JP6671569B1 - 乗客コンベア異常検出装置 - Google Patents

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Abstract

異常検出装置において、乗客コンベア1に接続された音信号取得部13は、異常検出処理の手順で事前のマニュアル作業時に、ステップに取り付けられた点検用ガイドシューの周囲の音波を音信号に変換する。音信号解析部14は、音信号を解析して音圧又は主周波数を抽出して制御装置15に送信する。制御装置15は、ステップを走行させるための運転を指令する指令部としての機能を持つ他、音信号解析部14で抽出した音圧又は主周波数に基づいて、スカートガードの異常を判定する異常判定部としての機能を持つ。ここでの音信号解析部14は、指令部によりステップを走行させた状態で音信号取得部13によって取得された音信号を解析して、音圧又は主周波数を抽出する。

Description

本発明は、乗客コンベアにおいて、立設するスカートガードの据付け異常を検出する乗客コンベア異常検出装置に関する。
従来、動く歩道、エスカレータ等の乗客コンベアのステップの案内機構の一つとして、スカートガード案内方式が知られている。このスカートガード案内方式は、ステップの端面から進行方向左右に、ガイドシューを先端に有する突出部が設けられている。そして、このスカートガード案内方式は、立設するスカートガードに沿ってガイドシューが摺動することで、ステップが案内される構造となっている。
このような乗客コンベアにおいて、左右のスカートガード間寸法が狭く据付けられている場合には、ガイドシューがその箇所を通過する際、摺動異音が発生する現象が確認されている。以下の説明では、このように摺動異音の発生の原因となるスカートガードの据付け状態をスカートガードの異常とみなす。
ところで、摺動異音の発生には、摩擦係数も影響しており、摺動面が低摩擦状態であれば、異音は発生しない。しかしながら、その後の乗客コンベアの連続運転等による経年的な影響で摩擦係数が高まると、スカートガードの異常箇所で異音が現れ始める。
係る事情により、据付け時又は保守時にスカートガードの異常を点検する際、乗客コンベアを通常運転させて異音の有無を確かめるだけでは、異音の発生に対する異常度合の判定を十分に実施できない。このため、据付け状態を確認するに当たっては、一般的には、乗客コンベアの下部反転位置から上部反転位置までのステップ往路区間の全長に及んで立設されるスカートガードにおいて、乗客コンベアの運転と停止とを繰り返し、ステップの位置を徐々に移動させる。そして、移動の都度、作業者がガイドシューとスカートガードとの間に専用ゲージを当てる等により、据付け状態を確認する作業を行っている。
ところが、こうした作業は、作業時間が極めて長くなってしまうという問題がある。このため、乗客コンベアを運転させる等、連続処理により短時間でスカートガードの異常を点検可能な手法が求められている。そこで、乗客コンベアを走行させながら、スカートガードの据付け状態を点検する周知技術として、スカートガード間隙測定装置が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
実開昭63−190271号公報
上述した特許文献1に係る技術は、端部がスカートガードに摺接しながら伸縮するアームをステップ上に固定させ、このアームの伸縮量から変換された電気信号を処理する。これによって、ステップの端面とスカートガードとの隙間幅の記録を行っている。
ところが、特許文献1に係る技術は、前提として、巻き込まれ防止の観点から、法規上定められているステップの端面とスカートガードとの間の隙間幅寸法を測定している。しかしながら、特許文献1に係る技術は、スカートガードの異音発生に対する異常度合の判定を目的としてはいない。
また、特許文献1に係る技術によれば、ステップの周辺における隙間幅寸法を測定しており、ガイドシューの通過部とは、測定点が異なる。このため、特許文献1に係る技術は、同じ平面でも、製造過程で生じる歪み、据付け時に発生するアライメントずれ等により、鉛直方向に理想的な平面を保てないスカートガードの異常を、正確には判定できない。従って、特許文献1に係る技術で得られるデータでは、スカートガードの異常を正確に判定できない。
ここで、特許文献1に係る技術で開示されているアーム、レーザ等の測定器を、ステップ上から背部に移動させ、測定点をガイドシューの通過部に変更した場合を想定する。こうした想定においても、適用可能な条件としては、スカートガードの表面とガイドシューの表面とが接触しない程、スカートガード間寸法が広い場合に限られる。
それ以外の場合、例えば、左右のガイドシューが両方共、スカートガードの表面に接触する、即ち、スカートガードに対して突っ張る程、スカートガード間寸法が狭い場合には、スカートガードの本来の据付け状態を正しく推定することができない。その理由は、ガイドシューの押付力により、スカートガード側に撓み変形が生じるためである。
