JP6670346B2 - 車両後部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両後部構造に関する。
車両後部構造として、特許文献1には、車体後部のサイドフレームの下方にスプリング受け部を設け、かかるスプリング受け部によってサスペンションのスプリングを受ける構造が記載されている。
特開2016−117308号公報
かかる構造では、サスペンションのスプリングによって発生する上下振動がサイドフレームに伝達される。また、サイドフレームには、車体の捩れによる負荷も作用する。
本発明は、前記した点に鑑みて創案されたものであり、サイドフレームに作用する上下方向及び捩れ方向の荷重に対する強度を向上することが可能な車両後部構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の車両後部構造は、車両後部で前後方向に延設されるサイドフレームと、前記サイドフレームの下側に固定されてサスペンションのスプリングを受けるスプリング受け部と、前記スプリング受け部の上方において前記サイドフレームを補強する補強部材と、を備え、前記補強部材は、補強底壁部と、前記補強底壁部の車幅方向端部から延設される補強側壁部と、前記補強側壁部から前後方向に延設される前後一対のフランジ部と、を備え、前記前後一対のフランジ部は、前記サイドフレームの側壁部に固定される第一の固定部であり、前記補強底壁部は、前記サイドフレームの底壁部に固定される第二の固定部であり、前記第二の固定部は、前記第一の固定部の前後方向における中間部に位置し、前側の前記フランジ部の前端部は、前記補強底壁部の前端部よりも前方に位置し、後側の前記フランジ部の後端部は、前記補強底壁部の後端部よりも後方に位置することを特徴とする。
本発明によれば、サイドフレームの底壁部及び側壁部に固定される補強部材がサスペンション受け部の上方に設けられているので、サイドフレームに作用する上下方向及び捩れ方向の荷重に対する強度を向上することができる。
本発明の実施形態に係る車両後部構造を模式的に示す平面図である。 図1のII−II線断面図である。 (a)は、補強部材の取付部位を模式的に示す斜視図であり、(b)は、補強部材の取付部位を模式的に示す平面図である。 図1のIV−IV線断面図である。
次に、本発明の実施形態に係る車両後部構造について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明において、前後、左右、上下等といった方向を表す表現は、車両の乗員(運転者)を基準とする。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る車両後部構造1は、左右一対の構造として、サイドフレーム10,10、スプリング受け部20,20、補強部材30,30、第一のバルクヘッド40,40及び第二のバルクヘッド50,50を備えるとともに、左右一対のサイドフレーム10,10に架設されるクロスメンバ60を備える。かかる車両後部構造1は、車両のフロアパネル(図示せず)の下側の構造である。
<サイドフレーム>
サイドフレーム(リアサイドフレーム)10は、車両の後部かつ車幅方向端部において前後方向に延設される金属製の骨格部材である。サイドフレーム10の前端部は、サイドシル2に固定されている。また、左右一対のサイドフレーム10,10の前端部間には、フロアクロスメンバ3が架設されている。
図2に示すように、サイドフレーム10は、前後方向に延びる底壁部11と、底壁部11の車幅方向内端部から上方へ延設される内壁部(側壁部)12と、底壁部11の車幅方向外端部から上方へ延設される外壁部(側壁部)13と、内壁部12の上端部から車幅方向内方へ延設されるフランジ部14と、外壁部13の上端部から車幅方向外方へ延設されるフランジ部15と、を一体に備える。フランジ部14,15は、車両のフロアパネル(図示せず)の下面に溶接等によって接合されている。すなわち、サイドフレーム10は、正面視でフロアパネルと共に閉断面を構成する。
図3(a)に示すように、外壁部13には、上下方向に延設される前後一対の稜線13a,13bが形成されている。外壁部13は、稜線13a,13b間において車幅方向外方に屈曲形成されている。
<スプリング受け部>
図2に示すように、スプリング受け部20は、車両における左右後輪のサスペンションに設けれられるスプリング4を受ける金属製の部材である。スプリング受け部20は、平面視で円形を呈する底壁部21と、底壁部21の周縁部から上方へ延設される円筒形状の筒壁部22と、筒壁部22の上端部から径方向外方へ延設される平面視で環状のフランジ部23と、を一体に備える。フランジ部23の車幅方向外部は、サイドフレーム10の底壁部11の下面に溶接等によって接合されている。フランジ部23の車幅方向内部は、後記するクロスメンバ60の底壁部61を介して、サイドフレーム10の底壁部21の下面に溶接等によって接合されている。車両後部構造1において、サスペンションのスプリング4の上端部は、筒壁部22に外嵌されてフランジ部23の下面に当接する。なお、スプリング受け部20のフランジ部23とスプリング4の上端部との間には、ラバー等の緩衝部材が設けられている構成であってもよい。
