JP6662173B2 - 直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板およびその製造方法と、直線移動鉄心 - Google Patents

直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板およびその製造方法と、直線移動鉄心 Download PDF

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Description

本発明は、直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板およびその製造方法と、直線移動鉄心に関する。
直線移動を行うリニアモータは、鉄道分野では、浮上式リニアモータカーあるいは地下鉄の駆動リニアモータとして既に実用化されている。リニアモータカーは、レールと車輪との摩擦力で駆動力を伝達しないために高速鉄道用として、日本をはじめとする世界各国で今後広く敷設される計画がある。
また、リニアモータは、鉄道分野以外でも例えばテーマパークの遊具や各種の日常生活品の短距離直線駆動源として既に広く活用されている。
リニアモータは、回転機を直線移動とした構造を有するため、使用される電磁鋼板において、板面内での磁束の流れ以外に、電磁石の板状の鉄心の端部に板面内方向TDから板面垂直方向NDへ回転する磁束分布が不可避的に発生する。
特許文献1には、C:0.005%以下(本明細書では特に断りがない限り化学組成または濃度に関する「%」は「質量%」を意味する)、Si:2.0%以下、Al:1.0%以下、Si+Al:2.0%以下、Mn:0.5%以下、Ni:0.1〜2.0%、S:0.01%以下、N:0.01%以下、残部Feおよび不純物からなる化学組成を有する鋼を、α+γ二相共存域の温度で30秒間以下、好ましくは13秒間以下均熱するか、あるいはα+γ二相共存域の温度から均熱することなく直ちに冷却し、α+γ二相からα相に変態させることにより、モータの励磁電流の低減が可能な全周方向の磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板を製造する方法が開示されている。
特許文献2には、リニアモータの電機子コア鉄板の長手方向を圧延方向と一致させ、かつこの電機子コア鉄板を積層して一つのコアブロックを構成するとともに、各々のコアブロックにおける永久磁石列と直交する長手方向を、方向性電磁鋼板の磁化容易方向である圧延方向(方向性電磁鋼板の磁化容易方向は、通常は圧延方向であり、圧延方向と体心立方構造の鉄の磁化容易方向である<100>軸が一致する)に一致させることが開示されている。
特許文献3には、回転子あるいは可動子を構成する磁性材料を方向性電磁鋼板とし、この方向性電磁鋼板は1.4T以上で使用され、回転子の磁気抵抗が最も小さくなる方向と方向性電磁鋼板の磁化容易方向とがなす角度を54°以内として磁気抵抗の小さい回路を形成した、高出力の回転機あるいはリニアモータとして利用できるリラクタンスモータが開示されている。
さらに、特許文献4には、スラブに熱間圧延および冷間圧延を行って製造され、C:0.0015〜0.02%、N:0.0015〜0.02%、Si:0.1〜1.0%、Mn:0.2〜3.0%、Cr:5%超10%未満、Ni:0.01〜3.0%、Al:0.1%以下、P:0.05%以下、S:0.03%以下、残部Feおよび不純物からなる化学組成を有し、保磁力Hc≦80A/mかつ磁束密度B10≧1.45T、B40≧1.6Tを満足する、磁気特性および耐食性に優れた軟磁性鉄芯材用のCr含有鋼板が開示されている。
特開平11−1723号公報 特開2000−37070号公報 特開平10−248220号公報 特開2004−143496号公報
図1は、リニアモータの超伝導磁石等の移動体1が鉄心を使用した電磁石である固定体2に対して相対的に移動する状況を模式的に示す説明図である。
図1に示すように、リニアモータでは、保磁力の大きな磁石および透磁率の大きな強磁性体もしくは超伝導磁石からなる移動体1および固定体2が用いられ、移動体1および固定体2の間に設けられた磁気吸引力により、駆動力を得る。
しかし、図1に示すように、リニアモータの移動時の移動体1および固定体2の相対的位置の変化により、空間内の磁束の方向が大きく変化する。この磁束の方向の変化が駆動力に大きな影響を与える。このため、磁束の方向が変化する磁場内においても優れた磁気特性を示す電磁鋼板が求められている。
