JP6927630B2 - 凹型障害物検出装置と方法 - Google Patents
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Description
また、移動体は、詳細な地図データを保持し、検出された凸型障害物を地図データ上に表示し、凸型障害物を回避して走行経路を決定していた。
ここで、「凹型障害物」は、池や川などの大きな窪み、水たまりなどの小さな窪み、高さの異なる路面間の下り段差、車輪(タイヤ)が落ちるような穴や側溝などを意味する。
そのため、幅が狭い凹型障害物(下り段差等)の場合、未計測点になる面積が狭く、「障害物のない未計測点」と「凹型障害物による未計測点」との区別がつかない。その結果、凹型障害物による未計測点を、障害物のない未計測点と判断し、凹型障害物を回避せずに移動体が通過しようとして凹型障害物(下り段差等)に転落する可能性がある。
一方、「池や川などの大きな窪み」は、幅が十分広いため、計測点の隙間ではなく、なんらかの計測できない要因があると判断し、車両は停止・回避することができる。
前記位置データから路面に対して凹である凹型障害物を検出する識別装置と、を備え、
前記計測点が、前記反射光の強度がその閾値未満の低反射計測点である場合において、前記識別装置は、
前記低反射計測点の近傍であって、前記反射光の強度がその閾値以上の1対の高反射計測点の高度差と、1対の前記高反射計測点を結ぶ直線の水平に対する勾配とを算出し、
前記高度差と前記勾配が、それぞれの閾値以上である場合に、1対の前記高反射計測点の中間に位置する前記低反射計測点を前記凹型障害物の候補点に設定し、
平面視で前記候補点が連続するとき、前記候補点を前記凹型障害物として検出する、凹型障害物検出装置が提供される。
前記位置データから路面に対して凹である凹型障害物を検出する識別ステップと、を備え、
前記識別ステップは、前記計測点が、前記反射光の強度がその閾値未満の低反射計測点である場合において、
(A)前記低反射計測点の近傍であって、前記反射光の強度がその閾値以上の1対の高反射計測点の高度差と、1対の前記高反射計測点を結ぶ直線の水平に対する勾配とを算出する演算ステップと、
(B)前記高度差と前記勾配が、それぞれの閾値以上である場合に、1対の前記高反射計測点の中間に位置する前記低反射計測点を前記凹型障害物の候補点に設定する候補点設定ステップと、
(C)平面視で前記候補点が連続するとき、前記候補点を前記凹型障害物として検出する検出ステップと、を有する、凹型障害物検出方法が提供される。
また、算出された高度差と勾配が、それぞれの閾値以上である場合に、1対の計測点の中間に凹型障害物の候補点を設定する。
従って、凹型障害物における反射光の反射強度が受光できないほど微弱又は皆無な場合でも、凹型障害物の位置を特定点に設定し、「凹型障害物の候補点」に設定することができる。
これにより、レーザ光の反射強度が微弱又は皆無な場合でも、凹型障害物の検出が可能となり、凹型障害物(例えば下り段差)に車両が転落する可能性を大幅に低減又は無くすことができる。
複数の投光器12と複数の受光器14は、移動体Aに設置され鉛直軸7を中心に回転し、移動体Aの近距離から遠距離に向けて間隔を隔ててレーザ光5を投光(照射)し、レーザ光5の反射光6を受光する。
また、この例において、複数の投光器12と複数の受光器14は、レーザ光5の照射角度αの差Δαが、近距離用から遠距離用に向けて同一又は順に狭く設定されている。
「水平に対する照射角度α」は、近距離から遠距離の路面2にレーザ光5を照射するため、通常は+0〜30度の範囲であるが、水平より上向きの照射角度αを含んでもよい。ここで、水平方向を0度とし、その水平に対して地面側鉛直方向(法線方向)を+(プラス)方向とする。
位置データは、レーザレーダ装置10から計測点4までの直線距離の他に、照射角度α、周方向の旋回角度β、及び動径Rを含む。
また、1対の計測点4の高度差ΔZと、1対の計測点4を結ぶ直線の水平に対する勾配θは、1対の計測点4の位置データから、幾何学的に求めることができる。
この例において、レーザ光5を下向きの照射角度α(例えば、0〜30度)で照射するので、遠方に位置する凹型障害物B(下り段差B1)は、その傾斜によりレーザ光5とのなす角度が小さく、レーザ光5の反射強度は一般に非常に小さい。
すなわち、図2(A)の下り段差B1(楕円の破線で示す)は、レーザ光5の反射強度が微弱又は皆無となるので、未計測点になる面積が狭く、「空(空中)のように障害物のない未計測点」と「凹型障害物Bによる未計測点」との区別がつかない。
その結果、図2(B)に太字の矢印で示すように、下り段差B1による未計測点を、障害物のない未計測点と判断し、下り段差B1を回避せずに移動体Aが通過しようとして下り段差B1に転落する可能性がある。
