JP2023081030A - モータ制御方法及びモータ制御装置 - Google Patents

モータ制御方法及びモータ制御装置 Download PDF

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Hiroyuki Komatsu
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Abstract

Figure 2023081030000001
【課題】外乱抑止性が向上したモータ制御方法を提供する。
【解決手段】回転子巻線を有する回転子と、固定子巻線を有する固定子とを備える巻線界磁型同期モータにおいて、固定子巻線に流れる固定子電流と回転子に流れる回転子電流とを制御するモータ制御方法が提供される。このモータ制御方法では、d軸電流指令値、q軸電流指令値及びf軸電流指令値とモータの回転状態とに基づいて、固定子電流のd軸とq軸との間の干渉電圧だけでなく、d軸及びq軸と回転子電流のf軸との間の干渉電圧も非干渉化するための非干渉電圧を算出し、非干渉電圧のd軸、q軸、f軸成分を用いてd軸、q軸及びf軸電圧指令値を補正する。そして補正した電圧指令値に基づき、外乱電圧を推定し、推定した外乱電圧により電圧指令値を補正する。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータ制御方法及びモータ制御装置に関する。
特許文献1には、モータに印加される外乱の影響をフィードバック補償器により除去する制御装置が開示されている。この制御装置は、dq軸変換制御を行う同期モータに対しては、制御対象であるd軸電流とq軸電流のそれぞれについて独立したフィードバック補償器を用いて外乱補償を行う。
特開2000-270589号公報
特許文献1の制御装置では、制御対象間(d軸電流-q軸電流間)の干渉を考慮せずに外乱補償を行っている。このため、制御対象の軸間での干渉が大きいほど外乱の推定精度が悪化するという問題がある。
特に、回転子に界磁巻線(回転子巻線)を備える巻線界磁型同期モータにおいては、固定子電流のd軸及びq軸と、回転子電流のf軸間の干渉電圧が大きい。このため、特許文献1の制御装置を巻線界磁型同期モータに応用した場合、d軸及びq軸と、f軸との間の干渉電圧による影響により、外乱の推定精度が大きく悪化する虞がある。その結果、外乱抑止性が低下し、外乱により電流偏差が生じた場合、偏差が消えるまでの時間が長くなる。
本発明は、上記課題に鑑みたものであり、外乱抑止性が向上したモータ制御方法及びモータ制御装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、回転子巻線を有する回転子と、固定子巻線を有する固定子とを備える巻線界磁型同期モータにおいて、固定子巻線に流れる固定子電流と回転子に流れる回転子電流とを制御するモータ制御方法が提供される。このモータ制御方法では、固定子電流に対するd軸電流指令値及びq軸電流指令値に基づいて第1のd軸電圧指令値及び第1のq軸電圧指令値を算出するとともに、回転子電流に対するf軸電流指令値に基づいて第1のf軸電圧指令値を算出し、d軸電流指令値、q軸電流指令値及びf軸電流指令値とモータの回転状態とに基づいて、固定子電流のd軸とq軸との間の干渉電圧だけでなく、d軸及びq軸と回転子電流のf軸との間の干渉電圧も非干渉化するための非干渉電圧を算出し、第1のd軸電圧指令値、前記第1のq軸電圧指令値及び前記第1のf軸電圧指令値を、非干渉電圧のd軸成分、非干渉電圧のq軸成分及び非干渉電圧のf軸成分を用いてそれぞれ補正することにより、第2のd軸電圧指令値、第2のq軸電圧指令値及び第2のf軸電圧指令値を算出し、固定子に対する最終d軸電圧指令値及び最終q軸電圧指令値と、回転子に対する最終f軸電圧指令値と、固定子電流と、回転子電流とに基づきd軸外乱電圧、q軸外乱電圧及びf軸外乱電圧の推定値を算出する。そして、第2のd軸電圧指令値、第2のq軸電圧指令値及び第2のf軸電圧指令値を、d軸外乱電圧、q軸外乱電圧及びf軸外乱電圧の推定値を用いて補正して最終d軸電圧指令値、最終q軸電圧指令値及び最終f軸電圧指令値を算出し、算出した最終d軸電圧指令値、最終q軸電圧指令値に基づいて固定子電流を制御するとともに、最終f軸電圧指令値に基づいて回転子電流を制御する。
本発明のモータ制御方法によれば、d軸とq軸との間の干渉電圧だけでなく、d軸及びq軸とf軸との間の干渉電圧も非干渉化するための非干渉電圧を算出し、非干渉電圧のd軸、q軸、f軸成分を用いてd軸、q軸及びf軸電圧指令値を補正している。従って、d軸とq軸との間の干渉電圧だけでなく、d軸及びq軸とf軸との間の干渉電圧も非干渉化した電圧指令値に基づき外乱電圧が推定されるため、外乱の推定精度が向上し、外乱抑止性が向上する。
図1は、本発明の一実施形態によるモータ制御方法が適用されるモータ制御システムのブロック図である。 図2は、外乱補償部における外乱推定値の算出方法を示すブロック図である。 図3は、本発明の一実施形態によるモータ制御方法を説明するフローチャートである。 図4Aは、本実施形態及び比較例におけるシミュレーション結果としての外乱推定値の経時変化を示すタイミングチャートである。 図4Bは、本実施形態及び比較例におけるシミュレーション結果としての電流検出値の経時変化を示すタイミングチャートである。
