JP6663242B2 - 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
電子写真装置に搭載される電子写真感光体には、有機光導電性物質(電荷発生物質)を含有する有機電子写真感光体(以下、「電子写真感光体」という)があり、これまで幅広い検討がなされてきた。近年、電子写真感光体の長寿命化や高画質化を目的として、電子写真感光体の機械的耐久性(耐摩耗性)が向上している。
特許文献1には、下記(1)乃至(3)に記載の条件を満たすことで、電子写真感光体の耐摩耗性を向上させる技術が開示されている。
(1)電子写真感光体の表面層を、グアナミン構造を有する化合物及びメラミン化合物から選択される少なくとも1種の化合物と、−OH、−OCH、−NH、−SH、及び−COOHから選択される置換基の少なくとも1つを持つ電荷輸送性材料の少なくとも1種と、の架橋物から構成する。
(2)グアナミン構造を有する化合物及びメラミン化合物から選択される少なくとも1種の化合物を、表面層中に所定量含有させる。
(3)表面層のユニバーサル硬さおよびクリープ率を、それぞれ所定の値とする。
一方、電子写真感光体の表面層が架橋物から構成されることにより電子写真感光体の耐摩耗性が高くなるのに伴い、電子写真感光体の表面層が架橋物から構成されないときと比べて電子写真感光体の表面がリフレッシュされにくくなるため、放電を伴う帯電プロセスによって電子写真感光体の表面を構成する材料が放電劣化する。その結果、電子写真感光体の表面における分子鎖の開裂や酸化により極性基が増加しやすくなる。また高温高湿環境下では電子写真感光体表面上に水分が多量にあるため、加水分解などが生じやすくなり、さらに極性基が増加しやすくなる。すなわち、高温高湿環境下では放電と多量の水分により極性基が多数できるため、電子写真感光体表面が低抵抗化して電荷が電子写真感光体の最表面を移動しやすくなる。このため、静電潜像がぼやけて、出力画像がぼやける現象である画像流れが発生しやすくなる。
また、電子写真感光体表面において、極性基があることにより局所的に摩擦係数が高くなる部分が発生し、クリーニングブレードが振動してトナーがすり抜けやすくなり、画出し時においてスジ状の画像不良が発生しやすくなる。
極性基が増加した状態で空気中の水分が電子写真感光体表面に付着すると、電子写真感光体表面が低抵抗化して電荷が電子写真感光体の最表面を移動しやすくなるため、画出し時に画像流れが発生しやすくなる。
特開2011−8117号公報
本発明者らの検討の結果、耐摩耗性を向上させた電子写真感光体では、高温高湿環境下の長期使用時においては、画像流れの抑制が十分ではなかったり、スジ状の画像不良が発生したりしていた。
本発明の目的は、支持体および該支持体上の感光層を有する電子写真感光体において、高温高湿環境下の画像形成時においてスジ状の画像不良を抑制し、さらに画像流れを抑制する電子写真感光体、およびその製造方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ、および電子写真装置を提供することにある。
上記目的は、以下の本発明によって達成される。
本発明に係る電子写真感光体は、支持体および該支持体上の感光層を有する電子写真感光体において、
該電子写真感光体の表面層が、
式(1)で示される化合物と、式(2)で示される化合物と、を含む組成物の硬化物、または、
式(3)で示される化合物と、式(4)で示される化合物と、ヒドロキシメチル基を3つ以上有する化合物と、を含む組成物の硬化物、
を含有することを特徴とする。
Figure 0006663242
iは13以上20以下の整数である。
11、A12は水素原子、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、またはアルキル基を示す。i個のA11、A12はそれぞれ同一でも、異なっていてもよい。
式(1)中のヒドロキシ基の数は、iの半分以下の整数である。
Figure 0006663242
Ar21〜Ar24は置換基を有してもよいアリール基を示し、Ar25、Ar26は置換基を有してもよいアリーレン基を示す。
Ar21〜Ar26の置換基は、炭素数が1〜3のアルキル基、炭素数が1〜3のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヒドロキシメチル基から選ばれる基であり、同一でも異なってもいてもよい。
は炭素数が1〜3のアルキレン基、炭素数が2〜6のアルキリデン基、炭素数が3〜6のシクロアルキリデン基、フェニレン基を介して炭素数が2〜6のアルキリデン基が2個結合した2価の基、フェニレン基、ビニレン基、または酸素原子を示す。
pは0、または1である。
但し、式(2)中のヒドロキシメチル基の数は、式(1)中のヒドロキシ基の数が2のときは3以上であり、式(1)中のヒドロキシ基の数が3以上のときは、2以上である。
Figure 0006663242
jは13以上20以下の整数である。
31、A32は水素原子、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、またはアルキル基を示す。j個のA31、A32はそれぞれ同一でも、異なっていてもよい。
式(3)中のヒドロキシ基の数は、jの半分以下の整数である。
Figure 0006663242
Ar41〜Ar44は置換基を有してもよいアリール基を示し、Ar45、Ar46は置換基を有してもよいアリーレン基を示す。
Ar41〜Ar46の置換基は、炭素数が1〜3のアルキル基、炭素数が1〜3のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヒドロキシメチル基から選ばれる基であり、同一でも異なってもいてもよい。
は炭素数が1〜3のアルキレン基、炭素数が2〜6のアルキリデン基、炭素数が3〜6のシクロアルキリデン基、フェニレン基を介して炭素数が2〜6のアルキリデン基が2個結合した2価の基、フェニレン基、ビニレン基、または酸素原子を示す。
qは0、または1である。
但し、式(4)は、少なくとも1つのヒドロキシメチル基を有する。
また、本発明に係る電子写真感光体の製造方法は、支持体および該支持体上の感光層を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、
前記式(1)で示される化合物と、前記式(2)で示される化合物と、を含有する表面層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を加熱乾燥させて該電子写真感光体の表面層を形成する工程、または、
前記式(3)で示される化合物と、前記式(4)で示される化合物と、ヒドロキシメチル基を3つ以上有する化合物と、を含有する表面層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を加熱乾燥させて該電子写真感光体の表面層を形成する工程を有することを特徴とする。
また、本発明に係るプロセスカートリッジは、前記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在である。
また、本発明に係る電子写真装置は、前記電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置を提供することにある。
本発明によれば、支持体および該支持体上の感光層を有する電子写真感光体において、高温高湿下でのスジ状の画像不良を抑制し、かつ画像流れを抑制する電子写真感光体およびその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、前記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ、および電子写真装置を提供することができる。
本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す概略図である。 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
本発明の電子写真感光体は、支持体および該支持体上の感光層を有する電子写真感光体において、
該電子写真感光体の表面層が、
式(1)で示される化合物と、式(2)で示される化合物と、を含む組成物の硬化物、または、
式(3)で示される化合物と、式(4)で示される化合物と、ヒドロキシメチル基を3つ以上有する化合物と、を含む組成物の硬化物、
を含有することを特徴とする。
