JP6660116B2 - シランカップリング剤水溶液、単分子膜製造方法及びめっき造形方法 - Google Patents
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上記シランカップリング剤は、上記水溶液の5質量%以下の濃度であり、
上記シランカップリング剤は、アルコキシ基とアルキル基とを有し、上記アルキル基の少なくとも1つは、鎖中及び/又は末端に第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、カルボキシ基、水酸基、メルカプト基、エーテル結合、並びにチオエーテル結合からなる群より選択される少なくとも1つの水溶性基を有する、シランカップリング剤水溶液。
前記分解物は、前記水溶液の2質量%以下の濃度であり、
前記シランカップリング剤は、アルコキシ基とアルキル基とを有し、前記アルキル基の少なくとも1つは、鎖中及び/又は末端に第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、カルボキシ基、水酸基、メルカプト基、エーテル結合、並びにチオエーテル結合からなる群より選択される少なくとも1つの水溶性基を有する、シランカップリング剤水溶液。
前記シランカップリング剤は、アルコキシ基とアルキル基とを有し、前記アルキル基の少なくとも1つは、鎖中及び/又は末端に第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、カルボキシ基、水酸基、メルカプト基、エーテル結合、並びにチオエーテル結合からなる群より選択される少なくとも1つの水溶性基を有する、シランカップリング剤水溶液。
上記シランカップリング剤は、アルコキシ基とアルキル基とを有し、上記アルキル基の少なくとも1つは、鎖中及び/又は末端に第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、カルボキシ基、水酸基、メルカプト基、エーテル結合、並びにチオエーテル結合からなる群より選択される少なくとも1つの水溶性基を有する、方法。
上記単分子膜上にパラジウムを担持させた後、めっきを行うこと
を含む、めっき造形方法。
上記シランカップリング剤は、アルコキシ基とアルキル基とを有し、上記アルキル基の少なくとも1つは、鎖中及び/又は末端に第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、カルボキシ基、水酸基、メルカプト基、エーテル結合、並びにチオエーテル結合からなる群より選択される少なくとも1つの水溶性基を有する、方法。
本発明のシランカップリング剤水溶液は、シランカップリング剤を含有する水溶液である。
本発明におけるシランカップリング剤は、アルコキシ基とアルキル基とを有し、該アルキル基の少なくとも1つは後述の水溶性基を有する。本明細書において、かかる水溶性基を有するアルキル基を「水溶性基含有アルキル基」ということがある。本発明におけるシランカップリング剤は、アルコキシ基と水溶性基含有アルキル基とを有するものであれば、更に、水溶性基を有しないアルキル基(本明細書において、「水溶性基非含有アルキル基」ということがある。)等を有していてもよい。これらのアルコキシ基、水溶性基含有アルキル基及び水溶性基非含有アルキル基は、シランカップリング剤が有するケイ素原子に直接結合していることが好ましい。シランカップリング剤が有するケイ素原子に直接結合する基としては、アルコキシ基、水溶性基含有アルキル基及び水溶性基非含有アルキル基のみであってもよく、アルコキシ基及び水溶性基含有アルキル基のみであってもよい。
(R1O)mR2 3−mSi−Rx
(R1は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜3のアルキル基を表し、R2は置換基を有していてもよい1〜3のアルキル基を表し、RXは鎖中及び/又は末端に第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、カルボキシ基、水酸基、メルカプト基、エーテル結合、並びにチオエーテル結合からなる群より選択される少なくとも1つの水溶性基を有するアルキル基を表し、mは1以上3以下の整数を表す。)
(b)3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)
(c)N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン
(d)N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン
(e)3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリエトキシシラン
(f)3−[2−(2−アミノエチルアミノエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン(AEAEAPTMS)
本発明のシランカップリング剤水溶液には、必要に応じて、本発明の目的を阻害しない範囲で水溶性有機溶媒を添加することができる。水溶性有機溶媒としては特に限定されないが、例えば、グリコール系溶媒、グリコールエーテル系溶媒等が挙げられる。