以下、図面等を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態によるモータ制御方法が適用されるモータ制御システム100の構成を示すブロック図である。
モータ制御システム100は、巻線界磁型同期モータとして構成されるモータ101の動作を制御するシステムである。モータ制御システム100は、例えば電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HEV)等に搭載される。
図1に示すように、本実施形態のモータ制御システム100は、制御対象のモータ101と、PWM変換器102と、インバータ103と、電源電圧104と、界磁電流出力部105と、電流センサ106と、A/D変換器107と、3相/d-q交流座標変換器108と、磁極位置検出器109と、パルスカウンタ110と、角速度演算器111と、先読み補償部112と、電流指令値演算部113と、電流制御部114と、非干渉制御部115と、第2の電圧指令値演算部116と、外乱補償部117と、最終電圧指令値演算部118と、d-q/3相交流座標変換器119と、を備える。
モータ101は、回転子巻線(界磁巻線、ロータコイル)を有する回転子と、固定子巻線(電機子巻線、ステータコイル)を有する固定子とを備える巻線界磁型同期モータである。モータ101は、種々の駆動力要求装置の動力源として用いることができる。本実施形態のモータ制御システム100が車両に搭載される場合、モータ101は車両の駆動源となる。モータ101は、回転子巻線を流れる回転子電流と、固定子巻線を流れる固定子電流とが制御されることによって制御される。
PWM変換器102は、後述のd-q/3相交流座標変換器119から出力される三相電圧指令値v 、v 、v に基づいて、インバータ103が備えるスイッチング素子(例えばIGBT)へのPWM_Duty駆動信号(強電素子駆動信号)D uu、D ul、D vu、D vl、D wu、D wlを生成し、インバータ103に出力する。
インバータ103は、3相6アームで構成され、相ごとに2つずつ計6つのスイッチング素子を備えた三相電圧型インバータである。インバータ103は、PWM変換器102が生成する強電素子駆動信号に基づいて、電源電圧104の直流電圧を交流電圧v、v、vに変換し、モータ101に供給する。
電源電圧104は、例えば積層型リチウムイオンバッテリである。電源電圧104は、インバータ103と界磁電流出力部105とに直流電力を供給する。
界磁電流出力部105は、電源電圧104から供給される電力を用いて、モータ101の回転子巻線に流れる界磁(f軸)電流iを制御するためのf軸電圧vを出力する。f軸電圧vは、後述する最終電圧指令値演算部118から出力される最終f軸電圧指令値v に応じて算出される。換言すると、界磁電流出力部105は、回転子巻線に印加するf軸電圧vが最終f軸電圧指令値v と一致するように調整する。
電流センサ106は、インバータ103からモータ101に供給される三相交流電流のうち、少なくとも2相の電流、例えば、u相電流i、v相電流iを検出する。検出された2相の電流i、iは、A/D(アナログ/デジタル)変換器107でデジタル信号(電流ius、ivs)に変換され、3相/d-q交流座標変換器108に入力される。なお、電流センサ106が2相の電流のみを検出する場合、残りの1相の電流iwsは、次式(1)により求めることができる。
Figure 2023081030000002
また、電流センサ106は、界磁電流出力部105からモータ101に供給される回転子電流(f軸電流i)を検出する。検出されたf軸電流iは、A/D変換器107でデジタル信号に変換し、後述する電流制御部114内の界磁電流制御部及び外乱補償部117に出力される。
磁極位置検出器109は、モータ101の固定子の電気角度を取得するために、当該固定子の位置(角度)に応じたA相B相Z相のパルス(ABZパルス)をパルスカウンタ110に出力する。
パルスカウンタ110は、ABZパルスに基づいてモータ101の電気角度θreを算出して、角速度演算器111に出力する。
角速度演算器111は、入力される電気角度θreの時間変化率から、電気角速度ωreと、機械角速度ωrmとを算出する。機械角速度ωrmは、電気角速度ωreをモータ極対数pで除算することにより求められる。機械角速度ωrmは、電流指令値演算部113に出力される。電気角速度ωreは、非干渉制御部115と先読み補償部112とに出力される。
先読み補償部112は、電気角度θreと電気角速度ωreとを入力として、電気角速度ωreと制御系が持つ無駄時間との乗算値を電気角度θreに加算することにより、先読み補償後電気角θre’を算出する。先読み補償後電気角θre’は、d-q/3相交流座標変換器119に出力される。
