの販売及び管理を行うサーバである。例えば、管理サーバ200は、チケット販売サイトを提供する。ユーザUは、携帯型端末100や、その他の情報処理端末上でブラウザを操作することで、当該チケット販売サイトへとアクセスし、当該チケット販売サイト上でチケットを購入することができる。チケットが購入されると、管理サーバ200は購入されたチケットを、ユーザUの識別情報と紐づけて管理する。その後、ユーザUが携帯型端末100のチケットアプリを起動すると、管理サーバ200は購入されたチケットに係る電子チケットデータを携帯型端末100へと送信する。また、管理サーバ200は、当該電子チケットが使用された旨の情報を携帯型端末100から受信すると、当該電子チケットに係るステータス情報を使用済に更新する。
なお、管理サーバ200の機能は、必ずしも物理的に1台のサーバにより実現される必要はなく、複数台の情報処理装置により実現することも可能である。
ネットワークNは、先述の通り携帯型端末100及び管理サーバ200を相互に通信可能に接続する。ネットワークNは、例えばインターネット等により実現することができ、内部に無線LANのアクセスポイントや携帯電話の基地局等を含むこともできる。
ここで、本実施形態に係る電子チケットシステム1では、複数人に関するチケットが1人のユーザに対して発行され得る。例えば、2名分の電子チケットを、ユーザUAの携帯型端末100Aに対して発行可能である。ユーザUAは当該2名分の電子チケットを購入していれば、自身の有する携帯型端末100Aを提示するだけで、例えば親子や夫婦であるユーザUBと共に、2名で会場へ入場することが可能である。
この時、通常であれば、電子チケットの一覧画面をまずチケットアプリに表示させ、その上で、ユーザUA分の電子チケットを表示画面に表示させた上で、当該電子チケットに対してもぎり操作を行う。次に、また一覧画面に戻ってその中からユーザUB分の電子チケットを選択し、ユーザUB分の電子チケットを表示画面に表示させた上で、当該電子チケットに対してもぎり操作を入力する必要がある。しかしながら、このような手法では、画面の切り替え操作が煩雑であり、この課題は特に、多数のユーザUに対する電子チケットに対してもぎりを行う場合に顕著となる。
複数枚の電子チケットを1画面で表示し、それらに対してもぎり操作を入力することも考えられるが、このような場合には、1枚の電子チケットあたりで使用できる面積が小さくなる。この結果、電子チケットに係る情報の提示領域が狭くなったり、或いはもぎり操作の入力方法に制限が生じたりしてしまう。
そこで本実施形態に係る電子チケットシステム1では、複数のユーザUに対する電子チケットの表示及びもぎり処理を簡便に行う。具体的には、各々の電子チケットを1画面で表現しつつ、各々の電子チケットに係る表示画面の切換を、1回の操作(例えばスワイプ操作や、もぎり操作)で行えるようにする。これにより、入場に必要となる操作等が簡便となり、入場の遅延等を抑制することが可能となる。
特に電子チケットシステム1では、子供用の子供券と親が使用する大人券、老人用のシルバー券等、同じ券種ではない、複数の券種に渡る電子チケットについても、後述するように、それぞれスワイプ操作等の簡易な操作で表示を切り換えることができる。
また、所用により一時的に会場外へユーザUBが出場したい場合がある。このような場合、ユーザUBが再入場するためには、正当な電子チケットでユーザUBが会場に入場したことを係員に証明する必要がある。或いは、使用前の段階で、ユーザUAがユーザUBの分を含む2名分のチケットを購入し、そのうちの1枚をユーザUBに配分したい場合もある。
そこで本実施形態にかかる電子チケットシステム1では、ユーザUAが保有する複数の電子チケットの一部又は全部を、ユーザUBが保有する携帯型端末100Bの電子チケットアプリに配分する機能を有する。なお、後述するように、ユーザUAによる電子チケットの配分は、電子チケットの使用前だけでなく、使用後(会場への入場後)に行うことも可能である。また、配分を受けるユーザUBの携帯型端末100Bは、タッチパネルを有するいわゆるスマートフォンであるか、フィーチャーフォンであるかを問わない。以下の説明では、配分を受けるユーザUBの携帯型端末100Bがスマートフォンである場合を中心に説明する。
(1.2 電子チケットの使用例)
以下、図2乃至図6を参照しながら、本実施形態に係る電子チケットシステム1での電子チケットの使用例を説明する。図2乃至図6は、電子チケットサービスの提供を受けるユーザUの携帯型端末100のディスプレイに表示される表示画面の具体例を示す図である。
(1.2.1 一覧表示画面20)
図2は、ユーザUが利用可能な電子チケットの一覧を示す一覧表示画面20の具体例である。図2の一覧表示画面20では、チケット受取ボタン21と、チケットアイコン22A及び22B(以下、総称してチケットアイコン22ともいう。)とを含む。
チケット受取ボタン21は、ユーザUが購入したチケットの電子チケットデータを管理サーバ200からダウンロードする際に選択される。ユーザUがチケット受取ボタン21を選択し、チケットを受け取るための所定の操作(例えば、チケット引換番号の入力)を入力すると、チケットアプリは管理サーバ200にアクセスし、ユーザUが購入したチケットに係る電子チケットデータを取得する。その結果、管理サーバ200から受信した電子チケットデータは、チケットアイコン22として表示される。
なお、この例では、チケット受取ボタン21が選択され、その上で引換番号の入力等の所定の操作がされたことをトリガとして、チケットアプリは電子チケットの取得を管理サーバ200へ要求しているが、これに限られるものではない。例えば、チケットアプリの起動時に、ユーザ操作なしに管理サーバ200に対してチケットの取得要求を送信してもよい。この場合には、チケットアプリは必ずしもチケット受取ボタン21を表示する必要はない。
チケットアイコン22は、ユーザが利用可能なチケットに関する情報である。図2のチケットアイコン22Aの例であれば、チケットアイコン22Aは、使用できる会場名(「わくわくランド」)やチケット種別(「ワンデーパス」)の情報の他、有効チケット情報23及び使用済チケット情報24を含んでいる。
有効チケット情報23は、ユーザUが利用可能な電子チケットに関する情報である。図2の例では、有効チケット情報23には、有効期間情報(「2016年3月18日(金)〜5月15日(日)」)やチケット種別(「ワンデーパス」)、枚数情報25(「4枚」)、及び分配可能アイコン26が含まれている。
ここで、枚数情報25は、同じ有効期限及びチケット種別の有効な電子チケットを、ユーザUが何枚有しているかを示す情報である。図2の例では、「2016年3月18日(金)〜5月15日(日)」の期間有効な未使用の「ワンデーパス」を、ユーザUは5枚有していることを示している。
分配可能アイコン26は、枚数情報25で示される電子チケットの一部又は全部を、他のユーザUに分配可能であることを示している。もし予め禁止されていたり、使用済みであったり等の事情により分配不可な場合には、チケットアプリは分配可能アイコン26を表示画面上に表示しなければ良い。なお、電子チケットの具体的な分配方法については後述する。
使用済チケット情報24は、ユーザUが使用した電子チケットに関する情報である。図2の例では、有効期間が「2016年3月18日(金)〜5月15日(日)」であるワンデーパスを2枚使用済みであることが使用済チケット情報24に示されている。
(1.2.2 チケット詳細表示画面30)
図2の画面において、有効チケット情報23や使用済チケット情報24はユーザUにより選択可能となっており、選択されると、対応する1以上の電子チケットのうち、いずれか1枚に対応するチケット詳細表示画面30が表示される。
図2の一覧表示画面20においてチケットアイコン22Aの有効チケット情報23の領域をユーザUが選択した場合に表示されるチケット詳細表示画面30の具体例を図3aに示す。図3aの例では、チケット詳細表示画面30には、チケット順序表示領域31と、券種情報表示領域32と、発券対象者表示領域33と、コンテンツ閲覧ボタン34と、チケット分配ボタン35とが含まれる。
