JP6660648B1 - 表皮材 - Google Patents

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Abstract

【課題】表皮材のシングル緯編地が、複数本の糸を引き揃えてのプレイティング編組織を備える等して、「糸量の低減」などを実現する。【解決手段】椅子C’等のインテリア品Cを覆う表皮材1である。表皮材1はシングル緯編地2を有し、シングル緯編地2は複数本の糸3を引き揃えてのプレイティング編組織4を備えている。複数本の糸3中の熱融着糸3aはシングル緯編地2の一方面2a寄りに位置したり、熱融着糸3aの含有率Xが5%以上であったり、複数本の糸3中の表皮糸3bはシングル緯編地2の他方面2b寄りに位置したり、シングル緯編地2は、伸止部5や、かの子編組織6を備えたり、一体編成されたり、その一方面2aにバッキング樹脂7が付着されたり、シングル緯編地2の一方面2a側の一方剛軟度Gaと、他方面2b側の他方剛軟度Gbの剛軟度差ΔGが、シングル緯編地2の緯方向で12mm以下、経方向で25mm以下等でも良い。【選択図】図2

Description

本発明は、椅子等のインテリア品を覆う表皮材に関する。
従来、自動車用シートや椅子等の内装品を覆う内装材用の複合布帛が知られている(特許文献1)。
この複合布帛は、長繊維及び/又は短繊維を用いて編立てられる両面丸編地を含む複合布帛であって、前記両面丸編地はN本(N≧2)の糸で同一編み目を形成する多重ニット編み目を備え、該多重ニット編み目を形成する前記N本の糸のうち1本以上、(N−1)本以下の糸とタック編み目で連結したリブ糸を有しており、かつ前記両面丸編地には合成樹脂のコーティング及び/又はラミネート及び/又は含侵がされている。
特開2019−52391号公報
しかしながら、特許文献1の図3や段落0065に開示されたように、特許文献1の複合布帛を構成する両面丸編地は、ダブルニット編地であるため、両面(表面と裏面)の編地間を連結する糸の分だけ、所定面積当たりにおいて、内装材として表面に露出しない糸の量が増える。
又、特許文献1の複合布帛は、ダブルニット編地の編機の針が2列必要となり、シングルニット編地の編機と比べて1列分の針が余計に必要となるため、1列分の針だけ、編機が大型化・複雑化・高価格化する。
本発明は、このような点に鑑み、表皮材のシングル緯編地が、複数本の糸を引き揃えてのプレイティング編組織を備える等によって、「糸量の低減」などを実現する表皮材を提供することを目的とする。
本発明に係る表皮材1は、インテリア品を覆う表皮材であって、当該表皮材は、シングル緯編地を有し、前記シングル緯編地は、複数本の糸を引き揃えてのプレイティング編組織を備え、前記複数本の糸は、所定の割合で熱融着性部分を有した熱融着糸を含み、前記熱融着糸は、前記シングル緯編地の一方面寄りに位置していることを第1の特徴とする。
本発明に係る表皮材1の第の特徴は、上記第の特徴に加えて、前記シングル緯編地において含有される熱融着糸の含有率は、5%以上である点にある。
発明に係る表皮材1の第の特徴は、上記第1又は2の特徴に加えて、前記複数本の糸は、前記熱融着糸より低い割合で熱融着性部分を有した表皮糸も含み、前記表皮糸は、前記シングル緯編地の他方面寄りに位置している点にある。
本発明に係る表皮材1の第の特徴は、上記第1〜の特徴に加えて、前記シングル緯編地は、伸止部が設けられている点にある。
本発明に係る表皮材1の第の特徴は、上記第1〜の特徴に加えて、前記シングル緯編地は、かの子編組織を備えている点にある。
尚、かの子編組織6は、鹿の子編組織6とも言う。
本発明に係る表皮材1の第の特徴は、上記第1〜の特徴に加えて、前記シングル緯編地は、当該表皮材として一体編成されたシングル緯編地である点にある。
本発明に係る表皮材1の第の特徴は、上記第1〜の特徴に加えて、当該表皮材は、前記シングル緯編地の一方面に付着したバッキング樹脂を有している点にある。
本発明に係る表皮材1の第の特徴は、上記第1〜の特徴に加えて、当該表皮材は、前記シングル緯編地の一方面を上にして測定したJIS−L−1096:2010(8.21.1 A法(45°カンチレバー法))に準じる一方剛軟度と、前記シングル緯編地の他方面を上にして測定したJIS−L−1096:2010(8.21.1 A法(45°カンチレバー法))に準じる他方剛軟度の剛軟度差が、前記シングル緯編地の緯方向で12mm以下であり、且つ、前記シングル緯編地の経方向で25mm以下である点にある。
本発明に係る表皮材1の第の特徴は、上記第1〜7の特徴に加えて、当該表皮材は、前記シングル緯編地の緯方向及び経方向において、前記シングル緯編地の一方面を上にして測定したJIS−L−1096:2010(8.21.1 A法(45°カンチレバー法))に準じる一方剛軟度と、前記シングル緯編地の他方面を上にして測定したJIS−L−1096:2010(8.21.1 A法(45°カンチレバー法))に準じる他方剛軟度の大小関係が揃っている点にある。
これらの特徴により、表皮材1のシングル緯編地2が、複数本の糸3を引き揃えてのプレイティング編組織4を備えることによって、特許文献1とは異なり、両面(表面と裏面)の編地間を連結する糸の部分がないため、所定面積当たりにおいて、表皮材1として表面1b等に露出しない糸の量を(全体として使用する糸量も)低減できる(「糸量の低減」)。
その他、ダブルニット編地より編組織が簡素となったり(「編組織の簡素化」)、ダブルニット編地の編機において、針が1列分少なくなるため、編機を小型化・簡素化・低価格化できるとも言える。
又、複数本の糸3に含まれる熱融着糸3aを、シングル緯編地2の一方面2a寄りに位置させることによって、例えば、当該一方面2aを、表皮材1において露出しない側の面(非露出面、裏面)1aとしても、表皮材1における耐久性(摩耗強さなど)が向上する(「耐久性の向上」)。
更に、シングル緯編地2における熱融着糸3aの含有率を5%以上とすることによって、表皮材1における摩耗強さなどの耐久性を更に向上できる(更なる「耐久性の向上」)。
そして、複数本の糸3に含まれる表皮糸3bを、シングル緯編地2の他方面2b寄りに位置させることによって、当該他方面2bを、表皮材1において露出する側の面(露出面(表面)1b側)とすれば、表皮材1(シングル緯編地2)が熱セット等の加工を経ても、表皮材1の露出面1bにおいて柔らかい風合いを保つことが可能となり(「風合いの確保」)、表皮材1の露出面1bにおいて、表皮糸3bとして、意匠性の高い糸(意匠糸とも言う)を選択することもできる(「意匠性の向上」)。
これらに加えて、シングル緯編地2に伸止部5を設けることによって、表皮材1における摩耗強さなどの耐久性を更に向上できる(更なる「耐久性の向上」)。
更に加えて、シングル緯編地2が、かの子編組織6を備えることによって、表皮材1における摩耗強さなどの耐久性を、更にもう一段階向上できる(もう一段階上の「耐久性の向上」)。
その他、表皮材1のシングル緯編地2の一方面2aにバッキング樹脂7を付着させることによっても、表皮材1における摩耗強さなどの耐久性を更に向上できる(更なる「耐久性の向上」)。
その他、シングル緯編地2を表皮材1として一体編成することによって、複数の表皮材用の生地を縫製する等の縫製工程が生じないため、この工程がない分だけ製造効率が向上する(「製造効率の向上」)。
そして、ここまで述べた特徴は、シングル緯編地2の一方面2aを上にして測定した一方剛軟度Gaと、シングル緯編地2の他方面2bを上にして測定した他方剛軟度Gbの剛軟度差ΔGを、シングル緯編地2の緯方向(コース方向とも言う)で12mm以下、且つ、経方向(ウエール方向とも言う)で25mm以下とさえすれば良いとも言え、この特徴により、シングル緯編地2の一方面2aを、表皮材1において露出しない側の面(非露出面、裏面)1aとした際に、両面(表面と裏面)の編地間を連結する糸の部分をなくしても(「糸量の低減」)、表皮材1における「耐久性の向上」が図れると共に、表皮材1の端部(耳部(シングル緯編地2が袋状や筒状等であれば開口部)とも言う)におけるカールを抑制できる(「耳カールの抑制」)。
尚、シングル緯編地2の緯方向及び経方向において、一方剛軟度Gaと他方剛軟度Gbの大小関係が揃っていても、「糸量の低減」や「耐久性の向上」、「耳カールの抑制」が図れるとも言える。
本発明に係る表皮材によると、表皮材のシングル緯編地が、複数本の糸を引き揃えてのプレイティング編組織を備える等によって、「糸量の低減」などを実現できる。
本発明に係る表皮材とインテリア品を例示する概要図であって、(a)はインテリア品が椅子の場合を例示する概要斜視図であり、(b)はインテリア品が内装材の場合を例示する概要断面図である。 表皮材におけるシングル緯編地(プレイティング編組織)を示し、(a)はシングル緯編地の平面図であり、(b)はシングル緯編地の断面図であり、(c)はバッキング樹脂が一方面に付着したシングル緯編地の断面図である。 シングル緯編地における伸止部を示し、(a)は伸止部の断面図であり、(b)は伸止部がない場合の状態を示す概要図であり、(c)は伸止部がある場合の状態を示す概要図である。 シングル緯編地におけるかの子編組織などタック編組織を備えたシングル緯編地を示し、(a)はかの子編組織を示す平面図であり、(b)はタック編組織と平編組織(プレイティング編組織)を示す平面図である。 表皮材の具体例(伸止部、かの子編組織が共にない具体例1〜6)が摩耗強さを評価する試験1を終えた後の平面図及び拡大図を示す図面代用写真であって、(a)は具体例1であり、(b)は具体例2であり、(c)は具体例3であり、(d)は具体例4であり、(e)は具体例5であり、(f)は具体例6である。 表皮材の具体例(伸止部、かの子編組織の何れかを有した具体例7〜11)が摩耗強さを評価する試験1を終えた後の平面図及び拡大図を示す図面代用写真であって、(a)は具体例7であり、(b)は具体例8であり、(c)は具体例9であり、(d)は具体例10であり、(e)は具体例11である。 試験3の結果を示すグラフであって、熱融着糸の含有率と一方剛軟度及び他方剛軟度との関係については、(a)はシングル緯編地の緯方向におけるグラフであり、(b)はシングル緯編地の経方向におけるグラフであり、熱融着糸の含有率と一方剛軟度及び他方剛軟度の増加率の関係について、(c)はシングル緯編地の緯方向におけるグラフであり、(d)はシングル緯編地の経方向におけるグラフである。
<表皮材1の全体構成>