本発明者らは、本発明の電子写真感光体において、スジ状の画像不良と画像流れが抑制される理由を以下のように推測している。
本発明の式(1)や式(3)で示されるアルコールはヒドロキシ基を有するため、ヒドロキシメチル基を有する式(2)や式(4)で示される化合物と結合する。結合をする際に、式(1)や式(3)で示される化合物は、ヒドロキシ基が長鎖のアルキレン基の両末端にあるため、式(2)や式(4)で示される化合物全体に対して覆うようにして結合することになる。よって、式(2)や式(4)で示される化合物は共役が長く酸化されやすいため、極性基が発生しやすいが、式(1)や式(3)で示される化合物が覆っているため酸化や加水分解が発生しにくくなる。さらに、式(1)や式(3)で示されるアルコールは、炭素数13以上の長鎖のアルキレン基を有するため、撥水性を有し、加水分解などによる極性基の発生が生じにくい。よって、高温高湿環境下において表面層がスジ状の画像不良と画像流れを抑制すると考えている。
本発明の電子写真感光体の表面層は、式(1)で示される化合物と、式(2)で示される化合物と、を含む組成物の硬化物を含有する。または、本発明の電子写真感光体の表面層は、式(3)で示される化合物と、式(4)で示される化合物と、ヒドロキシメチル基を3つ以上有する化合物と、を含む組成物の硬化物を含有する。
Figure 0006663242
iは13以上20以下の整数である。
11、A12は水素原子、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、またはアルキル基を示す。i個のA11、A12はそれぞれ同一でも、異なっていてもよい。
ヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシへプチル基、6−ヒドロキシへキシル基などが挙げられ、好ましくはヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基である。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、へプチル基、へキシル基などが挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基である。
式(1)中のヒドロキシ基の数は、iの半分以下の整数である。式(1)中のヒドロキシ基の数には、ヒドロキシアルキル基に存在するヒドロキシ基も含む。
Figure 0006663242
Ar21〜Ar24は置換基を有してもよいアリール基を示し、Ar25、Ar26は置換基を有してもよいアリーレン基を示す。
Ar21〜Ar26の置換基は、炭素数が1〜3のアルキル基、炭素数が1〜3のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヒドロキシメチル基から選ばれる基であり、同一でも異なってもいてもよい。
は炭素数が1〜3のアルキレン基、炭素数が2〜6のアルキリデン基、炭素数が3〜6のシクロアルキリデン基、フェニレン基を介して炭素数が2〜6のアルキリデン基が2個結合した2価の基、フェニレン基、ビニレン基、または酸素原子を示す。
pは0、または1である。
但し、式(2)中のヒドロキシメチル基の数は、式(1)中のヒドロキシ基の数が2のときは3以上であり、式(1)中のヒドロキシ基の数が3以上のときは、2以上である。
アリール基としては、ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ビフェニル、ターフェニル、スチルベンなどから1個の水素原子を除いた基が挙げられる。アリーレン基としてはベンゼン、ナフタレン、フルオレン、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ビフェニル、ターフェニル、スチルベンなどから2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
炭素数が1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基などが挙げられる。炭素数が1〜3のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。炭素数が1〜3のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。炭素数が2〜6のアルキリデン基としては、1,1−エチリデン基、1,1−プロピリデン基、2,2−プロピリデン基、1,1−ブチリデン基、2,2−ブチリデン基、3,3−ペンタニリデン基、3,3−ヘキサニリデン基などが挙げられる。炭素数が3〜6のシクロアルキリデン基としては、シクロヘキシリデン基などが挙げられる。
Figure 0006663242
jは13以上20以下の整数である。
31、A32は水素原子、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、またはアルキル基を示す。j個のA31、A32はそれぞれ同一でも、異なっていてもよい。
ヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシへプチル基、6−ヒドロキシへキシル基などが挙げられ、好ましくはヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基である。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、へプチル基、へキシル基などが挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基である。
式(3)中のヒドロキシ基の数は、jの半分以下の整数である。式(3)中のヒドロキシ基の数には、ヒドロキシアルキル基に存在するヒドロキシ基も含む。
Figure 0006663242
Ar41〜Ar44は置換基を有してもよいアリール基を示し、Ar45、Ar46は置換基を有してもよいアリーレン基を示す。
Ar41〜Ar46の置換基は、炭素数が1〜3のアルキル基、炭素数が1〜3のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヒドロキシメチル基から選ばれる基であり、同一でも異なってもいてもよい。炭素数が1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基などが挙げられる。炭素数が1〜3のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。
は炭素数が1〜3のアルキレン基、炭素数が2〜6のアルキリデン基、炭素数が3〜6のシクロアルキリデン基、フェニレン基を介して炭素数が2〜6のアルキリデン基が2個結合した2価の基、フェニレン基、ビニレン基、または酸素原子を示す。
qは0、または1である。
但し、式(4)は、少なくとも1つのヒドロキシメチル基を有する。
アリール基としては、ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ビフェニル、ターフェニル、スチルベンなどから1個の水素原子を除いた基が挙げられる。アリーレン基としてはベンゼン、ナフタレン、フルオレン、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ビフェニル、ターフェニル、スチルベンなどから2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
炭素数が1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基などが挙げられる。炭素数が1〜3のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。炭素数が1から3のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。炭素数が2から6のアルキリデン基としては、1,1−エチリデン基、1,1−プロピリデン基、2,2−プロピリデン基、1,1−ブチリデン基、2,2−ブチリデン基、3,3−ペンタニリデン基、3,3−ヘキサニリデン基などが挙げられる。
アリール基やアリーレン基が嵩高くなると、式(1)、または式(3)で示される化合物が、式(2)、または式(4)で示される化合物を覆いにくくなり撥水効果が弱まる。よって、スジ状の画像不良を抑制し、画像流れを抑制する効果を得る観点から、Ar21〜Ar24、およびAr41〜Ar44が置換もしくは無置換のフェニル基、およびAr25、Ar26、およびAr45、Ar46が置換もしくは無置換のフェニレン基であることが望ましい。
