JP2003199267A - 回転電機の固定子 - Google Patents

回転電機の固定子

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JP2003199267A
JP2003199267A JP2001400783A JP2001400783A JP2003199267A JP 2003199267 A JP2003199267 A JP 2003199267A JP 2001400783 A JP2001400783 A JP 2001400783A JP 2001400783 A JP2001400783 A JP 2001400783A JP 2003199267 A JP2003199267 A JP 2003199267A
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JP
Japan
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stator
electric machine
coil
armature winding
rotating electric
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JP2001400783A
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English (en)
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Masashi Fujita
田 真 史 藤
Tadashi Tokumasu
増 正 徳
Hideyuki Nakamura
村 英 之 中
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定子鉄心の内径側軸方向端部の、電機子コ
イル電流位相が変化する周方向位置の渦電流損失に基づ
く大きな温度上昇を低減し、周方向に分布して生じる温
度上昇の最大値を低減し、温度上昇の平均化を図る。 【解決手段】 固定子鉄心の内径側軸方向端部のコイル
電流位相が変化する周方向位置において、鉄心に段落し
部を形成することによりその位置での温度上昇を低減
し、周方向全体にわたる温度上昇を平均化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タービン発電機等
の回転電機の固定子、特に固定子鉄心の内径側軸方向端
部における軸方向磁束による渦電流損失に基づく温度上
昇の低減手段に関する。
【0002】
【従来の技術】タービン発電機等の回転界磁型回転電機
における固定子鉄心について図面を参照して説明する。
図11は回転電機の従来例を示す要部の縦断面図であ
る。一般に回転電機、例えばタービン発電機の固定子鉄
心1は、図11に示すように、複数の電気鉄板を積層し
て構成され、周方向に分布して軸方向に貫通するように
形成された複数のスロットに電機子巻線6を収納し、さ
らに固定子鉄心1の両端面側において、隣り合う電機子
巻線相互間に固定子鉄心歯先部を締め付けるための金属
部材からなる複数の外側間隔片3を当接し、外側間隔片
3に当接した固定子鉄心押板2間に組立ボルト4を軸方
向に貫通させ、固定子鉄心押板2の外側に配置された複
数の組立ボルト4に締付ナット5をねじ込んで締め付
け、それにより固定子鉄心押板2間に固定子鉄心1を支
持した構造としている。電機子鉄心1の内側には所定の
エアギャップを介して回転子鉄心7が対向するように位
置している。回転子鉄心7には界磁巻線8が装着され、
回転子の回転に際して界磁巻線8のコイルエンドが遠心
力により放射方向に変形しないように回転子鉄心7には
保持環9が取り付けられている。
【0003】固定子鉄心4の内径側の軸方向端部には、
界磁巻線8あるいは電機子巻線6によって生じる端部磁
束が存在し、それらの軸方向磁束成分が固定子鉄心1の
端部に入射するとそこに渦電流損が発生する。そのた
め、固定子鉄心端部の温度上昇は固定子鉄心の軸方向中
央部等に比較して高くなっている。しかも、タービン発
電機等の大容量化に伴う出力係数やアンペアターンの増
加と共に、固定子鉄心端部の端部磁束が増大する傾向に
あり、この部分での温度上昇値が限界値に近くなること
もある。
【0004】そのような事態を避けるため、大容量のタ
ービン発電機等の固定子鉄心端部では、積層鉄心の、い
わゆる段落しを施したり、端部抜板にスリットを形成す
る等の損失低減対策を講じている。
【0005】また、例えば、出力が700MWにも達す
るような大容量のタービン発電機等では、図12に示す
ように固定子鉄心1の端部に入射する端部漏れ磁束を低
減するため、外側間隔片3と鉄心押板2の間に段落し状
に構成した積層鉄心からなる磁束シャント10および第
2の外側間隔片14が配置される場合がある。
【0006】この場合の磁束シャント10も、図11に
おいて説明した固定子鉄心と同様に、扇形板として形成
される電気鉄板で構成される。磁束シャント10を構成
する電気鉄板の歯部は、通常、固定子鉄心1の歯部長さ
に対して、同等あるいはそれ以下の長さを有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般にタービン発電機
には2層巻き巻線または短節巻巻線が用いられるため、
