JPWO2020066402A1 - 光照射装置 - Google Patents

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JPWO2020066402A1
JPWO2020066402A1 JP2020548191A JP2020548191A JPWO2020066402A1 JP WO2020066402 A1 JPWO2020066402 A1 JP WO2020066402A1 JP 2020548191 A JP2020548191 A JP 2020548191A JP 2020548191 A JP2020548191 A JP 2020548191A JP WO2020066402 A1 JPWO2020066402 A1 JP WO2020066402A1
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mirror
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健太 向島
健太 向島
達磨 北澤
達磨 北澤
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Koito Manufacturing Co Ltd
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Koito Manufacturing Co Ltd
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Abstract

光照射装置(130)は、光源(32)と、光源(32)から出射された光を反射させる回転可能なミラー(134)と、を備えている。ミラー(134)の回転によって光の反射方向が変位することで、光が複数の段に分かれてライン状に走査されて配光パターンが形成される。配光パターンは、第一のラインと第二のラインを含み、第一のラインの幅は、第二のラインの幅と異なっている。

Description

本発明は、光照射装置に関する。
近年、光源から出射した光を車両前方に反射し、その反射光で車両前方の領域を走査することで所定の配光パターンを形成する装置が考案されている。例えば、発光素子からなる複数の光源と、回転軸を中心に一方向に回転しながら複数の光源から出射した光を反射面において反射して所望の配光パターンを形成するブレードスキャン(登録商標)方式の回転リフレクタと、を備えた光学ユニットが知られている(特許文献1参照)。当該光学ユニットにおいて、複数の光源は、各光源から出射した光が回転リフレクタの反射面の異なる位置で反射するように配置されている。
日本国特開2015−26628号公報
回転リフレクタに代えて、ポリゴンミラーを用いる光学ユニットも知られている。このような光学ユニットにおいて、配光パターンの制御には改善の余地がある。
また、ポリゴンミラーを用いる光学ユニットは小型化が進んでいる。それに伴い、ポリゴンミラーと光学ユニットから光が出る面(光出射面)との間隔も狭まってきている。その結果、配光パターンの拡散幅が狭くなる。このようなポリゴンミラーを備えた光照射装置は、この点で改善の余地がある。
そこで、本発明は、配光パターンの精緻な制御が可能な光照射装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、簡便な構成で、配光パターンの一部を他の部分よりも明るくすることが可能な光照射装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、光源の消灯ロスに起因する効率の低下を防止可能な光照射装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、配光パターンにおける光度の調整が可能な光照射装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、配光パターンの拡散幅を狭めることなく、光学ユニットを小型化することができる光照射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る光照射装置は、
光源と、
前記光源から出射された光を反射させる回転可能なミラーと、
を備え、
前記ミラーの回転によって前記光の反射方向が変位することで、前記光が複数の段に分かれてライン状に走査されて配光パターンを形成する、光照射装置であって、
前記配光パターンは、第一のラインと第二のラインを含み、
前記第一のラインの幅は、前記第二のラインの幅と異なっている。
上記構成によれば、配光パターンの精緻な制御が可能となる。
また、本発明に係る光照射装置において、
前記ミラーは、前記第一のラインを形成するための第一の反射面と、前記第一の反射面に対して前記ミラーの回転方向に沿って並列され、前記第二のラインを形成するための第二の反射面と、を少なくとも有し、
前記第一の反射面の前記ミラーの回転軸に沿った方向の曲率が、前記第二の反射面の前記回転軸に沿った方向の曲率と異なっていてもよい。
上記構成によれば、第一のラインの幅と第二のラインの幅とを簡便な構成で異ならせることができる。
また、本発明に係る光照射装置において、
前記第一の反射面は前記方向において凸状に湾曲した面から構成され、前記第二の反射面は前記方向において凹状に湾曲した面から構成されていてもよい。
また、本発明に係る光照射装置において、
前記第一の反射面および前記第二の反射面は、前記方向において凸状に湾曲した面からそれぞれ構成されていてもよい。
また、本発明に係る光照射装置において、
前記第一の反射面および前記第二の反射面は、前記方向において凹状に湾曲した面からそれぞれ構成されていてもよい。
また、本発明に係る光照射装置において、
前記第一の反射面は前記方向において凸状に湾曲した面から構成され、前記第二の反射面は前記方向において平面から構成されていてもよい。
また、本発明に係る光照射装置において、
前記第一の反射面は前記方向において平面から構成され、前記第二の反射面は前記方向において凹状に湾曲した面から構成されていてもよい。
これらの構成によれば、第一の反射面および第二の反射面を上記のように構成することで、第一のラインの幅と第二のラインの幅とを容易に異ならせることができる。
また、本発明に係る光照射装置において、
前記第一の反射面の前記ミラーの回転軸に対する傾斜角が、前記第二の反射面の前記回転軸に対する傾斜角と異なっていてもよい。
上記構成によれば、第一のラインと第二のラインとを配光パターン内の異なる領域に形成することができる。
また、本発明に係る光照射装置において、
前記第二のラインは、複数の前記第一のラインの間に配置され、
前記第二のラインの幅は、複数の前記第一のラインの幅よりも狭くてもよい。
特に精緻な制御が必要な配光パターンの上下方向中央領域において、ラインの幅を狭くすることが好ましい。また、ミラーの回転速度が一定である場合には幅の狭いラインの方が光度が高くなるため、配光パターン内で所定の領域のみを明るくすることが可能となる。
また、本発明に係る光照射装置は、
前記ミラーにより反射された前記光を透過する光学部材をさらに備え、
前記第一の反射面および前記第二の反射面の前記曲率に応じて前記光学部材に入射される前記光の入射径が異なっていてもよい。
上記構成によれば、光学部材へ入射する際の光の入射径を異ならせることで、配光パターン内での第一のラインの幅と第二のラインの幅とを異ならせることができる。
また、本発明に係る光照射装置において、
前記ミラーは、ポリゴンミラーとして構成されていてもよい。
前記ミラーは、ポリゴンミラーであることが好ましい。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る光照射装置は、
光源と、
前記光源から出射された光を反射させる回転可能なミラーと、
を備え、
前記ミラーの回転によって前記光の反射方向が変位することで、前記光が複数の段に分かれてライン状に走査されて配光パターンを形成する、光照射装置であって、
前記配光パターンは、第一のラインと第二のラインを含み、
前記第一のラインを形成するために前記光源から出射される前記光のスポット径と、前記第二のラインを形成するために前記光源から出射される前記光のスポット径と、が異なっている。
上記構成によれば、装置前方に照射される配光パターンを構成する第一のラインの幅(太さ)と第二のラインの幅とを異ならせることができるため、配光パターンの精緻な制御が可能となる。
また、本発明に係る光照射装置において、
前記光源は、前記第一のラインを形成するための第一の光源と、前記第二のラインを形成するための第二の光源とを含み、
前記第一の光源から出射される前記光のスポット径と、前記第二の光源から出射される前記光のスポット径とが異なっていてもよい。
上記構成によれば、簡便な構成により、第一のラインの幅と第二のラインの幅とを異ならせることができる。
また、本発明に係る光照射装置において、
前記光のスポット形状は、扁平形状であり、
前記第一のラインを形成する場合に、前記扁平形状の短径が前記光の走査方向に沿うように、前記光を照射し、
前記第二のラインを形成する場合に、前記扁平形状の長径が前記光の走査方向に沿うように、前記光を照射するように構成されていてもよい。
上記構成によれば、例えば、扁平形状の光出射面を備えた同一構成の複数の光源を用いて、幅の異なるラインを形成することができる。そのため、製品コストを低減させることができる。
また、本発明に係る光照射装置において、
前記光源から出射された光は平行光であってもよい。
上記構成によれば、ラインの幅を精緻に制御しやすい。
また、本発明に係る光照射装置において、
前記第二のラインの幅は、前記第一のラインの幅よりも狭くてもよい。
上記構成によれば、ミラーの回転速度が一定である場合には幅の狭いラインの方が光度が高くなるため、配光パターン内で所定の領域のみを明るくすることが可能となる。
また、本発明に係る光照射装置において、
前記第二のラインは、複数の前記第一のラインの間に配置されていてもよい。
上記構成によれば、特に、配光パターンの全体領域のうち細かい制御の必要な中央部分のラインを狭くすることで、配光パターンの制御を効果的に行うことができる。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る光照射装置は、
第一光源と、
第二光源と、
前記第一光源から出射された第一光と前記第二光源から出射された第二光とをそれぞれ反射させる回転可能なミラーと、を備え、
前記ミラーの回転によって前記第一光および前記第二光の反射方向が変位することで、前記第一光および前記第二光がそれぞれ複数の段に分かれてライン状に走査されて配光パターンを形成する、光照射装置であって、
前記配光パターンは、前記第一光の走査により形成される第一配光パターンと、前記第二光の走査により形成される第二配光パターンとを含み、
前記第一配光パターンと前記第二配光パターンの一部が重複するように形成されている。
上記構成によれば、簡便な構成で、配光パターンの一部を他の部分よりも明るくすることができる。そのため、配光パターンの精緻な制御が容易となる。
また、本発明に係る光照射装置において、
前記第一配光パターンと前記第二配光パターンとが前記前記第一光および前記第二光の走査方向における中央領域において重複するように形成されていてもよい。
上記構成によれば、配光パターンの中央領域を他の部分よりも明るくすることができる。
また、本発明に係る光照射装置において、
前記ミラーの反射面は、前記ミラーの回転方向において、少なくとも一つの凸部と、少なくとも一つの凹部とが連続的につながるように構成され、
前記第一配光パターンは、前記第一光が前記第一光の走査方向において往復するように走査されることで形成され、
前記第二配光パターンは、前記第二光が前記第二光の走査方向において往復するように走査されることで形成され、
前記第一配光パターンと前記第二配光パターンの一部が前記第一光および前記第二光の前記走査方向における中央領域において重複するように形成されていてもよい。
上記構成によれば、反射面の凸部と凹部との境界で光源を消灯させる必要がないため、中央部が明るい配光パターンを効率よく形成することができる。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る光照射装置は、
第一光源と、前記第一光源から出射された第一光を反射させる回転可能な第一ミラーと、を有する第一ユニットと、
第二光源と、前記第二光源から出射された第二光を反射させる回転可能な第二ミラーと、を有する第二ユニットと、を備え、
