JP6529057B1 - 一体型カバー部材 - Google Patents

一体型カバー部材 Download PDF

Info

Publication number
JP6529057B1
JP6529057B1 JP2018219740A JP2018219740A JP6529057B1 JP 6529057 B1 JP6529057 B1 JP 6529057B1 JP 2018219740 A JP2018219740 A JP 2018219740A JP 2018219740 A JP2018219740 A JP 2018219740A JP 6529057 B1 JP6529057 B1 JP 6529057B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cover member
chair
interior material
vertical
yarn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018219740A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020083012A (ja
Inventor
慎介 中島
慎介 中島
智志 ▲桑▼野
智志 ▲桑▼野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TB Kawashima Co Ltd
Original Assignee
TB Kawashima Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TB Kawashima Co Ltd filed Critical TB Kawashima Co Ltd
Priority to JP2018219740A priority Critical patent/JP6529057B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6529057B1 publication Critical patent/JP6529057B1/ja
Publication of JP2020083012A publication Critical patent/JP2020083012A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Seats For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】緯編地で一体形成されたカバー部材が、椅子等の凹凸に追従可能な凹凸部を有する等して、「製造効率の向上」と「皺の抑制」などを実現する。【解決手段】凹凸Dを有した椅子C’等のインテリア材Cを覆うカバー部材1である。カバー部材1は、緯編地で一体形成され、伸縮可能で且つ伸長時に収縮する向きに力が生じ、インテリア材Cの凹凸Dに追従可能な凹凸部2を有している。カバー部材1は、凹凸部2が引返し編によって形成されたり、引返し編が所定の距離をあけ且つ分散して複数個所に設けられたり、インテリア材Cに面ファスナ3を用いて付着されている等でも良い。又、インテリア材Cを覆うカバー部材1とも言え、カバー部材1は、縦露出長さR1が水平位置によって異なる縦露出長相異部分11や、横露出長さR2が鉛直位置によって異なる横露出長相異部分12を有している等であっても良い。【選択図】図1