隣接するスロット内および同一スロット内の各コイルに
流れる電流の位相が異なり、これらの境界付近では各相
の電流位相の相違等により、一般に端部磁束が大きくな
り、したがって渦電流の発生量も多く、周方向に見て温
度上昇が一様ではなく、温度上昇の極大点を生ずる。
【0008】図10は、450MW級タービン発電機の
3次元磁界解析によってある運転条件における鉄心端部
への軸方向入射磁束密度を求めた結果を表したものであ
る。ここには、歯部先端部、先端部から歯部長さの1/
3位置、2/3位置、およびスロット底部での磁束密度
が電機子コイルの周方向位置による電流位相との関係で
曲線21で示されている。
【0009】前述のように、一般にタービン発電機等
は、2層巻き巻線や短節巻巻線が用いられるため、隣接
するスロット内の巻線および同一スロット内の各コイル
に流れる電流位相の相違等により、図10に示すように
特定の周方向位置θ0、θ1、θ2で端部磁束が大きく
突出している。
【0010】この周方向位置θ0、θ1、θ2は、固定
子鉄心1に設けられたスロットに挿入された電機子コイ
ルの相電流が異なる位置である。周方向位置θ1の左側
では上層の電機子コイルにV相電流が流れ、下層コイル
にU相電流が流れるのに対し、位置θ1の右側では上下
層ともに電機子コイルにV相電流が流れる。このように
周方向位置θ1を境にしてスロット内の電流形態が異な
っている。また、周方向位置θ2においても同様に電流
形態が変化する。このように、電流形態の異なる境界が
周方向に、ある間隔をもって存在している。
【0011】また、図10に示すように、上層コイルの
電流形態が変化する位置θ2に比べて、下層コイルの電
流形態が変化する位置θ1の方が端部入射磁束は大きく
なっている。これは、以下のようなこと等が原因と考え
られる。すなわち、コイル電流による磁界が強めあう場
合、コイル導体の周りを回るような軸方向電流による磁
界が鉄心端部で鉄に引き付けられて軸方向成分を持って
鉄心に入射すると、これは、スロットを周回するような
磁束ループとなる。図10に示すように上層コイル電流
が強めあうときは、空間から鉄心に入射する磁束は歯部
先端部のみとなるのに対し、下層コイル電流が強めあう
ときは、空間から鉄心に入射する磁束は鉄心歯部の先端
から上下層コイル境界付近までの範囲に入射する。この
ようなこと等から、下層コイルの電流形態が変化する周
方向位置で端部入射磁束が最も大きくなると考えられ
る。
【0012】ところが、従来の固定子鉄心では、一般に
段落し部や端部鉄心のスリット、磁束シャント等の損失
低減手段は周方向に同様に設置しているため、鉄心端部
の渦電流損失による温度上昇は周方向位置θ1やθ2で
は大きくなる。これは、固定子鉄心端部の温度上昇が限
界値に近いのに加えて、これよりも温度上昇の高い点が
局所的に生じさせることになる。このため、この付近の
電機子巻線の絶縁劣化による絶縁破壊や鉄心端面の損傷
等、回転電機の正常な運転を妨げる事故の発生につなが
る虞がある。この局部的に損失の大きい点に合わせて、
周方向全体に一様に損失低減手段を設けることは、製造
コストの増加や重量の増加につながる場合もあり、回転
電機が大型・高価になることにもなる。
【0013】本発明の目的は、固定子鉄心端部の端部磁
束による渦電流損失の不均衡を是正し、周方向に分布し
て生じる温度上昇の最大値を低減し得る回転電機の固定
子を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、扇形に打ち抜かれた複数の
鉄心用抜板を環状に配設して構成される単位鉄板層を軸
方向に積層してなる固定子鉄心のスロット内に電機子巻
線を収納した回転電機の固定子において、固定子鉄心の
軸方向端部に位置する鉄心用抜板内径側にスリットを形
成し、そのスリットの深さを、電機子巻線を構成する各
コイルの電流位相が変化する周方向位置において他の位
置におけるよりも深くしたことを特徴とする。
【0015】このような構成の回転電機の固定子とする
ことにより、コイルの電流位相が変化する周方向位置で
の渦電流損失低減効果を他の位置におけるよりも大きく
することができるため、鉄心端部に入射する軸方向磁束
が他の位置よりも大きいにも拘わらず、渦電流損失抑制
により、周方向の温度上昇不均衡を緩和することができ
る。
【0016】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
回転電機の固定子において、電機子巻線は固定子の径方
向に見て複数段のコイル片からなり、それらのコイル片
のうちスロット底側のコイル片の電流位相が変化する周
方向位置におけるスリット深さを他の位置におけるより
も深くしたことを特徴とする。
【0017】このような構成の回転電機の固定子とする
ことにより、コイルの電流位相が変化する周方向位置で
の渦電流損失低減効果を他の位置におけるよりも大きく
することができるため、鉄心端部に入射する軸方向磁束
が他の位置よりも大きいにも拘わらず、渦電流損失抑制
により、周方向の温度上昇不均衡を緩和することができ
る。さらに、コイルの電流位相が変化する周方向位置を
下層コイル側に対する位置に限定して、スリットを長く
することにより、固定子全体での長いスリットの本数を
少なくすることができ、スリットの加工回数を少なくす
ることができるとともに、固定子鉄心の剛性の低下を抑
えることができ、応力や振動に対する強度を確保するこ
とができる。