3相/d-q交流座標変換器108は、3相交流座標系(uvw軸)から直交2軸直流座標系(d-q軸)への変換を行う。具体的には、3相/d-q交流座標変換器108は、入力されるu相電流ius、v相電流ivs、及び電気角度θreと、上記式(1)で求まるw相電流iwsとから、以下式(2)を用いて座標変換処理を行うことによって、d軸電流iとq軸電流iを算出する。算出されたd軸電流i、q軸電流iは、後述する電流制御部114及び外乱補償部117に出力される。
Figure 2023081030000003
電流指令値演算部113は、トルク指令値T、モータ回転数(機械角速度ωrm)、及び、電源電圧(直流電圧)Vdcを入力とし、d軸電流指令値i 、q軸電流指令値i 、及びf軸電流指令値i を算出する。d軸電流指令値i 、q軸電流指令値i 、及びf軸電流指令値i は、トルク指令値T、モータ回転数(機械角速度ωrm)、及び、電源電圧Vdcと、d軸電流指令値i 、q軸電流指令値i 、及びf軸電流指令値i の各々との関係を定めたマップデータを予め記憶しておき、当該マップデータを参照することにより求められる。
電流制御部114は、3相/d-q交流座標変換器108で算出されたd軸電流iが入力されるd軸電流制御部、3相/d-q交流座標変換器108で算出されたq軸電流iが入力されるq軸電流制御部、及びf軸電流iが入力される界磁電流制御部で構成されている。
d軸電流制御部は、実際の固定子電流(実電流)の計測値であるd軸電流iをd軸電流指令値i に定常偏差なく所望の応答性で追従させる観点から、d軸電流指令値i とd軸電流iの偏差を入力としたPI制御により、第1のd軸電圧指令値v d1を算出する。同様に、q軸電流制御部は、実際の固定子電流(実電流)の計測値であるq軸電流iをq軸電流指令値i に定常偏差なく所望の応答性で追従させる観点から、q軸電流指令値i とq軸電流iの偏差を入力としたPI制御により、第1のq軸電圧指令値v q1を算出する。また、界磁電流制御部は、実際の回転子電流(実電流)の計測値であるf軸電流iをf軸電流指令値i に定常偏差なく所望の応答性で追従させる観点から、f軸電流指令値i とf軸電流iの偏差を入力としたPI制御により、第1のf軸電圧指令値v f1を算出する。算出された第1のd軸電圧指令値v d1、第1のq軸電圧指令値v q1及び第1のf軸電圧指令値v f1は、第2の電圧指令値演算部116に出力される。
非干渉制御部115は、電気角速度ωre、d軸電流指令値i 、q軸電流指令値i 、及びf軸電流指令値i を入力とし、これらの入力値に基づき、d軸、q軸、及びf軸間の干渉電圧を相殺するために必要な非干渉電圧vd_dcpl、vq_dcpl、vf_dcplを算出し、出力する。即ち、非干渉制御部115では、d軸とq軸との間の干渉電圧だけでなく、d軸及びq軸とf軸との間の干渉電圧も非干渉化するための非干渉電圧vd_dcpl、vq_dcpl、vf_dcplが算出される。
第2の電圧指令値演算部116は、電流制御部114の出力である第1のd軸電圧指令値v d1、第1のq軸電圧指令値v q1及び第1のf軸電圧指令値v f1を、それぞれ非干渉制御部115の出力である非干渉電圧のd軸成分vd_dcpl、q軸成分vq_dcpl、f軸成分vf_dcplを用いて補正(本実施形態では加算)し、第2のd軸電圧指令値v d2、第2のq軸電圧指令値v q2、及び第2のf軸電圧指令値v f2を得る。
外乱補償部117には、電気角速度ωre、d軸電流i、q軸電流i及びf軸電流iと、後述する最終電圧指令値演算部118から出力される最終d軸電圧指令値v fd、最終q軸電圧指令値v 及び最終f軸電圧指令値v とが入力される。外乱補償部117は、入力されたこれらの値に基づき、モータ101に入力された各軸の外乱の推定値を算出し、算出されたd軸外乱電圧推定値vd_dist_est、q軸外乱電圧推定値vq_dist_est及びf軸外乱電圧推定値vf_dist_estを出力する。なお、外乱補償部117の詳細は後述する。
最終電圧指令値演算部118は、第2の電圧指令値演算部116において補正された第2の電圧指令値を、外乱補償部117において算出したd軸外乱電圧推定値vd_dist_est、q軸外乱電圧推定値vq_dist_est及びf軸外乱電圧推定値vf_dist_estを用いて補正(本実施形態では加算)して、最終d軸電圧指令値v fd、最終q軸電圧指令値v 及び最終f軸電圧指令値v を得る。得られた固定子に対する最終d軸電圧指令値v 及び最終q軸電圧指令値v は、外乱補償部117とd-q/3相交流座標変換器119に出力され、回転子に対する最終f軸電圧指令値v は、外乱補償部117と界磁電流出力部105に出力される。
d-q/3相交流座標変換器119は、電気角速度ωreで回転する直交2軸直流座標系(d‐q軸)から3相交流座標系(uvw相)への変換を行う。具体的には、d-q/3相交流座標変換器119は、入力される最終d軸電圧指令値v 、最終q軸電圧指令値v 、及び、先読み補償後電気角θre’から、以下式(3)を用いて座標変換処理を行うことによって、uvw各相の電圧指令値v 、v 、v を算出する。
