JP6281410B2 - 車両用天井材 - Google Patents

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Description

本発明は車両用天井材に関する。更に詳しくは、表皮層として織物を用いることによって意匠性が付与された車両用天井材に関する。
車両の天井は、通常、ボディを構成する鋼板の内側に、断熱及び緩衝等の機能を得る目的で車両用天井材が設けられている。車両用天井は、通常、全体として深絞り形状を呈するとともに、バイザーやアシストグリップ等を配置するための凹部や凸部、センターコンソールや天窓等を配置する開孔などを有する。即ち、各部品を配置するために必要な凹部、凸部及び開孔等が深絞りの概形に付加されており、車両用天井材は折り重なった凹凸や開孔を有する複雑な形状をなしている。
このような車両用天井材の内表面を構成する表皮材として、従来、ニット(編物)や不織布が用いられてきた。ニットや不織布は、厚さを薄く形成しながら伸び易い形態を容易に得ることができる。そのため、上述のような複雑な形状をなした車両用天井材の表面であっても追従させて外観を損ねることなく張り付けることができた。
しかしながら、ニットや不織布は、意匠性の面で自由度に乏しい。例えば、ニットは連続した多数のループによって形成されており、緻密な柄や模様を表現することが難しく、不織布は意匠を付与すること自体が難しい。そして、そのためにプリントやエンボス加工等で意匠性を向上させるための工夫がなされているものの、織物で表現される繊細さや、光沢の異方性等は未だ表現が困難である。
この点、意匠性において織物は優位であるが、上述のような複雑な形状をなした車両用天井材の表面に、ニットや不織布のように追従させて張り付けることが難しく、織物を表皮材として利用するには至らなかった。
これに対して、下記特許文献1において、本発明者らは、織物を車両用天井材の表皮材として利用できる技術を開示した。
国際公開第2013/125653号パンフレット
上記特許文献1では、未延伸糸又は半延伸糸を用いて形成され、特定の撚り系数を有する撚糸を使用することで、伸び余地を与えた織物を得ている。このような織物であれば、上述のような複雑な形状をなした車両用天井材の表面であっても、ニットや不織布のように追従させて張り付けることができる点において優れている。
しかしながら、更なる追従性及び耐久性が求められるとともに、より優れた意匠性もが求められている。
本発明は、上述の従来の状況に鑑みてなされた発明であり、より優れた意匠性を有する車両用天井材を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.請求項1に記載の車両用天井材は、基材層及び表皮層を備え、これらの層が積層された状態で一体に成型されてなる車両天井材であって、
前記表皮層は、織物を用いて形成されており、
前記織物は、経糸及び緯糸のうちの少なくとも一方の糸として、2種以上の異なる糸を含んで多重に製織された織物であり、
前記異なる糸として、伸縮復元率が30%以上のマルチフィラメントからなる高伸縮糸と、前記伸縮復元率が0%以上30%未満である低伸縮糸と、を含むことを要旨とする。
.請求項に記載の車両用天井材は、請求項に記載の車両用天井材において、前記経糸として前記高伸縮糸及び前記低伸縮糸が含まれる場合において、前記経糸として含まれた前記高伸縮糸及び前記経糸として含まれた前記低伸縮糸の合計繊度に対して、前記経糸として含まれた前記高伸縮糸の繊度の割合が40%以上である、又は、
前記緯糸として前記高伸縮糸及び前記低伸縮糸が含まれる場合において、前記緯糸として含まれた前記高伸縮糸及び前記緯糸として含まれた前記低伸縮糸の合計繊度に対して、前記緯糸として含まれた前記高伸縮糸の繊度の割合が40%以上である、ことを要旨とする。
.請求項に記載の車両用天井材は、請求項又はに記載の車両用天井材において、前記経糸として前記高伸縮糸及び前記低伸縮糸が含まれる場合において、前記経糸として含まれた前記高伸縮糸及び前記経糸として含まれた前記低伸縮糸が織り込まれた第1の意匠領域と、
前記経糸として含まれた前記低伸縮糸及び前記緯糸が織り込まれた第2の意匠領域と、を備え、
前記経糸として含まれた前記高伸縮糸は、前記第2の意匠領域の裏面側で非意匠層を形成している、又は、
前記緯糸として前記高伸縮糸及び前記低伸縮糸が含まれる場合において、前記緯糸として含まれた前記高伸縮糸及び前記緯糸として含まれた前記低伸縮糸が織り込まれた第1の意匠領域と、
前記緯糸として含まれた前記低伸縮糸及び前記経糸が織り込まれた第2の意匠領域と、を備え、
前記緯糸として含まれた前記高伸縮糸は、前記第2の意匠領域の裏面側で非意匠層を形成していることを要旨とする。
.請求項に記載の車両用天井材は、請求項に記載の車両用天井材において、前記低伸縮糸は、前記高伸縮糸に比べて濃色な糸、又は、前記高伸縮糸に比べて光沢度が高い糸であることを要旨とする。
.請求項に記載の車両用天井材は、請求項又はに記載の車両用天井材において、前記非意匠層における、前記経糸として含まれた前記高伸縮糸の、前記緯糸に対する飛び本数が5本以上、又は、
前記非意匠層における、前記緯糸として含まれた前記高伸縮糸の、前記経糸に対する飛び本数が5本以上、であることを要旨とする。
.請求項に記載の車両用天井材は、請求項又はに記載の車両天井材において、前記低伸縮糸が、ラメ糸及び/又はモノフィラメントである硬質糸を含み、
前記織物は、その意匠面に、凸意匠領域と、凹意匠領域と、を有し、
前記経糸として前記高伸縮糸及び前記低伸縮糸が含まれる場合に、前記経糸として含まれた前記硬質糸が、前記凹意匠領域において意匠面側へ露出されている、又は、
前記緯糸として前記高伸縮糸及び前記低伸縮糸が含まれる場合に、前記緯糸として含まれた前記硬質糸が、前記凹意匠領域において意匠面側へ露出されている、ことを要旨とする。
.請求項に記載の車両用天井材は、請求項1乃至のうちのいずれかに記載の車両用天井材において、前記織物は、目付が150〜300g/mであることを要旨とする。
本発明の車両用天井材1は、基材層2及び表皮層4を備え、これらの層が積層された状態で一体に成型されてなる車両天井材である。そして、表皮層4は、織物41を用いて形成されている。更に、織物41は、経糸411及び緯糸412のうちの少なくとも一方の糸として、2種以上の異なる糸を含んで多重に製織された織物41である。
このような構成であることにより、優れた意匠性を有することができる。とりわけ、車両用天井材が有する複雑な凹凸形状に対応して、その表面に追従しながら、優れた意匠性を発揮することができる。
異なる糸として、伸縮復元率が30%以上のマルチフィラメントからなる高伸縮糸Lと、伸縮復元率が0%以上30%未満である低伸縮糸Lと、を含む場合には、優れた意匠性を維持しながら、複雑な凹凸形状に対する特に優れた追従性を発揮させることができる。
