JP6661072B2 - 細胞分離用酵素剤 - Google Patents

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Description

本発明は、グリモンティア・ホリセー由来リコンビナントコラゲナーゼ、および細胞分離用酵素剤に関する。
膵臓には、消化酵素を十二指腸内へ分泌する外分泌腺と、内分泌腺の膵島とが含まれる。膵臓から、血糖の濃度調節に重要な役割を果たしている膵島を分離および精製し、インスリン依存状態にある1型糖尿病などの患者に移植する療法を、膵島移植という。膵島は点滴の要領で体内に注入できるため低侵襲であり、患者の身体的負担が低い。
一方、膵臓の約9割は外分泌腺であり、膵島を分離する技術は難しく、その成功率は極めて低い。現在、細胞分離用の酵素剤として、クロストリジウム・ヒストリチカム由来のコラゲナーゼH(ColH)とコラゲナーゼG(ColG)というサブタイプを含む混合物が膵臓から膵島を分離するために医療現場で使用されている。しかしながら、膵臓の組織構成は年齢や肥満度により異なるため、膵島分離用の酵素剤と提供された膵臓組織とが適合した場合に膵島分離が成功しているに過ぎない。
前記ColHとColGは、複数のドメイン構造を持つマルチドメインタンパク質であり、その活性は、ドメインの組み合わせと相対的な配置に関連する(非特許文献1)。非特許文献1によれば、クロストリジウム属由来コラゲナーゼは、共通して、触媒ドメイン(以下、CDと称する場合がある。)、多発性嚢胞腎様ドメイン(以下、PKDと称する場合がある。)、コラーゲン結合ドメイン(以下、CBDと称する場合がある。)の3種を含み、ColHは、1つのCD、2つのPKD、1つのCBDからなる、CD−PKD−PKD−CBDで示すドメイン構造であり、ColGは、1つのCD、1つのPKD、2つのCBDからなる、CD−PKD−CBD−CBDで示すドメイン構造である。非特許文献1は、CBDのN末端側にはカルシウムが結合し、カルシウムが外れることでドメインのN末端部が構造変化すること、カルシウムはコラーゲンの結合に重要であること、カルシウムがColHの安定化に寄与していることなどを開示する。
一方、比活性が高い微生物由来コラゲナーゼとして、グリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼがある(非特許文献2)。プレプロ領域、触媒ドメイン、リンカー領域、およびプレペプチダーゼC末端ドメイン(以下、PPCとも称する。)を含む、分子量84kDaのコラゲナーゼであり、BLAST検索の結果、ColHやColGとの相同性が低いことがわかっている。また、グリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼは安価な取得が困難であるという問題に鑑みて、遺伝子工学的手法を用いた当該コラゲナーゼ生産のための技術を構築する方法も提案されている(特許文献1)。当該特許文献1には、グリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼの全コーディング領域の遺伝子を含むバクミドpCC1BAC−2を作製する方法、バクミドpCC1BAC−2を用いてブレビバチルス・チョウシネンシス組み換え体を作製し、これによりグリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼを製造する方法が記載されている。
特開2010−263880号公報
大林尚美、村山和隆、"マルチドメインタンパク質コラゲナーゼの分子内コンホメーション変化の解析、生化学、第85巻、第8号、pp692−699、2013年 Teramura Naoko etc, Cloning of a Novel Collagenase Gene from the Gram-Negative Bacterium Grimontia (Vibrio) hollisae 1706B and Its Efficient Expression in Brevibacillus choshinensis, Journal of Bacteriology,June 2011 vol.193 no.12 p.3049-3056.
膵島移植その他の医療現場では、入手が容易なColHとColGとの混合物が使用されている。しかしながら、ColHとColGとはドメイン構造が相違し、ColHとColGの配合比によって性能が変化するため活性が安定しない。一方、配合比を調整することは容易でなく、膵島分離の成功率を低下させる一因となっている。したがって、混合することなく、活性が安定した細胞分離用酵素剤の開発が希求されている。
一方、前記非特許文献1で開示されるグリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼは比活性が高く、特許文献1では、遺伝子工学を用いたグリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼの生産法も開示している。しかしながら、グリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼは比活性が変動する場合があった。製造ロットごとに比活性が異なると、異なるロットのものを同じプロトコルで使用することが困難となる。更に、経時的に活性が低下すると、使用量が変動するため細胞収量が変動し、または過度の分解処理を行うことで細胞に負荷を与える場合がある。一方、グリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼのドメインの詳細は解明されておらず、比活性が低減する原因も不明である。したがって、比活性が安定したグリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼに由来する、リコンビナントコラゲナーゼの開発が希求されている。
更に、細胞分離の要請は、膵島に限定されるものではない。肝臓、心臓、肺、腎臓、脾臓、副腎、筋肉の他、甲状腺、唾液腺、耳下腺腺房、乳腺組織などの腺組織、骨、軟骨などの骨組織、内皮細胞、上皮細胞、脂肪組織なども細胞を分離した後に使用されることがある。分離細胞の生着性その他を良好に維持するには、細胞の損傷が少なく生着率が高いことが重要である。したがって、種々の細胞の分離性に優れ、かつ生着率に優れる細胞分離剤の開発が望まれる。
