JP6667235B2 - 密閉型電動圧縮機 - Google Patents

密閉型電動圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP6667235B2
JP6667235B2 JP2015175733A JP2015175733A JP6667235B2 JP 6667235 B2 JP6667235 B2 JP 6667235B2 JP 2015175733 A JP2015175733 A JP 2015175733A JP 2015175733 A JP2015175733 A JP 2015175733A JP 6667235 B2 JP6667235 B2 JP 6667235B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
permanent magnet
rotor
magnet
electric compressor
gap
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015175733A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017053239A (ja
Inventor
村上 晃啓
晃啓 村上
修平 新村
修平 新村
大我 渕野
大我 渕野
哲也 田所
哲也 田所
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Johnson Controls Air Conditioning Inc
Original Assignee
Hitachi Johnson Controls Air Conditioning Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Johnson Controls Air Conditioning Inc filed Critical Hitachi Johnson Controls Air Conditioning Inc
Priority to JP2015175733A priority Critical patent/JP6667235B2/ja
Priority to CN201610102708.7A priority patent/CN106499633A/zh
Publication of JP2017053239A publication Critical patent/JP2017053239A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6667235B2 publication Critical patent/JP6667235B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C29/00Component parts, details or accessories of pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C18/00 - F04C28/00
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C2240/00Components
    • F04C2240/20Rotors

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Compressor (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Description