Figure 2023081030000004
以上が本実施形態のモータ制御システム100が備える構成の概要である。なお、本実施形態では、上述した構成のうち、PWM変換器102、A/D変換器107、3相/d-q交流座標変換器108、パルスカウンタ110、角速度演算器111、先読み補償部112、電流指令値演算部113、電流制御部114、非干渉制御部115、第2の電圧指令値演算部116、外乱補償部117、最終電圧指令値演算部118、d-q/3相交流座標変換器119は、少なくとも一つ以上のコントローラ10が備える一機能部として構成される。コントローラ10は、例えば、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および、入出力インタフェース(I/Oインタフェース)から構成される。
以下では、外乱補償部117の詳細について説明する。まず、本実施形態の外乱補償部117で用いられる電圧方程式について説明する。本発明の制御対象である巻線界磁型同期モータ101の電圧方程式は、伝達関数G(s)を用いた以下の式(4)で表される。
Figure 2023081030000005
ただし、伝達関数G(s)は以下の式(5)で表される。
Figure 2023081030000006
また、上記式(4)及び式(5)の各パラメータは、以下のとおりである。なお、式中のsはラプラス演算子である。
: d軸電流
: q軸電流
: f軸電流
: d軸電圧
: q軸電圧
: f軸電圧
: d軸インダクタンス
: q軸インダクタンス
: f軸インダクタンス
M : 固定子/回転子間の相互インダクタンス
’ : d軸動的インダクタンス
’ : q軸動的インダクタンス
’ : f軸動的インダクタンス
M’ : 固定子/回転子間の動的相互インダクタンス
: 固定子巻線抵抗
: 回転子巻線抵抗
ωre : 電気角速度
ここで伝達関数G(s)は、モータ101の電気角速度ωreを含む回転状態パラメータに基づいて設定され、式(5)に示すようにd軸成分、q軸成分及びf軸成分間の干渉成分(非対角成分)を有している。即ち、伝達関数G(s)は、モータの干渉特性を含んでいる。
次に、図2を参照しながら、外乱補償部117の詳細を説明する。
図2は、外乱補償部117における外乱推定値の算出方法を説明するブロック図である。
外乱補償部117では、計測された実際の電流を入力とするフィルタ処理により算出される第1の電圧推定値を、最終電圧指令値を入力とするフィルタ処理により算出される第2の電圧推定値から差し引くことで、外乱推定値を算出する。以下、外乱推定値の算出方法の詳細を説明する。
第1の電圧推定値は、第1のd軸電圧推定値vd_est1、第1のq軸電圧推定値vq_est1、及び第1のf軸電圧推定値vf_est1を含み、計測された実際の固定子電流であるd軸電流i、q軸電流i、及び回転子(界磁)電流であるf軸電流iに基づき、以下の式(6)により算出される。
Figure 2023081030000007
ただし、G -1(s)はプラントの逆系(伝達関数G(s)の逆系)であり、以下の式(7)で表される。
Figure 2023081030000008
また、H(s)は時定数がd軸成分、q軸成分及びf軸成分ごとに個別に設定された一次遅れフィルタであり、以下の式(8)で表される。
Figure 2023081030000009
ただし、式(8)におけるτhdはd軸成分に対する時定数(d軸用時定数)、τhqはq軸成分に対する時定数(q軸用時定数)、τhfはf軸成分に対する時定数(f軸用時定数)である。H(s)の時定数は任意に設定することができるが、本実施形態では、f軸用時定数τhfがd軸用時定数τhd及びq軸用時定数τhqよりも大きく設定される。
式(6)で示すように、第1の電圧推定値vd_est1、vq_est1、vf_est1は、計測された実際の電流i、i、iに一次遅れフィルタH(s)及びプラントの逆系G -1(s)を施すことにより算出される。
なお、一次遅れフィルタH(s)は、分母次数と分子次数との差分が伝達関数G(s)の分母次数と分子次数との差分以上である。このような一次遅れフィルタH(s)を導入することで、第1の電圧推定値の算出にモータの干渉特性を含む伝達関数G(s)の逆系G -1(s)を用いることによる非プロパを回避することができる。
図2のブロック201は、上記した第1の電圧推定値vd_est1、vq_est1、vf_est1の算出方法を示している。ブロック201に示すように、計測された実際の固定子電流であるd軸電流i、q軸電流i、及び回転子(界磁)電流であるf軸電流iを入力として、一次遅れフィルタH(s)とプラントの逆系G -1(s)を施すフィルタ処理を行い、第1の電圧推定値vd_est1、vq_est1、vf_est1が算出される。フィルタ処理により算出された第1のd軸電圧推定値vd_est1、第1のq軸電圧推定値vq_est1、及び第1のf軸電圧推定値vf_est1は、外乱推定値算出部203に出力される。