膵島移植の成功率は、分離された膵島に残留する酵素量にも依存し、残留酵素量が多いと移植率が低下する。細胞洗浄後に残留酵素が少ないことが好ましいことは他の臓器や細胞でも同様である。したがって、組織を洗浄した後に組織から速やかに分離し、または、洗浄組織に残留した際のコラゲナーゼ活性が低減され、細胞障害を回避しまたは低減できる、新規コラゲナーゼが望まれる。
このような状況下、本発明は、コラゲナーゼ活性に優れかつ比活性が安定した、新規なグリモンティア・ホリセー由来リコンビナントコラゲナーゼを提供することを目的とする。
更に本発明は、このようにして得られた新規グリモンティア・ホリセー由来リコンビナントコラゲナーゼを用いた細胞分離用酵素剤を提供することを目的とする。
本発明者等は、グリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼの遺伝子について詳細に検討したところ、プレプロ領域は分泌シグナル配列であること、PPCを除去しても高いコラゲナーゼ活性を有すること、CDとPPCとを結ぶリンカー領域配列のC末端から3番目のアミノ酸残基がグリシンであると、安定したコラーゲン活性を維持できることなどを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、N末端からC末端に向かって、コラゲナーゼ触媒ドメインと、リンカー領域配列と、プレペプチダーゼC末端ドメインとを含むグリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼに由来するリコンビナントコラゲナーゼであって、
少なくとも、前記プレペプチダーゼC末端ドメインを含まないことを特徴とする、グリモンティア・ホリセー由来リコンビナントコラゲナーゼを提供するものである。
また本発明は、前記リンカー領域は、いずれかのアミド結合で切断されたリンカー断片であることを特徴とする、前記グリモンティア・ホリセー由来リコンビナントコラゲナーゼを提供するものである。
また本発明は、前記リンカー断片は、C末端から3番目のアミノ酸残基がグリシンであることを特徴とする、前記グリモンティア・ホリセー由来リコンビナントコラゲナーゼを提供するものである。
また本発明は、前記リンカー断片が、前記リンカー領域に含まれる−G−X−Y−G−X−Y−(式中、GとGとはグリシンを示し、X、Y、XおよびYは、それぞれ同一でも異なっていてもよいアミノ酸残基を示す。)で示すアミノ酸配列のYとGとの間で切断されたリンカー断片であることを特徴とする、前記グリモンティア・ホリセー由来リコンビナントコラゲナーゼを提供するものである。
また本発明は、前記リンカー断片のC末端は、−Gly−Asp−Ser、−Gly−Asn−Glu、−Gly−Glu−Ser、または−Gly−Asn−Thrのいずれかであるリコンビナントコラゲナーゼである、前記グリモンティア・ホリセー由来リコンビナントコラゲナーゼを提供するものである。
また本発明は、前記リコンビナントコラゲナーゼを含む、細胞分離用酵素剤を提供するものである。
また本発明は、膵島、肝臓、心臓、肺、腎臓、脾臓、副腎、筋肉、甲状腺、唾液腺、耳下腺腺房、乳腺組織、骨、軟骨、内皮細胞、上皮細胞、脂肪組織および繊維芽細胞からなる群から選択される1以上の細胞の分離に使用されることを特徴とする、前記細胞分離用酵素剤、およびコラーゲンIV、コラーゲンV、またはコラーゲンVIを分解するための酵素剤を提供するものである。
本発明によれば、比活性が安定したグリモンティア・ホリセー由来リコンビナントコラゲナーゼが提供される。摘出臓器を、このリコンビナントコラゲナーゼを含む細胞分解用酵素剤で培養すると、効率的に細胞を分離することができる。
グリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼのドメイン構造と、リンカー領域の配列、並びにリコンビナント60kDaコラゲナーゼ、リコンビナント62kDaコラゲナーゼをコードするアミノ酸配列を説明する図である。 実施例1の結果を示す図であり、精製酵素のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動図を示す図である。74kDaは、74kDaコラゲナーゼ、62kDaは、リコンビナント62kDaコラゲナーゼ、60kDaはリコンビナント60kDaコラゲナーゼ、Mはマーカーを示す。 実施例2において、74kDaコラゲナーゼ、リコンビナント62kDaコラゲナーゼおよびリコンビナント60kDaコラゲナーゼの精製直後からの比活性の経時変化を測定した結果を示す図である。 実施例3において、リコンビナント62kDaコラゲナーゼを、温度4℃で保存した際の比活性の経時変化を示す図である。 実施例4の結果を示す図であり、酵素液に含まれるリコンビナント62kDaコラゲナーゼの濃度と分解組織量および非分解組織量の変化を示す図である。 実施例5および比較例1の結果を示す図であり、リコンビナント62kDaコラゲナーゼ、またはクロストリジウム属由来のコラゲナーゼ(リベラーゼ)を用いて膵臓消化実験を行い、分解して得た膵島の個数とIEQの結果を示す図である。膵島の個数の結果を図6Aに、IEQの結果を図6Bに示す。 実施例5において、リコンビナント62kDaコラゲナーゼを用いて単離した膵島の光学顕微鏡写真を示す図である。 実施例6の結果を示す図であり、膵島を移植したSTZ誘導糖尿病マウスと移植しなかったマウスの血糖値の推移、および摘出した膵島移植腎、組織染色の結果を示す図である。マウスの血糖値の推移の結果を図8Aに、摘出した膵島移植腎、組織染色の結果を図8Bに示す。 実施例7で分離した肝細胞の位相差顕微鏡写真像を示す図である。 実施例8、比較例2の結果を示す図であり、図10Aは、リコンビナント62kDaコラゲナーゼのコラーゲン線維に対する結合能を示す結果であり、図10Bはクロストリジウム属由来のコラゲナーゼ(リベラーゼ)のコラーゲン線維に対する結合能を示す結果である。 実施例8、比較例2の結果を示す図であり、洗浄したコラーゲン線維が、残留するコラゲナーゼによって経時的に分解された様子を示す図である。 実施例10の結果を示す図であり、リコンビナント62kDaコラゲナーゼをI型、II型、III型、IV型、V型、およびVI型コラーゲンに作用させた後の電気泳動像を示す図である。