本発明は、密閉型電動圧縮機に関する。
従来、冷凍機、空気調和機、冷蔵庫などの冷媒としては、例えば、R134a、R410A、R407Cなどが使用されている。これらの冷媒は、オゾン層への影響が少ないものの地球温暖化係数が大きい。これに対してR32は、R410Aと比較すると地球温暖化係数が三分の一程度である。しかし、R32は、R134a、R410A、R407Cなどと比べて圧縮機における吐出温度が高く、モータに使用される永久磁石を減磁させるおそれがある。
特許文献1には、希土類磁石の厚みを通常よりも増加させることによって高温減磁に対する耐久性の向上を図るモータが記載されている。
また、特許文献2には、Nd−Fe−B系焼結磁石のNdの一部をDyで置換することによって耐熱性の改善を図るモータが記載されている。
特開2001−115963号公報 特開2008−86128号公報
しかし、特許文献1のモータは、希土類磁石の厚みを増加させた分だけ電磁鋼板で構成される鉄芯コア部の寸法が制約される。このモータは、希土類磁石の増加分だけ鉄芯コア部の体積が減少するため充分な磁力を確保することができない。
また、特許文献2のモータは、磁石の飽和磁気分極が減少し、必要な残留磁束密度を得ることができないため充分な磁力を確保することができない。
本発明の課題は、モータの磁力を確保しつつ、Nd−Fe−B系焼結磁石の保磁力を向上させて高温減磁に対する耐久性を高めた密閉型電動圧縮機を提供することにある。
前記課題を解決した本発明の密閉型電動圧縮機は、R32冷媒の圧縮機構部と、前記圧縮機構部を駆動する電動機と、を備え、前記電動機の回転子は、Nd−Fe−B化合物で構成される永久磁石を有し、前記永久磁石の着磁率が98.5%以上であり、前記回転子は、前記永久磁石を収容する磁石収容部を有し、前記永久磁石の磁化方向における前記永久磁石と前記磁石収容部との隙間は、前記Nd−Fe−B化合物の母相粒の平均粒径より大きく、前記回転子の軸方向における前記永久磁石と前記磁石収容部との間の隙間より狭いことを特徴とする
本発明によれば、モータの磁力を確保しつつ、Nd−Fe−B系焼結磁石の保磁力を向上させて高温減磁に対する耐久性を高めた密閉型電動圧縮機を提供することができる。
本発明の実施形態に係る密閉型電動圧縮機の縦断面図である。 密閉型電動圧縮機の電動機における回転子の斜視図である。 回転子における永久磁石の配置図であり、(a)は軸方向から見た図、(b)は、(a)のIIIb−IIIb断面図である。 回転子における1極分の磁石収容部付近を示す部分拡大図である。 永久磁石を構成するNd−Fe−B化合物の母相粒内の金属分布図である。 本実施形態での回転子に着磁を行う外部着磁装置の構成説明図である。 永久磁石の温度と減磁開始電流との関係を示すグラフである。
次に、本発明を実施するための形態(実施形態)について図面を適宜参照しながら説明する。
本実施形態の密閉型電動圧縮機は、電動機の回転子における永久磁石の着磁率が98.5%以上となっていることを主な特徴とする。以下では、密閉型電動圧縮機の全体構成について説明した後に、回転子とこれに使用される永久磁石について説明する。
<密閉型電動圧縮機>
図1は、本実施形態の密閉型電動圧縮機50の縦断面図である。
密閉型電動圧縮機50は、冷凍空調装置(例えば、空気調和機、冷蔵庫、冷凍庫、冷蔵・冷凍ショーケースなど)やヒートポンプ式給湯装置などの冷凍サイクルの構成機器として用いられる。
図1に示すように、密閉型電動圧縮機50は、密閉容器1と、圧縮機構2と、電動機7とを主要構成要素として備えている。
密閉容器1は、円筒状の筒部1aと筒部1aの上下に溶着された蓋部1b及び底部1cとを有し、内部を密閉空間としている。
密閉容器1は、圧縮機構2と電動機7とを収納し、底部1cにエーテル系化合物、エステル系化合物などの潤滑油8を貯留している。潤滑油8の油面は副軸受15の上方に位置するよう設定されている。
密閉容器1には、蓋部1bを貫通する吸込パイプ11と、筒部1aを貫通する吐出パイプ22とが設けられている。吐出パイプ22は、フレーム5の直下に位置して、密閉容器1内の中心方向に向けて突出している。吐出パイプ22の先端は、コイルエンド17の外周面より中心側に延びて開口している。
圧縮機構2は、R32の冷媒ガスを圧縮して密閉容器1内に吐出するものであり、密閉容器1内の上部に配置されている。圧縮機構2は、固定スクロール3と、旋回スクロール4と、フレーム5と、オルダムリング10とを主要構成要素として備えている。
固定スクロール3は、端板上に渦巻状のラップを有しており、フレーム5上にボルト止めされている。固定スクロール3の周縁部には吸込口12が設けられ、中央部には吐出口14が設けられている。吸込口12には吸込パイプ11が連通している。吐出口14は、密閉容器1内の圧縮機構2の上方空間に連通している。