前記式(1)、および前記式(3)で示される化合物は、電子写真感光体の表面層に、1種のみを含有させてもよく、2種以上を含有させてもよい。
前記式(1)で示される化合物が、式(5)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 0006663242
mは13以上20以下の整数である。
前記式(3)で示される化合物が、式(6)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 0006663242
nは13以上20以下の整数である。
以下に、前記式(1)、および前記式(3)で示される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらの例示化合物に限定されるわけではない。
Figure 0006663242
これらの中でも、式(a−1)〜式(a−8)で示される化合物が好ましい。
前記式(2)、および前記式(4)で示される化合物は1種のみを含有させてもよく、2種以上を含有させてもよい。
以下に、本発明の前記式(2)、および前記式(4)で示される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらの例示化合物に限定されるわけではない。
Figure 0006663242
Figure 0006663242
Figure 0006663242
Figure 0006663242
これらの中でも、式(b−1)〜式(b−13)で示される化合物が、前記式(1)および前記式(3)との反応性が高く、画出し時においてスジ状の画像不良が発生しにくくなるため好ましい。
本発明の電子写真感光体は、支持体および該支持体上の感光層を有する。ここで、感光層は、機能分離した層が積層された積層型と、複数の機能をあわせ持った1つの層からなる単層型と、に大別される。
感光層が積層型(のうち、順層型)である電子写真感光体は、支持体、該支持体上に形成された電荷発生層、該電荷発生層上に形成された電荷輸送層を少なくとも有する。この積層型の感光層(電荷発生層および電荷輸送層)を有する電子写真感光体は、例えば、該電荷輸送層上に形成された保護層をさらに有する構成であってもよい(すなわち、図1に示す層構成の例であり、保護層が表面層である)。なお、積層型の感光層を有する電子写真感光体が、電荷輸送層上に保護層などの層を有しない場合、電荷輸送層が表面層となる。
単層型の感光層を有する電子写真感光体の場合も、積層型の感光層を有する電子写真感光体の場合と同様に、保護層をさらに有する構成であってもよい。
図1中、101は支持体であり、102は電荷発生層であり、103は電荷輸送層であり、104は保護層であり、必要に応じて、支持体101と電荷発生層102との間に、導電層、および下引き層を設けてもよい。
ヒドロキシメチル基を3つ以上有する化合物としては、レゾール化合物、グアナミン化合物、メラミン化合物などが挙げられる。なかでも前記式(3)で示される化合物との相溶性や、耐摩耗性、電位安定性の観点から、グアナミン化合物、またはメラミン化合物が望ましい。
また、ヒドロキシメチル基は、適当な保護基で保護された状態であってもよい。その際は、硬化物を得るための逐次重合反応の際に、保護基を脱離してヒドロキシメチル基に戻してから逐次重合反応させる必要がある。ヒドロキシメチル基が保護基で保護された状態としては、例えば以下の構造が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるわけではない。
Figure 0006663242
レゾール化合物は、フェノール性水酸基を有する化合物に対してホルムアルデヒドなどのアルデヒド類を用いてアルカリ触媒で反応させて得られる化合物である。フェノール性水酸基を有する化合物としては、フェノール、クレゾール、キシレノールなどのフェノール、および、ビフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどの多価フェノールなどが挙げられる。
グアナミン化合物は、グアナミン骨格を有する化合物であり、例えば、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、ホルモグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、シクロヘキシルグアナミンなどが挙げられる。
以下、グアナミン化合物の具体例を示すが、これらに限られるわけではない。また、これらを構造単位とする多量体(オリゴマー)であってもよい。
Figure 0006663242
メラミン化合物としては、メラミン骨格を有する化合物である。
以下、メラミン化合物の具体例を示すが、これらに限られるわけではない。また、これらを構造単位とする多量体(オリゴマー)であってもよい。
Figure 0006663242
レゾール化合物、グアナミン化合物およびメラミン化合物から選択される少なくとも1種の、表面層の固形分に対する含有率は、好ましくは0.1質量%以上5質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上3質量%以下である。
また、表面層にヒドロキシメチル基などの重合性官能基を有さないベンジジン化合物を含有することにより、良好な電気特性が得られる。表面層の硬化において式(1)、および式(3)で示される化合物の分子鎖が長いため、架橋膜中に空洞ができやすく、それにより表面層における電荷の輸送性が落ちる場合がある。重合性官能基を有さないベンジジン化合物は電荷輸送性に優れる。さらに、式(2)および式(4)で示される化合物との相溶性がよく、さらに重合性官能基を有さないため硬化の際に膜中を移動できるため、架橋膜中の空洞に入りやすくなる。よって、架橋の際に電荷の輸送性が落ちることを抑制し、良好な電気特性が得られる。
次に、本発明の電子写真感光体を構成する支持体および各層についてより詳細に説明する。
〔支持体〕
本発明の電子写真感光体の支持体(導電性支持体)としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、ニッケルなどの金属または合金が挙げられる。また、支持体としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの絶縁性支持体上に、アルミニウム、銅などの金属あるいは、酸化インジウム、酸化スズなどの導電材料の薄膜を形成したものが挙げられる。さらに、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子のような導電性粒子を樹脂などに含浸したものや、導電性結着樹脂を有するプラスチックを支持体として用いることもできる。
支持体の形状としては、円筒状、シート状が挙げられるが、円筒状が好ましい。また、干渉縞を抑制するために支持体はその表面を適度に荒らしておくことが好ましい。具体的には、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理を行った支持体を用いることが好ましい。
〔導電層〕
本発明の電子写真感光体においては、支持体と後述する感光層または下引き層との間には、導電層を設けてもよい。導電層は、導電性粒子、樹脂および溶剤を含有する導電層用塗布液を支持体上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥させることによって形成することができる。
導電層中には導電性粒子を含む粉体が含有される。導電性粒子としては、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀、などの金属や合金の粉体や、酸化スズ、ITO(Indium Tin Oxide)などの金属酸化物粉体が挙げられる。また、干渉縞を抑制するために粗し粒子を含有させてもよい。
導電層に用いられる樹脂としては、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。
導電層用塗布液に用いられる溶剤としては、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤および芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。