チケット順序表示領域31は、チケット詳細表示画面30に表示しているチケットが、同種のチケットのうち、何枚目であるかを示す領域である。図2の一覧表示画面20では、有効チケット情報23において、「2016年3月18日(金)〜5月15日(日)」の期間有効な未使用の「ワンデーパス」をユーザUが5枚有していることが示されていた。そこで、図3aのチケット順序表示領域31の例では、「1,2,3,・・・」に対応するユーザUが有する同種の複数の電子チケット(例えば、同じ会場且つ同じ有効期限を有することにより、入場時に同時に係員に提示する可能性のある電子チケット。券種は同一でなくとも良い。)の内、1枚目を表示していることをユーザUが認識できるように、「1」の部分のみが色が変化している。なお、図3aの例では1〜4の数字しか表示されていないが、5枚目以降のチケットを表示する場合には、例えば2〜5の数字をチケット順序表示領域31に表示すれば良い。
なお、何枚目の電子チケットを表示しているかを示す方法は、図3aに示される手法に限られるものではない。例えば、「1枚目/5枚目」のように、数値的に表現する表現手法等も考えられる。
券種情報表示領域32は、表示している電子チケットの券種などを示す領域である。ここでは、券種として、対象としうるユーザUの属性である年齢層に応じて複数の券種の電子チケットが発券されているものとする。なお、チケット種別として区別しうる対象はこれに限られるものではなく、例えばユーザUの性別や住所(都道府県など)、入場時間(午後5時以降のみ入場可能など)、利用可能エリア(遊園地及びプールに入場可、遊園地のみ入場可、プールのみ入場可など)等により、券種を区別しても良い。
図3aの例では、主催者(会場)が「わくわくランド」、チケット種別が「ワンデーパス」、券種が3歳以上を対象とする「こども券」、有効期間が「2016年3月18日(金)〜5月15日(日)」、営業時間はホームページに掲載されていること、等の情報が券種情報表示領域32に示されている。当該券種情報表示領域32を見れば、ユーザUや当該電子チケットの提示を受けた会場の係員は、チケットの内容(チケット種別や対象となる期間、対象者の属性(図3aの例では年齢))を確認することができる。
発券対象者表示領域33は、チケットの発券対象者(所有者)であるユーザUの氏名や注意事項等が記載される領域である。図3aの例では、ユーザUの氏名である「ヤマダタロウ」である旨、及び、注意事項として「ご利用の際にご提示ください」「交換場所は、詳細ページを確認ください」とのメッセージが発券対象者表示領域33に示されている。
コンテンツ閲覧ボタン34は、表示している電子チケットに紐づけされた(付随する)コンテンツの閲覧をユーザUが要求するためのボタンである。コンテンツ閲覧ボタン34をユーザUが選択すると、チケットアプリは管理サーバ200から、当該電子チケットに対応付けられた動画や音声、静止画、HTML等のウェブページとして記載された文書コンテンツ等をダウンロードし、表示装置上に表示する。なお、当該コンテンツは、例えば表示している電子チケットの発券以降、所定期間のみ再生可能というように、再生可能期間に制限を設けても良い。
なお、本実施形態では、電子チケットにコンテンツの閲覧を特典として紐付けることとしているが、電子チケットに付随させるサービスはコンテンツの閲覧に限られるものではない。例えば、関連する別の電子チケット(副券)、クーポン、各種ポイント付与、電子マネーとの連携、電子商取引(EC:e−commerce)等のサービスを電子チケットに付帯させる特典とすることも考えられる。
なお、電子チケットに対してコンテンツ等の特典を必ずしも紐づける必要はない。コンテンツが紐づけられていない電子チケットである場合には、チケット詳細表示画面30にコンテンツ閲覧ボタン34を表示しなければ良い。
チケット分配ボタン35は、現在表示されているユーザUが所有する電子チケットを、他のユーザに分配(譲渡)するためのボタンである。本実施形態においては、チケット分配ボタン35が選択されると、図4に示すチケット分配画面40が表示される。当該チケット分配画面40については後述する。
なお、チケットを分配禁止とすることも可能である。チケットを分配禁止とする場合には、チケット分配ボタン35をチケット詳細表示画面30に表示しない、又はチケット分配ボタン35が選択されると分配不可である旨のメッセージを表示すれば良い。この場合、図2に例示した一覧表示画面20上の分配可能アイコン26も非表示となる。
図3aに示された未使用状態の電子チケットに係るチケット詳細表示画面30において、当該電子チケットを使用する際には、先述の通り、例えば会場の入場ゲートにいる係員等により、もぎり操作が入力される。もぎり操作は、例えば、所定のパターンで配列された複数の導電部材を持つスタンプ部材を、係員が表示画面上に接触させることにより入力することができる。このようなスタンプ部材が携帯型端末100の表示画面上に接触すると、表示画面上にある静電容量方式のタッチパネルが当該電導部材のパターンを検出し、この検出されたパターンが、表示している電子チケットに対応するパターンと一致するか否かをチケットアプリが判別する。その結果、押されたスタンプ部材が適当なものであると判別されれば、図3bに示されるスタンプ画像36及び使用日時画像37がチケット詳細表示画面30上に表示される。
なお先述の通り、もぎり操作は、会場の入場ゲートにいる係員が、超音波出力装置を用いて行うことも考えられる。もぎり操作に用いる音波を、可聴音とせずに超音波とすることにより、会場にいるユーザや係員等が耳障りに感じることを避けることができ、また、第三者にもぎり操作に用いるパターンが解読されづらくなるメリットがある。さらに、係員が携帯型端末100を直接触らずとも、超音波出力装置を近づけるだけでもぎり操作が可能となる。この場合には、例えば、電子チケットが対象とする会場やイベント、出入口に対して割り当てられた識別子を超音波に重畳させたパターンとして出力するように予め超音波出力装置を設定しておく。チケットアプリは、チケット詳細表示画面30の表示状態においてマイクを起動させ、表示している電子チケットに対応する識別子にかかる超音波の入力があるか否かを判別できるようにする。この状態で、例えば会場の入場ゲートにいる係員が超音波出力装置をマイクに近づけると、チケットアプリは、表示している電子チケットに対応するID等が重畳された超音波の入力があったか否かを判別し、もし対応する超音波の入力があると判別すれば、図3bに示されるスタンプ画像36及び使用日時画像37がチケット詳細表示画面30上に表示される。
図3bに、使用済となった電子チケットに係るチケット詳細表示画面30の具体例を示す。図3bの例では、券種情報表示領域32上にスタンプ画像36が、発券対象者表示領域33上に使用日時画像37が表示されている。つまり、チケット詳細表示画面30において、スタンプ画像36及び使用日時画像37が表示されているか否かで、ユーザUや係員は、当該電子チケットが使用済であるか否かを容易に確認することができる。
なお、図3bの例では、スタンプ画像36及び使用日時画像37の両者が表示されているが、これに限られるものではない。例えば1日しか開催されないコンサートイベント等の、使用日を確認する必要が薄い場合などには、使用日時画像37を表示させないようにしても良い。
なお、電子チケットが使用済となった場合であっても、例えば再入場の確認の際等に、正当な電子チケットをユーザUが保有しているか否かを係員が確認したい場合もある。しかしながら、図3bのようなスタンプ画像36が押されたチケット詳細表示画面30が携帯型端末100のディスプレイに表示されるだけであれば、第三者の携帯型端末100で使用した電子チケットの画面キャプチャ画像と見分けることが困難である。
そこで本実施形態では、使用済の電子チケットに係るチケット詳細表示画面30を表示する際、一部にアニメーションを含める。より具体的には、ユーザUがスタンプ画像36上に対してタップ操作を入力すると、図3cに具体例を示すように、スタンプ画像36が大きくなるアニメーションが表示される。このようにスタンプ画像36を操作に応じて動作するようにすることで、携帯型端末100のディスプレイに表示されているのが、チケットアプリのチケット詳細表示画面30なのか、画面キャプチャ画像であるのかを判別することができる。
なお、このようなスタンプ画像36のアニメーション表示は、チケットの有効期間内のみとしても良い。例えば、図3bのように1日だけ有効なワンデーパスに係る電子チケットであれば、使用日時画像37で示される使用日時と同一日又は24時間だけ、スタンプ画像36のアニメーションが表示されるようにすれば良い。