旋回スクロール4は、端板上に渦巻状のラップを有している。旋回スクロール4は、固定スクロール3とフレーム5との間に挟み込まれている。旋回スクロール4のラップと固定スクロール3のラップとが噛み合わされて圧縮室が形成されている。
旋回スクロール4の反固定スクロール側には、旋回軸受が組み込まれるボス部が設けられている。この旋回軸受には、旋回スクロール4を偏心駆動させる偏心ピン部6aが嵌め込まれている。
オルダムリング10は、旋回スクロール4の自転規制機構を構成している。オルダムリング10は、旋回スクロール4とフレーム5との間に設置され、公転する旋回スクロール4の自転を防止して円軌道運動を行わせる。
本実施形態でのフレーム5は、密閉容器1に溶接で固定されている。このフレーム5は、固定スクロール3、オルダムリング10及び旋回スクロール4を支持している。フレーム5の中央には、下方に突出する筒部が設けられている。この筒部内には、シャフト6を軸支する主軸受5aが設けられている。
固定スクロール3及びフレーム5の外周部には、固定スクロール3の上方空間とフレーム5の下方空間とを連通する複数の吐出ガス通路18aが形成されている。
電動機7は、回転子7aと、固定子7bと、シャフト6と、バランスウェイト16とを主要構成要素として備えている。回転子7aについては、後に詳しく説明する。
固定子7bは、電流を流して回転磁界を発生させる複数の導体を有するコイル24と、回転磁界を効率よく伝達するための鉄芯23とを主要構成要素として備えている。
なお、本実施形態での固定子7bのコイル24は集中巻方式で巻かれている。
鉄芯23は密閉容器1に焼き嵌め、溶接などにより固定されている。この固定子7bの外周には、全周にわたって多数の切欠きが形成され、この切欠きと密閉容器1との間に吐出ガス通路18bが形成されている。
シャフト6は、回転子7aの中央穴に嵌合されて回転子7aと一体化されている。シャフト6の一側(図示例では上側)は、回転子7aより突出して圧縮機構2に係合され、圧縮機構2の圧縮動作により偏心力が加えられる。本実施形態では、シャフト6は、その両側が回転子7aの両側より突出され、回転子7aの両側で主軸受5a及び副軸受15により軸支され、安定的に回転することができる。副軸受15は、密閉容器1に溶接して固定された支持部材により支持されると共に、潤滑油8に浸漬されている。
シャフト6の下端は密閉容器1の底部の油溜9内に延びている。シャフト6には潤滑油8を各軸受部および各摺動面へ供給する貫通穴6bが設けられ、下端部の油溜9より潤滑油8を貫通穴6bから吸い上げられるようになっている。圧縮機構2にシャフト貫通穴を通して油溜9より吸い上げられた潤滑油8は、各軸受及び圧縮機構2の摺動部に供給される。圧縮機構2の摺動部に供給された潤滑油8は、冷媒ガスと共に固定スクロール3の中央部の吐出口14から吐出される。
バランスウェイト16は、回転子7aの両側に設置された上バランスウェイト(圧縮機構側バランスウェイト)16a及び下バランスウェイト(反圧縮機構側バランスウェイト)16bから構成され、複数のリベット30により回転子7aに固定されている。
以上のような密閉型電動圧縮機50においては、電動機7に通電されて回転子7aが回転すると、シャフト6が回転する。これにより偏心ピン部6aが偏心した回転運動を行って旋回スクロール4が旋回する。固定スクロール3と旋回スクロール4との間に形成される圧縮室は、外周側から中央部に移動しながら小さくなる。吸込パイプ11及び吸込口12を介して吸い込まれた冷媒ガスは、圧縮室で圧縮される。圧縮された冷媒ガスは、固定スクロール3の中央部の吐出口14から密閉容器1内の上部空間(吐出圧空間)に吐出され、吐出パイプ22を介して密閉容器1外に排出される。
<回転子>
次に、本実施形態での回転子7aについてさらに詳しく説明する。
図2は、密閉型電動圧縮機の電動機における回転子の斜視図である。なお、図2には、上バランスウェイト16aと下バランスウェイト16bとを併記している。また、図2中、上バランスウェイト16aと回転子7aとは作図の便宜上、一部を破断して示している。
図2に示すように、回転子7aは、鉄芯25と、鉄芯25に内蔵された永久磁石33とを主要構成要素として備えている。回転子7aは、固定子7bからの回転磁界を回転運動に変換し、シャフト6(図1参照)を中心に回転する。回転子7aは、固定子7b(図1参照)の鉄芯23(図1参照)の中央穴に回転可能に配置されている。
回転子7aは、複数の磁石収容部31に挿入された永久磁石33を備えている。永久磁石33は薄い直方体で形成されている。この永久磁石33は、磁化方向における符号Bで示される面の面積は、符号Aで示される面の面積よりも大きい。そして、永久磁石33の6面のうち、最も広い2面(一対のB面)が回転子7aの遠心方向に向くよう配置されている。回転子7aの下面は、下バランスウェイト16bなどによって塞がれている。これにより永久磁石33は、磁石収容部31の下面から抜け出ないよう保持されている。