経糸411として高伸縮糸L及び低伸縮糸Lが含まれる場合であって、経糸411として含まれた高伸縮糸L及び経糸411として含まれた低伸縮糸Lの合計繊度SLに対して、経糸411として含まれた高伸縮糸Lの繊度の割合が40%以上である場合には、優れた意匠性を維持しながら、複雑な凹凸形状に対する特に優れた追従性を発揮させることができる。
同様に、緯糸412として高伸縮糸L及び低伸縮糸Lが含まれる場合であって、緯糸412として含まれた高伸縮糸L及び緯糸412として含まれた低伸縮糸Lの合計繊度SLに対して、緯糸412として含まれた高伸縮糸Lの繊度の割合が40%以上である場合には、優れた意匠性を維持しながら、複雑な凹凸形状に対する特に優れた追従性を発揮させることができる。
経糸411の高伸縮糸L及び経糸411の低伸縮糸Lが織り込まれた第1の意匠領域と、経糸411の低伸縮糸L及び緯糸412が織り込まれた第2の意匠領域と、を備え、経糸411の高伸縮糸Lが、第2の意匠領域の裏面側で非意匠層を形成している、又は、緯糸412の高伸縮糸L及び緯糸412の低伸縮糸Lが織り込まれた第1の意匠領域と、緯糸412の低伸縮糸L及び経糸411が織り込まれた第2の意匠領域と、を備え、緯糸412の高伸縮糸Lが、第2の意匠領域の裏面側で非意匠層を形成している場合には、凸部と凹部とをなすような立体感を付与して、優れた意匠性を得ることができる。加えて、この場合において、低伸縮糸Lが、高伸縮糸Lに比べて濃色な糸、又は、高伸縮糸Lに比べて光沢度が高い糸である場合には、凸部を相対的により淡い色にするとともに、凹部を濃色又は高光沢な高伸縮糸Lがなすことにより、立体感に加えて色彩又は光沢感により模様の差異を付加して、優れた意匠性を得ることができる。
一方、低伸縮糸Lが、ラメ糸及び/又はモノフィラメントである硬質糸を含み、織物41が、その意匠面1dに、凸意匠領域と、凹意匠領域と、を有し、経糸411として高伸縮糸L及び低伸縮糸Lが含まれる場合に、経糸411として含まれた硬質糸が、凹意匠領域において意匠面1d側へ露出されている、又は、緯糸412として高伸縮糸L及び低伸縮糸Lが含まれる場合に、緯糸412として含まれた硬質糸が、凹意匠領域において意匠面側へ露出されている、場合には、凸部と凹部とをなすような立体感を付与して、優れた意匠性を得ることができる。更に、硬質糸が凹意匠領域に配置されるため、硬質糸が直に触れることを抑制して、優れた意匠性と優れた触感とを両立させることができる。
本発明の車両用天井材の一例を説明する模式的な斜視図である。 本発明の車両用天井材の一例の使用形態を説明する模式的な斜視図である。 本発明の車両用天井材の一例の断面を説明する模式的な説明図である。 本発明の車両用天井材の一例の製造過程を説明する模式的な説明図である。 実施例1で用いた織物の組織を説明する組織図である。 実施例1で用いた織物の表面の見え方を説明する説明図である。 実施例2で用いた織物の組織を説明するための一部組織図である。 実施例2で用いた織物の表面の見え方を説明する説明図である。 実施例3で用いた織物の組織を説明する組織図である。 実施例3で用いた織物の表面の見え方を説明する説明図である。
以下、図を参照しながら、本発明を詳しく説明する。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
本発明の車両用天井材(1)は、基材層(2)及び表皮層(4)を備え、これらの層が積層された状態で一体に成型されてなる車両天井材(1)であって、
表皮層(4)は、織物(41)を用いて形成されており、
織物(41)は、経糸(411)及び緯糸(412)のうちの少なくとも一方の糸として、2種以上の異なる糸(A及びB等)を含んで多重に製織された織物であることを特徴とする。
即ち、表皮層4は、織物41を用いて形成された層である。この表皮層41を構成する織物41は、経糸411及び緯糸412を用いて製織されてなる。本発明で用いられる織物41は、この経糸411及び緯糸412のうちの少なくとも一方の糸が、2種以上の異なる糸A及び糸B等を含んで多重に製織された織物である。
ここで、多重に製織された織物とは、異なる系統の糸を用いて形成された異なる組織が複合されて製織された織物であることを意味する。即ち、例えば、1種の経糸と、2種の緯糸(緯糸A及び緯糸B)とで形成された織物の場合、経糸と緯糸Aとで形成された組織と、経糸と緯糸Bとで形成された組織と、が複合されていることを意味する。更に、例えば、2種の経糸(経糸A及び経糸B)と、2種の緯糸(緯糸A及び緯糸B)とで形成された織物の場合、経糸Aと緯糸Aとで形成された組織、経糸Aと緯糸Bとで形成された組織、経糸Bと緯糸Aとで形成された組織、経糸Bと緯糸Bとで形成された組織、が複合されていることを意味する。
尚、本願でいう多重に製織された織物は、上述の構成以外に、例えば、1種の経糸と2種の緯糸(緯糸A及び緯糸B)とで形成され、経糸と緯糸Aとで形成された所定の1層と、経糸と緯糸Bとで形成された異なる1層と、の2層の織物層が、経糸、緯糸及び接結糸(経糸及び緯糸以外の糸)のうちの少なくともいずれかの糸によって接結された形態の織物を含むものである。
織物41を構成する糸は、特に限定されず種々の糸を用いることができる。
糸を構成する材料は特に限定されず、有機材料及び無機材料を単用又は併用できる。
このうち、有機材料としては、通常、合成樹脂が用いられる。合成樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリ乳酸等の各種のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらのうちでは、繊維とした場合に、本発明に適した力学特性を得易いという観点から、ポリエステル系樹脂が好ましく、なかでもPETがより好ましい。
糸を構成する熱可塑性樹脂としてPETを用いる場合、利用される熱可塑性樹脂全体に対して80モル%以上のエチレンテレフタレート単位が含まれたPETであることが好ましい。PETが、エチレンテレフタレート単位以外の他の共重合単位を含む場合、共重合成分として、アジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ナフタリンジカルボン酸等の二塩基酸類、オキシ安息香酸等のオキシ酸類、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
更に、糸は、原着糸であってもよく、染色糸(紡糸後又は製織後に染色された糸)であってもよい。
また、糸は、酸化チタン等の艶消し剤、カーボンブラック及び耐熱性に優れた有機顔料、カオリナイト等の微細孔形成剤、帯電防止剤等が少量添加されていてもよい。
更に、糸の断面形状は特に限定されず、丸断面、多葉断面、多角断面、扁平断面、中空断面、及びその他の特殊異形断面等の、どのような断面形状の繊維も適用可能である。