また、正当な電子チケットであるか否かを確認するためのアニメーションは、スタンプ画像36の拡大等に限られるものではない。例えば、電子チケット自体に含まれる情報(例えば、チケット詳細表示画面30の左上に示されるカウンター情報)をアニメーションとして表示することも考えられる。電子チケットに含まれる情報をアニメーションとして表示することで、使用前の状態であっても、正当な電子チケットであるか否かを確認することができる。
複数の電子チケットをユーザUが有している場合に、それらを連続してもぎり処理を行いたい場合がある。例えば図2乃至図3cを参照しながら説明してきた例であれば、ユーザUは5枚の電子チケットを有している。このような場合に、もぎり処理を行いたいチケット毎に、毎回、一覧表示画面20とチケット詳細表示画面30との表示を切り替えていたのでは、操作が煩雑である。そこで本実施形態においては、チケット詳細表示画面30上で、表示対象の電子チケットを切り換えることができる。具体的には、例えば、図3dに示すように、ユーザUが矢印Aの方向にスワイプ操作を行うことで、図3eに具体例を示すように、表示対象の電子チケットを切り換えることが可能である。
図3eは、図3dのチケット詳細表示画面30においてユーザUが対象電子チケット切り替えのためのスワイプ操作を入力したことにより表示されるチケット詳細表示画面30の具体例を示す図である。図3eの例では、チケット順序表示領域31において、4枚以上ある電子チケットの内、2枚目の電子チケットであることが示されている。また、券種情報表示領域32上において、券種が、18歳以上を対象とした「大人券」であることが示されている。
つまり、本実施形態に係る電子チケットシステム1では、異なる券種(図3dでは「こども券」、図3eでは「大人券」)であっても、同一会場に入場するために使用される電子チケットに関するものであれば、スワイプ操作等の簡易な操作で、表示するチケット詳細表示画面30を直接切り換えることができる。
なお、図3dの例では、チケット詳細表示画面30において電子チケット切り替えのためのスワイプ操作をユーザが明示的に入力することで表示対象の電子チケットを切り替えているが、電子チケットの表示切替方法はこれに限られるものではない。例えば、図3aに示した未使用のチケット詳細表示画面30においてもぎり操作が入力されると、図3bに示したように使用済を示すスタンプ画像36を表示した後、新たなユーザ操作入力なしに、図3eに示した別の電子チケットに係るチケット詳細表示画面30を表示するようにしても良い。この時、使用済となった電子チケットから表示が切り替わる切り替え先は、例えば未使用の電子チケットとすることもできる。このような実装により、連続的なもぎり操作の入力を、より簡易に行うことが可能である。
(1.2.3 チケット分配用の画面)
先述したように、チケット詳細表示画面30においてチケット分配ボタン35がユーザUにより選択されると、ユーザUが有する電子チケットの一部又は全部を他のユーザに分配するためのチケット分配画面40がディスプレイに表示される。以下、譲渡元をユーザUA、譲渡先をユーザUBとして説明する。
図4に、チケット分配画面40の具体例を示す。図4の例では、一部チケット譲渡用領域41と、全チケット譲渡用領域42とがチケット分配画面40に含まれている。
一部チケット譲渡用領域41は、ユーザUAが保有するチケットの一部をユーザUBに譲渡するための操作を入力するための領域である。図4の例では、ユーザUAが保有する電子チケット(図4の例では5枚)を、1枚ずつユーザUBに渡すことが可能である。一部チケット譲渡用領域41には、チケット選択領域43、及びチケット譲渡ボタン44が含まれる。
チケット選択領域43は、ユーザUAが保有する電子チケットの内、ユーザUBに譲渡する電子チケットをユーザUAに選択させる。図4の例では2枚目のチケットが選択されているが、ユーザUAは必要に応じて譲渡対象のチケットを変更することができる。
チケット譲渡ボタン44は、選択されたチケットをユーザUBに譲渡するための手続を進める際にユーザUAが選択するボタンである。チケット譲渡ボタン44が選択されると、当該譲渡対象の電子チケットについては、分配中であるとしてユーザUAが使用できない状態(分配中のチケットステータス)となる。また、その旨がチケットアプリから管理サーバ200へと通知される。更に、例えば電子メール用アプリやチャット用アプリ等の、ユーザUAがユーザUBとメッセージをやり取りするためのアプリケーション(以下、総称してメッセンジャーアプリと呼ぶ。)が起動する。当該メッセンジャーアプリを利用することにより、当該ユーザUAは、譲渡先のユーザUBに対してメッセージを送ることができる。後述する図5に、メッセンジャーアプリ(図5の例ではメールアプリ)の表示画面の具体例を示す。
全チケット譲渡用領域42は、ユーザUAが保有する全チケットをユーザUBに譲渡するための操作を入力するための領域である。全チケット譲渡用領域42には、チケット譲渡ボタン45が含まれる。チケット譲渡ボタン45が選択されると、当該譲渡対象の全電子チケットは、分配中であるとしてユーザUAが使用できない状態(分配中のチケットステータス)となる。また、その旨がチケットアプリから管理サーバ200へと通知される。更に、電子チケットを譲渡する旨のメッセージを、ユーザUAがユーザUBに通知するための例えばメッセンジャーアプリが起動する。
図5に、ユーザUAがユーザUBに電子チケットを譲渡する際にメッセージを送るためのメッセンジャーアプリ(ここではメールアプリ)の表示画面50の具体例を示す。図5の例では、通常のテキスト文の他、チケット受け渡し用のURL情報51や受渡しの有効期限52がメッセージに含まれている。なお、これらのメッセージは、チケットアプリがメッセンジャーに自動的に入力することができる。また、ユーザUAは任意で当該メッセージを編集することも可能である。
なお、メッセージの宛先(すなわち、電子チケットの譲渡先)やCcの送付先の情報等は、譲渡元であるユーザUAが任意に入力することが可能である。
図5に示されたメッセージを譲渡元のユーザUAが譲渡先のユーザUBに送信し、ユーザUBが当該メッセージに記載されたURL情報51を選択すると、携帯型端末200Bにインストールされているブラウザが起動し、当該ブラウザ上に、図6に示すチケット譲受画面60が表示される。図6の例では、チケット譲受画面60には、譲渡元ユーザ提示領域61、チケット情報表示領域62、受取有効期限63、及びチケット受取ボタン64が含まれる。
譲渡元ユーザ提示領域61は、ユーザUBに対して電子チケットを譲渡しようとしているユーザUAに関する情報を知らせるための領域である。図6の例では「ヤマダタロウ」という氏名のユーザUAからチケットの譲渡の申し出を受けている旨が譲渡元ユーザ提示領域61に示されている。
チケット情報表示領域62は、譲渡の申し出を受けている電子チケットの内容を示す領域である。図6の例であれば、ユーザUAから譲渡の申し出を受けている電子チケットが、「わくわくランド」が主催する有効期間が「2016年3月18日(金)〜5月15日(日)」である「ワンデーパス」であることが示されている。
受取有効期限63は、ユーザUBがチケットの譲り受けるために操作を完了させるべき期限の情報である。図6の例では2016年4月4日20:39までにユーザUBが受取り作業を完了させるべき旨が受取有効期限63に示されている。なお、当該時間までにユーザUBが受け取り操作を行わない場合には、管理サーバ200は当該チケットのステータスを分配中から、所有者ユーザUAに変更した上で、その旨をユーザUAの携帯型端末100Aへ通知する。
チケット受取ボタン64は、ユーザUBが、譲渡の申し出を受けている電子チケットを受け取るための操作を入力するためのボタンである。ユーザUBがチケット受取ボタン64を選択すると、当該ユーザUBの携帯型端末200Bにチケットアプリがインストールされていれば、チケットアプリが起動し、当該チケットアプリは管理サーバ200に対して、当該譲受け対象の電子チケットのデータの受取処理を要求する。当該要求を受信した管理サーバ200は、当該電子チケットのステータスを、分配中から、ユーザUBが所有している状態に変更する。この際、押印状態(未使用/使用済を示す使用状態)は、ユーザUAが所有者だった時の状態を維持する。ステータスの変更処理が正常に完了すると、管理サーバ200は、携帯型端末200Bに対して当該譲り受け対象の電子チケットのデータを送信する。
なお、ユーザUBがチケット受取ボタン64を選択した際に、もしチケットアプリがインストールされていなければ、電子チケット受取方法の案内を表示したり、チケットアプリをインストールするためのアプリケーションを起動させたりすれば良い。
