JP2017090381A - レーザレーダ装置の泥汚れ検出方法、泥汚れ検出装置、泥汚れ検出プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザレーダ装置の窓部に付着した物体が自然な泥汚れであるかを検出することができるレーザレーダ装置の泥汚れ検出方法、泥汚れ検出装置、泥汚れ検出プログラムを提供する。
【解決手段】移動体の速度および当該移動体までの距離を取得し(S1)、取得した移動体の速度に基づいてその移動体が地面の水たまりを通過したと仮定した場合に跳ね上げられた水しぶきが飛散する可能性のある飛散範囲を推定し(S2)、レーザレーダ装置と移動体までの距離が飛散範囲内である場合(S3)、移動体によって跳ね上げられた水しぶきがレーザレーダ装置に到達すると予想される到達時刻を推定し(S4)、窓部の位置に新たに物体が検出された場合には(S5:YES)、物体が検出された時刻が到達予想時刻に一致するとき(S6:YES)、検出された物体を泥汚れと判別する(S7)。
【選択図】図4
【解決手段】移動体の速度および当該移動体までの距離を取得し(S1)、取得した移動体の速度に基づいてその移動体が地面の水たまりを通過したと仮定した場合に跳ね上げられた水しぶきが飛散する可能性のある飛散範囲を推定し(S2)、レーザレーダ装置と移動体までの距離が飛散範囲内である場合(S3)、移動体によって跳ね上げられた水しぶきがレーザレーダ装置に到達すると予想される到達時刻を推定し(S4)、窓部の位置に新たに物体が検出された場合には(S5:YES)、物体が検出された時刻が到達予想時刻に一致するとき(S6:YES)、検出された物体を泥汚れと判別する(S7)。
【選択図】図4
Description
本発明は、レーザレーダ装置の窓部への泥汚れを検出するレーザレーダ装置の泥汚れ検出方法、泥汚れ検出装置、泥汚れ検出プログラムに関する。
レーザレーダ装置は、所定の走査角度ごとにレーザ光の照射と物体で反射した反射光の受光とを行っており、反射光を受光するまでの時間に基づいて、各走査角度における物体の検出および距離の測定を行っている。このようなレーザレーダ装置には、レーザ光を透過するための窓部が設けられている。このとき、窓部に物体が付着すると、つまりは、窓部に汚れが付着すると、測定エリア内に照射されるレーザ光の強度が低下したり、レーザ光や反射光が窓部に付着した泥汚れによって遮られたりすることにより、物体の検出や距離の測定の精度が低下する。そのため、例えば特許文献1では、専用のセンサ等を設けることにより、窓部の汚れを検出している。
ところで、レーザレーダ装置は、屋外に設置されることも多く、その場合には、落ち葉や着雪、泥汚れといった自然な汚れが窓部に付着する可能性がある。この場合、従来のレーザレーダ装置では、上記した特許文献1のように窓部の位置に汚れ等の物体が付着していること自体は検出できるものの、その物体が意図的つまりは人為的に付けられたものなのか、泥汚れのように自然に付いたものなのかを検出することができなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、レーザレーダ装置の窓部に付着した物体が自然な泥汚れであるかを検出することができるレーザレーダ装置の泥汚れ検出方法、泥汚れ検出装置、泥汚れ検出プログラムを提供することにある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、レーザレーダ装置の窓部に付着した物体が自然な泥汚れであるかを検出することができるレーザレーダ装置の泥汚れ検出方法、泥汚れ検出装置、泥汚れ検出プログラムを提供することにある。
まず、レーザレーダ装置の窓部に自然な泥汚れが生じるメカニズムについて検討してみる。レーザレーダ装置の窓部に生じる自然な泥汚れは、地面の泥が跳ね上げられて付着するものと考えられる。ただし、乾燥している地面から泥が跳ね上げられることは考えにくいため、レーザレーダ装置の近くの地面に水たまりが存在しており、その水たまりから水しぶきが生じた結果、窓部に泥汚れが付着するものと考えられる。
つまり、自然な泥汚れが付着する場合には、レーザレーダ装置の近傍には、泥汚れを生じさせるような水たまりが存在していると考えられる。一例を挙げると、例えば資材置き場等の場合、ダンプカーなどの重量があり且つタイヤサイズも大きい車両が頻繁に通ることが予想され、その場合には、地面にでこぼこが生じ易くなる。そして、そのような地面に雨水が溜まり、水たまりになると考えられる。
また、レーザレーダ装置は、一般的に地面から離間した位置に設けられている。そのため、レーザレーダ装置の近傍に水たまりが存在していたとしても、レーザレーダ装置の走査面から外れていることから、直接的に水たまりを検出することはできないと考えられる。また、窓部に汚れが付着する場合には水しぶきがかかるものと推測されるが、レーザレーダ装置ではその水しぶきを検出することができない可能性もある。
そこで、発明者らは、水たまりから水しぶきが生じる要因に着目し、どのような方法であれば泥汚れが付着したことを高い確度で検出できるかについて検討した。
意図的・恣意的に作り出されたものではなく自然に生じた水しぶきの場合、地面に存在している水たまりから水しぶきが自然に生じるとは考えにくい。そのため、水しぶきが生じる場合には、水しぶきが生じる前の時点で、例えば車両等、水しぶきを生じさせる何らかの物体が検出されていると考えられる。
そして、その水しぶきに泥が含まれおり、窓部にかかったとすると、水しぶきに含まれる泥が窓部に付着して泥汚れになると考えられる。
このように、自然な泥汚れの場合には、泥汚れが付着するメカニズムをある程度想定することができる。
意図的・恣意的に作り出されたものではなく自然に生じた水しぶきの場合、地面に存在している水たまりから水しぶきが自然に生じるとは考えにくい。そのため、水しぶきが生じる場合には、水しぶきが生じる前の時点で、例えば車両等、水しぶきを生じさせる何らかの物体が検出されていると考えられる。
そして、その水しぶきに泥が含まれおり、窓部にかかったとすると、水しぶきに含まれる泥が窓部に付着して泥汚れになると考えられる。