導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、5μm以上40μm以下であることがより好ましい。
〔下引き層(中間層)〕
本発明の電子写真感光体では、支持体または導電層と、後述する感光層との間に、下引き層を設けてもよい。下引き層は、樹脂および溶剤を含有する下引き層用塗布液を支持体上、または導電層上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥または硬化させることによって形成することができる。
下引き層に用いられる樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ−N−ビニルイミダゾール樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、エチルセルロース樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ、ゼラチンなどが挙げられる。また、下引き層に上述の導電性粒子を含有させることもできる。
下引き層用塗布液の溶剤としては、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、及び芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。
下引き層の膜厚は、0.05μm以上40μm以下であることが好ましく、0.4〜20μmがより好ましい。
また、下引き層には、半導電性粒子、電子輸送物質、あるいは電子受容性物質を含有させてもよい。
〔電荷発生層〕
本発明の電子写真感光体では、支持体、導電層または下引き層上には、電荷発生層が形成される。電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤とともに分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、これを乾燥させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生物質としては、ピリリウム、チアピリリウム系染料、フタロシアニン化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、アゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、キノシアニン顔料などが挙げられる。これらの中でも、ガリウムフタロシアニンが好ましい。さらには、高感度の観点から、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.3°および28.2°±0.3°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶がより好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニルなどのビニル化合物の重合体や共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルベンザール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷発生層において、電荷発生物質と結着樹脂との割合は、電荷発生物質1質量部に対して、結着樹脂が0.3質量部以上4質量部以下であることが好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、例えば、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤および芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。また、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
分散方法としては、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルを用いた方法が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上1μm以下であることがより好ましい。
〔電荷輸送層〕
電荷発生層上には電荷輸送層が形成される。電荷輸送層は、電荷輸送物質、および結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリルメタン化合物などが挙げられる。本発明において、電荷輸送層中の電荷輸送物質の割合は、電荷輸送層の全質量に対して、電荷輸送物質が30質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アガロース樹脂、カゼイン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂などが挙げられる。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤および芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。電荷輸送層の膜厚は、5μm以上40μm以下であることが好ましい。
〔単層型感光層〕
感光層が単層型感光層である場合、感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる感光層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。なお、単層型感光層に用いられる結着樹脂、電荷発生物質および電荷輸送物質は、電荷発生層や電荷輸送層に用いられるものと同じものを用いることができる。また、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
〔保護層〕
本発明の電子写真感光体の保護層の構成は、上述のとおりである。
さらに、保護層には、各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの劣化防止剤、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂微粒子やフッ化カーボンなどの潤滑剤、重合反応開始剤や重合反応停止剤などの重合制御剤が挙げられる。
またさらに、保護層には、電荷輸送物質を添加することができる。電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリルメタン化合物などが挙げられる。
保護層の膜厚は、0.5μm以上15μm以下であることが好ましい。更には1μm以上10μm以下であることがより好ましい。
保護層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。これらの中でも、保護層用塗布液の塗膜が形成される、保護層の下層(積層型の場合、電荷輸送層)を溶解しないという観点から、アルコール系溶剤が好ましい。
保護層を形成する際に重合反応させる手段としては、以下の通りである。電荷輸送層上に、式(1)で示される化合物と、式(2)で示される化合物と、を含む保護層(表面層)用塗布液、または式(3)で示される化合物と、式(4)で示される化合物と、ヒドロキシメチル基を3つ以上有する化合物で示される化合物と、を含む保護層(表面層)用塗布液を用いて塗膜を形成し、これを重合、乾燥させることによって保護層(表面層)を形成する。
(保護層(表面層)を形成する工程)
式(1)で示される化合物と、式(2)で示される化合物と、の重合、および式(3)で示される化合物と、式(4)で示される化合物と、ヒドロキシメチル基を3つ以上有する化合物と、の重合は、熱、光(紫外線など)、または放射線(電子線など)を用いて行うことができる。
保護層の表面には、研磨シート、形状転写型部材、ガラスビーズ、ジルコニアビーズなど用いて表面加工を施してもよい。また、塗布液の構成材料を使って表面に凹凸を形成させてもよい。
〔各層の塗布法〕
上記各層の塗布液を塗布する際は、浸漬塗布法(ディッピング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
〔電子写真感光体の製造方法〕
本発明の電子写真感光体の製造方法は、支持体および該支持体上の感光層を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、
