JP6660258B2 - 制汗剤組成物 - Google Patents
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<1> (A)アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物、及びこれらの錯体から選択される少なくとも1種の制汗成分と、(B)ビニル型アニオン性ポリマーと、(C)エタノールと、(D)ヒドロキシアルキル化キトサンと、(E)モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及び2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールから選択される少なくとも1種の塩基性化合物と、を含有し、
前記(A)成分の含有量(質量%)、及び前記(B)成分の含有量(質量%)の和(A+B)と、前記(D)成分の含有量(質量%)との質量比[(A+B)/D]が、6〜200であることを特徴とする制汗剤組成物である。
<2> 前記(A)成分が、クロルヒドロキシアルミニウムである前記<1>に記載の制汗剤組成物である。
<3> 前記(B)成分が、酢酸ビニル−クロトン酸−ネオデカン酸ビニルコポリマー、ビニルメチルエーテル−マレイン酸エチルコポリマー、及びビニルメチルエーテル−マレイン酸ブチルコポリマーから選択される少なくとも1種である前記<1>から<2>のいずれかに記載の制汗剤組成物である。
<4> 前記(D)成分が、ヒドロキシプロピルキトサンである前記<1>から<3>のいずれかに記載の制汗剤組成物である。
<5> 前記(A)成分の含有量が、6質量%〜15質量%であり、前記(B)成分の含有量が、1質量%〜2.5質量%であり、前記(C)成分の含有量が、60質量%〜75質量%であり、前記(D)成分の含有量が、0.3質量%〜0.7質量%であり、前記(E)成分の含有量が、0.1質量%〜0.3質量%である前記<1>から<4>のいずれかに記載の制汗剤組成物である。
<6> ロールオンタイプ、ジェルタイプ、ローションタイプ、及びミストタイプから選択されるいずれかである前記<1>から<5>のいずれかに記載の制汗剤組成物である。
本発明の制汗剤組成物は、(A)制汗成分、(B)ビニル型アニオン性ポリマー、(C)エタノール、(D)ヒドロキシアルキル化キトサン、及び(E)塩基性化合物を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記(A)成分の制汗成分は、制汗効果を向上させるために含有されている。
前記(B)成分のビニル型アニオン性ポリマーは、前記(A)成分の制汗成分との相互作用によって、制汗効果の持続性を向上させるために含有されている。
前記(C)成分のエタノールは、肌のべたつきのなさを向上させるために含有されている。
前記(D)成分のヒドロキシアルキル化キトサンは、乾きの早さを向上させるために含有されている。
キトサンは、ポリ−β−1,4−D−グルコサミン構造を主とする多糖類である。前記ヒドロキシアルキル化キトサンとは、前記キトサンにおけるD−グルコサミン単位の少なくとも1つのヒドロキシル基及びアミノ基のいずれかを、ヒドロキシアルキル基で置換して得られたものである。
前記(D)成分のヒドロキシアルキル化キトサンの総窒素量としては、0.01w/v%〜0.2w/v%が好ましい。前記総窒素量は、例えば、試料を硫酸で加熱分解し、窒素をアンモニア性窒素とした後、アルカリにより遊離させ、水蒸気蒸留法により捕集したアンモニアを滴定法により定量する、セミミクロケルダール法により測定することができる。
前記アルキル基の炭素数としては、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜8が好ましく、2〜6がより好ましい。前記アルキル基は、直鎖であっても分岐があってもよい。
