JP6673494B2 - モータの制御方法、及び、モータの制御装置 - Google Patents

モータの制御方法、及び、モータの制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6673494B2
JP6673494B2 JP2018548491A JP2018548491A JP6673494B2 JP 6673494 B2 JP6673494 B2 JP 6673494B2 JP 2018548491 A JP2018548491 A JP 2018548491A JP 2018548491 A JP2018548491 A JP 2018548491A JP 6673494 B2 JP6673494 B2 JP 6673494B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motor
temperature
low rotation
control method
estimated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018548491A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2018083744A1 (ja
Inventor
伊藤 健
健 伊藤
浩平 室田
浩平 室田
智章 森
智章 森
高橋 直樹
直樹 高橋
弘道 川村
弘道 川村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Publication of JPWO2018083744A1 publication Critical patent/JPWO2018083744A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6673494B2 publication Critical patent/JP6673494B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P29/00Arrangements for regulating or controlling electric motors, appropriate for both AC and DC motors
    • H02P29/60Controlling or determining the temperature of the motor or of the drive
    • H02P29/64Controlling or determining the temperature of the winding
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P21/00Arrangements or methods for the control of electric machines by vector control, e.g. by control of field orientation
    • H02P21/22Current control, e.g. using a current control loop
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P29/00Arrangements for regulating or controlling electric motors, appropriate for both AC and DC motors
    • H02P29/02Providing protection against overload without automatic interruption of supply
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P29/00Arrangements for regulating or controlling electric motors, appropriate for both AC and DC motors
    • H02P29/40Regulating or controlling the amount of current drawn or delivered by the motor for controlling the mechanical load
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P3/00Arrangements for stopping or slowing electric motors, generators, or dynamo-electric converters
    • H02P3/02Details of stopping control
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P31/00Arrangements for regulating or controlling electric motors not provided for in groups H02P1/00 - H02P5/00, H02P7/00 or H02P21/00 - H02P29/00