前記第一ミラーおよび第二ミラーの回転によって前記第一光および前記第二光の反射方向がそれぞれ変位することで、前記第一光および前記第二光がそれぞれ複数の段に分かれてライン状に走査されて配光パターンを形成する、光照射装置であって、
前記配光パターンは、前記第一光の走査により形成される第一配光パターンと、前記第二光の走査により形成される第二配光パターンとを含み、
前記第一配光パターンと前記第二配光パターンの一部が重複するように形成されている。
上記構成によれば、簡便な構成で、一対のユニットにより形成される配光パターンの一部を他の部分よりも明るくすることができる。そのため、配光パターンの精緻な制御が容易となる。
また、本発明に係る光照射装置において、
前記第一ミラーの反射面は、前記第一ミラーの回転方向において、少なくとも一つの凸部と、少なくとも一つの凹部とが連続的につながるように構成され、
前記第二ミラーの反射面は、前記第二ミラーの回転方向において、少なくとも一つの凸部と、少なくとも一つの凹部とが連続的につながるように構成され、
前記第一配光パターンは、前記第一光が走査方向において往復するように走査されることで形成され、
前記第二配光パターンは、前記第二光が走査方向において往復するように走査されることで形成され、
前記第一配光パターンと前記第二配光パターンの一部が前記第一光および前記第二光の前記走査方向における中央領域において重複するように形成されていてもよい。
上記構成によれば、凸部と凹部との境界で光源を消灯させる必要がないため、中央部が明るい配光パターンを効率よく形成することができる。
また、本発明に係る光照射装置において、
前記第一ミラーおよび前記第二ミラーは、ポリゴンミラーとして構成されていてもよい。
前記第一ミラーおよび前記第二ミラーとしては、ポリゴンミラーを用いることが好ましい。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る光照射装置は、
光源と、
前記光源から出射された光を反射させる回転可能なミラーと、
を備え、
前記ミラーの回転によって前記光の反射方向が変位することで、前記光が複数の段に分かれてライン状に走査されて配光パターンを形成する、光照射装置であって、
前記ミラーは、前記ミラーの回転方向において連続する複数の反射面を有し、
前記複数の反射面のうち少なくとも一つ反射面と当該少なくとも一つの反射面と隣接する反射面との間の境界部が面取りされている。
上記構成によれば、反射面間の境界部において光源を消灯する必要がなくなる。これにより、光源の消灯ロスに起因する光の利用効率の低下を防止することができ、また、光源の点消灯の制御が容易となる。
また、本発明に係る光照射装置において、
前記複数の反射面のうちすべての反射面間の境界部が面取りされていてもよい。
上記構成によれば、配光パターンを構成するすべてのラインの両端部において光源を消灯する必要がない。そのため、配光パターンを形成するための光の利用効率の低下をさらに防止することができる。
また、本発明に係る光照射装置において、
前記複数の反射面のうち一部の反射面間の境界部が面取りされている一方で、他の反射面間の境界部が面取りされていなくてもよい。
上記構成によれば、配光パターンの少なくとも一部の光度を維持しつつ、光の利用効率の低下を防止することができる。
また、本発明に係る光照射装置において、
前記配光パターンは、複数の第一のラインと、第二のラインとを含み、
前記複数の第一のラインは、面取りされていない境界部で挟まれた反射面で反射された光により形成され、
前記第二のラインは、面取りされている境界部で挟まれた反射面で反射された光により形成され、
前記第二のラインは前記複数の第一のラインの間に配置されていてもよい。
上記構成によれば、面取りされている反射面で反射された光により、対向車に対応する位置に形成される第二のラインを形成することで、対向車に対するグレアを防止することができる。また、面取りされていない反射面で反射された光により、対向車の存在しない位置に形成される第一のラインを形成することで、配光パターンの光度の維持を図ることができる。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る光照射装置は、
光源と、
前記光源から出射された光を反射させる回転可能なミラーと、
を備え、
前記ミラーの回転によって前記光の反射方向が変位することで、前記光が複数の段に分かれてライン状に走査されて配光パターンを形成する、光照射装置であって、
前記ミラーの反射面は、前記ミラーの回転方向において、少なくとも一つの凸部と、少なくとも一つの凹部とが連続的につながるように構成されている。
上記構成によれば、配光パターンを構成する各ラインの両端部を形成する際に光源を消灯する必要がなくなる。これにより、消灯ロスに起因する効率の低下を防止し、また、光源の点消灯の制御が容易となる。
また、本発明に係る光照射装置において、
一つの凸部と前記一つの凸部に隣接する一つの凹部とにより反射された光によって、前記配光パターンのうち前記光の走査方向における一往復のラインが形成されてもよい。
上記構成によれば、ラインの両端部において光源を消灯することなく、連続的に一往復のラインを形成することができる。
また、本発明に係る光照射装置において、
前記反射面は、複数の前記凸部と複数の前記凹部を含み、
前記凸部と前記凹部とが、前記回転方向に沿って交互に配置されていてもよい。
上記構成によれば、配光パターンの全体領域にわたって均一な光を照射することができる。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る光照射装置は、
光源と、
前記光源から出射された光を反射させる回転可能なミラーと、
を備え、
前記ミラーの回転によって前記光の反射方向が変位することで、前記光が複数の段に分かれてライン状に走査される、光照射装置であって、
一つのラインにおいて、前記光源から出射される前記光の出力を変化させる。
上記構成に係る光照射装置によれば、一つのラインにおいて、光源から出射される光の出力が変化する。
このように、上記構成によれば、配光パターンにおける光度の調整が可能な光照射装置を提供することができる。
また、本発明に係る光照射装置は、
前記光の走査方向が往復するように構成されてもよい。
また、本発明に係る光照射装置は、
前記ラインの走査方向の中央で、他の部分より前記光の出力が大きくなるように前記出力を変化させてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る光照射装置は、
光源と、
前記光源から出射された光を反射させる回転可能なミラーと、
を備え、
前記ミラーの回転によって前記光の反射方向が変位することで、前記光が複数の段に分かれてライン状に走査される、光照射装置であって、
前記ミラーは環状ミラーであり、
前記環状ミラーの内側面により、前記光が反射される。
上記構成に係る光照射装置によれば、環状ミラーの内側面で光が反射されるので、ミラーの外側面で光が反射される場合と比べて、反射面から当該光照射装置の光出射面までの距離が長くなる。このため、配光パターンの拡散幅が狭まってしまうことを防ぎつつ、光学ユニットを小型化させることができる。
また、本発明に係る光照射装置は、
前記環状ミラーの外側面によっても前記光が反射されてもよい。
また、本発明に係る光照射装置は、
前記光源は、前記内側面に前記光を照射するための第一の光源と、前記外側面に前記光を照射するための第二の光源と、を含んでもよい。
上記構成に係る光照射装置によれば、より自在に配光パターンの拡散幅を調整することができる。
また、上記構成に係る光照射装置によれば、二つの配光パターンを重ねることで、配光パターンの一部分の光度を高くすることができる。
また、本発明に係る光照射装置は、
前記ミラーを回転させるためのモータと、
前記モータによって前記ミラーを支えるための支柱と、をさらに備え、
前記ミラーは、複数の反射面から構成され、
前記複数の反射面間のエッジと、前記支柱とが、前記光源から出射される光の出射方向において直線上に並ぶように配置されている。
上記構成に係る光照射装置は、反射面間のエッジと、ミラーを支えるための支柱とが、光の出射方向において直線上に並んでいる。このため、光源から出射された光の効率低下を防ぐことができる。
また、本発明に係る光照射装置は、
前記内側面により反射された光を透過する光学部材をさらに備えてもよい。
また、本発明に係る光照射装置において、
前記光学部材は、蛍光体と投影レンズとを含み、
前記蛍光体は、前記ミラーと前記投影レンズとの間に配置され、
前記内側面により反射された光は、前記蛍光体上に走査され、
前記蛍光体から出射された光は、前記投影レンズを透過して出射される。
上記構成に係る光照射装置によれば、ミラーの外側で光が反射される場合と比べて、光を反射させる回転可能なミラーの面と、蛍光体との間隔を長くすることができる。それにより、光学ユニットを小型化することができる。
本発明によれば、配光パターンの精緻な制御が可能な光照射装置を提供することができる。
また、本発明によれば、簡便な構成で、配光パターンの一部を他の部分よりも明るくすることが可能な光照射装置を提供することができる。
また、本発明によれば、光源の消灯ロスに起因する効率の低下を防止可能な光照射装置を提供することができる。
また、本発明によれば、配光パターンにおける光度の調整が可能な光照射装置を提供することができる。
また、本発明によれば、配光パターンの拡散幅を狭めることなく、光学ユニットを小型化することができる光照射装置を提供することができる。
車両用前照灯の水平断面図である。 参考実施形態に係る光学ユニットの構成を模式的に示した斜視図である。 図2の光学ユニットの上面図である。 図2の光学ユニットの側面図である。 図4の光学ユニットにおいて回転ミラーが回転した状態を示す側面図である。 図2の光学ユニットにより車両前方に形成される配光パターンの一例を示す模式図である。 第一実施形態に係る光学ユニットの上面図である。 図7の光学ユニットの側面図である。 図7の光学ユニットにおいて回転ミラーが図8の状態から回転した状態を示す上面図である。 図7の光学ユニットにより車両前方に形成される配光パターンの一例を示す模式図である。 第一変形例に係る光学ユニットの側面図である。 図11の光学ユニットにより車両前方に形成される配光パターンの一例を示す模式図である。 第二変形例に係る光学ユニットにより車両前方に形成される配光パターンの一例を示す模式図である。 第三変形例に係る光学ユニットの側面図である。 第二実施形態に係る光学ユニットの上面図である。 図15の光学ユニットが備える第一光源のスポット径を示す模式図である。 図15の光学ユニットが備える第二光源のスポット径を示す模式図である。 図15の光学ユニットにより車両前方に形成される配光パターンの一例を示す模式図である。 図15の光学ユニットにおいて、第一光源から光が出射された状態を示す上面図である。 図15の光学ユニットにおいて、第二光源から光が出射された状態を示す上面図である。 第三実施形態に係る光学ユニットの側面図である。 第四実施形態に係る光学ユニットであって、第一光源から光が出射された状態を示す上面図である。 図21の光学ユニットにおいて第二光源から光が出射された状態を示す上面図である。 図21の光学ユニットにおいて、第一光源から出射された光により車両前方に形成される配光パターンの一例を示す模式図である。 図21の光学ユニットにおいて、第二光源から出射された光により車両前方に形成される配光パターンの一例を示す模式図である。 図23の配光パターンと図24の配光パターンとが重畳された配光パターンの一例を示す模式図である。 第五実施形態に係る光学ユニットを示す上面図である。 図26の光学ユニットにおいて回転ミラーが回転した状態を示す上面図である。 図26の光学ユニットにおいて回転ミラーがさらに回転した状態を示す上面図である。 図26の光学ユニットにおいて回転ミラーがさらに回転した状態を示す上面図である。 図26の光学ユニットにおいて回転ミラーがさらに回転した状態を示す上面図である。 右側前照灯に搭載された図26の光学ユニットにより車両前方に形成される配光パターンの一例を示す模式図である。 左側前照灯に搭載された図26の光学ユニットにより車両前方に形成される配光パターンの一例を示す模式図である。 図31の配光パターンと図32の配光パターンとが重畳された配光パターンの一例を示す模式図である。 第四変形例に係る光学ユニットであって、第一光源から光が出射された状態を示す上面図である。 図34の光学ユニットにおいて第二光源から光が出射された状態を示す上面図である。 