また、用いる糸は、モノフィラメントを用いてもよくマルチフィラメントを用いてもよい。但し、後述するように、高伸縮糸Lとして用いる糸はマルチフィラメントであることが好ましい。更に、織物41を構成する糸は、すべてマルチフィラメントであることが好ましい。
マルチフィラメントを用いる場合、マルチフィラメントを構成する単糸の繊度(単糸繊度)は特に限定されないが、0.1〜10dtexであることが好ましく、0.5〜6dtexであることがより好ましい。
本発明において織物41を構成する上述の2種以上の異なる糸(A及びB等)は、経糸として含まれてもよく(経糸A及び経糸B等)、緯糸として含まれてもよく(緯糸A及び緯糸B等)、経糸及び緯糸の両方として含まれてもよい(経糸A、経糸B、緯糸A及び緯糸B等)。
また、何種類の異なる糸が含まれてもよいが、車両用天井材1の意匠面に適した意匠であるという観点から、経糸として異なる糸を含む場合であっても、緯糸として異なる糸を含む場合であっても、2〜10種であることが好ましく、2〜5種であることがより好ましく、2〜3種であることが特に好ましい。
更に、糸が異なるとは、糸の特性が異なることを意味し、具体的には、少なくとも、外観(色、光沢、断面形状、単糸繊度等)及び力学特性(伸縮復元率、伸び率等)のいずれか一方が異なることが好ましい。更には、少なくとも力学特性が異なることが好ましい。
また、力学特性が異なる場合には、そのなかでも、特に伸縮復元率が異なることが好ましい。即ち、本発明では、織物41は、経糸411及び緯糸412のうちの少なくとも一方の糸として、伸縮復元率が異なる2種以上の糸を含んで多重に製織された織物であることが好ましい。このように、伸縮復元率が異なる2種以上の糸を用いることによって、2次元的な平面模様だけでなく、3次元的(立体的)な凹凸模様をも、車両用天井材としての特性を発揮させながら得ることができる。
伸縮復元率が異なる糸を用いる場合、織物41は、異なる糸(A及びB等)として、伸縮復元率が30%以上のマルチフィラメントからなる高伸縮糸Lと、伸縮復元率が0%以上30%未満である低伸縮糸Lと、が含まれる。高伸縮糸Lが含まれることによって、織物41自体に高い伸縮性を付与でき、車両用天井材の複雑な形状に追従させながらも、意匠性を損なわない織物41とすることができる。
高伸縮糸Lの伸縮復元率は、30%以上であればよいが、更には、35%以上であることが好ましく、40%以上であることが特に好ましい。
一方、低伸縮糸Lの伸縮復元率は0%以上30%未満であり、28%以下がより好ましい。この低伸縮糸Lには、伸縮復元率が0%である非伸縮糸と、伸縮復元率が0%を超えて30%未満である低伸縮糸と、の両方が含まれる。本発明では、これらを一括して低伸縮糸Lとして表現する。
更に、伸縮復元率は、更に、高伸縮糸Lと、低伸縮糸Lと、の間で5%以上異なることが好ましい。即ち、高伸縮糸の伸縮復元率Xから低伸縮糸の伸縮復元率Xを差し引いた値が5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましく、20%以上であることが特に好ましい。通常、この差は70%以下である。
高伸縮糸Lと低伸縮糸Lとが、5%以上の伸縮復元率の差を有する場合には、車両用天井材としての特性を維持しながら、より効果的に3次元的な凹凸模様が得られる織物41とすることができる。
尚、伸縮復元率は、後述する実施例で示すようにJIS L1013−2011,8.12に準拠して測定される。
また、経糸411が上述の2種以上の異なる糸を含み、この異なる糸が、高伸縮糸Lと低伸縮糸Lとである場合には、経糸411として含まれた高伸縮糸L及び低伸縮糸Lの合計繊度SLに占める、経糸411として含まれた高伸縮糸Lの繊度SLの割合(SL/SL)は40%以上であることが好ましい。この割合SL/SLが40%以上であることによって、車両用天井材としての特性を維持しながら、より効果的に3次元的な凹凸模様が得られる織物41とすることができる。割合SL/SLは、40%以上が好ましいが、43%以上がより好ましく、45%以上が特に好ましい。この値は、通常、80%以下である。
同様に、緯糸412として含まれる場合、緯糸412として含まれた高伸縮糸L及び低伸縮糸Lの合計繊度SLに占める、緯糸412として含まれた高伸縮糸Lの繊度SLの割合(SL/SL)は40%以上が好ましく、43%以上がより好ましく、45%以上が特に好ましい。また、通常、80%以下である。
このように、高伸縮糸Lと低伸縮糸Lとを異なる糸として含んだ織物41では、この織物41の意匠面側への高伸縮糸Lの出現率と、低伸縮糸Lの出現率と、を調整することにより、車両用天井材1として必要な特性を維持しながら、その意匠面に立体的な意匠を付与できる(実施例1及び実施例3参照)。
即ち、経糸411として高伸縮糸L及び低伸縮糸Lが含まれる場合において、経糸411として含まれた高伸縮糸L及び経糸411として含まれた低伸縮糸Lが織り込まれた第1の意匠領域を形成し、経糸411として含まれた低伸縮糸L及び緯糸412が織り込まれた第2の意匠領域を形成し、更に、経糸411として含まれた高伸縮糸Lに、第2の意匠領域の裏面側で非意匠層を形成させることにより、上述のような立体的な意匠を付与することができる。
同様に、緯糸412として高伸縮糸L及び低伸縮糸Lが含まれる場合において、緯糸412として含まれた高伸縮糸L及び緯糸412として含まれた低伸縮糸Lが織り込まれた第1の意匠領域(即ち、図6の71である)を形成し、緯糸412として含まれた低伸縮糸L及び経糸411が織り込まれた第2の意匠領域(即ち、図6の72である)を形成し、更に、緯糸412として含まれた高伸縮糸Lに、第2の意匠領域の裏面側で非意匠層を形成させることにより、上述のような立体的な意匠を付与することができる(実施例1、図5及び図6参照)。
また、この際には、非意匠層における、経糸411として含まれた高伸縮糸Lの、緯糸412に対する飛び本数が5本以上であることが好ましく、8本以上であることがより好ましく、10本以上であることが更に好ましい。一方、その上限は、80本以下であることが好ましく、50本以下であることがより好ましく、40本以下であることが更に好ましい。
同様に、非意匠層における、緯糸412として含まれた高伸縮糸Lの、経糸411に対する飛び本数が5本以上であることが好ましく、8本以上であることがより好ましく、10本以上であることが更に好ましい。一方、その上限は、80本以下であることが好ましく、50本以下であることがより好ましく、40本以下であることが更に好ましい。
また、低伸縮糸Lが、ラメ糸及び/又はモノフィラメントである硬質糸を含む場合には、以下の意匠とすることが好ましい。即ち、経糸411として高伸縮糸L及び低伸縮糸Lが含まれることを利用して、織物41の意匠面に、凸意匠領域と、凹意匠領域と、を形成(高伸縮糸L及び低伸縮糸Lを有することにより形成できる)するとともに、経糸411として含まれた硬質糸が、凹意匠領域において意匠面1d側へ露出されるように織り込むことが好ましい。このようにすることで、凸部と凹部とをなすような立体感を付与して、優れた意匠性を得ることができる。更に、硬質糸が凹意匠領域に配置されるため、硬質糸が直に触れることを抑制して、優れた意匠性と優れた触感とを両立させることができる。