前記式(1)で示される化合物と、前記式(2)で示される化合物と、を含有する表面層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を加熱乾燥させて該電子写真感光体の表面層を形成する工程、または、
前記式(3)で示される化合物と、前記式(4)で示される化合物と、ヒドロキシメチル基を3つ以上有する化合物と、を含有する表面層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を加熱乾燥させて該電子写真感光体の表面層を形成する工程を有する。
なお、表面層の形成の際、塗膜の形成には上述した各層の塗布法など周知慣用されている方法を用いることができ、塗膜の加熱乾燥にも周知慣用されている方法を用いることができる。
〔電子写真装置〕
図2に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図2において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向(図2における時計回り方向)に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程において、帯電手段(一次帯電手段)3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受ける。次いで、均一帯電を受けた電子写真感光体1の周面は、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面には、目的の画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
形成された静電潜像は、次いで現像手段5内に収容されたトナーで正規現像または反転現像によりトナー像として顕像化される。電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像は、転写手段6により転写材7に順次転写されていく。ここで、転写材7は、不図示の給紙部から電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間に給送される。また、転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。また、転写手段は、一次転写部材、中間転写体および二次転写部材を有する中間転写方式の転写手段であってもよい。
トナー像の転写を受けた転写材7は、電子写真感光体1の表面から分離され、定着手段8へ搬送されて、トナー像の定着処理を受けることにより、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置外へプリントアウトされる。
トナー像が転写された後の電子写真感光体1の表面は、クリーニングブレードを有するクリーニング手段9によって転写残りトナーなどの付着物の除去を受けて清浄面化される。転写残りトナーを現像手段5などで回収することもできる。さらに必要に応じて、電子写真感光体1は前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
本発明においては、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段9などの構成要素のうちの1つ以上と、を容器に納めてプロセスカートリッジとしてもよい。また、該プロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に装着する構成であってもよい。例えば、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段9からなる群より選択される少なくとも1つの手段を電子写真感光体1とともに一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段12を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
〈実施例1〉
直径30mm、長さ357.5mm、肉厚1mmのアルミニウムシリンダーを支持体(導電性支持体)とした。
次に、金属酸化物として酸化亜鉛粒子(比表面積:19m/g、粉体抵抗:4.7×10Ω・cm)100部をトルエン500部と撹拌混合し、これにシランカップリング剤N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)0.8部を添加し、6時間攪拌した。その後、トルエンを減圧留去して、130℃で6時間加熱乾燥し、表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。
次に、ポリオール樹脂としてブチラール樹脂(商品名:BM−1、積水化学工業(株)製)15部およびブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住化コベストロウレタン社(旧:住友バイエルウレタン社)製)15部をメチルエチルケトン73.5部と1−ブタノール73.5部の混合溶液に溶解させた。この溶液に前記表面処理された酸化亜鉛粒子80.8部、アリザリン0.81部を加え、これを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散した。分散後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング社(旧:東レダウコーニングシリコーン社)製)0.01部、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.007質量部と、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社(旧:GE東芝シリコーン社)製)5.4質量部とを加えて攪拌し、下引き層塗布用液を得た。この下引き層用塗布液を上記支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間160℃で乾燥させて、膜厚が18μmの下引き層を形成した。
次いで、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°が少なくとも7.3°、16.0°、24.9°および28.0°の位置に回折ピークを持つヒドロキシガリウムフタロシアニン15部を塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10部及び酢酸n−ブチル300部と混合した。これを直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で4時間分散して電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上記の下引き層上に浸漬塗布し、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚0.20μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記構造式(A)で示される化合物2部、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱ガス化学(株)製、ビスフェノールZ型のポリカーボネート)2.5部、および酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.05部をクロロベンゼン35部に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を40分間120℃で乾燥させることによって、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
Figure 0006663242
次に、前記式(a−4)で示される化合物80部、前記式(b−2)で示される化合物20部、触媒としてp−トルエンスルホン酸0.1部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン35部(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)、1−プロパノール35部を混合してよく撹拌した。これを、ポリフロンフィルター(商品名:PF−060、アドバンテック東洋(株)製)で濾過を行い、表面層用塗布液を調製した。この表面層用塗布液を前記電荷輸送層上に塗布して塗膜を形成し、160℃で1時間加熱処理して硬化し、膜厚4.9μmの保護層としての表面層を形成した。
