JP6668793B2 - 半導体レーザ光源装置及び半導体レーザ光源装置の製造方法 - Google Patents

半導体レーザ光源装置及び半導体レーザ光源装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体レーザ光源装置及び半導体レーザ光源装置の製造方法に関する。
従来、流体の流れや速度を計測する方法として、PIV(Particle Image Velocimetry)と呼ばれる技術が知られている。PIVとは、流体にトレーサ粒子と呼ばれる微小粒子を混入し、当該トレーサ粒子にシート状のレーザ光を照射して得られる散乱光を撮影することで、流体の流動を二次元的に計測する技術である。
上記のPIVにおいて、従来、光源として高出力を得られる固体レーザやガスレーザが用いられていた。例えば特許文献1には、PIVの光源にNd:YAGレーザを使用することが記載されている。また特許文献2には、PIVの光源にアルゴンレーザを使用することが記載されている。
特開2007−085784号公報 特開2010−117190号公報
近年、固体光源技術の進歩に伴い、PIVの光源として固体レーザやガスレーザに代わり半導体レーザを利用することが検討されてきている。特に、高出力を実現する観点から、レーザ光を射出するエミッタを複数備える半導体レーザアレイを利用することが検討されてきている。
しかし、本発明者の鋭意研究によれば、半導体レーザアレイをPIVの光源に用いると、シート状のレーザ光の厚みが拡大することが分かった。
上記のようにPIVは、流体が存在する三次元空間にシート状のレーザ光を照射することで、流体の流動を二次元的に計測する技術である。そのため、シート状のレーザ光の厚みが大きいほど二次元化の精度が低下し、計測結果の精度も低下する。従って、半導体レーザをPIVの光源に使用する場合において、シート状のレーザ光の厚みが拡大することを抑制可能な技術が望まれる。
上記の要望は、PIVに限らず、半導体レーザを光源に使用してシート状のレーザ光を形成する場合に共通する。例えば、シート状のレーザ光を照射する照明装置や、シート状のレーザ光を利用して物体の形状等を計測する計測装置においても同様に、厚みが拡大することを抑制可能な技術が求められる。
本発明は、半導体レーザを光源に使用してシート状のレーザ光を形成する場合において、シート状のレーザ光の厚みが拡大することを抑制可能な技術を提供することを目的とする。
本発明の半導体レーザ光源装置は、サブマウントと、前記サブマウントの上面に載置されるハンダ層と、第一の方向に並ぶ複数のエミッタを含み、前記ハンダ層により前記サブマウントと接合される半導体レーザアレイと、複数の前記エミッタから射出されるレーザ光を、前記第一の方向に直交し、且つ、前記サブマウントの前記上面に垂直な第二の方向において、平行に変換するレンズと、を有し、前記レンズは、前記エミッタごとに、当該エミッタから射出される前記レーザ光を前記第二の方向において平行に変換するレンズ領域を含み、少なくとも二つの前記レンズ領域の光軸が、前記第二の方向においてずれていることを特徴とする。
上記構成によれば、少なくとも二つのレンズ領域において、レンズ領域の光軸が同一平面上に位置しない。これにより、エミッタの第二の方向における位置にズレが生じた場合でも、レンズ領域から射出される平行光はレンズ領域の光軸と比較的小さい角をなす。その結果、シート状のレーザ光の厚みが拡大することを抑制できる。詳細は発明を実施するための形態の欄で説明する。
また、上記構成において、前記半導体レーザアレイは、前記第一の方向及び前記第二の方向に直交する第三の方向からみたとき、端部から中央に向かうほど前記サブマウントに接近するように湾曲し、前記レンズは、前記第三の方向からみたとき、端部から中央に向かうほど前記レンズ領域の光軸が前記サブマント側に位置するように湾曲するものとしても構わない。
上記構成によれば、半導体レーザアレイは、第一の方向及び第二の方向に直交する第三の方向からみたとき、サブマウントに向かう方向に突き出すように湾曲する。また、レンズは、第三の方向からみたとき、サブマウント側に突き出すように湾曲する。即ち、半導体レーザアレイ及びレンズが同様の方向に湾曲する。これにより、エミッタの第二の方向における位置にズレが生じた場合でも、シート状のレーザ光の厚みが拡大することを抑制できる。詳細は発明を実施するための形態の欄で説明する。
また、上記構成において、上面に第一接着剤と、前記第一接着剤に比べて収縮率の大きい材料によって構成される第二接着剤とが載置され、前記第一接着剤及び前記第二接着剤により前記レンズと接着されるレンズマウントを有し、前記レンズの中央及び前記レンズマウントの間に前記第二接着剤が介在し、前記レンズの端部及び前記レンズマウントの間に前記第一接着剤が介在するものとしても構わない。
上記構成によれば、第一接着剤及び第二接着剤を硬化すると、レンズの中央とレンズマウントの間に介在する第二接着剤が大きく収縮するのに対し、レンズの端部とレンズマウントの間に介在する第一接着剤は小さく収縮する。そのため、第一接着剤及び第二接着剤の収縮に伴い、第三の方向からみてレンズマウントに向かう方向に突き出すように湾曲したレンズを実現できる。
また、上記構成において、接着剤を収納する凹部が形成され、前記接着剤により前記レンズと接着されるレンズマウントを有し、前記レンズの中央及び前記レンズマウントの間に前記接着剤が介在し、前記レンズの端部及び前記レンズマウントの間に前記接着剤が介在しないものとしても構わない。
上記構成によれば、レンズの中央が接着剤によって接着され、レンズの端部が接着剤によって接着されない。そのため接着剤を硬化することで、接着剤の収縮に伴いレンズを湾曲させることができる。即ち、第三の方向からみてレンズマウントに向かう方向に突き出すように湾曲したレンズを実現できる。
また、上記構成において、上面に接着剤が載置され、前記接着剤により前記レンズと接着されるレンズマウントを有し、前記レンズの端部及び前記レンズマウントの間に前記接着剤が介在し、前記レンズの中央及び前記レンズマウントの間に前記接着剤が介在しないものとしても構わない。
