JP6668666B2 - イルベサルタンを含有する医薬組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、イルベサルタンを含有する医薬組成物及びその製造方法に関する。
種々の活性成分を含有する医薬組成物が開発されているが、活性成分の種類によっては、その製造方法及び/又は活性成分以外の賦形剤等の添加剤の種類等に起因して、医薬組成物自体の物性に変化が認められることがある(例えば、特許文献1及び2等参照)。
特表2008−501680号公報 特開2010−053047号公報
製造時から流通過程の全てにわたって安定した物性、特に、長期にわたって一定の溶出率を安定的に維持することができる医薬組成物が求められている。
本発明は、製造時から流通過程後の全てにわたって安定した物性、例えば、一定の溶出率を安定的に維持することができる医薬組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を行った結果、それぞれの成分としてはよく知られた成分であるが、特に、ポリビニルピロリドンと、結晶セルロース及び/又は乳糖水和物とを組み合わせて使用することにより、良好な溶出性を示し、特に、流通過程で見込まれる種々の条件下、なかでも苛酷試験後において、良好な溶出性を示すイルベサルタンを含有する医薬組成物が得られることに加えて、さらにクロスカルメロースナトリウム及びはステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸カルシウムを組み合わせることにより、より一層良好な溶出性を示すイルベサルタンを含有する医薬組成物が得られることを見出した。特に、クロスカルメロースナトリウムを、これらの成分に単に混合するのみならず、これらを含む医薬組成物における顆粒中に含有させるとともに、その顆粒とクロスカルメロースナトリウムとの混合物とすることにより、予想外かつ意外にも、さらに安定でかつ良好な溶出性を示すことを見出した。
すなわち、本願は以下の発明を含む。
〔1〕イルベサルタン、乳糖水和物、結晶セルロース、ポビドン及びクロスカルメロースナトリウムを含む医薬組成物であって、
イルベサルタン、乳糖水和物、結晶セルロース、ポビドン及びクロスカルメロースナトリウムを含んでなる造粒物と、
クロスカルメロースナトリウムの粉末又は造粒物との混合物を含むことを特徴とする医薬組成物。
〔2〕さらに滑沢剤を含む〔1〕に記載の医薬組成物。
〔3〕滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである〔2〕に記載の医薬組成物。
〔4〕イルベサルタン、乳糖水和物、結晶セルロース、ポビドン及びクロスカルメロースナトリウムを含む組成物を造粒し、
得られた造粒物と、クロスカルメロースナトリウムの粉末又は造粒物とを混合することを特徴とする医薬組成物の製造方法。
〔5〕前記造粒を、撹拌造粒又は流動層造粒にて行う〔4〕記載の医薬組成物の製造方法。
本発明のイルベサルタンを含有する医薬組成物によれば、製造時から流通過程の全てにわたって安定した物性、例えば、一定の溶出率を安定的に維持することができる。
また、本発明の医薬組成物の製造方法によれば、製造時から流通過程の全てにわたって安定した物性、例えば、一定の溶出率を安定的に維持することができる医薬組成物を確実かつ簡便に製造することができる。
本発明の医薬組成物の実施形態における初期及び苛酷試験1週間後の溶出率を示すグラフである。 市販のイルベサルタンの初期及び苛酷試験1週間後の溶出率を示すグラフである。 比較例における医薬組成物の初期及び苛酷試験1週間後の溶出率を示すグラフである。
本発明の医薬組成物は、有効成分としてイルベサルタンを含有する。本発明の医薬組成物は、イルベサルタンに加えて、乳糖水和物、結晶セルロース、ポビドン及びクロスカルメロースナトリウムを含む。このような添加剤の特定の組み合わせを用いることにより、良好な溶出性を示すイルベサルタンを含有する医薬組成物が得られる。
例えば、苛酷試験下での保存1週間においても、30分時点で85%以上イルベサルタンを溶出する医薬組成物を得ることができる。
