JP6667736B1 - 回転電機および回転電機の製造方法 - Google Patents

回転電機および回転電機の製造方法 Download PDF

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Abstract

回転電機(1)の積層鉄心(11)を構成する積層鉄心板は、内周側に歯部(18)を有するものであって、歯部根元近傍及び外周面近傍に前記積層鉄心の軸方向に貫通する軸方向の孔(14)が設けられている。この回転電機(1)の軸方向の孔(14)のうち、積層鉄心(11)の歯部根元近傍の歯部根元近傍孔(14a)及び外周面近傍の鉄心外周側孔(14b)から樹脂が注入され、当該樹脂が前記積層鉄心の前記歯部根元近傍及び外周面近傍の隙間に充填されて前記積層鉄心板同士が互いに接着された積層鉄心を備えた回転電機とする。

Description

本願は、回転電機および回転電機の製造方法に関するものである。
回転電機の固定子及び回転子は、一般的に積層鉄心で構成される。この積層鉄心は、回転電機の運転時の渦電流損を低減するため、表面に絶縁ワニスを塗布した薄いケイ素鋼板を積層することにより構成されている。この積層された積層鉄心はボルト等で締め付けられて固定されるが、回転電機が大型化し、積層鉄心が大きくなるにしたがって、積層間に微小な隙間が発生しやすくなる。このような微小隙間が存在すれば、積層鉄心の剛性が低下したり、回転電機の運転時に振動が大きくなったりする弊害が発生する可能性がある。
積層鉄心の積層間の隙間を埋める手段として、積層鉄心自体を樹脂の入ったタンクに浸けて隙間に樹脂を含浸させる方法が知られている。この手段は、回転電機が小さい場合に有効であるが、大容量の発電機のように回転電機自体が大型化してくると、製造装置が大型になり、また、大掛かりな作業となるため、上述の方法をそのまま適用することは難しいという課題があった。
これを解決するため、組み立てられた積層鉄心に容易に樹脂を注入でき、積層鉄心の剛性を高めることが可能な、積層鉄心への樹脂注入装置及び樹脂注入方法並びにその樹脂注入方法を用いた回転電機を提供する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5832695号公報
積層鉄心への樹脂注入は、鉄心に設けられた軸方向の貫通孔に対し実施可能である。積層鉄心に存在するすべての軸方向の孔に対し樹脂注入を行うことにより、積層間に生じる隙間を最小にし、したがって積層鉄心の剛性を最大限上昇させることができる。しかしながら、積層鉄心の軸方向の孔が無数にある場合、すべての軸方向の孔に対し樹脂注入を行うことは、大掛かりな作業となる。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、積層鉄心に設けられた軸方向の孔のうち、積層鉄心の剛性を確保する上で必要な箇所のみに樹脂注入を行うことにより、樹脂注入作業を効率化でき、従来に比べて短い工期で積層鉄心全体の剛性を高めることのできる回転電機、およびその製造方法を提供することを目的としている。
本願に開示される回転電機は、
複数の素板が軸方向に複数枚積層された筒状の積層鉄心を備えた回転電機であって、
前記積層鉄心が、予め形成された複数の軸方向の孔を有し、前記複数の軸方向の孔から選択された孔である樹脂注入孔の周辺領域が樹脂で充填されて、前記素板が互いに接着されており、前記樹脂注入孔は、前記積層鉄心全体の円筒構造体としての剛性を、全ての軸方向の孔に樹脂を注入した場合と同程度に確保するように選択された孔であることを特徴とするものである。


また、本願に開示される回転電機の製造方法は、
回転電機の筒状の積層鉄心に設けられた複数の軸方向の孔から前記積層鉄心を構成する複数の素板の隙間に樹脂を注入し当該複数の素板を互いに接着して前記積層鉄心を作製する回転電機の製造方法であって、
前記回転電機の外部から、ポンプにより、前記複数の軸方向の孔から、前記積層鉄心全体の円筒構造体としての剛性を、全ての軸方向の孔に樹脂を注入した場合と同程度に確保するように選択た孔である樹脂注入孔の一端から前記樹脂を注入して、前記積層鉄心を構成する複数の素板の隙間に樹脂を充填して前記素板を互いに接着することにより、前記積層鉄心を製造することを特徴とするものである。