特許文献1において実施例として開示されたC含有量は0.004%(40ppm)であり、磁気時効が発生する下限の含有量である。また、特許文献1には、圧延方向(L方向)、圧延方向とそれぞれ22.5°,45°,67.5°,90°(C方向)をなす方向の磁束密度B50が、それぞれ、1.786T,1.787T,1.784T,1.783T,1.784Tと開示されており、集合組織は、{100}<0vw>の磁化容易軸<100>が板面内にランダムに存在する集合組織である。
このため、特許文献1により開示された電磁鋼板をリニアモータの鉄心に用いても、板状の鉄心の端部で発生する、板面内方向TDから板面垂直方向NDに回転する磁束分布により、優れた磁気特性を得られない。
特許文献2には、方向性電磁鋼板を使用し、圧延方向と材料使用方向を調整して鉄心を構成することが開示されているが、{110}<001>方位を有する方向性電磁鋼板では、リニアモータの板状の鉄心の端部で発生する、板面内方向TDから板面垂直方向NDに回転する磁束分布により、優れた磁気特性を得られない。
特許文献3により開示された電磁鋼板は、特許文献2により開示された電磁鋼板と同様に方向性電磁鋼板であるため、リニアモータの板状の鉄心の端部で発生する、板面内方向TDから板面垂直方向NDに回転する磁束分布により、優れた磁気特性を得られない。
さらに、特許文献4には、得られるCr含有電磁鋼板の集合組織が開示されておらず、磁束の方向が変化する磁場内においても優れた磁気特性を示すことができるか否か不明である。
このように、電磁鋼板の磁気特性を改善するために、無方向性電磁鋼板においては、磁化の方向が面内で回転するためにあらゆる方向の磁化特性が良好かつ均等であることが望まれ、{100}〈0vw〉型の柱状晶の集合組織、いわゆるランダムキューブを志向しており、一方、方向性電磁鋼板においては、圧延方向の<100>方位集積度を向上させることに主眼が置かれていた。
このため、特許文献1〜4により開示された電磁鋼板では、リニアモータの板状の鉄心の端部で発生する、板面内方向TDから板面垂直方向NDに回転する磁束分布により、優れた磁気特性を得られない。
図2は、本発明の技術思想を模式的に示す説明図である。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ね、
(A)リニアモータの鉄心に用いる電磁鋼板は、特に鉄心の端部では、{100}<0vw>方位以外に、磁化容易軸<100>が連続的に圧延方向RDから板面垂直方向NDに分布する特性を有することが好ましいこと、および
(B)従来の電磁鋼板では重視されていなかった、板面内方向TDから板面垂直方向NDへ磁化容易軸が満遍なく分布した電磁鋼板をリニアモータの電磁石鉄心用素材として用いれば、上記課題を解決できること
を知見し、さらに検討を重ねて本発明を完成した。本発明は以下に列記の通りである。
(1)Si:0.1〜3.5%、Mn:0.1〜1.3%およびNi:0.5〜3.5%から選ばれた1種または2種、C:0.003〜0.005%、N:0.003%以下、S:0.003%以下、残部Feおよび不純物である化学組成を有するとともに、板厚方向の中心から板厚方向へ板厚の10%以内の範囲である成品中心層においてX線回折測定により得られた逆極点図における、ランダム面に対する{200}面,{310}面,{420}面,{110}面それぞれの強度I(200),I(310),I(420),I(110)が下記(1)〜(4)式を全て満足する、直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板。
I(200)≧0.50 ・・・・・(1)
I(310)≧0.50 ・・・・・(2)
I(420)≧0.40 ・・・・・(3)
I(110)≧0.30 ・・・・・(4)
(2)1項に記載された直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板から構成される直線移動鉄心。
(3)スラブに熱間圧延を行って熱延板とし、酸洗を行った後に、複数パスの冷間圧延および連続焼鈍もしくは箱焼鈍を行うことにより、直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板を製造する方法であって、前記複数パスのパス間で200〜400℃の温度域に15秒間以上2分間以下保持するか、または、前記複数パスの少なくとも1パスを200℃以上で行う、1項に記載された直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板の製造方法。
(4)前記酸洗を行う前に熱延板焼鈍を行う、3項に記載された直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板の製造方法。