図3は、回転子7aにおける永久磁石33の配置図であり、(a)は軸方向から見た図、(b)は、(a)のIIIb−IIIb断面図である。
図3(a)に示すように、各磁石収容部31に挿入されている永久磁石33は、複数枚で構成されている。本実施形態では、4つの磁石収容部31のそれぞれに永久磁石33が3つに分割されて配置されている。永久磁石33には、固定子7bからの磁界の影響により渦電流が発生するが、永久磁石33が分割されることにより渦電流損が低減される。
回転子7aは、永久磁石が埋め込まれた極部51と、極部51の間に位置する極間部52と、を有している。
本実施形態での回転子7aにおいては、極間部52における径方向の長さXは、極部51における径方向の長さYよりも短くなっている。このような回転子7aによれば、磁束が通る鉄芯25を狭くすることができ、永久磁石33の漏れ磁束を低減することができる。
図3(b)に示すように、磁石収容部31の軸方向の上端部と、永久磁石33との間には、隙間Rが形成されている。このような隙間Rを設けることで、磁石収容部31内に永久磁石33を配置する際の寸法誤差に対応することができる。また、この隙間Rは、後記するように、永久磁石33の磁化方向における磁石収容部31との隙間Q(図4参照)よりも大きくなるように設定されている。
図3(b)中、符号25は、鉄芯である。鉄芯25は、図3(a)に示す平面形状を有する、例えばケイ素鋼板が、図3(b)に示すように、軸方向に積層されて形成されている。
図4は、回転子7aにおける1極分の磁石収容部31付近を示す部分拡大図である。
永久磁石材料としてのNd−Fe−B系焼結磁石の粒界近傍にDy、Tbなどといった中重希土類元素を偏在させると、分散強化によってすべり変形に拘束がかかる。そのため永久磁石は、モーメントに対して強くなる反面、脆性が増す。
本実施形態での永久磁石33は、磁力が大きいため、磁石収容部31で移動することは考えづらい。ここでは万全を期すため、回転子7aの加速や減速に伴う慣性力や遠心力が永久磁石33に加わり、3枚に分割された永久磁石33が磁石収容部31内で移動する場合を想定する。
前記したように、磁石収容部31は、軸方向に隙間R(図3(b)参照)を設けて永久磁石33を収容している。
この隙間Rに加えて磁石収容部31は、図4に示すように、永久磁石33の磁化方向における永久磁石33と磁石収容部31との間に隙間Qが形成されている。このような隙間Qを設けることで、磁石収容部31内に永久磁石33を配置する際の寸法誤差は吸収される。
また、隙間Qは、前記の隙間R(図3(b)参照)よりも狭くなるように形成されている。本実施形態での回転子7a(図2参照)は、隙間Qが隙間Rよりも狭いので、3枚の永久磁石33が各々磁化方向に移動するのを防止している。つまり、隣り合う永久磁石33同士が磁化方向に移動する際に、互いに角度をもって接触し合うことで永久磁石33の角部同士が衝突することが避けられる。また、隙間R(図3(b)参照)が隙間Qよりも大きくなっているため、3枚の永久磁石33が各々磁化方向に移動するよりも軸方向に優先的にずれるため、永久磁石33の角部同士が衝突することが防止される。
したがって、この回転子7a(図2参照)によれば、永久磁石33の角部で粒界割れが発生するのを防止することができる。
なお、本実施形態での隙間Qは、広すぎない程度に設定することが望ましく、このような所定幅の隙間Qは、磁化方向における永久磁石33と鉄芯25の間での磁力を良好に維持する。ちなみに本実施形態での隙間Qは、0.1mm程度のものを想定しているが、これに限定されるものではない。
<永久磁石>
次に、本実施形態での永久磁石33についてさらに詳しく説明する。
本実施形態での回転子7a(図2参照)の永久磁石33(図2参照)は、着磁率が98.5%以上になっている。この永久磁石33は、次に説明するNd−Fe−B化合物に対して外部着磁を行って得られたものである。この外部着磁については密閉型電動圧縮機50の製造方法とともに後に詳しく説明する。
(Nd−Fe−B化合物)
図5は、本実施形態での永久磁石33を構成するNd−Fe−B化合物の母相粒内の金属分布図である。
本実施形態での永久磁石33は、Nd2Fe14Bの組成式で示される合金を主成分としている。さらに具体的には、永久磁石33は、図5に示すように、Nd2Fe14B合金からなる結晶粒子34を取り囲むように後記の中重希土類元素37が分布したものである。言い換えれば、永久磁石33を構成するNd−Fe−B化合物は、Nd2Fe14B合金からなる結晶粒子34の粒界35近傍に後記の中重希土類元素37が拡散分布したものである。
中重希土類元素37としては、例えば、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Eu、Y、Scなどが挙げられる。中でもTb及びDyが望ましい。