Description

本発明は、凹凸を有した椅子等のインテリア材を覆うカバー部材に関する。
従来、複数の表皮材を縫製してなるシートカバーが知られている(特許文献1)。
このシートカバーは、縫い合わされた二枚の表皮材の縫合部分に設けられ、前記縫合部分が当該シートカバーによって覆われるシートのクッションパッドに引き込まれた状態でクッションパッドの係止部に係止される被係止部を備え、前記縫合部分に含まれる前記二枚の表皮材の縫い代のうち一方の表皮材の縫い代は、当該縫い代の延在方向の少なくとも一部区間において他方の表皮材の縫い代よりも前記縫合部分の引き込み方向に突出して配置された突出部を有し、前記被係止部は、前記突出部に直接設けられている。
特開2017−140186号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたシートカバーは、複数の表皮材を縫製することを必須としているため、縫製工程が必ず生じ、この縫製工程の分だけ製造効率が低下する。
更に、特許文献1のシートカバーは、皮革(天然皮革、合成皮革)などを表皮材として用いた場合、これらの表皮材を、カーシート等の立体物における凹凸に沿って縫製することで、当該表皮材に皺が発生する問題がある。
本発明は、このような点に鑑み、緯編地で一体形成されたカバー部材が、椅子等の凹凸に追従可能な凹凸部を有する等によって、「製造効率の向上」と「皺の抑制」などを実現するカバー部材を提供することを目的とする。
本発明に係るカバー部材1は、凹凸Dを有したインテリア材Cを覆うカバー部材であって、当該カバー部材は、緯編地によって一体形成され、当該カバー部材は、前記インテリア材Cの凹凸Dに追従可能な凹凸部2を有し、この凹凸部2は、前記インテリア材Cの凹凸Dのうち、凹みの表面から当該凹みに隣接した隆起の表面にかけてにも略沿った凹凸形状となっており、前記凹凸部2は、当該カバー部材の鉛直方向に略沿った縦断面の縦露出長さR1が前記縦断面の存在する水平位置によって異なる縦露出長相異部分11である、又は、当該カバー部材の水平方向に略沿った横断面の横露出長さR2が前記横断面の存在する鉛直位置によって異なる横露出長相異部分12であることを第1の特徴とする。
本発明に係るカバー部材1の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、前記インテリア材Cは、椅子C’であって、前記凹凸部2は、前記椅子C’に使用者が着座した際の当該椅子C’における使用者側の面にある凹凸Dに追従する点にある。
本発明に係るカバー部材1の第3の特徴は、上記第2の特徴に加えて、前記凹凸部2は、引返し編によって形成され、前記引返し編は、所定の距離をあけ且つ分散して複数個所に設けられ、前記凹凸部2のサイド部のサイドコース数N1に対する前記凹凸部2の略中央部における中央コース数N2の倍率である凹凸率αは、1.10以上2.30以下である点にある。
本発明に係るカバー部材1の第4の特徴は、上記第2又は3の特徴に加えて、当該カバー部材は、複数の部材に分かれて、前記椅子C’の座部C1’と背凭れ部C2’の両方をそれぞれ覆っている点にある。
本発明に係るカバー部材1の第5の特徴は、上記第2〜4の特徴に加えて、当該カバー部材は、前記椅子C’の下面(底面)側と、前記椅子C’の凹凸Dと、前記椅子C’の凹凸D近傍部分のうち少なくとも1箇所に、面ファスナ3を用いて付着されている点にある。
本発明に係るカバー部材1の第6の特徴は、上記第1〜5の特徴に加えて、当該カバー部材は、前記インテリア材Cの凹凸Dのうち凹みから隆起にかけての部分に面ファスナ3を用いて付着されている点にある。
本発明に係るカバー部材1の第7の特徴は、上記第5又は6の特徴に加えて、前記面ファスナ3は、雄型面ファスナ3’であり、この雄型面ファスナ3’は、パイルに溶融塊を有したパイル布帛である点にある。
本発明に係るカバー部材1の第8の特徴は、上記第1〜7の特徴に加えて、前記緯編地を編成する糸は、熱融着糸及び/又は弾性糸を含んでいる点にある。
これらの特徴により、カバー部材1を緯編地で一体形成することによって、特許文献1とは異なり、複数の表皮材を縫製する等の縫製工程が生じないため、この工程がない分だけ製造効率が向上する(「製造効率の向上」)。
これと共に、伸縮可能で且つ伸長時に収縮する向きに力が生じるカバー部材1に、インテリア材Cの凹凸Dに追従可能な凹凸部2を設けることによって、立体物であるカーシート(自動車の椅子)C’等のインテリア材Cに凹凸Dがあっても、当該カバー部材1における皺の発生を抑制できる(「皺の抑制」)。
このようなカバー部材1は、「一体型カバー部材」であるとも言える。
又、カバー部材1を、凹凸部2を引返し編によって形成したり、引返し編を所定の距離をあけ且つ分散して複数個所に設けることによって、椅子C’等のインテリア材Cの凹凸Dに対して、カバー部材1の凹凸部2をより的確に追従させることが可能となる(「追従性の向上」)。
更に、カバー部材1にインテリア材Cに面ファスナ3を用いて付着されていたり、カバー部材1を、インテリア材Cである椅子C’の下面側や凹凸Dそのもの、凹凸D近傍部分に面ファスナ3を用いて付着したり、面ファスナ3である雄型面ファスナ3’をパイル布帛とすることによって、椅子C’等のインテリア材Cの凹凸Dに対して、更なる「追従性の向上」が図れる。
その他、緯編地を編成する糸に熱融着糸を含ませることによって、カバー部材1を椅子C’等に被せた際の当該カバー部材1の乗降耐久性や摩擦堅牢度等が上がる(「乗降耐久性等の向上」)と言える。
又、緯編地を編成する糸に弾性糸を含ませることによって、カバー部材1を椅子C’等に被せた際の当該カバー部材1の定荷重セット率等が上がる(「定荷重セット率等の向上」)と言える。
その他、緯編地で一体形成されたカバー部材1に、縦露出長さR1が水平位置によって異なる縦露出長相異部分11や、横露出長さR2が鉛直位置によって異なる横露出長相異部分12を設けることによっても、「製造効率の向上」や「皺の抑制」を図れる。
本発明に係るカバー部材によると、緯編地で一体形成されたカバー部材が、椅子等のインテリア材の凹凸に追従可能な凹凸部を有する等によって、「製造効率の向上」と「皺の抑制」などを実現できる。
本発明に係るカバー部材とインテリア材(椅子や内装材)を例示する概要図であって、(a)はカバー部材と椅子の概要斜視図であり、(b)はカバー部材と椅子の概要正面図であり(T1a〜T1cで、図2(a)の縦断面の水平位置も示す)、(c)はカバー部材と内装材の概要断面図である。 (a)はカバー部材と椅子のある水平位置における縦断面を示し、(b)はカバー部材と椅子の他の水平位置における縦断面を示し(T2a〜T2cで、図3(a)〜(c)の横断面の鉛直位置も示す)、(c)はカバー部材と椅子の更に他の水平位置における縦断面を示す。 (a)はカバー部材と椅子のある鉛直位置における横断面を示し、(b)はカバー部材と椅子の他の鉛直位置における横断面を示し、(c)はカバー部材と椅子の更に他の鉛直位置における横断面を示す。 椅子を覆うカバー部材の緯編データの全体図である。緯編地としての編み方向(経方向)も示す。 椅子を覆うカバー部材の緯編データのうち、凹凸部(縦露出長相異部分、横露出長相異部分)の部分拡大図である。
<カバー部材1の全体構成>
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1〜5には、本発明に係るカバー部材1が示されており、このカバー部材1は、凹凸Dを有した椅子C’等のインテリア材Cを覆うカバーである。