同様に、緯糸412として高伸縮糸L及び低伸縮糸Lが含まれることを利用して、織物41(図9及び図10参照)の意匠面に、凸意匠領域(図9の75)と、凹意匠領域(図9の76)と、を形成(高伸縮糸L及び低伸縮糸Lを有することにより形成できる)するとともに、緯糸412として含まれた硬質糸(図9の緯糸A3)が、凹意匠領域(図9の76)において意匠面側へ露出されるように織り込むことが好ましい。このようにすることで、凸部と凹部とをなすような立体感を付与して、優れた意匠性を得ることができる。更に、硬質糸が凹意匠領域に配置されるため、硬質糸が直に触れることを抑制して、優れた意匠性と優れた触感とを両立させることができる。
このように、高伸縮糸Lと低伸縮糸Lとを異なる糸として含んだ織物41では、この織物41の意匠面側への高伸縮糸Lの出現率と、低伸縮糸Lの出現率と、を調整することにより、車両用天井材1として必要な特性を維持しながら、その意匠面に立体的な意匠を付与できるとも言える(実施例1及び実施例3参照)。
具体的には、経糸411に高伸縮糸L及び低伸縮糸412が含まれる場合には、経糸411の低伸縮糸Lの出現率を、経糸411の高伸縮糸Lの出現率より高くすることで、上述のように、車両用天井材1として必要な特性を維持しながら、立体的な意匠を付与できる。
同様に、緯糸412に高伸縮糸L及び低伸縮糸412が含まれる場合には、緯糸412の低伸縮糸Lの出現率を、緯糸412の高伸縮糸Lの出現率より高くすることで、同じ効果を得ることができる(実施例1参照)。
これらの組織形態では、低伸縮糸Lが広域な凸部をなし、高伸縮糸Lが対応する凹部をなすような立体感を付与して、車両用天井材1の意匠として適した優れた意匠を得ることができる。即ち、例えば、キルティング様の意匠を好適に得ることができる。
尚、ここでいう、出現率とは、織物41の意匠面側へ、所定の糸が出現する割合である。例えば、緯糸における高伸縮糸Lの出現率M(%)は、所定組織の1行に含まれる最大組織数M(マス総数)に対して、緯糸として含まれた高伸縮糸の出現回数Mの割合(M/M×100)である。この出現率に関しては、以下同様である。
加えて、低伸縮糸Lの出現率が、高伸縮糸Lの出現率より高い場合には、低伸縮糸Lが、高伸縮糸Lに比べて濃色な糸、又は、高伸縮糸Lに比べて光沢度が高い糸であることが好ましい。この場合には、低伸縮糸Lによる広域な凸部をより淡い色にして、対応する凹部を濃色又は高光沢な高伸縮糸Lがなすことにより、立体感に加えて色彩又は光沢感により模様の差異を付加して、車両用天井材1の意匠として適した優れた意匠を得ることができる。
一方、経糸411に高伸縮糸L及び低伸縮糸412が含まれる場合であって、経糸411の高伸縮糸Lの出現率を、経糸411の低伸縮糸Lの出現率より高くした場合にも、上述のように、車両用天井材1として必要な特性を維持しながら、立体的な意匠を付与できる。同様に、緯糸412に高伸縮糸L及び低伸縮糸412が含まれる場合であって、緯糸412の高伸縮糸Lの出現率を、緯糸412の低伸縮糸Lの出現率より高くすることでも、同じ効果を得ることができる。
このような組織では、高伸縮糸Lが広域な凹部をなし、低伸縮糸Lが対応する凸部をなすような立体感を付与できる。即ち、例えば、メッシュ様の意匠を好適に得ることができる。
上述のような高伸縮糸Lとしては、伸縮復元率が30%以上の糸であれば特に制限されることなく利用できる。具体的には、未延伸糸、半延伸糸及び延伸糸等を用いて伸縮加工を施した伸縮加工糸や、収縮差を有するポリマーを紡糸時に貼り合わせて得られるバイメタル糸等を用いることができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
このうち、伸縮加工糸を用いる場合には、未延伸糸及び/又は半延伸糸を利用して得られた伸縮加工糸が好ましい。また、高伸縮糸Lは、伸縮復元率が30%以上となるように、伸縮加工が施されていることが好ましい。
伸縮加工としては、仮撚加工、座屈加工、機械押込み方式及びエアスタッフィング方式等のスタッフィング方式、ギヤクリンプ法及びニット・デ・ニット法等の賦形法が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、捲縮の細かさ及び伸縮性等の観点から仮撚加工による捲縮が好ましい。即ち、仮撚加工糸が好ましく、仮撚り加工された捲縮糸であることが特に好ましい。また、この捲縮糸である高伸縮糸Lは、糸自体が収縮せず、捲縮により収縮する糸であることが好ましい。
尚、織物41内には、耐久性及び伸縮性の観点から、マルチフィラメントを用いるが、必要に応じて、モノフィラメント、フィルムヤーン(ラメ糸等による表現のアクセント付与)、低応力で伸長する弾性糸(ポリウレタン糸等、収縮性を更に向上させることができる)などの糸を織物100質量%に対して20質量%未満の範囲配合することができる。
織物41の糸密度は特に限定されないが、通常、経密度及び緯密度は、各々、60〜220本/inchであることが好ましい。更に、経密度及び緯密度は、各々、60〜180本/inchであることがより好ましく、70〜130本/inchであることが特に好ましい。経密度及び緯密度がそれぞれ60〜220本/inchである場合には、接着剤を用いて織物41を他層へ接合した場合に、織物41の意匠面へ接着剤が滲み出すことを抑制できる。尚、糸密度を糸の繊度(dtex)の平方根と糸密度(本/inch)との積を経糸及び緯糸の総和により表すカバーファクタでいえば、4000以下、特に2000〜3300が好ましい。
更に、織物41の目付は特に限定されないが、100〜400g/mが好ましく、120〜350g/mがより好ましく、150〜300g/mが更に好ましく、160〜250g/mが特に好ましい。
表皮層4は、上述の織物41のみから構成されてもよいが、樹脂加工を施すことができる。樹脂加工を施すことにより、織物41のほつれを抑制することができ、また、耐摩耗性を向上させることができる。樹脂加工としては、バックコーティング、グラビアコート、ラミネート等の各種方法により施すことができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、バックコーティングによる樹脂加工が好ましい。即ち、表皮層4は、織物41の非意匠面側(裏面側)にバックコーティング(バックコート層)を備えることが好ましい。バックコーティングはその一部が織物41の非意匠面側から浸透されているが、意匠面へは露出されない層である。
バックコーティングを構成する樹脂の種類は特に限定されないが、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、及び接着性を有するポリオレフィン樹脂(エチレン/アクリル酸共重合体、酸変性ポリエチレン樹脂等)などを用いることができる。これらの樹脂は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