このようなNd−Fe−B化合物は、磁石焼結時に中重希土類元素37に富む合金36を混合することによって得られる。
合金36としては、例えば、Tb−Fe、Dy−Al、Tb、Dyなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Nd−Fe−B化合物からなる永久磁石33においては、粒界35の表面で、逆磁区の核によって生起される外部磁界の大きさが保磁力となる。
逆磁区の核生成には粒界35の表面の構造が強く影響しており、粒界35近傍における結晶構造の乱れが磁気的な構造の乱れを招き、逆磁区の生成を助長している。
結晶界面から5nm程度の深さまでの磁気的構造が逆磁区の生成の助長に寄与していると考えられる。
本実施形態では、前記のように、粒界35近傍に中重希土類元素37を集中的に分布させている。これにより本実施形態の永久磁石33は、中重希土類元素37がNd2Fe14B合金に均一に分布するものと比べて、保持力を高めることができる。ここで、粒界35近傍とは、母相粒のうち結晶界面(粒界35)から5nm程度の深さまでの母相粒の表層をいう。
従って、粒界35近傍におけるNd−Fe−B化合物の構成成分であるNdに対する中重希土類元素37の割合を、粒界35近傍よりも内側の母相粒におけるNdに対する中重希土類元素37の割合と比べて大きくすることによって、永久磁石33の保磁力を高めることができる。
また、本実施形態のNd−Fe−B化合物では、母相粒の平均粒径は0.5〜20μm程度であるから、結晶界面から5nm程度の深さの粒界35近傍に中重希土類元素37の量を多く集中させると、永久磁石33の残留磁束密度を大きく向上させることができる。また、本実施形態のNd−Fe−B化合物によれば、中重希土類元素37の総量を減らすことができ、永久磁石33の原価を抑えることができる。
なお、本実施形態での永久磁石33は、中重希土類元素37の含有率を1質量%以上、3質量%以下とすることができる。
<密閉型電動圧縮機の製造方法>
次に、本実施形態の密閉型電動圧縮機50の製造方法について説明する。この製造方法は、後記する外部着磁装置40(図6参照)を使用して回転子7aの永久磁石33(図2参照)に着磁する外部着磁工程を有することを主な特徴とする。この外部着磁工程によって、回転子7aの永久磁石33の着磁率を98.5%以上とすることができる。望ましくは、98.5%以上、100.0%以下とすることができる。
従来、回転子7aの永久磁石33に対する着磁は、巻線着磁方式にて行っていた。この巻線着磁方式では、固定子7bに回転子7aを組み込んだ後に、固定子7bのコイル24に瞬間的に大電流を流すことにより、回転子7a内の永久磁石33に着磁を行う。この際、固定子7bの巻線相互間に定格運転時の数倍の電圧がかかり、10倍以上の大電流が流れる。そのためスロット内部の異なる相の巻線相互間の絶縁破壊や巻線同士の衝突による巻線傷、インシュレータ割れ等が生じやすい。よって、従来の巻線着磁方式による着磁では、残留磁束密度が飽和するまで電流を増加させて永久磁石33に着磁することが困難であり、永久磁石33の着磁率は97%程度に止まっていた。
これに対して、本実施形態での回転子7aは、次に説明する外部着磁装置40を使用して永久磁石33の着磁が行われる。
図6は、外部着磁装置40の構成説明図である。
図6に示すように、外部着磁装置40は、着磁ヨーク41と、着磁ヨーク41にパルス磁場を発生させる磁場発生器44とを備えている。着磁ヨーク41は、回転子7aの4極分の永久磁石33(図3(a)参照)に応じて、4分割された着磁ヨーク41が回転子7aの周囲を覆うように配置される。
図6中、符号7aは、シャフト6に固定した回転子であり、符号42は、着磁ヨーク41のコイルであり、符号43は、着磁ヨーク41の鉄芯である。
本実施形態の製造方法では、図6に示すように、圧縮機構2のシャフト6に回転子7aを圧入固定したものが外部着磁装置40に配置される。
なお、この製造方法では、着磁後の回転子7aにシャフト6を組み付けることもできるが、回転子7aの永久磁石33に着磁が行われる前にシャフト6を組み付けると、磁力によって付着する鉄分などが介在することがなくシャフト6を回転子7aに組みつけることができる。
次いで、磁場発生器44によりパルス磁場を発生させて回転子7aの永久磁石33に着磁が行われる。具体的には、磁場発生器44のコンデンサ(図示省略)に蓄えた電荷を着磁ヨーク41のコイル42に瞬時に放電させることにより着磁ヨーク41にパルス磁場を発生させる。着磁ヨーク41の空芯部に配置された回転子7aの永久磁石33は、このパルス磁場によって着磁率が98.5%以上になる。
なお、本実施形態における着磁率の用語は、電流を増加させて磁場を強くして着磁した際の飽和した残留磁束密度を100%とした場合に、実際の残留磁束密度との割合から算出された値である。