本発明の第一は、N末端からC末端に向かって、コラゲナーゼ触媒ドメインと、リンカー領域配列と、プレペプチダーゼC末端ドメインとを含むグリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼに由来するリコンビナントコラゲナーゼであって、少なくとも、前記プレペプチダーゼC末端ドメインを含まないことを特徴とする、グリモンティア・ホリセー由来リコンビナントコラゲナーゼである。以下、本発明を詳細に説明する。
(1)グリモンティア・ホリセー
コラゲナーゼを産生する微生物としてクロストリジウム属(Chrostridium sp.)、ビブリオ属(Vibrio sp.)、バチルス属(Bacillus sp.)、ストレプトマイセス属(Streptomyces sp.)などが知られているが、本発明で使用するコラゲナーゼは、グリモンティア属(Grimontia sp.)に由来する。なお、グリモンティア・ホリセーは、例えばATCC No.33564やATCC No.33565として入手することができる。
(2)グリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼ
グリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼのアミノ酸配列のドメイン構造を図1Aに示す。「84kDaコラゲナーゼ」で示すドメイン構造は、グリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼの全コーティング配列に対応するドメイン構造である。N末端からC末端に向かって、アミノ酸番号1〜87がプレプロ領域、アミノ酸番号88〜615が触媒ドメイン領域(CD)、アミノ酸番号616〜687がリンカー領域、アミノ酸番号688〜749がPPCドメイン領域(PPC)である。767個のアミノ酸で構成され、分子量は84kDaである。グリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼの一例として、グリモンティア・ホリセー1706B株のコラゲナーゼのアミノ酸配列を配列番号1に、全コーディング領域のDNA配列を配列番号2に示す。なお、前記プレプロ領域は、分泌シグナル配列であることが判明した。ただし、翻訳のいずれの段階で分泌シグナル配列が離脱するかは明確ではない。本発明では、プレプロ領域を有するコラゲナーゼおよびプレプロ領域を欠失したコラゲナーゼの双方を、グリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼとする。プレプロ領域を欠失したグリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼの分子量は74kDaである。このドメイン構造を、図1Aに、「74kDaコラゲナーゼ」として示す。
(3)グリモンティア・ホリセー由来リコンビナントコラゲナーゼ
本発明のグリモンティア・ホリセー由来リコンビナントコラゲナーゼは、グリモンティア・ホリセーに由来する。そのドメイン構造は、少なくともPPCを含まないものであればよい。例えば、前記図1Aの84kDaコラゲナーゼに示すドメイン構造において、アミノ酸番号688以降の配列が欠失され、N末端からC末端に向かって、プレプロ領域、CD、リンカー領域で構成されるリコンビナントコラゲナーゼである。更にプレプロ領域を欠失し、CDとリンカー領域とからなるリコンビナントコラゲナーゼであってもよい。後記する実施例に示すように、PPCを欠失しても高いコラゲナーゼ活性を発揮し、かつコラゲナーゼ活性が安定することが判明した。更に、本発明のグリモンティア・ホリセー由来リコンビナントコラゲナーゼは、後記実施例に示すように、洗浄後のコラゲナーゼ活性が低減され、細胞障害が低減される。
本発明のグリモンティア・ホリセー由来リコンビナントコラゲナーゼのリンカー領域は、そのアミノ酸配列の一部を欠失するリンカー断片であってもよい。本発明における「リンカー断片」とは、リンカー領域のいずれかのアミド結合で切断されたものを意味する。例えば、図1Aの84kDaコラゲナーゼに示すドメイン構造では、第616から687のリンカー領域のいずれかのアミド結合で切断されたものとなる。図1Aの「リコンビナント62kDaコラゲナーゼ」は、第616から646の31個のアミノ酸からなるリンカー断片を有する例であり、図1Aの「リコンビナント60kDaコラゲナーゼ」は、第616から624の9個のアミノ酸からなるリンカー断片を有する例である。
前記リンカー断片は、C末端から3番目のアミノ酸残基がグリシンであることが好ましい。C末端から3番目のアミノ酸残基がグリシンとなるリコンビナントコラゲナーゼは、後記する実施例に示すように、コラゲナーゼ活性の安定性に優れる。前記リンカー領域は、配列番号1に示すように、−G−X−Y−G−X−Y−(式中、GとGとはグリシンを示し、X、Y、XおよびYは、それぞれ同一でも異なっていてもよいアミノ酸残基を示す。)で示すアミノ酸配列を含んでいる。リンカー領域が、前記アミノ酸配列のYとGとの間で切断されると、C末端から3番目のアミノ酸がグリシンとなる。
便宜のため、図1Aに示す「84kDaコラゲナーゼ」のリンカー領域のアミノ酸配列の一部を図1Bに示す。「60kDa」は「リコンビナント60kDaコラゲナーゼ」のC末端を、「62kDa」は、「リコンビナント62kDaコラゲナーゼ」のC末端を示す。リコンビナント60kDaコラゲナーゼのC末端は、リンカー領域の−GDSGAG−で示される配列のSとGとの間が切断されたものであり、リコンビナント62kDaコラゲナーゼは、−GNTGLP−で示される配列のTとGとの間で切断されたものである。その結果、いずれも、C末端から3番目のアミノ酸残基がグリシンとなる。なお、前記リンカー領域における前記−G−における切断は、図1Bに示すように、第637と第638との間や、第642と第643との間で切断されたものであってもよい。