以下はまず、カバー部材1が覆うインテリア材C等について述べる。
<インテリア材C、椅子C’、凹凸D>
図1〜3に示したように、インテリア材Cは、自動車(乗用車)や鉄道車両、航空機、船舶等の乗り物の内部(室内)における椅子や内装材(内壁材、天井材、床材など)をはじめ、特に、自動車であれば、カーシート(椅子)や、オーナメント(ドアトリム)、アームレスト、シートベルト格納カバー、ダッシュボード、グローブボックス、インストルメントパネル、コンソールボックスなどの自動車の内装材(内壁材、天井材、床材も含む)等を意味する。
インテリア材Cは、上述した自動車等の乗り物の内部だけでなく、家屋やビル等の建物の内部における椅子やベッド等の家具類や、壁材、天井材、床材等の内装材、照明器具などであっても良い。
以下は、インテリア材Cとして、主に椅子(特に、カーシート)C’であるとして述べる。
インテリア材Cの1つである椅子C’は、ドライバーや乗客、事務員などの使用者が着座するものであって、上述した乗用車のカーシートの他、使用者が着座できるのであれば、オフィスチェアや、リラックスチェアラウンジチェア、ダイニングチェア、スツール、ベンチ等であっても良い。
椅子C’は、その形状、色、素材など特に限定はなく、又、ヘッドレストや肘掛、背凭れの有無も問わない。
以下、椅子C’は、主にカーシートであるとして述べる。
このようなカーシート等のインテリア材Cにおける凹凸Dとは、凹み及び/又は隆起(突起)を意味する。
特に、カーシートなどの椅子C’であれば、この凹凸Dは、主に、座部C1’や背凭れ部C2’に設けられている。
ここで、椅子C’の座部C1’は、ドライバー等の使用者が着座した際に、当該使用者(特に、臀部から大腿部等にかけての下半身)を下方から支える部分であって、この座部C1’と使用者が接触する部分(通常は、左右方向略中央で且つ前後方向所定範囲の部分)は、凹んで(下方に湾曲して)おり、凹凸Dのうち、凹みであると言える。
座部C1’と使用者が接触しない部分(通常は、左右方向各端部分)は、逆に隆起して(上方に湾曲して)いるとも言え、凹凸Dのうち、隆起であるとも言える。
又、椅子C’の背凭れ部C2’は、ドライバー等の使用者が着座した際に、当該使用者(特に、臀部から背中等にかけての背面側)を略後方から支える部分であって、この背凭れ部C2’と使用者が接触する部分(通常は、左右方向略中央で且つ略上下(鉛直)方向所定範囲の部分)は、凹んで(略後方に湾曲して)おり、凹凸Dのうち、凹みであると言える。
尚、背凭れ部C2’と使用者が接触しない部分(通常は、左右方向各端部分(サイド部分))は、逆に隆起して(上方に湾曲して)いるとも言え、凹凸Dのうち、隆起であるとも言える。
インテリア材Cにおける凹凸Dの凹凸差(凹みであれば深さ、隆起であれば高さ、凹みと隆起の両方があれば、凹みの底から隆起の頂点までの高低差)は、何れの値でも良いが、例えば、1mm以上500mm以下、好ましくは3mm以上100mm以下、更に好ましくは10mm以上50mm以下であっても良い。
インテリア材Cが椅子C’以外のものにおいても、凹凸Dとは、凹み及び/又は隆起(突起)であれば、何れの構成のものも含むが、例えば、インテリア材Cが内装材C”の1つであるドアトリムである場合、ドライバー等の使用者が室内からドアを開閉する際に把持する把持部が設けられており、この把持部が把持し易くする凹みや隆起(突起)が、凹凸Dであると言える。
その他、インテリア材Cがその他の内装材(その他の内壁材や天井材等)C”である場合も、装飾や模様による凹み及び/又は隆起(突起)であっても、凹凸Dとなる。
<カバー部材1、一体形成された緯編地>
図1〜5に示したように、カバー部材1は、上述した凹凸Dを有する椅子C’等のインテリア材Cを覆うものである。
カバー部材1は、椅子C’等のインテリア材C全体を覆っていても良いが、インテリア材Cの少なくとも一部を覆っていれば良く、例えば、椅子C’であれば、座部C1’のみを覆ったり、背凭れ部C2’のみを覆うなど、複数の部材に分かれて座部C1’と背凭れ部C2’の両方を覆うなど何れの構成であっても構わない。
カバー部材1は、緯編地(丸編地を含む)として一体形成(一体編成)されると同時に、伸縮可能であり、且つ、所定方向に伸長した時に当該所定方向に沿って収縮する向きに力が生じ、後述する凹凸部2を有している。
このようなカバー部材1は、換言すれば、緯編地によって一体形成されると同時に、後述する縦露出長相異部分11を有しているとも言える。
更に換言すれば、カバー部材1は、緯編地によって一体形成されると同時に、横露出長相異部分12を有しているとも言え、何れにせよ、カバー部材1は、緯編地によって一体形成されている特徴を持っている。
この一体形成された緯編地であるカバー部材1は、椅子C’等のインテリア材Cを覆うことが出来るのであれば、その形状や構成に特に制限はないが、例えば、椅子C’である場合には、カバー部材1は丸編地であって、その形状は、略袋状(開口部1cが1つのみ)であったり、略筒状(開口部1cが正対する位置に2つ)であったり、その他、開口部1cが3つ以上ある形状(基本的な形状は、略袋状又は略筒状)であっても良い。
これらの開口部1cを介して、例えば、椅子C’とその台座を連結する部材を通したり、ヘッドレスト等の部材を通しても良い。
インテリア材Cが内装材C”である場合も、一体形成された緯編地であるカバー部材1は、その形状や構成に特に制限はないが、例えば、カバー部材1は、丸編地ではない緯編地であって、その形状は、シート状等であっても良い。
緯編地であるカバー部材1は、所定の編機によって一体形成(一体編成)されていたり、手編みによって一体形成されていても良い。
以下は、カバー部材1は、所定の編機によって一体形成されているとして述べる。
一体形成された緯編地であるカバー部材1を構成(編成)する繊維(又は糸)についても、その素材に特に限定はないが、例えば、熱可塑性の素材であるポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル繊維、ナイロン(ポリアミド)繊維、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系繊維、レーヨン繊維、キュプラ繊維、アセテート繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)を主成分とするアクリル繊維、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(ビニロン繊維)、ポリウレタン(PU)繊維(ポリウレタン弾性糸)などの合成繊維でも良く、その他、ガラス繊維、羊毛、絹などであり、これらを単独又は組み合わせて用いられても構わない。
<熱融着糸>
又、一体形成された緯編地であるカバー部材1を構成(編成)する糸としては、例えば、熱融着性部分と非熱融着性部分を有した熱融着糸であっても良い。
この熱融着糸における熱融着性部分と非熱融着性部分は、ポリエチレン(PE)樹脂とポリプロピレン(PP)樹脂であったり、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂など)とポリエチレン(PE)樹脂やポリアミド(ナイロン)樹脂であったり、通常のポリエステル樹脂(高融点ポリエステル樹脂)と低融点ポリエステル樹脂などであっても構わない。