こうした事態を回避するため、ガイドシューの形状を従来よりも薄くする、片側のガイドシューを取り外す等の操作を行う場合も想定できる。ところが、こうした場合にも、ステップ本体の端面がスカートガードに干渉し、測定器が破損する場合がある。また、ステップ本体を取り外し、空いたステップ軸等に測定器を固定させ、乗客コンベアを運転する作業は、開口部の剥き出し状態での運転となり、安全上の問題が発生する。係る事情により、特許文献1に係る技術は、スカートガードの異常箇所を検出することが困難であると云える。
要するに、スカートガードの異常箇所を容易に、且つ短時間で検出する必要があるとしても、周知技術では、乗客コンベアを運転させて連続的にスカートガードの異常を検知することが困難となっている。また、経年変化等により、ガイドシューがスカートガードに摺動して異音を発生させる前に、スカートガードの異常を検出することも困難となっている。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、乗客コンベアを運転させ、通常のガイドシューで異音が発生する前に連続的にスカートガードの異常を検出できる乗客コンベア異常検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の乗客コンベア異常検出装置は、立設するスカートガードに沿って、ステップに取り付けられたガイドシューが摺動することにより、ステップが案内される構造の乗客コンベアの点検作業時において、スカートガードの異常を検出する構成であって、ステップに取り付けられる点検用ガイドシューと、点検用ガイドシューの周囲の音波を音信号に変換する音信号取得部と、ステップを走行させるための運転を指令する指令部と、指令部によりステップを走行させた状態で音信号取得部によって取得された音信号を解析して、音圧又は主周波数を抽出する音信号解析部と、音信号解析部で抽出した音圧又は主周波数に基づいて、スカートガードの異常箇所を特定する異常判定部と、を備える。
本発明によれば、上記構成により、乗客コンベアを運転させ、通常のガイドシューで異音が発生する前に連続的にスカートガードの異常を検出できるようになる。
本発明の実施の形態1に係る乗客コンベア異常検出装置の全体的構成を示すブロック図である。 図1に示す乗客コンベア異常検出装置が適用される乗客コンベアの概略構成を示す側面図である。 図2に示す乗客コンベアのステップの外観構成を正面斜め上方向から示した斜視図である。 図3に示すステップに取り付けられるガイドシューをステップの進行方向と直行する面に沿って例示した側面図である。 図3に示すステップに取り付けられるガイドシューをステップの踏板部と並行する面に沿って例示した側面図である。 図3に示すステップに取り付けられるガイドシューと座面部との嵌め込み状態をステップの進行方向と直行する面に沿って一部透視させて例示した側面図である。 図3に示すステップに取り付けられるガイドシューを座面部へ嵌め込む様子をステップの進行方向斜め上方から示した外観斜視図である。 図3に示すステップに取り付けられるガイドシュー及び座面部の嵌め込み状態とスカートガードとの位置関係をステップにおける踏板部の上面方向から示した図である。 図2に示す乗客コンベアの左右のスカートガード間寸法と異音発生とに関係する部材間における押付力に対する音圧の特性図である。 図1に示す乗客コンベア異常検出装置に備えられる制御装置の細部構成を示す機能ブロック図である。 図1に示す乗客コンベア異常検出装置による音圧判定モードの異常検出処理の手順を示すフローチャートである。 図1に示す乗客コンベア異常検出装置で使用するステップに取り付けられる点検用ガイドシューと座面部との嵌め込み接着状態をステップの進行方向と直行する面に沿って一部透視させて例示した側面図である。 図1に示す乗客コンベア異常検出装置による音圧判定モードの異常検出結果に係る点検用ガイドシューの移動距離に対する音圧の特性を示す図である。 実施の形態2に係る乗客コンベア異常検出装置に備えられる制御装置の演算部で演算される部材間における押付力に対する主周波数の特性を示す図である。 図14で説明した乗客コンベア異常検出装置による主周波数判定モードの異常検出処理の手順を示すフローチャートである。 図14で説明した乗客コンベア異常検出装置による主周波数判定モードの異常検出結果に係る点検用ガイドシューの移動距離に対する主周波数の特性を示す図である。
以下、本発明の乗客コンベア異常検出装置に係る幾つかの実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る乗客コンベア異常検出装置(以下、異常検出装置と称する)の全体的構成を示すブロック図である。図2は、係る異常検出装置が適用される乗客コンベア1の概略構成を示す側面図である。