バックコーティングは、厚さ等は特に限定されないが、乾燥後質量で換算した場合に、5〜85g/mであることが好ましく、10〜75g/mであることがより好ましい。
本発明の車両用天井材1は、表皮層4以外に他層を備える。即ち、前述のように、基材層2を備える。また、その他にも、弾性層3を備えることができる。弾性層3を備える場合には、基材層2、弾性層3及び表皮層4の順となるように備えることができる。
基材層2は、表皮層4等の他層に対して支持層となる層である。基材層2は、どのような材質から構成されてもよいが、例えば、繊維質多孔材、硬質発泡材、硬質発泡材と不織布との複合材等を用いることができる。
このうち、上記繊維質多孔材としては、ガラス繊維、PET繊維、植物性繊維等の硬質繊維を熱可塑性樹脂により結着して得られた材料が挙げられる。このような繊維質多孔材は、例えば、前述の硬質繊維と、硬質繊維の耐熱温度範囲で溶融可能な熱可塑性樹脂繊維と、を混合した後、熱可塑性樹脂繊維を溶融させることで製造できる。また、この繊維質多孔材には、加熱によって硬質繊維間で発泡・膨張させることができる熱膨張性カプセル等の発泡材を配合することができる。
一方、上記硬質発泡材としては、ポリウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂を発泡させた材料が挙げられる。これらのなかでは、硬質ポリウレタンフォーム及び半硬質ポリウレタンフォームが好ましい。
更に、上記硬質発泡材と不織布との複合材としては、前述の硬質発泡材の表裏のうちの少なくとも一方の面に、前述の硬質繊維等を用いて形成された不織布を接合した複合材が挙げられる。
これらの基材は、1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、弾性層3は、基材層2と表皮層4との間に介在される層である。弾性層3を備えることで、表皮層4側からの触感に対して弾力感を与えることができる。弾力層3は、どのような材質から構成されてもよいが、例えば、軟質ポリウレタンフォームを用いることができる。その他、十分なクッション性を有する限り、他の軟質樹脂フォームや不織布シート等を用いることもできる。弾性層3と、他層との接合方法は特に限定されず、利用する層に応じて適宜の方法を選択できる。
本発明の車両用天井材1は、上述のように、基材層2、弾性層3及び表皮層4以外にも他層を備えることができる。
他層としては、不織布層51、接着剤層52、通気止めフィルム層53等が挙げられる。これらの層は、1種のみを備えてもよく2種以上を備えてもよい。
不織布層51は、必要な層間に適宜配設することができるが、特に、基材層2と弾性層3との層間や、基材層2の非意匠面側等に配設することができる。不織布層51としては、前述の基材層2において説明した硬質繊維を用いて形成された不織布が挙げられる。即ち、ガラス繊維不織布及びPET繊維不織布等が挙げられる。これらの不織布では、硬質繊維同士は熱可塑性樹脂等により結着されていてもよい。
接着剤層52は、基材層2と弾性層3との層間に配設される。本発明の車両用天井材1は、図4に示すように、基材層側積層体61と、表皮層側積層体62と、の少なくとも2つの積層体に分けて形成し、得られたこれらの積層体を最終的に積層して車両用天井材1とすることができる。この際には、基材層側積層体61と表皮層側積層体62とを接着した後、得られた積層体を別工程で賦形してもよいし、基材層側積層体61と表皮層側積層体62とを接着しながら、同時に賦形することによって、賦形された積層体を得てもよい。
接着剤層52を用いる場合、この層は、基材層側積層体61及び表皮層側積層体62のいずれの層に用いられてもよいが、通常、表皮層側積層体62に配設される。更には、当然ながら、表皮層側積層体62のうちの基材層側積層体62に接合される側の最表面に配設されることが好ましい。
接着剤層52は、どのように形成されてもよい。また、接着形態も特に限定されず、通常の接着成分による接着の他、熱可塑性樹脂の溶融によって2つの表面を張着する形態であってもよい。即ち、接着剤層52は、塗布された接着剤によって形成された層でもよく、接着フィルムから形成された層でもよい。接着剤としては、各種の接着成分を含んだエマルジョン性状、スラリー性状、ゲル性状、パウダー性状、フォーム性状等の各種の性状の接着剤を利用できる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。一方、加熱溶融による接着では、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、及びポリオレフィン樹脂(エチレン/アクリル酸共重合体、酸変性ポリエチレン樹脂等)など、種々の熱可塑性樹脂を用いることができる。これらの樹脂は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
通気止めフィルム層53は、車両用天井材1の厚さ方向への通気が遮断又は抑制する層である。この通気止めフィルム層53を備えることで、使用時に表皮層4の意匠面に埃等を付着することを低減して意匠を長期にわたってより良好な状態に維持することができる。
通気止めフィルム層53を構成する材料は特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の各種の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、通気止めフィルム層53は、例えば、一面側に、ポリオレフィン樹脂フィルムを配置するとともに、他面側にポリアミド樹脂フィルムを配置した積層フィルム構造として利用することもできる。この場合には、低融点側のフィルムを接着層として活用できる。
上述のように、本発明の車両用天井材1において利用できる各種の層は、基材層2及び表皮層4の2層がこの順に積層されていればよいが、例えば、図3に示すように、意匠面側から以下のような順で配置できる。即ち、表皮層4(織物41、バックコーティング42)、弾性層3、不織布層51、接着剤層52、基材層2、通気止めフィルム層53の配置順とすることができる。
更に、前述のように、基材層側積層体61及び表皮層側積層体62に分けて積層する場合は、図4に示すように、基材層側積層体61は、接着剤層52、基材層2及び通気止めフィルム層53を、この順に車両用天井材1の意匠面1d側から非意匠面1e側へ向かって備えた積層体とすることができる。また、基材層側積層体61は、表皮層4(織物41、バックコーティング42)、弾性層3及び不織布層51を、この順に、車両用天井材1の意匠面1d側から非意匠面1e側へ向かって備えた積層体とすることができる。