熱融着糸は、熱融着性部分を有するのであれば、何れの構成でも良いが、例えば、芯鞘構造や、バリング構造などでも良く、例えば、熱融着糸が芯鞘構造であれば、融点の異なる熱融着性部分と非熱融着性部分のうち、融点がより高い非熱融着性部分を芯とし、融点がより低い熱融着性部分を として、1本の糸(単繊維)中に芯と の状態で紡糸することで形成されたり、熱融着糸4がカバリング構造であれば、非熱融着性部分である芯糸に対して、熱融着性部分である 糸を巻き付けた構造であっても良い。
尚、緯編地(つまり、カバー部材1)全体を編成する糸のうち、熱融着糸を含んでいる割合(熱融着糸の含有率)は、特に限定はないが、例えば、5%以上60%以下、好ましくは10%以上50%以下、更に好ましくは15%以上45%以下であっても良く、この熱融着糸の含有率が60%を超える場合には、緯編地であるカバー部材1の風合いが悪くなるとも言える。
<弾性糸>
この他、一体形成された緯編地であるカバー部材1を構成(編成)する糸としては、例えば、弾性糸であっても良い。
弾性糸としては、例えば、ポリウレタン(PU)樹脂製の糸とゴム製の糸の少なくとも一方を含んでいても良い。
又、弾性糸は、芯糸に対して鞘糸を巻き付けたカバリング構造であっても良い。
尚、弾性糸がカバリング構造である場合、芯糸が、ポリウレタン樹脂製の糸やゴム製の糸であって、鞘糸が、ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂など)の熱融着糸であっても良い。
更に、弾性糸としては、上述した熱融着性部分を有した熱融着糸を含んでいたり、その他の素材の糸を含んでいても良い。
弾性糸の伸度(糸伸度)は、上述した緯編地であるカバー部材1を編成する他の糸(上述した熱融着糸や、ポリエステル繊維製の糸(謂わば、レギュラー糸)等)より、糸伸度が高いとも言える。
弾性糸は、その具体的な糸伸度の値に、特に限定はないが、例えば、弾性糸が長手方向に15%伸張した時の応力(単位:N(ニュートン))が、0.01N以上5.00N以下、好ましくは0.02N以上3.00N以下、更に好ましくは0.03N以上2.00N以下であっても良い。
尚、本発明において「伸度」とは、緯編地を編成する糸を、当該糸の長手方向に引っ張った際の伸び易さ(逆に言えば、伸び難さ)を意味し、この伸度は、緯編地を編成する糸そのものの伸度であるため、「糸伸度」とも言える。
又、緯編地(つまり、カバー部材1)全体を編成する糸のうち、弾性糸を含んでいる割合(弾性糸の含有率)は、特に限定はないが、例えば、10%以上90%以下、好ましくは20%以上80%以下、更に好ましくは30%以上70%以下(50%など)であっても良い。
又、カバー部材1を構成(編成、織成等)する繊維の繊度も、何れの値でも良いが、例えば、総繊度で、20dtex以上3000dtex以下であっても良い。
カバー部材1の厚さは、何れの値でも良いが、例えば、0.1mm以上30.0mm以下、好ましくは0.5mm以上10.0mm以下、更に好ましくは1.0mm以上5.0mm以下であっても良い。
一体形成された緯編地であるカバー部材1は、所望により、酸化チタン、炭酸カルシウム等の体質顔料やフィラー(充填材)を任意に添加したり、消臭剤、抗菌剤、防カビ剤、難燃剤、撥水剤、防汚剤、着色剤、香料、発泡剤等を添加した素材(繊維)を用いたり、カバー部材1を、一体形成された緯編地とした後に処理しても良い。
カバー部材1は、その模様については、無地や、花や草木などの植物の柄、動物の柄、幾何学模様、表面凹凸等による模様など何れでも良い。カバー部材1の色彩についても、青色系、黒色系、白色系、赤色系、橙色系、黄色系、緑色系、紫色系など何れの色調でも良く、彩度や明度についても何れの値でも構わない。
尚、一体形成された緯編地であるカバー部材1の「表面1a」とは、椅子C’や内装材C”等のインテリア材Cを覆った時に露出する側の面であるとも言える。
逆に、カバー部材1の「裏面1b」とは、椅子C’や内装材C”等のインテリア材Cを覆った時に露出しない側の面であるとも言える。
このようなカバー部材1は、椅子C’等のインテリア材Cを覆うことが出来るのであれば、何れの覆い方(被せ方)でも良いが、例えば、カバー部材1が略袋状や略筒状であり、且つ、インテリア材Cが椅子C’である場合であれば、当該椅子C’に対して、一体形成された緯編地であるカバー部材1の緯方向が、椅子C’における左右方向に略沿うように、カバー部材1を縦に被せて(つまり、背凭れ部C2’の上方側から被せたり、座部C1’の前方側から被せて)も良い。
この場合、当該椅子C’に対して、カバー部材1の緯方向を、椅子C’における上下方向又は前後方向に略沿うように、カバー部材1を横に被せて(つまり、背凭れ部C2’の左右一方側から被せたり、座部C1’の左右一方側から被せて)も良い。
又、カバー部材1がシート状であり、且つ、インテリア材Cが内装材C”である場合であれば、当該内装材C”に対して、一体形成された緯編地であるカバー部材1の緯方向は、内装材C”における左右方向や上下方向、前後方向、バイアス方向(斜め方向)などの何れかの方向に略沿うように、カバー部材1で覆っても良い。
その他、一体形成された緯編地であるカバー部材1は、面ファスナ3を用いて椅子C’等のインテリア材Cに付着されたり、紐等の着脱部材やポケットなどを有していても良く、椅子C’等に対して着脱可能(取り外し可能)であっても構わない。
<凹凸部2、引返し編>
図1〜5に示したように、凹凸部2は、上述した椅子C’等のインテリア材Cの凹凸Dに追従可能な部分である。
ここで、本発明における「凹凸Dに追従可能」とは、上述した椅子C’等のインテリア材Cにおける凹凸Dの表面(カバー部材1に覆われる側の面)Caに略沿って、カバー部材1の凹凸部2が同様の凹凸形状となることが可能であることを意味し、一体緯編地であるカバー部材1が椅子C’や内装材C”等を覆った際でも、凹凸部2において、編目が粗くなることが抑制されたり、椅子C’や内装材C”等の凹凸(凹み及び/又は隆起)Dの表面Ca’、Ca”はカバー部材1越しに透けて見え難くなっていても良い。
凹凸部2は、椅子C’等の凹凸Dに追従可能であれば、何れの構成(編組織)でも良いが、例えば、一体緯編地であるカバー部材1において、引返し編にて凹凸部2を形成していても構わない。
本発明における「引返し編」とは、緯編地(丸編地を含む)の所定のコース(経方向の段)において、部分的に編目(ニードルループ、目数)を増やしたり減らしたり(一部の目を休めたり)する編組織を意味し、緯編地の緯方向によって、当該緯編地のコース数(段数)が異なる(例えば、カバー部材1の水平方向(緯編地の緯方向(ウェール方向))によって当該カバー部材1の鉛直方向(緯編地の経方向(コース方向))の長さが異なることとなり、別名、休止編とも言う。
その他、凹凸部2は、椅子C’等の凹凸Dに追従可能であれば、所定の編機による引返し編以外で構成されていても良く、例えば、手編みによる引返し編によって構成されていたり、引返し編の具体的な編組織(編み方)も、W&T(Wrap & Turn )引返し編や、日本式ショートロウ(Japanese Short Rows )引返し編、ドイツ式ショートロウ(German Short Rows )引返し編などであっても構わない。
このような凹凸部2は、カバー部材1において、椅子C’等のインテリア材Cの凹凸Dを覆う位置に設けられており、換言すれば、凹凸部2は、椅子C’等の凹凸Dの正面視(椅子C’等でカバー部材1に覆われる側の表面Ca’における法線方向視)において、当該凹凸部2が、凹凸Dと略重なる位置に設けられている。