本実施形態の密閉型電動圧縮機50の製造方法では、密閉容器1(図1参照)に固定された固定子7bに対して所定のエアギャップを形成するように着磁後の回転子7aが配置される。次いで、圧縮機構2のフレーム5の外周部が密閉容器1に溶接されて固定される。その後、固定スクロール3、旋回スクロール4などの他の構成部品がこれに組み付けられて密閉型電動圧縮機50が完成し、この製造方法は終了する。
次に、本実施形態の奏する作用効果について説明する。
図7は、永久磁石の温度と減磁開始電流との関係図である。
図7に示すように、R32冷媒を使用した場合は、R410A冷媒を使用した場合と比べて吐出ガス温度が高くなるため、密閉容器1内の雰囲気温度が高い。R32冷媒の使用域は、R410A冷媒の使用域よりも高温側にシフトしている。
図7中、実施例の着磁率98.5%は、前記の外部着磁装置40で着磁を行った永久磁石33の着磁率の下限値を表している。実施例で示される曲線は、着磁率98.5%の永久磁石33における減磁開始電流と温度との関係を示している。
また、比較例の着磁率97%は、巻線着磁方式で着磁を行った従来の永久磁石の着磁率の上限値を表している。比較例で示される曲線は、着磁率97%の永久磁石における減磁開始電流と温度との関係を示している。
比較例(着磁率97%)の永久磁石を使用した電動機を備える密閉型電動圧縮機は、R410A冷媒の使用域で制御電流が減磁開始電流を下回っている。しかし、比較例(着磁率97%)の永久磁石を使用したものは、R32冷媒の使用域で制御電流が減磁開始電流を上回っている領域(図7中、斜線の網掛けで表す)が生じている。つまり、比較例の密閉型電動圧縮機は、永久磁石の残留磁束密度の低下によって性能低下を招いている。
これに対して、実施例(着磁率98.5%)の永久磁石33を使用した電動機7を備える密閉型電動圧縮機50は、R410A冷媒の使用域及びR32冷媒の使用域の両方で、制御電流が減磁開始電流を下回っている。つまり図7中、斜線の網掛けで表す部分が、本発明の効果範囲となっている。
すなわち、実施例の永久磁石33によれば、比較例の着磁量97%の永久磁石に比べて保磁力を高めることができる。よって、この永久磁石33を使用した電動機7を備える本実施形態の密閉型電動圧縮機50によれば、減磁開始電流を制御電流以上に引き上げることができ、熱耐久性に優れたものとなる。
ちなみに、本実施形態での永久磁石33は、前記のような着磁率の範囲とすることによって、制御電流を30A程度にまで高めることができる。
また、本実施形態の密閉型電動圧縮機50によれば、中重希土類元素37を、Nd−Fe−B化合物の母相粒の内側よりも粒界35近傍に集中して分布していることから、母相粒の全体に中重希土類元素37を含むものよりも中重希土類元素37の含有量を低減することができる。ちなみに、Nd−Fe−B化合物中のDyの含有量は1質量%以上、3質量%以下にすることができる。
また、中重希土類元素37の含有量を低減することによって、Nd2Fe14Bの割合を増やすことができるため、永久磁石33の残留磁束密度を高めることができる。
また、本実施形態の密閉型電動圧縮機50では、電動機7の回転子7aにおいて、永久磁石33の磁化方向における永久磁石33と磁石収容部31との隙間Qが、回転子7aの軸方向における永久磁石33と磁石収容部31との間の隙間Rよりも狭くなっている。
これにより永久磁石33の角部同士が衝突することが防止され、永久磁石33の角部で粒界割れが発生するのを防止することができる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の形態で実施することができる。
前記実施形態では、Nd−Fe−B化合物中に含ませる中重希土類元素37を限定していないが、Dyを含まずに、中重希土類元素37としてTbのみを含ませたNd−Fe−B化合物からなる永久磁石33とすることもできる。このような密閉型電動圧縮機50によれば、特定の地域(国)においてのみ多く産出されるDyを使用する必要がなく、永久磁石材料の調達の制約が緩和される。
また、前記実施形態の密閉型電動圧縮機50は、スクロール型圧縮機を想定しているが、本発明は、例えばロータリータイプ、スイングタイプ、レシプロタイプなどの他の圧縮機に適用することもできる。
1 密閉容器
2 圧縮機構
3 固定スクロール
4 旋回スクロール
5 フレーム
6 シャフト
7 電動機
7a 回転子
7b 固定子
11 吸込パイプ
16 バランスウェイト
16a 上バランスウェイト
16b 下バランスウェイト
22 吐出パイプ
25 鉄芯
31 磁石収容部
33 永久磁石
35 粒界
36 中重希土類元素に富む合金
37 中重希土類元素
40 外部着磁装置
41 着磁ヨーク
50 密閉型電動圧縮機