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Control Of Electric Motors In General (AREA)
  • Control Of Ac Motors In General (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Protection Of Generators And Motors (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、モータの制御方法、及び、モータの制御装置に関する。
同期電動機は、一般に、UVW相のような複数の相で駆動するように構成されている。このような永久磁石型のモータにおいては、各相と対応して設けられる巻線(コイル)に電流が流されることにより、モータが回転駆動する。
各相の巻線は電流が流れると発熱するが、発熱量が多い場合には、巻線の絶縁部材が劣化するおそれがある。そのため、巻線の温度が極めて高くなる場合には、巻線に流す電流を制限することにより、発熱を抑制する必要がある。そこで、モータ内の巻線温度を推定するために、様々な技術が検討されている。(例えば、JP2013−070485A)
ここで、モータが回転せずにトルクを発生させるようなロックされた低回転状態である場合には、特定の相(例えばU相)にだけ電流が流れることになるので、モータの一部だけが高温になることがある。そのため、モータ内に温度センサが設けられるような技術を用いても、モータ内の一部において推定温度を上回ってしまと、適切に温度を推定できず、巻線の絶縁部が劣化するおそれがあるという課題がある。
本発明の目的は、モータにおける最高温度を推定することにより、低回転領域にあるモータを保護することができる、モータの制御方法、及び、モータの制御装置を提供することである。
本発明のある態様によれば、複数の相の巻線を備えるモータの制御方法において、モータが低回転の状態である場合に、モータへ入力される入力電力の大きさに応じて、複数の相の巻線のうち、最も温度が高くなる相の巻線の最高温度を推定する推定ステップと、推定ステップで推定される最高温度に基づいて、入力電力を制限する制限ステップと、を備える。
図1は、第1実施形態のモータ制御装置の概略構成図である。 図2は、低回転領域判定部の詳細構成図である。 図3は、巻線温度推定部の詳細構成図である。 図4は、制限率演算部の処理に用いるグラフである。 図5は、トルク指令値演算部の詳細構成図である。 図6は、トルク制御部の詳細構成図である。 図7は、電流ベクトル制御部の詳細構成図である。 図8は、電圧位相制御部の詳細構成図である。 図9は、モータにおける温度変化を示す図である。 図10は、第2実施形態のモータ制御装置の概略構成図である。 図11は、巻線温度推定部の詳細構成図である。 図12は、モータにおける温度変化を示す図である。 図13は、第3実施形態の巻線温度推定部の概略構成図である。 図14は、初期化温度演算部の概略構成図である。 図15は、モータにおける温度変化を示す図である。 図16は、第4実施形態の巻線温度推定部の概略構成図である。 図17は、モータにおける温度変化を示す図である。 図18は、第5実施形態の温度演算部の概略構成図である。 図19は、モータにおける発熱量をモデル化した図である。 図20は、モータにおける温度変化を示す図である。 図21は、初期化温度演算部の変形例の詳細構成図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態によるモータ制御装置について説明する。
図1は、第1実施形態によるモータ制御装置の概略構成図である。この図によれば、モータ制御装置1によって、モータ2が制御される。なお、このモータ2は、複数の相の巻線を備えており、電動車両などの駆動源として用いることができる。
以下では、モータ制御装置1の詳細な構成について説明する。モータ制御装置1は、不図示のコントローラを備えており、プログラムされた処理を実行する。以下に示すような、各ブロックにおける処理についても、コントローラにプログラムとして記憶されており、プログラムが実行されることによって各ブロックの処理が実行される。
低回転領域判定部3においては、回転数演算器15からモータ2の回転数を示す回転数検出値Nが入力される。低回転領域判定部3は、入力値に基づいて、モータ2が低回転状態であるか高回転状態であるかを判定し、判定結果を示す回転域判定結果をトルク指令値演算部6に出力する。低回転領域判定部3の詳細については、後に、図2を用いて説明する。なお、トルク指令値演算部6は、制限ステップを実行する制限部の一例である。
巻線温度推定部4には、トルク制御部7からd軸電流推定値id_est、及び、q軸電流推定値iq_estが入力されるとともに、不図示の上位システムから基準温度Tbaseが入力される。巻線温度推定部4は、これらの入力値に基づいて、推定最高温度Testを演算する。なお、d軸電流推定値id_est、及び、q軸電流推定値iq_estに替えて、UVW相→dq軸変換器13から出力されるd軸電流値id、及び、q軸電流値iqを用いてもよい。巻線温度推定部4の詳細については、後に、図3を用いて説明する。巻線温度推定部4は、推定ステップを実行する推定部の一例である。なお、基準温度Tbaseは、モータ2の外部に設けられているセンサにより測定される温度であり、例えば、モータ2が電動車両に設けられている場合には、外気温センサ検出値や冷却系の温度センサ検出値などである。
制限率演算部5は、推定最高温度Testに応じてモータ2への駆動トルクの制限に用いるトルク制限率Rlimを算出する。制限率演算部5の処理の詳細については、後に、図4を用いて説明する。
トルク指令値演算部6には、回転域判定結果、不図示の上位システムからトルク指令値T*、及び、トルク制限率Rlimが入力される。なお、トルク指令値T*は、車両のアクセルペダルの開度などに応じて定められる。また、トルク指令値演算部6は、予め、トルクの設定可能範囲を定めるトルク上限値Trqlim_upper、及び、トルク下限値Trqlim_lowerを記憶している。トルク指令値演算部6は、これらの入力値及び記憶値に基づいて、最終トルク指令値T* finを演算する。トルク指令値演算部6の処理の詳細については、後に、図5を用いて説明する。
トルク制御部7は、電流ベクトル制御を行う電流ベクトル制御部と、電圧位相制御を行う電圧位相制御部とを備える。トルク制御部7は、入力される最終トルク指令値T* finと、バッテリ電圧検出値Vdcと、回転数検出値Nと、UVW相→dq軸変換器13から出力されるd軸電流値id及びq軸電流値iqとに応じて、電流ベクトル制御または電圧位相制御の選択を行う。これとともに、トルク制御部7は、選択された制御方法によってd軸電圧指令値v* d、及び、q軸電圧指令値v* qを演算し、これらの電圧指令値をdq軸→UVW相変換器8に出力する。トルク制御部7の処理の詳細については、後に、図6を用いて説明する。
dq軸→UVW相変換器8は、次の式に基づいて、d軸電圧指令値v* d、及び、q軸電圧指令値v* qを、モータ2の電気角検出値θに基づいて、三相電圧指令値vu *、vv *、vw *に変換して、変換後の電圧指令値をPMW変換器9に出力する。
Figure 0006673494
PMW変換器9は、三相電圧指令値vu *、vv *、vw *と、バッテリ10に併設する電圧センサ10Aから出力されるバッテリ電圧検出値Vdcとに基づき、インバータ11のパワー素子駆動信号Duu *、Dul *、Dvu *、Dvl *、Dwu *、Dwl *を出力する。
インバータ11は、PMW変換器9にて生成されるパワー素子駆動信号に基づいた動作をすることにより、三相電圧vu、vv、vwをモータ2に印加する。
電流検出器12は、モータ制御装置1とモータ2との間の三相配線のうち、少なくとも二相の配線に設けられている。例えば、電流検出器12は、U相電流値iu、及び、V相電流値ivを検出する。
UVW相→dq軸変換器13は、次の式に基づいて、U相電流値iu、及び、V相電流値ivに対して電気角検出値θに基づく変換を行うことで、d軸電流値id、及び、q軸電流値iqを算出し、これらの電流値をトルク制御部7に出力する。
Figure 0006673494
回転子位置センサ14は、モータ2に併設されており、モータ2の電気角検出値θを検出すると、検出値を回転数演算器15に出力する。なお、回転子位置センサ14は、測定ステップを実行する構成の一例である。
回転数演算器15は、電気角検出値θについての所定間隔での変化量を求めることにより、回転数検出値Nを演算する。回転数演算器15は、回転数検出値Nを低回転領域判定部3、巻線温度推定部4、及び、トルク制御部7に出力する。
以下では、図1にて説明した構成の一部について詳細に説明する。
図2には、低回転領域判定部3の詳細な構成が示されている。
低回転領域判定部3は、絶対値演算部31と回転領域判定部32とを備える。
絶対値演算部31は、入力される回転数検出値Nの絶対値である回転数絶対値Nabsを求めると、回転数絶対値Nabsを回転領域判定部32に出力する。
回転領域判定部32は、回転数絶対値Nabsについて次の式に基づく判定を行い、モータ2が低回転状態であるか否かを判定する。
Figure 0006673494
すなわち、回転領域判定部32は、回転数絶対値Nabsが低回転閾値Nth_lowよりも低い場合には、回転域判定結果として低回転領域を示す「Lo」を出力する。一方、回転数絶対値Nabsが低回転閾値Nth_low以上である場合には、高回転領域を示す「Hi」を出力する。なお、低回転閾値Nth_lowは、モータ2の回転数が低く、一部の相の巻線への通電量が多くなる回転数である。なお、低回転領域は、モータ2がロックされている状態も含む。
図3は、巻線温度推定部4の詳細について示す図である。
