JP6661478B2 - 内燃機関の可変動弁機構 - Google Patents
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Description
ローラピンは、入力アームに対して相対回動可能に取り付けられ、非連結状態では、出力アームに対して入力アームが相対揺動するのに伴い、入力アームに対してローラピンが相対回動する。
出力アームに対して入力アームが相対揺動するのに伴い、入力アームに対してローラピンが相対回動し、ローラピンの端部にあるスプリング掛け部が回動することで、ロストモーションスプリングの延出部とスプリング掛け部との間の摩耗が低減される。
[i]スプリング掛け部は、ローラピンの径方向に長く、非連結状態では、入力アームが前記相対揺動するのに合わせて、スプリング掛け部の長さ方向がロストモーションスプリングの延出部の長さ方向を向くようにシフトすることで、ローラピンが前記相対回動する。
[A]スプリング掛け部は、ローラピンの端面に凹設された径方向に延びる端面溝である。
[B]スプリング掛け部は、ローラピンの端部に径方向に貫通するように設けられた貫通孔である。
[C]スプリング掛け部は、ローラピンの端部の外周面に凹設された周方向に延びる外周溝である。
図1等に示すカム10は、内燃機関が2回転する毎に1回転するカムシャフト9に設けられており、カムシャフト9と一緒に回転する。以下では、カムシャフト9の長さ方向を左右方向といい、それに直交する水平方向を前後方向という。カム10は、断面形状が円形のベース円11と、ベース円11から突出したノーズ12とを含み構成されている。上記の「図面の簡単な説明」及び以下では、カム10のベース円11が作用する時を「ベース円時」といい、カム10のノーズ12が作用する時を「ノーズ時」という。カムシャフト9におけるカム10の左右両側には、断面形状が円形の第二カム15(休止カム)が設けられている。
入力アーム20は、図5等に示すように、出力アーム30の左右内側に設けられたインナアームである。入力アーム20の前端部は、出力アーム30の前端部に軸材21によって相対揺動可能に軸着されている。該図5等に示すベース円時の状態でみて、入力アーム20(インナアーム)の左右の各側面とその側方にある出力アーム30(アウタアーム)の内側面との間には、それぞれアーム間隙間Gが形成されている。入力アーム20の左右中間部には、前方及び上下に開口した凹部状のローラ取付部22が設けられている。入力アーム20の側面には、図6等に示すように、ローラ取付部22にまで貫通した支持孔23が設けられている。ローラ取付部22に、ローラ28がローラピン25及びベアリング27を介して回動可能に軸支されいる。ローラ28は、図1等に示すように、カム10に当接しており、カム10に押圧される。
出力アーム30は、図5等に示すように、入力アーム20の左右外側に設けられたアウタアームである。詳しくは、出力アーム30は、入力アーム20の左右両側方に一枚ずつ設けられた側板部31と、左右の側板部31の後端どうしを繋いだ基部34とにより、前方に開いたコ字形に形成されている。そのコ字形の内側に入力アーム20が設置されている。出力アーム30は、図2等に示すように、基部34の下面に凹設された半球状凹部35が、ピボット60の上端部にある半球部63により、揺動可能に支持されている。左右の側板部31の前端部の下端部どうしは、架橋部33によって繋がっており、架橋部33が、バルブ7のステムエンドに当接している。左右の側板部31の上端部には、図3等に示すように、第二カム15に摺接するスリッパ32が、図5等に示すように、アーム間隙間Gに突出する形で設けられている。
図2等に示す切替装置40は、切替ピン41と油圧経路42とスプリング43とを含み構成されている。切替ピン41は、出力アーム30の基部34の左右中央部に貫設された前後に延びるピン穴48の内側に取り付けられており、前側の連結位置p1と後側の非連結位置p2とに変位可能に設けられている。前側の連結位置p1は、図2(a)等に示すように、切替ピン41の前端部が基部34から前方に突出することで、該前端部が入力アーム20の後端部24の下方に入り込むようになる位置である。その連結位置p1に配されると、図3に示すように、入力アーム20と出力アーム30とが、ピボット60の半球部63を軸に一緒に揺動してバルブ7を駆動するようになる。他方、後側の非連結位置p2は、図2(b)等に示すように、切替ピン41の前端部が基部34に退入することで、該前端部が入力アーム20の後端部24の下方に入り込まなくなる位置である。その非連結位置p2に配されると、図4に示すように、出力アーム30に対して入力アーム20が前端部の軸材21を軸に相対揺動(空振り)するようになり、バルブ7の駆動を休止するようになる。
図6等に示すロストモーションスプリング50は、非連結状態のときに入力アーム20をカム10に付勢するための部材であって、左側のロストモーションスプリング50と、右側のロストモーションスプリング50とがある。各ロストモーションスプリング50は、図5等に示すように、コイル部51と延出部52と第二延出部53とを含み構成されている。