本発明のリコンビナントコラゲナーゼのC末端は、前記−G−X−Y−G−X−Y−(式中、GとGとはグリシンを示し、X、Y、XおよびYは、それぞれ同一でも異なっていてもよいアミノ酸残基を示す。)で示すアミノ酸配列のYとGとの間で切断されたリンカー断片であることが好ましい。YとGとの間で切断されたリンカー断片を有するリコンビナントコラゲナーゼの比活性は、長期間に亘り、安定だからである。したがって、C末端は、例えば、−GDS、−GNE、−GES、および−GNTのいずれかであることが好ましい。図1Bに示す配列において、前記アミノ酸配列のYとGとの間で切断されると、C末端は上記配列となる。
前記プレプロ領域およびPPCを欠失し所定のリンカー断片を有し、アミノ酸番号第88〜第624のアミノ酸配列のリコンビナント60kDaコラゲナーゼのアミノ酸配列を配列番号3に、アミノ酸番号第88〜第646のアミノ酸配列のリコンビナント62kDaコラゲナーゼのアミノ酸配列を配列番号4に示す。更に、84kDaコラゲナーゼからプレプロ領域が欠失されたアミノ酸番号第88〜第767のアミノ酸配列を有するコラゲナーゼを74kDaコラゲナーゼとし、そのアミノ酸配列を配列番号5に示す。
本発明のリコンビナントコラゲナーゼが保存安定性に優れる理由は明確ではない。しかしながら、PPCを有する74kDaコラゲナーゼと、PPCを有しないリコンビナントコラゲナーゼの比活性および安定性を評価したところ、74kDaコラゲナーゼの方が高い比活性を有することから、PPC自体がコラーゲン結合能を有し、CDのコラゲナーゼ活性を補助している可能性がある。本発明のリコンビナントコラゲナーゼは、コラゲナーゼ活性を補助するPPCを欠失することで、コラゲナーゼ活性が安定し、かつ洗浄による組織からの分離性が増加すると推定される。なお、本発明のリコンビナントコラゲナーゼは、PPCを欠失すれば、リンカー領域を欠失するものであってもよい。
(4)リコンビナントコラゲナーゼの製造方法
本発明のリコンビナントコラゲナーゼを調製する際の形質転換用DNAとしては、少なくともCDに対応するアミノ酸配列をコードするものであり、より好ましくはCDとリンカー領域の一部とを含むアミノ酸配列をコードするものである。更に、N末端側に、プレプロ領域に対応するアミノ酸配列を有するものであってもよい。リンカー領域のC末端は、リンカー領域配列に含まれる−G−で示される配列のYとGとの間で切断されたものを好適に使用することができる。PPCを含まず、C末端から3番目がグリシンとなるリコンビナントコラゲナーゼを作製するために使用し得るDNAとしては、下記(I)で示されるアミノ酸配列をコードするものを使用することできる。
式(I):
AVEQCDLSQFQTTSSNQLMAAIRQQGASCVNALFSADTGVQEAAFSSNHMYNVAQYTRTLAQQYAGGGSDELEALYLYLRAGYYAEFYNSNITFLSWVTPAVKGAVDAFVQNAHFYDNGDAHGKVLNEVIITMDSAGLQHAYLDVVTQWLTRWNAQYAEHWYMRNAVNGVFTLLFGGQWNNQYTSLIGEQTALVTALQAFALDRTKVNSPTEFMAANAARELGRLARYTDATIAPKVTEGLTAIFGQYPSYGDGDAIWLGAADTASYYADCSQFNICGFEDALRDAALNQTFICSDTIKIRSQDMSQAQHLAACDKMAYEESFFHTTLETGNQPVADDHNTQLQVNIFNSDTDYGKYAGPIFGIDTNNGGMYLEGNPANVGNIPNFIAYEASYANPDHFVWNLEHEYVHYLDGRFNMYGDFGTPTELVVWWSEGVAEYVSRVNDNPQAIATIQDGSTYTLAQVFDTTYDGFDVDRIYRWGYLAVRFMFERHPDEVQRMLSATRQGRWAEYKAIISGWANQYQSEFAQW-X
ただし、Xは、TEALAKGDSGAGNGEGTGSGNEGGGESGGNT、またはTEALAKGDSで示されるポリペプチドである。配列番号3は、XがTEALAKGDSである場合のアミノ酸配列であり、配列番号4は、XがTEALAKGDSGAGNGEGTGSGNEGGGESGGNTである場合のアミノ酸配列である。なお、上記式で使用されるアルファベットは、以下のアミノ酸を示す。A:アラニン、C:システイン、D:アスパラギン酸、E:グルタミン酸 F:フェニルアラニン、G:グリシン、H:ヒスチジン、I:イソロイシン、K:リシン、L:ロイシン、M:メチオニン、N:アスパラギン、P:プロリン、Q:グルタミン、R:アルギニン、S:セリン、T:スレオニン、V:バリン、W:トリプトファン、Y:チロシン。
本発明のリコンビナントコラゲナーゼを調製するには、上記アミノ酸配列をコードするDNAを含む組み換えベクターを調製し、前記組み換えベクターで形質転換して、コラゲナーゼ活性を有する宿主細胞を調製し、前記宿主細胞を培養してコラゲナーゼ活性を有する遺伝子産物を産生させればよい。このようなリコンビナント蛋白質の製造方法は、遺伝子工学の技術を使用して行うことができる。例えば、グリモンティア・ホリセーのゲノムライブラリーからグリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼ遺伝子を含むクローンを選択し、そのクローンを鋳型として前記配列番号3や配列番号4をコードするDNA断片の5’側にNco Iサイトを、3’側にHind IIIサイトを付加し、Expand High Fidelity PCR System(Roche)により増幅し、増幅された断片をNco I−Hind IIIで処理して回収した当該DNA断片を、プラスミドベクターなどに挿入して組換プラスミドを調製し、これを用いて例えばブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31−SP3株などを形質転換し、ブレビバチルス・チョウシネンシス組換え体を作製する。あるいは、グリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼ遺伝子を含むクローンを鋳型として前記配列番号3や配列番号4をコードするDNA断片の両端に、挿入する直鎖状発現ベクターの両末端と相同な15塩基対の配列を付加したDNA断片を調製および増幅し、当該増幅されたDNA断片と直鎖状発現ベクターとを混合後、新Tris−PEG法にてブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31−SP3株などに導入して組換プラスミドおよび組換え体を作製してもよい。このようにして得たブレビバチルス・チョウシネンシス組換え体を培養すれば、培養上清中にグリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼ遺伝子産物を産生させることができる。