【0018】請求項3に係る発明は、扇形に打ち抜かれ
た複数の鉄心用抜板を環状に配設して構成される単位鉄
板層を軸方向に積層してなる固定子鉄心のスロット内に
電機子巻線を収納した回転電機の固定子において、固定
子鉄心の軸方向端部に位置する鉄心用抜板内径側に、径
方向に走る少なくとも1本のスリットを形成し、そのス
リットの本数を、電機子巻線を構成する各コイルの電流
位相が変化する周方向位置において他の位置におけるよ
りも多くしたことを特徴とする。
【0019】このような構成の回転電機の固定子とする
ことにより、コイルの電流位相が変化する周方向位置で
の渦電流損失低減効果を他の位置におけるよりも大きく
することができるため、鉄心端部に入射する軸方向磁束
が他の位置よりも大きいにも拘わらず、渦電流損失抑制
により、周方向の温度上昇不均衡を緩和することができ
る。
【0020】請求項4に係る発明は、請求項3に記載の
回転電機の固定子において、電機子巻線は固定子の径方
向に見て複数段のコイル片からなり、それらのコイル片
のうちスロット底側のコイル片の電流位相が変化する周
方向位置におけるスリットの本数を他の位置におけるよ
りも多くしたことを特徴とする。
【0021】このような構成の回転電機の固定子とする
ことにより、コイルの電流位相が変化する周方向位置で
の渦電流損失低減効果を他の位置におけるよりも大きく
することができるため、鉄心端部に入射する軸方向磁束
が他の位置よりも大きいにも拘わらず、渦電流損失抑制
により、周方向の温度上昇不均衡を緩和することができ
る。さらに、コイルの電流位相が変化する周方向位置を
下層コイル側に対する位置に限定して、スリット本数を
多くすることにより、固定子全体でのスリット本数を少
なくすることができ、スリットの加工回数を少なくする
ことができるとともに、固定子鉄心の剛性の低下を抑え
ることができ、応力や振動に対する強度を確保すること
ができる。
【0022】請求項5に係る発明は、扇形に打ち抜かれ
た複数の鉄心用抜板を環状に配設して構成される単位鉄
板層を軸方向に積層してなる固定子鉄心のスロット内に
電機子巻線を収納した回転電機の固定子において、固定
子鉄心の軸方向端部に位置する鉄心用抜板内径側に、固
定子鉄心の径方向に走るスリットを形成し、そのスリッ
トを形成する軸方向範囲を、電機子巻線を構成する各コ
イルの電流位相が変化する周方向位置において他の位置
におけるよりも大きくしたことを特徴とする。
【0023】このような構成の回転電機の固定子とする
ことにより、コイルの電流位相が変化する周方向位置で
の渦電流損失低減効果を他の位置におけるよりも大きく
することができるため、鉄心端部に入射する軸方向磁束
が他の位置よりも大きいにも拘わらず、渦電流損失抑制
により、周方向の温度上昇不均衡を緩和することができ
る。
【0024】請求項6に係る発明は、請求項5に記載の
回転電機の固定子において、電機子巻線は固定子の径方
向に見て複数段のコイル片からなり、それらのコイル片
のうちスロット底側のコイルの電流位相が変化する周方
向位置において、スリットを形成する軸方向範囲を、他
の位置におけるよりも大きくしたことを特徴とする。
【0025】このような構成の回転電機の固定子とする
ことにより、コイルの電流位相が変化する周方向位置で
の渦電流損失低減効果を他の位置におけるよりも大きく
することができるため、鉄心端部に入射する軸方向磁束
が他の位置よりも大きいにも拘わらず、渦電流損失抑制
により、周方向の温度上昇不均衡を緩和することができ
る。さらに、コイルの電流位相が変化する周方向位置を
下層コイル側に対する位置に限定して、スリット軸方向
範囲を他の位置よりも大きくすることにより、固定子全
体でのスリット本数を少なくすることができ、スリット
の加工回数を少なくすることができるとともに、固定子
鉄心の剛性の低下を抑えることができ、応力や振動に対
する強度を確保することができる。
【0026】請求項7に係る発明は、扇形に打ち抜かれ
た複数の鉄心用抜板を環状に配設して構成される単位鉄
板層を軸方向に積層してなる固定子鉄心のスロット内に
電機子巻線を収納した回転電機の固定子において、鉄心
用抜板の径方向に走り周方向に分布して位置する合せ目
を、電機子巻線を構成する各コイルの電流位相が変化す
る周方向位置に配置したことを特徴とする。
【0027】このような構成の回転電機の固定子とする
ことにより、コイルの電流位相が変化する周方向位置に
スリットを形成するのと同様の効果を得ることができる
ため、特に抜板のスリットを強化することなく、鉄心端
部に入射する軸方向磁束が他の位置よりも大きいにも拘
わらず、渦電流損失抑制により、周方向の温度上昇不均
衡を緩和することができる。
【0028】請求項8に係る発明は、請求項7に記載の
回転電機の固定子において、電機子巻線は固定子の径方
向に見て複数段のコイル片からなり、それらのコイル片
のうちスロット底側のコイルの電流位相が変化する周方
向位置に鉄心用抜板の合せ目を配置したことを特徴とす
る。
【0029】このような構成の回転電機の固定子とする
ことにより、コイルの電流位相が変化する周方向位置に
スリットを設置するのと同様の効果を得ることができる
ため、特に抜板のスリットを強化することなく、鉄心端
部に入射する軸方向磁束が他の位置よりも大きいにも拘
わらず、渦電流損失抑制により、周方向の温度上昇不均
衡を緩和することができる。さらに、コイルの電流位相