この引返し編は、所定の距離をあけ且つ分散して複数個所に設けられることで、凹凸部2を構成していても良く、この所定の距離とは、緯編地であるカバー部材1における所定のコース数(経方向の段数)を意味しても良く、この所定のコース数は、例えば、1コース以上10コース以下であっても良い。
このような凹凸部2のコース数の増減や位置については、後述する縦露出長相異部分11や横露出長相異部分12、図4、5(特に、図5)にて詳解する。
<面ファスナ3、雄型面ファスナ3’>
図1〜3に示したように、面ファスナ3は、上述した椅子C’等のインテリア材Cに、上述したカバー部材1を付着させる際に用いるものである。
面ファスナ3は、椅子C’等にカバー部材1を付着できるのであれば、その構成は何れでも良いが、例えば、雄型面ファスナ3’であったり、雌型面ファスナであっても構わない。
雄型面ファスナ3’は、面状物(シート状物)の一方面にパイルやフック等の突起物を有した面ファスナであり、例えば、パイルに溶融塊を有したパイル布帛で構成された面ファスナ(詳しくは、単繊維繊度が0.3dtex以上10.0dtex以下の熱可塑性合成繊維から成る立毛繊維を溶融して形成され且つ最大寸法が立毛繊維の単繊維径の2倍以上5倍以下である溶融塊を有した雄状繊維と、溶融塊を有していない非雄状繊維とが隣接して存在している面ファスナ等)であっても良い。
又、雄型面ファスナ3’は、当該雄型面ファスナの表面に並行な方向に横倒しになっている繊維の破断した破断口が露出している面ファスナであっても良い。
その他、雄型面ファスナ3’は、ベースと当該ベースと一体にモールド(鋳造)された多数の係合フックとを備えた面ファスナ(ベルクロ(登録商標))などであっても良い。
このような雄型面ファスナ3’等の面ファスナ3は、椅子C’等にカバー部材1を付着させる際に用いられるのであれば、特に限定はないが、面ファスナ3が椅子C’等のインテリア材C側に対して溶融塊を有したパイル側の面(雄型面)やこのようなパイル等の突起物が付着可能な面(雌型面)を露出させた状態で取り付けられると同時に、対となる面ファスナ3がカバー部材1側に対して雌型面又は雄型面を露出させた状態で取り付けられていても良い。
この場合、椅子C’等のインテリア材C側の面ファスナ3と、カバー部材1側の面ファスナ3が係合することによって、面ファスナ3を用いて、カバー部材1を椅子C’等に付着させることとなる。
又、面ファスナ3は、カバー部材1側のみに対して、一対の雄型面ファスナ3’と雌型面ファスナを、それぞれの雄型面や雌型面を露出させた状態で取り付けられていても良い。
その他、面ファスナ3は、緯編地であるカバー部材1自体が雄型面ファスナ3’と係合可能であれば、カバー部材1側のみに対して、雄型面ファスナ3’だけを雄型面露出させた状態で取り付けられていても良い。
尚、緯編地であるカバー部材1自体を雄型面ファスナ3’と係合可能とする方法・手段にも、特に限定はないが、例えば、カバー部材1である一体形成された緯編地の所定部分を起毛等した毛羽(パイル)に、レーザー光線照射装置や、火炎放射装置、超音波ミシン等によって)溶融塊を設けても良い。
面ファスナ3をカバー部材1側や、椅子C’等のインテリア材C側に取り付ける方法・手段についても、特に限定はないが、例えば、縫製や、糊等の接着材を介してなどにて取り付けても良い。
面ファスナ3が設けられる位置も、特に制限はないが、例えば、インテリア材Cが椅子C’である場合には、椅子C’の下面(底面)側にカバー部材1を付着されるのに用いたり、椅子C’の凹凸D(椅子C’の凹み及び/又は隆起や、凹みから隆起にかけての部分)そのものや、椅子C’の近傍部分(椅子C’の凹み及び/又は隆起の近傍部分)にカバー部材1を付着させるのに、面ファスナ3を用いても良い。
この場合、椅子C’の下面側やの凹凸D、凹凸D近傍部分において、椅子C’側とカバー部材1側のそれぞれに対応箇所に、一対となる雄型面ファスナ3’と雌型面ファスナを取り付けていたり、カバー部材1側のみに、一対の雄型面ファスナ3’と雌型面ファスナを取り付けていたり、カバー部材1自体が雄型面ファスナ3’と係合可能であれば、カバー部材1側のみに、雄型面ファスナ3’だけを取り付けていても良い。
以下、面ファスナ3が雄型面ファスナ3’であるとして詳解する。
<縦露出長相異部分11、縦断面T1、縦露出長さR1>
図1〜3に示したように、縦露出長相異部分11は、カバー部材1の縦断面T1における縦露出長さR1が、縦断面T1の存在する水平位置によって異なる部分である。
ここで、本発明における「縦断面T1」とは、カバー部材1の鉛直方向(上下方向)に略沿った断面であり、この縦断面T1は、カバー部材1や椅子C’等のインテリア材Cの所定の水平位置(例えば、所定の左右位置等)における水平方向視(例えば、左右方向視等)の断面であるとも言える。
特に、図2の(a)〜(c)は、所定の水平位置(ある水平位置、他の水平位置、更に他の水平位置)に存在する縦断面T1を示している。
又、本発明における「縦露出長さR1」とは、カバー部材1で椅子C’等のインテリア材Cを覆った際に露出している部分の縦断面T1における長さを意味する。
従って、インテリア材Cが椅子C’を例示した場合の図2では、(a)〜(c)の各水平位置の縦断面T1において椅子C’(太い実線)を囲む細い実線で示された周長さが、それぞれの縦露出長さR1となり、この縦露出長さR1は、当該カバー部材1において、縦断面T1の存在する各水平位置(図2においては、各左右位置)によって異なっていることがわかる。
故に、この水平位置によって縦露出長さR1が異なる(互いに異なる)部分が、縦露出長相異部分11となると言えるが、図2(a)の縦断面T1aにおける縦露出長さR1aと、図2(b)の縦断面T1bにおける縦露出長さR1bと、図2(c)の縦断面T1cにおける縦露出長さR1cは互いに異なることから、図2(a)の縦断面T1aを含む部分11aと、図2(b)の縦断面T1bを含む部分11bと、図2(c)の縦断面T1cを含む部分11cは、互いが互いの縦露出長相異部分11(11a〜11c)であるとも言える。
更に言及すれば、これら縦露出長相異部分11a〜11cにわたる部分全体が、縦露出長相異部分11であるとも言える。
又、縦露出長相異部分11は、その縦露出長さR1の相違具合が、略左右対称(左右位置で略対称)や略前後対称(前後位置で略対称)であっても良く、この略左右対称等に縦露出長さR1が相異している部分全体を、1つの縦露出長相異部分11としても良い。
<横露出長相異部分12、横断面T2、横露出長さR2>
図1〜3に示したように、横露出長相異部分12は、カバー部材1の横断面T2における横露出長さR2が、横断面T2の存在する鉛直位置によって異なる部分である。
ここで、本発明における「横断面T2」とは、カバー部材1の水平方向に略沿った断面であり、この横断面T2は、カバー部材1や椅子C’等のインテリア材Cの所定の鉛直位置(所定の上下位置)における鉛直方向視(上下方向視)の断面であるとも言える。
特に、図3の(a)〜(c)は、所定の鉛直位置(ある鉛直位置、他の鉛直位置、更に他の鉛直位置)に存在する横断面T2を示している。
又、本発明における「横露出長さR2」とは、カバー部材1で椅子C’等のインテリア材Cを覆った際に露出している部分の縦断面T1における長さを意味する。
従って、インテリア材Cが椅子C’を例示した場合の図3では、(a)〜(c)の各鉛直位置の横断面T2において椅子C’(太い実線)を囲む細い実線で示された周長さが、それぞれの横露出長さR2となり、この横露出長さR2は、当該カバー部材1において、横断面T2の存在する各鉛直位置(図3においては、各上下位置)によって異なっていることがわかる。