まず、図2を参照すれば、この乗客コンベア1は、エスカレータ構造のもので、左右のステップチェーン2を一定間隔毎にステップ軸3で無端状に繋ぎ、そのステップ軸3にステップ4を固定し、動力部からステップチェーン2に動力を伝える。これにより、繋がれたステップ軸3を通じて、ステップ4が昇方向又は降方向に駆動される。ステップ4の両側には、ステップチェーン2、動力部等への乗客の巻き込みを防止するためにスカートガード5が複数隣接して立設されている。階上側の床下には、制御盤25が設置される機械室1cが設けられ、この機械室1c内でステップチェーン2及びステップ4の上部反転位置1aが定められる。これに対し、階下側の床下において、ステップチェーン2及びステップ4の下部反転位置1bが定められる。尚、動く歩道構造の場合には、ステップチェーン2及びステップ4が傾斜せずに平面状に展開する構造となる点を除けば、ほぼ同様に構成される。
ところで、スカートガード案内方式の乗客コンベアでは、ステップ4の進行方向の左右の先端に設けられたガイドシューがスカートガード5と摺動することにより、ステップ4の端面がスカートガード5と干渉せずにステップ4の直進性が確保される。この構造については、後文で詳述する。
次に、図1を参照すれば、異常検出装置は、スカートガード案内方式の乗客コンベア1を対象として構成され、音信号取得部13、音信号解析部14、制御装置15、ネットワーク16、外部装置17、入力装置26、及び表示装置27を備えて構成される。
異常検出装置において、音信号取得部13は、乗客コンベア1に接続され、ステップ4に取り付けられた点検用ガイドシューの周囲の音波を音信号に変換する。音信号解析部14は、音信号取得部13に接続され、音信号を解析して音圧又は主周波数を抽出する。入力装置26は、制御装置15に接続され、作業者が制御装置15への動作指令を入力装置26により操作指示して入力する。表示装置27は、制御装置15に接続され、作業者の入力装置26での動作指令に係る操作指示内容、異常検出結果等を表示する。
制御装置15は、これらの各部と乗客コンベア1及びネットワーク16とに接続され、各部との間で情報の授受を行いながら乗客コンベア1を運転させ、スカートガード5の異常を検出する。即ち、制御装置15は、ステップ4を走行させるための運転を指令する指令部、及び音信号解析部14で抽出した音圧又は主周波数に基づいて、スカートガード5の異常を判定する異常判定部としての機能を持つ。このため、上述した音信号解析部14は、指令部によりステップを走行させた状態で音信号取得部13によって取得された音信号を解析して、音圧又は主周波数を抽出する。
また、制御装置15は、ネットワーク16を介して外部装置17と接続されている。これにより、制御装置15は、ネットワーク16を介して外部装置17との間で通信可能に構成されている。
図1に示す異常検出装置において、音信号取得部13が音信号解析部14の機能、即ち、音信号を解析して音圧又は主周波数を抽出する機能を内蔵する場合には、音信号解析部14を別体としなくても良い。尚、制御装置15は、先の図2で説明した制御盤25と接続される。
図3は、乗客コンベア1のステップ4の外観構成を正面斜め上方向から示した斜視図である。図4は、ステップ4に取り付けられるガイドシュー6をステップ4の進行方向と直行する面に沿って例示した側面図である。図5は、ステップ4に取り付けられるガイドシュー6をステップ4の踏板部4aと並行する面に沿って例示した側面図である。図6は、ステップ4に取り付けられるガイドシュー6と座面部(口金)10との嵌め込み状態をステップ4の進行方向と直行する面に沿って一部透視させて例示した側面図である。図7は、ステップ4に取り付けられるガイドシュー6を座面部10へ嵌め込む様子をステップ4の進行方向斜め上方から示した外観斜視図である。
図7を参照すれば、ステップ4は、乗客の乗る踏板部4aの背部左右にブラケット9を有している。ブラケット9の側部には、ガイドシュー6を取り付けるための座面部10が設けられている。また、ブラケット9の背部には、略C字状の係合部11が設けられており、係合部11がステップチェーン2に繋がれたステップ軸3を把持し、乗客コンベア1に連結される構造となっている。
図4及び図5を参照すれば、ガイドシュー6は、基部6aの一方側に凸部6dが設けられ、凸部6dには、先端の爪部6cの突出部分が外方を向く格好で一対の脚部6bが延在して設けられている。また、図7を参照すれば、座面部10には、スカートガード5の法線方向にガイドシュー6の脚部6b及び爪部6cを差し込むための挿入穴10aが設けられている。更に、座面部10の中間箇所にも、水平方向にガイドシュー6の爪部6cを引っ掛けるためのキリ穴10bが2個設けられている。加えて、座面部10の先端部は、縦に溝10cが切られた形状となっている。
上述した座面部10は、ステップ4の進行方向の両端部に設けられる。ガイドシュー6を取り付けるときは、図7に示されるように、脚部6b及び爪部6cを挿入穴10aに挿入する。このとき、図6に示されるように、爪部6cを座面部10の左右のキリ穴10bに引っ掛かるように挿入することにより、抜け止めの役割が果たされる。このようにして、ガイドシュー6の凸部6dが座面部10の溝10cに嵌め込まれることにより、ガイドシュー6の姿勢が決まり、ガイドシュー6自体の回転が防止される。尚、ガイドシュー6の構造上の概念には、ガイドシュー6自体だけでなく、ガイドシュー6と座面部10との間の接合状態も含まれる。この接合状態は、例えば、嵌め合い公差、接着剤塗布を示すものである。