<補強部材>
図3に示すように、補強部材30は、スプリング受け部20の上方においてサイドフレーム10を補強する金属製の部材(スティフナ)である。すなわち、補強部材30は、平面視でスプリング受け部20と重なる位置に設けられている。
補強部材30は、補強底壁部31と、補強底壁部31の車幅方向外端部から上方へ延設される補強側壁部32と、補強側壁部32の前端部から前方へ延設されるフランジ部33と、補強側壁部32の後端部から後方へ延設されるフランジ部34と、を一体に備える。フランジ部33,34は、補強側壁部32から車幅方向外方に屈曲形成されている。フランジ部33の前端部は、補強底壁部31の前端部よりも前方に位置しており、フランジ部34の後端部は、補強底壁部31の後端部よりも後方に位置している。
フランジ部33,34は、前後一対の稜線13a,13b間において、サイドフレーム10の外壁部13の内面(車幅方向内側面)に溶接等によって接合されている。すなわち、フランジ部33,34は、サイドフレーム10の外壁部13に固定される第一の固定部を構成する。ここでフランジ部33は、補強底壁部31と比較して、前側の稜線13aの近傍まで延設されており、フランジ部34は、補強底壁部31と比較して、後側の稜線13bの近傍まで延設されている。
補強底壁部31は、サイドフレーム10の底壁部11の上面に溶接等によって接合されている。すなわち、補強底壁部31は、サイドフレーム10の底壁部11に固定される第二の固定部を構成する。本実施形態において、補強底壁部31には、下方へ窪む複数の凹部31a,31bが形成されている。
凹部31aは、平面視でスプリング受け部20のフランジ部23と重なる位置に設けられており、底壁部11及びフランジ部23に三枚重ねで溶接されている。凹部31bは、平面視でスプリング受け部20のフランジ部23とオフセットする位置(一部が重なる場合もある)に設けられており、底壁部11に二枚重ねで溶接されている。
かかる車両後部構造1において、サイドフレーム10には、スプリング4による上下振動がスプリング受け部20を介して作用する(図2の矢印X1参照)。また、サイドフレーム10には、車体の捩れによって外壁部13を車幅方向内方へ倒そうとする荷重が作用する(図2の矢印X2参照)。車両後部構造1は、サイドフレーム10の底壁部11及び外壁部13に固定される補強部材30を備えることによって、サイドフレーム10に作用する上下方向及び捩れ方向の荷重に対する強度を向上することができる。また、車両後部構造1は、補強部材30の補強底壁部31がフランジ部33,34の間で固定されていることによって、上下方向の荷重(上下振動)に対する強度をより好適に向上することができる。
<第一のバルクヘッド>
図4に示すように、第一のバルクヘッド40は、サイドフレーム10において補強部材30の前方に設けられる金属製の部材である。第一のバルクヘッド40は、サイドフレーム10上に設けられるフロアパネルにおいて、座席(リアシート)が固定される部位を補強するためのものであり、内壁部12及び外壁部13間の距離と略同等の幅を有し、側面視でサイドフレーム10の底壁部11と共に閉断面を構成する。本実施形態において、サイドフレーム10の底壁部11において第一のバルクヘッド40が設けられる部位は、スティフナ5によって補強されている。
第一のバルクヘッド40は、前後方向に延びる上壁部41と、上壁部41の前端部から下方へ延設される前壁部42と、上壁部41の後端部から下方へ延設される後壁部43と、前壁部42の下端部から前方へ延設されるフランジ部44と、後壁部43の下端部から後方へ延設されるフランジ部45と、前壁部42の車幅方向外端部から前方へ延設されるフランジ部46と、後壁部43の車幅方向外端部から後方へ延設されるフランジ部47と、を一体に備える。前壁部42及び後壁部43の下端部は、底壁部11と当接する。フランジ部44,45は、サイドフレーム10の底壁部11の上面に溶接等によって接合されている。フランジ部46,47は、サイドフレーム10の外壁部13の内面(車幅方向内側面)に溶接等によって接合されている。
なお、第一のバルクヘッド40は、フランジ部44に代えて、前壁部42の下端部かつ車幅方向内端部から前方へ延設されるフランジ部を備える構成であってもよい。かかるフランジ部は、サイドフレーム10の内壁部12の内面(車幅方向外側面)に溶接等によって接合される。また、この場合には、フランジ部46も、前壁部42の下端部かつ車幅方向内端部から前方へ延設されることが好ましい。