第六実施形態に係る光学ユニットの上面図である。 図36の光学ユニットが備える回転ミラーの上面図である。 境界部が面取りされていない回転ミラーの境界部で光源からの光が反射された状態を示す上面図である。 図38の回転ミラーにより反射された光で形成された配光パターンの一例を示す模式図である。 図37に示す境界部が面取りされた回転ミラーの境界部で光源からの光が反射された状態を示す上面図である。 図36および図37の回転ミラーにより反射された光で形成された配光パターンの一例を示す模式図である。 第五変形例に係る光学ユニットが備える回転ミラーの一例を示す上面図である。 図42の回転ミラーにより反射された光で形成された配光パターンの一例を示す模式図である。 第七実施形態に係る光学ユニットの上面図である。 図44の光学ユニットにおいて回転ミラーが回転した状態を示す上面図である。 図45の光学ユニットにおいて回転ミラーがさらに回転した状態を示す上面図である。 図46の光学ユニットにおいて回転ミラーがさらに回転した状態を示す上面図である。 図47の光学ユニットにおいて回転ミラーがさらに回転した状態を示す上面図である。 図48の光学ユニットにおいて回転ミラーがさらに回転した状態を示す上面図である。 図49の光学ユニットにおいて回転ミラーがさらに回転した状態を示す上面図である。 図50の光学ユニットにおいて回転ミラーがさらに回転した状態を示す上面図である。 第七実施形態の光学ユニットにより車両前方に形成される配光パターンの一例を示す模式図である。 第八実施形態に係る光学ユニットにより車両前方に形成される配光パターンの一例を示す模式図である。 第九実施形態に係る光学ユニットを示す上面図である。 図54の光学ユニットにおいて回転ミラーが回転した状態を示す上面図である。 図54の光学ユニットにおいて回転ミラーがさらに回転した状態を示す上面図である。 図54の光学ユニットにおいて回転ミラーがさらに回転した状態を示す上面図である。 図54の光学ユニットにおいて回転ミラーがさらに回転した状態を示す上面図である。 図54の光学ユニットにより車両前方に形成される配光パターンの一例を示す模式図である。 図54の光学ユニットに係る光源から出射される光の出力が一定である場合における配光パターンの一例を示す模式図である。 第十実施形態に係る光学ユニットの構成を模式的に示した斜視図である。 図61の光学ユニットの上面図である。 図61の光学ユニットの側面図である。 図61の光学ユニットにおいて回転ミラーが回転した状態を示す側面図である。 第十一実施形態に係る光学ユニットの上面図である。 第十一実施形態に係る光学ユニットの側面図である。 第十一実施形態に係る光学ユニットにおいて回転ミラーが回転した状態を示す側面図である。 第十一実施形態に係る光学ユニットにより車両前方に形成される配光パターンの一例を示す模式図である。
以下、本発明を実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述される全ての特徴やその組合せは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
なお、本実施形態における、「左右方向」、「前後方向」、「上下方向」とは、図1に示す車両用前照灯について、説明の便宜上、設定された相対的な方向である。「前後方向」とは、「前方向」および「後方向」を含む方向である。「左右方向」とは、「左方向」および「右方向」を含む方向である。「上下方向」とは、「上方向」および「下方向」を含む方向である。
本発明の光学ユニット(光照射装置の一例)は、種々の車両用灯具に用いることができる。はじめに、後述する各実施形態に係る光学ユニットを搭載可能な車両用前照灯の概略について説明する。
[車両用前照灯]
図1は、車両用前照灯の水平断面図である。図2は、図1の車両用前照灯に搭載された光学ユニットの構成を模式的に示した斜視図である。図3は、光学ユニットの上面図であり、図4および5は光学ユニットの側面図である
図1に示す車両用前照灯10は、自動車の前端部の右側に搭載される右側前照灯であり、左側に搭載される前照灯と左右対称である以外は同じ構造である。そのため、以下では、右側の車両用前照灯10について詳述し、左側の車両用前照灯については説明を省略する。
図1に示すように、車両用前照灯10は、前方に向かって開口した凹部を有するランプボディ12を備えている。ランプボディ12は、その前面開口が透明な前面カバー14によって覆われて灯室16が形成されている。灯室16は、2つのランプユニット20,30が車幅方向に並んで配置された状態で収容される空間として機能する。
これらランプユニット20,30のうち車幅方向の内側、すなわち、右側の車両用前照灯10において図1に示す下側に配置されたランプユニット20は、ロービームを照射するように構成されている。一方、これらランプユニット20,30のうち車幅方向の外側、すなわち、右側の車両用前照灯10において図1に示す上側に配置されたランプユニット30は、レンズ36を備えたランプユニットであり、可変ハイビームを照射するように構成されている。
ロービーム用のランプユニット20は、リフレクタ22と、例えばLEDからなる光源24とを有している。リフレクタ22およびLED光源24は、図示しない既知の手段、例えば、エイミングスクリューとナットを使用した手段によりランプボディ12に対して傾動自在に支持されている。
(参考実施形態)
参考実施形態に係るハイビーム用のランプユニット30は、図2〜図5に示すように、光源32と、リフレクタとしての回転ミラー34と、回転ミラー34の前方に配置された投影レンズとしての平凸レンズ36と、回転ミラー34と平凸レンズ36との間に配置された蛍光体38と、を備えている。
光源32としては、例えば、レーザ光源(レーザダイオード(LD))を用いることができる。レーザ光源の代わりに、LEDやEL素子などの半導体発光素子を光源として用いることも可能である。光源32は、不図示の光源制御部により、点消灯の制御が可能となっている。特に後述する配光パターンの制御には、点消灯が短時間に精度よく行える光源を用いることが好ましい。光源制御部は、例えば、少なくとも一つの電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)により構成されている。電子制御ユニットは、1以上のプロセッサと1以上のメモリを含む少なくとも一つのマイクロコントローラと、トランジスタ等のアクティブ素子及びパッシブ素子を含むその他電子回路を含んでもよい。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)及び/又はGPU(Graphics Processing Unit)である。メモリは、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)を含む。ROMには、ランプユニット30の制御プログラムが記憶されてもよい。光源制御部は、車両用前照灯10を備える車両に含まれるLIDAR等のセンサから得られる車両周辺情報や、後述するモータ40に備わるセンサから得られるミラー位置情報に基づき、光源32から出射される光の出力を制御することができる。
平凸レンズ36の形状は、要求される配光パターンや照度分布などの配光特性に応じて適宜選択すればよいが、非球面レンズや自由曲面レンズが用いられる。平凸レンズ36の後方焦点は、例えば、蛍光体38の光出射面近傍に設定される。これにより、蛍光体38の光出射面の光像が上下反転して前方へ照射されることになる。
蛍光体38は、例えば、光源32から出射された青色レーザ光で励起されることによって黄色光を発する蛍光体粉末が混合された樹脂材料により構成されている。青色レーザ光と黄色蛍光が混色して蛍光体38から出射されたレーザ光は白色光となる。
回転ミラー34は、駆動源としてのモータ40に回転自在に接続されている。回転ミラー34は、モータ40により回転軸Rを中心に回転方向Dに回転する。回転ミラー34の回転軸Rは、光軸Axに対して斜めになっている(図4参照)。回転ミラー34は、回転方向Dに沿って配置された複数(本例では12面)の反射面34a〜34lから構成されている。回転ミラー34の各反射面34a〜34lは、光源32から出射した光を回転しながら反射する。これにより、図4に示すように光源32の光を用いた走査が可能となる。回転ミラー34は、例えば、12面の反射面を多角形状に構成したポリゴンミラーである。
ここで、反射面34a〜34hのうち、反射面34aと、当該反射面34aと対角線上の反対側に位置する反射面34gとを、第一反射面対34Aとする。反射面34bと、当該反射面34bと対角線上の反対側に位置する反射面34hとを、第二反射面対34Bとする。反射面34cと、当該反射面34cと対角線上の反対側に位置する反射面34iとを、第三反射面対34Cとする。反射面34dと、当該反射面34dと対角線上の反対側に位置する反射面34jとを、第四反射面対34Dとする。反射面34eと、当該反射面34eと対角線上の反対側に位置する反射面34kとを、第五反射面対34Eとする。反射面34fと、当該反射面34fと対角線上の反対側に位置する反射面34lとを、第六反射面対34Fとする。
第一反射面対34Aは、光源32からのレーザ光が反射面34aで反射されるときの(すなわち、図3および図4に示すような配置関係の場合の)上下方向および前後方向からなる面における反射面34aと光軸Axとの成す角θaと、光源32からのレーザ光が反射面34gで反射されるときの上下方向および前後方向からなる面における反射面34gと光軸Axとの成す角が略同一となるように形成されている。同様に、第二反射面対34Bは、光源32からのレーザ光が反射面34bで反射されるときの(すなわち、図5に示すような配置関係の場合の)上下方向および前後方向からなる面における反射面34bと光軸Axとの成す角θbと、光源32からのレーザ光が反射面34hで反射されるときの上下方向および前後方向からなる面における反射面34hと光軸Axとの成す角が略同一となるように形成されている。第三反射面対34Cは、光源32からのレーザ光が反射面34cで反射されるときの反射面34cと光軸Axとの成す角と、光源32からのレーザ光が反射面34iで反射されるときの反射面34iと光軸Axとの成す角が略同一となるように形成されている。第四反射面対34Dは、光源32からのレーザ光が反射面34dで反射されるときの反射面34dと光軸Axとの成す角と、光源32からのレーザ光が反射面34jで反射されるときの反射面34jと光軸Axとの成す角が略同一となるように形成されている。第五反射面対34Eは、光源32からのレーザ光が反射面34eで反射されるときの反射面34eと光軸Axとの成す角と、光源32からのレーザ光が反射面34kで反射されるときの反射面34kと光軸Axとの成す角が略同一となるように形成されている。第六反射面対34Fは、光源32からのレーザ光が反射面34f,34lと光軸Axとの成す角が互いに略同一となるように形成されている。すなわち、回転ミラー34の各反射面34a〜34lは、対角線上にある一対の反射面同士が同じ角度の傾斜面となるように形成されている。これにより、第一反射面対34A〜第六反射面対34Fをそれぞれ構成する一対の反射面により反射された光は、車両前方の上下方向において略同一の位置に照射される。また、回転ミラー34がモータ40により回転方向Dに回転する際の回転ミラー34のブレを防止することができる。
また、光源32からのレーザ光が第一反射面対34Aで反射されるときの当該第一反射面対34Aと光軸Axとの成す角θaは、光源32からのレーザ光が他の反射面対34B〜34Fで反射されるときの他の反射面対34B〜34Fの各反射面と光軸Axとの成す角とは異なるように形成されている。すなわち、第一反射面対34Aにおける上下方向および前後方向からなる面における反射面34a,34gと光軸Axとの成す角θaは、他の反射面対34B〜34Fの各反射面と光軸Axとの成す角とは異なるように形成されている。例えば、図5に示す反射面34bと光軸Axとの成す角θbは、図4に示す反射面34aと光軸Axとの成す角θaよりもやや小さくなるように形成されている。すなわち、図4に示す角θaは図5に示す角θbよりもやや鈍角となるように形成されている。同様に、第二反射面対34B〜第六反射面対34Fについても、他の反射面対とは光軸Axとの成す角が異なるように形成されている。すなわち、第二反射面対34B、第三反射面対34C、第四反射面対34D、第五反射面対34E、第六反射面対34Fの順で、各反射面対と光軸Axとの成す角が小さくなるように形成されている。これにより、一の反射面対により反射された光は、車両前方の上下方向において他の反射面対とは異なる位置に照射される。例えば、反射面34aにより反射された光La(図4参照)は、反射面34bにより反射された光Lbよりも上方に照射される。