図8は、ステップ4に取り付けられるガイドシュー6及び座面部10の嵌め込み状態とスカートガード5との位置関係をステップ4における踏板部4aの上面方向から示した図である。
図8を参照すれば、ステップ4の踏板部4aの上面から見ると、ガイドシュー6の両方の基部6aは、それらの先端面がステップ4の端面より突出している。このため、乗客コンベア1の連続的な運転に伴うステップチェーン2の片側伸び等でステップ4が移動方向に対し、進行方向の左側又は右側に寄っても、先にガイドシュー6の基部6aの表面がスカートガード5と摺接する。これにより、ステップ4の本体がスカートガード5と干渉することなく、ステップ4を昇方向又は降方向に案内することができる。
以下は、ガイドシュー6とスカートガード5との摺動により、異音が発生する現象について説明する。据付け時に左右のスカートガード5間寸法が狭い場合には、スカートガード5の異常が発生し易い事は、上述した通りである。
図9は、乗客コンベア1の左右のスカートガード5間寸法と異音発生とに関係する部材間における押付力に対する音圧の特性図である。
図9を参照すれば、実線で示される特性C1は、摺動する二つの部材間における押付力に対する音圧の関係を示している。尚、点線で示される特性C2は、摩擦係数を増加させた場合の様子である。特性C1では、押付力の大きさが予め決められた値以上、即ち、左右のスカートガード5間寸法が予め決められた値よりも狭くなると、急激に異音が発生する様子を示している。また、特性C2では、摩擦係数が上がる程、相対的に低い押付力で異音が発生することを示している。
そこで、実施の形態1に係る異常検出装置では、スカートガード5の異常条件下における摩擦係数と異音の発生し易さとの関係を利用する。具体的には、保守時又は据付け時に予め摩擦係数の高い点検用ガイドシューをステップ4の座面部10に取り付け、これを摺動させて異音の有無を確認することにより、スカートガード5の異常箇所の検出を行う。
図10は、実施の形態1に係る異常検出装置に備えられる制御装置15の細部構成を示す機能ブロック図である。
図10を参照すれば、制御装置15は、記憶部18、コマンド受信部19、入力制御部20、情報取得部21、演算部22、指令部23、及び表示制御部24を備えて構成される。
制御装置15において、記憶部18は、各部の機能を実行するための内蔵プログラムを記憶する他、異常を判定するための乗客コンベア1の固有の情報を記憶する。乗客コンベア1の固有の情報には、音圧レベル及び主周波数の閾値、階高、ステップ走行速度、運転方向が含まれる。また、記憶部18は、点検開始後の経過時間及び音信号解析部14より受信した音圧・主周波数の値も記憶する。
コマンド受信部19は、入力装置26からの利用者の入力操作によるコマンドを受信する。コマンド受信部19は、受信したコマンドに規定される処理に従い、異常検出装置の動作モードを後述する音圧判定モード、或いは、主周波数判定モードに切り替える。また、コマンド受信部19は、起動時に予め設定された時間の間に、入力装置26からの入力操作が行われなければ、自動的に異常検出装置の動作モードを音圧判定モードに切り替えることができる。
入力制御部20は、入力装置26からの利用者の入力操作により記憶部18に記憶された内蔵プログラムのうち、異常検出装置の動作モードに応じた内蔵プログラムの実行の開始指令と乗客コンベア1の運転開始指令とを異常検出装置に入力する。また、入力制御部20は、後述する情報取得部21による情報の取得の開始指令等を異常検出装置に入力することもできる。
情報取得部21は、音信号解析部14から音圧レベル又は主周波数を取得する。また、情報取得部21は、音信号取得部13が音圧レベル又は主周波数を変換し、外部に出力する機能を有する場合、音信号取得部13から音圧レベル又は主周波数を取得することも可能である。
演算部22は、記憶部18に記憶された内蔵プログラムに従って演算を行う。プログラムの例として、乗客コンベア1の運転開始からの経過時間及びステップ4の走行速度から、乗客コンベア1における点検用ガイドシュー7の位置を演算する。同時に、演算部22は、情報取得部21で取得した音圧レベル又は主周波数の値と記憶部18に記憶された閾値との大小を比較することにより、異常音となっているか否かを演算する。そして、演算部22は、異常音が現れたスカートガード5の位置情報を出力結果として、記憶部18に記憶させる。
指令部23は、乗客コンベア1に対して、演算部22より演算された条件でステップ4を走行させるための運転指令を出す。指令部23は、乗客コンベア1の機械室1cの制御盤25と接続される。また、指令部23は、ネットワーク16を通して制御盤25と接続することも可能である。