が変化する周方向位置のうち下層コイル側に対する位置
に限定して、抜板の合せ目を配置するため、抜板の周方
向分割数、すなわち抜板1枚あたりのスロット数の選び
方の自由度が増すため、より多くの種類の固定子に対し
て適用することができる。
【0030】請求項9に係る発明は、扇形に打ち抜かれ
た複数の鉄心用抜板を環状に配設して構成される単位鉄
板層を軸方向に積層してなる固定子鉄心のスロット内に
電機子巻線を収納した回転電機の固定子において、固定
子鉄心の軸方向端部に位置する鉄心用抜板の歯部長さを
相対的に短くした段落し部を形成し、その段落し部の径
方向範囲または軸方向範囲を、電機子巻線を構成する各
コイルの電流位相が変化する周方向位置において他の位
置におけるよりも大きくしたことを特徴とする。
【0031】このような構成の回転電機の固定子とする
ことにより、コイルの電流位相が変化する周方向位置で
の渦電流損失低減効果を他の位置におけるよりも大きく
することができるため、鉄心端部に入射する軸方向磁束
が他の位置よりも大きいにも拘わらず、渦電流損失抑制
により、周方向の温度上昇不均衡を緩和することができ
る。
【0032】請求項10に係る発明は、扇形に打ち抜か
れた複数の鉄心用抜板を環状に配設して構成される単位
鉄板層を軸方向に積層してなる固定子鉄心のスロット内
に電機子巻線を収納した回転電機の固定子において、固
定子鉄心の軸方向端部に、鉄心用抜板の歯部幅を狭くす
ることによって段落し部を形成し、その段落し部の周方
向範囲または軸方向範囲を、電機子巻線を構成する各コ
イルの電流位相が変化する周方向位置において他の位置
におけるよりも大きくしたことを特徴とする。
【0033】このような構成の回転電機の固定子とする
ことにより、コイルの電流位相が変化する周方向位置で
の渦電流損失低減効果を他の位置におけるよりも大きく
することができるため、鉄心端部に入射する軸方向磁束
が他の位置よりも大きいにも拘わらず、渦電流損失抑制
により、周方向の温度上昇不均衡を緩和することができ
る。
【0034】請求項11に係る発明は、扇形に打ち抜か
れた複数の鉄心用抜板を環状に配設して構成される単位
鉄板層を軸方向に積層してなる固定子鉄心のスロット内
に電機子巻線を収納した回転電機の固定子において、固
定子鉄心の軸方向端部に、鉄心用抜板のスロット深さを
深くすることによって形成されたスロット段落し部を形
成し、そのスロット段落し部の径方向範囲または軸方向
範囲を、電機子巻線を構成する各コイルの電流位相が変
化する周方向位置において他の位置におけるよりも大き
くしたことを特徴とする。
【0035】このような構成の回転電機の固定子とする
ことにより、コイルの電流位相が変化する周方向位置で
の渦電流損失低減効果を他の位置におけるよりも大きく
することができるため、鉄心端部に入射する軸方向磁束
が他の位置より大きいにも拘わらず、渦電流損失抑制に
より、周方向の温度上昇不均衡を緩和することができ
る。
【0036】請求項12に係る発明は、請求項9から1
1のいずれか1項に記載の回転電機の固定子において、
電機子巻線は固定子の径方向に見て複数段のコイル片か
らなり、それらのコイル片のうちスロット底側のコイル
片の電流位相が変化する周方向位置において段落し部の
周方向範囲または軸方向範囲を他の位置におけるよりも
大きくしたことを特徴とする。
【0037】このような構成の回転電機の固定子とする
ことにより、コイルの電流位相が変化する周方向位置で
の渦電流損失低減効果を他の位置におけるよりも大きく
することができるため、鉄心端部に入射する軸方向磁束
が他の位置よりも大きいにも拘わらず、渦電流損失抑制
により、周方向の温度上昇不均衡を緩和することができ
る。さらに、コイルの電流位相が変化する周方向位置の
うち下層コイル側に対する位置に限定して、段落し部の
範囲を大きくすることにより、固定子全体での段落し部
を少なくすることができ、段落し用抜板の枚数を少なく
することができるとともに、固定子鉄心の締付力の低下
を抑えることができ、応力や振動に対する強度を確保す
ることができる。
【0038】請求項13に係る発明は、扇形に打ち抜か
れた複数の鉄心用抜板を環状に配設して構成される単位
鉄板層を軸方向に積層した積層構造の磁束シャントを固
定子鉄心の端面上に配置し、かつ固定子鉄心のスロット
内に磁束シャントのスロットを通して電機子巻線を収納
した回転電機の固定子において、磁束シャントの歯部長
さを、電機子巻線を構成する各コイルの電流位相が変化
する周方向位置において他の位置におけるよりも長くし
たことを特徴とする。
【0039】このような構成の回転電機の固定子とする
ことにより、コイルの電流位相が変化する周方向位置で
端部鉄心に入射する磁束を低減することができるため、
この位置での渦電流損失抑制により、周方向の温度上昇
不均衡を緩和することができる。
【0040】請求項14に係る発明は、請求項13に記
載の回転電機の固定子において、電機子巻線は径方向に
複数段のコイル片からなり、それらのコイル片のうちス
ロット底側のコイルの電流位相が変化する周方向位置に
おいて磁束シャントの歯部長さを他の位置におけるより
も長くしたことを特徴とする。
【0041】このような構成の回転電機の固定子とする
ことにより、端部入射磁束がより大きい周方向位置で周
方向位置での渦電流損失を特に大幅に低減することがで
きる。さらに、コイルの電流位相が変化する周方向位置
のうち下層コイル側に対する位置に限定して、磁束シャ