本発明のシランカップリング剤水溶液は、必要に応じて公知の添加剤を配合できる。添加剤としては例えば、酸、アミン、界面活性剤等が挙げられる。酸及びアミンは、pHを調整する目的で添加し、本発明の目的を阻害しないかぎり特に限定されない。例えば、酸としては有機酸でも無機酸であってもよく、アミンとしては、4級アンモニウム塩化合物、アルカノールアミン等を用いることができる。界面活性剤としては、特に限定されないが、例えばイオン性や非イオン性の界面活性剤、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。
本発明のシランカップリング剤水溶液は、上記シランカップリング剤を含有することに加え、下記(A)、(B)及び(C)からなる群より選択される少なくとも1つの特徴を有する。
(A)上記シランカップリング剤は、該シランカップリング剤水溶液の5質量%以下の濃度である。
(B)上記シランカップリング剤に加え、更に、該シランカップリング剤の分解物であるアルコールを含有し、該分解物は、該シランカップリング剤水溶液の2質量%以下の濃度である。
(C)引火点がない。
本発明においては、クリーブランド開放式で測定しても、引火点が測定できなかった場合を、引火点なしとする。
本発明におけるシランカップリング剤水溶液は、有機溶剤を主溶媒とする従来の単分子膜材料と異なり、水溶液ゆえにシランカップリング剤の加水分解を促し高反応性とすることができ、基板等の酸化物表面との反応性も高くすることができる。その結果、単分子膜を低温及び/又は短時間で形成できる。
また、乾燥後の処理基板に対して、必要に応じて、100℃〜300℃の加熱処理を追加で行ってもよい。
単分子膜の膜厚としては、特に限定されず、用いるシランカップリング剤のアルキル基の炭素原子数及び水溶性基の種類、1分子当りの個数等にもよるが、例えば、1〜30Å(1×10−10m)である。
単分子膜は、また、パラジウム等の金属触媒を担持することもできる。かかる吸着性は、シランカップリング剤が水溶性基を有することに起因すると思われる。該吸着性は、例えば、シランカップリング剤1分子当りの水溶性基の数及び/又は種類を選択することにより、調整することができる。金属触媒を担持する場合、水溶性基の種類は、アミノ基であることが好ましく、第一級アミノ基、第二級アミノ基であることがより好ましい。また、これらの水溶性基のシランカップリング剤1分子当りの個数は、1〜5であることが好ましく、1〜3又は1のみであってもよい。
以上により還元された金属触媒を担持した単分子膜は、該膜上にめっきを造形することに好適に用いることができる。めっきを造形する場合、予め、単分子膜に対して、所定のパターンのマスクを介して、活性光線又は放射線、例えば波長が300〜500nmの紫外線又は可視光線を選択的に照射(露光)した後現像して、めっきを造形しない箇所に相当する単分子膜を除去してもよい。めっき造形方法は、特に制限されず、従来から公知の各種方法を採用することができる。めっき液としては、特にハンダめっき、銅めっき、金めっき、ニッケルめっき液が好適に用いられ、銅めっきが特に好ましく、例えば、回路を形成することができる無電解銅めっき等が挙げられる。
(1)APTES水溶液の調製
シランカップリング剤水溶液として、APTESをそれぞれ表1に示す濃度(質量%)の水溶液となるように純水に溶解して、調製した。
得られたAPTES水溶液に、前処理した熱酸化膜付きのシリコン基板を非防爆環境下において室温で1分間浸漬した後、純水で基板表面を洗浄し、窒素ブローにより乾燥して、単分子膜を得た。基板の前処理は、0.495質量%フッ化水素酸水溶液に室温で1分間浸漬した後、純水により基板表面を洗浄し、窒素ブローにより基板表面を乾燥することにより行った。
上記乾燥後の基板を、無電解銅メッキ用の活性化処理溶液(塩化パラジウム0.2g/L、塩酸濃度2mL/L)中に浸漬して活性化処理を行った。処理時間は5分間、処理温度は25℃とした。処理後の基板を、蒸留水に浸漬して洗浄した。
APTESを含有しない純水を比較例1に用い、実施例1〜6と同様にして、単分子膜形成及びパラジウム担持の操作を行った。
APTESを表1に示す濃度(質量%)の水溶液となるように調製すること以外は、実施例1〜6と同様にして、比較用APTES水溶液を調製し、単分子膜を形成し、パラジウム担持処理を行った。
APTESに代えて、表2に示す濃度のAEAEAPTMSを用いること以外は、実施例1〜6と同様にして、AEAEAPTMS水溶液を調製し、単分子膜を形成し、パラジウム担持処理を行った。
AEAEAPTMSを表2に示す濃度(質量%)の水溶液となるように調製すること以外は、実施例7〜16と同様にして、比較用AEAEAPTMS水溶液を調製し、単分子膜を形成し、パラジウム担持処理を行った。
実施例1〜6及び比較例2において得た各APTES水溶液並びに対照として比較例1の純水について、以下の評価を行った。
(1)APTES水溶液等のアルコール濃度
APTES水溶液等の質量に対する、APTESの分解物であるエタノールの濃度をガスクロマトグラフィーにより測定した。
(2)APTES水溶液等の引火点
