JP6659392B2 - 照明装置 - Google Patents

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Description

本発明は、励起光源から出射された励起光を受けて発光する蛍光体を有する発光部を備えた照明装置に関するものである。
従来、蛍光体を含有する発光部にレーザ光を照射し、蛍光体を励起することによって白色光源を得る技術が知られている。
この種の技術の適用例として、例えば、自動車用のヘッドライトにおいては、対向車・歩行者・道路標識・路面等の外部の状態をカメラでモニターし、外部の状況に応じて適切な投光パターンを得るために、投光したい投光パターンに対応する形状で白色光源を発光させることが行われている。このような機構は、状況適応型前照灯(Adaptive Driving Beam、以下、単にADBと略称する)等と称される。
また、最近では、蛍光体を励起するレーザ光を、蛍光体の上で走査することによって、白色光源の発光形状を任意に変化させる技術が知られている。例えば、特許文献1には、単一のレーザ光源(発光点は一つ)から出射された単一のレーザ光のスポットを、蛍光体上で走査する技術が開示されている。
その他、特許文献2には、複数の励起光源、および複数のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を用いて複数の発光パターンを重ね合せる手法が開示されている。また、特許文献3には、複数の励起光源を個別に変調して配光パターンを形成する技術が開示されている。
特開2015−153646号公報(2015年8月24日公開) 特開2015−138735号公報(2015年7月30日公開) 特開2014−017094号公報(2014年1月30日公開)
上述したADBにおいて、より細かい配光制御をする場合、分解能を上げる必要がある。DMD(Digital Mirror Device)や液晶などの空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)を用いる場合はSLMのピクセル数を増やすことで、分解能を上げることができる。これに対して光偏向器でレーザなどの励起光源のビームを蛍光体上で走査する場合は、励起光源を高速に変調することで分解能を上げることができると言われている。
しかしながら、本発明者らが検討したところ、ビームスポットのサイズが大きいと、たとえ高速に変調しても明確なコントラストが得られないことが判明した〔図8の(a)〕。コントラストはADBにおいて重要である。なぜなら、本来光を照射させない対象物(対向車など)にグレアを感じさせることになるからである。よって、十分なコントラストを得ながら高速変調によって高分解能とするには、ビーム径を十分小さくする必要がある〔図8の(b)〕。
次に、ビーム径を小さくする代わりに蛍光体上の走査領域を大きく取ることを検討した。レーザ照明では蛍光体上の発光部をレンズで投影することで最終的な配光パターンを得るので、必ずしも蛍光体上で微小ピクセルを形成する必要はないからである。しかしながら、この場合、たとえ高い分解能が得られたとしても発光領域が大きくなることで、投影レンズを大きくしたり、光偏向器の振れ角を大きくしたりする、必要があり、結果として照明装置が大きくなる、という問題を引き起こすことが分かった〔図8の(c)〕。
また、この場合、大きな蛍光体を必要とするので、コストアップになったり、全面にわたって均一な蛍光体を得るのが難しくなったりという問題もある。
以上から、高い分解能と、蛍光体のサイズの問題とを両立させるためにはビーム径を小さくする必要がある。具体的に、例えば、水平方向について、発光領域10mm、ピクセル数120を得ることを考える。ビーム径が円形として、直径は10mm÷120ピクセル=0.083mm程度のビームが必要となる。光束500lmを得るのに必要な輝度を幾つかの仮定に基づいて見積もると、30000cd/mmもの値になる。本発明者らの検討では高くとも数千cd/mm程度で輝度は飽和するので、単一のレーザ光源(発光点は一つ)にて、このような小さいビーム径で十分な光束量を得るのは困難である。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高分解能で十分な光束量を得ることができ、装置の小型化を実現することができる照明装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る照明装置は、励起光を出射する複数の発光点を有する光源部と、上記励起光を受けて発光する蛍光体を含む発光部と、上記発光部に入射する上記励起光のスポットが上記発光部上で走査されるように上記励起光の上記発光部に対する入射位置を調整する励起光走査部と、上記発光部での発光を所望の形状に投光する投光部と、を備え、上記スポットは複数であり、上記スポットのそれぞれは、上記発光点のそれぞれから出射される励起光に由来しており、上記励起光走査部は、上記スポットのそれぞれが、同一時刻に重ならないように走査されるように構成され、上記光源部から出射される複数の励起光は互いに平行であり、かつ、上記励起光走査部は、複数の励起光のスポットのそれぞれを同時に走査する1つの可動ミラーであり、上記発光部上で走査される複数のスポットのそれぞれは、前記発光部上の互いに異なるエリアを同じ方向に走査されることを特徴としている。
本発明の一態様によれば、高分解能で十分な光束量を得ることができ、装置の小型化を実現するという効果を奏する。