Claims (1)

  1. R32冷媒の圧縮機構部と、
    前記圧縮機構部を駆動する電動機と、を備え、
    前記電動機の回転子は、Nd−Fe−B化合物で構成される永久磁石を有し、
    前記永久磁石の着磁率が98.5%以上であり、
    前記回転子は、前記永久磁石を収容する磁石収容部を有し、
    前記永久磁石の磁化方向における前記永久磁石と前記磁石収容部との隙間は、前記Nd−Fe−B化合物の母相粒の平均粒径より大きく、前記回転子の軸方向における前記永久磁石と前記磁石収容部との間の隙間より狭いことを特徴とする密閉型電動圧縮機。
JP2015175733A 2015-09-07 2015-09-07 密閉型電動圧縮機 Active JP6667235B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015175733A JP6667235B2 (ja) 2015-09-07 2015-09-07 密閉型電動圧縮機
CN201610102708.7A CN106499633A (zh) 2015-09-07 2016-02-24 密封型电动压缩机

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015175733A JP6667235B2 (ja) 2015-09-07 2015-09-07 密閉型電動圧縮機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017053239A JP2017053239A (ja) 2017-03-16
JP6667235B2 true JP6667235B2 (ja) 2020-03-18

Family

ID=58287210

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015175733A Active JP6667235B2 (ja) 2015-09-07 2015-09-07 密閉型電動圧縮機

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6667235B2 (ja)
CN (1) CN106499633A (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09168247A (ja) * 1995-10-13 1997-06-24 Tec Corp 内転型ブラシレスモータ用回転子
JP2001115963A (ja) * 1999-10-13 2001-04-27 Daikin Ind Ltd 圧縮機
JP4725442B2 (ja) * 2006-07-10 2011-07-13 トヨタ自動車株式会社 Ipmロータおよびipmロータの製造方法
JP2009038930A (ja) * 2007-08-03 2009-02-19 Daikin Ind Ltd ロータ及び埋込磁石型モータ
WO2011122638A1 (ja) * 2010-03-30 2011-10-06 Tdk株式会社 焼結磁石、モーター、自動車、及び焼結磁石の製造方法
JP5823928B2 (ja) * 2012-06-28 2015-11-25 日立アプライアンス株式会社 密閉型電動圧縮機
JP6296745B2 (ja) * 2012-10-17 2018-03-20 アダマンド並木精密宝石株式会社 希土類磁石の着磁方法と希土類磁石

Also Published As

Publication number Publication date
CN106499633A (zh) 2017-03-15
JP2017053239A (ja) 2017-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108352737B (zh) 电动机、转子、压缩机以及制冷空调装置
JP6109338B2 (ja) 永久磁石埋込型電動機、圧縮機及び冷凍空調装置
US11183892B2 (en) Consequent pole type rotor, motor having the same, compressor having the same, and fan having the same
CN109155541B (zh) 定子、电动机、压缩机及制冷空调装置
JP5971669B2 (ja) 永久磁石埋込型電動機及び圧縮機
CN108352741B (zh) 电动机、转子、压缩机以及制冷空调装置
CN108604840B (zh) 电动机、压缩机以及制冷空调装置
JP6824333B2 (ja) 電動機、ロータ、圧縮機および冷凍空調装置
JP5971666B2 (ja) 永久磁石埋込型電動機及び圧縮機
JP6339103B2 (ja) 永久磁石埋込型電動機、圧縮機及び冷凍空調装置
JP7150181B2 (ja) モータ、圧縮機、及び空気調和機
JP6383381B2 (ja) 圧縮機
JP5823928B2 (ja) 密閉型電動圧縮機
CN111342632B (zh) 压缩机用电动机、压缩机及制冷循环装置
JP6667235B2 (ja) 密閉型電動圧縮機
JP7154373B2 (ja) 電動機、圧縮機、及び空気調和機
JP2016036251A (ja) 密閉型電動圧縮機
JP4655786B2 (ja) 密閉型圧縮機
CN110366809B (zh) 旋转电机、压缩机以及制冷循环装置
JP2019074067A (ja) 密閉型電動圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20160407

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20171011

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180829

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190625

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190823

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200128

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6667235

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150