JP6659422B2 - 塗布装置、マスクブランクの製造方法 - Google Patents
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フォトリソグラフィーでは、フォトレジストの感光部と未感光部の境界を明確にすることがCD改善に繋がる。これは、露光時における定在波の影響、光の屈折の影響を受けていることによるものである。露光時の入射光の屈折は、露光装置の能力によるものが大きいが、反射光の屈折は、反射光を抑えることで低減できる。しかし、反射光(エネルギー)をゼロにすることは難しく、反射エネルギーを均一、すなわち、フォトレジストにおける反射率を均一にすることが重要となる。
また、フォトレジスト膜厚でも定在波が変化してしまうため、フォトレジスト膜厚を均一にすることが極めて重要である。
1. フォトレジスト膜厚分布の改善を図ること。
2. フォトレジスト膜厚分布に起因する反射率の改善を図ること。
3. フォトレジスト塗布ムラの改善を図ること。
4. フォトレジスト膜厚分布に起因するCD分布の改善を図ること。
前記基板を吸着して保持する略平面とされる吸着面を有する保持手段と、
前記レジスト液を供給可能な塗布液供給手段と、
一方向に伸びるレジスト液供給口を有する塗布ノズルと、
前記塗布ノズルと前記基板とを前記被塗布面に沿って前記一方向に交差する方向へ相対的に走査させる移動手段と、
前記基板と前記保持手段の前記吸着面との間に位置し、前記塗布ノズルにおける前記レジスト液供給口の一端部から接液を開始させて前記レジスト液供給口に沿って接液を進行させるとともに前記レジスト液供給口の他端部で接液を完了させるように、前記塗布ノズルと前記基板の被塗布面との間隔であるギャップを調節するギャップ調節手段と、
を有することにより上記課題を解決した。
本発明において、前記ギャップ調節手段が、前記保持手段の吸着面と前記基板との間に貼り付けられるシート部材とされることがより好ましい。
また、本発明において、前記シート部材が、前記基板と前記塗布ノズルとの間隔である前記ギャップを均一にするように、前記保持手段の吸着面における貼り付け条件を設定されることができる。
本発明の塗布装置は、前記シート部材が、前記保持手段の吸着面において、前記塗布ノズルにおいて接液を開始させる前記レジスト液供給口の一端部位置に設けられることが可能である。
また、本発明において、前記レジスト液供給口の一端部位置に貼り付けられる前記シート部材が、前記一方向に交差する方向において前記基板の全長よりも短い所定の長さ寸法を有することができる。
また、本発明は、前記シート部材が、前記保持手段の吸着面において、前記塗布ノズルにおいて接液を完了させる前記レジスト液供給口の他端部位置に設けられ、
前記レジスト液供給口の一端部位置に貼り付けられる前記シート部材が、前記レジスト液供給口の他端部位置に貼り付けられる前記シート部材よりも大きな厚さ寸法を有することができる。
また、本発明において、前記シート部材が、前記保持手段の吸着面において、前記塗布ノズルにおいて接液を完了させる前記レジスト液供給口の他端部位置に設けられ、
前記レジスト液供給口の他端部位置に貼り付けられる前記シート部材が、前記一方向に交差する方向において前記基板の全長と等しい長さ寸法を有する手段を採用することもできる。
本発明のマスクブランクの製造方法は、上記のいずれか記載の塗布装置でレジスト膜付マスクブランクを製造する製造方法において、
前記基板を吸着しない状態で前記塗布ノズルを前記吸着面に接触させ、前記レジスト液供給口の一端部位置および他端部位置における前記塗布ノズルと前記基板の被塗布面との間隔の状態を測定するギャップ測定工程と、
前記ギャップ測定工程によって得られたデータに基づいて、所定の厚さに前記ギャップ調節手段を設定するシート設定工程と、
前記シート設定工程によって設定された前記ギャップ調節手段を前記吸着面の所定位置に配置するシート貼り付け工程と、
前記シート貼り付け工程後に、前記吸着面に前記基板を吸着し、前記レジスト液供給手段からレジスト液を供給しつつ、前記移動手段によって、前記塗布ノズルと前記基板とを近接させ、前記塗布ノズルにおける前記レジスト液供給口の一端部から開始して前記レジスト液供給口に沿って進行させ前記レジスト液供給口の他端部で完了するように前記被塗布面に沿って前記一方向にレジスト液を接液させる接液工程と、
前記移動手段によって、前記塗布ノズルと前記基板とを前記一方向に交差する方向へ相対的に走査させる塗布工程と、
を有することができる。
本発明のマスクブランクの製造方法は、