本発明により、板面内の磁束の流れに優れるだけでなく、板端部における変化する磁束の流れにも優れることから、直線移動を行うリニアモータ一般に広く適用可能な直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板を提供できる。この直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板は、特にリニアモータカー用鉄心として最適である。
図1は、超伝導磁石等の移動体が電磁石(固定体)に対して相対的に移動する状況を模式的に示す説明図である。 図2は、本発明の技術思想を模式的に示す説明図である。 図3は、従来技術による磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の結晶方位分布を模式的に示す説明図である。 図4は、本発明における無方向性電磁鋼板の結晶方位分布を模式的に示す説明図である。 図5は、GOSS方位{110}<001>が圧延方向RD周りに回転することを模式的に示す説明図である。
添付図面を参照しながら、本発明を説明する。
1.本発明に係る直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板および直線移動鉄心
(1)化学組成
本発明に係る直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板の化学組成の限定理由を説明する。
(1−1)Si:0.1〜3.5%
Siは、電気抵抗率を確保するために含有するが、過度に含有すると、製品の磁束密度を低下させる。このため、Si含有量は、3.5%以下であり、好ましくは3.2%以下であり、さらに好ましくは3.0%以下である。
一方、磁束密度を損なわずに電気抵抗率を確保して渦電流損を低減するために、Si含有量は、0.1%以上であり、好ましくは0.5%以上であり、さらに好ましくは1.0%以上である。
(1−2)Mn:0.1〜1.3%およびNi:0.5〜3.5%から選ばれた1種または2種
Mnは、鉄損を低下するとともに、侵入型元素のCとの相互作用により、{110}<001>方位から板面内方向TD周りに{100}<011>方位まで回転する本発明に特有な集合組織を形成する効果を有すると推定される。このため、Mn含有量は、0.1%以上であり、好ましくは0.3%以上であり、さらに好ましくは0.5%以上である。
一方、Mnを過剰に含有すると、MnSの析出物が増加し、磁気特性が劣化する。このため、Mn含有量は、1.3%以下であり、好ましくは1.1%以下であり、さらに好ましくは1.0%以下である。
一方、Niは、{110}<001>集合組織を発達させるとともに、侵入型元素のCとの相互作用により{110}<001>方位から板面内方向TD周りに{100}<011>方位まで回転する本発明に特有な集合組織を発達させると推定される。このため、Ni含有量は、0.5%以上であり、好ましくは1.0%以上であり、さらに好ましくは1.5%以上である。
一方、Ni含有量が3.5%を越えると磁気特性の改善効果が飽和してコストが嵩む。このため、Ni含有量は、3.5%以下であり、好ましくは3.3%以下であり、さらに好ましくは3.0%以下である。
本発明では、Mn、Niは、上記含有量の範囲で、それぞれ単独で含有してもよいし、あるいは複合して含有してもよい。
(1−3)C:0.003〜0.005%
C含有量が0.005%を超えると、磁気特性に有害となるとともに、Cの析出による磁気時効が著しくなり、磁気特性が劣化する。このため、C含有量は、0.005%以下であり、好ましくは0.004%以下である。
一方、C含有量が0.003%を下回ると、温度を上昇させて冷間圧延を行ってもオーステナイト拡大型であるMn,Niとの相互作用に起因すると推定される、{110}<001>方位から板面内方向TD周りに{100}<011>方位まで回転する本発明に特有な集合組織を発達させることができなくなる。このため、C含有量は、0.003%以上であり、好ましくは0.004%以上である。
(1−4)N:0.003%以下
N含有量が増加するとCと同様に磁気特性が劣化する。またAl含有鋼ではAlNを形成して磁気特性に悪影響を及ぼす。このため、N含有量は、0.003%以下であり、好ましくは0.002%以下であり、さらに好ましくは0.001%以下である。
(1−5)S:0.003%以下
S含有量が増加するとMnSの析出物が増加し、磁気特性が劣化する。このため、S含有量は、0.003%以下であり、好ましくは0.002%以下であり、さらに好ましくは0.001%以下である。
