JP6667298B2 - ホームドア装置 - Google Patents

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本発明は、鉄道等の駅のプラットホームに設置されるホームドア装置に関するものである。
駅のプラットホームから軌道側への人の転落を防止するため、プラットホームの縁部に沿ってホームドア装置が設置される。こうしたホームドア装置は、鉄道のみならず、例えば自動運転を行う新交通システム等でも必須の構成要素となっている。ホームドア装置の設置は今後とも拡大の傾向にあり、これまで、種々のホームドアが開発されてきた。
ホームドア装置は、鉄道等の車輌の乗降口に対面する乗降通路を形成し、乗降通路は、典型的にはスライド式のドアによって開閉される。スライド式のドアは、スライド式のドアと車輌との間に人や荷物等の支障物がないことが確認されてから閉じられなければならない。そのため、ホームドア装置は、そのような支障物を検出するための支障物検出装置を有している。
特許文献1に記載されたホームドア装置は、スライド式のドアと車輌との間に存在することがある支障物を検出するために、戸袋部の軌道側に配設された光学式の支障物センサ(三次元距離画像センサ)を有する支障物検出装置を具備する。
特許第5507135号公報
支障物センサは、その検知空間がスライドドアの背面側と車輌との間に設定されるので、戸袋部の軌道側に配設される。そのため、特許文献1のものも含めて、従来のホームドア装置においては、支障物センサを故障あるいは点検等のために取り外そうとする場合、軌道側からアクセスして作業を行う必要があった。そのため、作業は通常、深夜時間帯に線路閉鎖を行ってから実施される。その結果、従来のホームドア装置によると、作業をタイムリーに実施できないことがあり、また線路閉鎖を申請してそれを確実に実行管理するという負担が鉄道会社の関係する部門には大きかった。また、支障物センサの故障としては、支障物センサが通常有する発受光窓あるいはレンズへの汚れ等の付着に起因するものも含まれるので、支障物センサの故障が支障物センサ単体の故障率に基づくものより高い頻度で発生していたことが銘記されるべきである。
本発明は、前述した従来技術の課題に鑑みて、支障物センサの交換及び保守の容易なホームドア装置を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するために、本発明によれば、プラットホームの縁部に沿って配設され、隣接して配設される同様のホームドア装置と協働して、開閉可能な乗降通路を形成するホームドア装置であって、乗降通路を開閉するスライドドアと、スライドドアを格納する戸袋部と、スライドドアと車輌との間に設定された検知空間に存在し得る支障物を検知する支障物センサであって、ホーム側からの作業によって脱着が可能であるように配設された支障物センサとを具備することを特徴とするホームドア装置が提供される。
本発明では、支障物センサは、ホーム側からの作業だけでなく軌道側からの作業によっても脱着が可能であるように配設されてよい。
本発明によれば、支障物センサは、ホーム側からの作業により脱着が可能であるように配設されているので、その故障あるいは点検等のために必要な脱着作業を、線路閉鎖を行うことなく且つタイムリーに行うことが可能になる。
本発明の実施形態によるホームドア装置を軌道側から見た斜視図である。 ホームドア装置の支障物センサの斜視図である。 ホームドア装置をホーム側から見た斜視図であって、一部の構成要素が取り外されている斜視図である。 ホームドア装置の戸袋部をホーム側から見た部分拡大斜視図である。 戸袋部の図4とは別の領域をホーム側から見た部分拡大斜視図であり、支障物センサがそのブラケットと共に取外されている、部分拡大斜視図である。 支障物センサとそのブラケットを示す斜視図である。 ホームドア装置を軌道側から見た部分拡大斜視図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態によるホームドア装置を説明する。なお、本実施形態によるホームドア装置は、鉄道の駅のプラットホームに設置されるものとして説明されるが、ホームドア装置が、鉄道以外の交通システム、例えばモノレールシステム等のプラットホームに設置されて用いられることも可能であることが理解されよう。
図1は、本実施形態によるホームドア装置1を軌道側から見た斜視図である。ホームドア装置1は、それに隣接して配設される同様のホームドア装置(図示せず)と協働してそれらの間に、開閉可能な乗降通路を形成する。図1は、乗降通路を閉鎖するために、ホームドア装置1が有するスライドドア10が伸長した状態を示している。なお、本明細書では、ホームドア装置1の、軌道に近い側を軌道側あるいは背面側と呼び、軌道から遠い側をホーム側あるいは前面側と呼ぶ。
本実施形態によるホームドア装置1は、乗降通路を開閉するために軌道(図示せず)の延びる方向に略平行に往復移動する一対のスライドドア10と、それら一対のスライドドア10を移動可能に支持するとともに格納する戸袋部20と、図示しないが、スライドドア10を駆動するための電動モータ、歯付ベルト、及びプーリ等からなる駆動装置と、制御装置30(図3)と、支障物センサ40とを具備する。また、本実施形態によるホームドア装置1は、プラットホーム(図示せず)への設置のための3つの足部50を戸袋部20の底に更に具備する。