前記シート貼り付け工程において、前記接液工程での前記基板と前記塗布ノズルとの間隔であるギャップを均一にするように、前記ギャップ調節手段としてのシート部材が、前記保持手段の吸着面における貼り付け条件を設定されることができる。
本発明のマスクブランクの製造方法は、前記シート貼り付け工程において、前記ギャップ調節手段としてのシート部材を貼り付けた付近における前記ギャップを狭くすることにより前記接液速度を設定することができる。
本発明のマスクブランクの製造方法は、前記シート貼り付け工程において、前記ギャップ調節手段としてのシート部材が、前記保持手段の吸着面において、前記塗布ノズルにおいて接液を開始させる前記レジスト液供給口の一端部位置に設けられ、該レジスト液供給口の一端部位置における前記ギャップを狭くすることができる。
本発明のマスクブランクの製造方法は、前記シート貼り付け工程において、前記ギャップ調節手段としてのシート部材が、前記保持手段の吸着面において、前記塗布ノズルにおいて接液を完了させる前記レジスト液供給口の他端部位置に設けられ、前記レジスト液供給口の一端部位置に貼り付けられる前記シート部材が、前記レジスト液供給口の他端部位置に貼り付けられる前記シート部材よりも大きな厚さ寸法として設定されることができる。
前記基板を吸着して保持する略平面とされる吸着面を有する保持手段と、
前記レジスト液を供給可能な塗布液供給手段と、
一方向に伸びるレジスト液供給口を有する塗布ノズルと、
前記塗布ノズルと前記基板とを前記被塗布面に沿って前記一方向に交差する方向へ相対的に走査させる移動手段と、
前記基板と前記保持手段の前記吸着面との間に位置し、前記塗布ノズルにおける前記レジスト液供給口の一端部から接液を開始させて前記レジスト液供給口に沿って接液を進行させるとともに前記レジスト液供給口の他端部で接液を完了させるように、前記塗布ノズルと前記基板の被塗布面との間隔であるギャップを調節するギャップ調節手段と、
を有することにより、ギャップ調節手段によって吸着面に対する基板の被塗布面の厚さ方向位置を調節して、基板の被塗布面に対してレジスト液供給口の一方向に沿った方向における位置によって異なる長さ(寸法)を有する状態とされる基板の被塗布面と塗布ノズルのレジスト液供給口とのギャップに対して、この基板の被塗布面と塗布ノズルのレジスト液供給口との位置関係を設定することが可能となるとともに、ギャップ調節手段が基板の被塗布面に対する裏面側となる吸着面に位置することで、接液時においてギャップ調節手段が直接、基板の被塗布面およびレジスト液に接触することがないため、接液状態に対して悪影響を及ぼすことを防止することが可能となる。
前記基板を吸着しない状態で前記塗布ノズルを前記吸着面に接触させ、前記レジスト液供給口の一端部位置および他端部位置における前記塗布ノズルと前記基板の被塗布面との間隔の状態を測定するギャップ測定工程と、
前記ギャップ測定工程によって得られたデータに基づいて、所定の厚さに前記ギャップ調節手段を設定するシート設定工程と、
前記シート設定工程によって設定された前記ギャップ調節手段を前記吸着面の所定位置に配置するシート貼り付け工程と、
前記レジスト液供給手段からレジスト液を供給しつつ、前記移動手段によって、前記塗布ノズルと前記基板とを近接させ、前記塗布ノズルにおける前記レジスト液供給口の一端部から開始して前記レジスト液供給口に沿って進行させ前記レジスト液供給口の他端部で完了するように前記被塗布面に沿って前記一方向にレジスト液を接液させる接液工程と、
前記移動手段によって、前記塗布ノズルと前記基板とを前記一方向に交差する方向へ相対的に走査させる塗布工程と、
を有することにより、ギャップ測定工程によって得られた一方向に沿った塗布ノズルのレジスト液供給口と吸着面との間隔のデータに基づいて、ギャップ調節手段を前記吸着面の所定位置に配置することで、一方向に沿った塗布ノズルのレジスト液供給口と基板の被塗布面との間隔を塗布ムラができないように接液がレジスト液供給口に沿って走る状態を実現して、接液に起因する塗布ムラの発生を防止することができる。
図1は、本実施形態における塗布装置の吸着面側を示す平面図であり、図2は、本実施形態における塗布装置のギャップ測定工程における塗布ノズル付近を示す正面図であり、図3は、本実施形態における塗布装置のシート貼り付け工程における塗布ノズル付近を示す正面図であり、図4は、本実施形態における塗布装置の塗布工程における塗布ノズル付近を示す側断面図であり、図5は、本実施形態における塗布装置の塗布ノズル付近を示す側断面図であり、図6は、本実施形態におけるマスクブランクの製造方法を示すフローチャートであり、図において、符号1は、塗布装置である。