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1〜6には、本発明に係る表皮材1が示されており、この表皮材1は、椅子C’等のインテリア品Cを覆うシート状の部材(カバー部材)であり、表皮材1は、インテリア品Cを覆った際に、インテリア品Cの表面に露出している部材であるとも言える。
以下はまず、表皮材1が覆うインテリア品Cについて述べる。
<インテリア品C、椅子C’>
図1に示したように、インテリア品Cは、自動車(乗用車)や鉄道車両、航空機、船舶等の乗り物の内部(室内)における椅子や内装材(内壁材、天井材、床材など)をはじめ、特に、自動車であれば、カーシート(椅子)や、オーナメント(ドアトリム)、アームレスト、シートベルト格納カバー、ダッシュボード、グローブボックス、インストルメントパネル、コンソールボックスなどの自動車の内装材(内壁材、天井材、床材も含む)等を意味する。
インテリア品Cは、上述した自動車等の乗り物の内部だけでなく、家屋やビル等の建物の内部における椅子やベッド等の家具類や、壁材、天井材、床材等の内装材、照明器具などであっても良い。
以下は、インテリア品Cとして、主に椅子(特に、カーシート)C’であるとして述べる。
インテリア品Cの1つである椅子C’は、ドライバーや乗客、事務員などの使用者が着座するものであって、上述した乗用車のカーシートの他、使用者が着座できるのであれば、オフィスチェアや、リラックスチェアラウンジチェア、ダイニングチェア、スツール、ベンチ等であっても良い。
椅子C’は、その形状、色、素材など特に限定はなく、又、ヘッドレストや肘掛、背凭れの有無も問わない。
以下、椅子C’は、主にカーシートであるとして述べる。
図1(a)に示したように、カーシートなどの椅子C’は、座部C1’や背凭れ部C2’を有している。
ここで、椅子C’の座部C1’は、ドライバー等の使用者が着座した際に、当該使用者(特に、臀部から大腿部等にかけての下半身)を下方から支える部分であって、この座部C1’と使用者が接触する部分(通常は、左右方向略中央で且つ前後方向所定範囲の部分)は、凹んで(下方に湾曲して)いる。
座部C1’と使用者が接触しない部分(通常は、左右方向各端部分)は、逆に隆起して(上方に湾曲して)いるとも言える。
又、椅子C’の背凭れ部C2’は、ドライバー等の使用者が着座した際に、当該使用者(特に、臀部から背中等にかけての背面側)を略後方から支える部分であって、この背凭れ部C2’と使用者が接触する部分(通常は、左右方向略中央で且つ略上下(鉛直)方向所定範囲の部分)は、凹んで(略後方に湾曲して)いる。
尚、背凭れ部C2’と使用者が接触しない部分(通常は、左右方向各端部分(サイド部分))は、逆に隆起して(上方に湾曲して)いるとも言える。
図1(b)に示したように、インテリア品Cが椅子C’以外のものにおいて、例えば、インテリア品Cが内装材C”の1つであるドアトリムである場合、ドライバー等の使用者が室内からドアを開閉する際に把持する把持部が設けられており、この把持部が把持し易くする凹みや隆起(突起)があっても良い。
その他、インテリア品Cがその他の内装材(その他の内壁材や天井材等)C”である場合も、装飾や模様による凹み及び/又は隆起(突起)である。
<表皮材1>
図1〜6に示したように、表皮材1は、上述した椅子C’等のインテリア品Cを覆うものである。
表皮材1は、椅子C’等のインテリア品C全体を覆っていても良いが、インテリア品Cの少なくとも一部を覆っていれば良く、例えば、椅子C’であれば、座部C1’のみを覆ったり、背凭れ部C2’のみを覆うなど、複数の部材に分かれて座部C1’と背凭れ部C2’の両方を覆うなど何れの構成であっても構わない。
表皮材1は、後述するシングル緯編地2を有している。
表皮材1は、シングル緯編地2の一方面2aに付着したバッキング樹脂7を有していても良い。
表皮材1の厚さは、何れの値でも良いが、例えば、0.1mm以上30.0mm以下、好ましくは0.5mm以上10.0mm以下、更に好ましくは1.0mm以上5.0mm以下であっても良い。
表皮材1は、所望により、酸化チタン、炭酸カルシウム等の体質顔料やフィラー(充填材)を任意に添加したり、消臭剤、抗菌剤、防カビ剤、難燃剤、撥水剤、防汚剤、着色剤、香料、発泡剤等を添加した素材(繊維)を用いたり、表皮材1を、編成されたシングル緯編地2とした後に処理しても良い。
表皮材1は、その模様については、無地や、花や草木などの植物の柄、動物の柄、幾何学模様、表面凹凸等による模様など何れでも良い。表皮材1の色彩についても、青色系、黒色系、白色系、灰色(グレー)系、赤色系、橙色系、黄色系、緑色系、紫色系など何れの色調でも良く、彩度や明度についても何れの値でも構わない。
尚、表皮材1の「表面1b」とは、椅子C’や内装材C”等のインテリア品Cを覆った時に露出する側の面であるとも言える。
逆に、表皮材1の「裏面1a」とは、椅子C’や内装材C”等のインテリア品Cを覆った時に露出しない側の面であるとも言える。
このような表皮材1は、椅子C’等のインテリア品Cを覆うことが出来るのであれば、何れの覆い方(被せ方)でも良いが、例えば、表皮材1が略袋状や略筒状であり、且つ、インテリア品Cが椅子C’である場合であれば、当該椅子C’に対して、一体形成された緯編地である表皮材1の緯方向が、椅子C’における左右方向に略沿うように、表皮材1を縦に被せて(つまり、背凭れ部C2’の上方側から被せたり、座部C1’の前方側から被せて)も良い。
この場合、当該椅子C’に対して、表皮材1の緯方向を、椅子C’における上下方向又は前後方向に略沿うように、表皮材1を横に被せて(つまり、背凭れ部C2’の左右一方側から被せたり、座部C1’の左右一方側から被せて)も良い。
又、表皮材1がシート状であり、且つ、インテリア品Cが内装材C”である場合であれば、当該内装材C”に対して、一体形成された緯編地である表皮材1の緯方向は、内装材C”における左右方向や上下方向、前後方向、バイアス方向(斜め方向)などの何れかの方向に略沿うように、表皮材1で覆っても良い。
その他、表皮材1は、後述する面ファスナ3を用いて椅子C’等のインテリア品Cに付着されたり、紐等の着脱部材やポケットなどを有していても良く、椅子C’等に対して着脱可能(取り外し可能)であっても構わない。
<シングル緯編地2>
図2〜6に示したように、シングル緯編地2は、上述した表皮材1が有するものであって、複数本の糸3を引き揃えてのプレイティング編組織4を備えている。
シングル緯編地2は、伸止部5が設けられていたり、かの子編組織(鹿の子編組織)6を備えていたり、表皮材1として一体編成されていても良い(例えば、図1(a)参照)。
シングル緯編地2は、当該シングル緯編地2全体がプレイティング編組織4を備えていても良い。一方、シングル緯編地2は、当該シングル緯編地2全体がプレイティング編組織4を備えていなくとも良く、例えば、シングル緯編地2の端部(耳部、又は、シングル緯編地2が袋状や筒状等であれば開口部)2Aなど、シングル緯編地2の一部だけが、プレイティング編組織4を備えていても構わない。
シングル緯編地2は、シングルニット丸編地を含む。
シングル緯編地2は、伸縮可能であったり、所定方向に伸長した時に当該所定方向に沿って収縮する向きに力が生じるとも言える。
シングル緯編地2は、椅子C’等のインテリア品Cを覆うことが出来るのであれば、その形状や構成に特に制限はないが、例えば、椅子C’である場合には、シングルニット丸編地であっても良く、その形状は、略袋状(開口部1Aが1つのみ)であったり、略筒状(開口部1Aが正対する位置に2つ)であったり、その他、開口部1Aが3つ以上ある形状(基本的な形状は、略袋状又は略筒状)であっても構わない。
これらの開口部1Aを介して、例えば、椅子C’とその台座を連結する部材を通したり、ヘッドレスト等の部材を通しても良い。
尚、シングル緯編地2がシングルニット丸編地である場合、その開口部は、上述した端部(耳部)2Aであるとも言える。
インテリア品Cが内装材C”である場合も、シングル緯編地2は、その形状や構成に特に制限はないが、例えば、シングル緯編地2は、丸編地ではない緯編地であって、その形状は、シート状等であっても良い。
シングル緯編地2は、所定の編機によって編成(形成)されていたり、手編みによって編成されていても良い。尚、この編成は、インテリア品Cの形状や凹凸に応じて、シングル緯編地2を一体編成することも含む。
以下は、シングル緯編地2は、主に所定の編機によって編成されているとして述べる。
又、シングル緯編地2を構成(編成)する糸(後述する複数本の糸3を含む糸)の繊度も、何れの値でも良いが、例えば、総繊度で、20dtex以上3000dtex以下であっても良い。
シングル緯編地2の厚さは、上述した表皮材1と同様に、何れの値でも良いが、例えば、0.1mm以上30.0mm以下、好ましくは0.5mm以上10.0mm以下、更に好ましくは1.0mm以上5.0mm以下であったり、表皮材1の一方面1a(シングル緯編地2の一方面2a)に層状のバッキング樹脂7が形成されている場合には、0.09mm以上30.00mm以下、好ましくは0.1mm以上10.0mm以下、更に好ましくは0.5mm以上5.0mm以下であっても良い。
<複数本の糸3>
図2〜6に示したように、複数本の糸3は、上述したシングル緯編地2に使用される糸(シングル緯編地2を編成する糸)であって、後述するプレイティング編組織4において引き揃えて用いられる。
ここで、複数本の糸3とは、2本の糸3であったり、3本以上の糸3(編機において、引き揃えて編成できるほどの繊度の小さい(細い)糸などを3本以上)であっても良く、以下は、複数本の糸3は、主に2本の糸3であるとして述べる。
複数本(2本)の糸3を構成(編成)する繊維(又は糸)についても、その素材に特に限定はないが、例えば、熱可塑性の素材であるポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル繊維、ナイロン(ポリアミド)繊維、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系繊維、レーヨン繊維、キュプラ繊維、アセテート繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)を主成分とするアクリル繊維、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(ビニロン繊維)、ポリウレタン(PU)繊維(ポリウレタン弾性糸)などの合成繊維でも良く、その他、ガラス繊維、羊毛、絹などであり、これらを単独又は組み合わせて用いられても構わない。