このように、自然な泥汚れの場合には、泥汚れが付着するメカニズムをある程度想定することができる。
そこで、請求項1に係る発明では、レーザレーダ装置によって検出された移動体の速度および当該移動体までの距離を取得する移動体情報取得処理と、移動体の速度に基づいて、移動体が地面の水たまりを通過したと仮定した場合に当該移動体によって跳ね上げられた水しぶきが飛散する可能性のある飛散範囲を推定する飛散範囲推定処理と、レーザレーダ装置と移動体との距離が飛散範囲内である場合、跳ね上げられた水しぶきがレーザレーダ装置に到達すると予想される到達時刻を推定する到達時刻推定処理と、窓部の位置に新たに物体が検出された場合、当該物体が検出された時刻が到達予想時刻に一致するとき、その物体を泥汚れと判別する判別処理と、を含んでいる。
上記したように、レーザレーダ装置の窓部に自然な泥汚れが付着するのは、例えば車両が水たまり上を通過した際に跳ね上げられた水しぶきによるものと考えられる。その場合、水しぶきは、地面から上昇するものと考えられ、その場合、自然に発生した水しぶきであれば、物理法則に沿った運動をすると考えられる。そして、レーザレーダ装置の近傍に車両等の移動体が検出された際に、それまでは検出されていなかった物体が窓部の位置に検出された場合、その物体は、移動体によって跳ね上げられた水しぶきに含まれていた泥であると推測できる。
そこで、移動体情報取得処理により移動体の情報を取得し、飛散範囲推定処理により水しぶき6が飛散する飛散範囲を求め、到達時刻推定処理によりその水しぶきがレーザレーダ装置に到達する到達予想時刻を求め、判別処理により物体が検出された時刻が到達予想時刻に一致するときにその物体を泥汚れと判別することにより、高い確度で泥汚れであると判別できる。
したがって、レーザレーダ装置の窓部に付着した物体が自然な泥汚れであることを検出することができる。
この場合、移動体までの距離と速度というレーザレーダ装置単体で検出可能なデータに基づいて泥汚れであるかを検出できることから、特別な専用センサ等を設けなくても、また、既設の装置に対しても容易に本発明を適用することができる。
したがって、レーザレーダ装置の窓部に付着した物体が自然な泥汚れであることを検出することができる。
この場合、移動体までの距離と速度というレーザレーダ装置単体で検出可能なデータに基づいて泥汚れであるかを検出できることから、特別な専用センサ等を設けなくても、また、既設の装置に対しても容易に本発明を適用することができる。
請求項2に係る発明では、水しぶきが、移動体の速度との関係が予め対応付けられている初速度および投射角度で斜方投射された後に放物線運動するものとして、飛散範囲を推定する。
水しぶきは、移動体の種類や水たまりの深さによって跳ね上がる初速度や投射角度が異なることがある。この場合、移動体の重量や、車両であればタイヤ幅等も関わってくるものの、最も大きな要因としては、移動の速度が挙げられる。ただし、レーザレーダ装置単体では、移動体の種類や水たまりの深さを検出することは困難である。
そのため、水しぶきの初速度および投射角度と移動体の速度との関係を予め実験等により測定しておき、移動体の速度と初速度および投射角度とを対応付けておくことで、飛散範囲を精度よく推定することができる。
水しぶきは、移動体の種類や水たまりの深さによって跳ね上がる初速度や投射角度が異なることがある。この場合、移動体の重量や、車両であればタイヤ幅等も関わってくるものの、最も大きな要因としては、移動の速度が挙げられる。ただし、レーザレーダ装置単体では、移動体の種類や水たまりの深さを検出することは困難である。
そのため、水しぶきの初速度および投射角度と移動体の速度との関係を予め実験等により測定しておき、移動体の速度と初速度および投射角度とを対応付けておくことで、飛散範囲を精度よく推定することができる。
請求項3に係る発明では、水しぶきの初速度が移動体の速度に一致し、その投射角度が45°であるとして、飛散範囲を推定する。これらの値は、実験結果に基づいた平均的な値として設定されている。これにより、水しぶきの平均的な飛散範囲を推定することができ、移動体の種類を推定するような処理を行うことなく、また、移動体の種類が異なるような状況であっても実際の水しぶきと大きなずれが生じない実用的なレベルで、水しぶきの飛散範囲を推定することができる。
請求項4に記載した発明では、レーザレーダ装置の周囲に予め設定されている近傍エリア内であって、水しぶきが到達すると想定される最大到達高さがレーザレーダ装置の設置高さ以上であること、および、水しぶきが到達すると想定される水平方向へ最大到達距離が移動体までの距離以下であることのうち、少なくともいずれか一方が成立する範囲を、飛散範囲として推定する。
自然に発生した水しぶきは、基本的には物理法則に沿って放物線運動すると考えられるが、風が吹いていたり障害物が存在していたりする場合には、放物線運動から外れた軌道を描くことが想定される。
自然に発生した水しぶきは、基本的には物理法則に沿って放物線運動すると考えられるが、風が吹いていたり障害物が存在していたりする場合には、放物線運動から外れた軌道を描くことが想定される。
ただし、その場合であっても、窓部に水がかかるのは、水しぶきがレーザレーダ装置よりも高く飛散した場合か、水しぶきが飛散する距離内にレーザレーダ装置が設置されている場合であると考えられる。
そのため、近傍エリア内であって、水しぶきが到達すると想定される最大到達高さがレーザレーダ装置の設置高さ以上であること、および、水しぶきが到達すると想定される水平方向へ最大到達距離が移動体までの距離以下であることを条件とすることで、外部環境に依存する要因を考慮した上で、飛散範囲を推定することができるようになる。
そのため、近傍エリア内であって、水しぶきが到達すると想定される最大到達高さがレーザレーダ装置の設置高さ以上であること、および、水しぶきが到達すると想定される水平方向へ最大到達距離が移動体までの距離以下であることを条件とすることで、外部環境に依存する要因を考慮した上で、飛散範囲を推定することができるようになる。