なお、「レイヤ方向」とは、複数のレイヤ3の水平に対する下向き角度αが変化する方向、すなわち照射位置が近距離から遠距離に変化する方向、又はその逆方向を意味する。
なお、反射強度に閾値を設定し、反射強度が閾値未満の場合に低反射計測点4bとし、反射強度が閾値以上の場合に高反射計測点4aとするのがよい。
このうちステップS2、S3は、水たまりを検出するステップである。以下、ステップS2、S3以外を先に説明する。
位置が近傍の1対の計測点4の平面視での位置関係は、周方向でも、レイヤ方向でも、その他の方向でもよい。「位置が近傍」とは、隣接する位置に限定されず、周方向又はレイヤ方向において、レーザ光5の照射方向の角度差が所定の閾値を超えない範囲であることを意味する。「角度差の閾値」は、例えば約4〜6度に設定する。
この場合、「周方向位置が近傍」とは、周方向の角度差が所定の閾値を超えない範囲で、1対の計測点4を周方向に探索し続けるのがよい。「角度差の閾値」は、例えば車両の停止距離(例えば17m)において、経路計画が周方向に1.2mまで許容することを考慮して、約4〜6度に設定する。
この手段により、周方向の凹型障害物B(下り段差B1)を検出することができる。
この例では、図4における低反射計測点4bの左側の高さが高く、低反射計測点4bの右側の高さが低いので、高度差ΔZと勾配θが、それぞれの閾値以上であれば、1対の計測点4の中間の低反射計測点4bを「右下り段差B1の候補点X」に設定する。なお、「左下り段差B1の候補点X」の設定も同様である。
ここで、「候補点Xが連続する」とは、隣接する複数の計測点4が候補点Xとなることを意味する。連続する方向は、線状であるのが好ましいが、近接して塊を形成してもよい。
例えば、移動体Aの移動方向又は移動体Aから離れる方向に連続した候補点Xがあるとき、候補点Xを凹型障害物Bと判断する。
そのため、下り段差B1の手前の計測点4は、周囲の計測点4と高さが大きく変化しないと考えられることを利用することが好ましい。
(1)1対の計測点4を高度が相対的に高い高位計測点と高度が相対的に低い低位計測点とに区分する。
(2)同一のレイヤにおいて、低位計測点に対し周方向位置が反対かつ近傍である第3計測点と、高位計測点との第2高度差を算出する。
(3)第2高度差がその閾値未満の場合に、検出された凹型障害物Bを有効と判断する。この閾値は、車両の走行可能範囲に設定するのがよい。
この手段により、悪天候の場合の誤検出を低減することができる。
この例では、同一又は近接する周方向角度(すなわち旋回角度β)の複数のレイヤ3において、反射光6を受光しレイヤ方向に位置が近傍の1対の計測点4の高度差ΔZと、1対の計測点4を結ぶ直線の水平に対する勾配θとを算出する。その他は、上述した例と同様である。
この場合、レイヤ方向の凹型障害物B(下り段差B1)を検出することができる。
水たまり8が凸型障害物9の手前にある場合、水たまり8の水面で反射したレーザ光5が凸型障害物9で反射し、再度、水たまり8の水面で反射した反射光6がレーザレーダ装置10で検出される。
そのため、従来は、凸型障害物9でのレーザ光5の反射点4cの虚像4c2を、地表面より低い位置に凹型障害物Bがあると判断する可能性があった。
ここで、kはレイヤ3の近距離側からの番号を意味する。
この場合、近距離を照射するレイヤ3の動径Rは、相対的に遠距離を照射するレイヤ3の動径Rより、通常は小さい。
すなわち、通常の路面2においては、R(k−1)<R(k)と、R(k)<R(k+1)の関係式(1)が成り立つ。
この場合、近距離を照射するレイヤ3の動径Rは、相対的に遠距離を照射するレイヤ3の動径Rより、大きくなる。
この場合、R(k)>R(k+1)の関係が成り立つ。
また、第3レイヤ3cのレーザ光5が凸型障害物9を直接照射する場合には、例外的に、R(k)≒R(k+1)の関係が成り立つ。
ここで符号「≒」は、凸型障害物9の凹凸に起因する動径差は、同一範囲とみなすことを意味する。
図3の凹型障害物検出方法において、動径比較ステップ(S2)では、同一又は近接する周方向角度(旋回角度β)の複数のレイヤ3において、反射光6を受光しレイヤ方向に位置が近傍の1対の計測点4の動径Rを比較する。
すなわち図7の例では、第2レイヤ3bの計測点4の動径R(k)と、第3レイヤ3cの計測点4の動径R(k+1)とを比較する。
すなわち図7の例で、R(k)−R(k+1)>ε・・・(2)の場合に、第2レイヤ3bの計測点4を水たまり8による虚像4c2として検出する。
水たまり8での反射点4dが、複数存在する場合も同様である。
演算装置は、上述した凹型障害物検出方法の各ステップS1〜S6を実行する。演算装置は、さらに地図作成ステップ(ステップS7)において、移動体Aの周囲の環境地図を作成する。
表示装置は、演算装置の実行結果に基づき、移動体Aの周囲の環境地図を表示する。