(2. 機能構成)
以下、図7及び図8を参照しながら、本実施形態に係る携帯型端末100にインストールされるチケットアプリ700、及び管理サーバ200の機能構成を説明する。
(2.1 チケットアプリ700の機能構成)
まず、図7を参照しながら、携帯型端末100にインストールされるチケットアプリ700の機能構成を説明する。図7は、チケットアプリ700の機能構成の具体例を示す機能ブロック図である。チケットアプリ700は、認証部710、チケット読込部720、チケット表示部730、チケットステータス変更部740、メッセンジャーアプリ起動部750、及びDB(データベース)760を含む。
認証部710は、例えばチケットアプリ700の起動時に、ユーザUのユーザIDやパスワード等のユーザ情報761、端末情報763等の識別情報を用いて、管理サーバ200との間で認証処理を行う。当該認証に用いるユーザ情報761は、ユーザUから起動時に入力を求めても良いし、或いは、2回目以降の起動時には予めDB760に記憶されたものを読み込んでも良い。
チケット読込部720は、起動時や、チケット受取ボタン21に対するユーザUからの操作入力等に応じて、管理サーバ200へチケットデータの送信要求を送信し、当該ユーザUが受取可能なチケットデータを受信する。当該送信要求には、ユーザUや携帯型端末100を識別するため、ユーザ情報761や端末情報763を含むことができる。或いは、チケットを受信するための引取番号及びパスワードを、当該送信要求に含んでも良い。受信したチケットデータは、チケット情報765としてDB760に格納される。
チケット表示部730は、チケット情報765に含まれる各種情報等を用いて、ユーザUが利用可能な電子チケットに係るディスプレイへの各種表示制御を行う。チケット表示部730は、一覧表示部731、チケット画像表示部732、もぎり操作判定部733、使用済画像表示部734、チケット連動コンテンツ表示部735、及び分配情報表示部736を含む。
一覧表示部731は、ユーザUが使用可能な電子チケットの一覧を示す、図2に具体例を示した一覧表示画面20をディスプレイ上に表示する。この際、図2に示したように、例えば同一の会場に係る電子チケットは集約して表示することができる。また、一覧表示部731は、未使用の電子チケットの情報のみを表示してもよいが、図2に示したように、使用済の電子チケット及び未使用の電子チケットの双方を一覧表示画面20上に示しても良い。
チケット画像表示部732は、ユーザが使用可能な電子チケットに相当する画像、例えば、図3a乃至図3eに例示したチケット詳細表示画面30をディスプレイ上に表示する。
もぎり操作判定部733は、電子チケットに相当する画像、即ちチケット詳細表示画面30上で当該電子チケットを使用済とするための所定のもぎり操作が入力されたか否かを判定する。また、もぎり操作が入力された場合には、もぎり操作判定部733は必要に応じてチケットの有効期限内であるか否かを判定する。先述の通り、もぎり操作としては、例えば特定のパターンのなぞり操作の入力としてもよいし、或いは、特定の配列パターンを持つ導電部材のスタンプ部材がタッチパネルディスプレイに接触したことを検出してもよい。なお、もぎり操作判定部733がもぎり操作が入力されたと判定するための特定の操作パターンや特定のスタンプ部材の配列パターンは、全電子チケットに共通とすることもできるし、電子チケットの種類毎に用意しても良い。後者の場合、電子チケットのチケット情報765にもぎり操作の入力判定に用いられる操作パターンや配列パターンに関する照合情報を含むことができる。また、もぎり操作が入力されたのが有効期限内であるか否かを判定する場合には、チケット情報765に有効期限の情報を含むことができる。
なお先述の通り、もぎり操作は、超音波の入力に応じて行うことも考えられる。この場合には、もぎり操作判定部733は、チケット詳細表示画面30の表示状態においてマイクを起動させ、当該マイクから、電子チケットのチケット情報765に照合情報として含まれる、会場や会場の出入口、イベント等に対して割り当てられた識別子を重畳させた超音波が入力されたか否かを判定する。当該超音波には、電子チケット(会場や会場の出入口、イベントに対するものも含む)を識別するための情報に加えて、有効期限の情報を含ませても良い。
使用済画像表示部734は、もぎり操作判定部733により、有効なもぎり操作(例えば、有効期限内に入力された所定パターンの操作)が入力されたと判断された場合に、当該電子チケットの画像上に、使用済であることを示す画像、たとえば図3bに例示したスタンプ画像36や使用日時画像37を表示する。また、先述の使用済であることを示す画像(例えばスタンプ画像36)に対して操作入力等がなされると、図3cに例示したように、スタンプ画像36の拡大等のアニメーションを使用済画像表示部734は表示する。また、当該アニメーションの表示期間には制限を設けても良い。例えば、電子チケットが1日だけ利用可能なワンデーパスであれば、電子チケットを使用済とした使用日のみ、使用済画像表示部734はアニメーションを表示することができる。
チケット連動コンテンツ表示部735は、電子チケットに紐づけられたコンテンツを管理サーバ200等から取得し、当該コンテンツを再生する。当該コンテンツは、例えば、図3a等に例示したコンテンツ閲覧ボタン34のユーザUによる選択に応じて、取得及び再生がなされる。先述の通り、チケット連動コンテンツ表示部735が再生可能なコンテンツとしては、例えば、動画や音声、静止画、HTML等のウェブページとして記載された文書コンテンツ等が考えられる。また、チケット連動コンテンツ表示部735がコンテンツを取得するためのURL等の情報は、チケット情報765に含むことができる。また、チケット連動コンテンツ表示部735がコンテンツを取得及び再生可能な再生可能期間やユーザ(例えば、ファンクラブの会員、所定の抽選に当選したユーザ等)に制限を設けても良い。この場合、再生可能期間やユーザ種別の情報も、チケット情報765及び/又はユーザ情報761に含むことができる。
なお、先述の通り、電子チケットに紐付ける特典は、コンテンツに限られるものではなく、例えば、関連する別の電子チケット(副券)、クーポン、各種ポイント付与、電子マネーとの連携、電子商取引(EC:e−commerce)等のサービスを電子チケットに付帯させる特典とすることも考えられる。この場合には、チケットコンテンツ表示部735が、必要なデータを管理サーバ200から取得した上で、適当な表示画面をディスプレイに表示する。
分配情報表示部736は、ユーザUが保有する電子チケットを他のユーザに分配(譲渡)するためのチケット分配画面40を表示する。また、ユーザUが他のユーザにチケットの分配処理を行ったものの、当該譲渡先の他のユーザが当該電子チケットの受取りを行っていない場合には、当該電子チケットが分配中である旨を、分配情報表示部736はディスプレイに表示する。更に、他のユーザから電子チケットの譲渡を受ける場合には、分配情報表示部736は、図6に例示したチケット譲受画面60をディスプレイに表示する。
チケットステータス変更部740は、ユーザUによる電子チケットの使用状況に応じて電子チケットに対応付けられるチケットステータス情報767を管理する。例えば、電子チケットのチケットデータ(チケット情報765)をダウンロードした段階では、チケットステータス情報767を「未使用」状態とし、当該電子チケットに対してもぎり操作が入力されたともぎり操作判定部733により判定された場合には「使用済」状態とすることができる。また、当該電子チケットを他のユーザに分配(譲渡)する手続を行っている場合には、チケットステータス情報767を「分配中」とすることができる。
また、チケットステータス変更部740は、自装置のDB760内で管理するチケットステータス情報767を逐次変更する際に、チケットステータスが変更した旨を、管理サーバ200へ通知する。なお、チケットステータス変更部740は、チケットステータスの変更を、必ずしも、もぎり操作が入力された直後に管理サーバ200に送信する必要はない。例えば、通信状態が悪く、管理サーバ200へ通知できない場合には、チケットステータス変更部740は通信状態が改善した後に、チケットステータスの変更を管理サーバ200へ通知すれば良い。