本願に開示される回転電機および回転電機の製造方法によれば、積層鉄心に設けられた軸方向の孔のうち、積層鉄心の剛性を確保する上で必要な箇所のみに樹脂注入を行うことにより、樹脂注入作業を効率化でき、従来に比べて短い工期で積層鉄心全体の剛性を高めることのできる回転電機、およびその製造方法を提供することができる。
実施の形態1による回転電機の概略構成を示す断面図である。 実施の形態1の回転電機の積層鉄心へ樹脂注入する樹脂注入装置と実施の形態1の回転電機の要部を示した図である。 実施の形態1による回転電機の積層鉄心への樹脂注入方法を説明するための断面図である。 回転電機の積層鉄心の軸方向の孔のすべてまたは一部から樹脂を積層鉄心板の隙間を染み込ませた場合の課題を説明するための図である。 図2に示す積層鉄心において、軸方向の孔の一部から積層鉄心板の隙間に樹脂を染み込ませた状態を示した概要図である。 図4および図5に示す構成で樹脂を注入する軸方向の孔を定めた場合の、積層鉄心の剛性を比較した概要図である。 積層鉄心が楕円変形の固有モードで振動するときの軸方向断面での概要を説明するための図である。 積層鉄心の内径を変化させた場合の、計算で得られた、楕円変形および曲げ変形に対する剛性値を示した図である。 積層鉄心の外径を変化させた場合の、計算で得られた、楕円変形および曲げ変形に対する剛性値を示した図である。
実施の形態1.
本願は、回転電機に用いられる積層鉄心への樹脂注入により、積層間に存在する微小隙間を樹脂で埋める注入工法の改良に関するものである。以下、実施の形態1の回転電機について、図面に基づいて説明する。
先ず、実施の形態1に係る樹脂注入装置が適用される回転電機の概略構成について図1を用いて説明する。
図1は、一般的な回転電機の一例として大型の発電機を示したものであり、回転軸の軸線に直交する方向から見た断面図である。回転電機1は、冷却ガスが封入されたケーシング2と、このケーシング2内に配設された固定子3と、固定子3の内周側に所定の隙間を介して配置された回転子4と、ケーシング内に冷却ガスを循環させるファン5とを備えている。また、図示していないが、冷却ガスの通路には熱交換器が配置される場合がある。
固定子3は、磁性鋼板(以降、素板、あるいは積層鉄心板とも呼ぶ)が軸方向に積層された積層鉄心からなる固定子鉄心6と、固定子鉄心6の内周部に形成した(図示しない)スロットに挿入された固定子コイル7(図中の点線部分参照)とを有している。また、固定子コイル7の両端のコイルエンド7aの一方(図では左方)の下部側には、メインリード7bが接続され、ケーシング2の外部に引き出されている。一方、回転子4は、回転軸8と、回転軸8に装着された回転子鉄心9と、回転子鉄心9の軸方向に形成したスロットに挿入された回転子コイル(図示せず)とで構成され、ケーシング2に取り付けられた軸受10により回転軸8の両端部が回転自在に支持されている。
図2は、実施の形態1の回転電機に係る積層鉄心へ樹脂注入する樹脂注入装置と実施の形態1の回転電機の要部を示した図である。この図において、図2(A)は、図1の一点鎖線で囲った部分Aを拡大して示した要部拡大図であり、実施の形態1の回転電機に係る積層鉄心へ樹脂注入する樹脂注入装置と、実施の形態1の回転電機を組み合わせた状態を概要図として示したものである。図2(B)は、図2(A)の断面B−Bにおける回転電機の要部を示す概要断面図である。
図2(A)において、固定子鉄心6は、多数の素板(積層鉄心板)が軸方向(図の左右の方向)に積層された積層鉄心11で構成されている。一方、樹脂注入装置は、回転電機1の軸方向の孔14に樹脂を注入するための樹脂注入部15、注入した樹脂のうち、不要になった樹脂を排出する樹脂排出部16、ポンプ20を有し樹脂注入部15に樹脂を供給する樹脂供給部を構成する。以下では、積層鉄心を指すときは積層鉄心11、個々の素板を指すときは積層鉄心板11aと符号を付し(図2(B)参照)、これらを区別して説明する。
ここで、積層鉄心板11aは、小形の回転電機の場合であれば、板状磁性鋼板を一度に打ち抜いて円板状に形成することができるが、大形になると、一度に打ち抜いて形成することができず、このため、図2(B)に示すように、板状磁性鋼板を扇状に打ち抜き、これを円周方向に複数枚組み合わせて円形に形成することになる。
このような積層鉄心板11aを複数個積層し、これらを貫通する貫通孔にスルーボルト12、あるいはコアボルト13などのボルトを挿入して積層方向に締め付け、一体の積層鉄心11とする。このとき、積層鉄心11が大型になればなる程、それぞれの積層鉄心板11aの間に微少な隙間が生じることは避けられない。また、経年の使用により隙間が拡大していく場合もある。
さらに、積層鉄心11は、特に大形になれば、積層鉄心11に冷却ガスを通すため軸方向の孔14が形成されている場合が多い。本願では基本的にこの軸方向の孔14を利用し、積層鉄心板11a間の微小な隙間に樹脂注入装置を用いて樹脂を注入し、回転電機1の積層鉄心11の剛性を高めるようにしたものである。