ントの歯部長さを長くすることにより、固定子全体での
磁束シャント重量を少なくすることができ、より小型・
軽量な固定子鉄心とすることができるとともに、磁束シ
ャントへの入射磁束も低減することができるため、磁束
シャントにおける磁気飽和およびそれによる鉄損を低減
することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る回転電機の実
施の形態を図面を参照して説明する。
【0043】<第1の実施の形態>図1は本発明の第1
の実施形態による回転電機の一部を示す縦断面図であ
り、図2は同回転電機の固定子の一部を示す横断面図で
ある。
【0044】図1および図2において、回転電機の固定
子鉄心1は、電気鉄板を扇形に打ち抜くことによって得
られた複数の鉄心用抜板11a,11b,11c,・・
・を環状に配置して構成された単位層鉄板を複数層に積
層して構成されている。固定子鉄心1のスロット内に上
下2層の電機子コイルからなる電機子巻線6を収納す
る。図1において、電機子巻線6は、U相電機子コイル
6a、V相電機子コイル6b、およびW相電機子コイル
6cからなっているものとして表現されている。固定子
鉄心1の軸方向両端面部において、周方向に見て電機子
巻線を収納した隣接スロット間に位置するように複数の
外側間隔片3を当接させ、この外側間隔片3に当接させ
た両端面部の固定子鉄心押板2間に組立ボルト4を貫通
し、これに装着した締付ナット5を締め付けることによ
り、固定子鉄心押板2間に固定子鉄心1を支持してい
る。
【0045】図1においては、本発明の説明のため固定
子鉄心1と電機子巻線6(電機子コイル6a,6b,6
c)についてのみ示し、外側間隔片や固定子鉄心押板な
どの図示は省略している。周方向位置θ1の左側では、
上下層ともに電機子コイル6にV相電流が流れるのに対
し、右側では、上層の電機子コイルにV相電流、下層の
電機子コイルにU相電流が流れ、周方向位置θ1を境に
してスロット内の電流形態が異なっている。すなわち周
方向位置θ1においては、その左右で下層コイルの電流
位相が変化しているということになる。また、図示して
いない周方向位置θ2においても同様に電流形態が変化
するが、位置θ2においては上層コイルの電流位相が変
化する。
【0046】固定子鉄心1の内径側軸方向端部には個々
の電気鉄板の歯部内径側(スロット相互間)に、図1に
示すように、内径側から放射方向に走るスリット12を
形成している。電機子巻線6を構成するコイルのうち、
下層コイルの電流位相が変化する周方向位置θ1におい
て、スリットの長さL1を他の位置における長さL2よ
りも長くし、しかもスリットの本数を他の位置における
よりも多くしている。図1では周方向位置θ1付近に2
本のスリットが例示されている。また、図2に示すよう
に、電機子巻線6を構成する電機子コイルのうち、下層
コイルの電流位相が変化する周方向位置におけるスリッ
トの軸方向範囲D1を、他の周方向位置における軸方向
範囲D2よりも大きくしている。
【0047】このような構造とすることにより、コイル
の電流位相が変化する周方向位置での渦電流損失低減効
果を他の位置におけるよりも大きくすることができるた
め、運転時に鉄心端部に入射する軸方向磁束が他の位置
よりも大きいにも拘わらず、渦電流損失抑制効果によ
り、周方向に見た温度上昇の不均衡を緩和することがで
きる。
【0048】なお、図示の実施形態では、スリットの長
さや、本数、軸方向範囲についてそれぞれ同時に実施し
たものとして示されているが、端部入射磁束の大きさや
温度上昇許容値等、種々の設計条件に応じて、個別に実
施しても良い。また、コイルの電流位相が変化する周方
向位置についても、下層コイルの電流位相変化位置に限
らず、上層コイル側の電流位相変化位置に対して実施し
ても良い。
【0049】<第2の実施の形態>図3は本発明の第2
の実施形態による回転電機の固定子の一部を示す横断面
図である。ここでは図1と同一の構成部分については説
明を省略する。図3において、固定子鉄心1を構成する
ために単位層の電気鉄板11を形成するために環状に配
設した扇状の鉄心用抜板11aと11b、鉄心用抜板1
1bと11cの各合せ目15を、電機子巻線6を構成す
る電機子コイル6a,6b,6cのうち下層コイルの電
流位相が変化する周方向位置θ1になるように配置して
いる。
【0050】このような構造とすることにより、鉄心用
抜板11の合せ目15を渦電流が周方向に通過できない
ため、放射方向のスリットを形成するのと同様の効果を
得ることができる。コイルの電流位相が変化する周方向
位置θ1において、渦電流損失低減効果を他の位置にお
けるよりも大きくすることができるため、運転時に鉄心
端部に入射する軸方向磁束が他の位置よりも大きいにも
拘わらず、渦電流損失抑制効果により、周方向の温度上
昇の不均衡を緩和することができる。
【0051】さらに、コイルの電流位相が変化する周方
向位置のうち、下層コイルに対する位置に限定して鉄心
用抜板の合せ目15を配置することにより、電気鉄板の
周方向分割数の自由度を増加させることができる。すな
わち、図3では電気鉄板1枚あたり3つのスロットを含
むようにして、一周にわたって全ての下層コイルの電流
位相が変化する位置に鉄板の合せ目を配置することがで
きる。しかしながら、上層コイルの電流位相が変化する
周方向位置θ2においても、鉄心用抜板の合せ目を配置