(a)は、本発明の実施形態1に係る照明装置の概要構成を示す図であり、(b)は、比較例の照明装置の部分構成を示す図であり、(c)は、可動ミラーの駆動電流を三角波で変調する場合の、ミラー駆動電圧と時間との関係を示す図である。 (a)は、発光部に対する励起光密度と、輝度との関係を示すグラフであり、(b)は、発光部に対する励起光のスポットが1つである状態を示す図であり、(c)は、発光部に対する励起光のスポットが4つである状態を示す図である。 (a)は、励起光走査部の一構成例であるガルバノミラーの概要構成を示す図であり、(b)は、励起光走査部の別の構成例であるポリゴンミラーの概要構成を示す図であり、(c)は、励起光走査部のさらに別の構成例であるMEMSミラーの概要構成を示す図である。 (a)は、本発明の実施形態2に係る照明装置の概要構成を示す図であり、(b)は、励起光走査部の一構成例である2つのガルバノミラーの組合せの概要構成を示す図であり、(c)は、励起光走査部の別の構成例であるMEMSミラーの概要構成を示す図であり、(d)は、励起光走査部のさらに別の構成例であるポリゴンミラーとMEMSミラーとの組合せの概要構成を示す図である。 (a)は、本発明の実施形態3に係る照明装置の概要構成を示す図であり、(b)は、励起光走査部の一構成例である2つのガルバノミラーの組合せの概要構成を示す図である。 (a)は、本発明の実施形態4に係る照明装置の概要構成を示す図であり、(b)は、レーザ光の光分布を変換する光学系の一例を示す図であり、(c)は、上記光学系の別の例を示す図である。 本発明の実施形態5に係る照明装置の概要構成を示す図である。 従来技術の問題点を説明するための図である。
本発明の実施の形態について図1〜図7に基づいて説明すれば、次の通りである。以下、説明の便宜上、特定の項目にて説明した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
〔実施形態1〕
図1の(a)は、本発明の実施形態1に係る照明装置1Aの概要構成を示す図である。同図に示すように、照明装置1Aは、光源部2A、光学系α3、励起光走査部4、光学系β5、および発光部6を備える。
(光源部2A)
光源部2Aは、本実施形態では、4つのレーザ素子(励起光源)2cが、フィン2aを有する放熱ベース2bに搭載されたものである。
レーザ素子2cは、レーザ光を出射するチップからなる発光素子(LD:Laser Diode)であり、発光部6に含まれる蛍光体を励起する励起光源として機能する。レーザ素子2cは、1チップに1つの発光点を有するものであっても、1チップに複数の発光点を有するものであってもよい。これにより、例えば、光源部2Aが、単一の発光点を有するレーザ素子2cを含む場合と比較して、光源部2Aに含まれるレーザ素子2cの数を少なくすることができる。レーザ素子2cが出射するレーザ光のピーク波長は、例えば380nm以上415nm以下の青紫色の波長領域から選択され、例えば395nmである。ただし、レーザ素子2cのレーザ光のピーク波長はこれに限らず、照明装置1Aの用途または発光部6に含まれる蛍光体の種類に応じて、適宜選択してよい。例えば、レーザ素子2cは、420nm以上490nm以下の波長範囲にピーク波長を有するいわゆる青色近傍のレーザ光を発振してもよい。例えば、レーザ素子2cは、波長450nmのレーザ光を発振する。
励起光として、レーザ光を用いることにより、レーザ光でない例えば発光ダイオードからの光を用いる場合より、発光部6に含まれる蛍光体を効率的に励起して輝度を高めることができる。輝度を高めることにより、発光部6を小型化することができる。また、励起光がレーザ光であるため、発光部6における励起光の照射領域を絞ることができる。照射領域を効率的に絞ることにより、照明装置1Aから投光する照明パターンの解像度を高めることができる。この点を考慮しなければ、励起光源として、レーザ素子2cに代えて発光ダイオード等の別の発光素子を用いることもできる。
本実施形態の照明装置1Aにおいては、レーザ素子2cは4つであるが、これに限らず、複数のレーザ素子2cが設けられていれば良く、その数は、任意であり、必要に応じて適宜決定すれば良い。なお、発光点を複数含むレーザ素子2cの場合は、光源部2Aに一つのレーザ素子2cだけが含まれていても良い。
次に、放熱ベース2bは、レーザ素子2cを支持する支持部材であり、レーザ素子2cからの発熱を放熱する放熱部材でもある。このため、放熱ベース2bは、効率的に放熱できるように、強度と熱伝導性とを備えた金属製であることが好ましく、例えば、アルミニウムまたは銅等から主になることが好ましい。なお、放熱ベース2bは、金属でない熱伝導性が高い物質(例えば、炭化ケイ素及び窒化アルミニウム等)を含む材質であってもよい。
また、放熱ベース2bは、放熱効率を高めるために、フィン2aを備えている。フィン2aは、レーザ素子2cが接合される側とは反対側に、放熱ベース2bに設けられる。フィン2aは、レーザ素子2cから放熱ベース2bへ伝えられた熱を放熱により冷却する冷却機構つまり放熱機構であり、複数の冷却板としての放熱板からなっている。フィン2aが複数の放熱板からなることにより、フィン2aと大気との接触面積が増加するため、フィン2aの放熱効率を高めることができる。
(光学系α3)
光学系α3は、レーザ光をコリメートする光学系、レーザ光のスポット形状を成形するビーム成形光学系(レンズ、回折光学素子など)、レーザ光を集光する集光レンズなどで構成されるが、本発明の本質とはあまり関係がないため、ここでは、その説明を省略する。なお、光学系α3と光源部2Aとの間は、光ファイバなどの導光部材を介して光学的に接続しても良い。光学系α3として、例えば、バンドルファイバー(それぞれのレーザ光を1本の光ファイバで導光して、そのファイバが束ねられている)を用いることもできる。これにより、励起光走査部4にビームを収めるのが容易になる。なぜなら、複数のレーザ素子2cだと発光点が互いに離れているが、この方式だと容易に互いに近接させることができ、励起光走査部4に収めやすくなる。
(励起光走査部4)
励起光走査部4は、発光部6に入射するレーザ光のスポットが発光部6上で走査されるようにレーザ光の発光部6に対する入射位置を調整するものである。また、上記スポットは複数であり、上記スポットのそれぞれは、複数の発光点のそれぞれから出射される励起光に由来している。また、励起光走査部4は、上記スポットのそれぞれが、同一時刻に重ならないように走査されるように構成されている。