上記構成によれば、第三の方向からみて下向きに突き出すように湾曲したレンズをレンズマウント上に接着できる。
また、上記構成において、前記レンズは、シリンドリカルレンズであるものとしても構わない。
また、上記構成において、前記半導体レーザアレイは、端面発光型の半導体レーザであり、前記第一の方向は遅軸方向であり、前記第二の方向は速軸方向であるものとしても構わない。
また、上記の半導体レーザ光源装置の製造方法であって、前記サブマウントを準備する工程(a)と、前記サブマウントの上面にハンダ層を載置する工程(b)と、前記半導体レーザアレイを準備する工程(c)と、前記ハンダ層により前記サブマウントに前記半導体レーザアレイを接合する工程(d)と、前記レンズを準備する工程(e)と、前記レンズマウントを準備する工程(f)と、前記レンズマウントに、前記第一接着剤及び前記第二接着剤を載置する工程(g)と、前記第一接着剤及び前記第二接着剤により前記レンズマウントに前記レンズを接着する工程(h)と、を有し、前記工程(g)は、前記第二接着剤が前記レンズの中央に接し、前記第一接着剤が前記レンズの端部に接するように載置する工程であり、前記工程(h)は、前記レンズの中央が前記第二接着剤に接し、前記レンズの端部が前記第一接着剤に接するように、前記レンズを載置する工程(h1)と、前記第一接着剤及び前記第二接着剤を硬化する工程(h2)と、を含むものとしても構わない。
上記製造方法によれば、第一接着剤及び第二接着剤を硬化することにより、レンズを第三の方向からみてレンズマウントに向かう方向に突き出すように湾曲させることができる。
また、上記の半導体レーザ光源装置の製造方法であって、前記サブマウントを準備する工程(a)と、前記サブマウントの上面にハンダ層を載置する工程(b)と、前記半導体レーザアレイを準備する工程(c)と、前記ハンダ層により前記サブマウントに前記半導体レーザアレイを接合する工程(d)と、前記レンズを準備する工程(e)と、凹部が形成されたレンズマウントを準備する工程(i)と、前記凹部の底面に接着剤を載置する工程(j)と、前記接着剤により前記レンズマウントに前記レンズを接着する工程(k)と、を有し、前記工程(k)は、前記レンズの中央が前記接着剤に接するように、前記レンズを載置する工程(k1)と、前記接着剤を硬化する工程(k2)と、を含むものとしても構わない。
上記製造方法によれば、接着剤を硬化することにより、レンズを第三の方向からみてレンズマウントに向かう方向に突き出すように湾曲させることができる。
本発明の半導体レーザ光源装置及び半導体レーザ光源装置の製造方法によれば、シート状のレーザ光を形成する場合に、シート状のレーザ光の厚みが拡大することを抑制することができる。
PIVの概要を説明するための模式図である。 第一実施形態の半導体レーザ光源装置を説明するための模式図である。 半導体レーザアレイから射出されるレーザ光を説明するための模式図である。 第一実施形態の半導体レーザ光源装置を説明するための模式図である。 第一実施形態の半導体レーザ光源装置をA−A線で切断したときの模式的な断面図である。 第一実施形態の半導体レーザ光源装置の製造方法を説明するための模式図である。 第二実施形態の半導体レーザ光源装置を説明するための模式図である。 第三実施形態の半導体レーザ光源装置を説明するための模式図である。 比較例の半導体レーザ光源装置を説明するための模式図である。 比較例の半導体レーザ光源装置を説明するための模式図である。 実施形態の半導体レーザ光源装置による作用効果を説明するための模式図である。 別実施形態の半導体レーザ光源装置を説明するための模式図である。
実施形態の半導体レーザ光源装置及び半導体レーザ光源装置の製造方法につき、図面を参照して説明する。なお、各図において図面の寸法比と実際の寸法比は必ずしも一致しない。
(第一実施形態)
[PIVの概要]
第一実施形態における半導体レーザ光源装置1について説明する。半導体レーザ光源装置1は、一例としてPIV(Particle Image Velocimetry)の光源に使用される。まず初めに図1を参照してPIVの概要について説明する。
図1に示すように、半導体レーザ光源装置1は半導体レーザアレイ3を含む。図1では半導体レーザアレイ3の長手方向をy方向とし、半導体レーザアレイ3の短手方向をz方向とし、y方向及びz方向に直交する方向をx方向としている。なお、x方向が「第二の方向」に対応し、y方向が「第一の方向」に対応し、z方向が「第三の方向」に対応する。
半導体レーザ光源装置1は、シート状のレーザ光LSを射出する。以下、シート状のレーザ光LSを「レーザシートLS」と呼ぶ。レーザシートLSは、x方向に一定の厚みを有し、y方向に拡がりつつ進行する光である。一例として、レーザシートLSのx方向の厚みは1.5mmである。なお、レーザシートLSは、半導体レーザアレイ3からz方向に少なくとも1〜2m離れた領域において、y方向に1〜5m程度の幅を有している。すなわち、この領域においては、x方向の幅はy方向の幅と比較して極めて小さい。
詳細は後述するが、半導体レーザ光源装置1は、レーザ光Lを射出するエミッタを複数含み、各エミッタから射出されるレーザ光Lを、特定の方向に平行な平行光LPに変換する(図1参照)。本明細書において、「平行光」とは、x方向に一定の厚み(一例として、1mm)を有し、y方向に拡がりつつ進行する光である。なお、図1では便宜的に、4つのエミッタから射出されるレーザ光L、及び当該レーザ光が変換された後の光である平行光LPを示している。また、1つのエミッタから射出され、平行光に変換される前のレーザ光Lには右斜線を付し、変換された後の平行光LPには左斜線を付している。
図1に示すように、各エミッタからの平行光LPは、互いに重なり合うことによりレーザシートLSを形成する。なお、レーザシートLSは、全てのエミッタから射出された光が必ずしも重なり合う必要はなく、少なくとも複数のエミッタから射出された光が重なり合うことで形成されるものであればよい。