電流ベクトルノルム演算部41は、d軸電流推定値id_est、及び、q軸電流推定値iq_estの入力に基づいて、次の式より、電流ベクトルノルム値Ia 2を算出する。そして、電流ベクトルノルム演算部41は、電流ベクトルノルム値Ia 2を損失演算部42に出力する。
Figure 0006673494
損失演算部42は、電流ベクトルノルム値Ia 2に対してモータ2全体の熱抵抗Rlossを乗ずることにより電力損失Plossを算出し、算出した電力損失Plossを温度演算部43に出力する。なお、電力損失Plossは、モータ2へ入力される入力電力を示しており、モータ2の回転駆動に用いられるエネルギーだけでなく、熱損失のエネルギーを含む。
温度演算部43は、熱回路モデルである。この熱回路モデルは、モータ2が低回転領域である場合のモデルであって、電力損失Plossの入力に対してモータ2の3相の巻線における最大上昇温度である推定変化温度ΔTestを出力とする伝達関数G(s)により示される。温度演算部43は、電力損失Plossに対して伝達関数G(s)に基づく演算をすることにより、推定変化温度ΔTestを算出する。なお、この伝達関数G(s)は、次数が少なくとも1次以上の動特性を持つ伝達関数である。
加算器44は、基準温度Tbaseと推定変化温度ΔTestとを加算することにより、モータ2における複数の相の巻線のうち、最も温度が高くなる相の巻線の推定最高温度Testを算出する。
図4は、制限率演算部5における処理に用いられる、推定最高温度Testとトルク制限率Rlimとの関係を示すグラフである。このグラフによれば、推定最高温度Testが、トルク制限を行わない上限温度である温度閾値T100を下回る場合には、トルク制限率RlimはR100(100%)となる。
ここで、トルク制限率Rlimには、巻線が高温になることに起因する絶縁劣化を抑制できるトルク制限下限値Rminが存在する。また、モータ2には、推定最高温度Testが大きくなっても、トルク制限下限値Rminを用いて制限することにより、絶縁劣化を抑制できる温度があり、その温度の下限が温度閾値Tminとして定められる。
そのため、推定最高温度Testが温度閾値Tminを上回る場合には、トルク制限下限値Rminを用いて電流を制限する。そして、推定最高温度Testが温度閾値T100と温度閾値Tminとの間にある場合には、温度が大きくなるほどトルク制限率Rlimは小さくなるように設定される。
図5は、トルク指令値演算部6の動作の詳細を示す図である。
乗算器61においては、トルク上限値Trqlim_upperに対してトルク制限率Rlimが乗じられて、制限後トルク上限値Trq_upperが算出される。また、乗算器62においては、トルク下限値Trqlim_lowerに対してトルク制限率Rlimが乗じられて、制限後トルク下限値Trq_lowerが算出される。比較器63においては、制限後トルク下限値Trq_lowerと、トルク指令値T*とが比較され、それらのうちの大きい値が比較器64に出力される。比較器64は、比較器63からの出力値と、制限後トルク上限値Trq_upperとを比較して、それらのうちの小さい値をスイッチ65に出力する。
同時に、比較器66においては、トルク指令値T*とトルク下限値Trqlim_lowerとが比較され、大きい方を比較器67に出力する。比較器67は、比較器66からの出力値と、トルク上限値Trqlim_upperとを比較して、それらのうちの小さい値をスイッチ65に出力する。
スイッチ65においては、低回転領域判定部3から出力される回転域判定結果に基づいて、比較器64または比較器67からの出力のうちのいずれかを、最終トルク指令値T* finとして出力する。
具体的には、回転域判定結果がLo(低回転領域)である場合には、スイッチ65は、比較器64からの出力を、最終トルク指令値T* finとして出力する。このようにすることで、トルク指令値T*は、トルク制限率Rlimが考慮された制限後トルク上限値Trqupper及びトルク制限後下限値Trqlowerにより制限される。そのため、モータ2における発熱量が抑制され、巻線の絶縁劣化が防止される。
一方、回転域判定結果がHi(高回転領域)である場合には、スイッチ65は、比較器67からの出力を、最終トルク指令値T* finとして出力する。したがって、トルク指令値T*は、トルク制限率Rlimが考慮されていないトルク上限値Trqlim_upper及びトルク下限値Trqlim_lowerにより制限される。
図6は、トルク制御部7の詳細構成図である。
トルク制御部7は、電流ベクトル制御部71、電圧位相制御部72、制御切替判定部73、及び、制御モード切替部74を備える。制御切替判定部73による判定結果に応じて、制御モード切替部74は、電流ベクトル制御部71、または、電圧位相制御部72のいずれかからの出力を用いて、モータ2を制御する。
電流ベクトル制御部71には、最終トルク指令値T* fin、回転数検出値N、バッテリ電圧検出値Vdc、d軸電流推定値id_est、及び、q軸電流推定値iq_estが入力される。電流ベクトル制御部71は、これらの入力値に基づいて電流ベクトル制御に用いる電流ベクトル制御用電圧指令値v* di、v* qiを算出し、これらの指令値を制御モード切替部74に出力する。
電圧位相制御部72には、最終トルク指令値T* fin、回転数検出値N、バッテリ電圧検出値Vdc、d軸電流推定値id_est、及び、q軸電流推定値iq_estが入力される。電圧位相制御部72は、これらの入力値に基づいて電圧位相制御に用いる電圧位相制御用電圧指令値v* dv、v* qvを算出し、これらの指令値を制御モード切替部74に出力する。
制御切替判定部73は、モータ2の制御に電流ベクトル制御または電圧位相制御のいずれを用いるか判定する。モータ2が低速回転または通常の速度範囲で回転している場合には電流ベクトル制御が選択される。一方、モータ2が高速回転しており弱め界磁制御が行われる場合などには、電圧位相制御が選択される。制御切替判定部73は、選択した結果を示す切替判定フラグを、制御モード切替部74に出力する。
制御モード切替部74は、切替判定フラグが電流ベクトル制御を示す場合には、電流ベクトル制御部71から出力される電流ベクトル制御用電圧指令値v* di、v* qiを、電圧指令値v* d、v* qとして出力する。
一方、制御モード切替部74は、切替判定フラグが電圧位相制を示す場合には、電圧位相制御部72から出力される電圧位相制御用電圧指令値v* dv、v* qvを、電圧指令値v* d、v* qとして出力する。
以下では、電流ベクトル制御部71、及び、電圧位相制御部72の構成の詳細について説明する。
図7は、電流ベクトル制御部71のd軸に関する制御の詳細を示すブロック図である。q軸に関する制御に関する構成は、d軸と同様の構成によって行われるため、説明を省略する。
電流ベクトル制御部71においては、最終トルク指令値T* finに応じた回転トルクを発生させるための指令値を算出する電流指令値演算部711と、電流の磁束への干渉を抑制するための指令値を算出する非干渉電圧演算部712とを備えている。
まず、電流指令値の算出について説明する。
電流指令値演算部711は、予め記憶しているテーブルを用いて、最終トルク指令値T* fin、回転数検出値N、及び、バッテリ電圧検出値Vdcの入力に基づいて、電流指令値i* dを算出すると、電流指令値i* dを減算器713に出力する。
減算器713は、電流指令値i* dからd軸電流推定値id_estを減じて、減算結果をPI演算部714に出力する。
PI演算部714においては、電流指令値i* dとd軸電流推定値id_estとの偏差をPI増幅するために、次の式を用いて、d軸電圧指令値vdi'が求められる。なお、この式においてKpdはd軸比例ゲインを、Kidはd軸積分ゲインを示すものとする。
Figure 0006673494
そして、PI演算部714は、d軸電圧指令値vdi'を加算器715に出力する。
次に、非干渉成分の算出について説明する。
非干渉電圧演算部712は、予め記憶しているテーブルを用いて、最終トルク指令値T* fin、回転数検出値N、及び、バッテリ電圧検出値Vdcの入力に基づいて、d軸電圧指令値v* d_dcplを算出する。そして、非干渉電圧演算部712は、電圧指令値v* dをフィルタ716に出力する。
フィルタ716は、次の式の伝達関数の特性を備えており、入力値である電圧指令値v* d_dcplに対して電流規範応答のフィルタ処理を行ったものを、d軸非干渉電圧値v* d_dcpl_fltとして加算器715に出力する。
Figure 0006673494
加算器715は、d軸電圧指令値vdi'とd軸非干渉電圧値v* d_dcpl_fltとを加算する。その結果、次の式に示されるような電流ベクトル制御用電圧指令値v* diを算出する。
Figure 0006673494
図8は、電圧位相制御部72の制御の詳細を示すブロック図である。
電圧指令値演算部721は、予め記憶しているテーブルを用いて、最終トルク指令値T* fin、回転数検出値N、及び、バッテリ電圧検出値Vdcの入力に基づいて、電圧振幅指令値Va *と電圧位相指令値α* ffとを算出する。電圧指令値演算部721は、電圧振幅指令値Va *をベクトル変換部722に出力するとともに、電圧位相指令値α* ffを加算器723に出力する。
ブロック724は、(6)式で示した電流規範応答と同じ特性のフィルタを備えており、入力される最終トルク指令値T* finに対してフィルタ処理を行い、次の式のように、規範トルクTrefを算出する。そして、ブロック724は、規範トルクTrefを減算器725に出力する。
Figure 0006673494