メッセンジャーアプリ起動部750は、チケット分配処理を行う際に、チケットを受け取るためのURL等を分配先のユーザに通知するためのメッセージをユーザUが送信するために、メッセンジャーアプリを起動する。メッセンジャーアプリの具体例としては、高いリアルタイム性で比較的短めのメッセージをやり取りするチャットアプリや、メールアプリ等が考えられる。メッセンジャーアプリ起動部750は、メッセンジャーアプリの起動の際、図5に例示したように、他のユーザがチケットを受け取るために必要なURL情報や、受取りの有効期限の情報、留意事項等をメッセージに埋め込むことができる
データベース(DB)760は、ユーザ情報761、端末情報763、チケット情報765、チケットステータス情報767を含む各種情報を管理する。
ユーザ情報761は、チケットアプリ700を使用するユーザUのユーザアカウント等に関する情報である。ユーザ情報761としては、例えば、ユーザIDやパスワード等の情報を含むことができる。先述の通り、認証部710は、当該ユーザ情報761を使用して管理サーバ200との間で認証を行う。
端末情報763は、携帯型端末100、又はチケットアプリ700に対して一意に割り当てられた識別情報である。管理サーバ200は、当該端末情報763を参照することで、ユーザUの使用する携帯型端末100を識別することが可能である。認証部710は、例えばチケットアプリ700の初回起動時(初回ログイン時)に、管理サーバ200にユーザ情報761を送信する。管理サーバ200はこれを受けて、ユーザ情報761に対して一意に割り当てた識別情報を、端末情報763としてチケットアプリ700へ送信する。管理サーバ200は、当該ユーザ情報761と端末情報763とを対応付けて管理することで、ユーザUが電子チケットを使用する携帯型端末100を一意に管理することができる。
なお、上記の説明では管理サーバ200が端末情報763を生成の上でチケットアプリ700に送信することとしているが、これに限られるものではない。例えば、電話番号等の端末に固有に割当てられた情報や、チケットアプリ700で乱数等を利用してランダムに生成した情報を端末情報763とした上で、チケットアプリ700がこれを管理サーバ200へ送信することも考えられる。
チケット情報765は、ユーザUが使用可能若しくは使用した電子チケットに関する各種情報である。チケット情報765には、例えば、公演名、会場名、チケット種別、使用対象者の属性等に基づく券種、電子チケットとして表示する画像や、有効期間等の情報を含むことができる。加えて、前述のとおりチケット情報765には、もぎり操作が入力されたか否かをもぎり操作判定部733が判定するための照合情報(スタンプ部材の配列パターンや超音波に重畳される識別子の情報等)や、もぎり操作を入力可能な期間、チケット連動コンテンツ表示部735がコンテンツを取得する取得先のURL情報、分配可否に関する情報等を含むこともできる。先述の通り、チケット情報765はチケット読込部720が管理サーバ200から取得する。
チケットステータス情報767は、チケット情報765として格納されている各々の電子チケットのステータスをそれぞれ管理するための情報である。先述の通り、例えば、未使用、使用済、分配中等のステータスが、チケット情報765として表現される電子チケットに紐づけてチケットステータス情報767として管理される。当該チケットステータス情報767は、電子チケットの使用状況等に応じて、チケットステータス変更部740により逐次変更される。
(2.2 管理サーバ200の機能構成)
次に、図8を参照しながら、管理サーバ200の機能構成を説明する。図8は、管理サーバ200の機能構成の具体例を示す機能ブロック図である。管理サーバ200は、大きく分けて、ウェブサイト提供部210、チケットアプリ制御部220、及びDB230を含む。なお、管理サーバ200の機能構成は、必ずしも1台の情報処理サーバにより実現する必要はない。例えば、ウェブサイト提供部210とチケットアプリ制御部220を、それぞれ異なる情報処理サーバにより実現することも考えられる。
ウェブサイト提供部210は、ユーザUに対して販売しているチケット等の各種情報を提供したり、チケットを実際に販売したりするためのチケット販売用のウェブサイトを、例えばインターネットであるネットワークN上で提供する。このためにウェブサイト提供部210は、HTML(HyperText Markup Language)等で記述されたウェブページをユーザUの使用する携帯型端末100へ送信すると共に、ユーザUによる入力結果等を、携帯型端末100から受信する。ウェブサイト提供部210は、ユーザ情報登録部211、認証部213、及びチケット販売部215を含む。
ユーザ情報登録部211は、ユーザUがチケットの購入サービスや電子チケットサービスの提供を受けるにあたり、ユーザ情報231の登録を受ける。具体的には、例えば、ユーザUの氏名や住所、性別、決済に用いるクレジットカード、認証の際に使用するパスワード等の各種情報の登録をユーザ情報登録部211は受け付けることができる。その他、ユーザ情報登録部211は、ユーザUに対して一意に割り当てられるユーザIDを割当て、それをユーザUの使用する携帯型端末100に対して通知することもできる。ユーザ情報登録部211は、割り当てたユーザIDをユーザ情報231の一部としてDB230に格納することができる。
認証部213は、ウェブサイト提供部210が提供するチケット販売サイトへアクセスしてきたユーザUに対する認証処理を行う。より具体的には、例えば、ユーザID及びパスワードの入力をユーザUに求め、ユーザUに入力されたユーザID及びパスワードが、DB230のユーザ情報231として管理されているものと一致するか否かを認証部213は確認する。
チケット販売部215は、チケット販売サイト上で販売しているチケットの情報をユーザUに提供すると共に、ユーザUからのチケットの購入を受け付ける。ユーザUが購入したチケットに関する情報は、ユーザ情報231に紐づけてチケット情報232として管理される。
チケットアプリ制御部220は、ユーザUの使用する携帯型端末100と適宜通信し、携帯型端末100にインストールされたチケットアプリ700に対する各種制御を行う。チケットアプリ制御部220は、認証部221、端末登録部222、チケット送信部223、チケットステータス管理部224、チケット分配制御部225、及びコンテンツ配信部226を含む。
認証部221は、携帯型端末100のチケットアプリ700からユーザID及びパスワード等のユーザUのアカウント情報を受信し、これらの情報を、DB230に格納されたユーザ情報231に含まれるものと一致するか否かを判別する。その結果、もし一致すれば、認証部221は認証が成功した旨をチケットアプリ700へ返信し、電子チケット利用等のサービスを受けるための動作をチケットアプリ700が行えるようにする。もし一致しなければ、認証が失敗した旨を認証部221はチケットアプリ700に対して返信する。
端末登録部222は、チケットアプリ700から初回ログイン時に受信した端末情報763を、ユーザUの使用する端末に対する識別情報としてユーザ情報231の一部として登録する。これにより、管理サーバ200は、ユーザUが使用する携帯型端末100を一意に識別することが可能である。ユーザUが使用する携帯型端末100が登録されれば、チケット送信部223は当該携帯型端末100に対してチケットデータ(チケット情報232)を送信する。
チケット送信部223は、ユーザUが保有する(購入手続きを行った)チケットであって、チケットアプリ700にまだデータが送信されていないチケットに係るチケット情報232を、チケットアプリ700に対して送信する。チケット送信部223によるチケット情報232の送信は、例えばチケットアプリ700のチケット読込部720からの要求に応じて行っても良いし、或いは、認証部221による認証の成功に応じて、チケット送信部223がチケットアプリ700に送信することも考えられる。
チケットステータス管理部224は、ユーザUが保有する電子チケットに関するチケットステータス情報233を管理する。チケットステータス情報233は、例えば、ユーザUがチケットを購入した直後は「未使用」とすれば良い。その後、もぎり操作が入力された旨をチケットアプリ700から受信した場合には、チケットステータス管理部224は、当該もぎり操作が入力された電子チケットに紐づけられたチケットステータス情報233を「使用済」とすることができる。また、チケットアプリ700からチケットの分配(譲渡)手続の要求を受信した場合には、チケット分配制御部225はチケットステータス情報233を「分配中」とすることができる。この他、チケットの所有者や、チケットの分配が行われている場合の分配手続きの有効期限等の情報も、チケットステータス管理部224がチケットステータス情報233で管理することができる。