なお、軸方向の孔14は、冷却ガスを通す以外の他の用途で設けられている場合もあるが、その場合でも実施の形態1の回転電機の適用対象とすることができる。また、図2(A)には、次に説明する樹脂注入装置の樹脂注入部15が軸方向の孔14の1箇所に装着された状態を示している。
図3は、実施の形態1による積層鉄心への樹脂注入装置の動作過程を示す概要図で、図3(A)は積層鉄心に対して樹脂注入装置を挿入して固定する前の状態を示し、図3(B)は固定完了時の状態を示している。
次に、図3により、樹脂注入動作について説明する。図3(A)は注入前、図3(B)は注入途中、図3(C)は注入後における樹脂の除去工程を示している。まず、樹脂注入部15を積層鉄心11の軸方向の孔14の一端から挿入して軸方向の孔14の両端に装着する。このとき、図3(A)に示すように、弾性リング19が軸方向の孔14の内周壁に圧接し、軸方向の孔14の両端を封止する。
なお、図中、右側の樹脂注入部15は、樹脂の排出側になるため、実際の機能としては樹脂排出部であるが、左側の樹脂注入部15と同じものであり、同一符号を付して説明する。
次に、図3(B)に示すように、左側の樹脂注入部15に、ポンプ20を有する樹脂供給部(図示せず)から樹脂17を供給して軸方向の孔14に注入し、軸方向の孔14の弾性リング19で囲まれた空間に充填していく。このとき、軸方向の孔14の両端が弾性リング19により密閉されているため、充填された樹脂17は、軸方向の孔14から外側に流れ出すことはなく、軸方向の孔14の空間部が全て充填されると、矢印で示すように積層鉄心11の積層鉄心板11a間に存在する隙間に浸透していき、積層鉄心板同士が互いに接着される。
なお、ここで使用する樹脂17としては、狭い隙間への浸透性の観点から、粘度の低いものが望ましく、例えば1000mPa・S程度の粘度を有するエポキシ樹脂が適している。
次に、所定量の樹脂注入などにより樹脂17の注入が終わると、図3(C)に示すように、左側の樹脂注入部15から、樹脂17に替えてエア(空気)を送り込む。これにより、軸方向の孔14の内部に溜まっている樹脂17を、図の右側に配置している樹脂排出部16および図示しないチューブを通して外部へ排出する。このときに送り込むエア(空気)の圧力としては、5kgf/cm程度が妥当である。
なお、エア(空気)の注入だけで軸方向の孔14の内部に溜まった樹脂17を完全に排出することが難しい場合は、必要に応じ、清掃ブラシ、あるいは布片などにより、軸方向の孔14の内部を清掃して、軸方向の孔14内に残留した樹脂17を適宜、除去すればよい。
次に、図4、図5により、樹脂注入を行う孔を、以下で説明するように、予め定めた範囲に設けた一部の軸方向の孔に限定した場合に、樹脂が積層鉄心板の隙間に染み込む範囲を説明する。
まず、本願の課題に関わる図である図4(A)、図4(B)、図4(C)について説明する。図4(A)は、積層鉄心板11aに設けられたすべての軸方向の孔14に、樹脂17の注入を行った場合に、樹脂17の染み込み範囲を示す概要図である。この図で、ハッチングして示した領域が、具体的に、樹脂17の染み込み範囲である。この図から明らかなように、樹脂17の染み込み範囲は、積層鉄心板11aの全体に及んでいる。なお、この場合において、樹脂17の染み込み範囲は、注入された軸方向の孔14が存在する積層鉄心板11aの表面にとどまらず、隣接する積層鉄心板11aの軸方向の孔14に注入された樹脂17と、積層鉄心の隙間を介してあらゆる方向に繋がる。
図4(B)は、歯部18(図中の点線で囲まれた範囲Cのうち、スロット領域(溝領域)を除いた部分)の根元近傍D(図中の一点鎖線で囲んだ範囲)に設けられた歯部根元近傍孔14aに、樹脂17の注入を行った場合の染み込み範囲(ハッチングを施した部分)を示す概要図である。この図から判るように、樹脂17の染み込みが、歯部18の根元近傍Dに集中している。
図4(C)は、積層鉄心板の外周部分E(図中の一点鎖線で囲んだ範囲)に設けられた鉄心外周側孔14bに、樹脂17の注入を行った場合の染み込み範囲(ハッチングを施した部分)を示す概要図である。この図から判るように、樹脂17の染み込み範囲は積層鉄心板の外周部分Eに集中している。
次に、本願に関わる図である図5(A)および図5(B)について説明する。図5(A)は、歯部根元近傍孔14a及び鉄心外周側孔14bに、樹脂17の注入を行った場合の染み込み範囲(ハッチングを施した部分)を示す概要図である。この図から、樹脂17の染み込み範囲が歯部18の根元近傍D及び積層鉄心板の外周部分Eに集中していることが判る。この歯部18の根元近傍Dが積層鉄心内で占める領域を積層鉄心の歯部根元周辺部分と呼ぶ。また、上記の外周部分Eが積層鉄心内で占める領域を積層鉄心の外周部分と呼ぶ。
図5(B)は、鉄心中央部F(図中の一点鎖線で囲んだ範囲)に設けられた鉄心中央孔14cに、樹脂17の注入を行った場合の樹脂17の染み込み範囲(ハッチングを施した部分)を示す概要図である。この図から、樹脂17の染み込み範囲が鉄心中央部に集中していることが判る。上記の鉄心中央部Fが積層鉄心内で占める領域を積層鉄心の半径方向中央部分と呼ぶ。なお、この半径方向中央部分は、積層鉄心板11a上において、スルーボルト12の位置を中心とし、積層鉄心11の径方向に、歯部18の根元から鉄心外周までの距離の15%程度にわたる領域を指す。