するためには、抜板1枚あたりの1つのスロットを含む
ようにする必要がある。このように、下層コイルの電流
位相が変化する位置のみに注目すれば、鉄板の周方向分
割数の選び方の自由度が増すため、より多くの種類の固
定子に対して、本発明を適用することができ、しかも、
軸方向磁束すなわち温度上昇の最大点を低くし、周方向
の温度上昇不均衡を緩和することができる。
【0052】<第3の実施の形態>図4は本発明の第3
の実施形態による回転電機の固定子鉄心の特定の周方向
位置の段落し部を示す縦断面図であり、図5は同実施形
態による固定子鉄心の他の周方向位置の段落し部を示す
縦断面図である。
【0053】図4において、積層鉄心として構成された
固定子鉄心1の内径側軸方向端部に、鉄心用抜板の歯部
長さを短くした段落し部13aを形成し、電機子巻線6
を構成する各コイルの電流位相が変化する周方向位置に
おいて、段落し部13aの径方向範囲R1または軸方向
範囲D1を、他の位置での段落し部13b(図5参照)
の径方向範囲R2または軸方向範囲D2よりも大きくす
る。
【0054】このような構造とすることにより、コイル
の電流位相が変化する周方向位置での渦電流損失低減効
果を他の位置におけるよりも大きくすることができるた
め、運転時に鉄心端部に入射する軸方向磁束が他の位置
よりも大きいにも拘わらず、渦電流損失抑制効果によ
り、周方向の温度上昇不均衡を緩和することができる。
【0055】また、段落し部13aの径方向範囲R1を
大きくすることにより、外側間隔片3で押えることので
きる固定子鉄心1の径方向範囲が減少するため、段落し
部を大きくする位置をコイルの電流位相が変化する周方
向位置に限定すれば、固定子鉄心の締付力の低下を抑え
ることができ、固定子にかかる応力や振動に対する強度
を確保することもできる。
【0056】さらに、段落し部13aの径方向範囲R1
または軸方向範囲D1を大きくする位置を、電機子巻線
を構成する下層コイルの電流位相が変化する周方向位置
のみとすることにより、固定子全体での段落し用鉄板の
枚数を少なくすることができる。これにより、製造コス
トの低減とともに、回転電機の重量の低減も可能となる
ため、小型・軽量な固定子鉄心とすることができる。
【0057】<第4の実施の形態>図6は本発明の第4
の実施形態による回転電機の固定子鉄心の一部を示す斜
視図である。図6において、積層鉄心として構成される
固定子鉄心1の端面部に、鉄心用抜板の歯部幅を端面に
行くにつれて小さくすることによって形成した歯部段落
し部15を形成し、電機子巻線6を構成する各電機子コ
イルの電流位相が変化する周方向位置において、段落し
部15の周方向範囲T1または軸方向範囲D1を、他の
位置での段落し部15の径方向範囲または軸方向範囲よ
りも大きくしたものである。段落し部15の周方向範囲
T1は図示していない外側間隔片を介した固定子鉄心1
の締付力を損なわないように選ばれる。
【0058】このような構造とすることにより、電機子
コイルの電流位相が変化する周方向位置での渦電流損失
低減効果を他の位置におけるよりも大きくすることがで
きるため、運転時に鉄心端部に入射する軸方向磁束が他
の位置よりも大きいにも拘わらず、渦電流損失抑制効果
により、周方向の温度上昇不均衡を緩和することができ
る。
【0059】さらに、段落し部15の周方向範囲または
軸方向範囲を大きくする位置を、電機子巻線を構成する
下層コイルの電流位相が変化する周方向位置のみとする
ことにより、固定子鉄心全体での段落し用抜板の枚数を
少なくすることができる。これにより、製造コストの低
減とともに回転電機の重量低減も可能となるため、小型
・軽量な固定子鉄心とすることができる。
【0060】<第5の実施の形態>図7は本発明の第5
の実施形態による回転電機の固定子の一部を示す横断面
図であり、図8は同固定子の一部を示す斜視図である。
【0061】図7および図8において、積層型に構成さ
れた固定子鉄心1の内径側軸方向端部において、電機子
巻線を構成する下層コイルの、電流位相が変化する周方
向位置θ1に近接するスロットの底部に段落し部15
a,15bを形成したものである。
【0062】このような構造とすることにより、端部鉄
心構造のうち、コイルの電流位相が変化する周方向位置
θ1での渦電流発生領域を小さくすることができ、渦電
流損失低減効果を他の位置におけるよりも大きくするこ
とができるため、運転時に鉄心端部に入射する軸方向磁
束が他の位置よりも大きいにも拘わらず、渦電流損失抑
制により周方向の温度上昇不均衡を緩和することができ
る。
【0063】なお、図7および図8では周方向位置θ1
以外のスロットにはスロット段落し部を形成していない
が、本発明では全てのスロットに対してスロット段落し
部を形成し、スロット段落し部の径方向範囲または軸方
向範囲を、周方向位置θ1において他の部分より大きく
しても良い。
【0064】<第6の実施の形態>図9は本発明の第6
の実施形態による回転電機の固定子の一部を示す縦断面
図である。図2または図12と同様の構成部分について
は説明を省略する。
【0065】図9に示す固定子鉄心1には磁束シャント
10が設けられている。磁束シャント10の固定子鉄心
内径側軸方向端部における歯部長さSは、電機子巻線6
を構成する下層コイルの電流位相が変化する周方向位置
において他の位置におけるよりも長くしている。
【0066】このような構造とすることにより、コイル
の電流位相が変化する周方向位置で端部鉄心に入射する