培養物中から目的物質であるリコンビナントコラゲナーゼを採取及び精製する方法は、一般の酵素の採取及び精製手段に準じて行うことができる。例えば、培養物を遠心、又は濾過などによって菌体を分離し、その培養濾液から通常の分離手段、例えば、有機溶媒沈澱法、塩析、限外濾過膜による濃縮等を用い、カラムクロマトグラフィー等により精製する方法が挙げられる。
なお、本発明のグリモンティア・ホリセー由来リコンビナントコラゲナーゼは、予めプレプロ領域を含まないDNAで形質転換された宿主細胞からリコンビナントコラゲナーゼを生産してもよく、プレプロ領域を含むDNAで形質転換された宿主細胞からリコンビナントコラゲナーゼを産生し、翻訳中または翻訳後にプレプロ領域を離脱させてもよい。
(5)細胞分離用酵素剤
本発明の製造方法で得たリコンビナントコラゲナーゼは、従来のコラゲナーゼと同様に使用することができ、例えば細胞分離用酵素剤として使用することができる。摘出臓器から細胞を分離する対象として、膵島、肝臓、心臓、肺、腎臓、脾臓、副腎、筋肉の他、甲状腺、唾液腺、耳下腺腺房、乳腺組織などの腺組織、骨、軟骨などの骨組織、内皮細胞、上皮細胞、脂肪組織、繊維芽細胞などがある。摘出組織に限定されず、コラーゲン培地内で培養した培養細胞の分離にも好適である。特に本発明で得たリコンビナントコラゲナーゼは、比活性が安定性しているため、摘出した膵臓臓器から膵島を単離するための細胞分離用酵素剤として好適に使用することができる。後記する実施例に示すように、洗浄組織に対するコラゲナーゼ活性が低く、細胞損傷が少ない。
本発明で使用する細胞分離用酵素剤には、更にメタロプロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、システインプロテアーゼその他の成分を含ませることができる。メタロプロテアーゼとしては、サーモリシン、ディスパーゼ、クロストリジウム・ヒストリチカム由来中性プロテアーゼなどがある。セリンプロテアーゼとしては、トリプシン、エラスターゼなどが、システインプロテアーゼとしてはキモパパインなどがある。
(6)細胞分離方法
摘出した臓器や動物組織に本発明の細胞分離用酵素剤を添加して所定時間培養する。摘出物を上記細胞分離用酵素剤や、更に他の成分を添加した培養液で培養すると、前記摘出組織の細胞外マトリックスや細胞間結合を分離し、細胞を単離することができる。組織から単離された細胞が培養液中に浮遊する場合は、培養液からろ過や遠心などで単離細胞を回収すればよい。
本発明では、摘出臓器として膵臓臓器を使用し、膵島を分離することができる。膵島はコラーゲンによって膵臓内の他の組織と結合しているため、コラゲナーゼで培養することで膵島を他の組織から遊離することができる。例えば、摘出した膵臓臓器の膵管から本発明の細胞分離用酵素剤を注入し、所定時間培養する。培養時間は、使用する組織の状態や細胞分離用酵素剤に含まれるリコンビナントコラゲナーゼ量などによって適宜選択すればよい。膵島は他の組織よりも軽いため、培養後は密度勾配遠心分離法などにより純化することができる。なお、膵島に限定されず、肝臓、心臓、肺、腎臓、脾臓、副腎、筋肉の他、甲状腺、唾液腺、耳下腺腺房、乳腺組織などの腺組織、骨、軟骨などの骨組織、内皮細胞、上皮細胞、脂肪組織、繊維芽細胞などのいずれの細胞分離にも好適に使用することができる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を制限するものではない。
(実施例1)
グリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼの全コーティング領域の遺伝子を含むバクミドpCC1BAC−2(受託番号;NITE BP−00739:寄託日(原寄託);2009年4月28:寄託機関の名称;独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(NPMD):寄託機関のあて名;日本国2920818千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)を鋳型として、配列番号5のペプチド配列から誘導された当該コラゲナーゼ遺伝子の部分配列(長さ2040bp)の5’側にNco Iサイトを、3’側にHind IIIサイトを付加し、Expand High Fidelity PCR System(Roche)により増幅した。PCR反応には、下記プライマーセットを使用した。プライマーの配列のうち、制限酵素サイトを下線で示す。
Fwd:AAACCATGGCTTTCGCTGCGGTTGAACAGTGTGATCT(配列番号6)
Rvs: AAAAAGCTTTTACTGACGACACTGGTTAC(配列番号7)
増幅された断片をNco I−Hind IIIで処理して回収した当該DNA断片を、プラスミドベクターpNY326のクローニングサイトに挿入して、pNY326−Col.74を作製した。この組換えプラスミドでブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31−SP3株を形質転換して、組換え体を作製した。
また、グリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼの全コーティング領域の遺伝子を含むバクミドpCC1BAC−2(NITE BP−00739)を鋳型として、前記配列番号3のペプチド配列から誘導された当該コラゲナーゼ遺伝子の部分配列(長さ1611bp)を、下記プライマーセットを使用してPCR反応を使って単離した。プライマーの配列のうち、直鎖状ベクターの両端の配列と相同な配列を下線で示す。
プライマー:
Fwd:CCCATGGCTTTCGCTGCGGTTGAACAGTGTGATCT(配列番号8)
Rvs:CATCCTGTTAAGCTTACTGTCGCCCTTCGCCAGC(配列番号9)