計測対象の流体には、トレーサ粒子12が混入されている。なお、図1では、流体自体は図示していないが、所定の流体内に多数のトレーサ粒子12が混入されており、この流体に対してレーザシートLSが照射された状況において、当該レーザシートLSが照射された領域内に位置しているトレーサ粒子12の一部のみが図示されている。トレーサ粒子12は、一例として、ポリスチレン等の樹脂からなる微小粒子、水及びオイルを噴霧化した微小な液滴、プラスチック製の微小粒子、煙等である。半導体レーザ光源装置1から射出されたレーザシートLSが、流体内のトレーサ粒子12に照射されると、散乱光が生成される。
撮影装置13は、トレーサ粒子12からの散乱光を撮影し、撮影した画像を画像処理装置15に出力する。なお、一例として撮影装置13は1秒間に1000フレームの画像を撮影する。画像処理装置15は、入力された画像を基に、流体の速度を算出する。なお、流体の速度の算出方法は既知の技術であるため(例えば上記の特許文献1及び特許文献2を参照)、本明細書では説明を省略する。
[構成]
続いて、半導体レーザ光源装置1の構成について説明する。図1に示すように、半導体レーザ光源装置1は、半導体レーザアレイ3、サブマウント5、ヒートシンク7、シリンドリカルレンズ9、及びレンズマウント11を備える。図1は、ヒートシンク7の上方にサブマウント5が配置され、サブマウント5の上方に半導体レーザアレイ3が配置されてなる半導体レーザ光源装置1を、上方から見たときの模式的な平面図として図示されている。なお図1には示されていないが、半導体レーザ光源装置1は、半導体レーザアレイ3及びサブマウント5の間、及び、サブマウント5及びヒートシンク7の間にハンダ層を含む。また、半導体レーザ光源装置1は、シリンドリカルレンズ9及びレンズマウント11の間に接着剤を含む。以下、図2から図4を参照して半導体レーザ光源装置1の構成について具体的に説明する。
図2は、図1の半導体レーザ光源装置1を紙面左方向、即ち−z方向にみたときの模式的な図である。なお図2において、紙面手前方向、即ちz方向にシリンドリカルレンズ9及びレンズマウント11が存在するが、説明の便宜上これらの図示を省略している。
半導体レーザアレイ3は、端面発光型の半導体レーザ素子がアレイ状に複数配置されて構成されている。半導体レーザアレイ3は、z方向に垂直な面(図面上はxy平面に対応する)である側面30を含み、この側面30からレーザ光を射出する。
半導体レーザアレイ3は、側面30上にy方向に複数配置された複数のエミッタ31を含む。図2に示される半導体レーザアレイ3では、エミッタ31の配置方向であるy方向が、半導体レーザアレイ3の長手方向に対応している。エミッタ31aは、y方向に関して側面30の中央に位置するエミッタであり、エミッタ31bは、y方向に関して側面30の一方の端部(即ち、y方向側の端部)に位置するエミッタである。一例として、半導体レーザアレイ3は、200μmのピッチで並ぶ20個のエミッタ31を含む。なお、図2では、便宜的に9個のエミッタ31を図示した。
以下では、エミッタ31aを「中央のエミッタ31a」と呼び、エミッタ31bを「端部のエミッタ31b」と呼ぶことがある。
各エミッタ31は、x方向及びy方向の双方に拡がりつつ進行するレーザ光を射出する。図3に、半導体レーザアレイ3の中央のエミッタ31aから射出されるレーザ光を示す。図3に示すように、レーザ光Lは、x方向及びy方向の双方に発散する。またレーザ光Lは、y方向に比べてx方向に大きく発散する。即ち、レーザ光Lのx方向における発散角は、y方向における発散角に比べて大きい。つまり、x方向が「速軸方向」に対応し、y方向が「遅軸方向」に対応する。なお、他のエミッタ31から射出されるレーザ光もレーザ光Lと同様に進行する。
図2に戻って説明を続ける。半導体レーザアレイ3は、ハンダ層4によりサブマウント5と接合されている。ハンダ層4は、サブマウント5の上面に載置されている。ハンダ層4は、加熱すると溶融し、その後温度が低下すると硬化する。ハンダ層4は、半導体レーザアレイ3及びサブマウント5を接合する。ハンダ層4が「ハンダ層」に対応する。
なお、サブマウント5の半導体レーザアレイ3側の面、即ち、x方向側の面を「上面」と呼ぶ。同様に、以下ではx方向側の面を「上面」と呼び、−x方向側の面を「下面」と呼ぶ。
図2に示すように、半導体レーザアレイ3は、端部から中央に向かうほどサブマウント5に接近するように湾曲している。換言すると、半導体レーザアレイ3は、サブマウント5に向かう方向(即ち、−x方向)に突き出すように湾曲している。半導体レーザアレイ3がこのように湾曲する理由については後述する。
半導体レーザアレイ3の温度は、レーザ光の射出に伴い上昇する。サブマウント5は、熱伝導率の高い材料により構成されており、半導体レーザアレイ3から生じる熱をヒートシンク7へ伝導する。
ハンダ層6は、ヒートシンク7の上面に載置される。ハンダ層6はハンダ層4と同様に、加熱すると溶融し、その後温度が低下すると硬化する。ハンダ層6は、サブマウント5及びヒートシンク7を接合する。
ヒートシンク7は、サブマウント5から伝導された熱を半導体レーザ光源装置1の外部へ放出する。ヒートシンク7は、熱伝導率の高い金属によって構成されている。なお、半導体レーザ光源装置1はヒートシンク7を備えないものとしても構わない。
続いて、図4を参照してシリンドリカルレンズ9及びレンズマウント11について説明する。図4は、図1の半導体レーザ光源装置1を紙面左方向、即ち−z方向にみたときの模式的な図である。なお図4において、紙面奥方向、即ち−z方向に半導体レーザアレイ3、ハンダ層4、サブマウント5、ハンダ層6、及びヒートシンク7が存在するが、説明の便宜上これらの図示を省略している。
図4に示すようにシリンドリカルレンズ9は、端部から中央に向かうほどレンズマウント11に接近するように湾曲している。換言すると、シリンドリカルレンズ9は、レンズマウント11に向かう方向(即ち、−x方向)に突き出すように湾曲している。即ち、シリンドリカルレンズ9は半導体レーザアレイ3と同様の方向に湾曲している。シリンドリカルレンズ9がこのように湾曲する理由については後述する。