次に、図6〜図9を用いて、樹脂の注入を行う軸方向の孔の選定方法について説明する。
図6は、図4(A)〜(C)、及び図5(A)、図5(B)の各図に示すように、樹脂を注入する軸方向の孔を限定した場合において、積層鉄心の剛性を比較した概要図である。この図は、図4(A)の構成により樹脂の注入を行った場合の剛性を100%とした場合の、図4(B)、図4(C)、及び図5(A)、図5(B)の各図に示した構成における剛性の値を、それぞれ%単位で表している。
また、この剛性の値は有限要素解析により得られたものであって、樹脂17の染み込み範囲が、図4(A)〜(C)、及び図5(A)、図5(B)の構成となった場合の、積層鉄心の楕円変形に対する固有振動数であって、これは円筒構造体としての積層鉄心における剛性値を表している。
なお、積層鉄心の楕円変形については図7に示しており、図7は積層鉄心の軸方向断面について、積層鉄心が楕円変形の固有モードで振動するときの概要図であって、図7(A)が変形前の形状を示しているのに対し、図7(B)は変形後の形状を示している。
前記円筒構造体の剛性は、内径が小さいほど断面の楕円変形に対する剛性が高く、外径が大きいほど軸方向と垂直な曲げ変形に対する剛性が高いことが知られており、例えば図8、図9にこの関係を示す。図8、図9は、それぞれ、ある内径、外径、長さの積層鉄心について、内径あるいは外径を変化させた場合に、一般的な振動計算により得られる、楕円変形および曲げ変形に対する剛性値(円環剛性、曲げ剛性)を示した図である。図8では、外径を一定とし、内径を増減させた場合の、積層鉄心の剛性値との関係性を示しており、内径が小さいほど円環剛性が高い。一方、図9では、内径を一定とし、外径を増減させた場合の、積層鉄心の剛性値との関係性を示しており、外径が大きいほど円環剛性、曲げ剛性ともに高い。
積層鉄心の円筒構造体としての剛性を高めるべく、図5(A)では、なるべく積層鉄心の内周側および外周側の積層間に存在する隙間を樹脂で埋めるように、樹脂の注入を行う軸方向の孔を選定している(以降、この場合の選定された軸方向の孔を樹脂注入孔と呼ぶ)。従って、樹脂注入後の積層鉄心の剛性の値は、図4(A)の場合に最も近くなる。このため、積層鉄心の剛性を高めるうえで、図5(A)の構成を優先的に選定するようにすればよい。
図4(B)及び図4(C)では、それぞれ歯部根元近傍孔14a及び鉄心外周側孔14bに集中的に樹脂の注入を行うので、図4(B)の構成は、楕円変形に対する剛性上昇に効果があり、図4(C)の構成は曲げ変形に対する剛性上昇に効果がある。しかしながら、注入後の樹脂17の染み込み範囲はそれぞれ内周側及び外周側に限定的であり、従って、図5に示すように、これらの場合には、積層鉄心の円筒構造体としての剛性上昇効果は比較的少ない。この場合のように、樹脂17の染み込み範囲がそれぞれ内周側あるいは外周側だけに限定される場合には、これらの軸方向の孔は、「選定された軸方向の孔」とは呼ばない。
一方、図5(B)では、鉄心中央孔14cに集中的に樹脂の注入を行うので、樹脂17の染み込み範囲は積層鉄心内周側及び外周側まで到達しないが、比較的広範囲にわたって樹脂が染み込む。この結果、図6に示したように、樹脂注入後の積層鉄心の剛性は、図5(A)よりやや低いが、図4(B)及び図4(C)より高い。このため、図5(A)に示す歯部根元近傍孔14aおよび鉄心外周側孔14bの両方に対し樹脂の注入が困難な場合、例えば樹脂注入部15または樹脂排出部16の、軸方向の孔14への挿入が、コイルエンド7aまたはメインリード7bにより阻害され、挿入が不可能な場合は、この鉄心中央孔14cに樹脂の注入を行っても、図5(A)とほぼ同等の効果が得られる。
以上により、本願に開示される回転電機あるいは回転電機の製造方法を用いて、当該回転電機の軸方向の孔に樹脂注入を行うことにより、当該回転電機に設けられた全ての軸方向の孔に樹脂を注入することなく、樹脂を注入する軸方向の孔を一部に限定した場合においても、積層鉄心全体の円筒構造体としての剛性を、全ての軸方向の孔に樹脂を注入した場合と同程度に確保することができるという効果を奏することが判る。
本願は、例示的な実施の形態が記載されているが、実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。具体的には、上記においては、積層鉄心は、円筒構造体であることを前提として説明したが、これに限らず、軸対称の多角形の筒状構造体であっても、同様の効果を奏する。
1 回転電機、3 固定子、4 回転子、5 ファン、6 固定子鉄心、7 固定子コイル、7a コイルエンド、7b メインリード、8 回転軸、9 回転子鉄心、10 軸受、11 積層鉄心、11a 積層鉄心板、12 スルーボルト、13 コアボルト、14 軸方向の孔、 14a 歯部根元近傍孔、14b 鉄心外周側孔、14c 鉄心中央孔、15 樹脂注入部、16 樹脂排出部、17 樹脂、18 歯部、19 弾性リング、20 ポンプ