また、直鎖状発現ベクターpNY326を、下記プライマーセットを使用してPCR反応を使って調製した。プライマーの配列のうち、挿入するDNA断片の両端の配列と相同な配列を下線で示す。
プライマー:
Fwd: AAGCTTAACAGGATGCGGGG(配列番号10)
Rvs: AGCGAAAGCCATGGGAGCAA(配列番号11)
上記によって配列番号3のリコンビナント60kDaコラゲナーゼをコードするDNA断片(1611bp)と直鎖状発現ベクターpNY326とをモル比2:1で混合後、新Tris−PEG法にてコンピテントセルに導入するとともにブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31−SP3株を形質転換しプラスミドpNY326−Col.60および組換え体を作製した。
同様にして、以下のプライマーセットを使用して、上記配列番号4のペプチド配列から誘導された当該コラゲナーゼ遺伝子の部分配列(長さ1677bp)を、PCR反応を使って単離した。プライマーの配列のうち、直鎖状ベクターの両端の配列と相同な配列を下線で示す。
プライマー:
Fwd:CCCATGGCTTTCGCTGCGGTTGAACAGTGTGATCT(配列番号12)
Rvs:CATCCTGTTAAGCTTAGGTATTACCACCAGATTCA(配列番号13)
次いで、上記と同様にして直鎖状発現ベクターpNY326を調製し、配列番号4のリコンビナント62kDaコラゲナーゼをコードするDNA断片(1677bp)を含むプラスミドpNY326−Col.62および組換え体を作製した。上記により、3種のブレビバチルス・チョウシネンシス組換え体を作製した。
前記3種のブレビバチルス・チョウシネンシス組換え体をそれぞれ100mlの2SYN培地(20g/Lグルコース、40g/L Bacto Soytone、5g/L Bacto Yeast Extract、0.15g/L CaCl・2HO、50μg/mLネオマイシン)中で、30℃、48時間培養した。グリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼ遺伝子産物を含む培養液を遠心し、得られた上清を0.2μmフィルターで濾過滅菌した。次いで、上清をHPLCシステムにて精製・分画した。HPLCシステムは、DEAE−Sepharoseを用いた陰イオン交換カラムクロマトグラフィーにより行った。各培養上清をカラムに供してコラゲナーゼを吸着させた後、NaCl濃度を0.2から1Mまで連続的に上げながら、50mMのビストリスHCl緩衝液(pH7)を流し、コラゲナーゼを分離溶出させた。溶出液を溶出順に4mlずつ採取し、分画した。ついで、限外濾過により30kDa以下のものを除去し、0.2MのNaClと5mMのCaClを含む4℃の50mMトリスHCl緩衝液で透析し、精製した74kDaコラゲナーゼ、リコンビナント62kDaコラゲナーゼおよびリコンビナント60kDaコラゲナーゼを得た。
精製酵素のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動図を図2に示す。74kDaは、74kDaコラゲナーゼ、62kDaは、リコンビナント62kDaコラゲナーゼ、60kDaはリコンビナント60kDaコラゲナーゼを示す。
(実施例2)
実施例1で得た74kDaコラゲナーゼ、リコンビナント62kDaコラゲナーゼおよびリコンビナント60kDaコラゲナーゼの比活性の経時変化を下記方法で測定した。測定結果を図3に示す。74kDaは、精製直後に18,000(U/mg)の活性であったが24時間後には11,500(U/mg)に低減し、活性が経時的に低下した。これに対し、リコンビナント62kDaコラゲナーゼおよびリコンビナント60kDaコラゲナーゼは、精製直後から24時間時に至るまで、いずれも12,000(U/mg)前後で推移し、コラゲナーゼ活性が安定していた。
コラゲナーゼの比活性測定:蛍光標識したI型コラーゲン(FITC−コラーゲン)0.05%、5mMのCaCl、200mMのNaClを含む50mMのトリスHCl(pH7.5)にコラゲナーゼ0.5μgを混合して30℃に加温した。30分後、EDTAを添加して酵素反応を停止した。反応液に等量の70%のエタノールを含有する50mMのトリスHCl(pH9.5)を添加して分解物を抽出し、蛍光分光光度計で蛍光強度を測定した。図中1ユニット(U)はコラーゲン1μgを30℃、1分間で分解する活性を意味する。
(実施例3)
実施例1で得たリコンビナント62kDaコラゲナーゼを、温度4℃で保存した際の比活性の経時変化を評価した。0日目の比活性値を100%とした時の相対値を図4に示す。図4に示すように、100日間に亘り、高い比活性を安定に維持することができた。なお、リコンビナント60kDaコラゲナーゼも同様の安定性を示した。
(実施例4)
実施例1で得たリコンビナント62kDaコラゲナーゼを用いて膵臓消化実験を行った。マウスより膵臓を単離し、HBSSバッファー1mlに、リコンビナント62kDaコラゲナーゼを0.00625〜0.20mgと、サーモリシン(ロシュアプライドサイエンス社製、商品名「リベラーゼC/T」の内包品)0.012mgとを含む酵素液を膵管より注入し、37℃で15分間インキュベートした。その後、目開き1mmメッシュを通過した画分(分解組織)と、メッシュ上に残った画分(非分解組織)のタンパク量を測定した。酵素液に含まれるリコンビナント62kDaコラゲナーゼの濃度に依存して、分解組織量が増加し、それに伴い非分解組織量が低減した。結果を図5に示す。図5に示すように、リコンビナント62kDaコラゲナーゼの濃度が0.05mg/mlで反応はプラトーに達した。
(実施例5)
実施例4と同様に、実施例1で得たリコンビナント62kDaコラゲナーゼを用いて膵臓消化実験を行い、分解して得た膵島の個数を測定し、IEQ(Islet Equivalent:直径が150μmの膵島を1と規定する、膵島の体積を示す国際単位)を評価した。リコンビナント62kDaコラゲナーゼの濃度の相違による膵島の個数の結果を図6Aに、IEQの結果を図6Bに示す。また、単離された膵島の光学顕微鏡写真を図7に示す。
(比較例1)