(1−6)残部
上記以外の残部はFeおよび不純物である。さらにFeに代えて任意元素として、P、Al、Sn、Sb、B、Cr、Cu、Ti、Nb、Ca、Mg、REMなどを、無方向性電磁鋼板における公知の範囲で含有することは本発明の効果を失わせるものではない。不純物としては、鉱石やスクラップ等の原材料に含まれるもの、製造工程において含まれるものが例示される。
(2)成品中心層における逆極点図における強度I(200)≧0.50,強度I(310)≧0.50,強度I(420)≧0.40,強度I(110)≧0.30
本発明に係る直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板は、板厚方向の中心から板厚方向へ板厚の10%以内の範囲である成品中心層において、X線回折測定により得られた逆極点図における、ランダム面に対する{200}面,{310}面,{420}面,{110}面それぞれの強度I(200),I(310),I(420),I(110)が、
I(200)≧0.50 ・・・・・(1)
I(310)≧0.50 ・・・・・(2)
I(420)≧0.40 ・・・・・(3)
I(110)≧0.30 ・・・・・(4)
を全て満足する。
本発明に係る直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板は、図2に示すように、磁化容易軸である<100>方位を、鋼板の板面内方向TD周りに満遍なく分布する集合組織、すなわち{110}<001>方位から板面内方向TD周りに{100}<011>方位まで回転する集合組織を有する。これにより、高い効率のリニアモータが得られる。
図3は、従来技術による無方向性電磁鋼板の結晶方位分布を模式的に示す説明図であり、図4は、本発明に係る直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板の結晶方位分布を模式的に示す説明図である。図3,4では、各結晶の磁化容易方向<100>を矢印で示す。
図3,4を参照しながら、本発明に係る直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板の結晶方位分布の特徴を説明する。
図3(a)は{100}〈0vw〉型の集合組織、いわゆるランダムキューブ系であり、一つの<100>軸が板面垂直方向NDと一致している。
また、図3(b)は、{110}<001>型のGOSS系であり、GOSS方位(太字矢印)が多いが全てではない。
これに対し、本発明に係る直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板の結晶方位分布には、上記(1)〜(4)式を全て満足することにより、図4に示すように、磁化容易軸の一つが圧延方向RD周りに板面垂直方向NDから板面内方向TDへ回転して分布する特徴がある。
図5は、GOSS方位{110}<001>が圧延方向RD周りに回転することを模式的に示す説明図であり、稜線は磁化容易方向である。
つまり、本発明では、(1)〜(4)式の全てにより、特徴的なこの結晶方位分布を、板厚方向の中心から板厚方向へ板厚の10%以内の範囲である成品中心層においてX線回折測定により得られた逆極点図の強度を用いて、定量的に規定する。
面内回転の影響は無視できないものの、(1)〜(4)式の全てにより、板面内の<100>軸だけでなく、板面垂直方向の<100>軸にかけて磁化容易軸<100>が分布していること、すなわち板面に対して様々な方向に磁化容易軸<100>が分布していることを示しており、移動体の直線移動により鉄心内の磁束の流れが複雑に変化する、特にリニアモータ用鉄心に適した集合組織を有している。
本発明では無方向性電磁鋼板を用いるため、例えばリニアモータに用いる場合にも回転子もしくは可動子の磁気抵抗が最も小さくなる方向を定める必要がない。
なお、本発明に係る直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板の用途は多様であり、一定の動作磁束密度で短距離を移動したり往復する用途もあれば、超伝導磁石のような強力に励磁された長距離移動体と呼応してこれを移動させる駆動力となるように飽和磁化に近い領域で用いられる用途もある。
後者の用途では、長距離移動体が近接するまではその磁化は強力である必要はなく、長距離移動体が徐々に接近してくるにつれて磁化を強めればよいため、最大動作磁化の範囲は0から飽和に至るまで範囲が広いために動作磁束密度の上限および下限は設けない。
(3)本発明に係る直線移動鉄心