また、励起光走査部4は、後述するように、上記複数のスポットのそれぞれを纏めて走査する可動ミラーを少なくとも1つ含んでいても良い。1つのスポットを1つの可動ミラーで走査するよりも、上記構成のように、複数のスポットのそれぞれを纏めて1つの可動ミラーで走査する方が、装置の小型化ができる。励起光走査部4は、例えば、後述するガルバノミラー(励起光走査部、可動ミラー)41、ポリゴンミラー(励起光走査部、可動ミラー)42、およびMEMSミラー(励起光走査部、可動ミラー)43などの可動ミラーや、音響光学素子などで構成される。励起光走査部4は、例えば、本実施形態では、ガルバノミラー一軸とする。
本実施形態の励起光走査部4は、図1の(a)に示すように、レーザ光のスポットのそれぞれが、特定の一方向(水平方向)に沿って走査されるように構成されている。これにより、一軸的な走査が可能になる。このため、装置の小型化が可能になり、設計の自由度を高めることができる。なお、同図に示す形態では、最初に発光部6の左端に垂直方向に沿って4つのスポット6a〜6dが並んだ状態からスタートし、左から右へそれぞれのスポット6a〜6dが、一方向(水平方向)に沿って走査されている。しかしながら、最初に発光部6の右端に垂直方向に沿って4つのスポット6a〜6dが並んだ状態からスタートし、右から左へそれぞれのスポット6a〜6dが、一方向(水平方向)に沿って走査されるようにすることもできる。
(光学系β5)
光学系β5は、レーザ光をコリメートする光学系、レーザ光のスポット形状を成形するビーム成形光学系、レーザ光を集光する集光レンズ、励起光走査部4の形態に応じて発光部6での走査を均一化する光学系(fθレンズなど)などで構成されるが、本発明の本質とはあまり関係がないため、ここでは、その説明を省略する。なお、光学系β5は、省略することもできる。
(発光部6)
発光部6は、レーザ素子2cから出射されたレーザ光を受けて蛍光を発光する蛍光体を含んでいる。具体的には、発光部6としては、封止材の内部に蛍光体が分散されている封止型発光部、蛍光体を固めた結晶型発光部、または熱伝導率の高い材質からなる基板上に蛍光体の粒子を塗布つまり堆積させた薄膜型発光部等が挙げられる。発光部6は、レーザ光を蛍光に変換するための波長変換素子であるとも言える。
また、本実施の形態では、発光部6の形状は、例えば、縦×横が、5mm×15mmの横長矩形であるが、これに限られず、照明装置1Aの用途などに応じて適宜選択可能である。また、本実施の形態では、発光部6のレーザ光が入射する面のスポットの形状は、略円形であり、スポット径は、0.083mm程度である。
本実施形態では、スポットは複数であり(スポット6a〜6d)、スポット6a〜6dのそれぞれは、レーザ素子2cの発光点のそれぞれから出射される励起光に由来しており、後述する励起光走査部4は、スポット6a〜6dのそれぞれが、発光部6上の互いに異なるエリアで走査されるように構成されている。走査される領域は、互いに重なり合っていても良いが、重ならない方が均一な強度の発光を得ることができるので好ましい。
また、発光部6の光照射面の水平方向(特定の一方向)を120ピクセルとすると、水平方向の発光領域の長さは、10mm程度となる。また、発光部6の光照射面の垂直方向は、レーザ素子2c(その発光点)の個数4がピクセル数になり、長さとしては、0.33mmとなる。ピクセル数は照明光を投光したい照射範囲と点消灯を制御したいピッチに応じて設定すればよい。例えばADB用途であれば左右60°、上下8°の範囲を照射するとすれば、本実施形態であれば、左右60°÷120ピクセル=0.5°ピッチ、上下8°÷4ピクセル=2°ピッチの分解能で点消灯が可能となる。
上述した500lmを、単一のレーザ光でなく、複数のレーザ光で得ることを考える。例えば、4個のレーザ光を用いれば、1個のレーザ光による発光部6の輝度は前述の値の1/4の7000cd/mmにまで抑えられる。1個のレーザ光の場合同じ7000cd/mmに抑えると光束は1/4の125lmとなってしまう。ビーム面積を4倍とすることで輝度7000cd/mmと500lmを両立することもできるが、この場合は図1(b)のようにビームサイズが大きいことで分解能が落ちる。
図2の(a)は、発光部(蛍光体)が輝度の限界値を有することを示すものである。横軸の励起光密度は励起光のパワーをスポットサイズで割ったものである。通常、スポットサイズを一定にし、励起光のパワーを漸増させながら輝度を測定することで図2の(a)に示すようなグラフを得ることができる。ここで、本実施形態で用いられる蛍光体はある励起光密度を超えると輝度が減少する特性を有している。そのため、同図に示すとおり、輝度の限界値L_max(そのときの励起光密度Pd_max)が存在する。この現象は蛍光体の発光効率が高温で低下することに起因していると一般に言われている。以上のような現象のため、個々のスポットの動作励起光密度はPd_max以下のPd_op(そのときの輝度L_op)とする必要がある。
次に、図2の(b)に示すように、スポットの数が1つであれば、得られる光束は輝度に比例した値F_opとなる。一方、図2の(c)に示すように、スポットの数を複数(同図では4つ)とすると、各スポットの輝度はL_opのままであるが、得られる光束はスポット数に応じて増加し、同図に示すようにスポットが4つあれば、得られる光束は4×F_opとなる。換言すれば、本実施形態では各スポットの輝度の和4×L_opが輝度の限界値L_max以上となっている。この関係が満たされることで、高分解能と高光束とを両立するという効果が得られる。