前記(A)成分の含有量(質量%)、及び前記(B)成分の含有量(質量%)の和(A+B)と、前記(D)成分の含有量(質量%)との質量比[(A+B)/D]としては、制汗効果、制汗効果の持続性、乾きの早さ、肌のべたつきのなさ、及び肌のつっぱり感のなさの点から、6〜200であり、11〜55が好ましい。前記質量比[(A+B)/D]が、6未満であると、制汗効果、制汗効果の持続性、及び肌のべたつきのなさが不十分となることがあり、200を超えると、乾きの早さ、及び肌のつっぱり感のなさが不十分となる。
前記(E)成分の塩基性化合物は、制汗効果の持続性を向上させるために含有されている。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、前記(A)〜前記(E)成分の各成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を含有することができる。前記その他の成分としては、例えば、油脂化合物、ワックス化合物、シリコーン化合物、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、界面活性剤、前記(B)成分以外のポリマー、酸化防止剤、色素、乳化安定剤、前記(E)成分以外のpH調整剤、防腐剤、紫外線吸収剤、キレート剤、保湿剤、ヒドロキシプロピルセルロース等の増粘剤、清涼剤、抗炎症剤、イソプロピルメチルフェノール等の殺菌剤、アミノ酸、ビタミン剤、香料、各種植物抽出エキス等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
前記制汗剤組成物の25℃におけるpHとしては、制汗効果、制汗効果の持続性、及び肌のべたつきのなさの点から、3〜4.5が好ましい。前記pHが、3未満であると、制汗効果、及び制汗効果の持続性が不十分となることがあり、4.5を超えると、肌のべたつきのなさが不十分となることがある。
前記制汗剤組成物の粘度については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液状の場合、制汗効果の持続性、及び肌のべたつきのなさの点から、25℃で、1mPa・s〜3,000mPa・sが好ましく、5mPa・s〜1,600mPa・sがより好ましい。前記粘度が、1mPa・s未満であると、制汗効果の持続性が不十分となることがあり、3,000mPa・sを超えると、肌のべたつきのなさが不十分となることがある。
前記粘度は、例えば、BL型粘度計を用いて、25℃でNo.1〜4のローターを使用し、60rpmで1分間の条件で測定することができる。
前記制汗剤組成物の剤型としては、特に制限はなく、例えば、固形状タイプ、半固形状タイプ、ジェル状タイプ、液状タイプが挙げられる。これらの中でも、水分に溶解した状態で肌に塗布されることが効果発現に有効であり、高密着に塗布でき、高い制汗効果が発現できる点から、ジェル状タイプ、液状タイプが好ましく、液状タイプがより好ましい。
前記固形状タイプとしては、例えば、スティックタイプ、シートタイプなどが挙げられる。
前記半固形状タイプとしては、例えば、クリームタイプなどが挙げられる。
前記ジェル状タイプとしては、例えば、ジェルタイプなどが挙げられる。
前記液状タイプとしては、例えば、ロールオンタイプ、ローションタイプ、ミストタイプなどが挙げられる。これらの中でも、制汗効果の点から、ロールオンタイプが好ましい。
また、前記制汗剤組成物をボトル容器に充填し、容器を用いてそのまま塗布するジェル製剤;指先や手を使用して塗布するジェル製剤、ローション製剤も好適に用いることができる。
前記制汗剤組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記(A)〜前記(E)成分、及び前記その他の成分(制汗剤組成物の全体が100質量%となるように残量配合)を混合して調製することができる。具体的には、前記(C)成分中に、前記(B)成分を投入して、均一に溶解させた後、前記(A)成分を投入する。次に、前記(D)成分、水及び前記その他の成分を投入し、均一に溶解及び混合する。その後、前記(E)成分で中和して制汗剤組成物を得ることができる。
前記制汗剤組成物を調製する装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、剪断と全体混合できる複数の攪拌羽根(プロペラ、タービン、ディスパー等)を備えた攪拌装置などが挙げられる。なお、前記(A)〜前記(E)成分、及び前記その他の成分としては、制汗剤組成物を調製するにあたり、それぞれ単独で使用してもよく、また、2種以上の成分を含む混合物の状態で使用してもよい。