トルク推定部726は、入力されるd軸電流推定値id_est、及び、q軸電流推定値iq_estに基づいて、推定トルクTcalを算出し、推定トルクTcalを減算器725に出力する。なお、トルク推定部726における推定処理は、次の式で示すことができる。この式において、Ld、及び、Lqはそれぞれd軸インダクタンス及びq軸インダクタンスを示し、Φaは電圧と電流との位相差を示す。また、pは、所定の定数を示す。
Figure 0006673494
減算器725は、規範トルクTrefから推定トルクTcalを減算し、その減算結果をPI演算部727に出力する。
PI演算部727においては、減算器725から算出される規範トルクTrefと推定トルクTcalとの偏差をPI増幅することにより電圧位相補正値α* fbを算出する。具体的には、PI演算部727においては、次の式の計算が行われる。そして、PI演算部727は、演算結果を加算器723に出力する。
Figure 0006673494
加算器723は、電圧位相指令値α* ffと電圧位相補正値α* fbとを加算し、その加算結果であるα* finをベクトル変換部722に出力する。加算器723における処理は次の式で示すことができる。
Figure 0006673494
ベクトル変換部722は、次の式を用いて、入力される電圧振幅指令値Va *と最終電圧位相指令値α* finとをdq軸成分に変換する。そして、ベクトル変換部722は、変換結果を、電圧位相制御用電圧指令値v* dv、v* qvとして出力する。
Figure 0006673494
図9は、モータ2における温度変化を示す図である。この図によれば、推定最高温度Testが実線で、U相、V相、及び、W相の巻線の温度Tu、Tv、及び、Twとが、それぞれ、一点鎖線、二点鎖線、及び、三点鎖線で示されている。
各相の巻線の温度Tu、Tv、Twよりも推定最高温度Testの方が高くなるように予測される。そのため、モータ2が低回転領域にあり、例えば、ロックしていることにより、U相の巻線にだけ電流が引加されモータ2内にて温度に偏りある場合であっても、推定最高温度Testは、モータ2内のU相の巻線温度Tuを上回る。
したがって、このようにモータ2内の複数の相の巻線のうち、最も温度が高くなる相の巻線の最高温度を上回るように推定最高温度Testが推定され、推定最高温度Testを用いてトルク制限を行うことにより、モータ2内の全ての巻線において加熱による絶縁劣化を抑制することができる。
第1実施形態のモータ2の制御方法によれば、以下の効果を得ることができる。
第1実施形態のモータ2の制御方法によれば、巻線温度推定部4が備える伝達関数G(s)は、モータ2へ入力される電力を示す電力損失Plossに応じてモータ2内の複数の相の巻線のうち、最も温度が高くなる相の巻線の最高温度を上回るような温度を算出できるものである。すなわち、巻線温度推定部4によって推定される推定最高温度Testは、モータ2が、ほぼ回転駆動していない状態でトルクを発生するようなロック状態を含む低回転領域にあり、一部の相(例えばU相)にだけ電流が流れ続ける場合であっても、モータ2内の巻線の最高温度となる相(例えばU相)の巻線における温度を上回る。
そのため、推定最高温度Testに基づいてトルク制限を行うことにより、モータ2が低回転領域であっても、巻線のいずれの相においても温度が高くなりすぎることがないので、絶縁劣化を抑制することができる。
また、モータ2においては、基準温度Tbaseの測定に用いる温度計のみを設ければよく、全ての相の巻線に温度センサを取り付ける必要はないので、生産コストの低減を図ることができる。
第1実施形態のモータ2の制御方法によれば、モータ2の低回転状態は、モータ2がロックされている状態を含む。モータ2はロックされている場合には、無回転状態で特定の相にだけ電流が印加され続けることになるため、モータ2内の温度の偏りが大きい。そのため、モータ2内の巻線の最高温度を上回るように推定最高温度Testを推定することで、巻線における絶縁劣化を抑制することができる。
(第2実施形態)
第1実施形態においては、巻線温度推定部4において伝達関数G(s)を用いて推定変化温度ΔTestを算出する例について説明した。本実施形態においては、伝達関数G(s)を所定のタイミングで初期化することにより、巻線温度推定部4による推定変化温度ΔTestの推定精度を向上させる例について説明する。
図10は、本実施形態のモータ制御装置1の概略構成図である。
この図のモータ制御装置1は、図1に示した第1実施形態のモータ制御装置1と比較すると、モータ2のある相(例えばU相)における巻線の温度を測定する温度センサ16がさらに設けられる点、温度センサ16にて検出された測定温度Tsenが巻線温度推定部4に入力される点、及び、低回転領域判定部3から回転域判定結果が巻線温度推定部4に入力される点が異なる。
図11は、本実施形態の巻線温度推定部4の詳細構成図である。
この図に示される巻線温度推定部4は、図3に示した第1実施形態の巻線温度推定部4と比較すると、温度演算部43に回転域判定結果が入力される点と、減算器45がさらに設けられている点と、温度演算部43に減算器45による減算結果が入力される点とが異なる。
巻線温度推定部4においては、回転域判定結果がHi(高回転領域)からLo(低回転領域)へ切り替わるタイミングにおいて、推定変化温度ΔTestの算出に用いられる伝達関数G(s)で示されるフィルタを、測定温度Tsenから基準温度Tbaseを減じた値によって初期化処理を行う。これは、最終的に算出される推定最高温度Testの算出処理に用いるフィルタを、測定温度Tsenで初期化することと等価である。換言すれば、モータ2が低回転状態に遷移したタイミングから、測定温度Tsenを初期値として、推定最高温度Testの推定処理が開始されることに等しい。
図12は、モータ2における温度変化を示す図である。この図によれば、推定最高温度Testが点線で、U相、V相、及び、W相の巻線の温度Tu、Tv、及び、Twとが、それぞれ、一点鎖線、二点鎖線、及び、三点鎖線で示されている。
この図によれば、モータ2が低回転領域に遷移する時刻t1において伝達関数G(s)の初期化を行わない場合が点線で示されている。そして、時刻t1で伝達関数G(s)の初期化を行なう場合が実線で示されている。
点線で示されているように、モータ2が低回転領域に遷移する時刻t1で伝達関数G(s)の初期化が行われなければ、低回転領域においても高回転領域の結果を引き継ぐように、伝達関数G(s)のフィルタを用いた推測ステップが実行されてしまう。すなわち、低回転領域に遷移した後において、推定最高温度Testは、高回転領域における演算結果を引き継いでしまう。そのため、低回転領域に遷移後に推定最高温度Testとモータ2内での最高温度であるU相の温度Tuとが乖離してしまい、推定精度が悪くなってしまう。
そこて、実線で示されるように、時刻t1で、測定温度Tsenに基づき伝達関数G(s)のフィルタを初期化する。このようにすることにより、推定最高温度Testは、推定精度の悪い高回転状態における推定結果を引き継がなくなるので、低回転領域に遷移後の推定精度を高めることができる。
第2実施形態のモータ2の制御方法によれば、以下の効果を得ることができる。
第2実施形態のモータ2制御方法によれば、巻線温度推定部4の伝達関数G(s)のフィルタは、低回転領域におけるモータ2内における推定最高温度Testを推定するために、モータ2内の温度の偏りを考慮して設計されている。そのため、温度の偏りが少ない高回転領域においては、検出温度Tu、Tv、Twはほぼ等しくなるので、推定最高温度Testの推定精度が低い。
高回転領域から同じ伝達関数G(s)のフィルタを用いて計算を続けてしまうと、低回転領域状態に遷移した直後においては、推定最高温度Testは、高回転領域の演算結果を引き継いでしまうので推定精度が悪くなってしまう。
そこで、低回転状態に遷移した時に、測定温度Tsenに基づいて推定最高温度Testの算出に用いる伝達関数G(s)のフィルタを初期化する。このようにすることにより、推定最高温度Testは、推定精度の悪い高回転状態における推定結果を引き継がなくなるので、低回転領域に遷移後において推定精度を高めることができる。
換言すれば、高回転領域では推定最高温度Testの推定精度が低くなってしまうという課題に対して、高回転領域から低回転領域への遷移時に、測定温度Tsenによって伝達関数G(s)のフィルタを初期化する、すなわち、測定温度Tsenを用いた推定最高温度Testの推定処理を開始することにより、高回転領域の算出結果を引き継がなくなるので、低回転領域への遷移後の推定精度を向上することができる。
(第3実施形態)
第2実施形態においては、伝達関数G(s)のフィルタの初期化に測定温度Tsenを用いる例について説明した。本実施形態においては、さらに推定精度を向上させるために伝達関数G(s)のフィルタを初期化する他の方法について説明する。
図13は、第3実施形態における巻線温度推定部4の詳細構成図である。この図によれば、図11に示した第2実施形態における巻線温度推定部4と比較すると、巻線温度推定部4が初期化温度演算部46をさらに有する点が異なる。
初期化温度演算部46は、測定温度Tsen、及び、回転域判定結果の入力に応じて、初期化温度Tiniを出力する。減算器45は、初期化温度Tiniから基準温度Tbaseを減じ、減算結果を温度演算部43に出力する。そして、この減算結果は、温度演算部43における伝達関数G(s)のフィルタの初期化に用いられる。最終的に、温度演算部43の演算結果である推定変化温度ΔTestと基準温度Tbaseとが加算器44によって加算されることにより、推定最高温度Testが算出される。このような巻線温度推定部4における動作は、初期化温度Tiniを初期値として、推定最高温度Testの推定ステップが開始されることに等しい。
図14は、初期化温度演算部46の詳細構成図である。初期化温度演算部46は、初期化温度補正部461と加算器462とを備える。初期化温度補正部461は、補正ステップを実行する構成の一例である。
