JP6665497B2 - レーザレーダ装置の着雪検出方法、着雪検出装置、着雪検出プログラム - Google Patents
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Description
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、レーザレーダ装置の窓部への着雪を検出することができるレーザレーダ装置の着雪検出方法、着雪検出装置、着雪検出プログラムを提供することにある。
まず、レーザレーダ装置は、周知のように、走査面上に存在する物体までの距離を測定することができる。そのため、窓部に汚れや付着がある場合には、窓部の位置での反射光強度が強くなり、窓部に何らかの物体が付着していることを検出できる。
そのため、降雪中であるか否かを判定し、降雪中において窓部の位置に新たに物体を検出したときに窓部への着雪であると判定することで、レーザレーダ装置の窓部への着雪を検出することができる。
この場合、微小物体が検出された走査角度や距離等、レーザレーダ装置自身で測定可能なデータに基づいて着雪を検出できるため、特別な専用センサ等を設けなくても、また、既に設置されている既設のレーザレーダ装置に対しても、この着雪検出方法を適用することができる。
レーザ光は、レーザレーダ装置から離間するほど、その照射範囲が大きくなる。一例を挙げると、レーザ光の照射範囲は、仕様によっても異なるものの、約30m先で直径が約30cm程度になることがある。レーザレーダ装置に比較的近い位置では、雪の大きさがレーザ光の照射範囲を超えていると想定される。その場合、レーザ光が十分に反射されることから、レーザレーダ装置によって雪を検出することができると考えられる。
上記したように、雪は測定エリア内で不特定の位置に降ることから、1回の走査で複数の位置に微小物体が検出されることが考えられる。また、複数回の走査であれば、それぞれ異なる位置に微小物体が検出されると考えられる。そのため、その条件を加味することで、降雪中であることをより高い確度で判定することができる。
レーザレーダ装置は、一般的に測定エリアを平面的に走査している。そして、この走査面まで落ちてきた雪が、レーザレーダ装置によって検出されることになる。換言すると、雪は、レーザレーダ装置の測定エリア内で、測定エリア内への移動が検出されることなく突発的に検出されると考えられる。そのため、この条件を加味することで、降雪中であることをより高い確度で判定することができる。
雪は、自然に落下することから、比較的短い時間でレーザレーダ装置の走査面から外れると考えられる。つまり、突発的に検出された微小物体が、測定エリア外への移動が検出されることなく、突発的に検出されなくなると考えられる。そのため、この条件を加味することで、降雪中であることをより高い確度で判定することができる。
図1に示すように、着雪検出装置としても機能する監視装置1は、レーザレーダ装置2と、レーザレーダ装置2を制御する制御装置3とにより構成されている。なお、本実施形態では着雪検出装置をレーザレーダ装置2と制御装置3とにより構成した例を示しているが、後述する着雪判定処理をレーザレーダ装置2側で行うことにより、レーザレーダ装置2単体で着雪検出装置を構成することもできる。
レーザレーダ装置2の制御部20は、図示しないCPUやROMおよびRAMなどを有するマイクロコンピュータにより構成されており、記憶部24などに記憶されているコンピュータプログラムを実行することによりレーザレーダ装置2の全体を制御する。
まず、レーザレーダ装置2は、周知のように、走査面上に存在する物体までの距離を測定することができる。このとき、窓部26に汚れや付着が無い場合には、例えば図2(a)に示すように、反射光は、窓部26の位置での反射光強度が小さく、物体4での反射光強度が閾値を超えることになる。そして、閾値を超えるまでの時間に基づいて、物体4までの距離が測定する。
そのため、異常を報知することになるが、窓部26に着雪した場合には、侵入を検知したとして警備員を呼ぶのではなく、清掃員を呼ぶことで対応することができると考えられる。つまり、窓部26に付着した付着物の種類を判別できれば、柔軟な対応を取ることができる。