複数本(2本)の糸3は、後述する熱融着糸3aを含んでいても良い。
又、複数本(2本)の糸3は、後述する表皮糸3bを含んでいても良い。
更に、複数本の糸3は、熱融着糸3aと表皮糸3bの両方を同時に含んでいても良く、この場合、複数本の糸3が2本の糸3であれば、2本の糸3とは、熱融着糸3aと表皮糸3bそれぞれのことを意味する。
以下は、2本の糸3は、主に熱融着糸3aと表皮糸3bをそれぞれ1本ずつ含んでいるとして述べる。
<熱融着糸3a>
熱融着糸3aは、所定の割合で熱融着性部分を有した糸であって、上述した複数本の糸3に含まれる。
熱融着糸3aは、上述したシングル緯編地2の一方面2a寄りに位置している。
尚、後述する表皮糸3bは、熱融着糸3aよりは低い割合だが、熱融着性部分を有しても良いことから、熱融着糸3aは、敢えて第1の熱融着糸3aであるとも言える。
又、シングル緯編地2の一方面2a側が表皮材1としては露出しない側(非露出面(裏面)1a側)である場合には、熱融着糸3aは、非表皮糸であるとも言える。
熱融着糸3aは、当然、熱融着性部分だけを有していても良い(つまり、熱融着糸3a中の熱融着性部分の割合が100%であっても良い)が、その他、熱融着性部分と非熱融着性部分を有していても構わない。
尚、非熱融着性部分とは、熱融着性部分より融点が高い部分であるとも言える。
熱融着糸3aにおける熱融着性部分の割合(熱融着糸3aにおける熱融着性部分の質量%など、熱融着性割合とも言う)は、特に限定はないが、例えば、30%以上(非熱融着性部分の割合は70%未満)、好ましくは40%以上(非熱融着性部分の割合は60%未満)、更に好ましくは50%以上(非熱融着性部分の割合は50%未満)、より更に好ましくは60%以上(非熱融着性部分の割合は40%未満)であっても良い。
熱融着糸3aが熱融着性部分と非熱融着性部分を有している場合、この熱融着糸3aにおける熱融着性部分と非熱融着性部分の具体的な素材の組合せは、熱融着性部分がポリエチレン(PE)樹脂で、非熱融着性部分がポリプロピレン(PP)樹脂であったり、熱融着性部分がポリエチレン(PE)樹脂で、非熱融着性部分がポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂など)や、ポリアミド(ナイロン)樹脂であったり、熱融着性部分が低融点ポリエステル樹脂で、非熱融着性部分が通常のポリエステル樹脂(高融点ポリエステル樹脂)などであっても構わない。
熱融着糸3aは、上述したように、所定の割合で熱融着性部分を有するのであれば、何れの構成でも良いが、例えば、カバリング構造や、芯鞘構造などでも良く、例えば、熱融着糸3aがカバリング構造であれば、融点がより高い非熱融着性部分である芯糸に対して、融点がより低い熱融着性部分である鞘糸を巻き付けた構造であっても構わない。
又、熱融着糸3aが芯鞘構造であれば、融点の異なる熱融着性部分と非熱融着性部分のうち、非熱融着性部分を芯とし、熱融着性部分を鞘として、1本の糸(単繊維)中に芯と鞘の状態で紡糸することで形成されていても良い。
以下は、熱融着糸3aは、主にカバリング構造であるとして述べる。
<熱融着糸3aの含有率X>
シングル緯編地2全体を編成する糸のうち、熱融着糸3aを含有している割合(熱融着糸3aの含有率X、質量%等で表される)は、特に限定はないが、例えば、その下限値が、5%以上あっても良く、好ましくは10%以上、更に好ましくは20%以上であっても構わない。
一方、熱融着糸3aの含有率Xの上限値についても、特に限定はないが、例えば、60%以下、好ましくは50%以下、更に好ましくは40%以下であっても良い。
熱融着糸3aの含有率Xの調整は、熱融着糸3aにおける非熱融着性部分の鞘糸の繊度で調整しても良い。
詳解すれば、熱融着糸3aにおいて、熱融着性部分である芯糸は同じ繊度のままで、当該芯糸をカバリングし且つ非熱融着性部分である鞘糸の繊度の値を変化させて、芯糸に対して鞘糸を太くしたり、細くすることによって(熱融着糸3aの総繊度として、例えば、55dtex、111dtex、222dtex、333dtexなど)、シングル緯編地2全体における含有率Xを調整しても良い。
又、熱融着糸3aが芯鞘構造であれば、非熱融着性部分の芯に対して、熱融着性部分の鞘の厚さを、厚くしたり、薄くすることによって、シングル緯編地2全体における含有率Xを調整しても良い。
その他、熱融着糸3aが、カバリング構造でも芯鞘構造でもなく、熱融着性部分だけを有する(熱融着糸3a中の熱融着性部分の割合が100%である)場合には、シングル緯編地2において用いられる熱融着糸3aの割合を変化させることによって、シングル緯編地2全体における含有率Xを調整しても良い。
<表皮糸3b>
表皮糸3bは、上述した熱融着糸3aより低い割合で熱融着性部分を有した糸であって、上述した複数本の糸3に含まれる。
尚、表皮糸3bにおける「熱融着糸3aより低い割合で熱融着性部分を有する」ことは、熱融着性部分を有する割合が0%であること(つまり、一切、熱融着性部分を有さないこと)を含み、この場合、表皮糸3bは、非熱融着性部分のみを有することとなる。
表皮糸3bは、上述したシングル緯編地2の他方面2b寄りに位置している。
尚、表皮糸3bは、上述した熱融着糸3aよりは低い割合だが、熱融着性部分を有しても良いことから、第2の熱融着糸3bであるとも言える。
又、表皮糸3bは、シングル緯編地2の他方面2b側が表皮材1としては露出する側(露出面(表面)1b側)である場合には、その表皮材1としての露出面1b寄りに位置することとなる。この場合、表皮糸3bは、意匠性を高め且つ熱融着糸3aより低い割合で熱融着性部分を有した糸(意匠糸)であっても良い。
表皮糸3bとしての意匠糸とは、意匠性を高める糸であれば、何れの構成でも良いが、例えば、素材や太さ、色などの異なる糸を数本(2〜5本など)を撚り合わせたり、部分的に太い部分や細い部分、ネップを形成したり、色合いや撚数などを不均一にしたりして、変化に富み装飾的な外観をもたせた糸であっても構わない。
その他、意匠糸は、色だけを変化させた糸や、形だけを変化させた糸、形と色の両方を変化させた糸などであっても良い。
意匠糸は、シングル緯編地2全体に用いても良いが、部分的に(例えば、緯糸1本〜数十本おきに位置するように編成しても良い。
尚、意匠糸は、ファンシーヤーンや、飾り糸、杢糸、霜降糸とも言える。
表皮糸3bは、当然、非熱融着性部分だけを有していても良い(つまり、表皮糸3b中の非熱融着性部分の割合が100%であっても良い)が、その他、熱融着糸3aより低い割合で熱融着性部分を有し(つまり、熱融着糸3aより高い割合で非熱融着性部分を有し)ていても構わない。
尚、表皮糸3bにおいても、非熱融着性部分とは、熱融着性部分より融点が高い部分であるとも言える。
表皮糸3bにおける熱融着性部分の割合(表皮糸3bにおける熱融着性部分の質量%など)は、熱融着糸3aより低い割合であれば、特に限定はないが、例えば、60%未満(非熱融着性部分の割合は40%以上)、好ましくは50%未満(非熱融着性部分の割合は50%以上)、更に好ましくは40%未満(非熱融着性部分の割合は60%以上)、より更に好ましくは30%未満(非熱融着性部分の割合は70%以上)であっても良い。
又、熱融着糸3aと表皮糸3bにおける熱融着性部分の割合の差(つまり、熱融着糸3aにおける熱融着性部分の割合)−(表皮糸3bにおける熱融着性部分の割合))も、特に限定はないが、例えば、5%以上、好ましくは10%以上、更に好ましくは20%以上、より更に好ましくは40%以上であっても良い。
表皮糸3bが熱融着性部分と非熱融着性部分を有している場合、この表皮糸3bにおける熱融着性部分と非熱融着性部分の具体的な素材の組合せは、上述した熱融着糸3aと同様である。
表皮糸3bは、熱融着糸3aより低い割合で熱融着性部分を有するのであれば、何れの構成でも良いが、例えば、非熱融着性部分だけで糸状となった構造(つまり、カバリング構造や芯鞘構造でない構造)であっても良い。
尚、表皮糸3bも、カバリング構造や、芯鞘構造などでも良く、例えば、表皮糸3bがカバリング構造であれば、熱融着糸3aのように、非熱融着性部分である芯糸に、熱融着性部分である鞘糸を巻き付けた構造であっても良く、この場合、表皮糸3bにおける熱融着性部分の鞘糸が、熱融着糸3aにおける熱融着性部分の鞘糸より繊度が小さくても(細くても)構わない。
又、表皮糸3bが芯鞘構造であれば、熱融着糸3aのように、非熱融着性部分を芯とし、熱融着性部分を鞘として、1本の糸(単繊維)中に芯と鞘の状態で紡糸することで形成されていても良く、この場合、表皮糸3bにおける熱融着性部分の鞘が、熱融着糸3aにおける熱融着性部分の鞘より厚さが薄くても構わない。
以下は、表皮糸3bは、主に非熱融着性部分だけで糸状となった構造であるとして述べる。
<プレイティング編組織4>
図2〜6に示したように、プレイティング編組織4は、上述したシングル緯編地2に備えられ、上述した複数本の糸3を引き揃えて編成される編組織である。
又、プレイティング編組織4とは、JIS−L−0211:2006の214、及び、付図212に準じて、「複数種類(2種類など)の糸を用いて、一方の糸で他方を覆うようにして編まれた組織」であり、添え糸編組織とも言う。
プレイティング編組織4は、上述したように、シングル緯編地2に備えられているのであれば、必ずしもシングル緯編地2全体に備えられていなくとも良く、例えば、シングル緯編地2の端部(耳部2A、又は、表皮材1の端部(耳部、開口部)1A)など、シングル緯編地2の一部だけが、プレイティング編組織4を備えていても構わない。
従って、プレイティング編組織4のシングル緯編地2における全ての編組織に対する割合(プレイティング割合とも言う)も、特に限定はなく、必ずしも100%でなくとも良く、後述する伸止部5や、かの子編組織6が、シングル緯編地2に設けられている場合は、当然、これら伸止部5やかの子編組織6が設けられた箇所に、プレイティング編組織4は設けられず、この場合には、プレイティング割合は、100%より低くなると言える。
プレイティング編組織4における複数本の糸3は、引き揃えて編成されていれば、何れの位置関係でも良いが、2本の糸3が熱融着糸3aと表皮糸3bをそれぞれ1本ずつ含む場合であれば、上述したように、熱融着糸3aがシングル緯編地2の一方面2a寄りに位置し、表皮糸3bがシングル緯編地2の他方面2b寄りに位置している。