[A]図12に示す比較例の可変動弁機構100ように、入力アーム20の上部にスプリング掛け部26’を設けるのではなく、図4等に示すように、ローラピン25にスプリング掛け部26を設けるため、出力アーム30の上部に、アーム間隙間Gに突出するスリッパ32を設けても、スリッパ32がスプリング掛け部26に当たることがない。そのため、出力アーム30の設計の自由度が上がる。
なお、入力アーム20とローラピン25との間には、上記の通りロストモーションスプリング50の付勢力が加わらないので、入力アーム20に対してローラピン25が相対回動しても、両者間には大して摩擦は発生しない。
[E']非連結状態の時には、スプリング掛け部26がロストモーションスプリング50の延出部52に沿って転がることで、延出部52とスプリング掛け部26との間の摩耗が低減される。
[変更例1]第二カム15(休止カム)を、カム10のノーズ12よりも低い第二ノーズを備えた低速カムに変更してもよい。
[変更例2]第二カム15をなくして、スリッパ32をカムシャフト9に摺接するようにしてもよい。
[変更例3]スプリング掛け部26を突起状のものに変更してもよい。
2 可変動弁機構(実施例2)
3 可変動弁機構(実施例3)
7 バルブ
9 カムシャフト
10 カム
11 カムのベース円
15 第二カム
20 入力アーム
25 ローラピン
25e ローラピンの端部
26 スプリング掛け部
26A 端面溝
26B 貫通孔
26C 外周溝
28 ローラ
30 出力アーム
32 スリッパ
37 通し孔
37a 繋ぎ部
40 切替装置
50 ロストモーションスプリング
52 ロストモーションスプリングの延出部
G アーム間隙間
Claims (8)
- カム(10)に押圧されるローラ(28)をローラピン(25)を介して軸支している入力アーム(20)と、揺動時にはバルブ(7)を駆動する出力アーム(30)と、入力アーム(20)と出力アーム(30)とを一緒に揺動するように連結した連結状態とその連結を解除した非連結状態とに切り替える切替装置(40)と、入力アーム(20)と共に揺動するスプリング掛け部(26)を押圧することで非連結状態のときにローラ(28)をカム(10)に付勢するロストモーションスプリング(50)とを備えた内燃機関の可変動弁機構において、
カム(10)のベース円(11)が作用するベース円時の状態でみて、
入力アーム(20)と出力アーム(30)との間にアーム間隙間(G)が形成され、
ロストモーションスプリング(50)は、アーム間隙間(G)に入り込むと共にスプリング掛け部(26)の前記押圧を行う延出部(52)を備え、
ローラピン(25)の端部(25e)は、アーム間隙間(G)内に収まり、かつ、スプリング掛け部(26)を設けられる長さで、入力アーム(20)からアーム間隙間(G)内に突出し、該端部(25e)に該スプリング掛け部(26)が設けられており、
ローラピン(25)は、入力アーム(20)に対して相対回動可能に取り付けられ、
非連結状態では、出力アーム(30)に対して入力アーム(20)が相対揺動するのに伴い、入力アーム(20)に対してローラピン(25)が相対回動する
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。 - スプリング掛け部(26)は、ローラピン(25)の径方向に長く、
非連結状態では、入力アーム(20)が前記相対揺動するのに合わせて、スプリング掛け部(26)の長さ方向がロストモーションスプリングの延出部(52)の長さ方向を向くようにシフトすることで、ローラピン(25)が前記相対回動する請求項1記載の内燃機関の可変動弁機構。 - スプリング掛け部(26)は、ローラピン(25)の周方向に長く、
非連結状態では、入力アーム(20)が前記相対揺動するのに伴い、スプリング掛け部(26)がロストモーションスプリングの延出部(52)に沿って転がることで、ローラピン(25)が前記相対回動する請求項1記載の内燃機関の可変動弁機構。 - スプリング掛け部(26)は、ローラピン(25)の端面に凹設された径方向に延びる端面溝(26A)である請求項2記載の内燃機関の可変動弁機構。
- スプリング掛け部(26)は、ローラピンの端部(25e)に径方向に貫通するように設けられた貫通孔(26B)である請求項2記載の内燃機関の可変動弁機構。
- スプリング掛け部(26)は、ローラピンの端部(25e)の外周面に凹設された周方向に延びる外周溝(26C)である請求項3記載の内燃機関の可変動弁機構。
- 前記カム(10)は、カムシャフト(9)に突設されており、
出力アーム(30)に、カムシャフト(9)又はそれに突設されている第二カム(15)に摺接するスリッパ(32)が設けられている請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁機構。 - 出力アーム(30)の上下中間部に、アーム間隙間(G)の外からアーム間隙間(G)にまで貫通した通し孔(37)が、該通し孔(37)の上下両側に繋ぎ部(37a)を残す形で貫設され、
ロストモーションスプリング(50)の延出部(52)は、通し孔(37)を通っている請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁機構。
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