故に、この鉛直位置によって横露出長さR2が異なる(互いに異なる)部分が、横露出長相異部分12となると言えるが、図3(a)の横断面T2aにおける横露出長さR2aと、図3(b)の横断面T2bにおける横露出長さR2bと、図3(c)の横断面T2cにおける横露出長さR2cは互いに異なることから、図3(a)の横断面T2aを含む部分12aと、図3(b)の横断面T2bを含む部分12bと、図3(c)の横断面T2cを含む部分12cは、互いが互いの横露出長相異部分12(12a〜12c)であるとも言える。
更に言及すれば、これら横露出長相異部分12a〜12cにわたる部分全体が、横露出長相異部分12であるとも言える。
又、横露出長相異部分12は、その横露出長さR2の相違具合が、略上下対称(上下位置で略対称)であっても良く、この略上下対称に横露出長さR2が相異している部分全体を、1つの横露出長相異部分12としても良い。
<各露出長相異部分11、12と、凹凸部2の詳解>
図4、5で示されたように、ここまで上述した各露出長相異部分11、12や、凹凸部2は、一体形成された緯編地であるカバー部材1に設けられる。
このカバー部材1の緯編データをふまえ、如何にして、各露出長さR1、R2が異なる部分11、12や、インテリア材Cの凹凸Dに追従する凹凸部2を設けるかを、以下に述べる。
尚、一体形成された緯編地であるカバー部材1は、経方向(コース方向)が図1〜3における鉛直方向(上下方向)となり、緯方向(ウェール方向)が図1〜3における水平方向(左右位置や前後方向)となるように、椅子C’の背凭れ部C2’の上方から被せられているものとする。
図4、5では、カバー部材1において編目(ニードルループ)を形成している部分を「明るい色(明色)」で表し、カバー部材1において編目を形成していない(編目形成を休んでいる)部分を「暗い色(暗色、又は、略黒色)」で表している。
特に、凹凸部2の緯編データを拡大した図5では、Aの矢印で示された緯方向位置(サイド部)における「明色」の数(つまり、サイド部におけるサイドコース数)N1より、図5中のBの矢印で示された緯方向位置(略中央部)における「明色」の数(つまり、略中央部における中央コース数)N2の方が多くなっており、サイド部より略中央部の方が、緯編地の生地が余っている(ダブついている)。
これは、カバー部材1を椅子C’の背凭れ部C2’の上方から被せた場合において、Aの矢印で示された緯方向位置に相当する水平位置(左右位置等)におけるサイドコース数N1(つまり、サイド部の縦露出長さR1)より、Bの矢印で示された緯方向位置に相当する水平位置(左右位置等)における中央コース数N2(つまり、略中央部の縦露出長さR1)の方が長くなることを意味する。よって、縦露出長相異部分11は、凹凸部2であるとも言える。
これは同時に、カバー部材1を椅子C’の左右一方から被せた場合には、Aの矢印で示された緯方向位置に相当する鉛直位置(上下位置)におけるサイドコース数N1(つまり、サイド部の横露出長さR2)より、Bの矢印で示された緯方向位置に相当する鉛直位置(上下位置)における中央コース数N2(つまり、略中央部の横露出長さR2B)の方が長くなることを意味し、横露出長相異部分12も、凹凸部2であるとも言える。
そこで、図5の凹凸部2(各露出長相異部分11、12)において、サイドコース数N1に対する中央コース数N2の倍率(N2/N1、以下「凹凸率α」)は、当該凹凸部2の経方向位置(鉛直位置)によって違い(図5中の<1>〜<5>参照)があり、これら<1>〜<5>の凹凸部分ごとのサイドコース数N1、中央コース数N2、サイドコース数N1と中央コース数N2の差(N1−N2)、凹凸率α(N2/N1)を、以下の表1に示す。
尚、図5中の<1>〜<5>の部分は、カバー部材1を椅子C’に被せた際、図2中の<1>〜<5>の凹凸部分(凹み部分)に相当し、この図2から、<1>の凹凸部分は「上浅凹凸部分」と言え、<2>の凹凸部分は「上深凹凸部分」、<3>の凹凸部分は「最深凹凸部分」、<4>の凹凸部分は「下深凹凸部分」、<5>の凹凸部分は「下浅凹凸部分」とも言える。
この表1に示したように、サイド部と略中央部との凹凸率αが、<1>の上浅凹凸部分では1.43に、<2>の上深凹凸部分では1.79に、<3>の最深凹凸部分では2.02に、<4>の下深凹凸部分では1.94に、<5>の下浅凹凸部では1.35に、<1>〜<5>の凹凸部分を平均して1.69となるように設定すれば、椅子C’の凹凸(凹み)Dに追従可能な凹凸部2(各露出長相異部分11、12)となることがわかった。
ここで、<1>〜<5>の各凹凸部分の凹凸率αは、上述した表1の値に限定されず、凹凸部2における引返し編を適宜増減調整することで、例えば、サイド部と略中央部との凹凸率αを、例えば、<1>や<5>等の浅凹凸部分(低凹凸部分)では1.10以上1.45以下に設定し、<2>や<4>等の深凹凸部分(高凹凸部分)では1.45以上1.80以下に設定し、<3>等の最深凹凸部分(最高凹凸部分)では1.80以上2.30以下に設定しても良い。
このように、凹凸部2(各露出長相異部分11、12)の凹凸率αを増減調整することで、インテリア材Cにおける種々の深さ・高さの違う凹凸Dや、徐々に深くなっていく(徐々に高くなっていく)凹凸Dにも追従できるカバー部材1となる。
<その他>
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。カバー部材1等の各構成又は全体の構造、形状、寸法などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが出来る。
カバー部材1が略袋状であり、インテリア材Cが椅子C’である場合には、当該カバー部材1の開口部1cは、椅子C’の下面(底面)に位置するようにしても良い。
カバー部材1が略袋状であり且つ開口部1cが1つである場合には、当該開口部1cに良く伸びる(伸縮性の高い)糸を用いても良い。
カバー部材1は、インテリア材Cが椅子C’である場合、当該椅子C’の側面を覆う部分に開口部1cを設けていたり、緯編地であるカバー部材1の厚さを薄くして(破れ易い箇所を有して)いても良い。
カバー部材1がシート状であり、インテリア材Cが内装材C”である場合等には、当該カバー部材1は開口部1cを有さなくとも良い。
又、カバー部材1は、上述したように緯編地であるが、アクセント柄として、当該緯編地の一部等に、ポリウレタン樹脂製等の弾性糸を用いることによって、カバー部材1における凹凸柄を表現でき、異素材感(例えば、一体形成された緯編地でありながら、縫製品やパッチワークのような感じ)を実現できるとも言える。
本発明に係るカバー部材は、自動車(乗用車)や鉄道車両、航空機、船舶等の乗り物の内部(室内)における椅子や内装材(内壁材、天井材、床材など)を覆うことが出来、特に、自動車であれば、カーシート(椅子)や、オーナメント(ドアトリム)、ダッシュボード、グローブボックス、インストルメントパネル、コンソールボックスなどの内装材(内壁材、天井材、床材)等を覆うものとして利用可能である。
この他、本発明に係るカバー部材は、上述した自動車等の乗り物の内部だけでなく、家屋やビル等の建物の内部における椅子やベッド等の家具類や、壁材、天井材、床材等の内装材、照明器具などを覆う際に利用可能である他、更には、産業資材用途、衣料資材用途などに利用しても良い。
1 カバー部材
2 凹凸部
3 面ファスナ
3’ 雄型面ファスナ
11 縦露出長相異部分
12 横露出長相異部分
D 凹凸
C インテリア材
C’ 椅子
R1 縦露出長さ
R2 横露出長さ