引火点を、1気圧下において、引火点80℃まではタグ密閉式により、また、引火点80℃超はクリーブランド開放式により、それぞれ測定した。クリーブランド開放式で測定しても、引火点が測定できなかった場合を、引火点なしとした。
実施例1〜6及び比較例1〜2において単分子膜形成操作を行った基板について、前処理後であって該単分子膜形成操作前の基板の厚さと、単分子膜形成操作後の基板の厚さとをそれぞれエリプソメータにより測定し、両厚さの差を単分子膜の膜厚(Å)とした。
以上の結果を表1に示す。表1中の「%」は質量%を意味する。
APTES水溶液の引火点は、各参考例のAPTES水溶液では、なかった。これに対し、比較例2のAPTES水溶液では、引火点が比較的低かった。
以上から、APTES濃度が少なくとも10質量%以上では、引火点があり、具体的には引火点が52℃以下であることが予想される。これは、エタノールの引火点が影響してAPTES水溶液の引火点が低下していることが示唆される。このことは後述のエタノール濃度が、比較例2のAPTES濃度では6.3質量%と比較的高いことによっても示唆される。
以上から、APTES水溶液のAPTES濃度が低いほど、そのエタノール濃度が低いことが示唆される。
実施例7〜16及び比較例3において得た各AEAEAPTMS水溶液について、実施例1〜6と同様にして、評価した。但し、AEAEAPTMSの分解物としてメタノールの濃度を測定した。結果を表2に示し、比較例1の結果を対照として再掲する。
AEAEAPTMS水溶液の引火点は、各実施例のAEAEAPTMS水溶液では、なかった。これに対し、比較例3のAEAEAPTMS水溶液では、引火点が比較的低かった。
以上から、AEAEAPTMS濃度が10質量%以上であるAEAEAPTMS水溶液では、引火点があり、具体的には引火点が78℃以下であることが予想される。これは、メタノールの引火点が影響してAEAEAPTMS水溶液の引火点が低下していることが示唆される。このことは後述のメタノール濃度が、比較例2のAEAEAPTMS濃度では3.4質量%と比較的高いことによっても示唆される。
以上から、AEAEAPTMS水溶液のAEAEAPTMS濃度が低いほど、そのメタノール濃度が低いことが示唆される。
表3に示す各APTES濃度のAPTES水溶液及びを用いて得た、パラジウム担持処理後の単分子膜について、その元素成分比率をXPS法(X線光電子分光法)により測定した。対照として比較例1のパラジウム担持処理後の基板についても同様に測定した。結果を表3に示す。
APTES、AEAEAPTMSの何れを用いた場合であっても、C1Sピーク及びN1Sピークが明瞭に出現していることが確認された。このことから、基板表面にシランカップリング剤由来の単分子膜(SAM)が形成されていることが確認された。
また、APTES、AEAEAPTMSの何れを用いた場合であっても、Pd3dピークが明瞭に出現していることが確認された。即ち、SAMにおけるアミノ基にパラジウムが化学吸着していることが示唆される。
Claims (5)
- 基板表面にパラジウムを担持させるに先立って行われる単分子膜を製造する方法であって、
当該方法は、熱酸化膜付きのシリコン基板、水酸基を有するケイ素基板、ガラス基板及び表面に水酸基が導入されたフッ素樹脂基板からなる群から選択されるいずれかの基板の表面にシランカップリング剤を含有するシランカップリング剤水溶液を曝露することを含み、
前記シランカップリング剤は、前記水溶液の5質量%以下の濃度であり、
前記シランカップリング剤は、アルコキシ基とアルキル基とを有し、前記アルキル基の少なくとも1つは、鎖中及び/又は末端に第一級アミノ基、第二級アミノ基、並びに第三級アミノ基からなる群より選択される少なくとも3つの水溶性基を有する、単分子膜を製造する方法。 - 前記シランカップリング剤は、下記一般式で表される、請求項1に記載の単分子膜を製造する方法。
(R1O)mR2 3−mSi−Rx
(R1は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜3のアルキル基を表し、R2は置換基
を有していてもよい炭素原子数1〜3のアルキル基を表し、RXは鎖中及び/又は末端に
第一級アミノ基、第二級アミノ基、並びに第三級アミノ基からなる群より選択される少な
くとも3つの水溶性基を有するアルキル基を表し、mは1以上3以下の整数を表す。) - 前記少なくとも3つの水溶性基は、第一級アミノ基又は第二級アミノ基からなる群より選択される少なくとも3つである、請求項1又は2に記載の単分子膜を製造する方法。
- 前記シランカップリング剤は、3−[2−(2−アミノエチルアミノエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシランを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の単分子膜を製造する方法。
- 前記単分子膜は、前記パラジウムを担持させた後、めっき形成工程に供されるものであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の単分子膜の製造方法。
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