請求項5に係る発明では、判別処理によって泥汚れと判別された場合に、窓部に泥汚れが生じたことを報知する報知処理を含む。レーザレーダ装置により監視を行っている場合には、物体が検出されると、侵入が報知され、警備員が出動するような対応が取られることがある。しかし、泥汚れが付着しただけであれば、清掃員が作業をすれば十分に対応できると考えられる。そのため、窓部に泥汚れが生じたことを報知することにより、警備員ではなく清掃員を呼ぶといった柔軟な対応を取ることができる。
また、上記した泥汚れ検出方法の発明と共通する技術的思想に基づいてなされた請求項6に係る泥汚れ判定装置の発明、および請求項7に係る泥汚れ判定プログラムの発明も、同様に、レーザレーダ装置の窓部に付着した物体が自然な泥汚れであるかを判別することができる。
また、上記した泥汚れ検出方法の発明と共通する技術的思想に基づいてなされた請求項6に係る泥汚れ判定装置の発明、および請求項7に係る泥汚れ判定プログラムの発明も、同様に、レーザレーダ装置の窓部に付着した物体が自然な泥汚れであるかを判別することができる。
以下、本発明の実施形態について図1から図6を参照しながら説明する。
図1に示すように、泥汚れ検出装置としても機能する監視装置1は、レーザレーダ装置2と、レーザレーダ装置2を制御する制御装置3とにより構成されている。なお、本実施形態では泥汚れ検出装置をレーザレーダ装置2と制御装置3とにより構成した例を示しているが、後述する泥汚れ検出処理等をレーザレーダ装置2側で行うことにより、レーザレーダ装置2単体で泥汚れ検出装置を構成することもできる。
図1に示すように、泥汚れ検出装置としても機能する監視装置1は、レーザレーダ装置2と、レーザレーダ装置2を制御する制御装置3とにより構成されている。なお、本実施形態では泥汚れ検出装置をレーザレーダ装置2と制御装置3とにより構成した例を示しているが、後述する泥汚れ検出処理等をレーザレーダ装置2側で行うことにより、レーザレーダ装置2単体で泥汚れ検出装置を構成することもできる。
レーザレーダ装置2は、制御部20、照射部21、回転ミラー22、受光部23、および記憶部24等を備えている。これら各部は、筐体25内に収容されている。この筐体25には、レーザ光および反射光を透過させる窓部26が設けられている。
レーザレーダ装置2の制御部20は、図示しないCPUやROMおよびRAMなどを有するマイクロコンピュータにより構成されており、記憶部24などに記憶されているコンピュータプログラムを実行することによりレーザレーダ装置2の全体を制御する。
レーザレーダ装置2の制御部20は、図示しないCPUやROMおよびRAMなどを有するマイクロコンピュータにより構成されており、記憶部24などに記憶されているコンピュータプログラムを実行することによりレーザレーダ装置2の全体を制御する。
レーザレーダ装置2は、回転ミラー22を回転させることにより、照射部21から照射されたレーザ光を、所定の走査角度ごとに対象エリアに向けて照射する。そして、レーザレーダ装置2は、レーザ光を照射してから符号Mにて示す物体で反射した反射光が受光部23で受光されるまでの経過時間に基づいて、各走査角度において物体までの距離を測定する。そして、レーザレーダ装置2により物体が検出された場合には、検出された物体の走査角度および距離等に基づいて、周知のように侵入検知処理が行われる。なお、侵入検知処理では、例えば音声あるいは信号等により侵入物を検出した旨が報知される。
制御装置3は、制御部30および報知部31等を備えている。この制御装置3は、いわゆるパソコンで構成されており、図示は省略するが、レーザレーダ装置2による監視状況やカメラで撮像した画像等を表示する表示部、およびマウスやキーボード等のユーザの操作を入力する入力部も備えている。本実施形態の監視装置1の場合、レーザレーダ装置2側では基本的に物体を検出する処理を行っており、制御装置3側において侵入物の有無の判定や、詳細は後述するが、泥汚れ検出プログラムを実行することにより移動体情報取得処理、飛散範囲推定処理、到達時刻推定処理、判別処理および報知処理等を行っている。つまり、本実施形態では、制御部30が、移動体情報取得処理部、飛散範囲推定処理部、到達時刻推定処理部、判別処理部を構成している。
次に、上記した構成の作用について説明する。
監視装置1は、図2に示すように、予め設定されている測定エリアR1内の侵入物を検出する。この測定エリアR1は、レーザレーダ装置2の測定限界距離Lmを外縁とする概ね半円状に設定されている。監視装置1は、矢印Sにて示す走査方向で、A0、A1・・・Anとして示す所定の走査角度ごとに、測定エリアR1内の物体、例えば車両4等の検出を繰り返し行っている。なお、図2には示していないが、測定エリアR1内に存在する建物等の固定物は、周知のように、予め侵入検知対象からは外されている。
監視装置1は、図2に示すように、予め設定されている測定エリアR1内の侵入物を検出する。この測定エリアR1は、レーザレーダ装置2の測定限界距離Lmを外縁とする概ね半円状に設定されている。監視装置1は、矢印Sにて示す走査方向で、A0、A1・・・Anとして示す所定の走査角度ごとに、測定エリアR1内の物体、例えば車両4等の検出を繰り返し行っている。なお、図2には示していないが、測定エリアR1内に存在する建物等の固定物は、周知のように、予め侵入検知対象からは外されている。
このレーザレーダ装置2の周囲には、判定距離Lsを外縁とする近傍エリアR2が予め設定されている。この判定距離Lsは、窓部26への泥汚れの付着を検出するために設定されている距離である。本実施形態の場合、水たまり5からの水しぶきに含まれる泥が窓部26に付着することによる泥汚れを想定している。その場合、水たまり5は、比較的レーザレーダ装置2の近くにあると考えられる。そのため、判定距離Lsは、水しぶきが飛散すると想定される程度の距離、例えば、概ね数m〜10数m程度の範囲に設定されている。また、本実施形態では、判定距離Lsは、資材置き場を走行するダンプカー等、重量があり、且つ、タイヤサイズの大きな車両4を考慮して、10mに設定されている。つまり、判定距離Lsは、近傍エリアR2を移動する物体の種類や速度を予め想定しておき、それに応じて設定することができる。
ここで、泥汚れのような自然な汚れがレーザレーダ装置2の窓部26に付着する状況について検討してみる。