イルベサルタンは、化学名が2-Butyl-3-{4-[2-(1H-tetrazol-5-yl)phenyl]benzyl}-1,3 -diazaspiro[4.4]non -1-en-4-oneで表される、高血圧症等の治療に有用な長時間作用型アンジオテンシンII受容体拮抗剤である。
医薬組成物中のイルベサルタンの含有量は、医薬組成物の重量を基準に(以下同様)65w/w%以下であり、好ましくは60w/w%以下である。含有量の下限は、例えば、20w/w%以上が挙げられる。
乳糖水和物は、例えば、賦形剤として用いられる。医薬組成物中の含有量は、15w/w%〜70w/w%が挙げられ、25w/w%〜50w/w%が好ましい。
結晶セルロースは、例えば、賦形剤として用いられる。医薬組成物中の含有量は、15w/w%〜70w/w%が挙げられ、25w/w%〜50w/w%が好ましい。
乳糖水和物及び結晶セルロースの重量比は、10:1〜1:10が挙げられ、8:1〜1:8が好ましく、8〜5:1がより好ましい。乳糖水和物及び結晶セルロースの合計含有量は、20w/w%〜75w/w%が挙げられ、25w/w%〜50w/w%が好ましい。
賦形剤として、さらに、本発明の効果に影響を与えない範囲で、例えば、無水乳糖、白糖、ショ糖、果糖、フラクトオリゴ糖、ブドウ糖、マルトース、還元麦芽糖、粉糖、粉末飴、還元乳糖等の糖類、エリスリトール、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、D−マンニトール等の糖アルコール類、カオリン、リン酸水素カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン、コムギデンプン等の天然デンプン)等の1種又は2種以上を組合せて用いてもよい。賦形剤をさらに使用する場合の賦形剤全量の含有量は、20w/w%〜75w/w%が挙げられ、25w/w%〜50w/w%が好ましい。
ポビドンは、別名ポリビニルピロリドン(PVP)として称される成分であり、結合剤として用いられる。医薬組成物中の含有量は、例えば、10w/w%以下が挙げられ、5w/w%以下が好ましく、3w/w%以下がより好ましい。含有量の下限は、例えば、0.01w/w%以上である。
結合剤として、本発明の効果に影響を与えない範囲で、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース、HPMC)、ポリビニルアルコール、α化デンプン、寒天、ゼラチン等の1種又は2種以上を組合せて用いてもよい。結合剤をさらに使用する場合の結合剤全量の含有量は、0.01w/w%〜10w/w%が挙げられ、0.01w/w%〜5w/w%が好ましい。
結合剤は、イルベサルタンを含有する顆粒の造粒を促進するが、粘度が高いと溶出性を低下させることがある。そのために、ポビドンは、例えば、20℃における粘度が2〜10mPa・sのものが好ましい。
クロスカルメロースナトリウムは、崩壊剤として用いられる。医薬組成物中の合計含有量は、例えば、1w/w%〜20w/w%が挙げられる。
特に、クロスカルメロースナトリウムは、医薬組成物の形態にかかわらず、いわゆる内添及び外添の双方の形態で含有されていることが好ましい。例えば、医薬組成物が粉末、顆粒等の形態の場合には、イルベサルタン、乳糖水和物、結晶セルロース、ポビドン及びクロスカルメロースナトリウムを含んでなる造粒物と、クロスカルメロースナトリウムの粉末又は造粒物との混合物の形態が挙げられる。また、医薬組成物が錠剤、コーティング剤、丸剤等の形態の場合には、イルベサルタン、乳糖水和物、結晶セルロース、ポビドン及びクロスカルメロースナトリウムを含んでなる造粒物と、クロスカルメロースナトリウムの粉末又は造粒物とを打錠、打錠及びコーティング、成形した形態などが挙げられる。
このように、クロスカルメロースナトリウムを内添剤及び外添剤として含有させる場合、内添剤と外添剤との重量比は、例えば、1〜10:10〜1が挙げられ、2〜8:8〜2が好ましく、4〜6:6〜4がより好ましい。
崩壊剤は、本発明の効果に影響を与えない範囲で、例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、アルギン酸、カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム及び澱粉等の1種又は2種以上をさらに組合せて用いてもよい。崩壊剤をさらに使用する場合の崩壊剤全量の含有量は、1w/w%〜20w/w%が挙げられる。