本発明に係る直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板を用いて、周知慣用の手段により本発明に係る直線移動鉄心が構成される。本発明に係る直線移動鉄心として、板状電磁石の板状鉄心や、円筒状磁石を覆う円筒状の電磁石用鉄心が例示される。
本発明に係る直線移動鉄心は、鉄道分野では浮上式リニアモータカーあるいは地下鉄の駆動リニアモータとして、鉄道分野以外でも例えばテーマパークの遊具や各種の日常生活品の短距離直線駆動源として用いられる。
2.本発明に係る製造方法
本発明に係る直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板は、キューブ方位を形成する電磁鋼板をベースとして、この方位を製造プロセスにより、集合組織を上記方位が発現するように制御することにより、製造される。
方位制御の方法としては、GOSS方位の存在量を増加させるが、その効果は、GOSS方位の増加のみならず、キューブ方位とGOSS方位の中間方位の増加にも効果を与える。
以下、本発明に係る製造方法を具体的に説明する。
本発明では、上記化学組成を有するスラブに、基本的に、通常の工程により、本発明に係る直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板を製造する。ここで、通常の工程とは、上記化学組成を有するスラブに、熱間圧延を行って熱延板とし、酸洗を行った後に、複数パスの冷間圧延および連続焼鈍もしくは箱焼鈍を行うことを意味する。
熱間圧延におけるスラブ加熱温度は950〜1250℃、具体的には略1100℃が例示され、熱延仕上温度は750℃〜860℃付近のα域が例示される。また、連続焼鈍の仕上焼鈍は950〜750℃のα域で30〜60秒間の条件で行うことが例示される。
なお、例えば、スラブがSiを2%以上含有する化学組成を有する場合等には、必要に応じて、酸洗を行う前に熱延板焼鈍を行ってもよい。熱延板焼鈍の条件は、連続焼鈍では850℃以上1050℃以下において30秒間以上5分間以下、箱焼鈍の場合は700℃以上850℃未満において10時間以上100時間保定すること、具体的には、連続焼鈍で1000℃で60秒間、もしくは箱焼鈍で750℃で50時間保定することが例示される。
本発明では、(1)〜(4)式を全てにより規定される結晶方位分布を得るために、
(I)複数パスのパス間で200〜400℃の温度域に15秒間以上2分間以下保持するか、または、
(II)複数パスの少なくとも1パスを200℃以上で行う。
この理由を説明する。
鉄にオーステナイト拡大型元素であるC,Mn,Ni等を添加し、この熱延板を最終板厚に冷間圧延するにあたって温度制御を行うことにより、再結晶後において(1)〜(4)式を満足する、直線移動鉄心にとって最適な上記集合組織を有する無方向性電磁鋼板を製造できる。これは、本発明者らによる新規な知見である。
温度制御とは、具体的には、複数パスの冷間圧延および連続焼鈍もしくは箱焼鈍を行うにあたり、
(a)複数パスの間において200℃以上400℃以下の温度域に15秒間以上2分間以下保持すること、または、
(b)複数パスの少なくとも1パスを200℃以上で行うこと
を意味する。
このように、冷間圧延を行う際に、鉄にオーステナイト拡大型元素を添加し、これを従来の冷間圧延よりも高温で圧延すると、(1)〜(4)式を同時に満足する、直線移動鉄心に好ましい集合組織を有する無方向性電磁鋼板が得られる理由は、現時点では必ずしも明確ではないが、以下のようにいくつかの理由が推定される。
(理由1)オーステナイト拡大型元素にCが含まれていることにより、通常よりも高温での冷間圧延中に侵入型元素であるCと他の置換型オーステナイト拡大型元素との間に時効のような相互作用が発生する。
(理由2)置換型オーステナイト拡大型元素であるMn,Niと侵入型オーステナイト拡大型元素であるCとが同時に存在する、Siを含有する珪素鋼板のマトリックスの冷間圧延を通常よりも高い温度で行うことによりすべり系が変化し、新規な集合組織を有する無方向性電磁鋼板を得られる。
なお、本発明者らは、理由1,2以外の他の理由についても鋭意検討中である。
上記(a)項、(b)項を実現するには、加工発熱を利用してコイルの温度を200℃以上400℃以下の範囲に制御して巻取り、巻き取ったコイルが次のパスを施されるまでの間の時間を複数回15秒間以上2分間以下とすることや、複数パスを通板する際にロール間で誘導加熱などの公知の方法により鋼板を加熱して200℃以上400℃以下として巻取り、次のパスを施すまでの時間を複数回15秒間以上2分間以下とすることや、少なくとも1パスの前に巻き取ったコイルを200℃以上400℃以下に誘導加熱などの公知の技術で加熱保持することや、加工発熱により鋼板の温度を上昇させ、このコイルを巻きほどいて少なくとも1パスは200℃以上で行うことが例示される。