また、第一のバルクヘッド40は、後壁部43の車幅方向内端部から後方へ延設されるフランジ部を備える構成であってもよい。かかるフランジ部は、サイドフレーム10の内壁部12の内面(車幅方向外側面)に溶接等によって接合される。
<第二のバルクヘッド>
第二のバルクヘッド50は、サイドフレーム10において補強部材30の後方に設けられる金属製の部材である。第二のバルクヘッド50は、サイドフレーム10において、当該サイドフレーム10下に設けられるマフラーを吊り下げる部位を補強したり、四輪駆動用のデフを取り付けたりするためのものであり、内壁部12及び外壁部13間の距離と略同等の幅を有し、側面視でサイドフレーム10の底壁部11と共に閉断面を構成する。
第二のバルクヘッド50は、前後方向に延びる上壁部51と、上壁部51の前端部から下方へ延設される前壁部52と、上壁部51の後端部から下方へ延設される後壁部53と、前壁部52の下端部から前方へ延設されるフランジ部54と、後壁部53の下端部から後方へ延設されるフランジ部55と、前壁部52の車幅方向外端部から前方へ延設されるフランジ部56と、上壁部51の車幅方向外端部から上方へ延設されるフランジ部57と、を一体に備える。前壁部52及び後壁部53の下端部は、底壁部11と当接する。フランジ部54,55は、サイドフレーム10の底壁部11の上面に溶接等によって接合されている。フランジ部56,57は、サイドフレーム10の外壁部13の内面(車幅方向内側面)に溶接等によって接合されている。
なお、第二のバルクヘッド50は、前壁部52の車幅方向内端部から前方へ延設されるフランジ部58と、後壁部53の車幅方向内端部から後方へ延設されるフランジ部59と、を備える(図1参照)。フランジ部58,59は、サイドフレーム10の内壁部12の内面(車幅方向外側面)に溶接等によって接合されている。
<クロスメンバ>
図1に示すように、クロスメンバ(リアクロスメンバ)60は、フロアクロスメンバ3よりも後方において、左右一対のサイドフレーム10,10に架設される金属製の骨格部材である。クロスメンバ60は、左右に延びる底壁部61と、底壁部61の前端部から上方へ延設される前壁部62と、底壁部61の後端部から上方へ延設される後壁部63と、前壁部62の上端部から前方へ延設されるフランジ部64と、後壁部63の上端部から後方へ延設されるフランジ部65と、を一体に備える。フランジ部64,65は、車両のフロアパネル(図示せず)の下面に溶接等によって接合されている。すなわち、クロスメンバ60は、側面視でフロアパネルと共に閉断面を構成する。
クロスメンバ60の底壁部61の車幅方向端部は、サイドフレーム10の底壁部11の下面に溶接等によって接合されている(図2参照)。クロスメンバ60のフランジ部64,65の車幅方向端部は、屈曲形成されており、サイドフレーム10のフランジ部14、内壁部12及び底壁部11の下面に溶接等によって接合されている。
本発明の実施形態に係る車両後部構造1は、車両後部で前後方向に延設されるサイドフレーム10と、前記サイドフレーム10の下側に固定されてサスペンションのスプリング4を受けるスプリング受け部20と、前記スプリング受け部20の上方において前記サイドフレーム10を補強する補強部材30と、を備え、前記補強部材30は、前記サイドフレーム10の側壁部(外壁部13)に固定される第一の固定部(補強底壁部31)と、前記サイドフレーム10の底壁部11に固定される第二の固定部(フランジ部33,34)と、を備え、前記第二の固定部は、前記第一の固定部の前後方向における中間部に位置することを特徴とする。
したがって、車両後部構造1は、サイドフレーム10の底壁部11及び側壁部(外壁部13)に固定される補強部材30がスプリング受け部20の上方に設けられているので、サイドフレーム10に作用する上下方向及び捩れ方向の荷重に対する強度を向上することができる。
また、車両後部構造1は、前記補強部材30が、前記第二の固定部としての補強底壁部31と、前記補強底壁部31の車幅方向端部から延設される補強側壁部32と、前記補強側壁部32から前後方向に延設される前記第一の固定部としての前後一対のフランジ部33,34と、を備え、前側の前記フランジ部33の前端部は、前記補強底壁部31の前端部(より詳細には、固定部位である凹部31a,31bの前端部)よりも前方に位置し、後側の前記フランジ部34の後端部は、前記補強底壁部31の後端部(より詳細には、固定部位である凹部31a,31bの後端部)よりも後方に位置することを特徴とする。
したがって、車両後部構造1は、一対のフランジ部33,34が補強底壁部31よりも前後に延びているので、車体の捩れに伴うサイドフレーム10の側壁部(外壁部13)の倒れを好適に抑制することができる。