チケット分配制御部225は、チケットアプリ700からの要求に応じてチケット分配処理を行う。具体的には、譲渡元のユーザUAの携帯型端末100Aのチケットアプリ700からチケット分配手続の要求を受信すると、チケット分配制御部225は、チケットステータス管理部224により、チケットステータス情報233を「分配中」に変更する。その後、譲渡先のユーザUBの携帯型端末100Bのチケットアプリ700からチケット受取り要求を受信すると、チケット分配制御部225は、チケット情報232に紐付けるユーザ231を変えることにより、要求を受けたチケットの所有者をユーザUAからユーザUBへと変更する。またチケット分配制御部225は、チケットステータス管理部224によりチケットステータス情報233を「分配中」から「未使用」又は「使用済」に変更する。
或いは、ユーザUAの携帯型端末100Aのチケットアプリ700から、チケットの受取を取り消す拒否する旨の要求を受信すると、チケット分配制御部225はチケットの所有者をユーザUAに戻すべく、ユーザUAの使用する携帯型端末100Aのチケットアプリ700に対して、チケットステータスを、「分配中」から「未使用」や「使用済」等に戻すように要求する。またチケット分配制御部225は、チケットステータス管理部224により、チケットステータス情報233を「未使用」や「使用済」等に変更する。同様の処理は、分配手続の有効期限までに、譲渡先のユーザUBの携帯型端末100Bからチケットの受取り要求を受信しない場合にも行うことができる。
コンテンツ配信部226は、チケットアプリ700からの要求に応じて、電子チケットに対応付けられたチケット連動コンテンツ情報234を当該チケットアプリ700へ送信する。先述の通り、電子チケットに対応付けられるチケット連動コンテンツ情報234を取得するための情報(例えばURL情報)はチケット送信部223がチケットアプリ700に送信する情報に予め含めることができる。なお、コンテンツ配信部226は、必ずしも管理サーバ200内に含まれる必要はなく、例えば電子チケットに係る公演を主催する主催者の運営するサーバ上等に実装されても良い。この場合、DB230にはチケット連動コンテンツ情報234を管理する必要はない。
DB230は、ユーザ情報231、チケット情報232、チケットステータス情報233、及びチケット連動コンテンツ情報234を含む各種情報を管理する。
ユーザ情報231は、管理サーバ200が提供するチケットサービスを利用する各ユーザUに関する様々な情報である。ユーザ情報231には、ユーザの氏名や住所、性別、決済に用いるクレジットカード等の情報、認証に使用するユーザIDやパスワード、使用する携帯型端末100に係る識別情報(端末情報763)、購入したチケットの情報等を含むことができる。
チケット情報232は、ユーザUが購入した個々のチケットに関する様々な情報である。例えば、公演名、会場名、チケット種別、使用対象者の属性等に基づくチケット券種、電子チケットとしてチケットアプリ700に表示させる画像、有効期間、等の情報を含むことができる。また、チケット情報232には、もぎり操作が入力されたか否かをチケットアプリ700で判定するための照合情報(スタンプ部材の配列パターンや超音波に重畳される識別子の情報等)や、もぎり操作が入力可能な有効期間、電子チケットに対応付けられたコンテンツを取得するための情報、分配の可否等に関する情報を含むこともできる。更に、チケットの分配を行う場合には、チケット分配の有効期限の情報をチケット情報232に含むこともできる。
チケットステータス情報233はユーザUが保有する各々の電子チケットのステータスをそれぞれ管理するための情報である。先述の通り、例えば、未使用、使用済、分配中等のステータスが、チケット情報232として表現される電子チケットに紐づけてチケットステータス情報233で管理される。当該チケットステータス情報233は、チケットステータス管理部224により逐次変更される。また、特に電子チケットの分配を行う場合には、チケット分配の有効期限の情報をチケットステータス情報233に含めることもできる。
チケット連動コンテンツ情報234は、ユーザUが、自身の保有する電子チケットに紐付けて再生することのできるコンテンツの情報である。例えば、コンテンツ配信部226がチケットアプリ700からコンテンツの配信要求を受信すると、コンテンツ配信部226はDB230からチケット連動コンテンツ情報234を読込み、チケットアプリ700に対して配信する。チケット連動コンテンツ情報234には、動画や音声、静止画、HTML等のウェブページとして記載された文書コンテンツ等を含み得る。
なお、先述の通り、電子チケットに連動させる特典は、コンテンツに限られるものではなく、例えば、関連する別の電子チケット(副券)、クーポン、各種ポイント付与、電子マネーとの連携、電子商取引(EC:e−commerce)等の各種サービスを電子チケットに付帯させる特典とすることも考えられる。この場合には、チケット連動コンテンツ情報234に、これらのサービスに必要なデータを含むことができる。
(3 処理の流れ)
以下、電子チケットシステム1の処理の流れを、図9及び図10を参照しながら説明する。図9及び図10は、本実施形態に係る電子チケットシステム1の処理の流れを示すフローチャートである。
なお、後述の各処理ステップは、処理内容に矛盾を生じない範囲で、任意に順番を変更して若しくは並列に実行することができ、また、各処理ステップ間に他のステップを追加しても良い。更に、便宜上1つのステップとして記載されているステップは複数のステップに分けて実行することもでき、便宜上複数に分けて記載されているステップを1ステップとして実行することもできる。
(3.1 電子チケットの使用処理)
まず、電子チケットの購入から使用に至る処理の流れを、図9を参照しながら説明する。図9は、電子チケットの購入から使用に至る電子チケットシステム1の処理の流れを示すフローチャートである。
なお、図9の例において、携帯型端末100にはブラウザ110及びチケットアプリ700がインストールされている。ユーザUは携帯型端末100のブラウザ110を利用して電子チケットを購入した上で、チケットアプリ700上で当該電子チケットを使用することとなっている。しかしながらこれに限られるものではない。例えば、チケットアプリ700上でチケットを購入できるようにしても良い。
また、ユーザUが電子チケット購入の際に使用するブラウザ110は、必ずしもチケットアプリ700がインストールされた携帯型端末100上である必要はない。例えば、パーソナルコンピュータ(PC)のブラウザを用いて電子チケットを購入し、当該電子チケットを携帯型端末100のチケットアプリ700で使用することも考えられる。
ユーザUは、携帯型端末100のブラウザ110を用いて、管理サーバ200の提供するチケット販売サイトへとアクセスする(S901)。管理サーバ200のウェブサイト提供部210は当該アクセスを受けて、アクセスを受けたURLに応じたウェブページを携帯型端末100へと送信する(S903)。
この時、ユーザUがチケット販売サイトへユーザ登録を行っていなければ(S905のYes)、ブラウザ110はユーザUからの操作に応じて、管理サーバ200に対するユーザUの会員登録を行う(S907)。この時、例えばユーザUの氏名や住所、パスワード等の情報を、ユーザUはブラウザ110を用いて管理サーバ200へ登録することができる。管理サーバ200のユーザ情報登録部211は、登録されたユーザ情報231をDB230に格納する。また、ユーザ情報登録部211は、当該ユーザUに対してユーザIDを付与し、ブラウザ110に通知する(S909)。また、ユーザ情報登録部211は、当該ユーザIDをユーザ情報231としてDB230に格納する。
その後、ブラウザ110は適宜、チケット販売サイトから販売されているチケットに関するウェブページを取得し、ユーザUからの操作に応じて、チケットの購入処理を管理サーバ200との間で行う(S911)。管理サーバ200のチケット販売部215は、ユーザUの操作するブラウザ110によるチケット購入手続きが完了すると、購入されたチケット情報232を、ユーザUのユーザ情報231に紐付ける(S913)。
その後、ユーザUがチケットアプリ700を起動し、必要に応じてユーザIDやパスワード等を入力すると、チケットアプリ700の認証部710は、管理サーバ200の認証部221との間で認証処理を行う(S915及びS917)。