第2の電圧推定値は、第2のd軸電圧推定値vd_est2、第2のq軸電圧推定値vq_est2、及び第2のf軸電圧推定値vf_est2を含み、最終電圧指令値(最終d軸電圧指令値v 、最終q軸電圧指令値v 、最終f軸電圧指令値v )に基づき、以下の式(9)により算出される。
Figure 2023081030000010
式(9)で示すように、第2の電圧推定値vd_est2、vq_est2、vf_est2は、最終電圧指令値(最終d軸電圧指令値v 、最終q軸電圧指令値v 、最終f軸電圧指令値v )に一次遅れフィルタH(s)を施すことにより算出される。
図2のブロック202は、上記した第2の電圧推定値vd_est2、vq_est2、vf_est2の算出方法を示している。ブロック202に示すように、最終d軸電圧指令値v 、最終q軸電圧指令値v 、最終f軸電圧指令値v を入力として、一次遅れフィルタH(s)を施すフィルタ処理を行い、第2の電圧推定値vd_est2、vq_est2、vf_est2が算出される。フィルタ処理により算出された第2のd軸電圧推定値vd_est2、第2のq軸電圧推定値vq_est2、及び第2のf軸電圧推定値vf_est2は、外乱推定値算出部203に出力される。
ここで、最終電圧指令値v 、v 、v は、d軸とq軸との間の干渉電圧だけでなく、d軸及びq軸とf軸との間の干渉電圧も非干渉化するための非干渉電圧vd_dcpl、vq_dcpl、vf_dcplにより補正された電圧指令値である(非干渉制御部115、第2の電圧指令値演算部116)。即ち、第2の電圧推定値vd_est2、vq_est2、vf_est2は、d軸、q軸、f軸間の干渉電圧を非干渉化した電圧指令値に基づき算出される。
外乱推定値算出部203は、外乱電圧の推定値を算出する。具体的には、第2のd軸電圧推定値vd_est2、第2のq軸電圧推定値vq_est2、及び第2のf軸電圧推定値vf_est2から、第1のd軸電圧推定値vd_est1、第1のq軸電圧推定値vq_est1、及び第1のf軸電圧推定値vf_est1を減算して、d軸外乱電圧推定値vd_dist_est、q軸外乱電圧推定値vq_dist_est及びf軸外乱電圧推定値vf_dist_estを算出する。算出されたd軸外乱電圧推定値vd_dist_est、q軸外乱電圧推定値vq_dist_est及びf軸外乱電圧推定値vf_dist_estは、最終電圧指令値演算部118に出力される。前述の通り、最終電圧指令値演算部118において、第2の電圧指令値に算出された外乱電圧推定値vd_dist_est、vq_dist_est、vf_dist_estを加算することで、最終d軸電圧指令値v 、最終q軸電圧指令値v 及び最終f軸電圧指令値v を得る。
以上のように、外乱補償部117では、d軸とq軸との間の干渉電圧だけでなく、d軸及びq軸とf軸との間の干渉電圧も非干渉化した最終電圧指令値v 、v 、v に基づき外乱電圧が推定されるため、外乱の推定精度が向上する。
また、外乱補償部117では、モータの干渉特性を含む伝達関数G(s)の逆系G -1(s)に基づき外乱電圧を推定し、最終電圧指令値演算部118において、第2の電圧指令値v d2、v q2、v f2に算出した外乱電圧推定値vd_dist_est、vq_dist_est、vf_dist_estを加算することで外乱を打ち消している。ここで伝達関数G(s)には、d軸-q軸間だけでなく、d軸及びq軸と、f軸との間の干渉特性が含まれている。従って、d軸、q軸、f軸の間での干渉があっても、外乱を精度よく推定できる。
また、伝達関数G(s)及び伝達関数G(s)の逆系G -1(s)の非対角成分は、回転状態パラメータとしてモータ101の角速度である電気角速度ωreを含む。即ち、電気角速度ωreの検出値(図1の磁極位置検出器109、パルスカウンタ110及び角速度演算器111)を用いて非対角成分が設定される。これにより、実際のモータ101の回転状態に相関する電気角速度ωreの検出値に応じて伝達関数G(s)の非対角成分が設定されることになる。従って、モータ101の現実の作動状態に応じてd軸、q軸及びf軸間の干渉成分がより適切に評価された伝達関数G(s)を設定することができ、外乱の推定精度がさらに向上する。
また、外乱補償部117では、時定数がd軸成分、q軸成分及びf軸成分ごとに個別に設定された一次遅れフィルタH(s)を用いている。ここでフィルタ時定数は、小さく設定するほど入力に対する応答性が良くなり、外乱の推定速度が向上するが、制御安定性は悪くなり、制御発散しやすくなる。従って、d軸、q軸、f軸の各特性に合わせて、外乱電圧の推定速度と制御安定性を調整することができる。
特に、固定子巻線のインダクタンスと界磁(回転子)巻線のインダクタンスとは、オーダーレベルの差があり、d軸及びq軸の特性とf軸の特性とでは、大きな差がある。従って、d軸用時定数τhd及びq軸用時定数τhqと、f軸用時定数τhfとを同じ値に設定する(個別に設定しない)場合、インダクタンスの大きい界磁巻線の制約により、d軸用時定数τhd及びq軸用時定数τhqをf軸用時定数τhfに合わせて大きく設定しなければならなくなる。この場合、d軸及びq軸の外乱電圧の推定速度が遅くなり、外乱抑止性を向上することができなくなる虞がある。一方、本実施形態では、一次遅れフィルタH(s)の時定数はd軸成分、q軸成分及びf軸成分ごとに個別に設定され、f軸用時定数τhfを、d軸用時定数τhd及びq軸用時定数τhqよりも大きく設定している。従って、制御安定性と外乱抑止性を両立することができる。