本発明の医薬組成物は、本発明の効果に影響を与えない範囲であれば、上記以外の製剤分野において通常使用される添加剤を添加してもよい。例えば、希釈剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、潤滑剤、湿潤剤、流動化剤、界面活性剤、甘味剤、矯味剤、有機酸、着香剤・香料、着色剤、安定化剤、コーティング剤等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
希釈剤としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、デキストレート、D−マンニトール、ラクチトール、ラクトース、澱粉及びタルク等が挙げられる。希釈剤の合計含有量は、例えば、60w/w%〜95w/w%が挙げられる。
結合剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、アカシア、グルコース、グアールガム、ヒドロキシプロピルセルロース及びポリエチレンオキシド等が挙げられる。結合剤の合計含有量は、例えば、1w/w%〜5w/w%が挙げられる。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリル、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、タルク、カルナウバロウ、L−ロイシン、マクロゴール等が挙げられる。なかでも、ステアリン酸マグネシウムが好ましい。滑沢剤の合計含有量は、例えば、0.01w/w%〜5w/w%が挙げられ、0.01w/w%〜4w/w%が好ましい。
潤滑剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ベヘン酸グリセリル、ステアリン酸マグネシウム、鉱物油、ポリエチレングリコール、植物油等が挙げられる。潤滑剤の合計含有量は、例えば、0.5w/w%〜2重量w/w%が挙げられる。
湿潤剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
流動化剤は、抗付着剤ともいうが、例えば、軽質無水ケイ酸、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、澱粉、タルク等が挙げられる。流動化剤の含有量は、例えば、0.001w/w%〜3w/w%が挙げられ、好ましくは0.001w/w%〜1w/w%、より好ましくは0.005w/w%〜0.1w/w%が挙げられる。流動化剤は、特に上述したイルベサルタン、乳糖水和物、結晶セルロース、ポビドン及びクロスカルメロースナトリウムを含む組み合わせにおいては、積極的に添加されているものが好ましい。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム等のイオン性界面活性剤;ポリソルベート類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油およびポロクサマー類(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール)等の非イオン性界面活性剤等の1種又は2種以上の組合せが挙げられる。界面活性剤の含有量は、2w/w%以下が挙げられる。
甘味剤としては、例えば、アスパルテーム、フルクトース、マンニトール、サッカリン等が挙げられる。
香味料としては、例えば、メントール、クエン酸、フマル酸、酒石酸、人工又は天然果実フレーバー等が挙げられる。
着色剤としては、カラメル、酸化鉄(赤、黄、又は黒)、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒色三二酸化鉄、天然又は合成有機色素又はレーキ等が挙げられる。