初期化温度補正部461には、収束値である0(ゼロ)と、前回値の推定最高温度Test[k−1]と、回転域判定結果とが入力される。そして、これらの入力値から、初期化温度Tiniの補正に用いる初期化補正温度値Ttransを出力する。
ここで、初期化温度補正部461は、モータ2が高回転領域の状態である場合にのみ演算されるフィルタH(s)を備えており、このフィルタH(s)を用いて、初期化補正温度Ttransが算出される。すなわち、初期化補正温度Ttransは、高回転領域への遷移時から、遷移時時の推定最高温度Testからゼロに収束するように変化する。
そして、加算器462は、測定温度Tsenと、初期化補正温度Ttransとを加算することにより初期化温度Tiniは算出し、図13に示す減算器45に出力する。なお、初期化温度Tiniは、次の式のように求めることができる。
Figure 0006673494
このようにすることにより、モータ2の低回転状態への遷移時に伝達関数G(s)の初期化に用いる初期化温度Tiniは補正される。具体的には、初期化温度Tiniは、測定温度Tsenに対して初期化補正温度Ttransだけ補正される。
なお、本実施形態においては、モータ2が高回転状態である場合には、補正された初期化温度Tiniが、推定最高温度Testとして用いられる。このようにすることにより、初期化温度Tiniは、低回転領域から高回転領域への遷移時においては、その前後において同じ推定最高温度Testが用いられることになる。高回転領域から低回転領域への遷移時においては、初期化温度Tiniによって温度演算部43の伝達関数G(s)のフィルタが初期化されることになるので、その前後において同じ初期化温度Tiniになる。したがって、推定最高温度Testの変化を滑らかにすることができる。
上述のように、巻線温度推定部4における処理は、モータ2が低回転状態に遷移したタイミングから、測定温度Tsenを初期値として、推定最高温度Testの推定処理が開始されることに等しい。そして、推定最高温度Testの推定処理に伝達関数G(s)のフィルタが用いられており、その初期化は初期化温度Tiniに基づいて行われる。このような等価な機能において本実施形態の動作を考察すれば、初期化温度Tiniが補正されており、その補正値は、高回転状態に遷移したタイミングから、その遷移タイミングでの推定最高温度Testから測定温度TsenにフィルタH(s)の特性に従って収束することになる。
なお、フィルタH(s)は、モータ2における放熱特性を備える伝達関数であり、巻線温度推定に用いられる熱モデルの伝達関数G(s)と同じである。また、フィルタH(s)は、放熱特性としてG(s)のうちの支配的な一部である伝達特性G’(s)であってもよい。
図15は、モータ内の温度の変化を示す図である。この図によれば、V相、及び、W相の巻線の温度Tu、Tv、及び、Twとが、それぞれ、一点鎖線、二点鎖線、及び、三点鎖線で示されている。また、モータ2は、低回転領域から高回転領域に移る時刻t1の後に、再度、時刻t2において低回転領域に遷移する。
時刻t1までの間はU相に多くの電流が流れているものとする。また、V相の巻線に温度センサ16が設けられており、測定温度TsenはV相温度Tvと等しいものとする。また、実線で推定最高温度Testが示されている。時刻t2以降では、さらに、点線で、本実施形態の補正が行われない場合の推定最高温度Testが示されている。
なお、上述のように、推定最高温度Testは、高回転領域である時刻t1と時刻t2との間においては、初期化温度Tiniが設定されている。また、点線で示したように、本実施形態の補正が行われない場合には、低回転領域に遷移する時刻t2において、測定温度Tsen(Tv)にて初期化されている。
ここで、時刻t1から時刻t2までの時間、すなわち、高回転領域の時間が短い場合には、時刻t2においてモータ2内において温度の偏りがある。そのため、低回転領域に用いられるG(s)フィルタは、モータ2に温度の偏りがあることを前提に設計されているため、G(s)フィルタを用いて算出される推定最高温度Testの方が、測定温度Tsenよりもモータ2内の最高温度を適切に示している。
図15を参照すれば、時刻t2においては、モータ2内の最高温度であるU相温度Tuは、測定温度Tsen(Tv)を上回っている。そのため、測定温度Tsen(Tv)を用いて伝達関数G(s)のフィルタを初期化してしまうと、時刻t2以降の一部区間において、推定最高温度Test(点線)はU相温度Tuを下回ってしまう。
そこで、実線で示すように初期化温度Tiniを補正する。このようにすると、時刻t2においては、初期化温度Tiniは全ての相の温度を上回るため、この初期化温度Tiniを用いてフィルタを初期化することにより、適切な推定最高温度Testを求めることができる。
なお、上述のように、高回転区間である時刻t1から時刻t2までの間において、推定最高温度Testとして補正された初期化温度Tiniを用いることにより、その回転区間が遷移する時刻t1及び時刻t2において、推定最高温度Testが連続的に変化することになる。
第3実施形態のモータ2の制御方法によれば、以下の効果を得ることができる。
第3実施形態のモータ2の制御方法によれば、モータ2が低回転領域に遷移する時に伝達関数G(s)のフィルタの初期化に用いる初期化温度Tiniを補正する。具体的には、補正に用いられる補正値は、高回転領域に遷移したタイミングから補正が開始され、初期化温度Tiniは、推定最高温度Testから始まり経時的に測定温度Tsenに収束するような値である。
高回転領域の時間が短い場合には、モータ2内において温度の偏りが残るので、推定最高温度Testの方が、測定温度Tsenよりもフィルタの初期化に適している。一方、高回転領域の時間が長い場合には、モータ2内における温度の偏りが経時的になくなるので、測定温度Tsenの方が、推定最高温度Testよりもフィルタの初期化に適している。
そこで、本実施形態のように、初期化温度Tiniを、推定最高温度Testから測定温度Tsenに収束するような値に補正する。これにより、高回転領域の時間が短い場合には、初期化温度Tiniは、推定最高温度Testに近い値に補正される。一方、高回転領域の時間が長い場合には、初期化温度Tiniは、測定温度Tsenに近い値に補正される。
したがって、適切な初期化温度Tiniを用いてフィルタの初期化を行うことができるので、推定最高温度Testの推定精度を向上させることができ、適切に電流を制限することができる。
第3実施形態のモータ制御方法によれば、初期化温度Tiniの収束は、モータ2の放熱特性を持つH(s)に従う。ここで、低回転領域と高回転領域とが切り替わる場合や、長時間経過後に回転領域が変化する場合には、推定最高温度Testの推定精度が低く、かつ、測定温度Tsenの信頼性も低い。
ここで、モータ2内の温度の偏りがある場合には、推定最高温度Testの推定精度が高く、一方、モータ2内の温度の偏りがない場合には、測定温度Tsenの信頼性が高い。したがって、推定最高温度Testから測定温度Tsenへの収束を、モータ2内の温度変化を決定するモータ2の放熱特性に従わせることにより、初期化温度Tiniを精度よく補正することができる。
(第4実施形態)
第1実施形態から第3実施形態までにおいてはモータ2が低回転領域である場合における動作について説明した。本実施形態においては、モータ2が高回転領域である場合における動作について説明する。
図16は、本実施形態の巻線温度推定部4の構成を示すブロック図である。この図においては、図3に示した第1実施形態における巻線温度推定部4と比較すると、スイッチ47が設けられている点が異なる。
スイッチ47には、加算器44から出力される加算値に加えて、回転域判定結果と、測定温度Tsenとが入力される。スイッチ47は、回転域判定結果がLo(低回転領域)である場合には、加算器44から出力される加算結果を推定最高温度Testとして出力する。一方、スイッチ47は、回転域判定結果がHi(高回転領域)である場合には、測定温度Tsenを推定最高温度Testとして出力する。
図17には、高回転領域における三相の検出温度TU、TV、TWが示されている。高回転領域においては、モータ2内に温度の偏りがないので、検出温度TU、TV、TWは、ほぼ等しい温度を示す。そこで、高回転領域においては推定最高温度Testとして測定温度Tsenを用いることにより、推定最高温度Testの推定精度を向上させることができる。
なお、本実施形態を第3実施形態と併用する場合には、低回転領域から高回転領域に遷移した後の一定区間においては、第3実施形態に示したように、補正された初期化温度Tiniを推定最高温度Testとして用いることにより、遷移後の推定精度を向上させてもよい。
第4実施形態のモータ2の制御方法によれば、以下の効果を得ることができる。
第4実施形態のモータ2の制御方法によれば、モータ2が高回転領域である場合は、低回転領域である場合と比較すると、モータ2内の温度の偏りが少ないので、測定温度Tsenの方が推定最高温度Testよりも、モータ2の各相の巻線における温度に近い。そこで、推定最高温度Testとして測定温度Tsenを用いることにより、電流制限によるブレーキがかかりにくくなるとともに、絶縁劣化を防ぐことができる。
(第5実施形態)
第2実施形態又は第3実施形態までにおいては、測定温度Tsenを用いて高回転領域と低回転領域との間の遷移期間における推定最高温度Testを求める例について説明した。本実施形態においては、測定温度Tsenを用いずに、遷移期間における推定最高温度Testを求める例について説明する。
図18は、本実施形態の温度演算部43の詳細な構成図である。
第1演算部431においては、図4の損失演算部42から出力される電力損失Plossが入力される。第1演算部431においては、次の式に示される伝達関数を備えており、これに応じて第1上昇温度ΔT1を算出する。
Figure 0006673494