〈実施例2〉
実施例1において、前記式(a−4)で示される化合物80部を前記式(a−2)で示される化合物90部に、前記式(b−2)で示される化合物20部を10部に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例3〉
実施例1において、前記式(a−4)で示される化合物を前記式(a−1)で示される化合物に、前記式(b−2)で示される化合物を前記式(b−9)で示される化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例4〉
実施例1において、前記式(a−4)で示される化合物を前記式(a−2)で示される化合物に、前記式(b−2)で示される化合物を前記式(b−34)で示される化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例5〉
実施例1において、前記式(a−4)で示される化合物を前記式(a−7)で示される化合物に、前記式(b−2)で示される化合物を前記式(b−35)で示される化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例6〉
実施例1と同様にして下引き層用塗布液、電荷発生層用塗布液、および電荷輸送層用塗布液を調製し、塗布した。前記式(a−2)で示される化合物80部、前記式(b−14)で示される化合物20部、前記式(A−1)で示されるメラミン化合物1部、触媒としてp−トルエンスルホン酸0.1部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン35部(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)、1−プロパノール35部を混合してよく撹拌した。これを、ポリフロンフィルター(商品名:PF−060、アドバンテック東洋(株)製)で濾過を行い、表面層用塗布液を調製した。この表面層用塗布液を前記電荷輸送層上に塗布して塗膜を形成し、160℃で1時間加熱処理して硬化し、膜厚5.0μmの保護層としての表面層を形成した。
〈実施例7〉
実施例6において、前記式(a−2)で示される化合物を前記式(a−4)で示される化合物に、前記式(b−14)で示される化合物を前記式(b−19)で示される化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例8〉
実施例6において、前記式(a−2)で示される化合物を前記式(a−4)で示される化合物に、前記式(b−14)で示される化合物を前記式(b−2)で示される化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例9〉
実施例6において、前記式(b−14)で示される化合物を前記式(b−6)で示される化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例10〉
実施例6において、前記式(a−2)で示される化合物を前記式(a−1)で示される化合物に、前記式(b−14)で示される化合物を前記式(b−2)で示される化合物に、前記式(A−1)で示される化合物を前記式(B−1)で示される化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例11〉
実施例10において、前記式(a−1)で示される化合物を前記式(a−7)で示される化合物に、前記式(b−2)で示される化合物を前記式(b−41)で示される化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例10と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例12〉
実施例6において、前記式(b−14)で示される化合物を前記式(b−40)で示される化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例13〉
実施例10において、前記式(a−1)で示される化合物を前記式(a−7)で示される化合物に、前記式(b−2)で示される化合物を前記式(b−39)で示される化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例10と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例14〉
実施例6において、前記式(b−14)で示される化合物を前記式(b−17)で示される化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例15〉
実施例1と同様にして下引き層用塗布液、電荷発生層用塗布液、および電荷輸送層用塗布液を調製し、塗布した。次に、前記式(a−4)で示される化合物80部、前記式(b−39)で示される化合物20部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:PL−4804、アンモニア以外のアミン系化合物含有、群栄化学工業(株)製)、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン35部(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)、1−プロパノール35部を混合してよく撹拌した。これを、ポリフロンフィルター(商品名:PF−060、アドバンテック東洋(株)製)で濾過を行い、表面層用塗布液を調製した。この表面層用塗布液を前記電荷輸送層上に塗布して塗膜を形成し、150℃で1時間加熱処理して硬化し、膜厚5μmの保護層としての表面層を形成した。
〈実施例16〉
実施例15において、前記式(a−4)で示される化合物を前記式(a−2)で示される化合物に、前記式(b−39)を前記式(b−17)で示される化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例15と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例17〉
実施例1において、前記式(a−4)で示される化合物を前記式(a−1)で示される化合物に、前記式(b−2)で示される化合物を前記式(b−17)で示される化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例18〉
実施例1において、前記式(a−4)で示される化合物を前記式(a−2)で示される化合物に、前記式(b−2)で示される化合物を前記式(b−24)で示される化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例19〉
実施例15において、前記式(a−4)で示される化合物を前記式(a−10)で示される化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例15と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例20〉
実施例15において、前記式(a−4)で示される化合物を前記式(a−9)で示される化合物に、前記式(b−39)で示される化合物を前記式(b−17)で示される化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例15と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例21〉
実施例1において、前記式(a−4)で示される化合物を前記式(a−9)で示される化合物に、前記式(b−2)で示される化合物を前記式(b−17)で示される化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例22〉
実施例1において、前記式(a−4)で示される化合物を前記式(a−9)で示される化合物に、前記式(b−2)で示される化合物を前記式(b−24)で示される化合物に変更して保護層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例23〉
実施例1において、前記式(A)で示される化合物4部添加して表面層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例24〉
実施例9において、下記式(B)で示される化合物3部添加して表面層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