被覆剤は、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、酢酸セルロース、酢酸セルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアセテートフタレート等が挙げられる。被覆剤の含有量は、例えば、0.1w/w%〜3重量w/w%が挙げられる。
本発明の一実施形態では、例えば、イルベサルタン50重量部に対して、乳糖水和物10〜50重量部、結晶セルロース1〜20重量部、ポビドン1〜20重量部及びクロスカルメロースナトリウム1〜20重量部を組み合わせることが好ましい。この場合、ステアリン酸マグネシウム0.1〜10重量部組み合わせることがより好ましい。
さらに別の実施形態では、例えば、イルベサルタン50重量部に対して、乳糖水和物20〜50重量部、結晶セルロース1〜15重量部、ポビドン1〜15重量部、クロスカルメロースナトリウムを1〜15重量部を組み合わせることが好ましい。この場合、ステアリン酸マグネシウム0.1〜5重量部組み合わせることがより好ましい。
さらに別の実施形態では、例えば、イルベサルタン50重量部に対して、乳糖水和物25〜45重量部、結晶セルロース1〜10重量部、ポビドン1〜10重量部、クロスカルメロースナトリウムを組み合わせることが好ましい。この場合、さらに1〜10重量部及び/又はステアリン酸マグネシウム0.1〜4重量部組み合わせることがより好ましい。
本発明の医薬組成物は、種々の剤形とすることができる。例えば、細粒剤、顆粒剤、粉剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、チュアブル剤、座剤又はトローチ剤等が挙げられる。これらの剤形は、日本薬局方の製剤通則に規定されている形態であればよい。また、錠剤等に割線、識別マーク等を付してもよい。錠剤は、円形錠、円形R錠、円形隅角錠、円形2段R錠、各種異形錠等いずれの形状でもよく、また分割錠としてもよい。錠剤は、素錠であってもよいし、コーティングが施されていてもよい。
例えば、本発明の医薬組成物を錠剤とする場合、従来行われている錠剤の製造方法により、製造することができる。まず、イルベサルタンと上述のような添加剤をV型混合機などの適当な混合機で混合して錠剤用混合物を製造する。次いで、この混合物を、直接圧縮打錠する方法又は顆粒とし、その顆粒を圧縮打錠する方法等により製造することができる。直接圧縮打錠する場合は、打錠の前後、好ましくは打錠後にさらに、クロスカルメロースナトリウムをその外層に添加し、打錠を完了することが好ましい。また、顆粒とする場合には、得られた顆粒をクロスカルメロースナトリウムと混合し、その混合物を圧縮打錠することが好ましい。
顆粒を圧縮打錠する方法で使用する顆粒は、例えば、湿式法、乾式法、噴霧造粒法等のいずれで製造してもよい。造粒法としては、例えば、乾式造粒及び湿式造粒のいずれで形成してもよいが、湿式造粒が好ましい。湿式造粒法としては、押出し造粒機、転動造粒機、攪拌造粒機、湿式解砕造粒機、流動層造粒機等を用いる方法が挙げられる。なかでも、攪拌造粒機、流動層造粒機を利用することが好ましく、特に、攪拌造粒機を利用することがより好ましい。攪拌造粒機を利用する場合は、例えば、ブレード及び/又はスクリューの回転等は、任意の回転数等に設定して使用すればよい。流動層造粒機を利用する場合は、例えば、給気温度30〜90℃、排気温度20〜80℃にて結合剤溶液等をスプレーしながら造粒する方法が挙げられる。乾式造粒法としては、例えば、ローラーコンパクター(フロイント産業)を使用し、ロール回転数1〜50rpmにて造粒する方法が挙げられる。
造粒物は、乾燥した後、篩過にて整粒することが好ましい。乾燥は、例えば、90℃以下の温度で、1〜60分間行えばよい。なお、整粒の有無にかかわらずあるいは整粒時又はその後に、造粒物にクロスカルメロースナトリウムを添加する。この場合のクロスカルメロースナトリウムは、粉末、顆粒等のいずれでもよい。
錠剤用混合物又はその顆粒を圧縮打錠する方法としては、単発打錠機、ロータリー式打錠機等を用いる方法が挙げられる。
圧縮打錠の圧力は、錠剤に十分な硬度を与える程度であればよく、例えば、100kgf以上が好ましい。また、得られる錠剤の硬度は、例えば、50〜120Nが好ましい。錠剤の「硬度」は、錠剤硬度計(例えば、富山産業株式会社 型式TH−203MP)により測定することができる。