つまり、直線用移動体に適した集合組織を実現すると本発明者らが推定する幾つかの機構のいずれかにより、(1)〜(4)式の全てにより規定される結晶方位分布の上述の集合組織を有する本発明に係る直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板が製造される。
供試材として表1に示す化学組成(単位は質量%、記載以外の残部はFeおよび不純物)を有する鋼1〜8を、公知の溶解、熱間圧延(スラブ加熱温度:1100℃、熱延仕上温度:800℃)および冷間圧延を経て製造した。表1における下線は本発明の範囲外であることを示す。
冷間圧延では、リバースミルで5パス仕上とし、4パスは200℃以上380℃以下の温度域で圧延および巻取りを行い、板厚が0.5mmの無方向性電磁鋼板を得た。
これらの無方向性電磁鋼板の中心層(板厚方向の中心から板厚方向へ板厚の10%以内の範囲)から、X線回折により逆極点図を測定し、ランダム面に対する{110}面,{420}面,{310}面,{200}面の強度I(110),I(420),I(310),I(200)の値を測定した。
測定結果を表2に示す。表2における下線は、その値が本発明の規定を満足しないことを示す。
表2からわかるように、鋼番号1,2の本発明例は、X線回折により得られた逆極点図における、ランダム面に対する{110}面,{420}面,{310}面,{200}面の強度I(110),I(420),I(310),I(200)が、I(200)≧0.50,I(310)≧0.50,I(420)≧0.40,I(110)≧0.30を全て満足している。
これに対し、鋼番号3〜8の比較例は、逆極点図におけるI(200)≧0.50を満足するものの、I(310)≧0.50,I(420)≧0.40,I(110)≧0.30を満足しない。
この結果は、鋼番号1,2の本発明例は、板面に対して様々な方向に磁化容易軸<100>が分布していることを示しており、移動体の直線移動により鉄心内の磁束の流れが複雑に変化する、特にリニアモータ用鉄心に適した集合組織を有することがわかる。
次に、直線移動の移動体を駆動する鉄心としての効率を測定するために、以下のような測定を行った。
これらの電磁鋼板を55mm角の試料に切出し、これを100枚積層し、導線の絶縁破壊を防止するため、0.5mm厚のベークライトで周囲を覆い、電磁石を作成した。これを、10Hz,1.0Tの最大動作磁束密度で連続10分間励磁し、移動更新する連続体に設置した55mm角のネオジム磁石が直線移動するようにローラ上に貼り付けたネオジム磁石が連続して鉄心上方5mmを直線移動するように励磁させた。
10分間連続運転した段階で積層した鉄心の上面に設置した温度計により積層した鉄心の最上層の温度を測定した。
測定結果を表3に示す。表3における下線は測定結果が良好でないことを示す。
表3に示すように、鋼番号3〜8の比較例は48℃以上に温度上昇したのに対し、鋼番号1,2の本発明例は、結晶方位の制御の効果により温度上昇が40℃以下に抑制されたことがわかる。これは、鋼番号1,2の本発明例の熱損失が少ないことを示し、優れた効率を有することを示している。
以上より、鋼番号1,2の本発明例の直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板は、直線移動鉄心に好適に用いることができることがわかる。
供試材として表4に示す化学組成(単位は質量%、記載以外の残部はFeおよび不純物)を有する鋼を、公知の溶解、熱間圧延(スラブ加熱温度:1100℃、熱延仕上温度:850℃)、熱延板焼鈍(950℃,60秒間)および冷間圧延を経て製造した。
本発明例9−1,10−1,11−1の冷間圧延では、リバースミルで5パス仕上とし、4パスは200℃以上380℃以下の温度域にて圧延および巻取りを行い、板厚が0.5mmの無方向性電磁鋼板を得た。
比較例9−2,10−2,11−2の冷間圧延では、同様にリバースミルで5パス仕上としたが、圧延速度を落とし、鋼板の温度が200℃未満となるように制御して0.5mm厚の無方向性電磁鋼板を得た。
これらの無方向性電磁鋼板の中心層(板厚方向の中心から板厚方向へ板厚の10%以内の範囲)から、X線回折により逆極点図を測定し、ランダム面に対する{110}面,{420}面,{310}面,{200}面の強度I(110),I(420),I(310),I(200)の値を測定した。
測定結果を表5に示す。表5における下線は、その値が本発明の規定を満足しないことを示す。