図5に示すように、レーザレーダ装置2からの距離が異なる位置に雪が舞い降りたとする。このとき、レーザレーダ装置2に最も近い側を雪5aとし、レーザレーダ装置2から最も遠い側を雪5cとし、その間を雪5bとする。なお、各雪5a〜5cの大きさは同じであるものとする。
そのため、上記した距離L11を判定距離Lsとすると、もしくは、距離L11+αの距離を判定距離Lsとすると、測定エリアR1の全域で雪が降っている場合、レーザレーダ装置2の周囲に判定距離Lsを外縁として予め設定されている近傍エリアR2内となる位置に降っている雪5a、5bは、レーザレーダ装置2により検出可能である一方、近傍エリアR2外となる位置に降っている雪5cは、レーザレーダ装置2では検出不可能となる。なお、判定距離Lsや上記した+αの距離は、使用する照射部21の特性等に応じて適宜設定すればよい。
上記したように、雪5は測定エリア内で不特定の位置に降ることから、1回の走査で複数の位置に微小物体が検出されることが考えられる。また、複数回の走査であれば、それぞれ異なる位置に微小物体が検出されると考えられる。そのため、条件3を加味することで、降雪中であるとより高い確度で判定することができる。
自然に降る雪5は、重力に引かれることから、レーザレーダ装置2の走査面を縦断するように移動する。このとき、図6(a)に示す時刻t10の時点では、雪5が走査面よりも上方に位置していたとする。この時刻t10では、雪5は、走査面から外れていることから、レーザ光を反射しないため、レーザレーダ装置2によって検出されることはない。一方、雪5が下方に移動して、図6(b)に示す時刻t11の時点で走査面上に位置したとする。この場合、反射光強度が閾値を超えることになる。つまり、この時刻t11では、雪5は、レーザレーダ装置2で検出されることになる。
このとき、雪は、上から下に移動するため、近傍エリアR2の外縁から近傍エリアR2内への移動が検出されること無く、近傍エリアR2内に突然検出されることになる。そのため、条件4を加味することで、降雪中であるとより高い確度で判定することができる。
図6(b)に示す時刻t11の時点で走査面上に位置していた雪5が下方に移動し、図6(c)に示す時刻t12の時点で走査面から外れたとする。この時刻t12では、雪5は、走査面から外れていることから、レーザレーダ装置2によって検出されることはない。つまり、自然に降った雪5であれば、時刻t11に突然、近傍エリアR2内に検出された後、数秒以内に、その移動が検出されること無く近傍エリアR2から突然検出されなくなることになる。そのため、条件4を加味することで、降雪中であるとより高い確度で判定することができる。
監視装置1は、降雪中ではないと判定すると(S1:NO)、ステップS1に移行して、降雪を待機する。一方、監視装置1は、降雪中である判定すると(S1:YES)、窓部26の位置に新たに物体を検出したか否かを判定する(S2)。この場合、監視装置1は、図2に示したような窓部26の位置に対応する反射光強度に基づいて、窓部26の位置に物体を検出したか否かを判定する。監視装置1は、窓部26の位置に物体を検出していない場合には(S2:NO)、ステップS1に移行する。なお、新たに物体を検出したかとは、降雪前には検出されていなかった物体を新たに検出したことを意味している。
このように、監視装置1は、微小物体が検出されたときや検出されなくなったときの状況等、レーザレーダ装置2で測定可能なデータに基づいて、窓部26への着雪を検出している。なお、図3では、説明の簡略化のために着雪と判定した後に着雪検出処理を終了するようにしているが、着雪検出処理を終了することなく、ステップS1に移行してもよい。また、着雪と判定した場合に、その旨を報知する報知処理を実行してもよい。
着雪検出方法では、レーザレーダ装置2の走査角度、および/または、レーザレーダ装置2からの距離が異なる複数の位置に予め定められた基準サイズよりも小さい微小物体が検出された場合に降雪中であると判定する降雪判定処理と、降雪判定処理によって降雪中であると判定されている状態において窓部26の位置に新たに物体が検出された場合に当該検出された物体が雪であるとして、窓部26への着雪を判定する着雪判定処理と、を含んでいる。
また、1回の走査において微小物体が複数の位置で検出されたこと、および/または、予め定められている規定回数での走査において微小物体が複数の位置で検出されたことを条件とすることで、微小物体が雪である可能性が高いと考えられるため、降雪中であることをより高い確度で判定できる。