ホームドア装置1のスライドドア10は、矩形のパネル状に形成されていて、図示されないドア支持装置によって戸袋部20内で移動可能に支持されている。スライドドア10は、乗降通路を閉じているときは、その先端部が、隣接するホームドア装置の同様のスライドドア(図示せず)の先端部と当接し、乗降通路を開放しているときはその先端の僅かな部分を残して殆どが戸袋部20内に格納される。
本実施形態では、戸袋部20は、略直方体状に形成されており、横長の矩形状のフレーム24と、複数枚の縦長の矩形状のパネルを有する。戸袋部20の背面側は、3枚のパネル、即ち図1の左側の第1背面パネル21と、中央の第2背面パネル22と、右側の第3背面パネル23によって覆われている。第3背面パネル23には、縦に細長い直方体状の突出部70が固定されており、この突出部70は、旅客が乗降通路から戸袋部20の背面側に侵入することを防ぐための侵入防止用突出部70として機能する。
図1の左側の第1背面パネル21には、光学式の支障物センサ40が配設されており、支障物センサ40は、略逆L字状のセンサボックス60によりその大部分が覆われている。センサボックス60の、支障物センサ40の斜め左上には、閉鎖状態にある乗降通路を緊急時等に強制的に開放するための非常解錠ボタン80が取り付けられている。なお、センサボックスが非常解錠ボタン80を取り付けることなく、支障物センサ40に専用のセンサボックスとして設けられる実施形態も可能である。
本実施形態における支障物センサ40は光学式のものであって、スライドドア10の背面側と車輌との間に設定された検知空間(図示せず)内に存在する人や物等の支障物を検知するように配置されている。より詳しくは、支障物センサ40は、MEMS共振ミラーを有する三次元距離画像センサから構成されており、近赤外線パルスレーザー光を検知空間内に照射して、複数の走査軸に沿って振動する微小ミラーにより、前記空間内をリサジュー軌跡を描きながら上下左右に走査し、レーザー光が支障物に反射して戻るまでの往復時間により支障物までの距離を測定すると共に、座標における反射光の強さを測定するものである。そして、この距離データとレーザー光の照射角度とから検知空間内における対象物の位置座標を特定すると共に、対象物を走査して上記測定データを連続的に取り込むことにより、対象物の大きさも決定することができる。また、支障物センサ40で得られたデータは、制御装置30を構成する図示されない処理部及び検知制御部等へ出力される。
支障物センサ40は、その外観斜視図である図2に示されるように、略直方体状のセンサ本体部41と、センサ本体部41の前面側に設けられた取付パネル42とを有する。センサ本体部41の取付パネル側にはレーザー光の発出及び反射光の受光のための矩形の発受光窓43が設けられている。取付パネル42には発受光窓43に対応して角穴が設けられている。センサ本体部41の発受光窓43とは反対側には、データ出力用のコネクタ44及び電源コネクタ(図示されず)が設けられている。
図3は、本実施形態によるホームドア装置1を、スライドドア10が伸長した状態でホーム側から見た斜視図である。図3に示されるように、戸袋部20の前面側も3枚の縦長の矩形状パネル、即ち、図の右側の第1前面パネル25、中央の第2前面パネル26、及び左側の第3前面パネル27により覆われる。図3では、説明のために、第1前面パネル25が取外されており、さらに制御装置30の構成要素の一つである第1制御盤31が取外されている。なお、図3では、制御装置30の他の構成要素である第2制御盤32が戸袋部20に固定されている。
図4は、第1制御盤31が戸袋部に固定された状態を示す、ホーム側から見た斜視図である。この図に示されるように、第1制御盤31は、4箇所の耳部31aで戸袋部20の内部で縦に延びる2本のフレーム部材24a、24bに固定されている。耳部31aには、丸穴ではなく、下に開放した逆U字形の切欠きが形成されているので、第1制御盤31は、4本の取付ネジ33を緩めるだけで簡単に戸袋部20のフレーム部材24a、24bから取り外すことが可能である。
第1前面パネル25及び第1制御盤31が取外された図3では、第1背面パネル21の内面と、それにブラケット45を介して取り付けられた支障物センサ40とを見ることができる。図5は、図3の部分拡大図に相当する斜視図であるが、そこでは、支障物センサ40の固定されたブラケット45が第1背面パネル21の内面から、戸袋部20の前面側に取外されつつある状態が示されている。第1背面パネル21には、ブラケット45の大部分が貫通できるような角穴21aが開けられている。図5では、前記角穴21aをとおしてセンサボックス60の内面を見ることができる。
ブラケット45は、図5及び図6に示されるように、支障物センサ40のコネクタ44が設けられた側及び戸袋部20の前面側の二面が開放した箱状に形成されており、その前面側の上部及び下部に取付フランジ部45aが設けられている。ブラケット45は、取付フランジ部45aと4本のブラケット固定ねじ46によって第1背面パネル21に固定されることができる。また、ブラケット45の図6の右側の側面には支障物センサ40の取付パネル42がやはり4本のパネル固定ねじ47によって固定されている。このためブラケット45の図6の右側の側面にはセンサ本体部41が貫通できる角穴(図示されず)が開けられている。
