JP6666815B2 - 冷却装置およびそれを搭載した台車並びに鉄道車両 - Google Patents
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Description
本発明に係る電力変換装置100は、鉄道車両の床下等に設置され、車両を駆動する電動機200に供給する電力の周波数を変えることにより、電動機200の回転速度の制御を行う。電力変換装置100と電動機200とは近接しているため、電磁ノイズを小さくできる。更に、電力変換装置100と電動機200の両方を電磁シールド(図示せず)で覆うことで、周辺の信号線へのノイズの影響を無視できるくらいまで小さくできる。また、台車10が走行によって振動する際、車体1と電力変換装置100や電動機200との接触を防ぐために、電力変換装置100や電動機200は小型低床化している。
ここで、電力変換装置100としては、現行、電力変換素子としてIGBTを用いて構成されるものが主流であるところ、より電力損失を低減し効率を向上させることを可能にするSiCを電力変換素子として用いて電力変換装置100を構成することも可能である。この場合には、電力変換装置の小型化が図れ、併せて、以下で説明する冷却装置も小型化が図れることになる。
シロッコ型遠心ファンは、渦巻き状のファンケースの中にドラム型の多翼シロッコファンを備えたもので、このドラム型の多翼シロッコファンが回転することで取り込んだ冷却空気を遠心力で排気する。そして、排気された冷却風が、ダクト30を介して機器へ送り込まれることになる。シロッコ型遠心ファンは、軸流ファンに比べ騒音が低く風圧が高いことが特徴である。
ターボ型遠心ファンは、同じく渦巻き状のファンケースの中にターボファンを備えたもので、このターボファンが回転することで取り込んだ冷却空気を遠心力で排気する。そして、排気された冷却風が、ダクト30を介して機器へ送り込まれることになる。ターボ型遠心ファンでは、比較的消費電力を低く設計できることが特徴である。
実施例1との違いは、図3に示すように、開口部60を、ダクト30と電力変換装置100との接合部分に接する位置に列車の走行方向に向けて設けている点である。この開口部60を設けることで、電力変換装置100へ誘導される冷却風の量は、ダクト30からの冷却風の量と開口部60から入る風の量との和となり、これにより冷却性能を向上させることが可能となる。更に、列車の進行方向が電力変換装置100からダクト30に流れ込む方向に走行風が入ることになる場合は、ダクト内の圧力損失が大きいため、開口部60から風を逃がすことで電力変換装置100への走行風の入気量を確保できる効果もある。このように、走行方向Aにおいても走行方向Bにおいても、冷却性能を維持できることに特徴がある。また、ブレーキ磨耗粉や小石などの粉塵に対処するために、開口部をフィルタ付きとしてもよい。
実施例2との違いは、連結ダクト40を追加している点である。下流(風下)側の電力変換装置の冷却設計が重要となるところ、2つの電力変換装置100間の入気と排気を接続することで、周辺部材による走行風の変動を無くすことができ、送風手段20とダクト30を介して確実に冷却風を確保できる利点がある。
実施例4では、電力変換装置100は、台車10の上でなく車体1に吊り下げられた状態で固定設置されている。それ故に、車体1の振動によりダクト30が破損することを防止する目的で、例えば蛇腹状の形状を有するフレキシブルダクト50を接続している。実施例4は、先の実施例1〜3の1C1M構成とは異なり、1C2M構成を採用している。すなわち、図2の(b)に示すように、台車10対応に設置した電力変換装置100に対してダクト30(フレキシブルダクトを含めた総称とする)を設ける構成となる(この構成は、以下の実施例5および6においても同様である)。これにより、電力変換装置100を小型化する制約を緩和できる。また、2台の電動機200に対して1台の電力変換装置100から電流を供給するため、電力変換装置100の部品点数を減らすこともできる。
更に、台車10、車軸11および電動機200等の保守のタイミングと、電力変換装置100の保守のタイミングとを別々にできるため、保守性が向上する利点もある。
実施例5では、電力変換装置100とブレーキ制御装置300とを一体箱310の中に収納したものである。これにより、台車近傍で必要な部材とそれに対する冷却風を共有化することで、小型で低コスト化できる。
実施例6の構成は、図11に示す電力変換装置100のように、コンデンサモジュール140によって冷却風が妨害されないように、電力変換装置100の冷却器130のみに冷却風が入気されるように配置等に工夫が施されている。また、ダクト30に開口部60を設けることで、電力変換装置100から排気される風の逃げ道を確保し圧力損失を低減できるため、電力変換装置100への入気風量を確保できる。
実施例7では、電力変換装置100に対する送風手段20およびダクト30による冷却は実施例1と同様であるところ、モータ車の1車両あたりのモータの数を4台から2台に低減させ、モータが未設置の車両にモータを2台設置して、1C1Mとした点に特徴がある。このようにモータの搭載を平準化することで、全車両において同じ台車が使えることとなり、部材を標準化できるという効果がある。台車あたりでは電動機200は1台のみであっても、従来と同じトルクを確保できることとなり、電磁ノイズを低減させるために電動機200と電力変換装置100との距離を短くしつつ、スペース効率が高い電力変換装置100の台車搭載が実現できる。
また、実施例1〜7において、惰行走行時の効率等を考慮して、車軸11は回転しているが送風手段20を動作させない(ファンを回転させない)機能を設けてもよい。
20…送風手段、30…ダクト、40…連結ダクト、50…フレキシブルダクト、
100…電力変換装置、110…パワーモジュール、121…金属積層板、
122…交流側金属板、123…直流側金属板、130…冷却器、131…冷却器カバー、
140…コンデンサモジュール、200…電動機、300…ブレーキ制御装置、
310…一体箱
Claims (8)
- 台車に設置され車両を駆動する電動機に電力を供給する電力変換装置を冷却する冷却装置であって、
車輪に直結された車軸に接続された送風手段と、
前記台車に設置され前記送風手段と前記電力変換装置とをつなぐダクトと、
前記ダクトと前記電力変換装置との接合部分に接する位置に前記車両の走行方向に向けて設けられた開口部と
を備え、
前記ダクトは、前記車軸の回転力によって前記送風手段が発生する冷却風を前記電力変換装置に誘導し、
前記開口部から入る風の量と前記ダクトから誘導される前記冷却風の量との和を、前記電力変換装置へ供給する
ことを特徴とする冷却装置。 - 請求項1に記載の冷却装置であって、
前記開口部は、フィルタ付きである
ことを特徴とする冷却装置。 - 請求項1または2に記載の冷却装置であって、
台車当たりに複数台設置した前記電力変換装置を相互に接続する連結ダクトを備える
ことを特徴とする冷却装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷却装置と、
前記車輪と、
前記車輪に直結された車軸と、
前記車軸を回転させる電動機と、
前記電力変換装置と、
を備える台車。 - 請求項4に記載の台車であって、
前記電力変換装置1台に対して、当該台車当たり前記電動機を1台備える
ことを特徴とする台車。 - 請求項4または5に記載の台車を有する鉄道車両。
- 請求項6に記載の鉄道車両であって、
さらにブレーキ制御装置を有し、
前記電力変換装置と前記ブレーキ制御装置とを一つの箱の中に収納した
ことを特徴とする鉄道車両。 - 請求項6または7に記載の鉄道車両であって、
前記電力変換装置は、IGBTまたはSiCを電力変換素子として用いて構成されることを特徴とする鉄道車両。
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