また、移動が検知されることなく検出された微小物体が、検出時を起点とする所定の判定時間内に、移動が検知されることなく検出されなくなった場合に、微小物体が雪である可能性が高いと考えられるため、降雪中であることをより高い確度で判定できる。
また、実施形態では監視装置1で実現している着雪検出装置に、降雪判定処理と着雪判定処理とを実行させることを特徴とする着雪検出プログラムによっても、上記した着雪検出方法と同様の効果を得ることができる。
本発明は、上記し且つ図面に記載した態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形や拡張をすることができる。
各実施形態で示した距離や数等は例示であり、それに限定されるものではない。
実施形態では制御装置3の制御部30で降雪判定処理部、着雪判定処理部を構成する例を示したが、レーザレーダ装置2の制御部20で着雪検出プログラムを実行することにより降雪判定処理、着雪判定処理および報知処理等を行ってもよい。すなわち、レーザレーダ装置2の制御部20で降雪判定処理部、着雪判定処理部を構成してもよい。
Claims (7)
- 所定の走査角度ごとに物体までの距離を測定するレーザレーダ装置の窓部への着雪を検出する着雪検出方法であって、
前記走査角度および/または前記レーザレーダ装置からの距離が異なる複数の位置に予め定められた基準サイズよりも小さい微小物体が検出された場合に、降雪中であると判定する降雪判定処理と、
前記降雪判定処理によって降雪中であると判定されている状態において前記窓部の位置に新たに物体が検出された場合に、当該検出された物体が雪であるとして、窓部への着雪を判定する着雪判定処理と、
を含むことを特徴とするレーザレーダ装置の着雪検出方法。 - 前記降雪判定処理では、前記微小物体が前記レーザレーダ装置の周囲に予め設定されている近傍エリア内の複数の位置で検出され、且つ、前記微小物体が前記近傍エリア外となる位置では検出されていない場合に、降雪中であると判定することを特徴とする請求項1記載のレーザレーダ装置の着雪検出方法。
- 前記降雪判定処理では、1回の走査において前記微小物体が複数の位置で検出された場合、および/または、予め定められている規定回数での走査において前記微小物体が異なる位置で検出された場合に、降雪中であると判定することを特徴とする請求項1または2記載のレーザレーダ装置の着雪検出方法。
- 前記降雪判定処理では、前記微小物体が、その移動が検知されることなく検出された場合に、降雪中であると判定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載のレーザレーダ装置の着雪検出方法。
- 前記降雪判定処理では、移動が検知されることなく検出された前記微小物体が、検出時を起点とする所定の判定時間内に、移動が検知されることなく検出されなくなった場合に、降雪中であると判定することを特徴とする請求項4記載のレーザレーダ装置の着雪検出方法。
- 所定の走査角度ごとに物体までの距離を測定するレーザレーダ装置と、
前記走査角度および/または前記レーザレーダ装置からの距離が異なる複数の位置に予め定められた基準サイズよりも小さい微小物体が検出されたとき、降雪中であると判定する降雪判定処理部と、
前記降雪判定処理によって降雪中であると判定されている状態において前記レーザレーダ装置の窓部の位置に新たに物体が検出された場合に、当該検出された物体が雪であると判定する着雪判定処理部と、
を備えることを特徴とする着雪検出装置。 - レーザレーダ装置の窓部への着雪を検出する着雪検出装置に、
前記レーザレーダ装置の走査角度および/または前記レーザレーダ装置からの距離が異なる複数の位置に予め定められた基準サイズよりも小さい微小物体が検出されたとき、降雪中であると判定する降雪判定処理と、
前記降雪判定処理によって降雪中であると判定されている状態において前記窓部の位置に新たに物体が検出された場合に、当該検出された物体が雪であると判定する着雪判定処理と、
を実行させることを特徴とする着雪検出プログラム。
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