磁束は、その一部が磁束シャント10に入射するため、
本来の固定子鉄心1の端部に入射する磁束を低減するこ
とができる。これにより、この位置での渦電流損失を抑
制することができ、周方向の温度上昇不均衡を緩和する
ことができる。
【0067】なお、端部入射磁束の大きさや温度上昇許
容値等、種々の設計条件に応じて、下層コイルの電流位
相変化位置に加えて、上層コイルの電流位相が変化する
周方向位置でも磁束シャント歯部長さをそれ以外の歯部
長さより長くしても良い。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
固定子鉄心の内径側軸方向端部の磁束が特に大きくな
る、電機子巻線のコイル電流位相が変化する周方向位置
で、渦電流損失を低減することができるため、周方向に
わたる渦電流損失の不均衡を是正し、周方向に分布して
生じる温度上昇の最大値を低減し、より低い平均的な温
度値に平衡させた回転電機の固定子を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による回転電機の一部
を示す縦断面図。
【図2】図1の回転電機の固定子の一部を示す横断面
図。
【図3】本発明の第2の実施形態による回転電機の固定
子の一部を示す横断面図。
【図4】本発明の第3の実施形態による回転電機の固定
子鉄心における特定の周方向位置の段落し部を示す縦断
面図。
【図5】図4の固定子鉄心における他の周方向位置の段
落し部を示す縦断面図。
【図6】本発明の第4の実施形態による回転電機の固定
子の変形例を示す斜視図。
【図7】本発明の第5の実施形態による回転電機の固定
子の一部を示す横断面図。
【図8】本発明の第5の実施形態による回転電機の固定
子の一部を示す斜視図。
【図9】本発明の第6の実施形態による回転電機の固定
子の一部を示す縦断面図。
【図10】端部鉄心への軸方向入射磁束密度に関する3
次元磁界解析結果を示す図。
【図11】従来の回転電機の固定子の一部を示す縦断面
図。
【図12】従来の回転電機の他の固定子の一部を示す縦
断面図。
【符号の説明】 1 固定子鉄心 2 固定子押板 3 外側間隔片 4 組立ボルト 5 締付ナット 6 電機子巻線 6a 電機子巻線U相コイル 6b 電機子巻線V相コイル 6c 電機子巻線W相コイル 7 回転子シャフト 8 界磁巻線 9 保持環 10 磁束シャント 11 鉄心用抜板 12 スリット 13 段落し部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中 村 英 之 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 Fターム(参考) 5H002 AA02 AA03 AB06 AC03 AD06 AD08 AE01 AE06 AE07 5H603 AA01 AA07 BB08 BB12 CA01 CA05 CB03 CB18 CC03 CC11 CC17 CE05 CE06 EE06 EE08 EE11 5H604 AA03 BB09 BB14 CC01 CC05 CC14 DA01 DB30

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】扇形に打ち抜かれた複数の鉄心用抜板を環
    状に配設して構成される単位鉄板層を軸方向に積層して
    なる固定子鉄心のスロット内に電機子巻線を収納した回
    転電機の固定子において、前記固定子鉄心の軸方向端部
    に位置する鉄心用抜板内径側にスリットを形成し、その
    スリットの深さを、前記電機子巻線を構成する各コイル
    の電流位相が変化する周方向位置において他の位置にお
    けるよりも深くしたことを特徴とする回転電機の固定
    子。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の回転電機の固定子におい
    て、前記電機子巻線は固定子の径方向に見て複数段のコ
    イル片からなり、それらのコイル片のうちスロット底側
    のコイル片の電流位相が変化する周方向位置におけるス
    リット深さを他の位置におけるよりも深くしたことを特
    徴とする回転電機の固定子。
  3. 【請求項3】扇形に打ち抜かれた複数の鉄心用抜板を環
    状に配設して構成される単位鉄板層を軸方向に積層して
    なる固定子鉄心のスロット内に電機子巻線を収納した回
    転電機の固定子において、前記固定子鉄心の軸方向端部
    に位置する鉄心用抜板内径側に、径方向に走る少なくと
    も1本のスリットを形成し、そのスリットの本数を、前
    記電機子巻線を構成する各コイルの電流位相が変化する
    周方向位置において他の位置におけるよりも多くしたこ
    とを特徴とする回転電機の固定子。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の回転電機の固定子におい
    て、前記電機子巻線は固定子の径方向に見て複数段のコ
    イル片からなり、それらのコイル片のうちスロット底側
    のコイル片の電流位相が変化する周方向位置におけるス
    リットの本数を他の位置におけるよりも多くしたことを
    特徴とする回転電機の固定子。
  5. 【請求項5】扇形に打ち抜かれた複数の鉄心用抜板を環