表5からわかるように、鋼9−1,10−1,11−1の本発明例は、X線回折により得られた逆極点図における、ランダム面に対する{110}面,{420}面,{310}面,{200}面の強度I(110),I(420),I(310),I(200)が、I(200)≧0.50,I(310)≧0.50,I(420)≧0.40,I(110)≧0.30を全て満足している。
これに対し、鋼9−2,10−2,11−2の比較例は、鋼9−1,10−1,11−1の本発明例と同じ化学組成を有していても、冷間圧延時の鋼板の温度が200℃未満であったために、逆極点図におけるI(200)≧0.50を満足するものの、I(310)≧0.50,I(420)≧0.40,I(110)≧0.30を満足しない。
この結果は、実施例1と同様に、鋼9−1,10−1,11−1の本発明例は、板面に対して様々な方向に磁化容易軸<100>が分布していることを示しており、移動体の直線移動により鉄心内の磁束の流れが複雑に変化する、特にリニアモータ用鉄心に適した集合組織を有することがわかる。
次に、直線移動の移動体を駆動する鉄心としての効率を測定するために、実施例1と同様に以下のような測定を行った。
これらの電磁鋼板を55mm角の試料に切出し、これを100枚積層し、導線の絶縁破壊を防止するため、0.5mm厚のベークライトで周囲を覆い、電磁石を作成した。これを、10Hz,1.0Tの最大動作磁束密度で連続10分間励磁し、移動更新する連続体に設置した55mm角のネオジム磁石が直線移動するようにローラ上に貼り付けたネオジム磁石が連続して鉄心上方5mmを直線移動するように励磁させた。
10分間連続運転した段階で積層した鉄心の上面に設置した温度計により積層した鉄心の最上層の温度を測定した。
測定結果を表6に示す。表6における下線は測定結果が良好でないことを示す。
表6に示すように、鋼9−2,10−2,11−2の比較例は48℃以上に温度上昇したのに対し、鋼番号9−1,10−1,11−1の本発明例は、結晶方位の制御の効果により温度上昇が40℃以下に抑制されたことがわかる。これは、鋼番号9−1,10−1,11−1の本発明例の熱損失が少ないことを示し、優れた効率を有することを示している。
以上より、鋼番号9−1,10−1,11−1の本発明例の直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板は、直線移動鉄心に好適に用いることができることがわかる。
1 移動体
2 固定体

Claims (4)

  1. 質量%で、
    Si:0.1〜3.5%、
    Mn:0.1〜1.3%およびNi:0.5〜3.5%から選ばれた1種または2種、
    C:0.003〜0.005%、
    N:0.003%以下、
    S:0.003%以下、
    残部Feおよび不純物
    である化学組成を有するとともに、
    板厚方向の中心から板厚方向へ板厚の10%以内の範囲である成品中心層においてX線回折測定により得られた逆極点図における、ランダム面に対する{200}面,{310}面,{420}面,{110}面それぞれの強度I(200),I(310),I(420),I(110)が下記(1)〜(4)式を全て満足する、直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板。
    I(200)≧0.50 ・・・・・(1)
    I(310)≧0.50 ・・・・・(2)
    I(420)≧0.40 ・・・・・(3)
    I(110)≧0.30 ・・・・・(4)
  2. 請求項1に記載された直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板から構成される直線移動鉄心。
  3. スラブに熱間圧延を行って熱延板とし、酸洗を行った後に、複数パスの冷間圧延および連続焼鈍もしくは箱焼鈍を行うことにより、直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板を製造する方法であって、
    前記複数パスのパス間で200〜400℃の温度域に15秒間以上2分間以下保持するか、または、
    前記複数パスの少なくとも1パスを200℃以上で行う、請求項1に記載された直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 前記酸洗を行う前に熱延板焼鈍を行う、請求項3に記載された直線移動鉄心用無方向性電磁鋼板の製造方法。
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