本発明の車両用天井材1の形状等について、より具体的に例示すると、例えば、図1に示した形態の自動車用天井材1が挙げられる。この自動車用天井材1(図1)は、実車において、その天井部に嵌め込むようにして配設される(図2参照)。
自動車用天井材1は、全体の概形が深絞り形状をなしている。即ち、その中央部1cは、意匠面1d側で凹み、非意匠面1e側へ向かって突出される一方、外縁部1fは、意匠面1d側が内側となるように緩やかにカーブして庇の様に垂れ下がる形態とされている。
加えて、自動車用天井材1は、バイザー91を収容するための凹部11、センターコンソール92を収めるための切欠部及びその周辺の凸部12、Aピラー93の形状に追従するための切欠部及びその周辺の凸部13、Bピラー94の形状に追従するための切欠部及びその周辺の凸部14、アシストグリップ95を収容するための凹部15、Cピラー96の形状に追従するための切欠部及びその周辺の凸部16等、の複数の凹部、凸部及び切欠部等を、上述の深絞り形状に加えて備えている。即ち、多数且つ多段の複雑な凹凸形状や切欠形状を有している。
本発明の車両用天井材1では、このような複雑な形状を呈する場合にも、その意匠面1d側において優れた意匠性を得ることができる。
本発明の車両用天井材1は、各種車両の天井材として広く用いられる。具体的には、乗用車、バス、トラック等の各種車両、鉄道車両、建設車両、農業車両、産業車両等の車両が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
〈1〉実施例1
(1)製織工程
経糸411として下記の高伸縮糸Lを用い、緯糸412として下記の異なる2種の糸(高伸縮糸Lと低伸縮糸L)を用いて、図5に示す組織を有する織物41(表面状態は図6参照)を製織した。
経糸411(高伸縮糸L
単糸繊度84dtex且つ単糸数36本のPET製マルチフィラメン、酸化チタン含有量0.4質量%セミダル、熱水寸法変化率5%、伸縮復元率45%、伸び率25%である糸。半延伸糸に仮撚り加工を施して捲縮させた捲縮糸である。下記(2)においてアイボリー色に染色される。
緯糸412(異なる糸として高伸縮糸L及び低伸縮糸Lを含む)
緯糸の合計本数に対して、下記緯糸A(高伸縮糸L)の本数が50%、下記緯糸B(低伸縮糸L)の本数が50%となるように利用した。即ち、緯糸412全体の合計繊度SLに対して、下記緯糸A(高伸縮糸L)の繊度割合(SL)が67%、下記緯糸B(低伸縮糸L)の繊度割合(SL)が33%となるように用いた。
緯糸A(高伸縮糸L):単糸繊度167dtex且つ単糸数48本のPET製マルチフィラメン、酸化チタン含有量0.4質量%セミダル、熱水寸法変化率5%、伸縮復元率48%、伸び率25%である糸。半延伸糸に仮撚り加工を施して捲縮させた捲縮糸である。下記(2)でアイボリー色に染色される。
緯糸B(低伸縮糸L):単糸繊度84dtex且つ単糸数36本のPET製マルチフィラメン、熱水寸法変化率10%、伸縮復元率0%、伸び率40%である糸。延伸糸である。橙色に原着された糸である。
尚、上記熱水寸法変化率は、JIS L1013−2011,8.18.1(b)に規定されたフィラメント寸法変化率(B法)によって測定される値である。後述する他の実施例においても同様である。
更に、上記伸縮復元率は、JIS L1013−2011,8.12に規定された伸縮復元率である。後述する他の実施例においても同様である。
また、上記伸び率は、JIS L1013−2011,8.5.1に規定された標準時試験によって測定される値である。この際の試験機には定速伸長形を用い、つまみ間隔は200mmとし、伸長速度は200mm/分とした。
これらの熱水寸法変化率、伸縮復元率及び伸び率については、後述する他の実施例においても同様である。
(2)織物収縮工程
上記(1)で得られた織物を、液流染色機を用いて、精練及び染色(染色温度:135℃、色:アイボリー)を行った後、ピンテンターを用いて熱セット(150℃、90秒)した。その後、アクリル樹脂を用いてバックコーティング(塗布量:乾燥後質量60g/m)を行った後、仕上げセット(140℃、90秒)を行った。
(3)天井材製造工程
上記(2)までに得られた織物41、弾性層3(軟質ウレタンフォーム、密度30kg/m)、乾式不織布51(PET短繊維を用いた不織布であり、目付100g/m)が、この順に積層された厚さ2mmの表皮層側積層体62をフレームラミネート法により得た。
一方、通気止めフィルム層53、基材2(ガラス繊維、ポリプロピレン及び発泡剤を用いて構成された目付600g/mの基材)、接着剤層52をこの順に備えた基材層側積層体61を用意した。
次いで、上記表皮層側積層体62の乾式不織布51側と、上記基材層側積層体61と、を加熱して基材2を軟化させるとともに発泡させ、更に、接着剤層52の側に積層して(図4参照)車両用天井用金型を用いてプレス成型(常温、60秒)して、実施例1の車両用天井材1(図1及び図3参照)を得た。
(4)実施例1の評価
上記(2)までに得られた実施例1の天井材用の織物41は、目付241g/mであり、その表側(意匠面1d)の全面に規則正しく浮き出た菱形連続模様(キルティング様の立体感のあるダイヤ模様)が形成された。
更に、上記(1)まで得られた織物(25.4mm四方あたり)の糸密度が196本/80本(経/緯)であったのに対し、上記(2)を経た織物41(25.4mm四方あたり)の糸密度は246本/112本(経/緯)であった。
また、上記(2)を経た織物41の10%伸長時応力は、経方向25N、緯方向53Nであり、20%伸長時応力は、経方向94N、緯方向232Nであった。
尚、上記10%伸長時応力及び20%伸長時応力は、以下の方法により測定した値である。即ち、上記(2)を経た織布から、幅方向に中央と両端から550mm中心を離して直径500mmの測定用試験片を合計6枚切り出した。その後、測定用試験片の経糸方向の中心線の両端部を、チャック間距離が200mmとなるように幅25.4mmのチャックに挟み、初期応力1.96Nを負荷した状態から、引張速度200mm/分で測定用試験片が破断するまで引張試験を行った。その間の10%伸張した時の応力値の平均値(6枚の測定用試験片による平均値)を経糸方向の10%伸長時応力とし、20%伸張した時の応力値の平均値(6枚の測定用試験片による平均値)を経糸方向の20%伸長時応力とした。また、同様にして、緯糸方向の10%伸長時応力、及び、緯糸方向の20%伸長時応力を得た。
また、上記(3)までに得られた実施例1の車両用天井材1は、その全体の深絞り形状、バイザー91を収容するための凹部11、センターコンソール92を収めるための切欠部及びその周辺の凸部12、Aピラー93の形状に追従するための切欠部及びその周辺の凸部13、Bピラー94の形状に追従するための切欠部及びその周辺の凸部14、アシストグリップ95を収容するための凹部15、Cピラー96の形状に追従するための切欠部及びその周辺の凸部16等、の複数の凹部、などの天井材各部の凹凸及び切欠に上記織物41は、完全に追従されて張り付いており、織物41の皺及び浮きが認められなかった。即ち、上記(2)までに得られた実施例1の織物41は、優れた伸縮性を備えており、天井材各部の凹凸に追従させることができた。