表示制御部24は、演算部22の演算処理の結果、即ち、異常判定結果等を表示装置27に表示させる制御を行う。
尚、制御装置15は、各部の制御に必要な各種機能を実行するための各種内部プロクラム及び情報処理に必要な各種データをメモリに格納し、これらに従って制御処理を行うプロセッサを備えたコンピュータで構成することができる。或いは、制御装置15は、各種内部プロクラムの処理を実行し、各種データが予め設定された1つ以上のデジタル回路で構成することができる。
何れにしても、制御装置15には、図1に示したように、入力装置26、表示装置27、音信号取得部13、音信号解析部14、及びネットワーク16が接続されている。入力装置26は、記憶部18に記憶された内蔵プログラムの実行の開始を装置に入力することができる。また、入力装置26は、情報取得部21による情報取得の開始を入力することもできる。
図11は、実施の形態1に係る異常検出装置による音圧判定モードの異常検出処理の手順を示すフローチャートである。
図11を参照すれば、音圧判定モードの異常検出処理の手順では、まず、ステップS101において、事前のマニュアル作業Aを行う。マニュアル作業Aでは、作業者がステップ4の1つをステップ軸3から取り外し、ステップ4の座面部10に装着されている通常のガイドシュー6を点検用ガイドシューへと取り替える。通常のガイドシュー6は、求められる役割から摺動性の良好な樹脂材料によって構成されるのが一般的である。これに対し、点検用ガイドシューは、据付け時又は保守時においても、異音を励起させ易くするため、樹脂材料よりも摩擦係数の高いエラストマーを有する材料で構成されている。
図12は、実施の形態1に係る異常検出装置で使用するステップ4に取り付けられる点検用ガイドシュー7と座面部10との嵌め込み接着状態をステップ4の進行方向と直行する面に沿って一部透視させて例示した側面図である。
図12を参照すれば、ここでは、座面部10における挿入穴10aに点検用ガイドシュー7を嵌め込む際、点検用ガイドシュー7と座面部10との間に接着剤12を充填させている。このように、座面部10と点検用ガイドシュー7との嵌め合い時に接着剤12を用いて接着すれば、点検用ガイドシュー7が異音を励起し易くなる。ガイドシュー6及び座面部10は、嵌め合い係合されており、ガイドシュー6の脚部6b及び爪部6cと、凸部6d及び座面部10の内周面との間には、両者の接触により摩擦減衰が作用する。
これに対し、点検用ガイドシュー7及び座面部10の嵌め合いに際し、図12の黒塗りの部分に示すように、これらの間を接着剤12で接着固定すれば、摩擦減衰効果が低減し、減衰が低下した状態となり、異音が発生し易くなる。尚、接着剤12を用いた固定方法には、エポキシ樹脂系、シリコン系又は瞬間硬化型の接着剤が一般的に用いられる。エポキシ樹脂系接着剤又はシリコン系接着剤を用いた場合、接着剤が硬化するまでの間、長時間保持しておく必要がある。
そこで、実施の形態1では、作業時間が短く、しかも作業方法も簡易である瞬間硬化型の接着剤、即ち、瞬間接着材が望ましい。作業後の点検用ガイドシュー7に取り外しにおいて、固着材の剪断、削り落とし等の機械的剥離が困難な場合には、剥離液等の専用溶剤を利用したり、或いは、温度、湿度等の固着材周辺の外部環境を操作しても良い。
次に、ステップS102に進み、マニュアル作業Bを行う。マニュアル作業Bでは、作業者が乗客コンベア1にステップ4を再装着し、乗客コンベア1を運転させ、点検用ガイドシュー7が取り付けられた対象となるステップ(以下、対象ステップとも称する)4を開始位置まで移動する。例えば、降用の乗客コンベア1であれば、スカートガード5の案内が始まる上部反転位置1aまで対象ステップ4を移動して、乗客コンベア1を停止させ、その位置を点検の開始状態とする。また、昇用の乗客コンベア1であれば、スカートガード5の案内が始まる下部反転位置1bまで対象ステップ4を移動して、乗客コンベア1を停止させ、その位置を点検の開始状態とする。
更に、ステップS103に進み、動作モードの選択を行う。動作モードの選択では、例えば、作業者が入力装置26を操作し、音圧判定モードを選択すると、コマンド受信部19により異常検出装置の動作モードが音圧判定モードに切り替わる。このとき、起動時に設定時間の間に作業者により入力装置26からの入力操作が行われなければ、コマンド受信部19は、自動的に異常検出装置の動作モードを音圧判定モードに切り替える。引き続いて、作業者が入力装置26を操作し、実行開始を指示すると、入力制御部20により実行指示が入力され、アプリケーションプログラムに基づいた異常検出装置の音圧判定モードの動作処理が開始される。
そこで、ステップS104に進み、初期設定として、作業者の入力装置26の操作により音圧レベルの閾値入力が行われる。このとき、入力制御部20を介して異音の有無を確認するための音圧レベルの閾値が入力されることになる。尚、閾値は、予め外部から入力装置26によって、入力するようにしても良い。