図3は、本実施形態によるモータ制御方法を説明するフローチャートである。図3で示す開始から終了までにかかる一制御周期は、モータ制御システム100が起動している間、一定の間隔で常時実行するようにコントローラ10にプログラムされている。
ステップS11において、コントローラ10(パルスカウンタ110、A/D変換器107)は、ABZパルスに基づいて電気角度θreを算出するとともに、取得したu、v相の電流i、i、及び、回転子巻線を流れるf軸電流iから、デジタル信号としての電流ius、ivs、ifsを検出する。
ステップS12において、コントローラ10(角速度演算器111)は、入力される電気角度θreの時間変化率から、電気角速度ωreと機械角速度ωrmとを算出する。
ステップS13において、コントローラ10(先読み補償部112)は、電気角度θreと電気角速度ωreとから、制御系が持つ無駄時間が考慮された先読み補償後電気角θre’を算出する。
ステップS14において、コントローラ10(3相/d-q交流座標変換器108)は、u、v、w各相の電流ius、ivs、iws、及び電気角度θreから、d、q軸電流i、iを算出する。
ステップS15において、コントローラ10(電流指令値演算部113)は、トルク指令値T、モータ回転数(機械角速度ωrm)、及び、電源電圧Vdcから、d軸電流指令値i 、q軸電流指令値i 、及びf軸電流指令値i を算出する。
ステップS16において、コントローラ10(電流制御部114)は、d、q、f軸電流i、i、iをd、q、f軸電流指令値i 、i 、i に定常偏差なく所望の応答性で追従させるためのd、q、f軸各相の第1の電圧指令値v d1、v q1、v f1を算出する。
ステップS17において、コントローラ10(非干渉制御部115)は、d、q、f軸電流指令値i 、i 、i と、電気角速度ωreとから、d軸、q軸、及びf軸間の干渉電圧を相殺するために必要な非干渉電圧vd_dcpl、vq_dcpl、vf_dcplを算出する。
ステップS18において、コントローラ10(第2の電圧指令値演算部116)は、d、q、f各軸の第1の電圧指令値v d1、v q1、v f1を、それぞれ非干渉電圧のd軸成分vd_dcpl、q軸成分vq_dcpl、f軸成分vf_dcplを用いて補正(加算)することにより、d、q、f各軸の第2の電圧指令値v d2、v q2、v f2を算出する。
ステップS19において、コントローラ10(外乱補償部117)は、d、q、f各軸の計測された実際の電流i、i、iと、電気角速度ωreと、d、q、f各軸の最終電圧指令値v 、v 、v とに基づき、モータ101に入力された各軸の外乱電圧推定値vd_dist_est、vq_dist_est、vf_dist_estを算出(推定)する。前述のとおり、外乱電圧推定値vd_dist_est、vq_dist_est、vf_dist_estは、モータの干渉特性を含む伝達関数G(s)の逆系G -1(s)及びd、q、f軸成分ごとに時定数が設定された一次遅れフィルタH(s)を用いて算出される。
ステップS20において、コントローラ10(最終電圧指令値演算部118)は、d、q、f各軸の第2の電圧指令値v d2、v q2、v f2を、算出された外乱電圧推定値vd_dist_est、vq_dist_est、vf_dist_estを用いて補正(加算)することにより、最終電圧指令値v 、v 、v を算出する。
ステップS21において、コントローラ10(d-q/3相交流座標変換器119)は、最終d軸電圧指令値v 、最終q軸電圧指令値v 、及び、先読み補償後電気角θre’から、uvw各相の電圧指令値v 、v 、v を算出する。
以上が本実施形態のモータ制御方法による制御フローの概要である。
図4Aは、本実施形態及び比較例におけるシミュレーション結果としての外乱推定値の経時変化を示すタイミングチャートである。また、図4Bは、本実施形態及び比較例におけるシミュレーション結果としての電流検出値の経時変化を示すタイミングチャートである。なお、比較例は、d軸、q軸、f軸間の干渉を考慮せず、d軸、q軸及びf軸のそれぞれについて独立したフィードバック補償により外乱補償を行った場合のシミュレーション結果である。
図4Aの横軸は時間を表し、縦軸は、上から順に、d軸外乱電圧[V]、q軸外乱電圧[V]、及びf軸外乱電圧[V]を表している。図中の破線は実際に入力した外乱、実線は本実施形態による外乱の推定値、一点鎖線は比較例による外乱の推定値である。
また、図4Bの横軸は時間を表し、縦軸は、上から順に、d軸電流[A]、q軸電流[A]、及びf軸電流[A]を表している。図中の破線は電流指令値、実線は本実施形態による実電流(電流の検出値)、一点鎖線は比較例による実電流(電流の検出値)を示している。