Figure 0006663242
〈比較例1〉
実施例1において、前記式(a−4)で示される化合物を下記式(C)で示される化合物に変更して表面層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
Figure 0006663242
〈比較例2〉
実施例1において、前記式(a−4)で示される化合物を下記式(D)で示される化合物に変更して表面層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
Figure 0006663242
〈比較例3〉
実施例1において、前記式(a−4)で示される化合物を下記式(E)で示される化合物に変更して表面層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
Figure 0006663242
〈比較例4〉
実施例17において、前記式(a−1)で示される化合物を下記式(F)で示される化合物に変更して表面層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
Figure 0006663242
〈比較例5〉
実施例8において、前記式(a−4)で示される化合物をポリエチレングリコール(商品名:ポリエチレングリコール600、東京化成工業(株)製)に変更して表面層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈比較例6〉
実施例8において、前記式(a−4)で示される化合物をブチラール樹脂(商品名:BM−1、積水化学工業(株)製)に変更して表面層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈比較例7〉
実施例8において、前記式(a−4)で示される化合物を加えないで表面層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
実施例1〜24、および比較例1〜7の電子写真感光体については画像流れ評価、およびスジ状画像不良の評価を行った。また、実施例1、9、23、24については表面電位の評価も行った。
評価方法については、以下のとおりである。
(画像流れ評価)
評価装置として、電子写真装置である複合機(商品名:GP−405、キヤノン(株)製)の改造機を用いた。改造点としては、当該複合機用のプロセスカートリッジの帯電ローラーをコロナ帯電器(キヤノン(株)製の複合機GP−55(商品名)用のコロナ帯電器)に変更し、さらに複合機の外部からコロナ帯電器に電力が供給できるように改造した。さらにGP−405のドラムカートリッジをコロナ帯電器が装着できるように改造した。
コロナ帯電器用の電力を複合機の外部から供給するための電源としては、高圧電源コントロールシステム(Model 615−3、トレック社製)を用いた。そして、コロナ帯電器のコロナワイヤーを流れる電流量が500μAになるように調整した。さらに、電子写真感光体の初期暗部電位(Vd)が約−750[V]、初期明部電位(Vl)が約−200[V]になるように、定電流制御スコロトロングリッド印加電圧と、露光装置の露光光量の条件を設定した。
各実施例および各比較例で製造した電子写真感光体をプロセスカートリッジに装着し、これを上記評価装置に装着した後、温度35℃、湿度85%RHの環境下、画像比率3%の画像をA4縦サイズ紙にて10000枚出力した。その後、評価装置への給電を停止し、3日間休止させた。3日間休止後に再び評価装置に給電を開始し、A4縦サイズ紙にて、格子画像およびアルファベットのEの文字(フォント種:Times,フォントサイズ6ポイント)が繰り返された文字画像(E文字画像)を出力した。なお、電子写真感光体用のヒーター(ドラムヒーター(カセットヒーター))は評価中常時OFFにした。得られた格子画像および文字画像を下記基準に従ってランク評価した。評価結果を表1(画像ランク)に示す。
ランク5:格子画像、E文字画像、共に画像不良はみられない
ランク4:格子画像が一部かすんでいるが、E文字画像の画像不良はみられない
ランク3:格子画像が一部かすんでおり、E文字画像が一部薄くなる
ランク2:格子画像が部分的に消失しており、E文字画像が全面薄くなる
ランク1:格子画像が全面消失しており、E文字画像が全面薄くなる
(スジ状画像不良の評価)
得られた電子写真感光体を、35℃、湿度85%RHの環境において、キヤノン(株)製の電子写真装置(商品名:iR−ADV C5051)の改造機のブラックステーションに装着し、画像比率1%の画像を150000枚出力した後、ベタ黒画像を出力して画像のランク評価を下記基準に従って行った。出力途中、75000枚、100000枚、125000枚出力した後においても、ベタ黒画像を出力し、画像のランク評価を下記基準に従って行った。なお、装置の改造によって、ドラムサイクルスピードを0.25秒とし、帯電工程の総放電電流量を100μAに設定した。評価結果を表1(画像スジ)に示す。
ランク3:画像不良はみられない
ランク2:スジ状の画像不良が1か所または2か所みられる
ランク1:スジ状の画像不良が3か所以上みられる
(表面電位の評価)
評価装置として、上述の画像流れを評価した、複合機(商品名:GP−405、キヤノン(株)製)の改造機を用いた。さらにプロセススピードは350mm/secになるように改造した。
コロナ帯電器用の電力を複合機の外部から供給するための電源としては、高圧電源コントロールシステム(Model 615−3、トレック社製)を用いた。そして、コロナ帯電器のコロナワイヤーを流れる電流量が500μAになるように調整した。さらに、電子写真感光体の初期暗部電位(Vd)が約−750[V]、初期明部電位(Vl)が約−200[V]になるように、定電流制御スコロトロングリッド印加電圧と、露光装置の露光光量の条件を設定した。
電子写真感光体の表面電位は、評価装置から現像用カートリッジを抜き取り、そこに電位プローブ(商品名:Model 6000B−8、トレック社製)を固定し、表面電位計(Model 344:トレック社製)を使用して測定した。電位測定装置は、現像用カートリッジの現像位置に電位測定プローブを配置することで構成されており、電子写真感光体に対する電位測定プローブの位置は、電子写真感光体の軸方向の中央、電子写真感光体の表面からのギャップを3mmとした。
次に、評価について説明する。なお、各電子写真感光体において初期に設定した帯電条件および露光条件のもとで評価を行った。
得られた電子写真感光体を温度30℃、湿度78%RHの環境下で24時間放置した。電子写真感光体を装着した現像用カートリッジを上記評価装置に取り付け、1500枚の通紙による電子写真感光体の繰り返し使用を行った。通紙後、5分間放置し、現像用カートリッジを電位測定装置に付け替え、繰り返し使用後における明部電位(Vlb)を測定した。そして、繰り返し使用時の明部電位の変動量(ΔVl=|Vlb|−|Vla|)を算出した。Vlaは繰り返し使用前の初期明部電位である。また、|Vlb|および|Vla|は、それぞれVlbおよびVlaの絶対値を表す。
評価結果を表2に示す。
Figure 0006663242
Figure 0006663242
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
101 導電性支持体
102 電荷発生層
103 電荷輸送層
104 保護層

Claims (15)

  1. 支持体および該支持体上の感光層を有する電子写真感光体において、
    該電子写真感光体の表面層が、式(1)で示される化合物と、式(2)で示される化合物と、を含む組成物の硬化物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0006663242
    iは13以上20以下の整数である。
    11、A12は水素原子、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、またはアルキル基を示す。i個のA11、A12はそれぞれ同一でも、異なっていてもよい。
    式(1)中のヒドロキシ基の数は、iの半分以下の整数である。
    Figure 0006663242
    Ar21〜Ar24は置換基を有してもよいアリール基を示し、Ar25、Ar26は置換基を有してもよいアリーレン基を示す。