また、本実施形態で製造されるマスクブランクにおいて、前記マスクパターンを形成するための薄膜としては、珪素を含む珪素含有膜が挙げられる。珪素含有膜としては、珪素膜や、珪素とクロム、タンタル、モリブデン、チタン、ハフニウム、タングステンの金属を含む金属シリサイド膜、さらに、珪素膜や金属シリサイド膜に、酸素、窒素、炭素の少なくとも一つを含むことができる。
吸着面3aは、基板10の平面形状よりも大きい範囲となるように設定されることが好ましい。
ギャップ調節手段50としてのシート部材50a,50bとしては、レジスト液を扱うことの可能な雰囲気条件、例えば真空雰囲気で使用可能な耐熱材であれば特に限定はされないが、ポリイミドフィルムにシリコン樹脂系粘着材を塗布したものを適用することができる。また、シート部材50a,50bとしては、5μm程度を目安としてこの厚さ単位刻みで厚さ寸法の異なるものを用意して、これらを組み合わせて積層することで、所望の厚さとすることが可能である。
シート部材50a,50bは、図1,図3に示すように、塗布ノズル22において接液を開始させるレジスト液供給口23の一端部23a位置と、接液を完了させるレジスト液供給口23の他端部23b位置となる吸着面3aに貼り付けられる。
また、レジスト液供給口23の一端部23a位置に貼り付けられるシート部材50aが、レジスト液供給口23の他端部23b位置に貼り付けられるシート部材50bよりも一方向A1において大きな幅寸法を有することができる。
例えば、ギャップ調節手段50としてのシート部材と貼り付けることにより、シート部材を貼り付けた部分およびその近傍の領域におけるギャップgを、シート部材を貼り付けない場合に比べて狭くする。これにより、その領域における接液速度が早くなるように設定することが可能である。
これにより、塗布ノズル22と基板10とのギャップg制御を所定のレベルに到達させて、基板10へのレジスト液21塗布のバラツキ発生を防止することが可能となる。
上述した発明の実施の形態で記載した方法によって、マスクブランク上にレジストを塗布して、レジスト膜付マスクブランクを形成した。
その際、マスクブランクとしては、大型ガラス基板(合成石英(QZ)13mm厚、サイズ1220mm×1400mm)を準備し使用した。なお、基板10の横方向A1を1220mmとした。
一端部23a位置と他端部23b位置に、厚さを変えてシート部材50a,50bを貼り付けて挟み込んだ。シート部材50aの横方向A1寸法は20mm、シート部材50bの横方向A1寸法は50mmとし、シート部材50aの縦方向A2寸法は20mm、シート部材50bの縦方向A2寸法は1220mmとした。
塗布ムラは、一端部23a位置と中央部23cと他端部23b位置とのそれぞれにおいて、基板10の縦方向A2に延びる領域において観察した。
これらの結果を表1から表5に示す。
表において、二重丸は、レジスト膜のムラに起因すると思われる異常が全く見られなかったことを意味し、一重○は、レジスト膜のムラに起因すると思われる異常がほとんど見られなかったことを意味し、×はレジスト膜のムラに起因すると思われる異常が発生したことを示している。
他端部23b位置(OUT側位置)厚さ寸法/一端部23a位置(IN側位置)厚さ寸法=0/35〜12/35、0/50〜25/50、0/55〜25/55、0/60〜25/60、0/70〜25/70とすることができる。
として設定することで、膜厚レンジが所定の幅に収まり、かつ、塗布ムラのないレジスト膜を有するマスクブランクを製造することが可能となる。
2a…塗布液供給手段
3…保持手段
3a…吸着面
4…移動手段
10…基板
10a…被塗布面
21…レジスト液
22…塗布ノズル
23…レジスト液供給口
23a…一端部
23b…他端部
50…ギャップ調節手段
A1…横方向(一方向)
A2…縦方向(一方向に交差する方向)
g,ga,gb,gc…ギャップ
Claims (12)
- 基板の被塗布面に対して、レジスト液を塗布してレジスト膜付マスクブランクを製造する塗布装置において、
前記基板を吸着して保持する略平面とされる吸着面を有する保持手段と、
前記レジスト液を供給可能な塗布液供給手段と、
一方向に伸びるレジスト液供給口を有する塗布ノズルと、
前記塗布ノズルと前記基板とを前記被塗布面に沿って前記一方向に交差する方向へ相対的に走査させる移動手段と、