これは、シングル緯編地2において一方面2aと呼ぶか、他方面2bと呼ぶかを問わず、シングル緯編地2において、熱融着糸3aが寄せられた側の面を、表皮材1において露出しない側の面(非露出面、裏面)1aとし、表皮糸3bが寄せられた側の面を、表皮材1において露出する側の面(露出面(表面)1b)となるように、シングル緯編地2を表皮材1に使えば良いことを意味する。
尚、複数本の糸3が、例えば、3本の熱融着糸3aと表皮糸3b(例えば、熱融着糸3aが2本で、表皮糸3bが1本など)の場合も、2本の熱融着糸3aのうちの1本がシングル緯編地2の一方面2a寄りに位置し、残り1本の表皮糸3bがシングル緯編地2の他方面2b寄りに位置する等であっても良い。
<伸止部5>
図3、6に示したように、伸止部5は、上述したシングル緯編地2に設けられた部分であって、シングル緯編地2の一部として、上述したプレイティング編組織4や、かの子編組織6等と共に一体編成されていても良い。
伸止部5は、シングル緯編地2(つまりは、表皮材1)全体としての過度の伸びを抑えて、当該表皮材1の耐久性を向上させる部分であるとも言える。
これを詳解すれば、図3(b)、(c)の通常時では、後述する非伸止部5’も、伸止部5も、断面視で略同じ幅であるが、図3(b)、(c)の伸長時では、非伸止部5’より、伸止部5の方が伸びが抑えられており、後述する伸び率や残留ひずみ率が向上するとも言える。尚、図3(b)、(c)においては、1本の線で略して、引き揃えた複数本の糸3を表現している。
又、伸止部5は、表皮材1(シングル緯編地2)の裏面1b(一方面2a)側に設けられていても良いが、逆に、表皮材1(シングル緯編地2)の表面1a(他方面2b)側に設けられていても構わない。
伸止部5は、シングル緯編地2全体としての過度の伸びを抑えるのであれば、何れの構成でも良いが、例えば、伸止部5は、ただ単純に、当該伸止部5を編成する糸(伸止糸5a)が、上述したプレイティング編組織4において引き揃えられた複数本の糸3に含まれている部分であっても良い。
尚、伸止部5を編成する伸止糸5aは、伸止部5以外の部分(非伸止部5’)を編成する糸(非伸止糸5a’)より伸度Dが低い糸で編成されている。
その他、伸止部5は、後述する浮編組織8を備え、その浮編組織8を編成する伸止糸5aが、当該浮編組織8以外の部分を編成する非伸止糸5a’より伸度Dが低くても良い。
このような伸止部5は、編成される糸の伸度Dによって特徴づけられるとも言えるが、ここで、この伸度D自体について述べる。
<伸度D>
本発明において「伸度D」とは、シングル緯編地2を編成する糸を、当該糸の長手方向に引っ張った際の伸び易さ(逆に言えば、伸び難さ)を意味する。
尚、この伸度Dは、伸止部5や非伸止部5’それぞれを編成する糸そのものの伸度であるため、「糸伸度D」とも言える。
例えば、上述した熱融着糸3a等が使用される糸に含まれていれば、熱処理(加熱成形など)をすることで、シングル緯編地2(例えば、一方面2aや伸止部5など)の手触りが硬くなり、硬くなれば当然にシングル緯編地2(一方面2aや伸止部5等)自体は伸び難くなることから、伸度Dは、硬さを表すとも言える。
又、伸度Dは、伸び易さを表現できるのであれば何れでも良いが、例えば、JIS−K−6900:1994に規定された応力−ひずみ曲線(stress-strain curve 、SSカーブ)で表しても良い。
伸度Dを示す応力−ひずみ曲線を、例えば、縦軸に応力(単位:N(ニュートン))とし、横軸に、伸張割合(単位:%)又は伸張長さ(単位:m)としたり、その他、伸度Dの単位として、所定の伸張割合(%)又は伸張長さ(m)だけ長手方向に伸張した時における応力(N(ニュートン))であっても良い。
尚、伸張割合とは、(伸張した時の長さ−伸張前の元の長さ)/(伸張前の元の長さ)で求められる。
このような伸度(糸伸度)Dについて、伸止部5や非伸止部5’が伸度Dが異なる糸で編成されている場合には、当該伸止部5、非伸止部5’のうち、より伸度Dが低い糸で編成された伸止部5は「低伸度部5」であるとも言え、より伸度Dが高い糸で編成された非伸止部5’は「高伸度部5’」であるとも言える。
低伸度部5であるとも言える伸止部5は、シングル緯編地2全体に設けられていたり、シングル緯編地2に部分的に設けられていても良く、シングル緯編地2中におけるその形状は、特に限定はなく、例えば、略線状や略筋(すじ)状、略帯状であったり、先細り状(略三角形状)や略矩形状などであっても良い。
伸止部5が略線状などである場合、その伸止部5は途中で屈曲していても良い。
又、伸止部5が略線状などである場合、その伸止部5の幅も、特に限定はないが、非伸止部5’より幅広であっても良く、例えば、非伸止部5’と比べて、伸止部5を編成する糸(伸止糸5a)の本数(コースの数)がより多かったり、伸止糸5aの本数(コースの数)に関わらず、各伸止糸5aの繊度(太さ)が太い等によって、非伸止部5’より幅広となっても構わない。
伸止部5が略帯状である場合、その伸止部5の幅は、例えば、当該伸止部5を編成する伸止糸5aが、1本(シングル緯編地2としての1コース)以上、7本(シングル緯編地2としての7コース)以下であっても良い。
伸止部5の配置は、特に限定はないが、例えば、伸止部5と非伸止部5’が1つのシングル緯編地2に対して複数あり、伸止部5と非伸止部5’は、所定間隔ごとに、交互に配置されていても良い。
<伸止糸5a>
ここまで述べた伸止部5を編成する伸止糸(低伸度糸)5aとしては、上述した熱融着糸3aを含んでいても良い。
伸止糸(低伸度糸)5aの伸度(糸伸度)Dは、上述した非伸止部(高伸度部)5’を編成する糸(非伸止糸5a’、又は、高伸度糸5a’)より、糸伸度Dが低ければ、その具体的な値に、特に限定はないが、例えば、伸止糸5aが長手方向に15%伸張した時の応力(単位:N(ニュートン))が、0.01N以上10.00N以下、好ましくは0.05N以上7.00N以下、更に好ましくは0.07N以上5.00N以下であっても良い。
<浮編組織8>
図3、6に示したように、浮編組織8は、上述した伸止部5に備えられた編組織であって、浮編組織8は、伸止部5に含まれるとも言える。
この浮編組織8を編成する伸止糸5a(浮糸8aとも言う)は、当該浮編組織8以外の部分を編成する糸より伸度Dが低い。
浮編組織8の形状も、伸止部5内において、特に限定はなく、例えば、略線状や、略帯状、略筋(すじ)状であったり、先細り状(略三角形状)や略矩形状などであっても良い。
浮編組織8が略線状である場合、その浮編組織8は途中で屈曲していても良い。
浮編組織8が略線状である場合、その浮編組織8の幅も、特に限定はないが、上述した伸止部5内に設けられることから、当該伸止部5より幅狭であっても良く、例えば、伸止部5と比べて、浮編組織8を編成する浮糸8aの本数(コースの数)がより少なかったり、浮糸8aの本数(コースの数)に関わらず、各浮糸8aの繊度(太さ)が細い等によって、伸止部5より幅狭となっても構わない。
又、浮編組織8が略線状である場合、その浮編組織8の幅は、例えば、当該浮編組織8の浮糸8aが、1本(シングル緯編地2としての1コース)以上、3本(シングル緯編地2としての7コース)以下であっていたり、部分的に異なっていても良い。
以下、浮編組織8も、略線状であるとして述べる。
浮編組織8も、1つのシングル緯編地2に対して複数あっても良く、所定間隔ごとに配置されていても構わない。
尚、浮編組織8は、全ての伸止部5に備えられていなくとも良く、例えば、複数の伸止部5のうち、所定数ごとの伸止部5には浮編組織8を設けない(3つの伸止部5のうち、1つの伸止部5には浮編組織8を設けない)など、間引いても構わない。
更に、この間引きの割合は、シングル緯編地2における伸止部5の位置によって変化しても良い。
このような浮編組織8中の伸度Dが異なる部分は、浮編組織8を編成する浮糸8aの各編目(ループ)の数・大きさを、他の部分と異なるようにしても良い。
<浮糸8a>
図3(a)、(c)、図6に示したり、上述したように、浮編組織8を編成する浮糸8aは、上述したプレイティング編組織4に対して、所定数の編目置きに組織され、その組織された間の部分は、プレイティング編組織4から浮いている糸である。
浮糸8aは、当該浮編組織8以外の部分を編成する糸より伸度Dが低いが、これを換言すれば、浮糸8aは、表皮材1(シングル緯編地2)を編成する糸の中で、最も伸度(糸伸度)Dが低いとも言える。
浮糸8aの素材は、その伸度Dが、当該浮編組織8以外の部分を編成する糸より低くなるのであれば、特に限定はないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂等のポリエステル樹脂などであっても構わない。
又、浮糸8aは、ウーリー加工によって、特に、浮いている部分が、嵩高糸(ウーリー糸)状となっていても良い。
尚、同じ浮糸8aである糸でも、浮編組織8とならず、上述した伸止部5の一部を編成する糸の1種として用いられていても良い。
<非伸止部5’>
一方、非伸止部5’は、上述した伸止部5より伸び易く、この伸び易さを換言すれば、非伸止部5’を編成する非伸止糸5a’の糸伸度Dが、伸止部5を編成する伸止糸5aの糸伸度Dより高いとも言える。
非伸止部5’は、上述したシングル緯編地2に備えられている部分であって、具体的には、上述した浮編組織8を含む伸止部5や、かの子編組織6以外のプレイティング編組織4の部分であるとも言え、シングル緯編地2の一部として、浮編組織8を含む伸止部5や、かの子編組織6等と共に一体編成されている。
非伸止部5’は、その形状も、特に限定はなく、例えば、略帯状(略線状や略筋(すじ)状)であったり、先細り状(略三角形状)や略矩形状などであっても良い。
非伸止部5’が略帯状である場合、その非伸止部5’は途中で屈曲していても良い。
非伸止部5’が略帯状である場合、その非伸止部5’の幅も、特に限定はないが、伸止部5より幅狭であっても良く、例えば、伸止部5と比べて、非伸止部5’を編成する非伸止糸5a’の本数(コースの数)がより少なかったり、非伸止糸5a’の本数(コースの数)に関わらず、各非伸止糸5a’の繊度(太さ)が細い等によって、伸止部5より幅狭となっても構わない。
又、非伸止部5’が略帯状である場合、その非伸止部5’の幅は、例えば、当該非伸止部5’を編成する非伸止糸5a’が、1本(シングル緯編地2としての1コース)以上、7本(シングル緯編地2としての7コース)以下であっても良い。