前記容器としては、例えば、ロールオン容器、ジェル用ボトル容器、ローション用ボトル容器、ミスト用トリガー型スプレー容器などが挙げられる。これらの中でも、制汗効果の点から、ロールオン容器が好ましい。前記ロールオン容器は、前記制汗剤組成物を肌に高密着に塗布でき、制汗効果を発現できる点で好適に使用できる。前記ロールオン容器としては、前記制汗剤組成物を充填できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2005−186997号公報に記載されたものなどが挙げられる。
本発明の制汗剤組成物は、乾きの早さに優れ、制汗効果、制汗効果の持続性、肌のつっぱり感のなさ、肌のべたつきのなさ、及び皮膚への刺激のなさが良好であるため、例えば、化粧料、医薬品、医薬部外品等に適用することができ、制汗剤、防臭剤、制汗防臭剤、デオドラント剤、デオドラントスプレーにより好適である。
下記表1〜表6に示す組成、及び含有量の制汗剤組成物を常法により調製した。なお、表中のエタノールの含有量は、(C)成分のエタノールと(D)成分のヒドロキシアルキル化キトサンに含まれるエタノールとの合計量を示している。
具体的には、以下の方法により調製した。(C)成分のエタノール中に、(B)成分のビニル型アニオン性ポリマーを投入して、均一に溶解させた後、(A)成分の制汗成分を加えた。その後、(D)成分のヒドロキシアルキル化キトサン、水、及び共通成分を加え、均一に溶解及び混合し、(E)成分の塩基性化合物を加えて混合して制汗剤組成物を得た。得られた制汗剤組成物の25℃におけるpHは、4.2であった。なお、比較例3の制汗剤組成物は、溶媒となる(C)成分のエタノールを含有しないため製剤化することができなかった。
次に、実施例1〜31、及び比較例1〜8の制汗剤組成物を下記仕様のロールオン容器に40mL充填した。
・ボトル(材質:HDPE ナチュラル、満注内容量:約56mL、胴径:約φ33mm、高さ:約87mm、株式会社吉野工業所製)
・リング(材質:LLDPE ナチュラル、外径:約26mm、高さ:約18mm、株式会社吉野工業所製)
・ボール(材質:PP ホワイト、直径:約20mm、株式会社吉野工業所製)
専門パネル20名に対し、片側の腋窩に制汗剤組成物を0.5g塗布し、38℃、相対湿度40%環境下においてエアロバイク(商品名:FB−300HP、リマーク社製)による運動を15分間行った。その後、発汗計(商品名:SKN−2000、株式会社西澤電機計器製作所製)を用いて試料を塗布した腋窩(試料塗布部)、及び試料未塗布の腋窩(試料未塗布部)の発汗量を測定し、下記式1から制汗率を求めた。専門パネル20名の平均値を算出し、下記評価基準に基づいて、「制汗効果」を評価した。その後、さらに前記エアロバイクによる運動を30分間行った後、同様の評価手法により「制汗効果の持続性」を評価した。
(式1)
制汗率(%)=100−[試料塗布部の発汗量(mg/min)/試料未塗布部の発汗量(mg/min)]×100
−制汗効果、及び制汗効果の持続性の評価基準−
◎ :制汗率が56%以上100%以下
◎〜○:制汗率が46%以上56%未満
○ :制汗率が36%以上46%未満
△ :制汗率が26%以上36%未満
× :制汗率が0%以上26%未満
専門パネル20名に対し、腋窩に各制汗剤組成物を0.5g塗布し、乾燥させた後、乾きが早いと回答した人数により、下記評価基準に基づいて、「乾きの早さ」を評価した。
−評価基準−
◎ :専門パネル20名中19名以上20名以下が、乾きが早いと回答
◎〜○:専門パネル20名中16名以上18名以下が、乾きが早いと回答
○ :専門パネル20名中11名以上15名以下が、乾きが早いと回答
△ :専門パネル20名中6名以上10名以下が、乾きが早いと回答
× :専門パネル20名中5名以下が、乾きが早いと回答
専門パネル20名に対し、腋窩に各制汗剤組成物を0.5g塗布し、乾燥させた後、肌のつっぱり感がないと回答した人数により、下記評価基準に基づいて、「肌のつっぱり感のなさ」を評価した。