また、車両後部構造1は、前記サイドフレーム10の前記側壁部が、上下方向に延設される前後一対の稜線13a,13bを有し、前記補強部材30は、前記前後一対の稜線13a,13bの間に設けられており、前記前後一対のフランジ部33,34は、それぞれ、前記前後一対の稜線13a,13bの近傍まで延設されていることを特徴とする。
したがって、車両後部構造1は、補強部材30に作用する荷重を、比較的に強度が高いサイドフレーム10の稜線13a,13bに伝達させることができる。
また、車両後部構造1は、車幅方向に延設されて前記サイドフレーム10に固定されるクロスメンバ60を備え、前記クロスメンバ60は、前記補強部材30の下方において前記サイドフレーム10に固定されていることを特徴とする。
したがって、車両後部構造1は、サイドフレーム10に作用する捩れ方向の荷重を、補強部材30の設置場所からクロスメンバ60に伝達させることができる。
また、車両後部構造1は、側面視で前記サイドフレーム10の前記底壁部11と共に閉断面を構成するとともに、前記サイドフレーム10の前記側壁部(外壁部13)に固定される前後一対のバルクヘッド40,50を備え、前記補強部材30は、前記前後一対のバルクヘッド40,50の間に位置することを特徴とする。
したがって、車両後部構造1は、サイドフレーム10の側壁部(外壁部13)を倒そうとする捩れ方向の荷重に対する強度を好適に向上することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変形可能である。例えば、第一のバルクヘッド40は、座席が固定される部位を補強する部材とは別に設けられていてもよい。同様に、第二のバルクヘッド50は、マフラーが吊り下げられる部位を補強する部材とは別に設けられていてもよい。また、本発明の車両後部構造1は、四輪駆動車以外の車両に適用される場合には、第二のバルクヘッド50を省略する構成であってもよい。
1 車両後部構造
2 スプリング
10 サイドフレーム
11 底壁部
13 外壁部(側壁部)
13a,13b 稜線
20 スプリング受け部
30 補強部材
31 補強底壁部(第二の固定部)
32 補強側壁部
33,34 フランジ部(第一の固定部)
40 第一のバルクヘッド(バルクヘッド)
50 第二のバルクヘッド(バルクヘッド)
60 クロスメンバ

Claims (4)

  1. 車両後部で前後方向に延設されるサイドフレームと、
    前記サイドフレームの下側に固定されてサスペンションのスプリングを受けるスプリング受け部と、
    前記スプリング受け部の上方において前記サイドフレームを補強する補強部材と、
    を備え、
    前記補強部材は、
    補強底壁部と、
    前記補強底壁部の車幅方向端部から延設される補強側壁部と、
    前記補強側壁部から前後方向に延設される前後一対のフランジ部と、
    を備え、
    前記前後一対のフランジ部は、前記サイドフレームの側壁部に固定される第一の固定部であり、
    前記補強底壁部は、前記サイドフレームの底壁部に固定される第二の固定部であり、
    前記第二の固定部は、前記第一の固定部の前後方向における中間部に位置し、
    前側の前記フランジ部の前端部は、前記補強底壁部の前端部よりも前方に位置し、
    後側の前記フランジ部の後端部は、前記補強底壁部の後端部よりも後方に位置する
    ことを特徴とする車両後部構造。
  2. 前記サイドフレームの前記側壁部は、上下方向に延設される前後一対の稜線を有し、
    前記補強部材は、前記前後一対の稜線の間に設けられており、
    前記前後一対のフランジ部は、それぞれ、前記前後一対の稜線の近傍まで延設されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両後部構造。
  3. 車幅方向に延設されて前記サイドフレームに固定されるクロスメンバを備え、
    前記クロスメンバは、前記補強部材の下方において前記サイドフレームに固定されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両後部構造。
  4. 側面視で前記サイドフレームの前記底壁部と共に閉断面を構成するとともに、前記サイドフレームの前記側壁部に固定される前後一対のバルクヘッドを備え、
    前記補強部材は、前記前後一対のバルクヘッドの間に位置する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両後部構造。
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