実施例1で得たリコンビナント62kDaコラゲナーゼに代えてクロストリジウム属由来のコラゲナーゼ(ロシュアプライドサイエンス社製、商品名「リベラーゼC/T」)を使用した以外は、実施例5と同様に操作し、膵島の個数およびIEQを評価した。結果を図6A、図6Bに併せて記載する。実施例1で得たリコンビナント62kDaコラゲナーゼは、従来の市販品と同様に、膵臓組織から膵島を分離することができた。
(実施例6)
実施例5で得た膵島を、STZ誘導糖尿病マウスの腎皮膜下に移植し、経時的に血糖値を測定した。膵島を移植しなかったコントロール群(n=3:STZ−1、STZ−2、STZ−3)では、高血糖値を示したのに対し、膵島移植群(n=5:STZ/islet−1〜STZ/islet−5)では、移植後すぐに血糖値が正常レベルにまで低下した。移植後39日目に膵島を移植した腎臓を摘出すると、血糖値が再び上昇した。結果を図8Aに示す。摘出した膵島移植腎とその部分拡大写真を図8Bの左端の上下2段に示す。また、摘出した膵島移植腎のヘマトキシリン・エオジン染色(H&E染色)を行ったところ腎皮膜下に膵島が確認され、さらには抗インシュリン抗体で膵島が染色された(図8B)。これらは、実施例1で得たリコンビナント62kDaコラゲナーゼにより、膵島機能が保持された膵島が単離できたことを示すものである。
(実施例7)
実施例1で得たリコンビナント62kDaコラゲナーゼを用いて肝臓消化実験を行った。麻酔したラットの肝臓をHBSSバッファー潅流下に脱血してカルシウムを除去し、次いで肝臓内にリコンビナント62kDaコラゲナーゼ0.05mg/mlとサーモリシン0.01mg/mlとを10分間潅流してカルシウムを添加した後、肝臓を摘出した。摘出肝臓を氷冷し、メスで細切し、ガーゼおよびストレイナーでろ過した。死細胞を除去した後に肝臓細胞を遠心回収した。肝細胞の位相差顕微鏡写真を図9に示す。この肝細胞を7日間培養したところ、生存率は98%であった。
(実施例8)
実施例1で得たリコンビナント62kDaコラゲナーゼのコラーゲン線維への結合能と、洗浄後コラーゲン線維に残留するコラゲナーゼ活性を評価した。
豚皮コラーゲン線維5mgと400μlの0.2MのNaCl、5mMのCaClを含むトリスHCl緩衝液(pH7.5)とをフィルターを内蔵するスピンカラムに入れ、10,000rpmで2分間の遠心を行い、コラーゲン線維を前記緩衝液で洗浄して全5回の遠心分離を行った。
洗浄液を廃棄し、前記スピンカラムのフィルター上のコラーゲン線維に酵素混合液(リコンビナント62kDaコラゲナーゼを0.2mg/ml、オボアルブミンを0.2mg/ml、オルトフェナントロリンを4mM、NaClを0.2M、CaClを5mM含むトリスHCl緩衝液(pH7.5))100μlを添加し、4℃で30分静置し、コラーゲン線維にリコンビナント62kDaコラゲナーゼを結合させた。
次いで、10,000rpmで2分間の遠心分離を行い、前記フィルター上のコラーゲン線維とフィルターを通過した混合液とに分離した。この混合液の一部を、SDS−PAGEで分析した。なお、比較のために豚皮コラーゲン線維を添加せず、上記と同様に処理して得た混合液も、SDS−PAGEで分析した。結果を図10Aの「混合液/コラーゲン線維「−」、「+」」で示す。リコンビナント62kDaコラゲナーゼのバンドは、「+」で薄く「−」で濃くなった。リコンビナント62kDaコラゲナーゼは、コラーゲン線維と混合すると、コラーゲン線維に結合することが示された。なお、図10においてMはマーカーを示す。
次いで、スピンカラム内のコラゲナーゼが結合したコラーゲン線維を2mlチューブに回収し、0.2MのNaCl、5mMのCaCl、0.1mg/mlのコラーゲンペプチド、4mMのオルトフェナントロリンを含むトリスHCl緩衝液(pH7.5)を加え、4℃で10分間静置した後、10,000rpmで2分間の遠心を行い、沈殿物を前記コラーゲンペプチド含有緩衝液で洗浄して全5回の遠心分離を行った。5回の洗浄上清をそれぞれSDS−PAGEで分析した。結果を図10Aの「酵素結合コラーゲン線維のコラーゲンペプチド洗浄上清/1,2,3,4,5」で示す。数値は、上清の洗浄回数を示す。洗浄1回目から5回目に亘りいずれもリコンビナント62kDaコラゲナーゼのバンドが薄く、コラーゲン線維に結合したリコンビナント62kDaコラゲナーゼは、コラーゲンペプチドで洗浄してもコラーゲン線維に残留することが示された。
また、遠心分離によって得たコラゲナーゼが結合したコラーゲン線維に、500μlの0.2MのNaCl、5mMのCaCl、2μg/mlのZnSO・7HOを含むトリスHCl緩衝液を添加し、37℃で静置した。静置開始時、開始後1時間、3時間、5時間、7時間、17時間、20時間後に目視にて観察した。2mlチューブの底部に集められたコラーゲン線維の経時変化を図11に示す。また、静置20時間後の上清を、SDS−PAGEで分析した。SDS−PAGEの結果を図10A、「洗浄後線維上清/20h」に示す。静置20時間後の上清はコラーゲン分解物のバンドが濃く出現し、コラーゲン線維に結合したコラゲナーゼは、洗浄してもコラーゲン線維に残留し、コラゲナーゼ活性を発揮することが示された。なお、「洗浄後線維上清/20h」には、コラーゲン分解物のバンドと共に62kDaのバンドが濃く出現し、コラーゲン分解後に速やかにコラゲナーゼが分離することが示された。
(比較例2)
リコンビナント62kDaコラゲナーゼに代えて同量のクロストリジウム属由来のコラゲナーゼ(ロシュアプライドサイエンス社製、商品名「リベラーゼC/T」)を用いた以外は実施例8と同様に操作した。結果を図10Bおよび図11に示す。
図10Bに示すように、コラーゲン線維が存在する「+」のカラムではリベラーゼのバンドが薄いためリベラーゼがコラーゲン線維と結合すること、コラゲナーゼ結合コラーゲン線維をコラーゲンペプチドで洗浄した際の洗浄上清は、洗浄1〜5に亘りリベラーゼのバンドが薄く、コラゲナーゼはコラーゲンペプチドで洗浄してもコラーゲン線維に残留すること等は、リコンビナント62kDaコラゲナーゼと同じ傾向を示した。