さらに、本実施形態の照明装置1Aであれば、単一のレーザ光(スポット60a)であれば二軸のビーム偏向が必要であるような走査が一軸で可能となるという効果もある〔図1の(b)参照〕。偏向部はMEMSミラーを用いることで小型化、低消費電力化が可能であるが、二軸のものは動作周波数、ミラーサイズ、振れ角などに制限がある。照明装置1Aでは、例えば、一軸のMEMSミラーを使うことで幅広い選択が可能となり、設計の自由度が高まる。また、MEMSミラー上においても照射スポットが分散されるため光密度を低減させることもできる。
(投光部7)
発光部6の前方には投光レンズなどによる投光部7が設けられる。投光部7により、発光部6上での走査により形成された発光パターンを前方に投光して照明光として利用することができる。また、例えば、投光レンズのレンズ形状を調整することによって所望の配光パターンを得ることができる。
また、励起光の発光部6への入射方向と発光部6からの発光を照明光として取り出す方向は同じであっても異なっていてもよい。一般に、方向が同じ形態は反射式、異なる形態は透過式と呼ばれる。発光部6は静止しているが、放熱性を向上させるために回転していても良い。但し、この場合蛍光体が均一に形成されている必要がある。
(ピクセル状に表示する方法)
周期14msec(周波数71.4Hz)の三角波でミラーを左右に搖動する〔図1の(c)参照〕。1ラインに掛かる時間は14msec÷2=7msecである。7msec÷120ピクセルで58μsecが1ピクセル描画の所要時間である。三角波に限らず種々の波形で搖動することができ、例えば共振型のMEMSミラーであれば正弦波や矩形波を用いることができる。その間にレーザ光パワーを変調させることで1ピクセルの明暗を調節することができる。変調は、レーザ素子2cを駆動する電流を変化させる、PWM(Pulse Width Modulation)変調を掛けるなどが可能である。このような変調を4個のレーザ素子2cのそれぞれに対して個別に独立して掛けることで、水平120×垂直4という分解能で発光パターンを可変とすることができる。また、上記構成によれば、走査に合わせて各スポットを個別に変調することで特定のエリアが暗くなったり、別のエリアが明るくなったりするので、照明装置1AをADBとして機能させることが容易になる。例えば、ADBとして利用する場合は先行車や対向車へグレアを与えないような配光パターンを得たり、他にも文字や図形パターンを投光したりすることも可能となる。
このようなデジタル的な制御に限らず、レーザ素子2cの変調を連続的に(アナログ的に)行っても良い。アナログ制御の場合、ピクセルという概念が無くパターンが段階的でなく連続的に替わる、という制御が可能になる。デジタル制御の場合、ピクセルごとに蛍光体が(例えば遮光枠で)分離されていても良い。この場合、コントラストが向上する。
次に、本実施の形態の発光部6に含まれる蛍光体について詳述する。本実施の形態では、レーザ素子2cによって発振された波長395nmのレーザ光を受けて白色の蛍光を発するように、発光部6の蛍光体として、例えば、BAM(BaMgAl1017:Eu)、BSON(BaSi12:Eu)、Eu−α(Ca−α−SiAlON:Eu)を用いている。しかしながら、蛍光体は、これらに限定されるものではなく、照明装置1Aから投光される照明光が白色となるように適宜選択されてよい。或いは、照明装置1Aの用途に応じた色となるように、蛍光体は適宜選択されてよい。
例えば、他の酸窒化物蛍光体(例えば、JEM(LaAl(SiAl)O:Ce)、β-SiAlON等のサイアロン蛍光体)、他の窒化物蛍光体(例えば、CASN(CaAlSiN:Eu)蛍光体)SCASN((Sr,Ca)AlSiN:Eu)、Apataite((Ca,Sr)(PO)Cl:Eu)系の蛍光体、またはIII−V族化合物半導体ナノ粒子蛍光体(例えば、インジュウムリン:InP)を用いることができる。
また、レーザ素子2cが青色近傍のレーザ光を発振する場合には、黄色の蛍光体(例えば、Ceで賦活したイットリウム−アルミニウム−ガーネット系の蛍光体(YAG:Ce蛍光体))を用いることにより、白色光(所謂、擬似白色光)が得られる。この場合、発光部6は、レーザ光を散乱する散乱体を含むことが好ましい。
散乱体として、酸化チタン(TiO)、フュームドシリカ、アルミナ(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)、またはダイヤモンド(C)等の粒子を用いることができる。あるいは、その他の粒子を用いてもよい。
次に、発光部6が、封止材の内部に蛍光体が分散されている封止型発光部である場合の封止材について、詳述する。発光部6が封止型発光部である場合、蛍光体を封止する封止材は、例えば、無機ガラス若しくは有機無機ハイブリッドガラス等のガラス材、またはシリコーン樹脂等の樹脂材料である。ガラス材として低融点ガラスを用いてもよい。封止材は、透明性の高いものが好ましく、レーザ光が高出力の場合には、耐熱性の高いものが好ましい。ゾルゲル法により、酸化ケイ素や酸化チタンにより封止する構造でもよい。
また、発光部6は放熱部材を含んでいても良く、例えば前述した反射型であれば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)などの熱伝導率の高い材料の基板上に蛍光体を設けたり、これらの材料を膜として蛍光体に形成したりすることができる。透過型であれば、透明なサファイアを基板として用いたり、励起光は透過し蛍光体からの発光は反射するようなダイクロイックミラーを蛍光体に形成したりすることができる。
次に、図3に基づき、励起光走査部4(可動ミラー)の具体例について説明する。励起光走査部4は、発光部6に照射されるレーザ光の照射位置を変更するための可動鏡であり、発光部6におけるレーザ光のスポットの位置を変更する機能を備えている。
ここで、励起光走査部4として、ガルバノミラー(励起光走査部、可動ミラー)41を用いることができる。このガルバノミラー41について、図3の(a)に基づいて説明する。図3の(a)はガルバノミラー41を用いて発光部6への照射領域を変更する状況を示す図である。ガルバノミラー41と発光部6の間には、例えば、光学系β5があるが図3の(a)では、図示していない。