また、算出された高度差ΔZと勾配θが、それぞれの閾値以上である場合に、1対の計測点4の中間に凹型障害物Bの候補点Xを設定する。
従って、凹型障害物Bにおける反射光6の反射強度が受光できないほど微弱又は皆無な場合でも、凹型障害物Bの位置を特定点に設定し、「凹型障害物Bの候補点X」に設定することができる。
これにより、レーザ光5の反射強度が微弱又は皆無な場合でも、凹型障害物Bの検出が可能となり、凹型障害物B(例えば下り段差B1)に車両が転落する可能性を大幅に低減又は無くすことができる。
さらに、穴や側溝は、その大きさと壁面の勾配により、水たまり8、下り段差B1、又は集合した凹型障害物Bとして検出できる。
G グリッド、R 動径、X 候補点、ΔZ 高度差、α 照射角度、
Δα 照射角度の差、β 旋回角度、ε 閾値、θ 勾配、
1 凹型障害物検出装置、2 路面、2a,2b 道路、3 レイヤ、
3a 第1レイヤ、3b 第2レイヤ、3c 第3レイヤ、4 計測点、
4a 高反射計測点、4b 低反射計測点、4c 反射点、4c2 虚像、
4d 反射点、5 レーザ光、6 反射光、7 鉛直軸、8 水たまり、
9 凸型障害物、10 レーザレーダ装置、12 投光器、14 受光器、
20 識別装置
Claims (6)
- 水平に対する照射角度が一定の円錐面であり前記照射角度が互いに異なるそれぞれのレイヤにおいて、平面視で周方向にレーザ光を複数の計測点に照射し、その反射光を受光して前記計測点の位置データを取得するレーザレーダ装置と、
前記位置データから路面に対して凹である凹型障害物を検出する識別装置と、を備え、
前記計測点が、前記反射光の強度がその閾値未満の低反射計測点である場合において、前記識別装置は、
前記低反射計測点の近傍であって、前記反射光の強度がその閾値以上の1対の高反射計測点の高度差と、1対の前記高反射計測点を結ぶ直線の水平に対する勾配とを算出し、
前記高度差と前記勾配が、それぞれの閾値以上である場合に、1対の前記高反射計測点の中間に位置する前記低反射計測点を前記凹型障害物の候補点に設定し、
平面視で前記候補点が連続するとき、前記候補点を前記凹型障害物として検出する、凹型障害物検出装置。 - 前記識別装置は、
1対の前記高反射計測点を高度が相対的に高い高位計測点と前記高度が相対的に低い低位計測点とに区分し、
同一の前記レイヤにおいて、前記低位計測点に対し周方向位置が反対かつ近傍である第3計測点と、前記高位計測点との第2高度差を算出し、
前記第2高度差が車両の走行可能な高度差である閾値未満の場合に、検出された前記凹型障害物を有効と判断する、請求項1に記載の凹型障害物検出装置。 - 水平に対する照射角度が一定の円錐面であり前記照射角度が互いに異なるそれぞれのレイヤにおいて、平面視で周方向にレーザ光を複数の計測点に照射し、その反射光を受光して前記計測点の位置データを取得するデータ取得ステップと、
前記位置データから路面に対して凹である凹型障害物を検出する識別ステップと、を備え、
前記識別ステップは、前記計測点が、前記反射光の強度がその閾値未満の低反射計測点である場合において、
(A)前記低反射計測点の近傍であって、前記反射光の強度がその閾値以上の1対の高反射計測点の高度差と、1対の前記高反射計測点を結ぶ直線の水平に対する勾配とを算出する演算ステップと、
(B)前記高度差と前記勾配が、それぞれの閾値以上である場合に、1対の前記高反射計測点の中間に位置する前記低反射計測点を前記凹型障害物の候補点に設定する候補点設定ステップと、
(C)平面視で前記候補点が連続するとき、前記候補点を前記凹型障害物として検出する検出ステップと、を有する、凹型障害物検出方法。 - 同一の前記レイヤにおいて、前記反射光を受光した周方向位置が近傍の1対の前記高反射計測点の前記高度差と、1対の前記高反射計測点を結ぶ直線の水平に対する前記勾配とを算出する、請求項3に記載の凹型障害物検出方法。
- 同一又は近接する周方向におけるレイヤ方向において、前記反射光を受光しレイヤ方向に位置が近傍の1対の前記高反射計測点の前記高度差と、1対の前記高反射計測点を結ぶ直線の水平に対する前記勾配とを算出する、請求項3に記載の凹型障害物検出方法。
- 同一又は近接する周方向角度の複数の前記レイヤにおいて、前記反射光を受光しレイヤ方向に隣接する1対の前記高反射計測点の動径を比較し、
近距離を照射する前記レイヤの動径が、相対的に遠距離を照射する前記レイヤの動径より、凸型障害物の凹凸に起因する動径差の最大値である閾値以上大きい場合に、前記近距離を照射する前記レイヤの前記高反射計測点を水たまりによる虚像として前記凹型障害物の検出を解除する、請求項3に記載の凹型障害物検出方法。
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