スイッチ432には、ゼロ値と、電力損失Plossと、回転域判定結果とが入力される。回転域判定結果がHi(高回転領域)である場合には、スイッチ432は、ゼロを出力し、回転域判定結果がLo(低回転領域)である場合には、スイッチ432は、電力損失Plossを出力する。
第2演算部433は、次の式に示される伝達関数を備えており、スイッチ432からの入力に応じて第2上昇温度ΔT2を算出する。
Figure 0006673494
加算器434においては、第1演算部431から出力される第1上昇温度ΔT1と、第2演算部433から出力される第2上昇温度ΔT2とを加算することにより、推定変化温度ΔTestが算出される。
なお、第1演算部431は第1推定ステップを実行する構成の一例である。第2演算部433は第2推定ステップを実行する構成の一例である。加算器434は加算ステップを実行する構成の一例である。
ここで、第1演算部431、及び、第2演算部433の構成について説明する。
これらの構成は、図19に示される回路に基づいて算出されている。この図においては、U、V、W相の巻線への入力電力の大きさが、Wu、Wv、Wwとして示されているとともに、U、V、W相の巻線における増加温度がΔTu、ΔTv、ΔTwとして示されている。また、U、V、W相のそれぞれには抵抗成分Rdとコンデンサ成分Cdとが示されており、U、V、W相のそれぞれの間における抵抗成分Rxが示されている。
このような温度回路を前提として、まず、モータ2が高回転状態である場合について説明する。
モータ2が高回転状態である場合には、U、V、W相には略等しい大きさの電力が加えられることになるため、電力損失Plossは、Wu、Wv及びWwに、それぞれ1/3ずつ分配される。
したがって、増加温度ΔTu、ΔTv、ΔTwは、次の行列式で示すことができる。なお、右辺の第1項は熱伝導に起因する成分であり、右辺の第2項は入力電力に応じた発熱成分である。
Figure 0006673494
この行列式によって、高回転領域でのU相の増加温度ΔTuである高回転増加温度ΔTu_hiは以下のように求めることができる。
Figure 0006673494
次に、モータ2が低回転状態、例えば、ロックされている状態について検討する。
モータ2が低回転状態である場合において、U相巻線に最大の電力が印加されているものとする。そのような場合には、U相に入力される電流と比較すると、V、W相においては、U相と120度の位相差があるので、U相の半分の大きさの電流が流れることになる。電力は電流の2乗に比例するため、Wuは、Wv及びWwの4倍の大きさになる。したがって、入力される電力損失Plossは、Wuに2/3、Wv及びWwに1/6ずつ分配される。
したがって、増加温度ΔTu、ΔTv、ΔTwは、次の行列式で示すことができる。なお、(16)式と同様に、右辺の第1項は熱伝導に起因する成分であり、右辺の第2項は入力電力に応じた発熱成分である。
Figure 0006673494
この行列式を展開する際に上述の(17)式を考慮すれば、低回転状態のU相の増加温度ΔTuである低回転増加温度ΔTu_loは次の式のように書くことができる。
Figure 0006673494
ここで、(19)式の右辺第1項は(17)式の右辺と等しい。これは、(19)式の右辺第1項が高回転状態における高回転増加温度ΔTu_hiを示し、右辺第2項が低回転状態に起因する更なる増加温度を示すことになる。
すなわち、高回転状態である場合には、(17)式により高回転増加温度ΔTu_hiを算出することができる。そして、低回転状態である場合には、(17)式の結果に(19)式の右辺第2項を加えることにより、低回転増加温度ΔTu_loを求めることができる。
換言すれば、(17)式と等しい(19)式の第1項は、高回転状態でも低回転状態のいずれの場合においても存在するため、回転状態によらない増加温度に相当するといえる。そして、(19)式の第2項は、低回転状態に起因する増加温度を示すことになる。
図20には、モータ2の温度状態が示されている。
図20には、上部にモータ2の位相が示されており、下部にモータ2の温度が示されている。また、推定最高温度Testが点線で、U相、V相、及び、W相における巻線の温度であるTu、Tv、及び、Twとが、それぞれ、一点鎖線、二点鎖線、及び、三点鎖線で示されている。
この図によれば、モータ2は、時刻t0から時刻t1までの間、及び、時刻t2から時刻t3までの間は、低回転領域である。時刻t1から時刻t2までの間は、高回転領域である。時刻t3以降においては、高回転領域であり、時刻t1から時刻t2までの間よりも回転数は高い。
時刻t0から時刻t1までの間においては、モータ2がロックされており、U相配線に主に電力が印加されるので、U相温度uが、V相温度Tv及びW相温度Twよりも高い。そして、第1演算部431及び第2演算部433によって、(19)式に沿って低回転増加温度ΔTu_loが算出されるので、低回転増加温度ΔTu_loである推定最高温度TestはW相温度Twを上回らない。
時刻t1から時刻t2までの間においては、モータ2は回転しており、各相の巻線には電力が順番に引加されるので、U相温度Tu、V相温度Tv及びW相温度Twは、振動しながら同じ値に収束する。時刻t1においては、高回転領域に遷移するので、スイッチ432は出力をゼロに切り替える。そのため、第2演算部433から出力される第2上昇温度ΔT2はゼロに収束することになるので、推定最高温度Testは、基準温度Tbaseと第1上昇温度ΔT1との和に収束する。第1演算部431によって、(17)式に沿って高回転増加温度ΔTu_hiが算出されるので、高回転増加温度ΔTu_hiである推定最高温度Testは、各相の巻線の最高温度を上回らない。
時刻t2から時刻t3までの間においては、モータ2がロックされており、W相配線に主に電力が印加されるので、W相温度Twが、U相温度Tu及びV相温度Tvよりも高い。時刻t2においては、低回転領域に遷移するので、スイッチ432は出力を電力損失Plossに切り替える。そのため、第2演算部433から出力される第2上昇温度ΔT2は電力損失Plossに応じた値になるので、経時的に推定最高温度Testが大きくなることになる。第1演算部431及び第2演算部433によって、(19)式に沿って低回転増加温度ΔTu_loが算出されるので、低回転増加温度ΔTu_loである推定最高温度TestはW相温度Twを上回らない。
時刻t3以降においては、モータ2が回転しており、その回転数は時刻t2から時刻t3までの間よりも高い。各相の巻線には電力が順番に引加されるので、U相温度Tu、V相温度Tv及びW相温度Twは、同じ値に収束する。時刻t3においては、スイッチ432は出力をゼロに切り替えるため、第2演算部433から出力される第2上昇温度ΔT2はゼロに収束することになる。したがって、(17)式に沿って高回転増加温度ΔTu_hiが算出されるので、高回転増加温度ΔTu_hiである推定最高温度Testは、各相の巻線の最高温度を上回らない。
なお、図21は、本実施形態の巻線温度推定部4の変形例の一部である。加算器435が、第1演算部431の出力と基準温度Tbaseとを加算して、第1推定温度Test_1を算出する。そして、加算器434が、第1推定温度Test_1と、第2演算部433によって算出される低回転状態に起因する第2上昇温度ΔT2とを加算することにより、推定最高温度Testを求めることができる。
第5実施形態のモータ2の制御方法によれば、以下の効果を得ることができる。
第5実施形態のモータ2の制御方法によれば、高回転領域から低回転領域に遷移すると、第1演算部431により算出される第1推定温度Test_1に対して、第2演算部433により算出される第2上昇温度ΔT2が加えられて、推定最高温度Testが予測される。第1推定温度Test_1は、モータ2への印加電力に応じて定められ、回転状態に応じて変化しない。一方、第2上昇温度ΔTは、モータ2が低回転状態であることに起因する第1推定温度Test_1からの上昇温度を示す。
ここで、他の構成として、高回転領域と低回転領域とのそれぞれにおいて推定温度を求め、回転領域が遷移する場合にそれぞれの推定温度にフィルタ処理を行って合算することでも、遷移時の推定温度を求めることができる。しかしながら、このような他の構成においては、一般的なフィルタ処理を行うしかないため、遷移状態をモデル化することができず、推定精度が低くなってしまう。
これに対して、本実施形態においては、回転領域が遷移後の遷移期間を含む全区間においてモデル化された(19)式によって推定温度を求めることができるので、推定精度を向上させることができる。また、他の構成においてはフィルタの初期化等の処理が必要となるが、本実施形態においては、そのような処理を必要とせず、簡素な演算で高精度の推定を実現できている。
第5実施形態のモータ2の制御方法によれば、スイッチ432は、低回転領域である場合には、第2演算部433に電力損失Plossを出力する。これは、低回転領域においては、(19)式に示したように、第1演算部431に相当する右辺第1項と、第2演算部433に相当する右辺第2項との和によって、推定最高温度Testが算出されるためである。一方、スイッチ432は、高回転領域である場合には、第2演算部433にゼロを出力する。これは、高回転領域においては、第2演算部433により算出される低回転領域に起因する増加温度の影響がないためである。
第2演算部433に相当する右辺第2項には微分成分である「s」が存在するため、スイッチ432を切り替えた後においては、切り替え後の増加温度の変化を推定することができる。このように、本実施形態においては、回転領域の切替後における遷移期間についてもモデル化されているため、より高い精度で推定最高温度Testを算出することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。また、上記実施形態は、適宜組み合わせ可能である。