レーザレーダ装置2は、監視する対象物によって異なることはあるものの、例えば車両4等を検出する場合には、地面から1m程度の高さに設置されることが考えられる。そのため、窓部26に自然な泥汚れが付着するのは、地面から泥が跳ね上げられたときであると考えられる。ただし、乾燥した泥が自然に跳ね上がることは考えにくいため、泥汚れが付着するとすれば、近傍エリアR2内に水たまり5等が存在し、その上を例えば車両4等の移動体が通過したときに泥が跳ね上げられた可能性が高いと考えられる。
レーザレーダ装置2は、監視する対象物によって異なることはあるものの、例えば車両4等を検出する場合には、地面から1m程度の高さに設置されることが考えられる。そのため、窓部26に自然な泥汚れが付着するのは、地面から泥が跳ね上げられたときであると考えられる。ただし、乾燥した泥が自然に跳ね上がることは考えにくいため、泥汚れが付着するとすれば、近傍エリアR2内に水たまり5等が存在し、その上を例えば車両4等の移動体が通過したときに泥が跳ね上げられた可能性が高いと考えられる。
具体的には、図3(a)に示すように、時刻t1の時点において、レーザレーダ装置2の近傍の地面に水たまり5が存在し、その水たまり5に向かって車両4が接近しているとする。その後、図3(b)に示すように、時刻t2の時点において水たまり5に車両4が差しかかると、タイヤが水たまり5を踏むことによって、水たまり5から水しぶき6が生じる。この水しぶき6がレーザレーダ装置2に徐々に接近していくと、図3(c)に示すように、時刻t3の時点において水しぶき6が窓部26にかかる。このとき、水しぶき6に含まれている泥が窓部26に付着する可能性がある。
そして、窓部26に泥が付着した場合には、図3(d)に示すように、時刻t4の時点において窓部26の位置に付着物7が検出されることになる。また、この付着物7が車両4によって跳ね上げられた水しぶき6により付着したものである場合、その付着物7は、車両4が水たまり5を通過前の時点では付着しておらず、車両4が水たまり5を通過してから付着するはずであり、且つ、車両4が水たまり5を通過してから比較的短い期間内に付着するはずである。
このように、レーザレーダ装置2の窓部26に泥汚れが自然に付着する場合には、泥汚れが付着する状況をある程度想定することができる。
そこで、監視装置1は、以下に説明する泥汚れ判定方法により、窓部26の位置に検出された物体が自然に付着した泥汚れであるか否かを判定している。なお、前提として、監視装置1は、従来と同様にレーザレーダ装置2による物体の検出結果に基づいて、測定エリアR1への侵入物を検出する処理も行っている。また、物体が検出された検出結果は、検出履歴として記憶されている。そのため、例えば図3における時刻t4の時点において、時刻t4よりも前の期間となる例えば時刻t1、t2等においてどのような事象が発生していたかを、検出履歴に基づいて参照することができる。
そこで、監視装置1は、以下に説明する泥汚れ判定方法により、窓部26の位置に検出された物体が自然に付着した泥汚れであるか否かを判定している。なお、前提として、監視装置1は、従来と同様にレーザレーダ装置2による物体の検出結果に基づいて、測定エリアR1への侵入物を検出する処理も行っている。また、物体が検出された検出結果は、検出履歴として記憶されている。そのため、例えば図3における時刻t4の時点において、時刻t4よりも前の期間となる例えば時刻t1、t2等においてどのような事象が発生していたかを、検出履歴に基づいて参照することができる。
監視装置1は、泥汚れ検出方法を実現するために、図4に示す泥汚れ検出処理を繰り返し実行している。この泥汚れ検出処理は、制御装置3の制御部30に泥汚れ検出プログラムを実行させることにより実現されているが、説明の簡略化のために、監視装置1を主体として説明する。
監視装置1は、泥汚れ検出処理において、測定エリアR1内で検出された移動体の速度およびレーザレーダ装置2からの距離を取得する(S1)。この場合、侵入検知処理によって取得された移動体の速度と距離を参照するようにしてもよい。このステップS1の処理が、移動体情報取得処理に相当する。
監視装置1は、泥汚れ検出処理において、測定エリアR1内で検出された移動体の速度およびレーザレーダ装置2からの距離を取得する(S1)。この場合、侵入検知処理によって取得された移動体の速度と距離を参照するようにしてもよい。このステップS1の処理が、移動体情報取得処理に相当する。
続いて、監視装置1は、飛散範囲を推定する(S2)。このとき、監視装置1は、近傍エリアR2内で検出された車両4等の移動体が、その検出された位置で水たまり5を通過したと仮定して、飛散範囲を推定する。これは、レーザレーダ装置2から数10m離れている場合には、水しぶき6がかかるとは考えにくいためである。
また、監視装置1は、以下のようにして飛散範囲を推定している。水しぶき6が自然に発生したものである場合には、換言すると、水しぶき6が意図的・恣意的に発生させられたものではない場合には、その水しぶき6は、物理法則に沿った運動をすると考えられる。このステップS2の処理が、飛散範囲推定処理に相当する。
また、監視装置1は、以下のようにして飛散範囲を推定している。水しぶき6が自然に発生したものである場合には、換言すると、水しぶき6が意図的・恣意的に発生させられたものではない場合には、その水しぶき6は、物理法則に沿った運動をすると考えられる。このステップS2の処理が、飛散範囲推定処理に相当する。
具体的には、図5(a)に示すように、車両4が水たまり5に差し掛かった場合、水たまり5から水しぶき6が生じる。そして、生じた水しぶき6は、線分G1にて示すように、物理法則に沿った放物線運動すると想定される。このとき、水しぶき6の初速度と投射角度が分かれば、放物線運動の公式に基づいて、水しぶき6の最大到達高さと、水平方向への最大到達距離を求めることができる。例えば水しぶき6の初速度がV、投射角度がθであった場合には、水平方向への移動速度はV・cosθであり、垂直方向への移動速度はV・sinθであり、最大到達高さは(1/2g)・(V・sin(θ))であり、最大到達距離は(1/g)・(V^2)・sin(2θ))である。なお、gは重力加速度であり、N^2はNの2乗を示している。