同図に示すように、ガルバノミラー41は、発光部6に照射されるレーザ光の照射位置を変更するための可動鏡であり、一軸のガルバノ機構(励起光走査部)41aに取り付けられた平面鏡(励起光走査部)41bが回転運動するものである。平面鏡41bの回転角は、ガルバノ機構41aに印加される駆動電圧に応じて変化する。このため、単純な回路で、発光部6におけるレーザ光の照射位置を容易に制御することができる。すなわち、発光部6の光照射面を容易に走査することができる。同図に示すように、ガルバノ機構41aに所定の駆動電圧を印加することにより、平面鏡41bは所定角度でレーザ光を反射することができる。このため、平面鏡41bの回転運動により、平面鏡41bで反射されたレーザ光の光路が変更されるため、発光部6におけるレーザ光の照射位置は左右方向(または水平方向)に変更される。
平面鏡41bには、レーザ光の反射率を高め、レーザ光による劣化を防止するために、本実施の形態では、例えば高反射(HR:High Reflect)コートが施されている。このHRコートは、誘電体多層膜からなり、レーザ素子2cのレーザ光の波長において、反射率が高くなるように調整されている。
なお、上述の説明においては、レーザ光の光路を変更して、発光部6におけるレーザ光の照射位置を変更するための励起光走査部4としてガルバノミラー41を用いたが、必ずしもこれに限らず、他の可動光学素子を用いてもよい。例えば、ポリゴンミラー、可動曲面鏡、微小な機械部品と電気回路とが融合したMEMSミラー、ピエゾ素子ミラー、音響光学素子等を用いてもよい。
以下に、励起光走査部4の変形例として、ポリゴンミラー(励起光走査部、可動ミラー)42について、図3の(b)に基づいて説明する。図3の(b)は、ポリゴンミラー42を用いて発光部6への照射領域を変更する状況を示す図である。
同図に示すように、ポリゴンミラー42は、回転軸を中心に回転しながらレーザ光を反射する回転多面鏡にてなっている。ポリゴンミラー42は、回転ミラー(励起光走査部)42aが、回転ミラー42aを回転させる回転機構(励起光走査部)42bに接続されている。回転ミラー42aの回転機構42bによる回転により、ポリゴンミラー42で反射されたレーザ光の光路が変更されるため、発光部6におけるレーザ光の照射位置は左右方向(または水平方向)に変更される。このように、ポリゴンミラー42では、回転ミラー42aおよび回転機構42bによって励起光走査部4が構成される。
また、本実施の形態のポリゴンミラー42には、平面鏡41bと同様に、レーザ光の反射率を高め、レーザ光による劣化を防止するために、HRコートが施されている。
次に、励起光走査部4のさらなる変形例として、MEMSミラー(励起光走査部、可動ミラー)43について、図3の(c)に基づいて説明する。図3の(c)は、MEMSミラー43を用いて発光部6への照射領域を変更する状況を示す図である。
同図に示すように、MEMSミラー43は、レーザ光を反射するミラー部(励起光走査部)43aと、ミラー部43aを回転させる駆動部(励起光走査部)43bと、を備えている。駆動部43bに印加する駆動電圧により、駆動部43bに対するミラー部43aの角度が変化するため、ミラー部43aで反射されたレーザ光の光路が変更される。そのため、発光部6におけるレーザ光の照射位置は左右方向(または水平方向)に変更される。MEMSミラー43としては、走査スピードを高くすることが可能な共振型MEMSミラーを用いてもよいし、非共振型MEMSミラーを用いてもよい。
(照明装置1Aの効果)
上述したように、照明装置1Aでは、発光部6上で走査される複数の励起光のスポット6a〜6dのそれぞれは、複数のレーザ素子2cの発光点のそれぞれから出射される励起光に由来している。上述したように、単一の発光点から出射される励起光のスポットのみを発光部上で走査させる構成の場合、小さなスポット径では、蛍光体に輝度の限界があることに起因して十分な光束量を得るのは困難である。そこで、照明装置1Aでは、複数の発光点のそれぞれから出射される励起光のスポット6a〜6dのそれぞれが、発光部6上で同一時刻に重ならないように走査されるようにしている。すなわち、複数のスポットのそれぞれが、発光部6上で分散して走査されるようになっている。
このため、高い分解能を得るべく、各励起光のスポット径を小さくしても、複数の発光点由来の励起光のスポット6a〜6dのそれぞれを発光部6に照射させることで、十分な光束量を得ることが可能になる。換言すると輝度の限界値を有する発光部6(蛍光体)上で、各スポットの輝度の和がその限界値以上となっている。その結果、単一のスポットでは光束を得るためにスポット径を大きくせざるを得ず分解能が低下する、あるいは分解能を得るために励起光強度を落とさざるを得ず光束が低下する、という課題を解消し、光束と分解能を両立することができる。また、照明装置1Aによれば、高い分解能を得るために、発光部6上の発光領域を大きくする必要がないので、装置の小型化が可能になる。以上により、高分解能で十分な光束量を得ることができ、装置の小型化を実現することができる。
〔実施形態2〕
図4の(a)は、本発明の実施形態2に係る照明装置1Bの概要構成を示す図である。同図に示すように、照明装置1Bは、光源部2B、光学系α3、励起光走査部4、光学系β5、および発光部6を備える。
本実施形態では、レーザ素子2cの数に対応する発光部6上のスポットの数が2つである点で、実施形態1と異なっている。また、本実施形態では、発光部6の光照射面の左上に2つのスポット6aおよび6bが、上下方向(垂直方向)に並び、まず特定の一方向(水平方向)に沿って、左から右へ向かって走査される。次に、2つのスポット6aおよび6bが隣接した状態で、上下方向(垂直方向)に沿って上から下へ走査される。次に、光照射面の右下に2つのスポット6aおよび6bが、上下方向に並び、特定の一方向(水平方向)に沿って、右から左へ向かって走査される。