Claims (7)

  1. 複数の素板が軸方向に複数枚積層された筒状の積層鉄心を備えた回転電機であって、
    前記積層鉄心は、予め形成された複数の軸方向の孔を有し、前記複数の軸方向の孔から選択された孔である樹脂注入孔の周辺領域が樹脂で充填されて、前記素板が互いに接着されており、前記樹脂注入孔は、前記積層鉄心全体の円筒構造体としての剛性を、全ての軸方向の孔に樹脂を注入した場合と同程度に確保するように選択された孔であることを特徴とする回転電機。
  2. 前記樹脂注入孔は、前記積層鉄心の歯部根元周辺部分および外周部分に存在している軸方向の孔であることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記樹脂注入孔は、前記積層鉄心の歯部根元周辺部分および外周部分を除いた半径方向中央部分に存在している軸方向の孔であることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  4. 回転電機の筒状の積層鉄心に設けられた複数の軸方向の孔から前記積層鉄心を構成する複数の素板の隙間に樹脂を注入し当該複数の素板を互いに接着して前記積層鉄心を作製する回転電機の製造方法であって、
    前記回転電機の外部から、ポンプにより、前記複数の軸方向の孔から、前記積層鉄心全体の円筒構造体としての剛性を、全ての軸方向の孔に樹脂を注入した場合と同程度に確保するように選択た孔である樹脂注入孔の一端から前記樹脂を注入して、前記積層鉄心を構成する複数の素板の隙間に樹脂を充填して前記素板を互いに接着することにより、前記積層鉄心を製造することを特徴とする回転電機の製造方法。
  5. 前記樹脂注入孔の一端から前記樹脂を注入して、前記複数の素板の隙間に樹脂を充填した後、前記樹脂注入孔の一端から空気を供給して、前記樹脂注入孔に残留した樹脂を排出することを特徴とする請求項4に記載の回転電機の製造方法。
  6. 前記樹脂注入孔は、前記積層鉄心の歯部根元周辺部分および外周部分に存在することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の回転電機の製造方法。
  7. 前記樹脂注入孔は、前記積層鉄心の歯部根元周辺部分および外周部分を除いた半径方向中央部分に存在することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の回転電機の製造方法。
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