また、車両用天井材の意匠面1d側表面は、織物41の組織に起因した凹凸模様が保持されており、その全面に規則正しく浮き出た菱形連続模様(キルティング様の立体感のあるダイヤ柄)が形成された(図6参照)。
即ち、図5及び図6で説明すると、図5は、実施例1の織物41の完全組織図であり、白四角形は経糸(アイボリー色)が意匠面側に露出していることを意味する。また、斜線掛け四角形は緯糸A(アイボリー色)が意匠面側に露出していることを意味する。更に、黒四角形は緯糸B(橙色)が意匠面側に露出していることを意味する。
この組織では、緯糸412として高伸縮糸L及び低伸縮糸Lが含まれている。そして、緯糸412として含まれた高伸縮糸Lの意匠面側への出現率は、10〜15%である(完全組織内40列において4〜6ヶ所の出現)。その一方、緯糸412として含まれた低伸縮糸Lの意匠面側への出現率は、30〜35%である(完全組織内40列において12〜14ヶ所の出現)。即ち、低伸縮糸Lの方が高伸縮糸Lよりも意匠面側への出現率が高い。更に、高伸縮糸Lがアイボリー色であるのに比べて、低伸縮糸Lは橙色であり、より濃色な糸となっている。このような糸構成によって、実施例1の組織は形成されている。
その結果、図5の組織図上、主として黒四角形が多く集合したX字領域は、緯糸B(橙色)によって橙色のX字凹部71として線状に明確に表現された(図6参照)。一方、図5の組織図上、主として白四角形が多く集合したベース領域は、経糸及び緯糸A(アイボリー色)によってアイボリー色のダイヤ柄(菱形)凸部72として明確に表現された(図6参照)。即ち、低伸縮糸Lが広域な凸部をなし、高伸縮糸Lが対応する凹部をなすような立体感を付与し、低伸縮糸Lによる広域な凸部をより淡い色にして、対応する凹部を濃色な高伸縮糸Lがなすことにより、明確な色彩の差異を付与して、車両用天井材1に適した優れた意匠性を得ることができる。尚、ベース領域内に点在された緯糸B(黒四角形、橙色)は、緯糸Bよりも多く配置された経糸(アイボリー色)によって視覚的に隠されて、ダイヤ柄(菱形)凸部は全体としてアイボリー色に視認された(図6参照)。
また、上記(3)の成型を行った24時間後の実車(自動車)の天井への組み付けを問題なく行うことができた。即ち、組み付けによる表面の意匠性阻害は全く認められなかった。
更に、上記(3)までに得られた車両用天井材を100℃の環境下で24時間静置して加速耐久試験を行った後にも、織布表面側に皺及び浮きは全く認められなかった。また、この加速耐久試験後にも車両用天井材全体の寸法は安定しており、水平方向及び垂直方向共に変化は1.5mm以内と極めて小さく抑えられていた。
〈2〉実施例2
(1)製織工程
経糸411として下記の高伸縮糸Lを用い、緯糸412として下記の異なる2種の糸(高伸縮糸Lと低伸縮糸L)を用いて、図7に示す組織を有する織物41(表面状態は図8参照)を製織した。
経糸411(高伸縮糸L):実施例1の経糸411と同じ糸。
緯糸412(異なる糸として原着糸及び白糸を含む)
緯糸の合計本数に対して、下記緯糸A(原着糸)の本数が50%、下記緯糸B(白糸)の本数が50%となるように利用した。即ち、緯糸412全体の合計繊度SLに対して、下記緯糸A(原着糸)の繊度割合(SL)が50%、下記緯糸B(白糸)の繊度割合(SL)が50%となるように用いた。
緯糸A(原着糸):単糸繊度167dtex且つ単糸数48本のPET製マルチフィラメン、熱水寸法変化率7%、伸縮復元率45%(即ち、高伸縮糸Lである)、伸び率25%である糸。半延伸糸に仮撚り加工を施して捲縮させた捲縮糸である。橙色に原着された糸である。
緯糸B(白糸):単糸繊度167dtex且つ単糸数48本のPET製マルチフィラメン、熱水寸法変化率5%、伸縮復元率48(即ち、高伸縮糸Lである)%、伸び率25%である糸。仮撚り延伸糸である。下記(2)でアイボリー色に染色される。
(2)織布収縮工程及び天井材製造工程
上記(1)までに得られた織物41を用いて、実施例1の場合と同様にして、実施例2の車両用天井材1を得た。
(3)実施例2の評価
上記(2)までに得られた実施例2の天井材用の織物41は、目付248g/mであり、その表側(意匠面1d)の全面に規則的なポイント模様が形成された。
即ち、図7及び図8で説明すると、図7は、実施例2の織物41の一部組織図であり、白四角形は経糸(アイボリー色)が意匠面側に露出していることを意味し、黒四角形は緯糸A(橙色)が意匠面側に露出していることを意味し、斜線掛け四角形は緯糸B(アイボリー色)が意匠面側に露出していることを意味する。
そして、図7の組織図上、主として黒四角形が多く集合した領域は、緯糸A(橙色)によって橙色のポイント柄73として明確に表現された(図8参照)。その一方、図7の組織図上、主として斜掛け四角形が多く集合した領域は、アイボリー色のポイント柄74(経糸浮きの中で緯糸浮きとなっているため柄が浮かんで視認される模様)として明確に表現された(図8参照)。
更に、上記(1)まで得られた織物(25.4mm四方あたり)の糸密度が196本/80本(経/緯)であったのに対し、 上記(2)を経た織物41(25.4mm四方あたり)の糸密度は252本/107本(経/緯)であった。
また、上記(2)を経た織物41の10%伸長時応力は、経方向52N、緯方向42Nであり、20%伸長時応力は、経方向189N、緯方向163Nであった。
尚、上記10%伸長時応力及び20%伸長時応力の測定方法については、実施例1において記載した通りである。
また、上記(2)までに得られた実施例2の車両用天井材1は、その全体の深絞り形状、バイザー91を収容するための凹部11、センターコンソール92を収めるための切欠部及びその周辺の凸部12、Aピラー93の形状に追従するための切欠部及びその周辺の凸部13、Bピラー94の形状に追従するための切欠部及びその周辺の凸部14、アシストグリップ95を収容するための凹部15、Cピラー96の形状に追従するための切欠部及びその周辺の凸部16等、の複数の凹部、などの天井材各部の凹凸及び切欠に、実施例2の織物41は、完全に追従されて張り付いており、織布の皺及び浮きが認められなかった。即ち、実施例2の織物41は、優れた伸縮性を備えており、天井材各部の凹凸に追従させることができた。
また、車両用天井材1の意匠面1d側表面は、織物41の組織に起因し、経糸411が表側に現れた朱子部では、まろやかな艶感が表現された。また、前述の通り、緯糸A(412、L、原着糸)が表側に現れた部分では、周囲のアイボリー色とは異なる色である橙色のポイント柄を表現できた。更に、緯糸Bが表側に現れた部分では、緯朱子となっており、光沢の異方性によって柄が浮かび上がったアイボリー色のポイント柄を表現できた。このように、朱子織によるまろやかな艶感のベース領域に、緯糸A(原着糸)によるポイント柄、及び、緯糸Bによるポイント柄、を配することができ、プリント模様では表現できない効果的な意匠を形成できた。