Claims (15)

  1. 複数の相の巻線を備えるモータの制御方法において、
    前記モータが低回転の状態である場合に、前記モータに流れるd軸電流とq軸電流から電流ベクトルノルムを算出し、前記電流ベクトルノルムと前記モータの全体の熱抵抗とから電力損失を算出し、前記電力損失と次数が1次以上の伝達特性を持つ伝達関数とに基づき前記複数の相の巻線における最高温度を推定する推定ステップと、
    前記推定ステップで推定される前記最高温度に基づいて、入力電力を制限する制限ステップと、を備える、モータの制御方法。
  2. 請求項1に記載のモータの制御方法であって、
    前記低回転の状態は、前記モータがロックされる状態を含む、モータの制御方法。
  3. 請求項1又は2に記載のモータの制御方法であって、
    前記複数の相の巻線のうちの一部の温度を測定する測定ステップを、さらに備え、
    前記推定ステップにおいて、前記モータが前記低回転の状態に遷移した時に、前記測定ステップで測定される温度を初期値として、前記最高温度の推定が開始される、モータの制御方法。
  4. 請求項3に記載のモータの制御方法であって、
    前記モータが前記低回転でない状態に遷移する時から、前記推定ステップで推定される前記最高温度から始まり経時的に前記測定ステップで測定される温度に収束する補正値を定め、前記推定ステップの開始時における該補正値を用いて、前記初期値を補正する補正ステップを、さらに備える、モータの制御方法。
  5. 請求項4に記載のモータの制御方法であって、
    前記補正ステップにおいて、前記補正値は、前記モータの放熱特性に従って収束する、モータの制御方法。
  6. 請求項3から5のいずれか1項に記載のモータの制御方法であって、
    前記制限ステップにおいて、
    前記モータが前記低回転の状態である場合には、前記推定ステップで推定される前記最高温度に基づいて、前記モータへの印加電力を制限し、
    前記モータが前記低回転の状態でない場合には、前記測定ステップで測定される温度に基づいて、前記モータへの印加電力を制限する、モータの制御方法。
  7. 請求項1又は2に記載のモータの制御方法であって、
    前記推定ステップは、
    前記入力電力に応じて、前記モータの回転の状態によらない第1推定温度を推定する第1推定ステップと、
    前記第1推定温度に対する、前記モータの前記低回転の状態であることに起因する増加温度を推定する第2推定ステップと、
    前記第1推定温度と前記増加温度とを加算し、加算結果を前記最高温度とする加算ステップと、を備える、モータの制御方法。
  8. 請求項7に記載のモータの制御方法であって、
    前記第2推定ステップにおいて、
    前記モータが前記低回転の状態に遷移する時に、前記増加温度は、前記入力電力に応じた推定を開始し、
    前記モータが前記低回転でない状態に遷移する時に、前記増加温度は、ゼロの入力に応じた推定を開始する、モータの制御方法。
  9. 複数の相の巻線を備えるモータの制御方法において、
    前記モータが低回転の状態である場合に、前記モータへ入力される入力電力の大きさに応じて、前記複数の相の巻線における最高温度を推定する推定ステップと、
    前記推定ステップで推定される前記最高温度に基づいて、前記入力電力を制限する制限ステップと、
    前記複数の相の巻線のうちの一部の温度を測定する測定ステップとを備え、
    前記推定ステップにおいて、前記モータが前記低回転の状態に遷移した時に、前記測定ステップで測定される温度を初期値として、前記最高温度の推定が開始される、モータの制御方法。
  10. 請求項9に記載のモータの制御方法であって、
    前記モータが前記低回転でない状態に遷移する時から、前記推定ステップで推定される前記最高温度から始まり経時的に前記測定ステップで測定される温度に収束する補正値を定め、前記推定ステップの開始時における該補正値を用いて、前記初期値を補正する補正ステップを、さらに備える、モータの制御方法。
  11. 請求項10に記載のモータの制御方法であって、
    前記補正ステップにおいて、前記補正値は、前記モータの放熱特性に従って収束する、モータの制御方法。
  12. 請求項9から11のいずれか1項に記載のモータの制御方法であって、
    前記制限ステップにおいて、
    前記モータが前記低回転の状態である場合には、前記推定ステップで推定される前記最高温度に基づいて、前記モータへの印加電力を制限し、
    前記モータが前記低回転の状態でない場合には、前記測定ステップで測定される温度に基づいて、前記モータへの印加電力を制限する、モータの制御方法。
  13. 複数の相の巻線を備えるモータの制御方法において、
    前記モータが低回転の状態である場合に、前記モータへ入力される入力電力の大きさに応じて、前記複数の相の巻線における最高温度を推定する推定ステップと、
    前記推定ステップで推定される前記最高温度に基づいて、前記入力電力を制限する制限ステップと、を備える、モータの制御方法であって、
    前記推定ステップは、
    前記入力電力に応じて、前記モータの回転の状態によらない第1推定温度を推定する第1推定ステップと、
    前記第1推定温度に対する、前記モータの前記低回転の状態であることに起因する増加温度を推定する第2推定ステップと、
    前記第1推定温度と前記増加温度とを加算し、加算結果を前記最高温度とする加算ステップと、を備える、モータの制御方法。
  14. 請求項13に記載のモータの制御方法であって、
    前記第2推定ステップにおいて、
    前記モータが前記低回転の状態に遷移する時に、前記増加温度は、前記入力電力に応じた推定を開始し、
    前記モータが前記低回転でない状態に遷移する時に、前記増加温度は、ゼロの入力に応じた推定を開始する、モータの制御方法。
  15. 複数の相の巻線を備えるモータの制御装置において、
    前記モータが低回転の状態である場合に、前記モータに流れるd軸電流とq軸電流から電流ベクトルノルムを算出し、前記電流ベクトルノルムと前記モータの全体の熱抵抗とから電力損失を算出し、前記電力損失と次数が1次以上の伝達特性を持つ伝達関数とに基づき前記複数の相の巻線における最高温度を推定する推定部と、
    前記推定部で推定される前記最高温度に基づいて、前記モータへの入力電力を制限する制限部と、を備える、モータの制御装置。
JP2018548491A 2016-11-01 2016-11-01 モータの制御方法、及び、モータの制御装置 Active JP6673494B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2016/082495 WO2018083744A1 (ja) 2016-11-01 2016-11-01 モータの制御方法、及び、モータの制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2018083744A1 JPWO2018083744A1 (ja) 2019-09-19
JP6673494B2 true JP6673494B2 (ja) 2020-03-25