この後、ステップS105に進み、作業者は、入力装置26を操作して、乗客コンベア1の情報の入力を行う。乗客コンベア1の情報には、ステップ4の走行速度、乗客コンベア1の階高、乗客コンベア1の運転方向が含まれる。尚、制御装置15の記憶部18又は管制側で管理するコンピュータのデータベースに予め乗客コンベア1の情報を保存しておくと、別の運用も適用できる。こうした場合、作業者が点検する乗客コンベア1に割り当てられた識別番号を入力装置26に入力することで、データベースから乗客コンベア1の情報が読み込まれるようにすることが可能である。
引き続き、ステップS106に進み、作業者は、入力装置26を操作して、制御装置15の入力制御部20を働かせ、入力制御部20の指令で音信号取得部13が作動状態に切り換わる。この後、ステップS107に進み、作業者は、制御装置15の指令部23を働かせ、制御盤25を制御させることにより、乗客コンベア1を運転開始とする。これにより、ステップ4の走行が開始する。
更に、ステップS108に進み、制御装置15の演算部22は、点検用ガイドシュー7及び音信号を取得する。ここでは、演算部22によって、ステップ4の走行開始時を基準とした経過時間及びステップS105で異常検出装置に入力されたステップ4の走行速度から、スカートガード5における点検用ガイドシュー7の現在位置情報が演算される。このとき、同時に音信号解析部14によって、音信号取得部13で取得された音信号が解析され、解析結果の音圧が制御装置15に送信される。
この後、ステップS109に進み、制御装置15の演算部22は、音信号解析部14が音信号から抽出し、情報取得部21を介して取得した音圧に基づいて、異音有無判定を行う。この異音有無判定は、音信号演算処理の一例とみなして良い。更に、ステップS110に進み、制御装置15の演算部22は、演算した点検用ガイドシュー7の位置情報に基づいて、点検用ガイドシュー7がスカートガード5の全てを通過したか否かの判定を行う。スカートガード5の全ての通過とは、例えば、下部反転位置1bから上部反転位置1aまでの往路区間の通過を示す。
この判定の結果、点検用ガイドシュー7がスカートガード5の全てを通過したと判断された場合、ステップS111に進み、制御装置15の指令部23は、制御盤25に指令して乗客コンベア1の運転を停止する。点検用ガイドシュー7がスカートガード5の全てを通過していないと判断された場合、ステップS108に戻ってその後の処理を繰り返す。
最後に、ステップS112に進み、制御装置15の演算部22は、表示制御部24に指令して表示装置27の表示部に異常検出結果として、スカートガード5の異常箇所を表示する。
図13は、実施の形態1の異常検出装置による音圧判定モードの異常検出結果に係る点検用ガイドシュー7の移動距離に対する音圧の特性C3を示す図である。
図13を参照すれば、特性C3に示されるように、点検用ガイドシュー7の移動距離に伴い、音圧が設定閾値V1を超えるまで増大している領域は、スカートガード5が異常になっている箇所と判定される。そこで、係る領域に対応するスカートガード5の箇所が表示装置27に出力される。
ここで、異常箇所は、例えば、点検用ガイドシュー7の開始点からの距離で示しても良い。また、乗客コンベア1では、ステップ4の進行方向に沿って複数個のスカートガード5を配列させて往路区間分を形成している。このため、スカートガード5の配列の中で、乗客コンベア1において、上部又は下部から何枚目のスカートガード5に相当するかを示しても良い。動く歩道の場合であれば、前部又は後部から何枚目のスカートガード5に相当するかを示すことになる。作業者は、表示装置27の表示部を確認することで、検出されたスカートガード5の異常箇所を認識し、異常検出処理が終了となる。
以上に説明したように、実施の形態1の異常検出装置によれば、作業者がステップ4の通常のガイドシュー6の一部を点検用ガイドシュー7に取り替えることを前提とする。そして、作業者は、点検用ガイドシュー7に取り替えられたステップ4を乗客コンベア1の上部反転位置1a又は下部反転位置1bまで移動させる。更に、作業者は、乗客コンベア1を運転して点検用ガイドシュー7に取り替えられたステップ4を走行させ、制御装置15で音信号と点検用ガイドシュー7の通過位置とを同時に取得させる。制御装置15は、各位置における異音有無を判定した結果を表示装置27の表示部に表示させる。
即ち、実施の形態1の異常検出装置によれば、ガイドシュー6の一部を点検用ガイドシュー7に取り替え、異常検出処理を行うようにしている。このため、ガイドシュー6がスカートガード5に摺動して異音が発生する前に、スカートガード5の異常箇所を連続的に検出することができる。即ち、乗客コンベア1を運転させ、通常のガイドシュー6で異音が発生する前に点検用ガイドシュー7によって、連続的にスカートガード5の異常を検出できるようになる。作業者は、表示部の異常検出結果を確認すれば、スカートガード5の異常箇所を容易に認識できる。そこで、作業者は、異常箇所のスカートガード5を着目し、本来の測定器具、工具等を用いたスカートガード5の据付け調整作業を行えば良い。
実施の形態2.