また、初速度と投射角度が分かれば、水しぶき6が生じた時点からの時間経過による水平方向への移動距離も求めることができる。例えば、水しぶき6が生じた時点からの時間経過をtとすると、移動距離は、V・cos(θ)・tである。
さらに、その水しぶき6が例えば車両4が水たまりを通過したことによって発生したものを想定する場合には、その水しぶき6の飛散範囲と車両4の種類や速度との対応関係を、実験等によりある程度把握することができる。つまり、車両4の速度がVmであったとすると、実験により、VとVmとの関係を求めることができる。このため、VとVmとの関係とを予め設定しておくことにより、飛散範囲を推定することができる。
さらに、その水しぶき6が例えば車両4が水たまりを通過したことによって発生したものを想定する場合には、その水しぶき6の飛散範囲と車両4の種類や速度との対応関係を、実験等によりある程度把握することができる。つまり、車両4の速度がVmであったとすると、実験により、VとVmとの関係を求めることができる。このため、VとVmとの関係とを予め設定しておくことにより、飛散範囲を推定することができる。
また、水しぶき6は、図5(b)に示すように、高さ方向にある程度の幅をもって飛散すると考えられる。つまり、水しぶき6の初速度は一定値ではなく、その投射角度も一定値ではないと考えられる。このため、飛散範囲は、理屈の上では、符号R3を付して斜線で示すような水しぶき6の上端を示す線分G1と水しぶき6の下端を示す線分G2との間の範囲となると推定できる。
ところで、水しぶき6の初速度や投射角度が車両4の種類、より具体的に言えば、車両4の重量やタイヤ幅が関わっていることが実験により明らかになっている。また、水たまり5の深さも、水しぶき6の初速度や投射角度に関わってくることが実験により明らかになっている。
しかし、レーザレーダ装置2単独では、車両4の種類までを検出することは困難である。そのため、本実施形態では、実験結果に基づいて汎用的に用いることができ、妥当に判定できる値として、水しぶき6の初速度(V)を車両4の速度(Vm)に一致すると予め設定しているとともに、水しぶき6の投射角度を45°に予め設定している。
しかし、レーザレーダ装置2単独では、車両4の種類までを検出することは困難である。そのため、本実施形態では、実験結果に基づいて汎用的に用いることができ、妥当に判定できる値として、水しぶき6の初速度(V)を車両4の速度(Vm)に一致すると予め設定しているとともに、水しぶき6の投射角度を45°に予め設定している。
そのため、図5(a)に示す線分G1は、車両4の速度に一致する初速度で、45°の投射角度で、車両4に対して横方向に飛散する水しぶき6の軌道として求められている。つまり、実験により求めた平均値や、ある程度モデル化した水しぶき6を想定することで、移動体の種類が異なる場合であっても実際の水しぶき6に近似した、あるいは、実際の水しぶき6の平均的な飛散モデルに一致した条件で、飛散範囲を推定することができる。
ただし、そのような場合であっても、例えば図6(a)に示すようにレーザレーダ装置2に向かって風が吹いている場合には、水しぶき6が風に乗って線分G1から離れた軌道を描き、理屈の上では到達しないはずのレーザレーダ装置2にまで到達する可能性がある。また、図6(b)に示すようにレーザレーダ装置2と車両4との間に縁石8等が存在している場合には、縁石8によって水しぶき6が反射して、理屈の上では到達しないはずの窓部26の高さにまで到達する可能性がある。また、上記したように、実際の水しぶき6の初速度や投射角度は車両4の種類や水たまりの深さによって異なることがある。
そのような現実的な実情に鑑みて、本実施形態では、近傍エリアR2内であって、水しぶき6が到達すると想定される最大到達高さがレーザレーダ装置2の設置高さ以上であること、および、水しぶき6が到達すると想定される水平方向へ最大到達距離が車両4までの距離以下であることのうち、少なくともいずれか一方が成立する範囲を、飛散範囲として推定する。なお、最大到達距離が車両4までの距離以下であるということは、最大到達距離内にレーザレーダ装置2が位置していることを意味している。
さて、飛散範囲を推定すると、監視装置1は、レーザレーダ装置2が飛散範囲内であるか否か、すなわち、レーザレーダ装置2と検出された移動体である車両4までの距離が飛散範囲内であるか否かを判定する(S3)。監視装置1は、飛散範囲内でない場合には(S3:NO)、処理を終了する。なお、ここでは説明の簡略化のために処理を終了するとしたが、処理を終了せず、ステップS1に移行して、次の泥汚れの検出を待機するようにしてもよい。
一方、監視装置1は、飛散範囲内である場合には(S3:YES)、車両4によって跳ね上げられた水しぶき6がレーザレーダ装置2に到達すると予想される到達予想時刻を推定する(S4)。このステップS4の処理が、到達時刻推定処理に相当する。具体的には、監視装置1は、車両4までの距離がL1であった場合、理論上の到達時間をT1とすると、T1=(L1)/(V・cos(θ))として求めることができる。本実施形態では、監視装置1は、求めたT1に対して許容範囲を設定し、その許容範囲に含まれる期間を、到達予想時刻として推定している。つまり、到達予想時刻は、T1±αとして推定される。なお、αは、1秒程度の値で適宜設定すればよい。
続いて、監視装置1は、窓部26の位置に物体を検出したか否かを判定する(S5)。監視装置1は、物体を検出していない場合には(S5:NO)、到達予想時刻が経過したか否かを判定し(S9)、到達予想時刻が経過していなければ(S9:NO)ステップS5に移行する一方、到達予想時刻が経過していれば(S9:YES)処理を終了する。なお、この場合も、ステップS1に移行して次の泥汚れの検出を待機するようにしてもよい。
これに対して、監視装置1は、窓部26の位置に物体を検出した場合には(S5:YES)、物体を検出した時刻が到達予想時刻に一致するか否かを判定する(S6)。監視装置1は、物体を検出した時刻が到達予想時刻に一致する場合には(S6:YES)、その物体が水しぶき6によって付いたものであるとして、その物体を泥汚れであるとする(S7)。このステップS5〜S7の処理が、判別処理に相当する。そして、監視装置1は、泥汚れを検出したことを報知して(S8)、終了する。このステップS8の処理が、報知処理に相当する。なお、この場合も、ステップS1に移行して次の泥汚れの検出を待機するようにしてもよい。