シリンドリカルレンズ9は、y方向に並ぶ複数のレンズ領域91からなる。本実施形態では、シリンドリカルレンズ9は、エミッタ31と同数のレンズ領域91を含む。各レンズ領域91は、各エミッタ31に対向している。即ち、各エミッタ31から射出されるレーザ光は、対向するレンズ領域91に入射する。
レンズ領域91は、対向するエミッタ31から射出されるレーザ光を、x方向(即ち、速軸方向)において平行に変換する。図5を参照して具体的に説明する。図5に、図1の半導体レーザ光源装置1をA−A線で切断したときの模式的な断面図を示す。なお、A−A線はz方向に平行であり、半導体レーザアレイ3の中央のエミッタ31a(図2参照)を通過する。
図5に示すように、エミッタ31a及びレンズ領域91は対向し、当該エミッタ31aから射出されるレーザ光Lは、レンズ領域91に入射する。レーザ光Lは、レンズ領域91に入射前においてx方向に拡がって進行する。レンズ領域91は、レーザ光Lをx方向に一定の厚みを有するように変換する。換言すると、レンズ領域91は、レーザ光Lのx方向への発散を抑制する。なお、レーザ光をx方向に発散せずに一定の厚みを有するように変換することを、本明細書では「x方向において平行に変換する」と表現している。
また、レンズ領域91は、対向するエミッタ31aから射出されるレーザ光Lを、y方向(即ち、遅軸方向)において平行に変換しない。より具体的には、レンズ領域91は、当該レーザ光Lのy方向における発散を保持する(図1参照)。即ちレンズ領域91は、当該レーザ光Lのy方向における発散角を保持する。
このようにレンズ領域91は、対向するエミッタ31aから射出されるレーザ光Lを、x方向に一定の厚みを有し、y方向に拡がりつつ進行する平行光LPに変換する(図1及び図5参照)。図1及び図5を参照して、中央のエミッタ31aに対向するレンズ領域91について説明したが、他のエミッタ31に対向するレンズ領域91も同様に、対向するエミッタ31から射出されるレーザ光Lを、x方向に拡がることなくy方向に拡がって進行する平行光LPに変換する。なお、上述のように、各レンズ領域91から射出される平行光LPは図1に示されるように重なり合ってレーザシートLSを形成する。
図4に戻ってレンズマウント11について説明する。レンズマウント11の上面には、接着剤17及び接着剤19が載置される。接着剤17及び接着剤19は、光照射又は加熱により硬化する接着剤である。接着剤17及び接着剤19は、硬化すると収縮する。接着剤19を構成する材料の収縮率は、接着剤17を構成する材料の収縮率に比べて大きい。なお、接着剤17が「第一接着剤」に対応し、接着剤19が「第二接着剤」に対応する。
レンズマウント11は、接着剤17及び接着剤19によりシリンドリカルレンズ9と接着される。なお、シリンドリカルレンズ9の一方の端部(即ち、y方向側の端部)及び他方の端部(即ち、−y方向側の端部)は、接着剤17によりレンズマウント11に接着される。また、シリンドリカルレンズ9の中央は、接着剤19によりレンズマウント11に接着される。
[製法]
続いて、第一実施形態の半導体レーザ光源装置1の製造方法について説明する。なお、半導体レーザアレイ3が図2に示すように湾曲する理由、及び、シリンドリカルレンズ9が図4に示すように湾曲する理由についても併せて説明する。
<ステップ1〜7>
初めに半導体レーザアレイ3とサブマウント5を準備する(ステップ1)。続いて、サブマウント5の上面にハンダ層4を載置する(ステップ2)。続いて、ハンダ層4の上面に半導体レーザアレイ3を載置する(ステップ3)。続いて、ハンダ層4を加熱して溶融後、冷却することで半導体レーザアレイ3及びサブマウント5を接合する(ステップ4)。続いて、ヒートシンク7の上面にハンダ層6を載置する(ステップ5)。続いて、半導体レーザアレイ3が接合されたサブマウント5をハンダ層6の上面に載置する(ステップ6)。続いて、ハンダ層6を加熱して溶融後、冷却することで半導体レーザアレイ3が接合されたサブマウント5及びヒートシンク7を接合する。(ステップ7)。なお、ステップ1が工程(a)及び工程(c)に対応する。また、ステップ2が工程(b)に対応し、ステップ3及びステップ4が工程(d)に対応する。
ここで、半導体レーザアレイ3が図2に示すように湾曲する理由について説明する。ステップ4において、ハンダ層4の加熱/冷却に伴い半導体レーザアレイ3及びサブマウント5も併せて加熱/冷却される。即ち、半導体レーザアレイ3及びサブマウント5もハンダ層4と同様に、加熱により膨張し、冷却により収縮する。ここで、半導体レーザアレイ3及びサブマウント5は、異なる材料によって構成されている。そのため、半導体レーザアレイ3を構成する材料の熱膨張係数、及び、サブマウント5を構成する材料の熱膨張係数は相違する。一例として、半導体レーザアレイ3はGaAsにより構成され、サブマウント5はAlNにより構成されている。また、GaAsの熱膨張係数は6.6×10−6/Kであり、AlNの熱膨張係数は4.6×10−6/Kである。このように、半導体レーザアレイ3の熱膨張係数は、サブマウント5の熱膨張係数に比べて大きい。そのため、半導体レーザアレイ3がサブマウント5に比べて大きく収縮する結果、図2に示すようにサブマウント5に向かう方向(即ち、−x方向)に突き出すように湾曲する。
<ステップ8、9>
半導体レーザ光源装置1の製造方法の説明に戻る。ステップ7を終了後、シリンドリカルレンズ9を準備する(ステップ8)。ステップ8において準備されるシリンドリカルレンズ9は、図6に示すように、湾曲しておらず、y方向に延伸している。続いて、レンズマウント11を準備する(ステップ9)。なお、ステップ9において、次のような要件を満たすレンズマウント11を準備する。即ち、シリンドリカルレンズ9に、半導体レーザアレイ3の各エミッタ31から射出されるレーザ光が入射可能となるように、高さ(x方向の長さ)が調整されたレンズマウント11を準備する。なお、ステップ8が工程(e)に対応し、ステップ9が工程(f)に対応する。