Claims (8)

  1. 凹凸(D)を有したインテリア材(C)を覆うカバー部材であって、
    当該カバー部材は、緯編地によって一体形成され、
    当該カバー部材は、前記インテリア材(C)の凹凸(D)に追従可能な凹凸部(2)を有し
    この凹凸部(2)は、前記インテリア材(C)の凹凸(D)のうち、凹みの表面から当該凹みに隣接した隆起の表面にかけてにも略沿った凹凸形状となっており、
    前記凹凸部(2)は、当該カバー部材の鉛直方向に略沿った縦断面の縦露出長さ(R1)が前記縦断面の存在する水平位置によって異なる縦露出長相異部分(11)である、又は、当該カバー部材の水平方向に略沿った横断面の横露出長さ(R2)が前記横断面の存在する鉛直位置によって異なる横露出長相異部分(12)であることを特徴とするカバー部材。
  2. 前記インテリア材(C)は、椅子(C’)であって、
    前記凹凸部(2)は、前記椅子(C’)に使用者が着座した際の当該椅子(C’)における使用者側の面にある凹凸(D)に追従することを特徴とする請求項1に記載のカバー部材。
  3. 前記凹凸部(2)は、引返し編によって形成され
    前記引返し編は、所定の距離をあけ且つ分散して複数個所に設けられ、
    前記凹凸部(2)のサイド部のサイドコース数N1に対する前記凹凸部(2)の略中央部における中央コース数N2の倍率である凹凸率(α)は、1.10以上2.30以下であることを特徴とする請求項に記載のカバー部材。
  4. 当該カバー部材は、複数の部材に分かれて、前記椅子(C’)の座部(C1’)と背凭れ部(C2’)の両方をそれぞれ覆っていることを特徴とする請求項2又は3に記載のカバー部材。
  5. 当該カバー部材は、前記椅子(C’)の下面側と、前記椅子(C’)の凹凸(D)と、前記椅子(C’)の凹凸(D)近傍部分のうち少なくとも1箇所に、面ファスナ(3)を用いて付着されていることを特徴とする請求項2〜の何れか1項に記載のカバー部材。
  6. 当該カバー部材は、前記インテリア材(C)の凹凸(D)のうち凹みから隆起にかけての部分に面ファスナ(3)を用いて付着されていることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のカバー部材。
  7. 前記面ファスナ(3)は、雄型面ファスナ(3’)であり、
    この雄型面ファスナ(3’)は、パイルに溶融塊を有したパイル布帛であることを特徴とする請求項又はに記載のカバー部材。
  8. 前記緯編地を編成する糸は、熱融着糸及び/又は弾性糸を含んでいることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のカバー部材。
JP2018219740A 2018-11-22 2018-11-22 一体型カバー部材 Active JP6529057B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018219740A JP6529057B1 (ja) 2018-11-22 2018-11-22 一体型カバー部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018219740A JP6529057B1 (ja) 2018-11-22 2018-11-22 一体型カバー部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6529057B1 true JP6529057B1 (ja) 2019-06-12
JP2020083012A JP2020083012A (ja) 2020-06-04