一方、監視装置1は、物体を検出した時刻が到達予想時刻に一致しなかった場合には(S6:NO)、その物体が水しぶき6によって付いたものではないとして、つまりは、泥汚れではないとして(S10)、処理を終了する。なお、この場合には、泥汚れではない物体が窓部26に付着したことを報知してもよい。
このように、監視装置1は、窓部26に自然に泥汚れが付着する状況を予め想定しておき、窓部26に物体が検出されたときの状況が想定した状況と一致するとき、窓部26に付着した物体が泥汚れであるとして、自然な泥汚れを検出している。
このように、監視装置1は、窓部26に自然に泥汚れが付着する状況を予め想定しておき、窓部26に物体が検出されたときの状況が想定した状況と一致するとき、窓部26に付着した物体が泥汚れであるとして、自然な泥汚れを検出している。
以上説明した実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
上記したように、レーザレーダ装置2の窓部26に自然な泥汚れが付着するのは、例えば車両4が水たまり5上を通過した際に跳ね上げられた水しぶき6によるものと考えられる。その場合、水たまり5は、比較的レーザレーダ装置2の近傍に存在していると考えられる。また、自然な水たまり5は地面にあると考えられるため、水しぶき6は、地面から上昇すると考えられ、その場合には、レーザレーダ装置2の測定範囲外から突如としてレーザレーダ装置2の測定範囲内に検出されることになる。また、自然に発生した水しぶきであれば、物理法則に沿った運動をすると考えられる。
上記したように、レーザレーダ装置2の窓部26に自然な泥汚れが付着するのは、例えば車両4が水たまり5上を通過した際に跳ね上げられた水しぶき6によるものと考えられる。その場合、水たまり5は、比較的レーザレーダ装置2の近傍に存在していると考えられる。また、自然な水たまり5は地面にあると考えられるため、水しぶき6は、地面から上昇すると考えられ、その場合には、レーザレーダ装置2の測定範囲外から突如としてレーザレーダ装置2の測定範囲内に検出されることになる。また、自然に発生した水しぶきであれば、物理法則に沿った運動をすると考えられる。
このため、レーザレーダ装置2の近傍に車両4等の移動体が検出された際に、それまでは検出されていなかった物体が窓部26の位置に検出された場合、その物体は、移動体によって跳ね上げられた水しぶき6に含まれている泥であると推測できる。
そこで、実施形態の泥汚れ検出方法では、移動体情報取得処理により移動体の情報を取得し、飛散範囲推定処理により水しぶき6が飛散する飛散範囲を求め、到達時刻推定処理によりその水しぶき6がレーザレーダ装置2に到達する到達予想時刻を求め、判別処理により物体が検出された時刻が到達予想時刻に一致するときにその物体を泥汚れと判別することにより、高い確度で泥汚れを検出することができる。
そこで、実施形態の泥汚れ検出方法では、移動体情報取得処理により移動体の情報を取得し、飛散範囲推定処理により水しぶき6が飛散する飛散範囲を求め、到達時刻推定処理によりその水しぶき6がレーザレーダ装置2に到達する到達予想時刻を求め、判別処理により物体が検出された時刻が到達予想時刻に一致するときにその物体を泥汚れと判別することにより、高い確度で泥汚れを検出することができる。
したがって、レーザレーダ装置2の窓部26に付着した物体が泥汚れであると判別すること、すなわち、自然な泥汚れであるかを判定することができる。
この場合、監視装置1は、物体が検出されたときの状況や、検出された物体が検出されなくなったときの状況等、レーザレーダ装置2でも検出可能なデータに基づいて泥汚れを判別している。このため、特別な専用センサ等を設けなくても、また、既設の装置に対しても、泥汚れ判定方法を適用することができる。
この場合、監視装置1は、物体が検出されたときの状況や、検出された物体が検出されなくなったときの状況等、レーザレーダ装置2でも検出可能なデータに基づいて泥汚れを判別している。このため、特別な専用センサ等を設けなくても、また、既設の装置に対しても、泥汚れ判定方法を適用することができる。
この場合、飛散範囲推定処理では、水しぶき6が、移動体の速度との関係が予め対応付けられている初速度および投射角度で斜方投射された後に放物線運動するものとして、飛散範囲を推定する。
水しぶき6は、移動体の種類や水たまり5の深さによって跳ね上がる速度や角度が異なることが想定されるが、レーザレーダ装置2単体では、移動体の種類や水たまり5の深さを検出することは困難である。そのため、水しぶき6の初速度および投射角度と移動体の速度との関係を予め実験等により測定しておき、移動体の速度と初速度および投射角度とを対応付けておくことで、飛散範囲を精度よく推定することができる。
水しぶき6は、移動体の種類や水たまり5の深さによって跳ね上がる速度や角度が異なることが想定されるが、レーザレーダ装置2単体では、移動体の種類や水たまり5の深さを検出することは困難である。そのため、水しぶき6の初速度および投射角度と移動体の速度との関係を予め実験等により測定しておき、移動体の速度と初速度および投射角度とを対応付けておくことで、飛散範囲を精度よく推定することができる。
この場合、水しぶき6の初速度が移動体の速度に一致するとし、投射角度が45°であるとして飛散範囲を推定すれば、移動体の種類を推定するような処理を行うことなく、また、移動体の種類が異なるような状況であっても実際の水しぶき6と大きなずれが生じない実用的なレベルで、水しぶき6の飛散範囲を推定することができる。
また、飛散範囲推定処理では、レーザレーダ装置2の周囲に予め設定されている近傍エリアR2内であって、水しぶき6が到達すると想定される最大到達高さがレーザレーダ装置2の設置高さ以上であること、および、水しぶき6が到達すると想定される水平方向へ最大到達距離が移動体までの距離以下であることを条件とすることで、外部環境に依存する要因を考慮した上で、飛散範囲を推定することができるようになり、図6に示したように周辺環境によって水しぶき6が理屈の上での軌道から外れるような状況にも対応することができる。