この時、当該チケットアプリ700によるログインが最初であれば(S919のYes)、チケットアプリ700の認証部710は、携帯型端末100又はチケットアプリ700に対して一意に割当てられた識別情報である端末情報763を管理サーバ200へ送信する。管理サーバ200の認証部213は、チケットアプリ700から端末情報763を受信すると、当該端末情報763をユーザ情報231の一部としてDB230に登録する(S923)。
その後、例えばユーザがチケット受取ボタン21を操作するなどした場合には、チケット読込部720は、管理サーバ200に対してチケットの受取り要求を送信する(S925)。管理サーバ200は当該要求を受けて、チケットアプリ700に対してまだ送信していない、ユーザUが購入済みのチケットに係るチケット情報232をチケットアプリ700に対して送信する(S927)。チケット読込部720は取得したチケット情報765をDB760に格納する。
チケットアプリ700がチケット情報232を受信すると、受信したチケット情報232に係る電子チケットを、一覧表示部731は一覧表示画面20上で表示可能となる(S929)。当該一覧表示画面20上で、ユーザUがチケットアイコン22の有効チケット情報23や使用済チケット情報24を選択すると、個々の電子チケットに対応するチケット詳細表示画面30をチケット画像表示部732はディスプレイに表示する(S931)。
チケット詳細表示画面30において、例えば電子スタンプ部材の押印や超音波の入力等、所定のもぎり操作が入力されると(S933のYes)、使用済画像表示部734は、使用済を示すためのスタンプ画像36及び使用日時画像37をチケット詳細表示画面30上に表示する(S935)。また、チケットステータス変更部740は、DB760に格納されたチケットステータス情報767を使用済に変更すると共に、管理サーバ200にチケットが使用された旨を通知する(S937)。管理サーバ200のチケットステータス管理部224は、当該通知を受信すると、DB230で管理するチケットステータス情報233を使用済に更新する(S939)。なお、もし通信状態が悪く、チケットステータスを管理サーバ200へ通知できない場合には、通信状態が改善した後に、チケットステータス変更部740はチケットステータスを管理サーバ200へ通知すれば良い。
もぎり操作が行われた電子チケットについて使用済を示すスタンプ画像36及び使用日時画像37を表示した後、同一会場に入場するための他の電子チケットのチケット情報765がまだある場合には(S941のYes)、チケット画像表示部732は、図3eに示したように、表示対象とする電子チケットを次のものに切り替えた上でチケット詳細表示画面30を表示する(S931)。この際、表示切替の切り替え先となる電子チケットは、例えば未使用の電子チケットとしても良い。
また、チケット使用済であるか否かに関わらず、チケット詳細表示画面30において、例えば図3dに示したスワイプ操作等のチケット切り替えのための操作が入力されると(S943のYes)、図3eに示したように、表示対象とする電子チケットを次のものに切り替えた上で、チケット詳細表示画面30を表示する(S931)。
(3.2 電子チケットの分配処理)
次に、ユーザUAの保有する電子チケットを、ユーザUBに分配(譲渡)する際の処理の流れを、図10を参照しながら説明する。図10は、電子チケットの分配に係る処理の流れを示すフローチャートである。なお、図10の処理の開始時点において、ユーザUAはチケットを購入済みであるものとする。
ユーザUAが購入した電子チケットのチケット情報765をチケットアプリ700Aが管理サーバ200から受信し、当該電子チケットに係るチケット詳細表示画面30を表示するまでの流れ(S1001乃至S1017)は、図9を参照しながら説明した上記「3.1 電子チケットの使用処理」で説明したS901乃至S931と同様であるため、ここでは説明を省略する。
チケット詳細表示画面30において、ユーザUAがチケット分配ボタン35を選択すると、先述の通り、分配情報表示部736はチケット分配画面40をディスプレイ上に表示する。更に当該チケット分配画面40において、ユーザUAによりチケット譲渡ボタン44又はチケット譲渡ボタン45が選択されることにより、チケットの分配が要求されると(S1019のYes)、チケットステータス変更部740は、チケットが分配中である旨を管理サーバ200へ通知する(S1021)。管理サーバ200のチケット分配制御部225は、当該通知を受信すると、チケットステータス管理部224により、当該対象の電子チケットに係るチケットステータス情報233を、分配中に変更する(S1023)。また、チケットアプリ700のチケットステータス変更部740は、自装置内のDB760で管理するチケットステータス情報767で管理されるステータスを分配中に変更する。これにより、当該チケットがディスプレイ上に表示される場合には分配情報表示部736により、チケットが分配中である旨が示される(S1025)。またチケットアプリ700のメッセンジャーアプリ起動部750は、譲渡のためのメッセージをユーザUが送るために、例えばメールアプリやチャットアプリ等であるメッセンジャーアプリ120Aを起動する(S1027)。
ユーザUは、当該メッセンジャーアプリ120Aを用いて、チケットを譲渡したい任意のユーザUBを宛先に指定してメッセージを送る(S1029)。当該メッセージを受信したメッセンジャーアプリ120Bは、ユーザ操作に応じて当該メッセージを表示する(S1031)。ユーザUBが当該メッセージ表示画面でチケット受け渡し用のURL情報51を選択すると、当該URL情報51に基づいて、ブラウザが起動し、当該ブラウザ上に図6に例示したチケット譲受画面60が表示される。当該チケット譲受画面60においてユーザがチケット受取ボタン64を選択すると、ブラウザはチケットアプリ700Bを起動させる(S1033)。
チケットアプリ700Bがブラウザからの要求により起動すると(S1035)、チケットアプリ700Bの認証部710Bは、ユーザUBからユーザIDやパスワードの入力を受けたり、DB760に格納された端末情報763を読みこんだりした上で、これらの情報を用いて管理サーバ200との間で認証処理を行う(S1035及びS1037)。当該認証が成功すると、チケット読込部720は管理サーバ200に対し、当該電子チケットに係るチケット情報765の送信要求を送信する(S1039)。当該要求を受信すると、管理サーバ200はDB230から譲渡対象のチケット情報232を読込み、ユーザUBの操作するチケットアプリ700Bに対してチケット情報232を送信する(S1041)。また、管理サーバ200のチケット分配制御部225は、譲渡が行われた電子チケットの所有者等の情報であるチケット情報232に紐づけられるユーザ情報231や、チケットステータス情報233を更新する(S1043)。
また、チケット分配制御部225は、チケットの分配処理が完了した旨を譲渡元のユーザUAの操作するチケットアプリ700Aに対して通知する(S1045)。ユーザUAのチケットアプリ700の分配情報表示部736は、当該通知を受けて、譲渡が正常に完了した旨を報知するとともに(S1047)、関連するチケット情報765やチケットステータス情報767等を更新する。
(4 ハードウェア構成)
以下、携帯型端末100及び管理サーバ200を実現可能なハードウェア構成について、図11及び図12を参照しながら説明する。
(4.1 携帯型端末100)
まず、図11を参照しながら、携帯型端末100を実現可能なハードウェア構成を説明する。図11は、携帯型端末100のハードウェア構成の具体例を示す図である。図11に示すように、携帯型端末100は、制御部151と、通信インタフェース(I/F)部155と、記憶部157と、タッチパネルディスプレイ159と、入力部165とを含み、各部はバスライン167を介して接続される。
制御部151は、CPU(Central Processing Unit。図示せず)、ROM(Read Only Memory。図示せず)、RAM(Random Access Memory)153等を含む。制御部151は、記憶部157に記憶されるチケットアプリ700、ブラウザ110、及びメッセンジャーアプリ120を実行可能である。これにより、携帯型端末100は一般的な情報処理装置としての機能に加え、上述した電子チケットサービスに係る各種処理を実現可能である。