非伸止部5’も、1つのシングル緯編地2に対して複数あっても良く、所定間隔ごとに配置されていても構わない。
尚、上述した伸止部5内の浮編組織8が、非伸止部5’に跨ることによって設けられても良い。
<かの子編組織6>
図4(a)、6に示したように、かの子編組織6は、上述したシングル緯編地2に備えられている編組織であって、シングル緯編地2の一部として、上述したプレイティング編組織4や伸止部5等と共に一体編成されている。尚、図4においては、1本の線で略して、引き揃えた複数本の糸3を表現している。
かの子編組織6も、当該表皮材1の耐久性を向上させる部分であるとも言え、又、かの子編組織6をシングル緯編地2が備えることによって、シングル緯編地2が厚くなる(生地厚がアップする)とも言える。
又、かの子編組織6とは、JIS−L−0211:2006の109、110、317、426、及び、付図109に準じて、「コース方向(緯方向とも言う)及び/又はウエール方向(経方向とも言う)に交互にタックして編まれた組織」であり、鹿の子編組織とも言う。尚、かの子編組織6では、例えば、タックが、1つずつ交互に編まれたり、2つ以上ずつ交互に編まれたり、タックとタック以外の編組織うち、何れか一方がより多く編まれてから、他方が編まれる等しても良い。
その他、かの子編組織6は、シングル緯編地2の一定範囲において、タック編組織6’と平編組織(プレイティング編組織)が、市松状(格子模様状)に編まれたり、緯方向又は経方向に沿って編まれた組織であるとも言える。
<バッキング樹脂7>
図2(c)に示したように、バッキング樹脂7は、上述したシングル緯編地2の一方面2aに付着した樹脂である。
バッキング樹脂7をシングル緯編地2の一方面2aに付着させるには、コーティング等の処方で塗布しても良い。
シングル緯編地2の一方面2aに付着されるバッキング樹脂7は、有機溶剤を用いても良いが、環境面から水を溶剤とする水系アクリル樹脂エマルジョンや、水系ウレタン樹脂エマルジョン等が好ましい。
又、樹脂エマルジョンとして、ウレタン樹脂や、シリコーン樹脂等でも構わないが、経済性や、皮膜形成に優れたアクリル樹脂であることが好ましい。このアクリル樹脂が、エマルジョン状態となっているアクリル樹脂エマルジョンであれば更に好ましい。
バッキング樹脂7は、シングル緯編地2の一方面2aに、層状に付着していても良く、この層状のバッキング樹脂7は、バッキング樹脂層であるとも言える。
バッキング樹脂7がバッキング樹脂層である場合、当該バッキング樹脂層の厚さは、上述した表皮材1やシングル緯編地2と同様に、何れの値でも良いが、例えば、0.01mm以上3.00mm以下、好ましくは0.05mm以上2.00mm以下、更に好ましくは0.1mm以上1.0mm以下であっても良い。
<一方剛軟度Ga、他方剛軟度Gb、剛軟度差ΔG>
本発明における「剛軟度G」は、上述したように、JIS−L−1096:2010(8.21.1 A法(45°カンチレバー法))に準じて測定される。
尚、本発明における「JIS−L−1096:2010(8.21.1 A法(45°カンチレバー法))に準じる」とは、JIS−L−1096:2010(8.21.1
A法(45°カンチレバー法))に記載された通りに測定されることを含む以外に、当該JISの記載を準用して測定されることも含む。
剛軟度Gについては、シングル緯編地2の一方面2aを上にして(つまり、他方面2b側をカンチレバー形試験機に当接させて)測定した一方剛軟度Gaと、その一方剛軟度Gaを測定した同一のシングル緯編地2の他方面2bを上にして(つまり、一方面2a側をカンチレバー形試験機に当接させて)測定した他方剛軟度Gbの剛軟度差ΔGは、同一のシングル緯編地2の緯方向で12mm以下であり、且つ、同一のシングル緯編地2の経方向で25mm以下であっても良い。
尚、剛軟度差ΔGのうち、同一のシングル緯編地2の緯方向における剛軟度差ΔGを、緯剛軟度差ΔG1とし、同一のシングル緯編地2の経方向における剛軟度差ΔGを、経剛軟度差ΔG2としても良い。
ここで、緯剛軟度差ΔG1は、12mm以下であれば、特に限定はないが、好ましくは11mm以下、更に好ましくは10mm以下であっても良い。
又、経剛軟度差ΔG2も、25mm以下であれば、特に限定はないが、好ましくは23mm以下、更に好ましくは22mm以下であっても良い。
又、剛軟度Gについては、シングル緯編地2の緯方向及び経方向において、一方剛軟度Gaと他方剛軟度Gbの大小関係が揃っていても良い。
ここで、「シングル緯編地2の緯方向及び経方向において、一方剛軟度Gaと他方剛軟度Gbの大小関係が揃っている」とは、シングル緯編地2の緯方向における一方剛軟度Gaを、緯一方剛軟度Ga1とし、シングル緯編地2の経方向における一方剛軟度Gaを、経一方剛軟度Ga2とし、シングル緯編地2の緯方向における他方剛軟度Gbを、緯他方剛軟度Gb1とし、シングル緯編地2の経方向における他方剛軟度Gbを、経他方剛軟度Gb2とした際に、緯一方剛軟度Ga1が緯他方剛軟度Gb1より小さく、且つ、経一方剛軟度Ga2が経他方剛軟度Gb2より小さい場合か、又は、緯一方剛軟度Ga1が緯他方剛軟度Gb1より大きく、且つ、経一方剛軟度Ga2が経他方剛軟度Gb2より大きい場合の何れかとなることを意味する。
<試験1、2−1、2−2、3>
ここからは、まず表皮材1の具体例1〜11について言及する。
これらの具体例1〜11を用いて、後述する試験1、2−1、2−2、3を行う。
<具体例1>
具体例1における表皮材1は、一体編成する丸編機による、複数本(2本)の糸3を引き揃えてのプレイティング編組織4を備えたシングル緯編地2(つまり、表皮材1)であって、2本の糸3全てに、青系色の表皮糸3bを用いて編成した。
つまり、具体例1では、熱融着糸3aが一切用いられておらず、この熱融着糸3aの含有率Xは「0.0%」となる。
尚、具体例1の表皮材1は、シングル緯編地2に伸止部5を設けたり、かの子編組織6を備えておらず、シングル緯編地2の一方面2aにバッキング樹脂7も付着していない。又、青系色の表皮糸3bは、意匠糸であるとも言える。
<具体例2>
具体例1の表皮材1において、2本の糸3のうち、1本の青系色の表皮糸3bの代わりに、総繊度が55dtexの熱融着糸3aを用い、もう1本の青系色の表皮糸3bの代わりに、グレー系色の表皮糸3bを用いて、熱融着糸3aはシングル緯編地2の一方面2a寄りに位置し、且つ、表皮糸3bはシングル緯編地2の他方面2b寄りに位置するように、熱融着糸3aと表皮糸3bを引き揃えてのプレイティング編組織4を編成することで、熱融着糸3aの含有率Xを「6.9%」に変えて、具体例2の表皮材1とした。
尚、グレー系色の表皮糸3bも、意匠糸であるとも言える。
<具体例3>
具体例1の表皮材1において、2本の糸3のうち、1本の青系色の表皮糸3bの代わりに、総繊度が111dtexの熱融着糸3aを用い、もう1本は、そのまま青系色の表皮糸3bを用いて、熱融着糸3aはシングル緯編地2の一方面2a寄りに位置し、且つ、表皮糸3bはシングル緯編地2の他方面2b寄りに位置するように、熱融着糸3aと表皮糸3bを引き揃えてのプレイティング編組織4を編成することで、熱融着糸3aの含有率Xを「13.2%」に変えて、具体例3の表皮材1とした。
<具体例4>
具体例1の表皮材1において、2本の糸3のうち、1本の青系色の表皮糸3bの代わりに、総繊度が111dtexの熱融着糸3aを用い、もう1本の青系色の表皮糸3bの代わりに、グレー系色の表皮糸3bを用いて、熱融着糸3aはシングル緯編地2の一方面2a寄りに位置し、且つ、表皮糸3bはシングル緯編地2の他方面2b寄りに位置するように、熱融着糸3aと表皮糸3bを引き揃えてのプレイティング編組織4を編成することで、熱融着糸3aの含有率Xを「13.2%」に変えて、具体例4の表皮材1とした。
尚、グレー系色の表皮糸3bも、意匠糸であるとも言える。
<具体例5>
具体例1の表皮材1において、2本の糸3のうち、1本の青系色の表皮糸3bの代わりに、総繊度が222dtexの熱融着糸3aを用い、もう1本は、そのまま青系色の表皮糸3bを用いて、熱融着糸3aはシングル緯編地2の一方面2a寄りに位置し、且つ、表皮糸3bはシングル緯編地2の他方面2b寄りに位置するように、熱融着糸3aと表皮糸3bを引き揃えてのプレイティング編組織4を編成することで、熱融着糸3aの含有率Xを「23.0%」に変えて、具体例5の表皮材1とした。
<具体例6>
具体例1の表皮材1において、2本の糸3のうち、1本の青系色の表皮糸3bの代わりに、総繊度が333dtexの熱融着糸3aを用い、もう1本は、そのまま青系色の表皮糸3bを用いて、熱融着糸3aはシングル緯編地2の一方面2a寄りに位置し、且つ、表皮糸3bはシングル緯編地2の他方面2b寄りに位置するように、熱融着糸3aと表皮糸3bを引き揃えてのプレイティング編組織4を編成することで、熱融着糸3aの含有率Xを「32.7%」に変えて、具体例6の表皮材1とした。
<具体例7>
具体例1の表皮材1において、2本の糸3のうち、1本の青系色の表皮糸3bの代わりに、総繊度が55dtexの熱融着糸3aを用い、もう1本の青系色の表皮糸3bの代わりに、グレー系色の表皮糸3bを用い、更に、シングル緯編地2に伸止部5を設けて、熱融着糸3aはシングル緯編地2の一方面2a寄りに位置し、且つ、表皮糸3bはシングル緯編地2の他方面2b寄りに位置するように、熱融着糸3aと表皮糸3bを引き揃えてのプレイティング編組織4を編成することで、伸止部5有りで、熱融着糸3aの含有率Xを「5.8%」に変えて、具体例7の表皮材1とした。
尚、具体例7の表皮材1は、シングル緯編地2に、かの子編組織6を備えておらず、シングル緯編地2の一方面2aにバッキング樹脂7も付着していない。又、グレー系色の表皮糸3bも、意匠糸であるとも言える。
<具体例8>
具体例1の表皮材1において、2本の糸3のうち、1本の青系色の表皮糸3bの代わりに、総繊度が111dtexの熱融着糸3aを用い、もう1本の青系色の表皮糸3bの代わりに、グレー系色の表皮糸3bを用い、更に、シングル緯編地2に伸止部5を設けて、熱融着糸3aはシングル緯編地2の一方面2a寄りに位置し、且つ、表皮糸3bはシングル緯編地2の他方面2b寄りに位置するように、熱融着糸3aと表皮糸3bを引き揃えてのプレイティング編組織4を編成することで、伸止部5有りで、熱融着糸3aの含有率Xを「10.8%」に変えて、具体例8の表皮材1とした。
尚、具体例8の表皮材1も、シングル緯編地2が、かの子編組織6を備えておらず、シングル緯編地2の一方面2aにバッキング樹脂7も付着していない。又、グレー系色の表皮糸3bも、意匠糸であるとも言える。