また、飛散範囲推定処理では、レーザレーダ装置2の周囲に予め設定されている近傍エリアR2内であって、水しぶき6が到達すると想定される最大到達高さがレーザレーダ装置2の設置高さ以上であること、および、水しぶき6が到達すると想定される水平方向へ最大到達距離が移動体までの距離以下であることを条件とすることで、外部環境に依存する要因を考慮した上で、飛散範囲を推定することができるようになり、図6に示したように周辺環境によって水しぶき6が理屈の上での軌道から外れるような状況にも対応することができる。
すなわち、近傍エリアR2内であって、水しぶき6が到達すると想定される最大到達高さがレーザレーダ装置の設置高さ以上であること、および、水しぶきが到達すると想定される水平方向へ最大到達距離が移動体までの距離以下であることを条件とすることができる。
また、泥汚れと判別された場合に、窓部26に泥汚れが生じたことを報知する報知処理を行う。通常、レーザレーダ装置2により監視を行っている場合、物体が検出されると、侵入が報知され、警備員が出動するような対応が取られることになる。しかし、泥汚れの場合には、清掃員が作業をすれば十分に対応できる。そのため、窓部26に泥汚れが生じたことを報知することにより、警備員ではなく清掃員を呼ぶといった対応を取ることができ、ユーザが柔軟な対応を取ることができる。
また、泥汚れと判別された場合に、窓部26に泥汚れが生じたことを報知する報知処理を行う。通常、レーザレーダ装置2により監視を行っている場合、物体が検出されると、侵入が報知され、警備員が出動するような対応が取られることになる。しかし、泥汚れの場合には、清掃員が作業をすれば十分に対応できる。そのため、窓部26に泥汚れが生じたことを報知することにより、警備員ではなく清掃員を呼ぶといった対応を取ることができ、ユーザが柔軟な対応を取ることができる。
また、レーザレーダ装置2と、実施形態では制御装置3の制御部30で実現している移動体情報取得処理部、飛散範囲推定処理部、到達時刻推定処理部および判別処理部と、を備えた泥汚れ検出装置としての監視装置1によっても、上記した泥汚れ判定方法と同様の効果を得ることができる。
また、実施形態では監視装置1で実現している泥汚れ検出装置に、移動体情報取得処理、飛散範囲推定処理、到達時刻推定処理、判別処理を実行させることを特徴とする泥汚れ検出プログラムによっても、上記した泥汚れ判定方法と同様の効果を得ることができる。
また、実施形態では監視装置1で実現している泥汚れ検出装置に、移動体情報取得処理、飛散範囲推定処理、到達時刻推定処理、判別処理を実行させることを特徴とする泥汚れ検出プログラムによっても、上記した泥汚れ判定方法と同様の効果を得ることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記し且つ図面に記載した態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形や拡張をすることができる。
各実施形態で示した距離や数等は例示であり、それに限定されるものではない。
実施形態では水しぶき6の初速度および投射角度を予め設定したが、移動体の速度との関係に基づいて、移動体の速度に応じて初速度および投射角度を変更してもよい。
本発明は、上記し且つ図面に記載した態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形や拡張をすることができる。
各実施形態で示した距離や数等は例示であり、それに限定されるものではない。
実施形態では水しぶき6の初速度および投射角度を予め設定したが、移動体の速度との関係に基づいて、移動体の速度に応じて初速度および投射角度を変更してもよい。
実施形態では制御装置3の制御部30で移動体情報取得処理部、飛散範囲推定処理部、到達時刻推定処理部、判別処理部を構成する例を示したが、レーザレーダ装置2の制御部20で泥汚れ検出プログラムを実行することにより移動体情報取得処理、飛散範囲推定処理、到達時刻推定処理、判別処理を行ってもよい。すなわち、レーザレーダ装置2の制御部20で移動体情報取得処理部、飛散範囲推定処理部、到達時刻推定処理部、判別処理部を構成してもよい。
水しぶき6に含まれる泥は、それほど大きくないと考えられる。そのため、窓部26の位置で検出された物体の大きさが、例えば1〜2cm程度の許容サイズ以下の物体である場合、泥汚れである可能性が高いと考えることができる。窓部26の位置に検出された物体の大きさを、泥汚れであるか否かの判別条件に加えてもよい。この場合、許容サイズを超えるような大きさの物体が検出された場合には、自然な汚れではなく、意図的な汚れである可能性が高いと考えることもできる。
また、泥汚れではないと判定された場合に、窓部26に泥汚れが生じる可能性があることを報知する構成としてもよい。これにより、将来的に泥汚れが生じる可能性を、実際に泥汚れが生じる前に報知することができ、例えば地面をならす等、水しぶき6がレーザレーダ装置2にかからないようにするための対応を取ることができるようになる。
実施形態では測定エリアR1を平面的に走査するレーザレーダ装置2を例示したが、回転ミラー22を傾動可能とすることで高さ方向への走査も可能なレーザレーダ装置であっても、突発的に出現した物体を検出し、その後に窓部26に付着した物体があるか否かを検出することで、泥汚れであるか否かを判別することができる。つまり、本願は、高さ方向への走査も可能なレーザレーダ装置にも適用することができる。
図面中、1は監視装置(泥汚れ検出装置)、2はレーザレーダ装置(泥汚れ検出装置)、3は制御装置(泥汚れ検出装置)、4は車両(物体、移動体)、6は水しぶき(物体、突発物)、7は付着物(物体、泥汚れ)、20は制御部(移動体情報取得処理部、飛散範囲推定処理部、到達時刻推定処理部、判別処理部)、26は窓部、30は制御部(移動体情報取得処理部、飛散範囲推定処理部、到達時刻推定処理部、判別処理部)、31は報知部、R1は測定エリア、R2は近傍エリアを示す。
Claims (7)