また、RAM153は、チケットアプリ700、ブラウザ110、及びメッセンジャーアプリ120に含まれるコードの他、図7に示しユーザ情報761、端末情報763、チケット情報765、及びチケットステータス情報767の一部又は全部を一時的に保持する。更にRAM153は、CPUが各種処理を実行する際のワークエリアとしても使用される。
通信I/F部155は、管理サーバ200を含む外部の装置との間で、有線又は無線によるネットワークNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。図7で示した認証部710、チケット読込部720、チケットステータス変更部740等が管理サーバ200との間で行う通信は、全て通信I/F部155が行う。
記憶部157は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶部157は、一般的な情報処理としての機能を実現するためのオペレーションシステム(OS)やアプリケーション及びデータ(図示せず)を記憶する。また記憶部157は、チケットアプリ700やブラウザ110、メッセンジャーアプリ120を記憶する。
ブラウザ110は、管理サーバ200の提供するチケット販売サイトを含むネットワークN上の各種ウェブサイトをユーザUに閲覧可能とするためのアプリケーションプログラムである。
メッセンジャーアプリ120は、ユーザUが他のユーザとメッセージの送受信を行うためのアプリケーションプログラムである。メッセンジャーアプリ120の具体例としては、比較的リアルタイム性高く、短めのメッセージのやり取りを行うことのできるチャットアプリや、電子メールのやり取りを行うためのメールアプリ等を挙げることができる。
チケットアプリ700については、図7を参照しながら先述したため、ここでは説明を省略する
タッチパネルディスプレイ159は、情報を提示する表示装置であるディスプレイ部161と、操作入力がなされるタッチパネル部163とが重ね併せて実装される装置である。タッチパネルディスプレイ159を用いることによりユーザUは、ディスプレイ部161に表示された表示内容に対して、直接操作を行っているような直感的な操作感を得ることができる。もぎり操作をスタンプ部材のパターンに応じて行う場合には、もぎり操作の入力はタッチパネルディスプレイ159でなされる。
入力部165は、ユーザUからの操作入力を受け付けるための、タッチパネルディスプレイ159とは別に設けられたデバイスである。入力部165の具体例としては、例えば操作ボタンやキーボード、マウス、マイク等を挙げることができる。もぎり操作を超音波に応じて行う場合には、もぎり操作にかかる超音波の入力は、入力部165に含まれるマイクからなされる。
なお、携帯型端末100は、入力部165を必ずしも備える必要はない。また、入力部165は、USB(Universal Serial Bus)やBluetooth(登録商標)等の各種インタフェースを介して外部から携帯型端末100に接続されても良い。
(4.2 管理サーバ200)
次に、図12を参照しながら、管理サーバ200を実現可能なハードウェア構成を説明する。図12は、管理サーバ200を実現可能なハードウェア構成の具体例を示す図である。図12に示すように、管理サーバ200は、制御部251と、通信I/F部255と、記憶部257と、表示部261と、入力部263とを含み、各部はバスライン265を介して接続される。
制御部251は、CPU、ROM、RAM253等を含む。制御部251は、記憶部257に記憶される制御プログラム259を実行することにより、一般的な情報処理装置としての機能に加え、上述した電子チケットサービスに係る処理を実現可能に構成される。例えば、図8を参照しながら説明したウェブサイト提供部210やチケットアプリ制御部220は、RAM253に一時記憶された上で、CPU上で動作する制御プログラム259として実現可能である。
またRAM253は、制御プログラム259に含まれるコードの他、図8に示したユーザ情報231、チケット情報232、チケットステータス情報233、及びチケット連動コンテンツ情報234の一部又は全部を一時的に保持する。更にRAM253は、CPUが各種処理を実行する際のワークエリアとしても使用される。
通信I/F部255は、携帯型端末100を含む外部の装置との間で、有線又は無線によるネットワークNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。図8で示したウェブサイト提供部210やチケットアプリ制御部220が携帯型端末100との間で行う通信は、全て通信I/F部255が行う。
記憶部257は、例えばHDDやフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶部257は、一般的な情報処理装置としての機能を実現するためのオペレーションシステムやアプリケーション及びデータ(図示せず)を記憶する。また記憶部257は、制御プログラム259及びDB230を記憶する。
制御プログラム259は、上述の電子チケットサービスに係る処理を行うためのプログラムである。前述のとおり、図8に示したウェブサイト提供部210及びチケットアプリ制御部220は、制御プログラム259に含まれる
DB230は、電子チケットサービスの提供に必要な各種データ、例えばユーザ情報231やチケット情報232、チケットステータス情報233、及びチケット連動コンテンツ情報234を含むことができる。DB230に含まれる各種データは、必要に応じてRAM253にロードされ、制御部251に含まれるCPUから参照される。
表示部261は、管理者に情報を提示するためのディスプレイ装置である。表示部261の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等が挙げられる。入力部263は、管理者から入力を受け付けるためのデバイスである。入力部263の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル等を挙げることができる。
なお、管理サーバ200は、表示部261及び入力部263を必ずしも備える必要はない。また表示部261及び入力部263は、USB(Universal Serial Bus)やディスプレイポート等の各種インタフェースを介して外部から管理サーバ200に接続されても良い。
(5. 本実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態に係る電子チケットシステム1では、複数の電子チケットをユーザUが所有している場合に、図3dに具体例を示したように簡易な操作で電子チケットの表示を切り替えることができる。特に、親が入場するために使用する電子チケットの券種が「大人券」、子供が入場するために使用する電子チケットの券種が「子供券」と、券種が異なる場合であっても、同一施設に入場するために使用するものであれば、簡易な操作で表示を切り替えることができる。これにより、例えば親子など、複数の電子チケットに対して、表示対象の電子チケットを順番に切り替えながら連続してもぎり操作を入力することが可能となる。つまり、会場への入場に係る手間を削減することができる。
また、本実施形態に係るチケットアプリ700は、電子チケットを使用した際に、使用済を示すスタンプ画像36や使用日時画像37を表示する。この時、当該電子チケットの効力がまだ有効であると考えられる場合には、チケットアプリ700は、スタンプ画像36に対してアニメーション表示を施す。これにより、チケットの効力が有効であるか否かを簡易に確認でき、また、キャプチャ画像ではないことを容易に認識できる。
また本実施形態に係る電子チケットシステム1では、簡易な操作によりユーザ間でチケットの分配手続きを行うことが可能である。特に、使用済チケットに対しても分配可能とすることで、入場時にユーザUAの携帯型端末100Aで2枚の電子チケットに対するもぎり操作を行うことによりユーザUBが入場した場合であっても、そのうち1枚をユーザUBの携帯型端末100Bに分配すれば、ユーザUBが当該分配されたチケットを提示することにより、正当に入場したことを証明できる。また。当該電子チケットに紐づけられたコンテンツ等の特典がある場合には、当該コンテンツをユーザUBも利用可能となる。
(6 付記事項)
なお、上述の実施形態の構成は、組み合わせたり或いは一部の構成部分を入れ替えたりしてもよい。また、本発明の構成は上述の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。