実施の形態1の異常検出装置では、点検用ガイドシュー7がスカートガード5に沿って摺動する際、予め決められた値以上の押付力を超えると、急激に異音が発生するという摺動現象の特性を利用した。そして、取得した音圧が設定閾値V1を超えた領域をスカートガード5の異常箇所として検出した。実施の形態2の異常検出装置では、異音の音圧ではなく、異音の主周波数から想定される押付力を制御装置15の演算部22で演算し、スカートガード5の異常箇所を検出する。但し、ここでは、スカートガード5の異常のうち、左右寸法が狭くなっている方を対象にして検出を行う。
図14は、実施の形態2に係る異常検出装置に備えられる制御装置15の演算部22で演算される部材間における押付力に対する主周波数の特性C4を示す図である。
図14を参照すれば、特性C4では、押付力が増大すると、異音の発生周波数を示す主周波数が励起される様子を示している。異音発生の発端は、点検用ガイドシュー7の振動であり、点検用ガイドシュー7の固有振動数に近い周波数が励起されることによる。
点検用ガイドシュー7とスカートガード5との接触下において、押付力が増加するに伴い、特に点検用ガイドシュー7が非線形の現れの強い樹脂で構成されると、接触剛性も高くなる。この結果、点検用ガイドシュー7自身の固有振動数が増加し、異音の主周波数も増加することになる。実施の形態2の異常検出装置では、こうした特性C4を利用して、異音の主周波数の値から点検用ガイドシュー7の通過部におけるスカートガード5の異常箇所を検出する。
図15は、実施の形態2に係る異常検出装置による主周波数判定モードの異常検出処理の手順を示すフローチャートである。
図15を参照すれば、主周波数判定モードの異常検出処理の手順では、まず、ステップS201において、事前のマニュアル作業Aを行う。このマニュアル作業Aは、実施の形態1の図11で示したステップS101と同じである。また、この後のステップS202におけるマニュアル作業Bについても、図11で示したステップS102と同じである。
更に、ステップS203に進み、動作モードの選択を行う。動作モードの選択では、例えば、作業者が入力装置26を操作し、主周波数判定モードを選択すると、コマンド受信部19により異常検出装置の動作モードが主周波数判定モードに切り替わる。
そこで、ステップS204に進み、初期設定として、作業者の入力装置26の操作により主周波数の閾値入力が行われる。このとき、入力制御部20を介して異音の有無を確認するための主周波数の閾値が入力されることになる。尚、閾値は、予め外部から入力装置26によって、入力するようにしても良い。主周波数の閾値は、予め加振試験等の実験により、押付力と固有振動数との関係を取得しておき、そこで得た値を参考に入力すれば良い。
その後のステップS205〜ステップS208までは、実施の形態1に係る図11に示したステップS105〜ステップS108と同様であるため、説明を省略する。
この後、ステップS209に進み、制御装置15の演算部22は、音信号解析部14が音信号から抽出し、情報取得部21を介して取得した主周波数に基づいて、想定押付力大小判定を行う。この想定押付力大小判定は、音信号演算処理の他例とみなして良い。更に、ステップS210に進み、制御装置15の演算部22は、演算した点検用ガイドシュー7の位置情報に基づいて、点検用ガイドシュー7がスカートガード5の全てを通過したか否かの判定を行う。ここでも、スカートガード5の全ての通過とは、例えば、下部反転位置1bから上部反転位置1aまでの往路区間の通過を示す。
この判定の結果、点検用ガイドシュー7がスカートガード5の全てを通過したと判断された場合、ステップS211に進み、制御装置15の指令部23は、制御盤25に指令して乗客コンベア1の運転を停止する。点検用ガイドシュー7がスカートガード5の全てを通過していないと判断された場合、ステップS208に戻ってその後の処理を繰り返す。
最後に、ステップS212に進み、制御装置15の演算部22は、表示制御部24に指令して表示装置27の表示部に異常検出結果として、スカートガード5の異常箇所を表示する。
図16は、実施の形態2の異常検出装置による主周波数判定モードの異常検出結果に係る点検用ガイドシュー7の移動距離に対する主周波数の特性C5を示す図である。
図16を参照すれば、特性C5に示されるように、点検用ガイドシュー7の移動距離に伴い、主周波数が設定閾値V2を超えるまで増大している領域は、スカートガード5が異常になっている箇所と判定される。そこで、係る領域に対応するスカートガード5の箇所が表示装置27に出力される。作業者は、表示装置27の表示部を確認することで、検出されたスカートガード5の異常箇所を認識し、異常検出処理が終了となる。
以上に説明したように、実施の形態2の異常検出装置によれば、作業者がステップ4の通常のガイドシュー6の一部を点検用ガイドシュー7に取り替えることを前提とする。そして、作業者は、点検用ガイドシュー7に取り替えられたステップ4を乗客コンベア1の上部反転位置1a又は下部反転位置1bまで移動させる。更に、作業者は、乗客コンベア1を運転して点検用ガイドシュー7に取り替えられたステップ4を走行させ、制御装置15で音信号と点検用ガイドシュー7の通過位置とを同時に取得させる。制御装置15は、各位置における想定押付力大小を判定した結果を表示装置27の表示部に表示させる。
即ち、実施の形態2の異常検出装置の場合も、乗客コンベア1を運転させ、通常のガイドシュー6で異音が発生する前に点検用ガイドシュー7によって、連続的にスカートガード5の異常を検出できるようになる。作業者は、表示部の異常検出結果を確認すれば、スカートガード5の異常箇所を容易に認識できる。そこで、作業者は、異常箇所のスカートガード5を着目し、据付け調整作業を行えば良い。
実施の形態3.