<ステップ10>
続いて、レンズマウント11の上面に接着剤17及び接着剤19を載置する(ステップ10)。ステップ10において、接着剤17は、接着剤19を介して向かい合うようにレンズマウント11の上面に載置される。また、接着剤17及び接着剤19は、接着剤19がシリンドリカルレンズ9の中央に接し、接着剤17がシリンドリカルレンズ9の端部が接するように載置される。なお、ステップ10が工程(g)に対応する。
<ステップ11、12>
続いて、シリンドリカルレンズ9の中央が接着剤19に接し、端部が接着剤17に接するように、シリンドリカルレンズ9を載置する(ステップ11)。続いて、接着剤17及び接着剤19を硬化することで、シリンドリカルレンズ9及びレンズマウント11を接着する(ステップ12)。接着剤17及び接着剤19が光硬化型の接着剤である場合には、ステップ12において当該接着剤に光を照射する。また、接着剤17及び接着剤19が熱硬化型の接着剤である場合には、ステップ12において当該接着剤を加熱する。シリンドリカルレンズ9は、ステップ12によりレンズマウント11に接着されると、図4に示すように湾曲する。なお、ステップ11が工程(h1)に対応し、ステップ12が工程(h2)に対応する。
続いて、シリンドリカルレンズ9が図4に示すように湾曲する理由について説明する。上記のように、シリンドリカルレンズ9の中央は、接着剤19に接し、シリンドリカルレンズ9の端部は接着剤17に接する。また、接着剤19を構成する材料の収縮率は、接着剤17を構成する材料の収縮率に比べて大きい。そのため、シリンドリカルレンズ9の中央は接着剤19の硬化に伴い大きく収縮し、端部は接着剤17の硬化に伴い小さく収縮する結果、シリンドリカルレンズ9は、レンズマウント11に向かう方向(即ち、−x方向)に突き出すように湾曲する(図4参照)。
(第二実施形態)
[構成]
続いて、第二実施形態の半導体レーザ光源装置について説明する。第二実施形態の半導体レーザ光源装置は、第一実施形態の半導体レーザ光源装置1と、レンズマウントの構成及び当該レンズマウントにシリンドリカルレンズを接着する方法が異なり、他の構成は同様である。以下、第二実施形態が第一実施形態と相違する点について図7を参照して説明する。
第二実施形態の半導体レーザ光源装置は、レンズマウント11に代わり、図7(a)に示すレンズマウント21を備える。図7(a)は、レンズマウント21を−z方向(図1参照)にみたときの模式図である。レンズマウント21には、底面22を含む凹部23が形成されている。
図7(b)は、第二実施形態の半導体レーザ光源装置を−z方向(図1参照)にみたときの模式的な図である。なお、説明の便宜上、半導体レーザアレイ3、ハンダ層4、サブマウント5、ハンダ層6、及びヒートシンク7の図示を省略している。図7(b)に示すように、レンズマウント21の凹部23の底面22には、接着剤24が載置されている。
レンズマウント21は、接着剤24によりシリンドリカルレンズ9と接着される。接着剤24は、第一実施形態における接着剤17及び接着剤19と同様に、光照射又は加熱により硬化する接着剤である。また、接着剤24は硬化すると収縮する。図7(b)に示すように、シリンドリカルレンズ9の中央及びレンズマウント21の間には接着剤24が介在し、シリンドリカルレンズ9の端部及びレンズマウント21の間には接着剤24が介在しない。
[製法]
続いて、第二実施形態の半導体レーザ光源装置の製造方法について説明する。
<ステップ1〜7>
まず、第一実施形態の半導体レーザ光源装置1の製造方法におけるS1〜S7までの工程を行う。詳細は第一実施形態にて記載の通りであるため説明を省略する。
<ステップ8、9>
ステップ7を終了後、シリンドリカルレンズ9を準備する(ステップ8)。第一実施形態と同様に、ステップ8において準備されるシリンドリカルレンズ9は、湾曲しておらず、y方向に延伸している(図6参照)。続いて、レンズマウント21を準備する(ステップ9)。なおステップ9において、第一実施形態と同様に、シリンドリカルレンズ9に半導体レーザアレイ3の各エミッタ31から射出されるレーザ光が入射可能となるように、高さ(x方向の長さ)が調整されたレンズマウント21を準備する。なお、ステップ8が工程(e)に対応し、ステップ9が工程(i)に対応する。
<ステップ10〜12>
続いて、レンズマウント21の凹部23の底面22に接着剤24を載置する(ステップ10)。続いて、シリンドリカルレンズ9を接着剤24の上面に載置する(ステップ11)具体的には、シリンドリカルレンズ9の中央が接着剤24に接するように載置する。続いて、接着剤24を光照射または加熱により硬化することで、シリンドリカルレンズ9及びレンズマウント21を接着する(ステップ12)。なお、ステップ10が工程(j)に対応し、ステップ11が工程(k1)に対応し、ステップ12が工程(k2)に対応する。
なおシリンドリカルレンズ9は、ステップ12によりレンズマウント21に接着されると、図7(b)に示すように湾曲する。上記のように、シリンドリカルレンズ9の中央は接着剤24に接するが、シリンドリカルレンズ9の端部は接着剤24に接しない。そのため、シリンドリカルレンズ9の中央が接着剤24の硬化に伴い収縮する結果、シリンドリカルレンズ9は、レンズマウント11に向かう方向(即ち、−x方向)に向かって突き出すように湾曲する。
(第三実施形態)
[構成]
続いて、第三実施形態の半導体レーザ光源装置について説明する。第三実施形態の半導体レーザ光源装置は、第一実施形態の半導体レーザ光源装置1と、シリンドリカルレンズ、及び、当該シリンドリカルレンズをレンズマウントに接着する方法が異なり、他の構成は同様である。以下、第三実施形態が第一実施形態と相違する点について図8を参照して説明する。