−評価基準−
◎ :専門パネル20名中19名以上20名以下が、肌のつっぱり感がないと回答
◎〜○:専門パネル20名中16名以上18名以下が、肌のつっぱり感がないと回答
○ :専門パネル20名中11名以上15名以下が、肌のつっぱり感がないと回答
△ :専門パネル20名中6名以上10名以下が、肌のつっぱり感がないと回答
× :専門パネル20名中5名以下が、肌のつっぱり感がないと回答
専門パネル20名に対し、腋窩に各制汗剤組成物を0.5g塗布し、乾燥させた後、肌のべたつきがないと回答した人数により、下記評価基準に基づいて、「肌のべたつきのなさ」を評価した。
−評価基準−
◎ :専門パネル20名中19名以上20名以下が肌のべたつきがないと回答
◎〜○:専門パネル20名中16名以上18名以下が肌のべたつきがないと回答
○ :専門パネル20名中11名以上15名以下が肌のべたつきがないと回答
△ :専門パネル20名中6名以上10名以下が肌のべたつきがないと回答
× :専門パネル20名中5名以下が肌のべたつきがないと回答
専門パネル20名に対し、腋窩に各制汗剤組成物を0.5g塗布し、乾燥させた後、皮膚への刺激がないと回答した人数により、下記評価基準に基づいて、「皮膚への刺激のなさ」を評価した。
−評価基準−
◎ :専門パネル20名中16名以上20名以下が皮膚への刺激がないと回答
○ :専門パネル20名中11名以上15名以下が皮膚への刺激がないと回答
△ :専門パネル20名中6名以上10名以下が皮膚への刺激がないと回答
× :専門パネル20名中5名以下が皮膚への刺激がないと回答
下記表7に示す組成、及び含有量の制汗剤組成物を実施例1と同様にして調製し、下記仕様のジェル用ボトル容器に20mL充填し、実施例32の制汗剤組成物を得た。調製した実施例32の制汗剤組成物について、実施例1と同様に評価した。結果を表7に示す。
・ボトル(商品名:TOMII、材質:HDPE ナチュラル、満注内容量:約34mL、胴径:約φ39mm×24mm(オーバル)、高さ:約76mm、竹本容器株式会社製)
・中栓(商品名:TO キャップ用ノズルB、材質:PE ナチュラル、外径:約12mm、高さ:約13mm、竹本容器株式会社製)
・キャップ(商品名:TO キャップ、材質:AS/PP ホワイト、外径:約φ37mm×23mm(オーバル)、高さ:約22mm、竹本容器株式会社製)
Claims (6)
- (A)アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物、及びこれらの錯体から選択される少なくとも1種の制汗成分と、
(B)ビニル型アニオン性ポリマーと、
(C)エタノールと、
(D)ヒドロキシアルキル化キトサンと、
(E)塩基性化合物と、を含有し、
前記(A)成分の含有量(質量%)、及び前記(B)成分の含有量(質量%)の和(A+B)と、前記(D)成分の含有量(質量%)との質量比[(A+B)/D]が、6〜200であることを特徴とする制汗剤組成物。 - 前記(A)成分が、クロルヒドロキシアルミニウムである請求項1に記載の制汗剤組成物。
- 前記(B)成分が、酢酸ビニル−クロトン酸−ネオデカン酸ビニルコポリマー、ビニルメチルエーテル−マレイン酸エチルコポリマー、及びビニルメチルエーテル−マレイン酸ブチルコポリマーから選択される少なくとも1種である請求項1から2のいずれかに記載の制汗剤組成物。
- 前記(D)成分が、ヒドロキシプロピルキトサンである請求項1から3のいずれかに記載の制汗剤組成物。
- 前記(A)成分の含有量が、6質量%〜15質量%であり、
前記(B)成分の含有量が、1質量%〜2.5質量%であり、
前記(C)成分の含有量が、60質量%〜75質量%であり、
前記(D)成分の含有量が、0.3質量%〜0.7質量%であり、
前記(E)成分の含有量が、0.1質量%〜0.3質量%である請求項1から4のいずれかに記載の制汗剤組成物。 - ロールオンタイプ、ジェルタイプ、ローションタイプ、及びミストタイプから選択されるいずれかである請求項1から5のいずれかに記載の制汗剤組成物。
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