なお、スポット6aおよび6bの発光部6上での走査は、上下方向および水平方向の走査のそれぞれが、上記の走査パターンと逆になっていても良い。例えば、発光部6の光照射面の右下に2つのスポット6aおよび6bが、上下方向に並び、まず特定の一方向(水平方向)に沿って、右から左へ向かって走査され、次に、2つのスポット6aおよび6bが隣接した状態で、上下方向に沿って下から上へ走査され、次に、光照射面の左上に2つのスポット6aおよび6bが、上下方向に並び、水平方向に沿って、左から右へ向かって走査されるようにしても良い。
本実施形態の励起光走査部4は、スポット6aおよび6bのそれぞれが、上記一方向に対して垂直な方向(垂直方向)に沿って走査されるように構成されている。このため、発光部6上で走査させるスポットの数を実施形態1に比べて少なくすることができる。また、同じスポットサイズの単一の発光点由来の励起光のスポットのみを発光部上で走査させる形態と比較して、一方向に対して垂直な方向への走査速度を低下させることができる。また、スポット数が少ないことで実施形態1に比べて光学系α3の設計が容易となる。
また、励起光走査部4は、スポットの数より少ない数の可動ミラーを含んでいても良い。上記構成によれば、可動ミラーにより、効率よく、発光部6におけるレーザ光のスポットの位置を変更することができる。例えば、本実施形態ではガルバノミラー二軸とする〔図4の(b)参照〕。複数のスポット6aおよび6bを二軸走査する。スポットの数が多いと偏向器のミラーに全ビームを収めることが難しくなるが、実施形態1に比べてスポットの数が少ないので、ビームを収めやすい。
本実施の形態の照明装置1Bにおける励起光走査部4は、2つのガルバノミラーを用いることにより2軸のガルバノミラー(励起光走査部、可動ミラー)44を使用している。ガルバノミラー44の構成について、図4の(b)に基づいて説明する。図4の(b)は2つのガルバノミラーを用いて発光部6への照射領域を変更する状況を示す図である。
同図に示すように、ガルバノミラー44は、発光部6に照射されるレーザ光の照射位置を変更するための可動鏡であり、一軸のガルバノ機構41aに取り付けられた平面鏡41bからなる第1ガルバノミラー(励起光走査部、可動ミラー)44aと、同じ構造の一軸のガルバノ機構41aに取り付けられた平面鏡41bからなる第2ガルバノミラー(励起光走査部、可動ミラー)44bと、を回転軸が互いに直交するように組み合わせたものからなっている。
ガルバノミラー44では、第1ガルバノミラー44aにて水平方向に第1ガルバノミラー44aの平面鏡41bを回転させる一方、第2ガルバノミラー44bにて垂直方向に第2ガルバノミラー44bの平面鏡41bを回転させるようになっている。この結果、ガルバノミラー44は、平面鏡41bを水平方向および垂直方向にそれぞれ回転することによって、結果的に、二軸にて平面鏡41bを回転させることになる。その結果、発光部6上では、スポット6aおよび6bを2次元的に移動させることが可能となる。
具体的には、第1ガルバノミラー44aの回転運動により、発光部6においてレーザ光のスポットが運動する方向(以下、水平方向)と、第2ガルバノミラー44bの回転運動により、発光部6においてレーザ光のスポットが運動する方向(以下、垂直方向)とは、互いに直交する。したがって、同図に示すように、レーザ光のスポットは発光部6において水平方向と垂直方向とに、2次元的に走査できる。
なお、第1ガルバノミラー44aおよび第2ガルバノミラー44bの一方または両方を、回転するポリゴンミラーおよびMEMSミラー等の他の可動光学素子に変更してもよい。ここで、励起光走査部4として、二軸のMEMSミラー(励起光走査部、可動ミラー)45を用いることが可能である。
上記2軸のMEMSミラー45の構成について、図4の(c)に基づいて説明する。図4の(c)は二軸のMEMSミラー45の構成を示す図である。
同図に示すように、二軸のMEMSミラー45は、ミラー部(励起光走査部)45aと、ミラー部を搖動させるX軸駆動部(励起光走査部)45bと、ミラー部を搖動させるY軸駆動部(励起光走査部)45cと、を備え、X軸駆動部45bの回転軸とY軸駆動部45cの回転軸とは直交する。これにより、2つの第1ガルバノミラー44aおよび第2ガルバノミラー44bと同様に、1つのMEMSミラー45により、レーザ光のスポットを発光部6上において水平方向と垂直方向とに、2次元的に走査できる。
なお、励起光走査部4は、例えば、図4の(d)に示すように、ポリゴンミラー42とMEMSミラー43とを組合せて二軸走査とすることもできる。各反射面の回転軸に対する角度が互いに異なっているポリゴンミラーを用いると単一のポリゴンミラーのみで二軸走査とすることもでき、この場合小型化が可能となる。
〔実施形態3〕
図5の(a)は、本発明の実施形態3に係る照明装置1Cの概要構成を示す図である。同図に示すように、照明装置1Cは、光源部2C、光学系α3、励起光走査部4、光学系β5、および発光部6を備える。
本実施形態では、レーザ素子2cの数に対応する発光部6上のスポットの数が3つである点で、実施形態1および2と異なっている。また、本実施形態では、発光部6の光照射面の上側において、3つのスポット6a〜6cのそれぞれが、互いに隣接していないで配置されている。これにより、発光部6上での熱の集中を抑制することができ、発光効率の向上および信頼性の向上が可能になる。また、スポットを隣接させる必要のある実施形態1、2に比べて光学系α3の設計が容易となる。本実施形態では、図5の(b)に示すように、励起光走査部4を、第1ガルバノミラー44aおよび第2ガルバノミラー44bの二軸で構成する。