<具体例9>
具体例1の表皮材1において、2本の糸3のうち、1本の青系色の表皮糸3bの代わりに、総繊度が222dtexの熱融着糸3aを用い、もう1本は、そのまま青系色の表皮糸3bを用い、更に、シングル緯編地2に伸止部5を設けて、熱融着糸3aはシングル緯編地2の一方面2a寄りに位置し、且つ、表皮糸3bはシングル緯編地2の他方面2b寄りに位置するように、熱融着糸3aと表皮糸3bを引き揃えてのプレイティング編組織4を編成することで、伸止部5有りで、熱融着糸3aの含有率Xを「20.0%」に変えて、具体例9の表皮材1とした。
尚、具体例9の表皮材1も、シングル緯編地2が、かの子編組織6を備えておらず、シングル緯編地2の一方面2aにバッキング樹脂7も付着していない。
<具体例10>
具体例1の表皮材1において、2本の糸3のうち、1本の青系色の表皮糸3bの代わりに、総繊度が222dtexの熱融着糸3aを用い、もう1本の青系色の表皮糸3bの代わりに、グレー系色の表皮糸3bを用い、更に、シングル緯編地2に伸止部5を設けて、熱融着糸3aはシングル緯編地2の一方面2a寄りに位置し、且つ、表皮糸3bはシングル緯編地2の他方面2b寄りに位置するように、熱融着糸3aと表皮糸3bを引き揃えてのプレイティング編組織4を編成することで、伸止部5有りで、熱融着糸3aの含有率Xを「20.0%」に変えて、具体例10の表皮材1とした。
尚、具体例10の表皮材1も、シングル緯編地2が、かの子編組織6を備えておらず、シングル緯編地2の一方面2aにバッキング樹脂7も付着していない。又、グレー系色の表皮糸3bも、意匠糸であるとも言える。
<具体例11>
具体例1の表皮材1において、2本の糸3のうち、1本の青系色の表皮糸3bの代わりに、総繊度が222dtexの熱融着糸3aを用い、もう1本は、そのまま青系色の表皮糸3bを用い、更に、シングル緯編地2に伸止部5を設け、加えて、シングル緯編地2にかの子編組織6を備えて、熱融着糸3aはシングル緯編地2の一方面2a寄りに位置し、且つ、表皮糸3bはシングル緯編地2の他方面2b寄りに位置するように、熱融着糸3aと表皮糸3bを引き揃えてのプレイティング編組織4を編成することで、伸止部5及びかの子編組織6有りで、熱融着糸3aの含有率Xを「21.8%」に変えて、具体例9の表皮材1とした。
尚、具体例11の表皮材1も、シングル緯編地2の一方面2aにバッキング樹脂7は付着していない。
<試験1(含有率X等と摩耗強さの評価試験)>
試験1では、上述した具体例1〜11の表皮材1に対して、JIS−L−1096:2010(8.19.1 A−1法(水平法))に準じて、摩耗強さを測定し、評価した。
尚、本発明における「JIS−L−1096:2010(8.19.1 A−1法(水平法))に準じる」とは、JIS−L−1096:2010(8.19.1 A−1法(水平法))に記載された通りに測定されることを含む以外に、当該JISの記載を準用して測定されることも含む。
この摩擦強さの測定結果と共に、具体例1〜11における熱融着糸3aの含有率X、伸止部5や、かの子編組織6の有無を、以下の表1に示す。
尚、表1中の摩耗強さの測定は、具体例1〜11の表皮材1の表面(他方面)1bに対して、研磨紙を摩擦する際、各表皮材1が摩耗して、孔の直径又は長辺などの最大長さが、8mm±1mmの孔があいたときの摩擦回数と、表皮材1の状態で判断する。この摩擦回数の上限は500回とし、500回摩擦しても孔があかなかった場合、表1の結果では、「500回以上」と表記する。
又、図5、6には、具体例1〜11が、摩耗強さを評価する試験1を終えた後の平面図及び拡大図が示されている。
この図5、6で示された具体例のうち、500回摩擦しても孔があかなかった具体例3〜6、8〜11については、試験1を終えた後における表皮材1の状態評価は、「孔は空いていない。尚、やや透けている。」ときを「○」とし、「孔も空いておらず、透けもない。」ときを「◎」としている。
<試験1の評価(含有率X等と摩耗強さの評価)>
表1や図5、6で示されたように、具体例1〜11中、伸止部5、かの子編組織6共になしで熱融着糸3aの含有率Xが「0.0%」の具体例1は、最も摩擦回数が少ない「358回」で孔があいているが、所定の摩耗強さは有しているとも言える。
又、伸止部5、かの子編組織6共になしで熱融着糸3aの含有率Xが「6.9%」の具体例2や、「5.8%」の具体例7は、それぞれ摩擦回数が「450回」で孔があいているが、具体例1よりは摩耗強さが向上していると言える。
更に、伸止部5、かの子編組織6共になしで熱融着糸3aの含有率Xが「13.2%」の具体例3、4や、伸止部5有り、かの子編組織6なしで熱融着糸3aの含有率Xが「10.8%」の具体例8のように、含有率Xが「10.0%」を超える具体例は、500回摩擦しても孔があかなかった。尚、表皮材1が、やや透けているため、表皮材1の状態としては「○」となっている。
そして、伸止部5、かの子編組織6共になしで熱融着糸3aの含有率Xが「23.0%」の具体例5や、伸止部5、かの子編組織6共になしで熱融着糸3aの含有率Xが「32.7%」の具体例6、伸止部5有り、かの子編組織6なしで熱融着糸3aの含有率Xが「20.0%」の具体例9、10、伸止部5、かの子編組織6共に有りで熱融着糸3aの含有率Xが「21.8%」の具体例11のように、含有率Xが「20.0%」を超えたり、伸止部5や、かの子編組織6を有する具体例は、500回摩擦しても孔があかず、更に、透けもなかったため、表皮材1の状態としては「◎」となっている。
この試験1の結果から、まず、熱融着糸3aの含有率Xについては、含有率Xが「0.0%」であることに比べ、含有率Xが「5.8%」や「6.9%」であれば、孔があくまでの摩擦回数が増えていることから、含有率Xが、少なくとも「0.0%」と「5.8%」の間の「5.0%」以上であれば、摩耗強さ(謂わば、耐久性)の向上が図れるとも言え、これに加えて、含有率Xが「10.0%」以上であれば、表皮材1の状態が「○」となって、より「耐久性の向上」が出来、含有率Xが「20.0%」以上であれば、表皮材1の状態が「◎」となり、更なる「耐久性の向上」が実現する。
又、伸止部5や、かの子編組織6についても、それぞれを有していれば、含有率Xが若干低くとも、表皮材1の状態が少なくとも「○」となり、「耐久性の向上」に寄与している。
<試験2−1(含有率X等と伸び率の評価試験)>
試験2−1では、上述した具体例のうち、具体例1、3、5、6、9、11の表皮材1に対して、JIS−L−1096:2010(8.16.1 B法)に準じて、表皮材1(シングル緯編地2)の緯方向及び経方向における伸び率の値をそれぞれ測定し、評価した。
尚、本発明における「JIS−L−1096:2010(8.16.1 B法)に準じる」とは、JIS−L−1096:2010(8.16.1 B法)に記載された通りに測定されることを含む以外に、当該JISの記載を準用して測定されることも含む。又、当該JISには「ただし,必要に応じて14.7N以外の荷重及び/又は時間(1分間)を変えてもよい。」ことが記載されている。
この伸び率の測定結果と共に、具体例1、3、5、6、9、11における熱融着糸3aの含有率X、伸止部5や、かの子編組織6の有無を、以下の表2に示す。
尚、表2中の伸び率の評価は、「表皮材1(シングル緯編地2)の緯方向と経方向の両方において、伸び率の値が60%を超えた」ときを「×」とし、「表皮材1(シングル緯編地2)の緯方向と経方向の何れかにおいて、伸び率の値が60%以下である」ときを「△」とし、「表皮材1(シングル緯編地2)の緯方向と経方向の両方において、伸び率の値が60%以下である」ときを「○」としている。
<試験2−1の評価(含有率X等と伸び率の評価)>
表2で示したように、具体例1、3、5、6、9、11中、まず、伸止部5、かの子編組織6共になしで熱融着糸3aの含有率Xが「0.0%」の具体例1は、緯方向について「163.0%」と100.0%を超えた値が出ており、伸びが大きいと言え、更に、緯方向と経方向の両方において、伸び率の値が60%を超えた「×」であることから、伸び率については、比較例であるとも言える。
又、伸止部5、かの子編組織6共になしで熱融着糸3aの含有率Xが「13.2%」の具体例3は、緯方向と経方向の何れかにおいて、伸び率の値が60%以下である「△」となっており、熱融着糸3aを有すれば(熱融着糸3aの含有率Xが所定の値以上であれば)、具体例1よりは伸び率が向上していると言える。
更に、伸止部5、かの子編組織6共になしで熱融着糸3aの含有率Xが「23.0%」の具体例5や、「32.7%」の具体例6、伸止部5有り、かの子編組織6なしで熱融着糸3aの含有率Xが「20.0%」の具体例9、伸止部5、かの子編組織6共に有りで熱融着糸3aの含有率Xが「21.8%」の具体例11のように、含有率Xが「20.0%」を超えたり、伸止部5や、かの子編組織6を有する具体例は、緯方向と経方向の両方において、伸び率の値が60%以下である「○」となっている。
この試験2−1の結果から、まず、熱融着糸3aの含有率Xについては、含有率Xが「0.0%」の具体例1に比べ、含有率Xが「13.2%」であれば、緯方向と経方向の何れかにおいて、伸び率の値が60%以下である「△」となることから、含有率Xが、「0.0%」と「13.2%」の間の「10.0%」以上であれば、伸び性(伸び抑制性)の向上が図れるとも言え、含有率Xが「20.0%」以上であれば、緯方向と経方向の両方において、伸び率の値が60%以下である「○」となって、更なる伸び抑制性の向上が実現する。
又、伸止部5や、かの子編組織6についても、それぞれを有していれば、含有率Xが若干低くとも、緯方向と経方向の両方において、伸び率の値が60%以下である「○」となり、伸び抑制性の向上に寄与している。
<試験2−2(含有率X等と残留ひずみ率の評価試験)>
試験2−2では、上述した具体例のうち、同じく、具体例1、3、5、6、9、11の表皮材1に対して、同じJIS−L−1096:2010(8.16.2 B−1法(定荷重法))に準じて、表皮材1(シングル緯編地2)の緯方向及び経方向における残留ひずみ率の値をそれぞれ測定し、評価した。
尚、本発明における「JIS−L−1096:2010(8.16.2 B−1法(定荷重法))に準じる」とは、JIS−L−1096:2010(8.16.2 B−1法(定荷重法))に記載された通りに測定されることを含む以外に、当該JISの記載を準用して測定されることも含む点や、当該JISには「ただし,必要に応じて14.7N以外の荷重及び/又は時間(1時間)を変えてもよい。」ことが記載されている点も同様である。