上記のように構成された回転ミラー34の各反射面34a〜34lにより反射されて蛍光体38を介して平凸レンズ36を透過した光は、車両前方の所定位置(例えば、車両の25m前方)の仮想鉛直スクリーン上において図6に示すような配光パターンP1を形成する。具体的には、第一反射面対34A(反射面34a,34g)で反射された光により、図6に示す配光パターンP1のうち最下部のラインLA1が形成される。また、第二反射面対34B(反射面34b,34h)で反射された光により、ラインLA1の上側にラインLB1が形成される。第三反射面対34C(反射面34c,34i)で反射された光により、ラインLB1の上側にラインLC1が形成される。第四反射面対34D(反射面34d,34j)で反射された光により、ラインLC1の上側にラインLD1が形成される。第五反射面対34E(反射面34e,34k)で反射された光により、ラインLD1の上側にラインLE1が形成される。第六反射面対34F(反射面34f,34l)で反射された光により、ラインLE1の上側にラインLF1が形成される。このように、回転ミラー34の回転によって光の反射方向が変位することで、光が複数の段に分かれてライン状に走査されて配光パターンP1が形成される。
なお、各反射面34a〜34lの間の境界で光源32からのレーザ光が反射されると、レーザ光が散乱して不適切な配光が形成されるおそれがある。そのため、光源制御部は、各反射面34a〜34l間の境界と光源32からのレーザ光の光線が交差するタイミングでは光源32を消灯するように、光源32の点消灯を制御することが好ましい。
また、参考実施形態に係るランプユニット30においては、備えている光源32は比較的小さく、光源32が配置されている位置も回転ミラー34と平凸レンズ36との間であって光軸Axよりずれている。そのため、従来のプロジェクタ方式のランプユニットのように、光源とリフレクタとレンズとが光軸上に一列に配列されている場合と比較して、車両用前照灯10の車両前後方向の長さを短くすることができる。
(第一実施形態)
図7は、第一実施形態に係るランプユニット130の上面図を示す。図8および図9は、ランプユニット130の側面図を示す。
図7に示すようにランプユニット130は、光源32と、回転ミラー134と、平凸レンズ36(光学部材の一例)と、蛍光体38(光学部材の一例)と、を備えている。
第一実施形態における回転ミラー134は、回転方向Dに沿って並列して配置される複数(本例では6面)の反射面134a〜134fから構成されている。
図8に示すように、反射面134a(第一の反射面の一例)は、回転ミラー134の回転軸Rに沿った方向において外向きに突出するように湾曲した凸状湾曲面となるように形成されている。同様に、図9に示すように、反射面134fは、回転軸Rに沿った方向において外向きに突出するように湾曲した凸状湾曲面となるように形成されている。図示は省略するが、反射面134b,134eについても、回転軸Rに沿った方向において外向きに突出するように湾曲した凸状湾曲面となるように形成されている。また、図9に示すように、反射面134c(第二の反射面の一例)は、回転軸Rに沿った方向において回転軸R側に凹むように湾曲した凹状湾曲面となるように形成されている。同様に、図8に示すように、反射面134dについても、回転軸Rに沿った方向において回転軸R側に凹むように湾曲した凹状湾曲面となるように形成されている。
なお、図7に示すように、反射面134a〜134fは、回転方向Dにおいて(上面視において)は湾曲しておらず、平面状に形成されている。
このため、凸状湾曲面である反射面134aで反射されたレーザ光Laは、光源32から出射されたときのレーザ光の径よりも上下方向において拡散する(図8参照)。同様に、凸状湾曲面である反射面134b,134e,134fで反射されたレーザ光は、光源32から出射されたときのレーザ光の径よりも上下方向において拡散する。一方、凹状湾曲面である反射面134cで反射されたレーザ光Lcは、光源32から出射されたときのレーザ光の径よりも上下方向において集光する(図9参照)。同様に、凹状湾曲面である反射面134dで反射されたレーザ光は、光源32から出射されたときのレーザ光の径よりも上下方向において集光する。これにより、凸状湾曲面である反射面134a,134b,134e,134fで反射されたレーザ光が蛍光体38に入射したときの入射径(例えば、図8に示す入射径xa)は、凹状湾曲面である反射面134c,134dで反射されたレーザ光が蛍光体38に入射したときの入射径(例えば、図9に示す入射径xb)よりも大きくなる。
また、光源32からのレーザ光が反射面134aで反射されるときの反射面134aの上下方向における両端部を繋いだ仮想直線ya(図8参照)と光軸Axとの成す角は、光源32からのレーザ光が他の反射面134b〜134fで反射されるときの他の反射面134b〜134fの各々の上下方向における両端部を繋いだ仮想直線と光軸Axとの成す角とは異なるように形成されている(図4,図5参照)。なお、図8の例においては、仮想直線yaは、反射面134aと反射面134bの境界線と一致している。例えば、反射面134bの上下方向の両端部を繋いだ仮想直線と光軸Axとの成す角は、反射面134aの仮想直線yaと光軸Axとの成す角よりもやや小さくなるように形成されている。また、反射面134cの上下方向の両端部を繋いだ仮想直線yc(図9参照)と光軸Axとの成す角は、反射面134bの仮想直線と光軸Axとの成す角よりもやや小さくなるように形成されている。同様に、反射面134d、反射面134e、反射面134fの順で、各反射面の上下方向を繋ぐ仮想直線と光軸Axとの成す角が小さくなるように形成されている。これにより、一の反射面により反射されたレーザ光は、車両前方の上下方向において他の反射面とは異なる位置に照射される。例えば、反射面134bで反射されたレーザ光は、車両前方の仮想鉛直スクリーン上において反射面134aで反射されたレーザ光Laよりも上方に照射される。また、反射面134cで反射されたレーザ光Lcは、仮想鉛直スクリーン上において反射面134bで反射されたレーザ光よりも上方に照射される。
図10は、第一実施形態に係るランプユニット130により車両前方(例えば、25mm前方)の仮想スクリーン上に形成される配光パターンP2を示す。
図10に示すように、配光パターンP2は、レーザ光により形成される複数のライン(LA2〜LF2)を含んでいる。光源32から出射されたレーザ光は、回転ミラー134の各反射面134a〜134fにより反射され、蛍光体38を介して平凸レンズ36を透過する。参考実施形態と同様に、平凸レンズ36の後方焦点は、蛍光体38の光出射面上に設定されるため、蛍光体38の光出射面の光像が上下反転して前方へ照射される。
具体的には、反射面134aで反射されたレーザ光により、図10に示す配光パターンP2のうち最下部のラインLA2が形成される。また、反射面134bで反射されたレーザ光により、ラインLA2の上側にラインLB2が形成される。反射面134cで反射されたレーザ光により、ラインLB2の上側にラインLC2が形成される。反射面134dで反射されたレーザ光により、ラインLC2の上側にラインLD2が形成される。反射面134eで反射されたレーザ光により、ラインLD2の上側にラインLE2が形成される。反射面134fで反射されたレーザ光により、ラインLE2の上側にラインLF2が形成される。
上述の通り、凸状湾曲面である反射面134a,134b,134e,134fで反射したレーザ光が蛍光体38に入射したときの入射径xaは、凹状湾曲面である反射面134c,134dで反射したレーザ光が蛍光体38に入射したときの入射径xbよりも大きくなる。そのため、下から三段目のラインLC2と四段目のラインLD2における上下方向の幅w2は、下から一段目のラインLA2、二段目のラインLB2、五段目のラインLE2、および六段目のラインLF2における上下方向の幅w1よりも狭くなる。
なお、下から一段目のラインLA2、二段目のラインLB2、五段目のラインLE2、および六段目のラインLF2における上下方向の幅w1は、図4や図5に示す参考実施形態の回転ミラー34において回転軸Rに沿った方向において平面状の各反射面34a〜34lで反射されたレーザ光により形成されるラインLA1〜LF1の上下方向の幅よりも広くなる。これは、上述の通り、凸状湾曲面である反射面134a,134b,134e,134fで反射されたレーザ光は、光源32から出射されたときのレーザ光の径よりも上下方向において拡散するためである。また、下から三段目のラインLC2および四段目のラインLD2における上下方向の幅w2は、参考実施形態の回転ミラー34の各反射面34a〜34lで反射されたレーザ光により形成されるラインLA1〜LF1の上下方向の幅よりも狭くなる。これは、上述の通り、凹状湾曲面である反射面134c,134dで反射したレーザ光は、光源32から出射されたときのレーザ光の径よりも上下方向において集光するためである。
隣り合うラインLA2〜LF2同士は、一定量重なって形成されていてもよい。この場合、例えば、ラインLA2〜LF2同士の上下方向の重なり量は、ライン幅w1(またはライン幅w2)の10%程度である。具体的には、例えば、ラインLA2とラインLB2との重なり量は、ラインLA2,LB2の幅w1の10%程度であることが好ましい。ラインLB2とラインLC2との重なり量は、ラインLB2の幅w1の10%程度、またはラインLC2の幅w2の10%程度であることが好ましい。ラインLC2とラインLD2との重なり量は、ラインLC2,LD2の幅w2の10%程度であることが好ましい。ラインLD2とラインLE2との重なり量は、ラインLD2の幅w2の10%程度、またはラインLE2の幅w1の10%程度であることが好ましい。ラインLE2とラインLF2との重なり量は、ラインLE2,LF2の幅w1の10%程度であることが好ましい。
なお、各反射面134a〜134fの間の境界では、上記参考実施形態と同様にレーザ光が散乱して不適切な配光が形成されるおそれがある。そのため、光源制御部は、各反射面134a〜134f間の境界と光源32からのレーザ光の光線が交差するタイミングでは光源32を消灯するように、光源32の点消灯を制御することが好ましい。
また、本例においては回転ミラー134を6面から成るポリゴンミラーで構成しているがこれに限定されない。例えば、参考実施形態のように12面を有し、対角線上にある一対の反射面同士が回転軸Rに沿った方向において同じ曲率、および同じ傾斜角となるようなポリゴンミラーで構成するようにしてもよい。これにより、各ラインLA2〜LF2は、対角線上にある一対の反射面で反射されたレーザ光により重複して形成される。
ところで、車両用前照灯に用いられるスキャン光学系においては、配光パターンの光度を向上させつつ、光照射範囲および遮光範囲を高精細に制御することが求められている。例えば、スキャン光学系をADB(Adaptive Driving Beam)システムに採用した場合には、遮光対象となる周辺車両の近傍限界まで光を照射することが求められている。また、スキャン光学系を路面描画に用いる場合には、路面照射範囲を精緻に制御することが求められている。しかしながら、配光パターンを構成するすべてのラインを細くしようとすると、多くの光源が必要となったり、所望の配光パターンを形成するための効率が落ちるため、現実的ではない。
これに対して、上記第一実施形態に係るランプユニット130によれば、回転ミラー134が、配光パターンP2の上下方向の両側部のラインであるラインLA2,LB2,LE2,LF2を形成するための反射面134a,134b,134e,134f(第一の反射面の一例)と、配光パターンP2の上下方向の中央部のラインであるラインLC2,LD2を形成するための反射面134c,134d(第二の反射面の一例)と、を有している。そして、反射面134a,134b,134e,134fの回転軸Rに沿った方向の曲率が、反射面134c,134dの回転軸Rに沿った方向の曲率と異なっている。具体的には、反射面134a,134b,134e,134fは回転軸Rに沿った方向において外向きに突出した凸状湾曲面となるように形成され、反射面134c,134dは回転軸Rに沿った方向において内側に凹んだ凹状湾曲面となるように形成されている。このため、ランプユニット130の構成によれば、反射面134a,134b,134e,134fで反射したレーザ光の上下方向への拡散角が、反射面134c,134dで反射したレーザ光の上下方向への拡散角よりも広くなる。これにより、図10に示すように、中央部のラインLC2とラインLD2における上下方向の幅w2を、両側部のラインLA2、ラインLB2、ラインLE2、およびラインLF2における上下方向の幅w1よりも狭くすることができる。