また、発光部6の光照射面は、3つの矩形領域AR1〜AR3に分割され、それぞれの矩形領域内をスポット6a〜6cのそれぞれが走査されるようになっている。各矩形領域内で、スポット6a〜6cのそれぞれは、(1)特定の一方向(水平方向)に沿って左から右に走査され、(2)一方向に対して垂直方向に沿って上から下へ走査され、(3)一方向に沿って右から左へ走査され、(4)垂直方向に沿って上から下へ走査され、(5)一方向に沿って左から右へ走査され、(5)垂直方向に沿って上から下へ走査され、(6)一方向に沿って右から左へ走査されるようになっている。
なお、スポット6a〜6cの発光部6上での走査は、上下方向および水平方向の走査のそれぞれが、上記の走査パターンと逆になっていても良い。また、複数の可動ミラーを用いることで、各走査領域は互いに異なる形状であってもよく、この場合用途に応じた配光パターンを容易に作成することができる。
〔実施形態4〕
図6の(a)は、本発明の実施形態4に係る照明装置1Dの概要構成を示す図である。同図に示すように、照明装置1Dは、光源部2D、光学系α3、励起光走査部4、光学系β5、および発光部6を備える。
本実施形態では、スポット6aおよび6bが、互いに異なるスポット径を有しており、スポット6cおよび6dが、互いに異なるスポット径を有している点で、実施形態1〜3と異なっている。スポット6aおよびスポット6dのスポット径は、例えば、0.30mmであり、スポット6bおよび6cのスポット径は、0.083mmである。
ADB用途では、発光部6上において、高分解能、高コントラストが求められるエリアが限られている場合もある。その場合、限られたエリアのみスポット径を小さくすることができる。例えば、中央部で高い分解能を求められる一方で周辺部では高い分解能が求められないようなケースが考えられる。また、スポット6a〜6dの全てのスポット径を小さくする場合に比べて、設計の自由度を高めることができる。
すなわち、上記構成によれば、発光部6の特定のエリアの分解能を調整することができるため、設計の自由度を向上させることができる。なお、本実施形態では、レーザ素子2cの数は、4である。
異なるビーム径とするには、例えば、図6の(b)および(c)に示すように光学系αAと光学系αBとで、互いに異なる光学系とすれば良い。また、異なるビーム径とするために、ビーム形状の異なるレーザ素子2cを用いても良い。
〔実施形態5〕
図7は、本発明の実施形態5に係る照明装置1Eの概要構成を示す図である。同図に示すように、照明装置1Eは、光源部2E、光学系α3、励起光走査部4、光学系β5、および発光部6を備える。
本実施形態では、レーザ素子2cのそれぞれの発光点におけるレーザ光の光分布が、発光部6におけるレーザ光のスポットの光分布に反映されている。すなわち、発光部6上でのスポット6a〜6dのそれぞれの形状を略円形とせず、レーザ素子2cの出射形状そのままの楕円形状としている。これにより、スポット6a〜6dを形成する光学系を簡素化することができる。なお、本実施形態では、レーザ素子2cの数は、4である。また、いずれの実施形態の技術も自動車用ADBだけでなく、一般照明にも適用できる。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る照明装置(1A〜1E)は、励起光を出射する複数の発光点を有する光源部(2A〜2E)と、上記励起光を受けて発光する蛍光体を含む発光部(6)と、上記発光部に入射する上記励起光のスポットが上記発光部上で走査されるように上記励起光の上記発光部に対する入射位置を調整する励起光走査部(4)と、上記発光部での発光を所望の形状に投光する投光部(7)と、を備え、上記スポットは複数であり、上記スポットのそれぞれは、上記発光点のそれぞれから出射される励起光に由来しており、上記励起光走査部は、上記スポットのそれぞれが、同一時刻に重ならないように走査されるように構成されているものである。
上記構成によれば、発光部上で走査される複数の励起光のスポットのそれぞれは、複数の発光点のそれぞれから出射される励起光に由来している。上述したように、単一の発光点から出射される励起光のスポットのみを発光部上で走査させる構成の場合、小さなスポット径では、発光部に輝度の限界があることに起因して十分な光束量を得るのは困難である。そこで、上記構成では、複数の発光点のそれぞれから出射される励起光のスポットのそれぞれが、同一時刻に重ならないように走査されるようにしている。すなわち、複数のスポットのそれぞれが、発光部上で分散して走査されるようになっている。
このため、高い分解能を得るべく、各励起光のスポット径を小さくしても、複数の発光点由来の励起光のスポットのそれぞれを発光部に照射させることで、十分な光束量を得ることが可能になる。また、上記構成によれば、高い分解能を得るために、発光部上の発光領域を大きくする必要がないので、装置の小型化が可能になる。以上により、高分解能で十分な光束量を得ることができ、装置の小型化を実現することができる。
本発明の態様2に係る照明装置は、上記態様1において、励起光走査部は、上記複数のスポットのそれぞれを纏めて走査する可動ミラーを少なくとも1つ含んでいても良い。1つのスポットを1つの可動ミラーで走査するよりも、上記構成のように、複数のスポットのそれぞれを纏めて1つの可動ミラーで走査する方が、装置の小型化ができる。また、上記構成によれば、可動ミラーにより、効率よく、発光部における励起光のスポットの位置を変更することができる。
本発明の態様3に係る照明装置は、上記態様1または2において、上記励起光走査部は、上記スポットのそれぞれが、上記発光部上の互いに異なるエリアで走査されるように構成されていても良い。2つのスポットで走査される領域が重なると、光度分布が相対的に高くなってしますが、上記構成によれば、光度分布を均一化させることができる。
本発明の態様4に係る照明装置は、上記態様1〜3の何れかにおいて、上記発光部は輝度の限界値を有しており、上記スポットのそれぞれの輝度の和は上記限界値以上であることが好ましい。上記構成によれば、高い分解能と高い光束量とを両立させることが可能になる。