図4Aに示すように、時刻t1において実際の外乱が入力されると、比較例に比べ、本実施形態による外乱推定値は実際に入力した外乱により近い高精度な値として定まった。また、図4Bに示すように、外乱の影響で生じた電流偏差が、比較例に比べより素早く収束した。
上記した実施形態のモータ制御方法によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態のモータ制御方法は、電流指令値i 、i 、i とモータの回転状態とに基づいて、固定子電流のd軸とq軸との間の干渉電圧だけでなく、d軸及びq軸と回転子電流のf軸との間の干渉電圧も非干渉化するための非干渉電圧vd_dcpl、vq_dcpl、vf_dcplを算出する。そして非干渉電圧のd軸成分vd_dcpl、q軸成分vq_dcpl、f軸成分vf_dcplを用いてそれぞれd軸、q軸、f軸電圧指令値を補正している。従って、d軸とq軸との間の干渉電圧だけでなく、d軸及びq軸とf軸との間の干渉電圧も非干渉化した電圧指令値に基づき外乱電圧が推定されるため、外乱の推定精度が向上し、外乱抑止性が向上する。
本実施形態のモータ制御方法は、d軸外乱電圧、q軸外乱電圧及びf軸外乱電圧の推定値は、モータ101の電圧から電流への伝達特性を表す伝達関数G(s)の逆系G -1(s)に基づき算出され、伝達関数G(s)は、d軸成分、q軸成分及びf軸成分間の干渉成分を含む。即ち、伝達関数G(s)には、d軸-q軸間だけでなく、d軸及びq軸と、f軸との間の干渉特性が含まれているため、d軸、q軸、f軸の間での干渉があっても、外乱を精度よく推定することができ、外乱抑止性がより向上する。
本実施形態のモータ制御方法は、伝達関数G(s)がモータ101の電気角速度ωreを含む回転状態パラメータに基づいて設定され、電気角速度ωreは、センサによる検出値が用いられる。即ち、実際のモータ101の回転状態に相関する電気角速度ωreの検出値に応じて伝達関数G(s)が設定される。従って、モータ101の現実の作動状態に応じてd軸、q軸及びf軸間の干渉成分がより適切に評価された伝達関数G(s)を設定することができ、外乱の推定精度がさらに向上する。
本実施形態のモータ制御方法は、実際の電流i、i、iに分母次数と分子次数との差分が伝達関数G(s)の分母次数と分子次数との差分以上である一次遅れフィルタH(s)と伝達関数G(s)の逆系G -1(s)を施して第1の電圧推定値vd_est1、vq_est1、vf_est1を算出する。また、最終電圧指令値v 、v 、v に一次遅れフィルタH(s)を施して第2の電圧推定値vd_est2、vq_est2、vf_est2を算出する。そして、第2の電圧推定値vd_est2、vq_est2、vf_est2から、第1の電圧推定値vd_est1、vq_est1、vf_est1を減算することによりd軸、q軸、f軸の外乱電圧を推定する。このように、外乱電圧の推定において、分母次数と分子次数との差分が伝達関数G(s)の分母次数と分子次数との差分以上である一次遅れフィルタH(s)を導入している。これにより、外乱電圧の推定において、モータの干渉特性を含む伝達関数G(s)の逆系G -1(s)を用いることによる非プロパを回避することができる。
本実施形態のモータ制御方法は、一次遅れフィルタH(s)の時定数は、d軸成分、q軸成分及びf軸成分ごとに個別に設定される。そして、f軸用時定数(f軸成分に対する一次遅れフィルタH(s)の時定数)τhfは、d軸用時定数(d軸成分に対する一次遅れフィルタH(s)の時定数)τhd及びq軸用時定数(q軸成分に対する一次遅れフィルタH(s)の時定数)τhqよりも大きく設定される。これにより、d軸用時定数τhd及びq軸用時定数τhqをインダクタンスの大きい界磁巻線の制約を受けずに設定することができ、外乱電圧の推定速度が向上し、外乱抑止性が向上する。また、q軸用時定数τhqは大きく設定するため、制御安定性が向上する。即ち、制御安定性と外乱抑止性を両立することができる。
なお、本実施形態のように、電気角速度ωreは、センサによる検出値を用いることが好ましいが、必ずしもこれに限られない。
また、本実施形態のように、一次遅れフィルタH(s)の時定数は、d軸成分、q軸成分及びf軸成分ごとに個別に設定されることが好ましいが、必ずしもこれに限られず、各軸成分とも同一の時定数を用いてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
10、コントローラ,100、モータ制御システム,101、モータ(巻線界磁型同期モータ)

Claims (6)

  1. 回転子巻線を有する回転子と、固定子巻線を有する固定子とを備える巻線界磁型同期モータにおいて、前記固定子巻線に流れる固定子電流と前記回転子に流れる回転子電流とを制御するモータ制御方法であって、
    前記固定子電流に対するd軸電流指令値及びq軸電流指令値に基づいてそれぞれ第1のd軸電圧指令値及び第1のq軸電圧指令値を算出するとともに、前記回転子電流に対するf軸電流指令値に基づいて第1のf軸電圧指令値を算出し、