このようにラインLC2,LD2(第二のラインの一例)の上下幅を、ラインLA2,LB2,LE2,LF2(第一のラインの一例)の上下幅よりも狭くすることにより、配光パターンP2の上下方向の中央領域において配光パターンP2の精緻な制御が可能となる。また、回転ミラー134の回転速度が一定である場合には幅の狭いラインLC2,LD2の方が幅の広いラインLA2,LB2,LE2,LF2よりも光度が高くなる。そのため、配光パターンP2内で中央領域のみを明るくすることが可能となる。なお、本実施形態の回転ミラー134により形成される配光パターンP2のうち、上下方向の中央部のラインLC2,LD2の幅は、参考実施形態の回転ミラー34により形成される配光パターンP1の各ラインLA1〜LF1の幅よりも狭くなるが、上下方向の中央部以外のラインLA2,LB2,LE2,LF2の幅は参考実施形態の回転ミラー34により形成される各ラインLA1〜LF1よりも広くなる。そのため、本実施形態の構成によれば、参考実施形態の配光パターンP1と同様の上下幅を備えつつ、中央領域について細かな制御が可能となる配光パターンP2を形成することができる。
なお、上記の実施形態においては、回転ミラー134の反射面134a,134b,134e,134fは凸状湾曲面となるように形成され、反射面134c,134dは凹状湾曲面となるように形成されているが、この例に限られない。すべての反射面を凸状湾曲面または凹状湾曲面として形成され、反射面毎に凸状湾曲面または凹状湾曲面の曲率を異ならせるようにしてもよい。例えば、すべての反射面が凸状湾曲面として形成される場合には、幅の狭いラインを形成するための反射面(凸状湾曲面)の曲率半径が、幅の太いラインを形成するための反射面(凸状湾曲面)の曲率半径よりも大きくなるように設定することが好ましい。すなわち、幅の狭いラインを形成するための反射面(凸状湾曲面)の曲率が、幅の太いラインを形成するための反射面(凸状湾曲面)の曲率よりも小さくなるように設定することが好ましい。また、すべての反射面が凹状湾曲面として形成される場合には、幅の狭いラインを形成するための反射面(凹状湾曲面)の曲率半径が、幅の太いラインを形成するための反射面(凹状湾曲面)の曲率半径よりも小さくなるように設定することが好ましい。すなわち、幅の狭いラインを形成するための反射面(凹状湾曲面)の曲率が、幅の太いラインを形成するための反射面(凹状湾曲面)の曲率よりも大きくなるように設定することが好ましい。このような構成によっても、ラインごとに上下幅を異ならせることができる。
次に、第一実施形態に係るランプユニット130の変形例について説明する。
(第一変形例)
図11は、第一変形例に係るランプユニット140の側面図を示す。
図11に示すようにランプユニット140は、光源32と、回転ミラー144と、平凸レンズ36と、蛍光体38と、を備えている。
ランプユニット140の回転ミラー144は、第一実施形態の回転ミラー134と同様に、回転方向Dに沿って並列して配置された複数(本例では6面)の反射面144a〜144fで構成されている。本変形例では、反射面144aおよび反射面144fは、第一実施形態と同様に、回転軸Rに沿った方向において外向きに突出する凸状湾曲面となるように形成されている。また、反射面144cおよび反射面144dも、第一実施形態と同様に、回転軸R側に凹んだ凹状湾曲面となるように形成されている。一方で、反射面144bおよび反射面144eは、回転軸Rに沿った方向において平面となるように形成されている(図11参照)。
また、光源32からのレーザ光が反射面144aで反射されるときの反射面144aの上下方向の両端部を繋ぐ仮想直線と光軸Axとの成す角は、光源32からのレーザ光が他の反射面144b〜144fで反射されるときの他の反射面144b〜144fの各々の上下方向の両端部を繋ぐ仮想直線と光軸Axとの成す角とは異なるように形成されている(図4,図5参照)。例えば、反射面144bと光軸Axとの成す角は、反射面144aの上下方向の両端部を繋ぐ仮想直線と光軸Axとの成す角よりもやや小さくなるように形成されている。同様に、反射面144c、反射面144d、反射面144e、反射面144fの順で、各反射面の上下方向の両端部を繋ぐ仮想直線と光軸Axとの成す角が小さくなるように形成されている。これにより、一の反射面により反射された光は、車両前方の上下方向において他の反射面とは異なる位置に照射される。例えば、反射面144bで反射された光は、車両前方の仮想鉛直スクリーン上において反射面144aで反射された光よりも上方に照射される。また、反射面144cで反射された光は、仮想鉛直スクリーン上において反射面144bで反射された光よりも上方に照射される。
図12は、第一変形例に係るランプユニット140により車両前方に形成される配光パターンP3を示す。
図12に示すように、配光パターンP3は、レーザ光により形成される複数のライン(LA3〜LF3)を含んでいる。光源32から出射されたレーザ光は、回転ミラー144の各反射面144a〜144fにより反射され、蛍光体38を介して平凸レンズ36を透過する。参考実施形態と同様に、平凸レンズ36の後方焦点は、蛍光体38の光出射面上に設定されるため、蛍光体38の光出射面の光像が上下反転して前方へ照射される。
具体的には、反射面144aで反射されたレーザ光により、図12に示す配光パターンP3のうち最下部のラインLA3が形成される。また、反射面144bで反射されたレーザ光により、ラインLA3の上側にラインLB3が形成される。反射面144cで反射されたレーザ光により、ラインLB3の上側にラインLC3が形成される。反射面144dで反射されたレーザ光により、ラインLC3の上側にラインLD3が形成される。反射面144eで反射されたレーザ光により、ラインLD3の上側にラインLE3が形成される。反射面144fで反射されたレーザ光により、ラインLE3の上側にラインLF3が形成される。そして、ラインLA3〜LF3における左右方向への走査の長さは、全て等しくなるように形成されている。
配光パターンP3のうち下から二段目のラインLB3および下から五段目のラインLE3の上下幅w3は、下から一段目(最下部)のラインLA3および下から六断面(最上部)のラインLF3の上下幅w1よりも狭くなる。また、下から三段目のラインLC3および下から四段目のラインLD3の上下幅w2は、下から二段目のラインLB3および下から五段目のラインLE3の上下幅w3よりも狭くなる。
このように、第一変形例に係るランプユニット140の回転ミラー144は、反射面144a,144fが回転軸Rに沿った方向において凸状湾曲面となるように形成され、反射面144b,144eが回転軸Rに沿った方向において平面となるように形成され、反射面144c,144dが回転軸Rに沿った方向において凹状湾曲面となるように形成されている。これにより、各反射面144a〜144fで反射されたレーザ光により形成される配光パターンP3は、上下方向の中央部に向かうにつれて上下幅が段階的に狭くなるような複数のラインLA3〜LF3から構成される。この構成によれば、配光パターンのさらに精緻な制御が可能となり、且つ、配光パターンP3の上下方向の中央領域に向かうにつれて光度を向上させることができる。
上記の第一変形例においては、回転ミラー144の各反射面144a〜144fは、それぞれ、凸状湾曲面と、平面と、凹状湾曲面とのいずれかとなるように形成されているが、この例に限られない。幅の太いラインを形成するための反射面を平面となるように形成し、幅の狭いラインを形成するための反射面を凹状湾曲面となるように形成してもよい。また、幅の太いラインを形成するための反射面を凸状湾曲面となるように形成し、幅の狭いラインを形成するための反射面を平面となるように形成してもよい。このように、複数の反射面を凸状または凹状湾曲面と平面とを組み合わせて構成することで、第一変形例と同様に、配光パターンを形成するラインの上下幅を異ならせることができる。
なお、第一変形例において、各反射面の境界における光源の点消灯の制御、回転ミラーを構成する反射面の数およびその傾斜角度、および配光パターンの各ラインをどの反射面によって形成するか等については、第一実施形態に係るランプユニット130の場合と同様である。
(第二変形例)
図13は、第二変形例に係るランプユニットにより車両前方に形成される配光パターンP4を示す。
上記の実施形態においては、回転ミラー134の各反射面134a〜134fで反射されたレーザ光により配光パターンの異なる位置にラインが形成される構成を採用しているがこの例に限られない。例えば、回転ミラー134の複数の反射面134a〜134fのうち少なくとも二つの反射面で反射された光により、上下方向における一部のラインを重複して走査することで、図13に示すように配光パターンP4を形成することができる。この場合、例えば、反射面134cの上下方向の両端部を繋ぐ仮想直線と光軸Axとの成す角は、反射面134bの上下方向の両端部を繋ぐ仮想直線と光軸Axとの成す角と略同一となるように設定される。また、反射面134dの上下方向の両端部を繋ぐ仮想直線と光軸Axとの成す角は、反射面134eの上下方向の両端部を繋ぐ仮想直線と光軸Axとの成す角と略同一となるように設定される。これにより、配光パターンP4は、同一の上下幅を有するラインLA4,LB4,LE4,LF4と、ラインLB4の一部に重複して形成されてラインLB4よりも狭い上下幅を有するラインLC4と、ラインLE4の一部に重複して形成されてラインLE4よりも狭い上下幅を有するラインLD4とから構成される。このように、配光パターンP4を形成する複数のラインLA4〜LF4のうち少なくとも一部のラインを他のラインと重複して形成することで、配光パターンのさらに精緻な制御が可能となり、且つ、配光パターンの特定の領域の光度を向上させることができる。
(第三変形例)
図14は、第三変形例に係るランプユニット530を示す。
図14に示すように、上記実施形態で用いたポリゴンミラー134の代わりに、ブレードスキャン(登録商標)方式の回転ミラー(回転リフレクタ)500を用いてもよい。回転ミラー500は、複数枚(図14では3枚)のブレード501aと、筒状の回転部501bとを備えている。各ブレード501aは、回転部501bの周囲に設けられており、反射面として機能する。回転ミラー500は、その回転軸Rが光軸Axに対して斜めになるように配置されている。
ブレード501aは、回転軸Rを中心とする周方向に向かうにつれて、光軸Axと反射面とが成す角が変化するように捩られた形状を有している。これにより、ポリゴンミラー134と同様に、光源32の光を用いた走査が可能となる。
複数枚のブレード501aのうち少なくとも一つのブレード501aは、その形状が他のブレード501aの形状とは異なっている。例えば、複数枚のブレード501aのうち少なくとも一つのブレード501aは、当該ブレード501aで反射されたレーザ光が光源32から出射されたときのレーザ光の径よりも上下方向において集光するように、その形状が設定される。一方、当該ブレード501aとは別のブレード501aは、当該別のブレード501aで反射されたレーザ光が光源32から出射されたときのレーザ光の径よりも上下方向において拡散するように、その形状が設定される。このような回転ミラー500を用いた場合も、上記実施形態と同様に、配光パターンを形成するラインの上下方向の幅を異ならせることができる。
(第二実施形態)
図15は、第二実施形態に係るランプユニット30Aの上面図を示している。
図15に示すように第二実施形態に係るランプユニット30Aは、第一光源32Aと、第二光源32Bと、回転ミラー34と、平凸レンズ36と、蛍光体38と、を備えている。
第一光源32Aは、参考実施形態と同様に、図15に示す上面視において、回転ミラー34の左斜め前方に配置されている。これに対して、第二光源32Bは、回転ミラー34の右斜め前方に配置されている。
図16Aは、第一光源32Aおよび第一光源32Aから出射された光のスポット形状を示し、図16Bは、第二光源32Bおよび第二光源32Bから出射される光のスポット形状を示している。
図16Aに示すように、第一光源32Aは、縦長楕円形状の光出射面40Aを有している。これにより、縦長楕円形状の光出射面40Aから出射されたレーザ光が蛍光体38の光入射面に入射したときのスポット50Aは縦長楕円形状として形成される。すなわち、ビームスポット50Aは、その短径が配光パターンにおける光の走査方向(図16A、図16Bにおける左右方向)に沿うような扁平形状となる。