第三実施形態の半導体レーザ光源装置は、シリンドリカルレンズ9に代わり、図8(a)に示すシリンドリカルレンズ25を備える。図8(a)は、シリンドリカルレンズ25を−z方向(図1参照)にみたときの模式図である。シリンドリカルレンズ25は、−x方向に突き出すように湾曲している。即ち、シリンドリカルレンズ25は後述のレンズマウント29に接着される前の段階から湾曲している。
図8(b)は、第三実施形態の半導体レーザ光源装置を−z方向(図1参照)にみたときの模式的な図である。なお、説明の便宜上、半導体レーザアレイ3、ハンダ層4、サブマウント5、ハンダ層6、及びヒートシンク7の図示を省略している。図8(b)に示すように、湾曲したシリンドリカルレンズ25は、接着剤27によりレンズマウント29と接着される。なお、シリンドリカルレンズ25の端部及びレンズマウント29の間には接着剤27が介在し、シリンドリカルレンズ25の中央及びレンズマウント29の間には接着剤27が介在しない。
[製法]
続いて、第三実施形態の半導体レーザ光源装置の製造方法について説明する。
<ステップ1〜7>
まず、第一実施形態の半導体レーザ光源装置1の製造方法におけるS1〜S7までの工程を行う。詳細は第一実施形態にて記載の通りであるため説明を省略する。
<ステップ8、9>
ステップ7を終了後、シリンドリカルレンズ25を準備する(ステップ8)。ステップ8において準備されるシリンドリカルレンズ25は、第一実施形態のシリンドリカルレンズ9と異なり、図8(a)に示すように−x方向に突き出すように湾曲している。続いて、レンズマウント29を準備する(ステップ9)。なおステップ9において、第一実施形態と同様に、シリンドリカルレンズ25に半導体レーザアレイ3の各エミッタ31から射出されるレーザ光が入射可能となるように、高さ(x方向の長さ)が調整されたレンズマウント29を準備する。
<ステップ10〜12>
続いて、レンズマウント29の上面に接着剤27を載置する(ステップ10)。具体的には、接着剤27がシリンドリカルレンズ29の一方の端部(即ち、y方向側の端部)及び他方の端部(即ち、−y方向側の端部)に接するように載置する。続いて、シリンドリカルレンズ25を接着剤27の上面に載置する(ステップ11)。具体的には、シリンドリカルレンズ25の端部が接着剤27に接するように載置する。続いて、接着剤27を光照射または加熱により硬化することで、シリンドリカルレンズ25及びレンズマウント27を接着する(ステップ12)。
(作用効果)
続いて、実施形態の半導体レーザ光源装置による作用効果について説明する。まず初めに比較例の半導体レーザ光源装置の構成、及び比較例の半導体レーザ光源装置に生じた問題について説明する。
比較例の半導体レーザ光源装置は、実施形態の半導体レーザ光源装置と、シリンドリカルレンズが湾曲せずに延伸している点で異なり、他の構成は同様である。即ち、比較例の半導体レーザ光源装置では、半導体レーザアレイは湾曲するのに対し、シリンドリカルレンズは湾曲しない。
図9に比較例の半導体レーザ光源装置を−z方向(図1参照)にみたときの模式図を示す。なお図9では、説明の便宜上、半導体レーザアレイ3、ハンダ層4、サブマウント5、ハンダ層6、及びヒートシンク7の図示を省略している。図9に示すように、シリンドリカルレンズ101及びレンズマウント105は、接着剤103により接着されている。シリンドリカルレンズ101は、複数のレンズ領域102からなる。シリンドリカルレンズ101は、半導体レーザアレイ3に含まれるエミッタ31と同数のレンズ領域102を含む。
なお、接着剤103は、シリンドリカルレンズ101の下面全体に接するように載置される。そのため、シリンドリカルレンズ101は、接着剤103の硬化に伴い均一に収縮する。その結果、シリンドリカルレンズ101はレンズマウント105に接着後においても湾曲していない。
本発明者は、比較例の半導体レーザ光源装置をPIVの光源に使用すると、レーザシートLSの厚みが拡大し、PIVの計測結果の精度が低下することを確認した。本発明者は、比較例の半導体レーザ光源装置によるとレーザシートLSの厚みが拡大する原因を次のように考察している。以下、図10(a)及び図10(b)を参照して具体的に説明する。
図10(a)は、比較例の半導体レーザ光源装置を、半導体レーザアレイ3の中央のエミッタ31aを通過するように、z方向に平行に切断したときの模式的な断面図である。図10(a)に示すように、中央のエミッタ31aから射出されるレーザ光Lは、対向するレンズ領域102により、平行光LPに変換される。また、変換後の平行光LPは、レンズ領域102の光軸OAに平行である。これは、中央のエミッタ31a及びレンズ領域102の中心Oが、x方向に関して同じ位置に存在するためである。なお、光軸とは、レンズ領域102の中心O及びレンズ領域102の焦点fを結んだ直線である。
図10(b)は、比較例の半導体レーザ光源装置を、半導体レーザアレイ3の端部のエミッタ31bを通過するように、z方向に平行に切断したときの模式的な断面図である。図10(b)に示すように、端部のエミッタ31bから射出されるレーザ光Lは、対向するレンズ領域102により、平行光LPに変換される。しかし、変換後の平行光LPは、レンズ領域102の光軸OAに対し角度θ1をなして進行する。これは、半導体レーザアレイ3が湾曲するのに対し、シリンドリカルレンズ101が湾曲しない結果、端部のエミッタ31bがレンズ領域102の中心Oに対して、x方向側にd1だけずれた位置に存在するためである。
なお、図示を省略するが、中央のエミッタ31a及び端部のエミッタ31bの間にある他のエミッタ31(以下、他のエミッタ31と呼ぶ)も同様に、対向するレンズ領域102の中心Oに対して、x方向側にずれた位置に存在している。即ち、他のエミッタ31において、レンズ領域102により変換後の平行光LPは、レンズ領域102の光軸OAに対し所定の角度をなして進行する。なお、エミッタ31の位置が中央のエミッタ31aに近いほど、変換後の平行光LPとレンズ領域102の光軸OAとがなす角は小さい。