- 所定の走査角度ごとに物体までの距離を測定するレーザレーダ装置の窓部の泥汚れを判定するレーザレーダ装置の泥汚れ検出方法であって、
前記レーザレーダ装置によって検出された移動体の速度および当該移動体までの距離を取得する移動体情報取得処理と、
前記移動体情報取得処理によって取得された前記移動体の速度に基づいて、前記移動体が地面の水たまりを通過したと仮定した場合に当該移動体によって跳ね上げられた水しぶきが飛散する可能性のある飛散範囲を推定する飛散範囲推定処理と、
前記レーザレーダ装置と前記移動体との距離が前記飛散範囲推定処理によって推定された前記飛散範囲内である場合、前記移動体によって跳ね上げられた水しぶきが前記レーザレーダ装置に到達すると予想される到達時刻を推定する到達時刻推定処理と、
前記窓部の位置に新たに物体が検出された場合、当該物体が検出された時刻が前記到達時刻推定処理によって推定された前記到達予想時刻に一致するとき、前記窓部の位置に検出された物体を泥汚れと判別する判別処理と、
を含むことを特徴とするレーザレーダ装置の泥汚れ検出方法。 - 前記飛散範囲推定処理では、前記水しぶきが、前記移動体の速度との関係が予め対応付けられている初速度および投射角度で斜方投射された後に放物線運動するものとして、前記飛散範囲を推定することを特徴とする請求項1記載のレーザレーダ装置の泥汚れ検出方法。
- 前記飛散範囲推定処理では、前記水しぶきの初速度が前記移動体の速度に一致し、前記投射角度が45°であるとして、前記飛散範囲を推定することを特徴とする請求項2記載のレーザレーダ装置の泥汚れ検出方法。
- 前記飛散範囲推定処理では、前記レーザレーダ装置の周囲に予め設定されている近傍エリア内であって、前記水しぶきが到達すると想定される最大到達高さが前記レーザレーダ装置の設置高さ以上であること、および、前記水しぶきが到達すると想定される水平方向へ最大到達距離が前記移動体までの距離以下であることのうち、少なくともいずれか一方が成立する範囲を、前記飛散範囲として推定することを特徴とする請求項2または3記載のレーザレーダ装置の泥汚れ検出方法。
- 前記判別処理によって泥汚れと判別された場合に、前記窓部に泥汚れが生じたことを報知する報知処理を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載のレーザレーダ装置の泥汚れ検出方法。
- 所定の走査角度ごとに物体までの距離を測定するレーザレーダ装置と、
前記レーザレーダ装置の測定エリア内で検出された移動体の速度および当該移動体までの距離を取得する移動体情報取得処理部と、
前記移動体情報取得処理によって取得された前記移動体の速度に基づいて、前記移動体が地面の水たまりを通過したと仮定した場合に当該移動体によって跳ね上げられた水しぶきが飛散する可能性のある飛散範囲を推定する飛散範囲推定処理部と、
前記レーザレーダ装置と前記移動体までの距離が前記飛散範囲推定処理によって推定された前記飛散範囲内である場合、前記移動体によって跳ね上げられた水しぶきが前記レーザレーダ装置に到達すると予想される到達時刻を推定する到達時刻推定処理部と、
前記窓部の位置に物体が検出された場合、当該物体が検出された時刻が前記到達時刻推定処理によって推定された前記到達予想時刻内であるとき、前記窓部の位置に検出された物体を泥汚れと判別する判別処理部と、
を備えることを特徴とする泥汚れ検出装置。 - 所定の走査角度ごとに物体までの距離を測定するレーザレーダ装置の窓部の泥汚れを判定する泥汚れ検出装置に、
前記レーザレーダ装置の測定エリア内で検出された移動体の速度および当該移動体までの距離を取得する移動体情報取得処理と、
前記移動体情報取得処理によって取得された前記移動体の速度に基づいて、前記移動体が地面の水たまりを通過したと仮定した場合に当該移動体によって跳ね上げられた水しぶきが飛散する可能性のある飛散範囲を推定する飛散範囲推定処理と、
前記レーザレーダ装置と前記移動体までの距離が前記飛散範囲推定処理によって推定された前記飛散範囲内である場合、前記移動体によって跳ね上げられた水しぶきが前記レーザレーダ装置に到達すると予想される到達時刻を推定する到達時刻推定処理と、
前記窓部の位置に物体が検出された場合、当該物体が検出された時刻が前記到達時刻推定処理によって推定された前記到達予想時刻内であるとき、前記窓部の位置に検出された物体を泥汚れと判別する判別処理と、
を実行させることを特徴とする泥汚れ検出プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015224011A JP2017090381A (ja) | 2015-11-16 | 2015-11-16 | レーザレーダ装置の泥汚れ検出方法、泥汚れ検出装置、泥汚れ検出プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=58769071
Family Applications (1)
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JP2015224011A Pending JP2017090381A (ja) | 2015-11-16 | 2015-11-16 | レーザレーダ装置の泥汚れ検出方法、泥汚れ検出装置、泥汚れ検出プログラム |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2017090381A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017090408A (ja) * | 2015-11-17 | 2017-05-25 | 株式会社デンソーウェーブ | 窓汚れ判別装置、窓汚れ判別方法、窓汚れ判別プログラム |
CN113646820A (zh) * | 2019-03-27 | 2021-11-12 | 五十铃自动车株式会社 | 检测装置及检测方法 |
-
2015
- 2015-11-16 JP JP2015224011A patent/JP2017090381A/ja active Pending
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