本発明の態様5に係る照明装置は、上記態様1〜4の何れかにおいて、励起光走査部は、上記スポットのそれぞれが、特定の一方向に沿って走査されるように構成されていても良い。上記構成によれば、励起光走査部は、スポットのそれぞれが、特定の一方向に沿って走査されるように構成されているため、一軸的な走査が可能になる。このため、装置の小型化が可能になり、設計の自由度を高めることができる。
本発明の態様6に係る照明装置は、上記態様5において、上記励起光走査部は、上記スポットのそれぞれが、上記一方向に対して垂直な方向に沿って走査されるように構成されていても良い。上記構成によれば、発光部上で走査させるスポットの数を少なくすることができる。また、単一の発光点由来の励起光のスポットのみを発光部上で走査させる形態と比較して、一方向に対して垂直な方向への走査速度を低下させることができる。また、スポット数が少ないことで、光源部と励起光走査部との間に光学系を設置した場合に、該光学系の設計が容易となる。
本発明の態様7に係る照明装置は、上記態様6において、上記発光部上で、上記スポットのそれぞれが、互いに隣接していなくても良い。上記構成によれば、発光部上での熱の集中を抑制することができ、発光効率の向上および信頼性の向上が可能になる。
本発明の態様8に係る照明装置は、上記態様1〜5の何れかにおいて、上記スポットの少なくとも2つは、互いに異なるスポット径を有していても良い。上記構成によれば、発光部の特定のエリアの分解能を調整することができるため、設計の自由度を向上させることができる。
本発明の態様9に係る照明装置は、上記態様1〜5までの何れかにおいて、上記発光点における励起光の光分布が、上記発光部における上記励起光のスポットの光分布に反映されていても良い。上記構成によれば、スポットを形成する光学系を簡素化することができる。
本発明の態様10に係る照明装置は、上記態様1〜9までの何れかにおいて、上記複数の発光点のそれぞれは、互いに独立に変調されても良い。上記構成によれば、走査に合わせて各スポットを個別に変調することで特定のエリアが暗くなったり、別のエリアが明るくなったりするので、照明装置をADBとして機能させることが容易になる。
本発明の態様11に係る照明装置は、上記態様1〜10の何れかにおいて、上記光源部は、複数の発光点を有する励起光源を含んでいても良い。上記構成によれば、光源部が、単一の発光点を有する励起光源を含む場合と比較して、光源部に含まれる励起光源の数を少なくすることができる。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1A〜1E 照明装置
2A〜2E 光源部
2c レーザ素子(励起光源)
4 励起光走査部
6 発光部
7 投光部
6a〜6d スポット
41 ガルバノミラー(励起光走査部、可動ミラー)
41a ガルバノ機構(励起光走査部)
41b 平面鏡(励起光走査部)
42 ポリゴンミラー(励起光走査部、可動ミラー)
42a 回転ミラー(励起光走査部)
42b 回転機構(励起光走査部)
43 MEMSミラー(励起光走査部、可動ミラー)
43a ミラー部(励起光走査部)
43b 駆動部(励起光走査部)
44 ガルバノミラー(励起光走査部、可動ミラー)
44a 第1ガルバノミラー(励起光走査部、可動ミラー)
44b 第2ガルバノミラー(励起光走査部、可動ミラー)
45 MEMSミラー(励起光走査部、可動ミラー)
45a ミラー部(励起光走査部)
45b X軸駆動部(励起光走査部)
45c Y軸駆動部(励起光走査部)

Claims (9)

  1. 励起光を出射する複数の発光点を有する光源部と、上記励起光を受けて発光する蛍光体を含む発光部と、上記発光部に入射する上記励起光のスポットが上記発光部上で走査されるように上記励起光の上記発光部に対する入射位置を調整する励起光走査部と、上記発光部での発光を所望の形状に投光する投光部と、を備え、
    上記スポットは複数であり、上記スポットのそれぞれは、上記発光点のそれぞれから出射される励起光に由来しており、
    上記励起光走査部は、上記スポットのそれぞれが、同一時刻に重ならないように走査されるように構成され
    上記光源部から出射される複数の励起光は互いに平行であり、かつ、上記励起光走査部は、複数の励起光のスポットのそれぞれを同時に走査する1つの可動ミラーであり、
    上記発光部上で走査される複数のスポットのそれぞれは、前記発光部上の互いに異なるエリアを同じ方向に走査されることを特徴とする照明装置。
  2. 上記発光部は輝度の限界値を有しており、上記スポットのそれぞれの輝度の和は上記限界値以上であることを特徴とする請求項に記載の照明装置。
  3. 上記励起光走査部は、上記スポットのそれぞれが、特定の一方向に沿って走査されるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
  4. 上記励起光走査部は、上記スポットのそれぞれが、上記一方向に対して垂直な方向に沿って走査されるように構成されていることを特徴とする請求項に記載の照明装置。
  5. 上記発光部上で、上記スポットのそれぞれが、互いに隣接していないことを特徴とする請求項に記載の照明装置。
  6. 上記スポットの少なくとも2つは、互いに異なるスポット径を有していることを特徴とする請求項1から3までの何れか1項に記載の照明装置。
  7. 上記発光点における励起光の光分布が、上記発光部における上記励起光のスポットの光分布に反映されていることを特徴とする請求項1から3までの何れか1項に記載の照明装置。
  8. 上記複数の発光点のそれぞれは、互いに独立に変調されることを特徴とする請求項1から7までの何れか1項に記載の照明装置。
  9. 上記光源部は、複数の発光点を有する励起光源を含んでいることを特徴とする請求項1から8までの何れか1項に記載の照明装置。
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