    前記d軸電流指令値、前記q軸電流指令値及び前記f軸電流指令値と前記モータの回転状態とに基づいて、前記固定子電流のd軸とq軸との間の干渉電圧だけでなく、d軸及びq軸と前記回転子電流のf軸との間の干渉電圧も非干渉化するための非干渉電圧を算出し、
    前記第1のd軸電圧指令値、前記第1のq軸電圧指令値及び前記第1のf軸電圧指令値を、前記非干渉電圧のd軸成分、前記非干渉電圧のq軸成分及び前記非干渉電圧のf軸成分を用いてそれぞれ補正することにより、第2のd軸電圧指令値、第2のq軸電圧指令値及び第2のf軸電圧指令値を算出し、
    前記固定子に対する最終d軸電圧指令値及び最終q軸電圧指令値と、前記回転子に対する最終f軸電圧指令値と、前記固定子電流と、前記回転子電流とに基づきd軸外乱電圧、q軸外乱電圧及びf軸外乱電圧の推定値を算出し、
    前記第2のd軸電圧指令値、前記第2のq軸電圧指令値及び前記第2のf軸電圧指令値を、前記d軸外乱電圧、前記q軸外乱電圧及び前記f軸外乱電圧の推定値を用いて補正して前記最終d軸電圧指令値、前記最終q軸電圧指令値及び前記最終f軸電圧指令値を算出し、
    算出した前記最終d軸電圧指令値、前記最終q軸電圧指令値に基づいて前記固定子電流を制御するとともに、前記最終f軸電圧指令値に基づいて前記回転子電流を制御する、
    モータ制御方法。
  2. 請求項1に記載のモータ制御方法であって、
    前記d軸外乱電圧、前記q軸外乱電圧及び前記f軸外乱電圧の推定値は、前記モータの電圧から電流への伝達特性を表す伝達関数の逆系に基づき算出され、
    前記伝達関数は、d軸成分、q軸成分及びf軸成分間の干渉成分を含む、
    モータ制御方法。
  3. 請求項2に記載のモータ制御方法であって、
    前記伝達関数は、前記モータの回転状態パラメータに基づいて設定され、
    前記回転状態パラメータは、センサによる検出値が用いられる、
    モータ制御方法。
  4. 請求項2または3に記載のモータ制御方法であって、
    前記固定子電流及び回転子電流に、分母次数と分子次数との差分が前記伝達関数の分母次数と分子次数との差分以上である一次遅れフィルタと前記伝達関数の逆系とを施して、第1のd軸電圧推定値、第1のq軸電圧推定値及び第1のf軸電圧推定値を算出し、
    前記最終d軸電圧指令値、前記最終q軸電圧指令値及び前記最終f軸電圧指令値に前記一次遅れフィルタを施して、第2のd軸電圧推定値、第2のq軸電圧推定値及び第2のf軸電圧推定値を算出し、
    前記第2のd軸電圧推定値、前記第2のq軸電圧推定値及び前記第2のf軸電圧推定値から、前記第1のd軸電圧推定値、前記第1のq軸電圧推定値及び前記第1のf軸電圧推定値を減算することにより、前記d軸外乱電圧、前記q軸外乱電圧及び前記f軸外乱電圧の推定値を算出する、
    モータ制御方法。
  5. 請求項4に記載のモータ制御方法であって、
    前記一次遅れフィルタの時定数は、d軸成分、q軸成分及びf軸成分ごとに個別に設定され、
    f軸成分に対する前記一次遅れフィルタの時定数は、d軸成分及びq軸成分に対する前記一次遅れフィルタの時定数よりも大きく設定される、
    モータ制御方法。
  6. 回転子巻線を有する回転子と、固定子巻線を有する固定子とを備える巻線界磁型同期モータを制御するモータ制御装置であって、
    前記固定子巻線に流れる固定子電流と前記回転子に流れる回転子電流とを制御するコントローラを備え、
    前記コントローラは、
    前記固定子電流に対するd軸電流指令値及びq軸電流指令値に基づいてそれぞれ第1のd軸電圧指令値及び第1のq軸電圧指令値を算出するとともに、前記回転子電流に対するf軸電流指令値に基づいて第1のf軸電圧指令値を算出し、
    前記d軸電流指令値、前記q軸電流指令値及び前記f軸電流指令値と前記モータの回転状態とに基づいて、前記固定子電流のd軸とq軸との間の干渉電圧だけでなく、d軸及びq軸と前記回転子電流のf軸との間の干渉電圧も非干渉化するための非干渉電圧を算出し、
    前記第1のd軸電圧指令値、前記第1のq軸電圧指令値及び前記第1のf軸電圧指令値を、前記非干渉電圧のd軸成分、前記非干渉電圧のq軸成分及び前記非干渉電圧のf軸成分を用いてそれぞれ補正することにより、第2のd軸電圧指令値、第2のq軸電圧指令値及び第2のf軸電圧指令値を算出し、
    前記固定子に対する最終d軸電圧指令値及び最終q軸電圧指令値と、前記回転子に対する最終f軸電圧指令値と、前記固定子電流と、前記回転子電流とに基づきd軸外乱電圧、q軸外乱電圧及びf軸外乱電圧の推定値を算出し、
    前記第2のd軸電圧指令値、前記第2のq軸電圧指令値及び前記第2のf軸電圧指令値を、前記d軸外乱電圧、q軸外乱電圧及びf軸外乱電圧の推定値を用いて補正して前記最終d軸電圧指令値、前記最終q軸電圧指令値及び前記最終f軸電圧指令値を算出し、
    算出した前記最終d軸電圧指令値、前記最終q軸電圧指令値に基づいて前記固定子電流を制御するとともに、前記最終f軸電圧指令値に基づいて前記回転子電流を制御する、
    モータ制御装置。
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