    状に配設して構成される単位鉄板層を軸方向に積層して
    なる固定子鉄心のスロット内に電機子巻線を収納した回
    転電機の固定子において、前記固定子鉄心の軸方向端部
    に位置する鉄心用抜板内径側に、固定子鉄心の径方向に
    走るスリットを形成し、そのスリットを形成する軸方向
    範囲を、前記電機子巻線を構成する各コイルの電流位相
    が変化する周方向位置において他の位置におけるよりも
    大きくしたことを特徴とする回転電機の固定子。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の回転電機の固定子におい
    て、前記電機子巻線は固定子の径方向に見て複数段のコ
    イル片からなり、それらのコイル片のうちスロット底側
    のコイルの電流位相が変化する周方向位置において、ス
    リットを形成する軸方向範囲を、他の位置におけるより
    も大きくしたことを特徴とする回転電機の固定子。
  7. 【請求項7】扇形に打ち抜かれた複数の鉄心用抜板を環
    状に配設して構成される単位鉄板層を軸方向に積層して
    なる固定子鉄心のスロット内に電機子巻線を収納した回
    転電機の固定子において、前記鉄心用抜板の径方向に走
    り周方向に分布して位置する合せ目を、前記電機子巻線
    を構成する各コイルの電流位相が変化する周方向位置に
    配置したことを特徴とする回転電機の固定子。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の回転電機の固定子におい
    て、前記電機子巻線は固定子の径方向に見て複数段のコ
    イル片からなり、それらのコイル片のうちスロット底側
    のコイルの電流位相が変化する周方向位置に前記鉄心用
    抜板の合せ目を配置したことを特徴とする回転電機の固
    定子。
  9. 【請求項9】扇形に打ち抜かれた複数の鉄心用抜板を環
    状に配設して構成される単位鉄板層を軸方向に積層して
    なる固定子鉄心のスロット内に電機子巻線を収納した回
    転電機の固定子において、前記固定子鉄心の軸方向端部
    に位置する鉄心用抜板の歯部長さを相対的に短くした段
    落し部を形成し、その段落し部の径方向範囲または軸方
    向範囲を、前記電機子巻線を構成する各コイルの電流位
    相が変化する周方向位置において他の位置におけるより
    も大きくしたことを特徴とする回転電機の固定子。
  10. 【請求項10】扇形に打ち抜かれた複数の鉄心用抜板を
    環状に配設して構成される単位鉄板層を軸方向に積層し
    てなる固定子鉄心のスロット内に電機子巻線を収納した
    回転電機の固定子において、前記固定子鉄心の軸方向端
    部に、鉄心用抜板の歯部幅を狭くすることによって段落
    し部を形成し、その段落し部の周方向範囲または軸方向
    範囲を、前記電機子巻線を構成する各コイルの電流位相
    が変化する周方向位置において他の位置におけるよりも
    大きくしたことを特徴とする回転電機の固定子。
  11. 【請求項11】扇形に打ち抜かれた複数の鉄心用抜板を
    環状に配設して構成される単位鉄板層を軸方向に積層し
    てなる固定子鉄心のスロット内に電機子巻線を収納した
    回転電機の固定子において、前記固定子鉄心の軸方向端
    部に、鉄心用抜板のスロット深さを深くすることによっ
    て形成されたスロット段落し部を形成し、そのスロット
    段落し部の径方向範囲または軸方向範囲を、前記電機子
    巻線を構成する各コイルの電流位相が変化する周方向位
    置において他の位置におけるよりも大きくしたことを特
    徴とする回転電機の固定子。
  12. 【請求項12】請求項9から11のいずれか1項に記載
    の回転電機の固定子において、前記電機子巻線は固定子
    の径方向に見て複数段のコイル片からなり、それらのコ
    イル片のうちスロット底側のコイル片の電流位相が変化
    する周方向位置において前記段落し部の周方向範囲また
    は軸方向範囲を他の位置におけるよりも大きくしたこと
    を特徴とする回転電機の固定子。
  13. 【請求項13】扇形に打ち抜かれた複数の鉄心用抜板を
    環状に配設して構成される単位鉄板層を軸方向に積層し
    た積層構造の磁束シャントを固定子鉄心の端面上に配置
    し、かつ前記固定子鉄心のスロット内に前記磁束シャン
    トのスロットを通して電機子巻線を収納した回転電機の
    固定子において、前記磁束シャントの歯部長さを、前記
    電機子巻線を構成する各コイルの電流位相が変化する周
    方向位置において他の位置におけるよりも長くしたこと
    を特徴とする回転電機の固定子。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の回転電機の固定子に
    おいて、前記電機子巻線は径方向に複数段のコイル片か
    らなり、それらのコイル片のうちスロット底側のコイル
    の電流位相が変化する周方向位置において前記磁束シャ
    ントの歯部長さを他の位置におけるよりも長くしたこと
    を特徴とする回転電機の固定子。
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