上述した他、適当な固形の医薬組成物の形態に調製するために、例えば、粉砕、解砕、混合、糖衣、フィルムコート、カプセル充填などを、当該分野の公知の方法及び条件によって行うことができる。
本発明のイルベサルタンを含む医薬組成物では、上述した成分を含有することにより、苛酷試験での保存1週間後においても、30分時点で85%以上イルベサルタンを溶出し、88%以上溶出するものが好ましく、さらに90%以上溶出するものがより好ましく、95%以上溶出するものがより一層好ましい。
別の観点から、苛酷試験での保存1週間後においても、30分時点で、製造直後(製造完了後24時間以内)の溶出率に対する変動が±5%以内であるものが好ましく、±4%以内であるものがより好ましく、±3%以内であるものがより好ましい。また、15分時点で、製造直後の溶出率に対する変動が±10%以内であるものが好ましく、±8%以内であるものがより好ましく、±6%以内であるものがより好ましい。
なお、製造直後の溶出率は、例えば、30分時点で、95%以上であるものが好ましく、96%以上であるものがより好ましく、98%以上であるものがさらに好ましい。
実施例1:攪拌造粒
以下の各成分を表1の割合で秤量し、以下の方法によってフィルムコーティング錠を作製した。
Figure 0006668666

まず、イルベサルタン、乳糖水和物、結晶セルロース及びクロスカルメロースナトリウムを撹拌造粒機(岡田精工社製)に投入し、粉末を混合した。なお、攪拌造粒機に投入したクロスカルメロースナトリウムは、上述の仕込み量の6割相当量とした。
ブレード回転800〜1000rpm)で攪拌しながら、ポビドン溶液を添加し、造粒した。その後、流動層造粒乾燥機(パウレック社製)にて80℃に設定して10分乾燥した。
コーミル(パウレック社製)で整粒した顆粒に、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウムを添加し、袋混合した。整粒した顆粒に添加したクロスカルメロースナトリウムは、上述した仕込み量の残りの4割相当量とした。
ロータリー打錠機(菊水製作所製)にて、打錠圧約1000kgf、オーバル型で、長径8.5mm、短径4.4mmの錠剤とした。
その後、ヒプロメロース、クエン酸トリエチル及び酸化チタンを精製水に溶解・分散してコーティング液を調整する。錠剤をコーティング機(フロイント社製)に投入し、コーティング液をスプレーし、乾燥後にカルナウバロウにて磨いてフィルムコーティング錠とした。
比較例1
実施例1の製造方法において、撹拌造粒機にクロスカルメロースナトリウムを添加せず、整粒した顆粒に、上述した仕込み量のクロスカルメロースナトリウムを添加した以外、実施例1と同様にフィルムコーティング錠を製造した。
参考例
市販のイルベサルタン100mg錠を準備した。
実施例2:撹拌造粒
イルベサルタン、乳糖水和物、結晶セルロース及びクロスカルメロースナトリウムを撹拌造粒器(岡田精工社製)に投入し、粉末を混合した。ここでのクロスカルメロースナトリウムの上述した仕込み量の残りの6割相当量である。
ポビドン溶液を添加し、造粒した後、流動層造粒乾燥機(パウレック社製)にて乾燥した。
コーミル(パウレック社製)で整粒した顆粒に、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸カルシウムを添加し、袋混合した。ここでのクロスカルメロースナトリウムの上述した仕込み量の残りの4割相当量である。単発打錠機(理研精機社製)にて成形し、錠剤とした。
実施例3:流動層造粒
イルベサルタン、乳糖水和物、結晶セルロース及びクロスカルメロースナトリウムを流動層造粒乾燥機(パウレック社製)に投入し、ポビドン溶液を噴霧しながら造粒した。
造粒終了後、80℃で10分間乾燥を行った。
篩(850μm)にて整粒した顆粒に、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸カルシウムを添加し、袋混合した。
単発打錠機(理研精機社製)にて成型し、打錠圧約1000kgf、オーバル型で、長径8.5mm、短径4.4mmの錠剤とした。
実施例4:乾式造粒