Family

ID=66821676

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018219740A Active JP6529057B1 (ja) 2018-11-22 2018-11-22 一体型カバー部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6529057B1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021180066A (ja) 2020-05-11 2021-11-18 船井電機株式会社 面光源装置、表示装置および光学シートの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020083012A (ja) 2020-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6131319B2 (ja) 保温ブランケット
AU680789B2 (en) Knitted covers
EP1053908B1 (en) Seat
US20150104604A1 (en) Insulated composite fabrics
JP4789342B2 (ja) クッション材、シート及びパイル糸の植毛方法
JP7007568B2 (ja) 表皮材及び表皮材の製造方法
CN107433892A (zh) 装饰罩及车辆用座椅
JP6529057B1 (ja) 一体型カバー部材
JP2003013346A (ja) 三次元立体編物
JP2002138352A (ja) 三次元立体編物
JP2002105815A (ja) 三次元立体編物シート
JP6285583B1 (ja) 内装用モケット
JP6660648B1 (ja) 表皮材
JP6950364B2 (ja) 乗物用シート
JP2016101302A (ja) 通気性を有するマット
JP4749757B2 (ja) クッション材
JP5850655B2 (ja) 布バネ材用経編地
JP2003278060A (ja) 三次元立体編物
JP2022184411A (ja) シート表皮材及びそれを含む座席
JP6429065B2 (ja) 下敷材
JP2024020700A (ja) 車輌内装用加飾シート材
US20240148155A1 (en) Seat Skin Material and Seat Including Same
JP4646821B2 (ja) キルティング縫製品およびクッション材
RU90022U1 (ru) Чехол для автомобильного кресла или дивана (варианты)
JP2005124981A (ja) クッション材

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20181122

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181122

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20181122

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20190118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190418

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190508

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190508

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6529057

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250