この残留ひずみ率の測定結果と共に、具体例1、3、5、6、9、11における熱融着糸3aの含有率X、伸止部5や、かの子編組織6の有無を、以下の表3に示す。
尚、表3中の残留ひずみ率の評価は、「表皮材1(シングル緯編地2)の緯方向と経方向の両方において、残留ひずみ率の値が14%を超えた」ときを「×」とし、「表皮材1(シングル緯編地2)の緯方向と経方向の何れかにおいて、残留ひずみ率の値が14%以下である」ときを「△」とし、「表皮材1(シングル緯編地2)の緯方向と経方向の両方において、残留ひずみ率の値が14%以下である」ときを「○」としている。
<試験2−2の評価(含有率X等と残留ひずみ率の評価)>
表3で示したように、具体例1、3、5、6、9、11において、緯方向と経方向の両方において、残留ひずみ率の値が14%を超えた「×」となるものはなく、何れの具体例も、緯方向と経方向の何れかにおいて、残留ひずみ率の値が14%以下となっており、熱融着糸3aの含有率Xの値が幾らであっても、シングル緯編地2を有するだけで、所定の残留ひずみ性(残留ひずみ抑制性)は有しているとも言える。
又、熱融着糸3aの含有率Xの値は問わず、伸止部5有りで、かの子編組織6なしの具体例9や、伸止部5、かの子編組織6共に有りの具体例11のように、伸止部5や、かの子編組織6を有する具体例は、緯方向と経方向の両方において、残留ひずみ率の値が14%以下である「○」となっている一方で、伸止部5、かの子編組織6共になしの具体例1、3、5、6は、上述した「△」となっている。
この試験2−2の結果から、伸止部5や、かの子編組織6について、何れかを有していれば、伸止部5、かの子編組織6何れの有していない場合より、残留ひずみ抑制性が向上していると言える。
<試験3(含有率X等と剛軟度Gの評価試験)
試験3では、上述した具体例のうち、熱融着糸3aの含有率Xの違いのみに着目し、具体例1、2、3、5、6の表皮材1に対して、JIS−L−1096:2010(8.21.1 A法(45°カンチレバー法))に準じて、表皮材1におけるシングル緯編地2の一方面2aを上にして測定し且つシングル緯編地2の緯方向における緯一方剛軟度Ga1と、そのシングル緯編地2の一方面2aを上にして測定し且つシングル緯編地2の経方向における経一方剛軟度Ga2と、そのシングル緯編地2の他方面2bを上にして測定し且つシングル緯編地2の緯方向における緯他方剛軟度Gb1と、そのシングル緯編地2の他方面2bを上にして測定し且つシングル緯編地2の経方向における経他方剛軟度Gb2の値をそれぞれ測定し、評価した。
尚、本発明における「JIS−L−1096:2010(8.21.1 A法(45°カンチレバー法))に準じる」とは、上述したように、JIS−L−1096:2010(8.21.1 A法(45°カンチレバー法))に記載された通りに測定されることを含む以外に、当該JISの記載を準用して測定されることも含む。
又、シングル緯編地2の一方面2aが、表皮材1において露出しない側の面(非露出面、裏面)1aとなり、シングル緯編地2の他方面2bが、表皮材1において露出する側の面(露出面、表面)1bとなる。
これらの緯一方剛軟度Ga1、経一方剛軟度Ga2、緯他方剛軟度Gb1、経他方剛軟度Gb2の測定結果、及び、それぞれの増減率と共に、具体例1、2、3、5、6における熱融着糸3aの含有率X、伸止部5や、かの子編組織6の有無であったり、緯一方剛軟度Ga1と緯他方剛軟度Gb1の緯剛軟度差ΔG1、経一方剛軟度Ga2と経他方剛軟度Gb2の経剛軟度差ΔG2、緯一方剛軟度Ga1と緯他方剛軟度Gb1の大小関係、経一方剛軟度Ga2と経他方剛軟度Gb2の大小関係を、以下の表4に示す。
尚、表4中の各剛軟度Gの値は、各具体例の2つの試験片の平均値である。
又、図7には、試験3の結果のグラフが示されている。
更に、剛軟度Gの評価は、<A>緯剛軟度差ΔG1が12mm以下であるとの条件、<B>経剛軟度差ΔG2が25mm以下であるとの条件、<C>緯一方剛軟度Ga1と緯他方剛軟度Gb1の大小関係と、経一方剛軟度Ga2と経他方剛軟度Gbの大小関係がそろっているとの条件のうち、「<A>〜<C>のうち何れの条件も満たさない」ときを「×」とし、「<A>〜<C>のうち何れか1個の条件を満たす」ときを「△」とし、「<A>〜<C>のうち何れか2個の条件を満たす」ときを「○」とし、「<A>〜<C>の3個全ての条件を満たす」ときを「◎」としている。
<試験3の評価(含有率X等と剛軟度Gの評価)>
表4や図7で示したように、具体例1、2、3、5、6中、熱融着糸3aの含有率Xが「0.0%」の具体例1は、<A>〜<C>のうち何れの条件も満たさない「×」となっており、各条件について詳解すれば、具体例1は、<A>緯剛軟度差ΔG1が12mmより大きい「15mm」であり、且つ、<B>経剛軟度差ΔG2が25mmより大きい「31mm」となっているため、緯方向及び縦方向の何れにおいても、剛軟度差ΔGが大きく、表皮材1(シングル緯編地2の耳部等)がカールし易いと言え、更に、<C>緯方向においては、緯一方剛軟度Ga1が緯他方剛軟度Gb1より大きいにも関わらず、経方向においては、緯一方剛軟度Ga1が緯他方剛軟度Gb1より小さいため、緯方向と経方向で、一方剛軟度Gaと他方剛軟度Gbの大小関係が揃っておらず、表皮材1(シングル緯編地2の耳部等)が捻じれてカールし易いことから、剛軟度Gについては、比較例であるとも言える(詳解すれば、シングル緯編地2の緯方向における端部が、その一方面2a側にカールする場合、シングル緯編地2の経方向における端部は、逆に、その他方面2b側にカールするなど)。このようにカールすることで、シングル緯編地2は、後工程の加工通過性が下がるとも言え、これを解消するために、高温による熱セットや、バインダーを塗布するなど何らかのカール対策が必要となり、工程が複雑化するとも言える。
又、熱融着糸3aの含有率Xが「6.9%」の具体例2や、「13.2%」の具体例3は、<A>〜<C>のうち何れか2つの条件を満たす「○」となっており、各条件について詳解すれば、具体例2、3は、<C>緯方向においては、緯一方剛軟度Ga1が緯他方剛軟度Gb1より大きいにも関わらず、経方向においては、緯一方剛軟度Ga1が緯他方剛軟度Gb1より小さいため、緯方向と経方向で、一方剛軟度Gaと他方剛軟度Gbの大小関係が揃っていないものの、<A>緯剛軟度差ΔG1が12mmより小さい「8mm」や「2mm」であり、且つ、<B>経剛軟度差ΔG2が25mmより小さい「10mm」や「20mm」となっているため、緯方向及び縦方向の何れにおいても、剛軟度差ΔGが、所定値より小さくなっているため、具体例1より、カール(特に、耳部のカール)が発生し難い(「耳カールの抑制」が図れる)と言える。このようなカールを抑制することで、より工程を簡略化したカール対策が実現するとも言え、特に、編幅が可変したシングル緯編地2を一体編成する際に、より良いとも言える。
更に、熱融着糸3aの含有率Xが「23.0%」の具体例5や、「32.7%」の具体例6は、<A>〜<C>の3個全ての条件を満たす「◎」となっており、各条件について詳解すれば、<A>緯剛軟度差ΔG1が12mmより小さい「9mm」であり、且つ、<B>経剛軟度差ΔG2が25mmより小さい「12mm」や「22mm」となっているため、緯方向及び縦方向の何れにおいても、剛軟度差ΔGが、所定値より小さくなっているため、表皮材1(シングル緯編地2の耳部等)がカールし難いと言え、これに加えて、<C>緯方向においては、緯一方剛軟度Ga1が緯他方剛軟度Gb1より小さく、且つ、経方向においても、緯一方剛軟度Ga1が緯他方剛軟度Gb1より小さいため、緯方向及び経方向で、一方剛軟度Gaと他方剛軟度Gbの大小関係が揃っているため、表皮材1(シングル緯編地2の耳部等)が捻じれてカールし難く、更なる「耳カールの抑制」が図れると言える。
この試験3の結果から、熱融着糸3aの含有率Xについて、含有率Xが「0.0%」に比べ、含有率Xが少なくとも「6.9%」であれば、緯方向及び縦方向の何れにおいても、剛軟度差ΔGの値を、所定値(緯剛軟度差ΔG1であれば12mm、経剛軟度差ΔG2であれば25mm)より低減できることから、含有率Xが、「0.0%」と「6.9%」の間の「5.0%」以上であれば、「耳カールの抑制」が図れるとも言え、これに加えて、含有率Xが「20.0%」以上であれば、<A>〜<C>の3個全ての条件を満たす「◎」となって、更なる「耳カールの抑制」が実現する。
尚、上述したように、緯剛軟度差ΔG1は、好ましくは11mm以下、更に好ましくは10mm以下であったり、経剛軟度差ΔG2も、25mm以下であれば、特に限定はないが、好ましくは23mm以下、更に好ましくは22mm以下であっても良く、これらにより、更に「耳カールの抑制」が図れるとも言える。
<試験3の評価(図7について)>
尚、図7について詳解すれば、熱融着糸3aの含有率Xと、一方剛軟度Ga(図7(a)〜(d)中では、一方面(裏面)にて示す)、及び、他方剛軟度Gb(図7(a)〜(d)中では、他方面(表面)にて示す)との関係については、図7(a)、(b)に示されており、
図7(a)の緯方向においては、含有率Xが「0.0%」の時に、緯一方剛軟度Ga1と緯他方剛軟度Gb1の緯剛軟度差ΔG1が最も大きくなっており(図7(a)中の赤い点線枠内参照)、緯一方剛軟度Ga1が、緯他方剛軟度Gb1より大きい(つまり、表皮材1の裏面1a(シングル緯編地2の一方面2a)の方が、表皮材1の表面1b(シングル緯編地2の他方面2b)より硬く、言い換えれば、「表面1bが軟らかい」とも言える)。
これは、図7(b)の経方向においても同様で、含有率Xが「0.0%」の時に、経一方剛軟度Ga2と経他方剛軟度Gb2の経剛軟度差ΔG2が最も大きくなっている(図7(b)中の赤い点線枠内参照)が、緯方向とは異なり、経一方剛軟度Ga2は、経他方剛軟度Gb1より小さい(つまり、表皮材1の裏面1a(シングル緯編地2の一方面2a)の方が、表皮材1の表面1b(シングル緯編地2の他方面2b)より軟らかく、言い換えれば、「裏面1aが軟らかい」いとも言える)。
又、熱融着糸3aの含有率Xと、一方剛軟度Ga、及び、他方剛軟度Gbの増加率の関係については、図7(c)、(d)に示され、