一方、図16Bに示すように、第二光源32Bは、第一光源32Aと同一種類の光源を、90度回転させて配置したものである。すなわち、第二光源32Bは、横長楕円形状の光出射面40Bを有している。これにより、横長楕円形状の光出射面40Bから出射されたレーザ光が蛍光体38の光入射面に入射したときのスポット50Bは横長楕円形状として形成される。すなわち、スポット50Bは、その長径が配光パターンにおける光の走査方向(図16A、図16Bにおける左右方向)に沿うような扁平形状となる。このように、本実施形態においては、第一光源32Aから出射されたレーザ光で形成されるスポット50Aの上下方向のスポット径と、第二光源32Bから出射されたレーザ光で形成されるスポット50Bの上下方向のスポット径とが異なっている。
図17は、第二実施形態に係るランプユニット30Aにより車両前方に形成される配光パターンP5を示している。
図17に示すように、配光パターンP5は、第一光源32Aまたは第二光源32Bから出射されて、各反射面34a〜34lにより反射され、蛍光体38を介して平凸レンズ36を透過したレーザ光により形成される複数のラインを含んでいる。
本実施形態においては、第一光源32Aの光出射面40Aからのレーザ光が反射される回転ミラー34の反射面対と、第二光源32Bの光出射面40Bからのレーザ光が反射される回転ミラー34の反射面対とを異ならせている。すなわち、第一光源32Aおよび第二光源32Bの光源制御部は、第一光源32Aから出射されたレーザ光L1を第一反射面対34A、第二反射面対34B、第五反射面対34Eおよび第六反射面対34Fで反射させるように、第一光源32Aの点消灯を制御する(図18参照)。これに対して、光源制御部は、第二光源32Bから出射されたレーザ光L2を第三反射面対34Cおよび第四反射面対34Dで反射させるように、第二光源32Bの点消灯を制御する(図19参照)。
これにより、配光パターンP5のうち最下部のラインLA5は、第一光源32Aから出射されて第一反射面対34A(反射面34a,34g)で反射されたレーザ光L1により形成される。同様に、ラインLA5の上側に位置するラインLB5は、第一光源32Aから出射されて第二反射面対34B(反射面34b,34h)で反射されたレーザ光L1により形成される。また、配光パターンP5のうち最上部の第六ラインLF5および第六ラインLF5の下側に位置する第五ラインLE5についても、第一光源32Aから出射されて第六反射面対34F(反射面34f,34l)および第五反射面対34E(反射面34e,34k)でそれぞれ反射されたレーザ光L1により形成される。これらのラインLA5,LB5,LE5,LF5は、いずれも第一光源32Aから出射されたレーザ光L1により形成されるため、各ラインLA5,LB5,LE5,LF5の幅は略同一である。
一方、第二ラインLB5の上側に位置する第三ラインLC5は、図19に示すように、第二光源32Bから出射されて第三反射面対34C(反射面34c,34i)で反射されたレーザ光L2により形成される。同様に、第三ラインLC5の上側に位置する第四ラインLD5は、第二光源32Bから出射されて第四反射面対34D(反射面34d,34j)で反射されたレーザ光L2により形成される。これらのラインLC5,LD5は、いずれも第二光源32Bから出射されたレーザ光L2により形成されるため、各ラインLC5,LD5の幅は略同一である。
上述の通り、第一光源32Aの光出射面40Aから出射されたレーザ光のスポット50Aは縦長楕円形状となる。このため、スポット50Aは、上下拡散角度が大きく、上下方向においてより広い範囲を照射することができる。これにより、各スポット50Aの端部での光度変化を緩和することができ、比較的均一な配光パターンを形成することができる。
一方で、第二光源32Bの光出射面40Bから出射されたレーザ光のスポット50Bは横長楕円形状となる。このため、スポット50Bは、スポット50Aに比べて上下拡散角度が小さく、上下方向においてより狭い範囲を照射することができる。図17に示すように、ランプユニット30Aにより形成される配光パターンP5においては、第一光源32Aから出射されたレーザ光により形成されるラインLA5,LB5,LE5,LF5の上下方向の幅よりも、第二光源32Bから出射されたレーザ光により形成されるラインLC5,LD5の上下方向の幅が狭くなる。
また、回転ミラー34の回転方向Dに沿った回転の速度が一定であるとすると、図17に示すように、第一光源32Aにより形成されるスポット50Aよりも、第二光源32Bにより形成されるスポット50Bの方が、ライン上での光の重なり度合いが大きくなる。これにより、ラインLA5,LB5,LE5,LF5よりもラインLC5,LD5の光度が高くなる。すなわち、配光パターンP5のうち上下方向の中央領域であるラインLC5,LD5を、上下方向の端部領域であるラインLA5,LB5,LE5,LF5よりも、明るくすることができる。
ところで、車両用前照灯に用いられるスキャン光学系においては、配光パターンの光度を向上させつつ、光照射範囲および遮光範囲を高精細に制御することが求められている。例えば、スキャン光学系をADB(Adaptive Driving Beam)システムに採用した場合には、遮光対象となる周辺車両の近傍限界まで光を照射することが求められている。また、スキャン光学系を路面描画に用いる場合には、路面照射範囲を精緻に制御することが求められている。しかしながら、配光パターンを構成するすべてのラインを細くしようとすると、多くの光源が必要となったり、所望の配光パターンを形成するための効率が落ちるため、現実的ではない。
これに対して、上記において説明したように、第二実施形態に係るランプユニット30A(光照射装置の一例)は、第一光源32Aおよび第二光源32Bと、第一光源32Aおよび第二光源32Bから出射されたレーザ光を反射させる回転ミラー34と、を備えている。このランプユニット30Aは、回転ミラー34の回転によって光源32A,32Bから出射されたレーザ光の反射方向が変位することで、車両前方においてレーザ光が複数の段に分かれてライン状に走査されて配光パターンP5を形成する。ここで、第一光源32Aから出射されたレーザ光L1により形成されるスポット50Aの上下方向のスポット径と、第二光源32Bから出射されたレーザ光L2により形成されるスポット50Bの上下方向のスポット径とが異なっている。具体的には、第一光源32A(の光出射面40A)は、スポット50Aの短径が光の走査方向(左右方向)に沿うようなレーザ光を出射する一方で、第二光源32B(の光出射面40B)は、スポット50Bの長径が光の走査方向に沿うようなレーザ光を出射するように構成されている。本例においては、第一光源32Aから出射された光により、配光パターンP5の少なくとも一部を構成するラインLA5,LB5,LE5,ラインLF5(第一のラインの一例)が形成される。一方で、第二光源32Bから出射された光によりラインLC5,LD5(第二のラインの一例)が形成される。
この構成によれば、互いに略同一の構造を備えた第一光源32Aと第二光源32Bとを用いて、ラインLA5,LB5,LE5,LF5の上下方向の幅とラインLC5,LD5の上下方向の幅とを異ならせることができる。これにより、配光パターンP5のうち高精細化が求められている領域において、精緻な制御が可能となる。また、第一光源32Aおよび第二光源32Bとして同一種類の光源を用いることができるため、ランプユニット30Aの製造コストの低減や製造効率の向上を図ることができる。
また、本実施形態においては、幅の広いライン(ラインLA5,LB5,LE5,LF5)の間に幅の狭いライン(ラインLC5,LD5)を配置することで、配光パターンP5のうち特に高精細化が求められている中央部分のラインを細く、且つ、明るくすることができる。これにより、配光パターンP5の制御を効果的に行うことができる。
また、本実施形態においては、第一光源32Aおよび第二光源32Bから出射された光は平行光(例えば、レーザ光)であるため、各ラインの幅を精緻に制御しやすい。
(第三実施形態)
図20は、第三実施形態に係るランプユニット30Bの構成を示す側面図である。
図20に示すように、ランプユニット30Bは、光源32、回転ミラー34、平凸レンズ36、蛍光体38に加えて、回転ミラー34と蛍光体38との間に配置されたサブレンズ60を備えている。サブレンズ60は、例えば両凸レンズである。サブレンズ60は、光源32から出射されて第三反射面対34C(反射面34c,34i)で反射される光Lcと、光源32から出射されて第四反射面対34D(反射面34d,34j)で反射される光とが透過される位置に配置されている。これにより、第三反射面対34C(反射面34c,34i)で反射された光Lcは、サブレンズ60を透過することで、光軸Axに対して略平行光となって蛍光体38を透過し、平凸レンズ36へ入射する(図20参照)。そして、平凸レンズ36から出射された光Lcは、光軸Ax側へ集光する。同様に、図示は省略するが、第四反射面対34D(反射面34d,34j)で反射された光は、サブレンズ60を透過することで、光軸Axに対して略平行光となって蛍光体38を透過し、平凸レンズ36へ入射する。そして、平凸レンズ36から出射された当該光は、光軸Ax側へ集光する。なお、第三反射面対34Cおよび第四反射面対34D以外の反射面対からの光は、サブレンズ60を透過しないように構成されていることが好ましい。
このように、回転ミラー34と蛍光体38との間にサブレンズ60を備えたランプユニット30Bの構成によれば、第二実施形態の配光パターンP5と同様に、第一反射面対34A、第二反射面対34B、第五反射面対34Eおよび第六反射面対34Fでそれぞれ反射された光から形成されるラインLA5,LB5,LE5,LF5の幅よりも、第三反射面対34Cおよび第四反射面対34Dでそれぞれ反射された光から形成されるラインLC5,LD5の幅を狭くすることができる。したがって、第三実施形態の構成によれば、単一の光源32を用いて、蛍光体38の光入射面におけるレーザ光のスポット径を可変とすることができ、配光パターンP5を構成するラインの幅を異ならせることができる。
なお、単一の光源を用いて光のスポット径を可変するための変形例として以下の構成が考えられる。
例えば、光源の光出射面の形状を変更可能な絞り機構を設けてもよい。この場合、出射光と反射面34a〜34lとの対応関係に応じて光出射面の形状を変更することで、蛍光体38や平凸レンズ36を透過する光のスポット径を変化させるようにしてもよい。
また、平凸レンズ36の光入射面または光出射面の形状を変化させて、平凸レンズ36を透過した後の光のスポット径を変化させるようにしてもよい。この場合は、例えば、第三反射面対34Cおよび第四反射面対34D(反射面34d,34j)で反射されて平凸レンズ36から出射される光が光軸Ax側に集光されるように、平凸レンズ36の光入射面および/または光出射面の形状を変化させることが好ましい。
また、サブレンズ60に代えて、光源32からの光の一部を遮蔽してスポット配光パターンを形成するための液晶シェードを回転ミラー34と蛍光体38との間に設けてもよい。図示は省略するが、液晶シェードは、液晶の配置された液晶領域と、液晶の配置されていない非液晶領域とを有する液晶層を備えており、回転ミラーの用いる反射面に応じて液晶領域と非液晶領域との大きさを変化させることが可能である。
これらの変形例の構成によっても、レーザ光のスポット径を変化させることができるが、光源の光出射面や液晶シェードの液晶領域の切替えの反応速度(レスポンス)の速さが必要とされることを考慮すると、第三実施形態に係る構成がより好ましい。
第二実施形態及び第三実施形態で用いたポリゴンミラー34の代わりに、ブレードスキャン方式の回転ミラー(回転リフレクタ)500を用いてもよい(図14参照)。図14の回転ミラー500を用いた場合も、第二実施形態及び第三実施形態と同様に、スポット径の異なる複数の光源32A,32Bから出射されたレーザ光を回転ミラー500で反射させて前方に照射することで、配光パターンP5を構成する各ラインの幅を異ならせることができる。
上記の第二実施形態及び第三実施形態においては、上面視において12面体の回転ミラー34を用い、対角線上に配置された一対の反射面により反射された光が配光パターンP5のうち同一のラインを形成しているが、この例に限られない。例えば、1つの反射面により反射された光により1つのラインを形成するようにしてもよい。この場合は、例えば、配光パターンが6つのラインから構成されるとすると、回転ミラーは、上面視において6面体として形成され、回転方向に沿って6つの反射面を備えることとなる。