実施の形態1及び実施の形態2の異常検出装置では、異音発生の面からスカートガード5の異常箇所を検出対象とする場合を説明した。ところが、乗客コンベア1では、前述した通り、法規上でステップ4の踏板部4aとスカートガード5の左右との隙間幅を一定値以下にすることが定められている。これにより、左右のスカートガード5間寸法が規定値以上に広くなっている箇所についても、確認する必要がある。
そこで、実施の形態3の異常検出装置では、各実施の形態で説明した異常検出装置の少なくとも一方と、スカートガード5及びステップ4の隙間幅の記録を行う特許文献1のスカートガード間隙測定装置と、を組み合わせた構成とする。或いは、特許文献1のスカートガード間隙測定装置に代えて、特許第4728768号公報に開示されたスカートガード間隙調整方法に係る技術を適用しても良い。これらを組み合わせた構成として、スカートガード5の据付けの点検を実施する。
即ち、実施の形態3の構成では、ガイドシュー6、或いは、点検用ガイドシュー7の軌道と、ステップ4の踏板部4aの軌道と、は異なるものの、各装置を組み合わせることで、同時に点検が可能になる。この同時点検は、乗客コンベア1の一度の運転により点検用ガイドシュー7の通過部におけるスカートガード5の異常箇所、及び法規上定められるステップ4の踏板部4aとスカートガード5との隙間幅寸法の双方が検出の対象となる。
但し、実施の形態3の構成においても、実施の形態1、或いは、実施の形態2で説明したようなマニュアル作業A、Bを同様に行う。点検用ガイドシュー7は、樹脂材料よりも摩擦係数の高いエラストマーを有する材料としたり、或いは、座面部10との嵌め合いに接着剤12を使用して接着固定を行うことで異音を励起させ易くしても良い。点検用ガイドシュー7を取り付けた対象ステップ4を上部反転位置1a又は下部反転位置1bの付近にまで移動させ、対象ステップ4又はその近隣のステップ4の踏板部4aに特許文献1、或いは、上記特許公報に係る技術の装置を固定する。
これ以降は、実施の形態1、或いは、実施の形態2で説明した異常検出処理の手順に従い、乗客コンベア1の運転により点検用ガイドシュー7の摺動による異常音と、ステップ4の踏板部4a及びスカートガード5の隙間幅測定と、を同時に行う。作業者は、それぞれの出力を確認することで検出されたスカートガード5の異常箇所を認識し、異常検出処理が終了となる。
尚、本発明の異常検出装置は、上記各実施の形態に限定されることはなく、これらの特徴の可能な組合せを全て含むものである。殊に、点検用ガイドシュー7については、摺動性樹脂材料よりも高い摩擦係数を有するエラストマー材料で形成されるか、ガイドシュー6よりも高い摩擦係数を有する材料で形成されるか、ステップと接着固定される等、様々な形態にできる。また、点検用ガイドシュー7は、ガイドシュー6よりも、ステップ4に対して、強固に固着又は接着された形態にできる。更に、点検用ガイドシュー7は、ガイドシュー6よりも、ステップ4に対して、強固に支持された形態にすることもできる。
何れにしても、こうした形態とすることにより、摺動面への付着物、その他の機械部品の振動等、乗客コンベア1の外乱が含まれる場合でも、点検用ガイドシュー7を異音が発生し易い状態へと促すことができる。この結果、通常のガイドシュー6で異音が発生する前に点検用ガイドシュー7によって、スカートガード5の異常箇所を適確に検出することができる。
1 乗客コンベア、1a 上部反転位置、1b 下部反転位置、1c 機械室、2 ステップチェーン、3 ステップ軸、4 ステップ、5 スカートガード、6 ガイドシュー、6a 基部、6b 脚部、6c 爪部、6d 凸部、7 点検用ガイドシュー、8 踏板部、9 ブラケット、10 座面部、10a 挿入穴、10b キリ穴、10c 溝、11 係合部、12 接着剤、13 音信号取得部、14 音信号解析部、15 制御装置、16 ネットワーク、17 外部装置、18 記憶部、19 コマンド受信部、20 入力制御部、21 情報取得部、22 演算部、23 指令部、24 表示制御部、25 制御盤、26 入力装置、27 表示装置。

Claims (6)

  1. 立設するスカートガードに沿って、ステップに取り付けられたガイドシューが摺動することにより、当該ステップが案内される構造の乗客コンベアの点検作業時において、当該スカートガードの異常を検出する乗客コンベア異常検出装置であって、
    前記ステップに取り付けられる点検用ガイドシューと、
    前記点検用ガイドシューの周囲の音波を音信号に変換する音信号取得部と、
    前記ステップを走行させるための運転を指令する指令部と、
    前記指令部により前記ステップを走行させた状態で前記音信号取得部によって取得された前記音信号を解析して、音圧又は主周波数を抽出する音信号解析部と、
    前記音信号解析部で抽出した前記音圧又は前記主周波数に基づいて、前記スカートガードの異常箇所を特定する異常判定部と、を備える
    乗客コンベア異常検出装置。
  2. 前記点検用ガイドシューは、摺動性樹脂材料よりも高い摩擦係数を有するエラストマー材料で形成された
    請求項1に記載の乗客コンベア異常検出装置。
  3. 前記点検用ガイドシューは、前記ガイドシューよりも高い摩擦係数を有する材料で形成された
    請求項1に記載の乗客コンベア異常検出装置。
  4. 前記点検用ガイドシューは、前記ステップと接着固定された
    請求項1〜3の何れか1項に記載の乗客コンベア異常検出装置。
  5. 前記点検用ガイドシューは、前記ガイドシューよりも、前記ステップに対して、強固に固着又は接着された
    請求項1〜3の何れか1項に記載の乗客コンベア異常検出装置。
  6. 前記点検用ガイドシューは、前記ガイドシューよりも、前記ステップに対して、強固に支持された
    請求項1〜3の何れか1項に記載の乗客コンベア異常検出装置。
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