一方、図11に示すように、コラーゲン線維に残留するコラゲナーゼの酵素活性は、リコンビナント62kDaコラゲナーゼとリベラーゼとの間に相違が観察された。図11において、残留酵素のコラゲナーゼ活性が高いほど、コラーゲン線維量が速やかに低減する。コラーゲン線維量が低減する程度は、コンビナント62kDaコラゲナーゼの方がリベラーゼよりも低い。膵島分離などの処理においては、残留酵素によって細胞障害が生じるため、膵島単離後は、酵素が残留しないことや、残留酵素が存在してもコラゲナーゼ活性が低減されていることが好ましい。図10Aおよび図10Bに示すように、リコンビナント62kDaコラゲナーゼとリベラーゼとはコラーゲン線維に結合し、これをコラーゲンペプチドで5回に亘って洗浄しても一部はコラーゲン線維に残存する。しかしながら、残留する酵素の活性は両者間で相違し、リコンビナント62kDaコラゲナーゼのコラゲナーゼ活性はリベラーゼよりも低減していた。詳細は不明であるが、リコンビナント62kDaコラゲナーゼは、リベラーゼと相違してコラーゲン線維と結合する「CBD」を有しないことが一因と推定される。「CBD」が存在しないためコラーゲン線維との結合が緩く、残留酵素によるコラゲナーゼ活性に差が生じた可能性がある。
(実施例9)
実施例1で得たリコンビナント62kDコラゲナーゼおよびクロストリジウム属由来のコラゲナーゼ(ロシュアプライドサイエンス社製、商品名「リベラーゼC/T」)の、蛍光標識したI型コラーゲン(以下、FITC−コラーゲンと称す。)および合成基質N−(3[2−furyl]acryloyl)−Leu−Gly−Pro−Ala(以下、FALGPAと称す。)に対する分解活性を評価した。
FITC−コラーゲンは、0.2MのNaCl、5mMのCaClを含む50mMのTris−HCl(pH7.5、30℃)緩衝液を使用し、FALGPAには0.4MのNaCl、40mMのCaClを含む50mM トリシン(pH7.5、30℃)を使用した。FITC−コラーゲンを基質とする場合には上記コラゲナーゼを0.5μg添加し、FALGPAを基質とする場合には、リコンビナント62kDコラゲナーゼを1.0μg、またはリベラーゼC/Tを2.5μg添加した。マイクロプレートリーダーにてFALGPAを検出および定量し、FALGPA分解活性を評価した。反応系1mlにおいて、1mgの酵素が1分あたり1μmoleの前記ペプチドを分解する活性を比活性1U/mgとし算出し、得られた比活性を表1に示した。リコンビナント62kDコラゲナーゼは、コラーゲンを分解できるだけでなく、合成基質FALGPAに対する分解活性に優れるため、コラーゲンのみならずゼラチン分解性にも優れることが示唆された。
(実施例10)
実施例1で得たリコンビナント62kDaコラゲナーゼを用いて、I型、II型、III型、IV型、V型、およびVI型コラーゲンに対する活性を評価した。0.5mg/mlの上記コラーゲンに、0.2MのNaClと5mMのCaClとを含有する50mMのTris−HCl緩衝液(pH7.5)に溶解した1μg/mlのコラゲナーゼを添加し、30℃でインキュベートし、インキュベート開始時、1時間後、3時間後、5時間後にサンプルを分取し、電気泳動で分析した。また、比較のため、クロストリジウム属由来のコラゲナーゼ(ロシュアプライドサイエンス社製、商品名「リベラーゼC/T」)を用いて同様の操作を行った。結果を図12に示す。なお、図12において、62kDaは、リコンビナント62kDaコラゲナーゼを使用したカラムを、リベラーゼは、クロストリジウム属由来のコラゲナーゼを用いたカラムを示す。
I型コラーゲンでは、α1(I)およびα2(I)の3時間後、5時間後のバンドの消失の程度から、リコンビナント62kDaコラゲナーゼの方がリベラーゼよりも迅速にI型コラーゲンを分解していると推定された。この傾向は、II型、III型、IV型、V型、VI型コラーゲンでも同様に観察された。特にIV型およびV型コラーゲンは、リコンビナント62kDaコラゲナーゼを用いて3時間、または5時間反応させるとバンドが薄くなるのに対し、リベラーゼではバンドが消失していない。VI型コラーゲンは、リコンビナント62kDaコラゲナーゼを用いて72時間反応させるとバンドが薄くなるのに対し、リベラーゼではバンドが消失していない。リコンビナント62kDaコラゲナーゼは、リベラーゼで分解が容易でないコラーゲンも分解できる可能性が示唆された。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
本発明は2014年3月6日に出願された日本国特願2014−044205号に基づく。本明細書中に日本国特願2014−044205号の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。
本発明によれば、比活性が安定なリコンビナントコラゲナーゼおよび当該リコンビナントコラゲナーゼを含む細胞分離用酵素剤が提供され、有用である。
NITE BP−00739

Claims (4)

  1. N末端からC末端に向かって、コラゲナーゼ触媒ドメインと、リンカー領域配列と、プレペプチダーゼC末端ドメインとを含むグリモンティア・ホリセー由来コラゲナーゼに由来するリコンビナントコラゲナーゼであって、
    少なくとも前記コラゲナーゼ触媒ドメインを含み、前記プレペプチダーゼC末端ドメインを含まず、
    前記リンカー領域配列のC末端は、−G −X −Y −G −X −Y −(式中、G とG とはグリシンを示し、X 、Y 、X およびY は、それぞれ同一でも異なっていてもよいアミノ酸残基を示す。)で示すアミノ酸配列のY とG との間で切断されたものである前記リコンビナントコラゲナーゼを含む、細胞分離用酵素剤。
  2. 前記リンカー領域配列のC末端は、−Gly−Asp−Ser、−Gly−Asn−Glu、−Gly−Glu−Ser、または−Gly−Asn−Thrのいずれかである、請求項1記載の細胞分離用酵素剤
  3. 膵島、肝臓、心臓、肺、腎臓、脾臓、副腎、筋肉、甲状腺、唾液腺、耳下腺腺房、乳腺組織、骨、軟骨、内皮細胞、上皮細胞、脂肪組織および繊維芽細胞からなる群から選択される1以上の細胞の分離に使用されることを特徴とする、請求項1または2に記載の細胞分離用酵素剤。
  4. ラーゲンIV、コラーゲンV、またはコラーゲンVIを分解するための、請求項1〜3のいずれかに記載の細胞分離用酵素剤。

JP2016506205A 2014-03-06 2015-03-06 細胞分離用酵素剤 Active JP6661072B2 (ja)

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