上記の第二実施形態においては、同一種類の第一光源32Aおよび第二光源32Bを用いているが、この例に限られない。光出射面の径が互いに異なる複数の光源を用いて、異なるスポット径のレーザ光をそれぞれ出射することで、図17に示すような配光パターンP5を形成してもよい。
(第四実施形態)
図21は、第四実施形態に係るランプユニット1030の上面図を示している。
図21に示すように、第四実施形態に係るランプユニット1030は、第一光源132Aと、第二光源132Bと、回転ミラー34と、平凸レンズ36と、蛍光体38と、を備えている。
第一光源132Aは、図21に示す上面視において、回転ミラー34の右斜め前方に配置されている。そのため、第一光源132Aから出射されて反射面34aで反射されたレーザ光の左右方向への拡散角度Waの中心方向、すなわち、反射面34aの左右方向における中心で反射されたレーザ光の方向(図21参照)は、光軸Axよりもやや左寄りとなる。
一方、第二光源132Bは、回転ミラー34の左斜め前方に配置されている。そのため、第二光源132Bから出射されて反射面34aで反射されたレーザ光の左右方向への拡散角度Wbの中心方向、すなわち、反射面34aの左右方向における中心で反射されたレーザ光の方向(図22参照)は、光軸Axよりもやや右寄りとなる。
また、光源132A,132Bからのレーザ光が反射面対34A(反射面34a,34g)で反射されるときの当該反射面対34Aと光軸Axとの成す角θaは、光源132A,132Bからのレーザ光が他の反射面対34B〜34Fで反射されるときの他の反射面対34B〜34Fの各反射面と光軸Axとの成す角とは異なるように形成されている(図4,図5参照)。例えば、反射面対34Bと光軸Axとの成す角θbは、反射面対34Aと光軸Axとの成す角θaよりもやや小さくなるように形成されている。同様に、反射面対34C、反射面対34D、反射面対34E、反射面対34Fの順で、各反射面対と光軸Axとの成す角が小さくなるように形成されている。これにより、一の反射面対により反射された光は、車両前方の上下方向において他の反射面対とは異なる位置に照射される。例えば、反射面対34Bで反射された光は、図23に示す配光パターンPaおよび図24に示す配光パターンPbにおいて、反射面対34Aで反射された光よりも上方に照射される。また、反射面対34Cで反射された光は、反射面対34Bで反射された光よりも上方に照射される。
図23は、第四実施形態に係るランプユニット130の第一光源132Aから出射されたレーザにより車両前方に形成される右側配光パターンPaを示し、図24は、第四実施形態に係るランプユニット130の第二光源132Bから出射されたレーザにより車両前方に形成される左側配光パターンPbを示している。
図23に示すように、右側配光パターンPaは、第一光源132Aから出射されたレーザ光により形成される複数のライン(LAa〜LFa)を含んでいる。第一光源132Aから出射されたレーザ光は、回転ミラー34の各反射面34a〜34lにより反射され、蛍光体38を介して平凸レンズ36を透過する。本例では、平凸レンズ36の後方焦点は、蛍光体38の光出射面上に設定されているため、蛍光体38の光出射面上の光源像が上下左右反転して配光パターンPa,Pbが形成される。
具体的には、第一光源132Aから出射され反射面対34A(反射面34a,34g)で反射されたレーザ光により、図23に示す配光パターンPaのうち最下部の第一ラインLAaが形成される。また、第一光源132Aから出射され反射面対34B(反射面34b,34h)で反射されたレーザ光により、第一ラインLAaの上側に第二ラインLBaが形成される。第一光源132Aから出射され反射面対34C(反射面34c,34i)で反射されたレーザ光により、第二ラインLBaの上側に第三ラインLCaが形成される。第一光源132Aから出射され反射面対34D(反射面34d,34j)で反射されたレーザ光により、第三ラインLCaの上側に第四ラインLDaが形成される。第一光源132Aから出射され反射面対34E(反射面34e,34k)で反射されたレーザ光により、第四ラインLDaの上側に第五ラインLEaが形成される。第一光源132Aから出射され反射面対34F(反射面34f,34l)で反射されたレーザ光により、第五ラインLEaの上側に第六ラインLFaが形成される。
図24に示すように、左側配光パターンPbは、第二光源132Bから出射されたレーザ光により形成される複数のライン(LAb〜LFb)を含んでいる。第二光源132Bから出射されたレーザ光は、回転ミラー34の各反射面34a〜34lにより反射され、蛍光体38を介して平凸レンズ36を透過する。
具体的には、第二光源132Bから出射され反射面対34A(反射面34a,34g)で反射されたレーザ光により、図24に示す配光パターンPbのうち最下部の第一ラインLAbが形成される。また、第二光源132Bから出射され反射面対34B(反射面34b,34h)で反射されたレーザ光により、第一ラインLAbの上側に第二ラインLBbが形成される。第二光源132Bから出射され反射面対34C(反射面34c,34i)で反射されたレーザ光により、第二ラインLBbの上側に第三ラインLCbが形成される。第二光源132Bから出射され反射面対34D(反射面34d,34j)で反射されたレーザ光により、第三ラインLCbの上側に第四ラインLDbが形成される。第二光源132Bから出射され反射面対34E(反射面34e,34k)で反射されたレーザ光により、第四ラインLDbの上側に第五ラインLEbが形成される。第二光源132Bから出射され反射面対34F(反射面34f,34l)で反射されたレーザ光により、第五ラインLEbの上側に第六ラインLFbが形成される。
第一光源132Aから出射されたレーザ光により形成される右側配光パターンPaは、その左右方向の中央部が仮想スクリーンの垂直軸V−Vよりも右寄りとなるように形成されている(図23参照)。一方で、第二光源132Bから出射されたレーザ光により形成される配光パターンPbは、その左右方向の中央部が仮想スクリーンの垂直軸V−Vよりも左寄りとなるように形成されている(図24参照)。これらの配光パターンPaおよび配光パターンPbを重畳させることで、図25に示す配光パターンP6が形成される。図25に示す配光パターンP6は、右側配光パターンPaと左側配光パターンPbとが各ラインの左右方向(すなわち、レーザ光の走査方向)における中央部において重複するように形成されている。
なお、各反射面34a〜34lの間の境界では、上記の参考実施形態と同様にレーザ光が散乱して不適切な配光が形成されるおそれがある。そのため、光源制御部は、各反射面34a〜34l間の境界と光源132A,132Bからのレーザ光の光線が交差するタイミングでは光源132A,132Bを消灯するように、光源132A,132Bの点消灯をそれぞれ制御することが好ましい。
ところで、上述のように、配光パターンを構成するすべてのラインの光度を高くしようとすると、多くの光源が必要となったり、所望の配光パターンを形成するための効率が落ちたりするため、現実的ではない。
これに対して、上記において説明したように、第四実施形態に係るランプユニット1030(光照射装置の一例)は、第一光源132Aおよび第二光源132Bと、第一光源132Aから出射されたレーザ光(第一光の一例)と第二光源132Bから出射されたレーザ光(第二光の一例)とをそれぞれ反射させる回転ミラー34と、を備えている。そして、回転ミラー34の回転によって光源132A,132Bから出射されたレーザ光の反射方向が変位することで、車両前方においてレーザ光が複数の段に分かれてライン状に走査されて配光パターンP6が形成される。配光パターンP6は、第一光源132Aから出射されたレーザ光の走査により形成される第一配光パターンPaと、第二光源132Bから出射されたレーザの走査により形成される第二配光パターンPbとを含んでいる。そして、第一配光パターンPaと第二配光パターンPbの一部が重複するように配光パターンP6が形成されている。具体的には、配光パターンP6の左右方向(レーザ光の走査方向)における中央領域にて第一配光パターンPaと第二配光パターンPbとが重複するように形成されている。この構成によれば、簡便な構成で、例えば、配光パターンP6における中央領域を配光パターンP6における周辺領域よりも明るくすることができる。
なお、本例においては回転ミラー34を12面から成るポリゴンミラーで構成し、対角線上に配置された一対の反射面により反射された光が配光パターンP6のうち同一のラインを形成しているが、この例に限られない。例えば、1つの反射面により反射された光により1つのラインを形成するようにしてもよい。この場合は、例えば、配光パターンが6つのラインから構成されるとすると、回転ミラーは、上面視において6面体として形成され、回転方向に沿って6つの反射面を備えることとなる。
上記の第四実施形態においては、同一種類の第一光源132Aおよび第二光源132Bを用いているが、この例に限られない。光出射面の径が互いに異なる複数の光源を用いて、異なるスポット径のレーザ光をそれぞれ出射することで、上下幅の異なる複数のラインから構成された配光パターンを形成してもよい。
(第五実施形態)
図26〜30は、第五実施形態に係るランプユニット140の構成を示す上面図である。
図26〜30に示すように、ランプユニット140(第一ユニットの一例)は、光源142と、回転ミラー144(第一ミラー、第二ミラーの一例)と、平凸レンズ36と、蛍光体38とを備えている。光源142は、上下方向において、光軸Axに沿った位置(例えば、光軸Axの真下)に配置されている。なお、ランプユニット140は、例えば、右側前照灯に搭載されたランプユニットである。左側前照灯にもランプユニット140と同様の構成のランプユニット(第二ユニットの一例)が搭載される。
回転ミラー144は、回転ミラー144の外方向に突出した6つの凸状湾曲面(凸部の一例)として形成された反射面144a,144c,144e,144g,144i,144kと、回転ミラー144の回転軸R側に凹んだ6つの凹状湾曲面(凹部の一例)として形成された反射面144b,144d,144f,144h,144j,144lとを有している。具体的には、回転方向Dに沿って、凸状反射面144a、凹状反射面144b、凸状反射面144c、凹状反射面144d、凸状反射面144e、凹状反射面144f、凸状反射面144g、凹状反射面144h、凸状反射面144i、凹状反射面144j、凸状反射面144k、凹状反射面144lの順で凸状反射面と凹状反射面とが交互に連続するように形成されている。
このように構成された回転ミラー144において、例えば、光源142から出射されて凸状反射面144aの頂点で反射されたレーザ光Laは、左右方向において光軸Axに沿った方向に向かって進行する(図26参照)。回転ミラー144が図26の位置から回転方向Dに沿って回転されていくにつれて、反射光の進行方向は光軸Axから左側へ徐々に移動する。そして、凸状反射面144aと凹状反射面144bとの間の変曲点x1で反射されたレーザ光Lx1は、左右方向におけるレーザ光の拡散角度(拡散領域)の左端の位置に向かって進行する(図27参照)。続けて、回転ミラー144が図27の位置から回転方向Dに沿って回転されていくにつれて、反射光の進行方向が左端位置から折り返されて、右側へ徐々に移動する。そして、凹状反射面144bの底点で反射されたレーザ光Lbは、左右方向において光軸Axに沿った方向に向かって進行する(図28参照)。回転ミラー144が図28の位置から回転方向Dに沿ってさらに回転されていくにつれて、反射光の進行方向は光軸Axからさらに右側へ徐々に移動する。そして、凹状反射面144bと凸状反射面144cとの間の変曲点x2で反射されたレーザ光Lx2は、左右方向におけるレーザ光の拡散角度(拡散領域)の右端の位置に向かって進行する(図29参照)。続けて、回転ミラー144が図29の位置から回転方向Dに沿ってさらに回転されていくにつれて、反射光の進行方向が右端位置から折り返されて、左側へ徐々に移動する。そして、凸状反射面144cの頂点で反射されたレーザ光Lcは、左右方向において光軸Axに沿った方向に向けて反射される(図30参照)。