以上のように、比較例の半導体レーザ光源装置では、各レンズ領域から射出される平行光LPは、それぞれ非平行に進行する。そのため、比較例の半導体レーザ光源装置において、各レンズ領域102から射出される平行光LPが重なり合うと、光はx方向に発散して進行する結果、レーザシートLSの厚みが拡大したものと考えられる。なお、それぞれ非平行に進行する複数の平行光LPが重なり合う結果、光がx方向に発散することを、本明細書では「レーザシートLSの厚みが拡大する」と表現している。
これに対し本発明者は、実施形態の半導体レーザ光源装置によれば、各レンズ領域91から射出される平行光LPが重なり合っても、光がx方向に発散することなく一定の厚みを有して進行することを確認した。即ち、実施形態の半導体レーザ光源装置によれば、レーザシートLSの厚みが拡大することを抑制できることを確認できた。具体的に、図11を参照して説明する。
図11は、実施形態の半導体レーザ光源装置を、半導体レーザアレイ3の端部のエミッタ31bを通過するように、z方向に平行に切断したときの模式的な断面図である。図11に示すように、端部のエミッタ31bから射出されるレーザ光Lは、レンズ領域91により、平行光LPに変換される。さらに当該平行光LPは、レンズ領域91の光軸OAに平行である。実施形態の半導体レーザ光源装置では、シリンドリカルレンズ9、25が半導体レーザアレイ3と同様に湾曲するため(図4、図7(b)、図8(b)参照)、端部のエミッタ31b及びレンズ領域91の中心Oが、x方向に関して同じ位置に存在するためである(図11参照)。
なお、図示を省略するが他のエミッタ31においても同様に、エミッタ31及びレンズ領域91の中心Oが、x方向に関して同じ位置に存在している。その結果、他のエミッタ31に対向するレンズ領域91から射出される平行光LPは、当該レンズ領域91の光軸OAに平行となっている。
このように、実施形態の半導体レーザ光源装置によれば、各レンズ領域91は、対向するエミッタ31から射出されるレーザ光Lを、当該レンズ領域91の光軸OAに平行な平行光LPに変換することができる。その結果、平行光LPが重なり合っても、x方向に発散することなく、一定の厚みを有するレーザシートLSを形成することができる。即ち、実施形態の半導体レーザ光源装置によれば、レーザシートLSの厚みが拡大することを抑制できる結果、PIVの計測結果の精度が低下することを抑制できる。
(検証)
続いて、本発明者が行った検証結果を示す。本発明者は、比較例の半導体レーザ光源装置及び実施形態の半導体レーザ光源装置を使用して、エミッタ31から1m離れた流体を照射する検証を行った。なお、シリンドリカルレンズ9は、焦点距離が1mmのレンズを用いた。
半導体レーザアレイ3を、ハンダ層4によりサブマウント5に接合すると、半導体レーザアレイ3が図2に示すように湾曲した結果、端部のエミッタ31bが、中央のエミッタ31aに対し、10μmだけx方向側にずれた。
比較例の半導体レーザ光源装置を使用した場合、半導体レーザアレイ3から1m離れた場所において、光のx方向の厚みは10mmであった。これに対し、実施形態の半導体レーザ光源装置を使用した場合、半導体レーザアレイ3から1m離れた場所において、光のx方向の厚みは1mmとなった。
PIVにおいて、レーザシートLSの厚みは1〜2mmの範囲であることが望ましい。実施形態の半導体レーザ光源装置によれば、PIVにおいて要求される厚みのレーザシートLSを形成できる。
(別実施形態)
なお、半導体レーザ光源装置は、上記の実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、以下の別実施形態に係る構成を任意に選択して、上記の実施形態に係る構成に採用してもよいことは勿論である。
〈1〉実施形態の半導体レーザ光源装置では、図11に示すように、端部のエミッタ31b及びレンズ領域91の中心Oが、x方向に関して同じ位置に存在すると説明したが、これに限らない。例えば、図12に示すように、端部のエミッタ31bが、レンズ領域91の中心Oに対して、x方向側にずれた位置に存在しても構わない。
なお、図12において、端部のエミッタ31b及びレンズ領域91の中心Oの間のx方向におけるズレd2は、図10(b)に示すズレd1に比べて小さい。そのため、図12において、平行光LPと、レンズ領域91の光軸OAとがなす角θ2は、図10(b)に示す角θ1に比べて小さい。その結果、各レンズ領域91から射出される平行光LPが重なり合っても、光がx方向に発散することを抑制できる。即ち、比較例の半導体レーザ光源装置に比べて、光のx方向における発散角を小さくすることができる。以上のように、別実施形態の半導体レーザ光源装置によっても、レーザシートLSの厚みが拡大することを抑制できる。
〈2〉実施形態の半導体レーザ光源装置では、半導体レーザアレイ3及びシリンドリカルレンズ9、25が−x方向側に突き出すように湾曲すると説明したが(図2、図4、図7(b)、図8(b)参照)、半導体レーザアレイ3及びシリンドリカルレンズ9、25は、x方向側に突き出すように湾曲するものとしても構わない。
また、実施形態の半導体レーザ光源装置では、半導体レーザアレイ3は、図2に示すように、隣り合うエミッタ31のx方向における位置が異なるように湾曲するが、これに限らない。例えば、半導体レーザアレイ3は、中央では湾曲し、端部ではy方向に平行に延伸した形状であっても構わない。同様に、シリンドリカルレンズ9、25は、隣り合うレンズ領域の光軸OAのx方向における位置が異なるように湾曲する形態に限られない。例えば、シリンドリカルレンズ9、25は、中央では湾曲し、端部ではy方向に平行に延伸した形状であっても構わない。
以上をより一般的に言うと、半導体レーザアレイ3は、少なくとも2つのエミッタ31のx方向における位置が異なるように湾曲すれば構わないし、シリンドリカルレンズ9、25は、少なくとも2つのレンズ領域91の光軸OAのx方向における位置が異なるように湾曲すれば構わない。