前記基板と前記保持手段の前記吸着面との間に位置し、前記塗布ノズルにおける前記レジスト液供給口の一端部から接液を開始させて前記レジスト液供給口に沿って接液を進行させるとともに前記レジスト液供給口の他端部で接液を完了させるように、前記塗布ノズルと前記基板の被塗布面との間隔であるギャップを調節するギャップ調節手段と、
を有することを特徴とする塗布装置。 - 前記ギャップ調節手段が、前記保持手段の吸着面と前記基板との間に貼り付けられるシート部材とされることを特徴とする請求項1記載の塗布装置。
- 前記シート部材が、前記基板と前記塗布ノズルとの間隔である前記ギャップを均一にするように、前記保持手段の吸着面における貼り付け条件を設定さ(0042)れることを特徴とする請求項2記載の塗布装置。
- 前記シート部材が、前記保持手段の吸着面において、前記塗布ノズルにおいて接液を開始させる前記レジスト液供給口の一端部位置に設けられることを特徴とする請求項2又は3記載の塗布装置。
- 前記レジスト液供給口の一端部位置に貼り付けられる前記シート部材が、前記一方向に交差する方向において前記基板の全長よりも短い所定の長さ寸法を有することを特徴とする請求項4記載の塗布装置。
- 前記シート部材が、前記保持手段の吸着面において、前記塗布ノズルにおいて接液を完了させる前記レジスト液供給口の他端部位置に設けられ、
前記レジスト液供給口の一端部位置に貼り付けられる前記シート部材が、前記レジスト液供給口の他端部位置に貼り付けられる前記シート部材よりも大きな厚さ寸法を有することを特徴とする請求項4記載の塗布装置。 - 前記シート部材が、前記保持手段の吸着面において、前記塗布ノズルにおいて接液を完了させる前記レジスト液供給口の他端部位置に設けられ、
前記レジスト液供給口の他端部位置に貼り付けられる前記シート部材が、前記一方向に交差する方向において前記基板の全長と等しい長さ寸法を有することを特徴とする請求項4記載の塗布装置。 - 請求項1から7のいずれか記載の塗布装置でレジスト膜付マスクブランクを製造する製造方法において、
前記基板を吸着しない状態で前記塗布ノズルを前記吸着面に接触させ、前記レジスト液供給口の一端部位置および他端部位置における前記塗布ノズルと前記基板の被塗布面との間隔の状態を測定するギャップ測定工程と、
前記ギャップ測定工程によって得られたデータに基づいて、所定の厚さに前記ギャップ調節手段を設定するシート設定工程と、
前記シート設定工程によって設定された前記ギャップ調節手段を前記吸着面の所定位置に配置するシート貼り付け工程と、
前記シート貼り付け工程後に、前記吸着面に前記基板を吸着し(0046,fig4,6)、前記レジスト液供給手段からレジスト液を供給しつつ、前記移動手段によって、前記塗布ノズルと前記基板とを近接させ、前記塗布ノズルにおける前記レジスト液供給口の一端部から開始して前記レジスト液供給口に沿って進行させ前記レジスト液供給口の他端部で完了するように前記被塗布面に沿って前記一方向にレジスト液を接液させる接液工程と、
前記移動手段によって、前記塗布ノズルと前記基板とを前記一方向に交差する方向へ相対的に走査させる塗布工程と、
を有することを特徴とするマスクブランクの製造方法。 - 前記シート貼り付け工程において、前記ギャップ調節手段としてのシート部材を貼り付けた付近における前記ギャップを狭くすることにより前記接液速度を設定することを特徴とする請求項8記載のマスクブランクの製造方法。
- 前記シート貼り付け工程において、前記接液工程(0049)での前記基板と前記塗布ノズルとの間隔であるギャップを均一にするように、前記ギャップ調節手段としてのシート部材が、前記保持手段の吸着面における貼り付け条件(0042)を設定されることを特徴とする請求項8記載のマスクブランクの製造方法。
- 前記シート貼り付け工程において、前記ギャップ調節手段としてのシート部材が、前記保持手段の吸着面において、前記塗布ノズルにおいて接液を開始させる前記レジスト液供給口の一端部位置に設けられ、該レジスト液供給口の一端部位置における前記ギャップを狭くすることを特徴とする請求項9記載のマスクブランクの製造方法。
- 前記シート貼り付け工程において、前記ギャップ調節手段としてのシート部材が、前記保持手段の吸着面において、前記塗布ノズルにおいて接液を完了させる前記レジスト液供給口の他端部位置に設けられ、前記レジスト液供給口の一端部位置に貼り付けられる前記シート部材が、前記レジスト液供給口の他端部位置に貼り付けられる前記シート部材よりも大きな厚さ寸法として設定されることを特徴とする請求項11記載のマスクブランクの製造方法。
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