Family

ID=62077017

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018548491A Active JP6673494B2 (ja) 2016-11-01 2016-11-01 モータの制御方法、及び、モータの制御装置

Country Status (11)

Country Link
US (1) US10715077B2 (ja)
EP (1) EP3537601B1 (ja)
JP (1) JP6673494B2 (ja)
KR (1) KR102074111B1 (ja)
CN (1) CN109923780B (ja)
BR (1) BR112019008849B1 (ja)
CA (1) CA3042156C (ja)
MX (1) MX2019004756A (ja)
MY (1) MY183093A (ja)
RU (1) RU2706025C1 (ja)
WO (1) WO2018083744A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR3084219B1 (fr) * 2018-07-18 2020-06-19 Renault S.A.S Procede et systeme de correction de temperature mesuree de bobinage d'une machine electrique, notamment pour un vehicule a propulsion electrique ou hybride
JP6800393B2 (ja) * 2018-11-13 2020-12-16 三菱電機株式会社 温度推定装置、モータ制御装置および温度推定方法
CN113141145B (zh) * 2020-01-16 2023-04-11 台达电子工业股份有限公司 工作设备系统及其适用的控制方法
KR20220049947A (ko) 2020-10-15 2022-04-22 현대자동차주식회사 모터 영구자석 과온 보호를 위한 철손 저감 제어 장치 및 방법
KR20220080502A (ko) 2020-12-07 2022-06-14 현대자동차주식회사 영구자석의 불가역 감자를 방지하는 모터 구동 시스템 및 모터 구동 방법
CN113031673B (zh) * 2021-01-28 2022-04-12 浙江合众新能源汽车有限公司 一种纯电动车辆驱动系统温度控制方法
MX2022001398A (es) * 2021-05-17 2023-01-24 Nissan Motor Metodo para controlar motor, dispositivo para controlar motor.

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4938437A (en) * 1987-12-08 1990-07-03 National Standard Company Rubberless tire bead assemblies and methods of making same
JP3046147B2 (ja) * 1992-07-20 2000-05-29 オークマ株式会社 交流モータのサーボ制御装置
JP2003164185A (ja) 2001-11-27 2003-06-06 Denso Corp 三相交流モータ制御装置
JP2005080485A (ja) 2003-09-03 2005-03-24 Aisin Aw Co Ltd 同期モータの制御装置
JP4379702B2 (ja) * 2004-02-10 2009-12-09 株式会社デンソー ブラシレスモータ制御装置
CA2593889C (en) * 2006-07-26 2011-09-27 Sumitaka Ogawa Motor protection system
JP4254864B2 (ja) * 2007-01-25 2009-04-15 トヨタ自動車株式会社 車両およびその制御方法
JP2009017707A (ja) * 2007-07-05 2009-01-22 Aisin Seiki Co Ltd モータ制御装置
JP2010111265A (ja) 2008-11-06 2010-05-20 Hitachi Automotive Systems Ltd 操舵制御装置
JP5365837B2 (ja) * 2008-12-22 2013-12-11 アイシン精機株式会社 モータ制御装置
CN102135453A (zh) * 2010-12-10 2011-07-27 奇瑞汽车股份有限公司 电机温度监测方法及系统、功率控制方法及系统
JP5149431B2 (ja) * 2011-07-29 2013-02-20 ファナック株式会社 電動機の可動子の温度を検出する温度検出装置
JP5397785B2 (ja) * 2011-08-01 2014-01-22 株式会社デンソー 3相回転機の制御装置
JP5276700B2 (ja) 2011-09-21 2013-08-28 ファナック株式会社 電動機の巻線過熱防止装置および電動機の制御装置
KR101920080B1 (ko) * 2012-05-04 2018-11-19 현대모비스 주식회사 모터 회전자 온도를 이용한 구동모터제어방법
JP5607698B2 (ja) 2012-10-18 2014-10-15 ファナック株式会社 電動機の温度を推定する温度推定装置
GB201222284D0 (en) * 2012-12-11 2013-01-23 Nidec Sr Drives Ltd Estimation of resistance in electrical machines
US9735722B2 (en) * 2014-02-19 2017-08-15 Deere & Company Methods of controlling a machine using a torque command limit derived from a current limit and systems thereof
JP6098581B2 (ja) * 2014-07-11 2017-03-22 株式会社デンソー モータ制御装置およびそれを用いた電動パワーステアリング装置
CN105517902B (zh) * 2014-10-20 2017-09-08 深圳市大疆创新科技有限公司 无人机电机驱动智能功率控制系统和方法以及无人机
JP6274077B2 (ja) 2014-11-04 2018-02-07 株式会社デンソー モータ制御装置
RU2587162C1 (ru) * 2015-02-11 2016-06-20 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Брянский государственный технический университет" Способ энергоэффективного двухзонного регулирования скорости асинхронного двигателя в системе прямого управления моментом
RU2605458C1 (ru) * 2015-06-15 2016-12-20 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Брянский государственный технический университет" Способ энергоэффективного двухзонного регулирования скорости асинхронного электропривода с гибким ограничением мощности

Also Published As

Publication number Publication date
CN109923780A (zh) 2019-06-21
MX2019004756A (es) 2019-07-04
EP3537601A4 (en) 2019-11-13
WO2018083744A1 (ja) 2018-05-11
KR102074111B1 (ko) 2020-02-05
JPWO2018083744A1 (ja) 2019-09-19
MY183093A (en) 2021-02-12
CA3042156C (en) 2021-06-01
RU2706025C1 (ru) 2019-11-13
BR112019008849B1 (pt) 2022-07-26
KR20190057146A (ko) 2019-05-27
US10715077B2 (en) 2020-07-14
BR112019008849A2 (pt) 2019-07-09
EP3537601A1 (en) 2019-09-11
CN109923780B (zh) 2021-07-27
CA3042156A1 (en) 2018-05-11
US20190305713A1 (en) 2019-10-03
EP3537601B1 (en) 2020-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6673494B2 (ja) モータの制御方法、及び、モータの制御装置
US20190006971A1 (en) Controller for power converter
JP6179389B2 (ja) 電動機の制御装置
JP6965303B2 (ja) 交流回転電機の制御装置
JP2010124610A (ja) Pmモータの制御方法
JP2010200515A (ja) 電動機の磁石温度推定装置
KR20080062830A (ko) 센서리스 인버터의 관성 모멘트 추정방법
JP5050387B2 (ja) モーター制御装置
JP2013150498A (ja) 同期電動機の制御装置及び制御方法
JP5471156B2 (ja) 永久磁石形同期電動機の制御装置
JP5534991B2 (ja) 同期電動機の制御装置
JP5446494B2 (ja) 永久磁石形同期電動機の制御装置
JP7251424B2 (ja) インバータ装置及びインバータ装置の制御方法
JP5708373B2 (ja) 回転機の制御装置
JP6680104B2 (ja) モータの制御装置、及び、制御方法
JP2009268183A (ja) 三相交流モータの駆動装置
JP7226211B2 (ja) インバータ装置及びインバータ装置の制御方法
JP7567532B2 (ja) 永久磁石同期電動機の高効率運転制御装置および高効率運転制御方法
JP5387899B2 (ja) 永久磁石形同期電動機の制御装置
JPH06101954B2 (ja) 誘導電動機のベクトル制御装置
JP2023081030A (ja) モータ制御方法及びモータ制御装置
WO2019181322A1 (ja) モータ制御装置及びモータ制御方法
JP2021158868A (ja) 永久磁石同期電動機における回転子磁石の温度推定装置
WO2020065720A1 (ja) 交流回転電機の制御装置
JP2022116488A (ja) 永久磁石同期電動機の回転子磁石温度推定装置および回転子磁石温度推定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A529 Written submission of copy of amendment under article 34 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A5211

Effective date: 20190422

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190422

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200217

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6673494

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151