    Ar21〜Ar26の置換基は、炭素数が1〜3のアルキル基、炭素数が1〜3のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヒドロキシメチル基から選ばれる基であり、同一でも異なってもいてもよい。
    は炭素数が1〜3のアルキレン基、炭素数が2〜6のアルキリデン基、炭素数が3〜6のシクロアルキリデン基、フェニレン基を介して炭素数が2〜6のアルキリデン基が2個結合した2価の基、フェニレン基、ビニレン基、または酸素原子を示す。
    pは0、または1である。
    但し、式(2)中のヒドロキシメチル基の数は、式(1)中のヒドロキシ基の数が2のときは3以上であり、式(1)中のヒドロキシ基の数が3以上のときは、2以上である。
  2. 支持体および該支持体上の感光層を有する電子写真感光体において、
    該電子写真感光体の表面層が、式(3)で示される化合物と、式(4)で示される化合物と、ヒドロキシメチル基を3つ以上有する化合物と、を含む組成物の硬化物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0006663242
    jは13以上20以下の整数である。
    31、A32は水素原子、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、またはアルキル基を示す。j個のA31、A32はそれぞれ同一でも、異なっていてもよい。
    式(3)中のヒドロキシ基の数は、jの半分以下の整数である。
    Figure 0006663242
    Ar41〜Ar44は置換基を有してもよいアリール基を示し、Ar45、Ar46は置換基を有してもよいアリーレン基を示す。
    Ar41〜Ar46の置換基は、炭素数が1〜3のアルキル基、炭素数が1〜3のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヒドロキシメチル基から選ばれる基であり、同一でも異なってもいてもよい。
    は炭素数が1〜3のアルキレン基、炭素数が2〜6のアルキリデン基、炭素数が3〜6のシクロアルキリデン基、フェニレン基を介して炭素数が2〜6のアルキリデン基が2個結合した2価の基、フェニレン基、ビニレン基、または酸素原子を示す。
    qは0、または1である。
    但し、式(4)は、少なくとも1つのヒドロキシメチル基を有する。
  3. 前記式(1)で示される化合物が、式(5)で示される化合物である、請求項1に記載の電子写真感光体。
    Figure 0006663242
    mは13以上20以下の整数である。
  4. 前記式(3)で示される化合物が、式(6)で示される化合物である、請求項2に記載の電子写真感光体。
    Figure 0006663242
    nは13以上20以下の整数である。
  5. 前記ヒドロキシメチル基を3つ以上有する化合物が、メラミン化合物およびグアナミン化合物から選択される化合物であること、請求項2または4に記載の電子写真感光体。
  6. 前記アリール基がフェニル基であり、且つ、前記アリーレン基がフェニレン基である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  7. 前記表面層が重合性官能基を有さないベンジジン化合物を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
    帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
  10. 支持体および該支持体上の感光層を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、
    式(1)で示される化合物と、式(2)で示される化合物と、を含有する表面層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を加熱乾燥させて該電子写真感光体の表面層を形成する工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
    Figure 0006663242
    iは13以上20以下の整数である。
    11、A12は水素原子、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、またはアルキル基を示す。i個のA11、A12はそれぞれ同一でも、異なっていてもよい。
    式(1)中のヒドロキシ基の数は、iの半分以下の整数である。
    Figure 0006663242
    Ar21〜Ar24は置換基を有してもよいアリール基を示し、Ar25、Ar26は置換基を有してもよいアリーレン基を示す。
    Ar21〜Ar26の置換基は、炭素数が1〜3のアルキル基、炭素数が1〜3のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヒドロキシメチル基から選ばれる基であり、同一でも異なってもいてもよい。
    は炭素数が1〜3のアルキレン基、炭素数が2〜6のアルキリデン基、炭素数が3〜6のシクロアルキリデン基、フェニレン基を介して炭素数が2〜6のアルキリデン基が2個結合した2価の基、フェニレン基、ビニレン基、または酸素原子を示す。
    pは0、または1である。
    但し、式(2)中のヒドロキシメチル基の数は、式(1)中のヒドロキシ基の数が2のときは3以上であり、式(1)中のヒドロキシ基の数が3以上のときは、2以上である。
  11. 支持体および該支持体上の感光層を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、
    式(3)で示される化合物と、式(4)で示される化合物と、ヒドロキシメチル基を3つ以上有する化合物と、を含有する表面層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を加熱乾燥させて該電子写真感光体の表面層を形成する工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
    Figure 0006663242
    jは13以上20以下の整数である。
    31、A32は水素原子、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、またはアルキル基を示す。j個のA31、A32はそれぞれ同一でも、異なっていてもよい。
    式(3)中のヒドロキシ基の数は、jの半分以下の整数である。
    Figure 0006663242
    Ar41〜Ar44は置換基を有してもよいアリール基を示し、Ar45、Ar46は置換基を有してもよいアリーレン基を示す。
    Ar41〜Ar46の置換基は、炭素数が1〜3のアルキル基、炭素数が1〜3のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヒドロキシメチル基から選ばれる基であり、同一でも異なってもいてもよい。
    は炭素数が1〜3のアルキレン基、炭素数が2〜6のアルキリデン基、炭素数が3〜6のシクロアルキリデン基、フェニレン基を介して炭素数が2〜6のアルキリデン基が2個結合した2価の基、フェニレン基、ビニレン基、または酸素原子を示す。
    qは0、または1である。
    但し、式(4)は、少なくとも1つのヒドロキシメチル基を有する。
  12. 前記式(1)で示される化合物が、式(5)で示される化合物である、請求項10に記載の電子写真感光体の製造方法。
    Figure 0006663242
    mは13以上20以下の整数である。
  13. 前記式(3)で示される化合物が、式(6)で示される化合物である、請求項11に記載の電子写真感光体の製造方法。
    Figure 0006663242
    nは13以上20以下の整数である。
  14. 前記ヒドロキシメチル基を3つ以上有する化合物が、メラミン化合物、またはグアナミン化合物から選択される化合物であることを特徴とする、請求項11または13に記載の電子写真感光体の製造方法。
  15. 前記アリール基がフェニル基であり、且つ、前記アリーレン基がフェニレン基である、請求項10〜14のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
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