また、上記(2)の成型を行った24時間後の実車(自動車)の天井への組み付けを問題なく行うことができた。即ち、組み付けによる表面の意匠性阻害は全く認められなかった。
更に、上記(2)までに得られた車両用天井材を100℃の環境下で24時間静置して加速耐久試験を行った後にも、織布表面側に皺及び浮きは全く認められなかった。また、この加速耐久試験後にも車両用天井材全体の寸法は安定しており、水平方向及び垂直方向共に変化は1.5mm以内と極めて小さく抑えられていた。
〈3〉実施例3
(1)製織工程
経糸411として下記の異なる3種の糸(2種の高伸縮糸Lと1種の低伸縮糸L)を用いて、図9に示す組織を有する織物41を製織した。
経糸411(高伸縮糸L):実施例1の経糸411と同じ糸。
緯糸A1(高伸縮糸LA1):実施例1の緯糸Aと同じ糸。
緯糸A2(高伸縮糸LA1):実施例2の緯糸Aと同じ糸。
緯糸A3(低伸縮糸L):PETフィルムのスリットヤーン144dtex、110切れ、酸化チタン含有量0%、熱水寸法変化率8%、伸縮復元率0%、伸び率40%である糸。
(2)織布収縮工程及び天井材製造工程
上記(1)までに得られた織物41を用いて、実施例1の場合と同様にして、実施例3の車両用天井材1を得た。
(3)実施例3の評価
上記(2)までに得られた実施例3の天井材用の織物41は、目付268g/mであった。また、上記(1)まで得られた織物(25.4mm四方あたり)の糸密度が196本/80本(経/緯)であったのに対し、上記(2)を経た織物41(25.4mm四方あたり)の糸密度は244本/110本(経/緯)であった。
また、上記(2)を経た織物41の10%伸長時応力は、経方向53N、緯方向80Nであり、20%伸長時応力は、経方向82N、緯方向258Nであった。
ラメ糸が露出した部分には、強い光沢が得られた。また、ラメ糸が凹部に配置されるため、触った際にはラメ糸が直に指先等に触れず、ラメ糸に由来する硬い風合いを感じることがなかった。また、摩耗試験においてもラメ糸が直に機械と接触しないために、問題とならなかった。
尚、前述の記載は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施態様を挙げて説明したが、本発明の記述及び図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく、説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その態様において本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料及び実施態様を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、寧ろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
1;車両用天井材、
1c;中央部、1d;意匠面、1e;非意匠面、1f;外縁部、
11;凹部、12;凸部、13;凸部、14;凸部、15;凹部、16;凸部、
2;基材層、
3;弾性層、
4;表皮層、
41;織物、411;経糸、412;緯糸、
42;バックコーティング、
51;不織布層(乾式不織布)、
52;接着剤層、
53;通気止めフィルム層、
61;基材層側積層体、62;表皮層側積層体、
91;バイザー、92;センターコンソール、93;Aピラー、94;Bピラー、95;アシストグリップ、96;Cピラー。

Claims (7)

  1. 基材層及び表皮層を備え、これらの層が積層された状態で一体に成型されてなる車両天井材であって、
    前記表皮層は、織物を用いて形成されており、
    前記織物は、経糸及び緯糸のうちの少なくとも一方の糸として、2種以上の異なる糸を含んで多重に製織された織物であり、
    前記異なる糸として、伸縮復元率が30%以上のマルチフィラメントからなる高伸縮糸と、前記伸縮復元率が0%以上30%未満である低伸縮糸と、を含むことを特徴とする車両天井材。
  2. 前記経糸として前記高伸縮糸及び前記低伸縮糸が含まれる場合において、前記経糸として含まれた前記高伸縮糸及び前記経糸として含まれた前記低伸縮糸の合計繊度に対して、前記経糸として含まれた前記高伸縮糸の繊度の割合が40%以上である、又は、
    前記緯糸として前記高伸縮糸及び前記低伸縮糸が含まれる場合において、前記緯糸として含まれた前記高伸縮糸及び前記緯糸として含まれた前記低伸縮糸の合計繊度に対して、前記緯糸として含まれた前記高伸縮糸の繊度の割合が40%以上である、請求項に記載の車両天井材。
  3. 前記経糸として前記高伸縮糸及び前記低伸縮糸が含まれる場合において、前記経糸として含まれた前記高伸縮糸及び前記経糸として含まれた前記低伸縮糸が織り込まれた第1の意匠領域と、
    前記経糸として含まれた前記低伸縮糸及び前記緯糸が織り込まれた第2の意匠領域と、を備え、
    前記経糸として含まれた前記高伸縮糸は、前記第2の意匠領域の裏面側で非意匠層を形成している、又は、
    前記緯糸として前記高伸縮糸及び前記低伸縮糸が含まれる場合において、前記緯糸として含まれた前記高伸縮糸及び前記緯糸として含まれた前記低伸縮糸が織り込まれた第1の意匠領域と、
    前記緯糸として含まれた前記低伸縮糸及び前記経糸が織り込まれた第2の意匠領域と、を備え、
    前記緯糸として含まれた前記高伸縮糸は、前記第2の意匠領域の裏面側で非意匠層を形成している請求項又はに記載の車両天井材。
  4. 前記低伸縮糸は、前記高伸縮糸に比べて濃色な糸、又は、前記高伸縮糸に比べて光沢度が高い糸である請求項に記載の車両天井材。
  5. 前記非意匠層における、前記緯糸として含まれた前記高伸縮糸の、前記経糸に対する飛び本数が5本以上、又は、
    前記非意匠層における、前記経糸として含まれた前記高伸縮糸の、前記緯糸に対する飛び本数が5本以上、である請求項又はに記載の車両天井材。
  6. 前記低伸縮糸が、ラメ糸及び/又はモノフィラメントである硬質糸を含み、
    前記織物は、その意匠面に、凸意匠領域と、凹意匠領域と、を有し、
    前記経糸として前記高伸縮糸及び前記低伸縮糸が含まれる場合に、前記経糸として含まれた前記硬質糸が、前記凹意匠領域において意匠面側へ露出されている、又は、
    前記緯糸として前記高伸縮糸及び前記低伸縮糸が含まれる場合に、前記緯糸として含まれた前記硬質糸が、前記凹意匠領域において意匠面側へ露出されている、請求項又はに記載の車両天井材。
  7. 前記織物は、目付が150〜300g/mである請求項1乃至のうちのいずれかに記載の車両天井材。
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