図7(c)の緯方向においては、含有率Xの増加につれて、緯他方剛軟度Gb1が急激に増加しており(図7(c)中の直線参照)、最終的には大小関係が逆転して、緯一方剛軟度Ga1が、緯他方剛軟度Gb1より小さくなっている(つまり、含有率Xが「0.0%」の時に「軟らかかった表面1b」が、含有率Xの増加につれて、急激に硬くなっているとも言える)。
一方、図7(d)の経方向においては、緯方向とは逆で、含有率Xの増加につれて、経一方剛軟度Ga2が急激に増加しており(図7(d)中の直線参照)、含有率Xの何れの値においても、経一方剛軟度Ga2が、経他方剛軟度Gb2より小さくなっている(つまり、含有率Xが「0.0%」の時に「軟らかかった裏面1a」が、含有率Xの増加につれて、急激に硬くなっているとも言える)。
<その他>
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。表皮材1等の各構成又は全体の構造、形状、寸法などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが出来る。
表皮材1は、シングル緯編地2の一方面2aに付着したバッキング樹脂7を有していなくとも良い(図2(b)、3参照)。
表皮材1が略袋状であり、インテリア品Cが椅子C’である場合には、当該表皮材1の開口部1Aは、椅子C’の下面(底面)に位置するようにしても良い。
表皮材1が略袋状であり且つ開口部1Aが1つである場合には、当該開口部1Aに良く伸びる(伸縮性の高い)糸を用いても良い。
表皮材1は、インテリア品Cが椅子C’である場合、当該椅子C’の側面を覆う部分に開口部1Aを設けていたり、緯編地である表皮材1の厚さを薄くして(破れ易い箇所を有して)いても良い。
その他、表皮材1は、面ファスナ(図示せず)を有していても良く、この面ファスナは、上述した椅子C’等のインテリア品Cに、上述した表皮材1を付着させる際に用いるものである。
表皮材1がシート状であり、インテリア品Cが内装材C”である場合等には、当該表皮材1は開口部1Aを有さなくとも良い。
又、表皮材1は、上述したように緯編地であるが、アクセント柄として、当該緯編地の一部等に、ポリウレタン樹脂製等の弾性糸を用いることによって、表皮材1における凹凸柄を表現でき、異素材感(例えば、一体形成された緯編地でありながら、縫製品やパッチワークのような感じ)を実現できるとも言える。
表皮材1(シングル緯編地2)は、当該シングル緯編地2の緯方向及び経方向において、一方剛軟度Gaと他方剛軟度Gbの大小関係が揃っていると同時に、緯剛軟度差ΔG1が12mm以下(又は、11mm以下や10mm以下など)で且つ経剛軟度差ΔG2が25mm以下(又は、23mm以下や22mm以下など)であっても良い。
シングル緯編地2は、伸止部5が設けられていなかったり(図3(b)参照)、かの子編組織6を備えていなかったり、かの子編組織6ではないが、タック編組織6’を備えていたり、一体編成されていなくとも良い。
シングル緯編地2は、かの子編組織6の代わりに、タック編組織6’と平編組織(プレイティング編組織4)が、シングル緯編地2の一定範囲において、ウェール方向のみ、又は、コース方向のみに、所定間隔ごとに配置された編組織を備えていても良い(図4(b)参照)。
シングル緯編地2は、かの子編組織6の代わりに、タック編組織6’とミス編組織(図示省略)が、シングル緯編地2の一定範囲において、ウェール方向、及び/又は、コース方向に、所定間隔ごとに配置された(例えば、タック編組織6’とミス編組織が、1つずつ交互に配置されたり、2つ以上ずつ交互に配置されたり、タック編組織6’とミス編組織のうち、何れか一方がより多く配置されてから、他方が配置される等の)編組織を備えていても良い。又、タック編組織6’をシングル緯編地2が備えることによって、シングル緯編地2が厚くなる(生地厚がアップする)とも言える。
シングル緯編地2は、引返し編組織を備えていても良い。
この他、シングル緯編地2を構成(編成)する糸としては、例えば、弾性糸であっても良い。
弾性糸としては、例えば、ポリウレタン(PU)樹脂製の糸とゴム製の糸の少なくとも一方を含んでいても良い。
又、弾性糸は、芯糸に対して鞘糸を巻き付けたカバリング構造であっても良い。
シングル緯編地2は、熱融着糸3aの含有率Xが、当該シングル緯編地2において、一様であっても良く、又、その逆に、当該シングル緯編地2における熱融着糸3aの含有率Xが、一様でなく、部分的に異なっていても構わない。シングル緯編地2における熱融着糸3aの含有率Xが一様でない場合、例えば、表皮材1(シングル緯編地2)において、使用者に接触する頻度が高い部分(例えば、インテリア品Cが椅子C’であれば、座部C1’(特に、その上面)や、背凭れ部C2’(特に、その前面)など)における熱融着糸3aの含有率Xはより高く(例えば、含有率Xが10%以上や20%以上など)、使用者に接触する頻度がそれほど高くない部分(例えば、インテリア品Cが椅子C’であれば、座部C1’の下面や側面など)や、背凭れ部C2’の上面や側面など)における熱融着糸3aの含有率Xはより低く(例えば、含有率Xが10%未満や8%未満など)ても良い。
複数本の糸3は、熱融着糸3aを含まなくとも良く、逆に、表皮糸3bを含まなくとも構わない。
複数本の糸3が熱融着糸3aを含む場合であっても、当該熱融着糸3aが、シングル緯編地2の一方面2a寄りに位置していなくとも良い。
複数本の糸3が表皮糸3bを含む場合であっても、当該表皮糸3bが、シングル緯編地2の他方面2b寄りに位置していなくとも良い。
複数本の糸3は、熱融着糸3a(謂わば、第1の熱融着糸3a)ばかりを含んだり、表皮糸3b(謂わば、第2の熱融着糸3b)ばかりを含んでも良い。
非熱融着性部分を有した糸(非熱融着性部分のみを有した糸など)によって構成された浮糸8aがシングル緯編地2の一方面2aから浮くように編成され(つまり、浮編組織8がシングル緯編地2の一方面2a側に設けられ、且つ、熱融着糸3aが一方面2a寄りに位置した略筒状又は略袋状のシングル緯編地2において当該一方面2a側が筒内面側又は袋内面側である場合、表皮材1(シングル緯編地2)を熱セット等の加工をしても、当該表皮材1(シングル緯編地2)の筒内面側又は袋内面側に位置した熱融着糸3a同士が引っ付くことを抑制したり、当該表皮材1(シングル緯編地2)に所定の形状を付ける型材(ラスト材)等に引っ付くことを抑制すると言える。
又、表皮材1(シングル緯編地2)において、浮編組織8が設けられた側の面は、面ファスナーが引っ付き易くなると言える。
本発明に係る表皮材は、自動車(乗用車)や鉄道車両、航空機、船舶等の乗り物の内部(室内)における椅子や内装材(内壁材、天井材、床材など)を覆うことが出来、特に、自動車であれば、カーシート(椅子)や、オーナメント(ドアトリム)、ダッシュボード、グローブボックス、インストルメントパネル、コンソールボックスなどの内装材(内壁材、天井材、床材)等を覆うものとして利用可能である。
この他、本発明に係る表皮材は、上述した自動車等の乗り物の内部だけでなく、家屋やビル等の建物の内部における椅子やベッド等の家具類や、壁材、天井材、床材等の内装材、照明器具などを覆う際に利用可能である他、更には、産業資材用途、衣料資材用途などに利用しても良い。
1 表皮材
2 シングル緯編地
2a シングル緯編地の一方面
2b シングル緯編地の他方面
3 複数本の糸
3a 熱融着糸
3b 表皮糸
4 プレイティング編組織
5 伸止部
6 かの子編組織
7 バッキング樹脂
C インテリア品
C’ 椅子
X 熱融着糸の含有率
Ga 一方剛軟度
Gb 他方剛軟度
ΔG 剛軟度差

Claims (9)

  1. インテリア品を覆う表皮材であって、
    当該表皮材は、シングル緯編地を有し、
    前記シングル緯編地は、複数本の糸を引き揃えてのプレイティング編組織を備え
    前記複数本の糸は、所定の割合で熱融着性部分を有した熱融着糸を含み、
    前記熱融着糸は、前記シングル緯編地の一方面寄りに位置していることを特徴とする表皮材。
  2. 前記シングル緯編地において含有される熱融着糸の含有率は、5%以上であることを特徴とする請求項に記載の表皮材。
  3. 前記複数本の糸は、前記熱融着糸より低い割合で熱融着性部分を有した表皮糸も含み、
    前記表皮糸は、前記シングル緯編地の他方面寄りに位置していることを特徴とする請求項1又は2に記載の表皮材。
  4. 前記シングル緯編地は、伸止部が設けられていることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の表皮材。
  5. 前記シングル緯編地は、かの子編組織を備えていることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の表皮材。
  6. 前記シングル緯編地は、当該表皮材として一体編成されたシングル緯編地であることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の表皮材。
  7. 当該表皮材は、前記シングル緯編地の一方面に付着したバッキング樹脂を有していることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の表皮材。
  8. 当該表皮材は、前記シングル緯編地の一方面を上にして測定したJIS−L−1096:2010(8.21.1 A法(45°カンチレバー法))に準じる一方剛軟度と、前記シングル緯編地の他方面を上にして測定したJIS−L−1096:2010(8.21.1 A法(45°カンチレバー法))に準じる他方剛軟度の剛軟度差が、前記シングル緯編地の緯方向で12mm以下であり、且つ、前記シングル緯編地の経方向で25mm以下であることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の表皮材。
  9. 該表皮材は、前記シングル緯編地の緯方向及び経方向において、前記シングル緯編地の一方面を上にして測定したJIS−L−1096:2010(8.21.1 A法(45°カンチレバー法))に準じる一方剛軟度と、前記シングル緯編地の他方面を上にして測定したJIS−L−1096:2010(8.21.1 A法(45°カンチレバー法))に準じる他方剛軟度の大小関係が揃っていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の表皮材。
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