イルベサルタン、乳糖水和物、結晶セルロース、ポビドン及びクロスカルメロースナトリウムを袋混合し、ローラーコンパクター(フロイント社製)にて乾式造粒した。
造粒物をコーミルにて整粒し、得られた顆粒に、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸カルシウムを添加し、袋混合した。
単発打錠機(理研精機社製)にて、打錠圧約1000kgf、オーバル型で、長径8.5mm、短径4.4mmの錠剤とした。
実施例及び比較例で得られたフィルムコーティング錠を、ポリエチレン製の袋に入れ、60℃、75%RHの条件下で保存した。製造直後及び保存1週間後のフィルムコーティング錠の溶出試験を行った。その結果を図1及び3に示す。
なお、参考例として準備した市販のイルベサルタン100mg錠についても、購入直後及び保存1週間後のフィルムコーティング錠の溶出試験を行った。その結果を図2に示す。
図1〜図3から明らかなように、本願実施例では、クロスカルメロースナトリウムが顆粒中にのみ添加された、いわゆる内添方式で添加された比較例に対して、さらに、市販のイルベサルタン錠に対しても、30分後において、溶出率85%を上回っており、つまり、98.4%を示しており、良好な溶出率を示すことがわかる。
また、製造直後の溶出率においても、本願実施例では、30分時点で、95%以上であり、つまり、99.3%を示しており、良好な溶出率を示すことがわかる。
さらに、苛酷試験での保存1週間後においても、30分時点で、実施例においては、製造直後の溶出率に対する変動が±5%以内であり、つまり、約0.9%である。また、15分時点で、製造直後の溶出率に対する変動が±10%以内であり、つまり、5.6%である。従って、長期に渡って安定した溶出率を維持できることがわかる。
溶出試験は、日本薬局方記載の方法で行った。
実施例及び比較例で得られた素錠及びフィルムコーティング錠、さらに参考例として市販のイルベサルタン錠(大日本住友製薬社製、100mg錠)をそれぞれ1個とり、日局溶出試験第2液(pH6.8)900mLを用い、パドル法により、毎分50回転で試験を行った。溶出試験を開始し、規定時間後、溶出液10mLを正確に採取し、直ちに37±0.5℃に加温した試験液10mLを正確に注意して補った。溶出液は孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過した。初めのろ液5mLを除き、次のろ液を試料溶液とした。別にイルベサルタン約56mgを精密に量り、メタノールに溶かし正確に25mLとした。この液2.5mLを正確に量り、試験液を加えて正確に50mLとし、標準溶液とした。試料溶液及び標準溶液について、紫外可視吸光光度計(波長:280nm)にてそれぞれの吸光度AT及びASを測定した。n回目の溶出液採取時におけるイルベサルタンの表示量に対する溶出率(%)を以下の式で算出した。
Figure 0006668666
式中、MS:イルベサルタンの秤取量(mg)
C:1 錠中のイルベサルタンの表示量(mg)
180:希釈補正係数、とした。
本発明の医薬組成物は、製造時及び保存、流通過程においても、長期間にわたって安定性の確保を図ることができる。

Claims (5)

  1. イルベサルタン、乳糖水和物、結晶セルロース、ポビドン及びクロスカルメロースナトリウムを含む医薬組成物であって、
    イルベサルタン、乳糖水和物、結晶セルロース、ポビドン及びクロスカルメロースナトリウムを含んでなる造粒物と、
    クロスカルメロースナトリウムの粉末又は造粒物との混合物を含むことを特徴とする医薬組成物。
  2. さらに滑沢剤を含む請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである請求項2に記載の医薬組成物。
  4. イルベサルタン、乳糖水和物、結晶セルロース、ポビドン及びクロスカルメロースナトリウムを含む組成物を造粒し、
    得られた造粒物と、クロスカルメロースナトリウムの粉末又は造粒物とを混合することを特徴とする医薬組成物の製造方法。
  5. 前記造粒を、撹拌造粒又は流動層造粒にて行う請求項4に記載の製造方法。

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