支障物センサ40は、上述した様態で配設されているので、スライドドア10が伸長されているとき、作業者は、戸袋部20の第1前面パネル25を取外し、次いで第1制御盤31を取り外せば、支障物センサ40の固定されたブラケット45にアクセスすることが可能になる。そして、作業者は、ブラケット45の取付フランジ部45aの4本のブラケット固定ねじ46を緩め外してブラケット45を第1背面パネル21から取外し、少し手前に引き出してから、支障物センサ40にコネクタ44を介して接続されている電気ケーブル(図示せず)を切り離すことにより、ブラケット45と共に支障物センサ40を戸袋部20から取り外すことが可能になる。そして、ブラケット45から支障物センサ40を取り外すためには、4本のパネル固定ねじ47を緩めて外せばよい。また、支障物センサ40を取り付ける場合は、前述の手順と逆の手順で行えばよい。
このように、本実施形態によるホームドア装置1では、支障物センサ40はホーム側からの作業によって脱着が可能であるように配設されている。そのため、支障物センサ40の交換あるいは点検の必要が生じた場合、速やかに且つ線路閉鎖を行うことなく、それをホーム側から脱着することが可能になる。
さらに、戸袋部20の第1背面パネル21の部分を軌道側から見た部分拡大斜視図である図7に示されるように、本実施形態によるホームドア装置1では、ブラケット45が戸袋部20に固定された状態で、支障物センサ40に軌道側からアクセスすることにより、それをブラケット45から取り外すことが可能である。そのため、センサボックス60には、支障物センサ40の取付パネル42よりも大きな切欠き部60aが設けられている。作業者は、軌道側からアクセスして、取付パネル42の4本のパネル固定ねじ47を緩め外して支障物センサ40だけをブラケット45から取外して、少し手前に引き出してから、電気ケーブルを切り離すことにより、戸袋部20から取り外すことが可能である。なお、この場合の作業は、スライドドア10が伸長状態及び格納状態のどちらでも実施することができる。また、支障物センサ40を取り付ける場合は、前述の手順と逆の手順で行えばよい。
このように、本実施形態によるホームドア装置1では、支障物センサ40は軌道側からの作業によっても脱着が可能であるように配設されている。そのため、線路閉鎖が行われる機会があれば、そのとき支障物センサ40の交換あるいは点検を行うことが可能になる。
前述の実施形態では、支障物センサ40と、処理部及び検知制御部等とは別体のものであったが、支障物センサ40が、処理部及び検知制御部等を一体に含んだものである実施形態も可能である。
前述の実施形態では、支障物センサ40は、レーザー光及び振動するミラーを用いる三次元距離画像センサから構成されていたが、支障物センサ40はそのようなタイプに限定されるものではない。例えば、支障物センサ40が、LEDにより発光された光を用いるより単純な光電センサから構成される実施形態も可能である。
前述の実施形態では、ホーム側からの作業によって支障物センサ40を脱着するときには、スライドドア10は伸長状態にある必要があったが、スライドドアが格納状態にあるときにおいても、支障物センサ40を脱着することが可能な実施形態も可能である。これは、前述の実施形態における、ホーム側から軌道側を見通せる穴を有しないパネル状のスライドドアを、例えば、ほぼフレーム部材だけから構成されたスライドドアに代替することにより実現できる。このスライドドアのフレーム部材以外の部分には、ホーム側から軌道側を見通せる大きな穴が形成されるので、その穴の効果によって、スライドドアの格納状態のときにも前記大きな穴をとおして第1制御盤31に及び支障物センサ40を固定するブラケット45にホーム側からアクセスしてそれらを脱着することが可能になる。
1 ホームドア装置
10 スライドドア
20 戸袋部
21 第1背面パネル
25 第1前面パネル
31 第1制御盤
32 第2制御盤
40 支障物センサ
41 センサ本体部
42 取付パネル
43 発受光窓
45 ブラケット
60 センサボックス

Claims (2)

  1. プラットホームの縁部に沿って配設され、隣接して配設される同様のホームドア装置と協働して、開閉可能な乗降通路を形成するホームドア装置であって、
    前記乗降通路を開閉するスライドドアと、
    前記スライドドアを格納する戸袋部と、
    前記スライドドアと車輌との間に設定された検知空間に存在し得る支障物を検知する支障物センサであって、ホーム側及び軌道側のどちらからの作業によって脱着が可能であるように配設された支障物センサと、
    を具備することを特徴とするホームドア装置。
  2. 前記支障物センサは、ブラケットを介して前記戸袋部に取り付けられており、
    前記支障物センサは、ホーム側からの作業により前記ブラケットごと脱着可能であるとともに、軌道側からの作業により該支障物センサ単独で脱着可能であるように配設されている請求項1に記載のホームドア装置。
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