〈3〉実施形態の半導体レーザ光源装置では、x方向(速軸方向)において平行に変換するレンズとしてシリンドリカルレンズを使用したが、これに限らない。即ち、x方向(速軸方向)において平行に変換するレンズであれば何れのレンズを使用しても構わない。例えば、x方向(速軸方向)のみならず、y方向(遅軸方向)においても平行に変換するレンズを使用しても構わない。
〈4〉実施形態の半導体レーザ光源装置は、PIVの光源として使用されると説明したが、PIVに限らず、例えばシート状のレーザ光を照射する照明装置や、シート状のレーザ光を利用して物体の形状等を計測する計測装置にも使用可能である。
〈5〉また、実施形態の半導体レーザ光源装置の製造方法のステップ3及びステップ4において、半導体レーザアレイ3をハンダ層4の上面に載置した後に当該ハンダ層4を加熱する形態に限らない。即ち、半導体レーザアレイ3を載置する前にハンダ層4を加熱し、その後半導体レーザアレイ3を加熱後の当該ハンダ層4の上面に載置しても構わない。
〈6〉また、レーザ光Lは、x方向に大きな発散角を有し、y方向に小さな発散角を有して進行すると説明したが、これに限らない。即ちレーザ光Lは、x方向及びy方向に同程度の発散角を有して進行しても構わない。またレーザ光Lは、x方向に小さな発散角を有し、y方向に大きな発散角を有して進行しても構わない。
1:実施形態の半導体レーザ光源装置
3:半導体レーザアレイ
4、6:ハンダ層
5:サブマウント
7:ヒートシンク
9:シリンドリカルレンズ
11:第一実施形態のレンズマウント
21:第二実施形態のレンズマウント
22:底面
23:凹部
25:第三実施形態のシリンドリカルレンズ
29:第三実施形態のレンズマウント
30:側面
31:エミッタ
31a:中央のエミッタ
31b:端部のエミッタ
17、19、24、27:接着剤
91:レンズ領域
L:レーザ光
LP:平行光
LS:レーザシート
O:レンズ領域の中心
OA:光軸
d1:比較例における端部のエミッタとレンズ領域の中心との距離
d2:別実施形態における端部のエミッタとレンズ領域の中心との距離

Claims (6)

  1. サブマウントと、
    前記サブマウントの上面に載置されるハンダ層と、
    第一の方向に並ぶ複数のエミッタを含み、前記ハンダ層により前記サブマウントと接合され、前記サブマウントよりも熱膨張係数が大きい材料からなる半導体レーザアレイと、
    複数の前記エミッタから射出されるレーザ光を、前記第一の方向に直交し、且つ、前記サブマウントの前記上面に垂直な第二の方向において、平行に変換するレンズと、を有し、
    前記レンズは、前記エミッタごとに、当該エミッタから射出される前記レーザ光を前記第二の方向において平行に変換するレンズ領域を含み、
    少なくとも二つの前記レンズ領域の光軸が、前記第二の方向においてずれており、
    前記半導体レーザアレイは、前記第一の方向及び前記第二の方向に直交する第三の方向からみたとき、端部から中央に向かうほど前記サブマウントに接近するように湾曲し、
    前記レンズは、前記第三の方向からみたとき、端部から中央に向かうほど前記レンズ領域の光軸が前記サブマウント側に位置するように湾曲し、
    上面に第一接着剤と、前記第一接着剤に比べて収縮率の大きい材料によって構成される第二接着剤とが載置され、前記第一接着剤及び前記第二接着剤により前記レンズと接着されるレンズマウントを有し、
    前記レンズの中央及び前記レンズマウントの間に前記第二接着剤が介在し、前記レンズの端部及び前記レンズマウントの間に前記第一接着剤が介在し、
    前記第二の方向に関して前記半導体レーザアレイの中央と端部との間のズレ量よりも、前記第二の方向に関して前記レンズの中央と端部とのズレ量が小さいことを特徴とする半導体レーザ光源装置。
  2. 前記第一接着剤及び前記第二接着剤は、いずれも光硬化型の接着剤であることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ光源装置。
  3. 前記レンズは、シリンドリカルレンズであることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体レーザ光源装置。
  4. 前記半導体レーザアレイは、端面発光型の半導体レーザであり、
    前記第一の方向は遅軸方向であり、
    前記第二の方向は速軸方向であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体レーザ光源装置。
  5. 請求項1に記載の半導体レーザ光源装置の製造方法であって、
    前記サブマウントを準備する工程(a)と、
    前記サブマウントの上面にハンダ層を載置する工程(b)と、
    前記半導体レーザアレイを準備する工程(c)と、
    前記ハンダ層により前記サブマウントに前記半導体レーザアレイを接合する工程(d)と、
    前記レンズを準備する工程(e)と、
    前記レンズマウントを準備する工程(f)と、
    前記レンズマウントに、前記第一接着剤及び前記第二接着剤を載置する工程(g)と、
    前記第一接着剤及び前記第二接着剤により前記レンズマウントに前記レンズを接着する工程(h)と、を有し、
    前記工程(g)は、前記第二接着剤が前記レンズの中央に接し、前記第一接着剤が前記レンズの端部に接するように載置する工程であり、
    前記工程(h)は、
    前記レンズの中央が前記第二接着剤に接し、前記レンズの端部が前記第一接着剤に接するように、前記レンズを載置する工程(h1)と、
    前記第一接着剤及び前記第二接着剤を硬化する工程(h2)と、を含むことを特徴とす半導体レーザ光源装置の製造方法。
  6. 前記第一接着剤及び前記第二接着剤は、いずれも光硬化型の接着剤であり、
    前記工程(h2)は、光を照射することで前記第一接着剤及び前記第二接着剤を硬化する工程であることを特徴とする、請求項5に記載の半導体レーザ光源装置の製造方法。
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