また、光源142からのレーザ光が凸状反射面144aの頂点で反射されるときの上下方向および前後方向からなる面における凸状反射面144aと光軸Axとの成す角は、光源142からのレーザ光が隣り合う他の反射面144b,144lの頂点で反射されるときの上下方向および前後方向からなる面における他の反射面144b,144lと光軸Axとの成す角とは異なるように形成されている。例えば、凹状反射面144bの底点における面と光軸Axとの成す角は、凸状反射面144aの頂点における面と光軸Axとの成す角よりもやや小さくなるように形成されている。同様に、凸状反射面144c、凹状反射面144d、凸状反射面144e、凹状反射面144f、凸状反射面144gの順で、各反射面の頂点または底点における面と光軸Axとの成す角が小さくなるように形成されている。これにより、凸状反射面144aの頂点により反射された光は、車両前方の上下方向において隣り合う他の反射面144b,144lの底点により反射された光とは異なる位置に照射される。例えば、凹状反射面144bの底点で反射された光は、凸状反射面144aの頂点で反射された光よりも上方に照射される。また、凸状反射面144cの頂点で反射された光は、凹状反射面144bの底点で反射された光よりも上方に照射される。
また、凹状反射面144hは、その底点における上下方向および前後方向にからなる面と光軸Axとの成す角が凹状反射面144fの底点における上下方向および前後方向からなる面と光軸Axとの成す角と同一となるように形成されている。これにより、凹状反射面144hの底点により反射された光は、車両前方の上下方向において凹状反射面144fの底点により反射された光と同一の位置に照射される。同様に、凸状反射面144iの頂点における面と光軸Axとの成す角は、凸状反射面144eの頂点における面と光軸Axとの成す角と同一となるように形成されている。これにより、凸状反射面144iの頂点により反射された光は、車両前方の上下方向において凸状反射面144eの頂点により反射された光と同一の位置に照射される。凹状反射面144jの底点における面と光軸Axとの成す角は、凹状反射面144dの底点における面と光軸Axとの成す角と同一となるように形成されている。これにより、凹状反射面144jの底点により反射された光は、車両前方の上下方向において凹状反射面144dの底点により反射された光と同一の位置に照射される。凸状反射面144kの頂点における面と光軸Axとの成す角は、凸状反射面144cの頂点における面と光軸Axとの成す角と同一となるように形成されている。これにより、凸状反射面144kの頂点により反射された光は、車両前方の上下方向において凸状反射面144cの頂点により反射された光と同一の位置に照射される。凹状反射面144lの底点における面と光軸Axとの成す角は、凹状反射面144bの底点における面と光軸Axとの成す角と同一となるように形成されている。これにより、凹状反射面144lの底点により反射された光は、車両前方の上下方向において凹状反射面144bの底点により反射された光と同一の位置に照射される。
なお、隣接する反射面の境界は、光軸Axに対する傾斜面の角度が緩やかに変化するように形成されていることが好ましい。これにより、後述する配光パターンP7(PR,PL)の折り返し部分を違和感なく形成することができる。
図31は、右側前照灯に搭載されたランプユニット140により車両前方に形成される配光パターンPRを示す。
図31に示すように、配光パターンPRは、レーザ光により形成されるラインが左右方向において複数の段を形成するように往復されることにより形成される。光源142から出射されたレーザ光は、回転ミラー144の各反射面144a〜144lにより反射され、蛍光体38を介して平凸レンズ36を透過する。
具体的には、凸状反射面144aの頂点で反射されたレーザ光Laにより、配光パターンPRを形成する最下部のラインLARの始点が形成される。ラインLARの始点は、仮想スクリーンの垂直軸V−Vよりも右寄りとなるように形成されている。続けて、凸状反射面144aの頂点から凸状反射面144aと凹状反射面144bとの間の変曲点x1まで反射されたレーザ光により、ラインLARが始点から右端に向けて形成される。そして、変曲点x1で反射されたレーザ光Lx1により、ラインLARの右端位置においてラインLARと当該ラインLARの上側に形成されるラインLBRとの折り返し部分が形成される。続けて、変曲点x1から凹状反射面144bの底点まで反射されたレーザ光により、ラインLBRがラインLARとの折り返し部分から左側に向けて形成される。そして、凹状反射面144bの底点で反射されたレーザ光Lbにより、ラインLBRの左右方向における中央部が形成される。続けて、凹状反射面144bの底点から凹状反射面144bと凸状反射面144cとの間の変曲点x2まで反射されたレーザ光により、ラインLBRが中央部から左端に向けて形成される。そして、変曲点x2で反射されたレーザ光Lx2により、ラインLBRの左端位置においてラインLBRと当該ラインLBRの上側に形成されるラインLCRとの折り返し部分が形成される。続けて、変曲点x2から凸状反射面144cの頂点まで反射されたレーザ光により、ラインLCRが折り返し部分から右側に向けて形成される。そして、凸状反射面144cの頂点で反射されたレーザ光Lcにより、ラインLCRの左右方向における中央部が形成される。続けて、凸状反射面144cの頂点から凸状反射面144cと凹状反射面144dとの間の変曲点まで反射されたレーザ光により、ラインLCRが中央部から右端に向けて形成される。
同様に、凹状反射面144d、凸状反射面144e、凹状反射面144f、凸状反射面144gの順で反射されたレーザ光により、ラインLCRの上側のラインLDR、ラインLDRの上側のラインLER、ラインLERの上側のラインLFR、ラインLFRの上側のラインLGRがそれぞれ折り返されて形成される。
また、凸状反射面144gと凹状反射面144hとの間の変曲点付近で反射されたレーザ光によりラインLGRから下側のラインLFRへと配光パターンが折り返される。そして、凹状反射面144h、凸状反射面144i、凹状反射面144j、凸状反射面144k、凹状反射面144lにより反射されたレーザ光により、ラインLFR、ラインLER、ラインLDR、ラインLCR、ラインLBRの順で光が照射される。最後に、凹状反射面144lと凸状反射面144aとの間の変曲点付近で反射されたレーザ光により、ラインLBRから下側のラインLARへと配光パターンが折り返され、凸状反射面144aの頂点により反射されたレーザ光によりラインLARの始点が再び照射される。
このように、回転ミラー144の回転方向Dに沿った回転に伴って各反射面144a〜144lによりレーザ光が反射されることにより、レーザ光が左右方向に折り返されながら車両前方に照射され、配光パターンPRを構成する複数のラインLAR〜LGRが上下方向に連続的に形成される。
図32は、左側前照灯に搭載されたランプユニット140により車両前方に形成される左側配光パターンPLを示す。
図32に示す左側配光パターンPLは、上下方向に連続して配置された複数のラインLAL〜LGLを含む。左側配光パターンPLはその左右方向の中央部が仮想スクリーンの垂直軸V−Vよりも左寄りとなるように形成されている。複数のラインLAL〜LGLは、図31の右側配光パターンPRと同様に、レーザ光が左右方向に折り返されながら車両前方に照射されることで、上下方向に連続的に形成される。
右側配光パターンPRおよび左側配光パターンPLを重複させることで、図33に示す配光パターンP7が形成される。図33に示す配光パターンP7は、右側配光パターンPRと左側配光パターンPLとが各ラインの左右方向における中央部において重複するように形成されている。
以上説明したように、第五実施形態に係る構成では、光源142および回転ミラー144を有する右側ランプユニット140と、光源142および回転ミラー144を有する左側ランプユニット140と、を備え、各ランプユニット140の回転ミラー144の回転によってレーザ光の反射方向がそれぞれ変位することで、各ランプユニット140の光源142から出射されたレーザ光がそれぞれ複数の段に分かれてライン状に走査されて配光パターンP7が形成される。配光パターンP7は、右側配光パターンPRと、左側配光パターンPLとを含み、右側配光パターンPRと左側配光パターンPLとが左右方向の中央領域において重複するように形成されている。この構成によれば、配光パターンP7の左右方向における中央領域の光度を左右方向における両端領域の光度よりも高く形成することができる。
ところで、参考実施形態および第四実施形態の構成においては、レーザ光の散乱を防止するため、回転ミラー34の各反射面の境界で光源32(132A,132B)を消灯させている。これに対して、上面視において連続的な曲面形状となるように形成された回転ミラー144の構成では、凸状反射面と凹状反射面との境界で光源142を消灯させる必要がない。そのため、配光パターンP7を効率よく形成することができる。
次に、第五実施形態に係るランプユニット140の変形例について説明する。
(第四変形例)
図34および図35は、第四変形例に係るランプユニット150の上面図を示す。
図34および図35に示すようにランプユニット150は、第一光源152Aと、第二光源152Bと、回転ミラー144と、平凸レンズ36と、蛍光体38と、を備えている。ランプユニット150は、2つの光源152A,152Bを備えている点で、1つの光源142のみを備えている第五実施形態のランプユニット140と相違する。
第一光源152Aは、図34に示す上面視において、回転ミラー34の右斜め前方に配置されている。そのため、第一光源152Aから出射されて回転ミラー144の各反射面144a〜144lで反射されたレーザ光の左右方向への拡散角度Wa1の方向(図34参照)は、参考実施形態の光源32から出射されて反射面34aで反射されたレーザ光の左右方向への拡散角度の方向(図3参照)よりもやや右寄りとなる。
一方、第二光源152Bは、回転ミラー34の左斜め前方に配置されている。そのため、第二光源152Bから出射されて各反射面144a〜144lで反射されたレーザ光の左右方向への拡散角度Wb2の方向(図35参照)は、参考実施形態の光源32から出射されて反射面34aで反射されたレーザ光の左右方向への拡散角度の方向(図3参照)よりもやや左寄りとなる。
第一光源152Aから出射されたレーザ光により形成される配光パターンは、例えば、図31に示す第五実施形態の右側配光パターンPRと同様に形成される。一方、第二光源152Bから出射されたレーザ光により形成される配光パターンは、例えば、図32に示す第五実施形態の左側配光パターンPLと同様に形成される。そして、右側配光パターンPRと左側配光パターンPLとが各ラインの左右方向における中央部において重複することで、図33に示す配光パターンP7と同様の配光パターンが形成可能である。
よって、第四変形例に係るランプユニット150によれば、簡便な構成で、配光パターンの左右方向における中央領域の光度を左右方向における両端領域の光度よりも高く形成することができる。
第四実施形態及び第五実施形態で用いたポリゴンミラー34の代わりに、ブレードスキャン方式の回転ミラー500を用いてもよい(図14参照)。図14の回転ミラー500を用いた場合も、第四実施形態及び第五実施形態と同様に、第一光源132Aから出射されたレーザ光を各ブレード501aより反射して第一配光パターンを形成するとともに、第二光源132Bから出射されたレーザ光を各ブレード501aにより反射して第二配光パターンを形成することができる。そして、第一配光パターンと第二配光パターンとの一部が重複するようにすることで、その重複領域をそれ以外の領域よりも明るくすることができる。
(第六実施形態)
図36は、第六実施形態に係るランプユニット1130の上面図を示す。図37は、ランプユニット1130が備える回転ミラー1134の上面図を示す。
図36に示すように、ランプユニット1130は、光源32と、回転ミラー1134と、平凸レンズ36と、蛍光体38と、を備えている。
図37に示すように、第六実施形態における回転ミラー1134は、回転方向Dに沿って並列して配置される複数(本例では6面)の反射面1134a〜1134fから構成されている。反射面1134a〜1134fは、全て平面状に形成されている。各反射面1134a〜1134fの間の境界部Bは、外向きに突出する凸状湾曲面として形成されている。
また、図4および図5に示す参考実施形態と同様に、光源32からのレーザ光が反射面1134aで反射されるときの上下方向および前後方向からなる面における反射面1134aと光軸Axとの成す角は、光源32からのレーザ光が他の反射面1134b〜1134fで反射されるときの他の各反射面1134b〜1134fと光軸Axとの成す角とは異なるように形成されている。例えば、反射面1134bと光軸Axとの成す角は、反射面1134aと光軸Axとの成す角よりもやや小さくなるように形成されている。同様に、反射面1134c、反射面1134d、反射面1134e、反射面1134fの順で、各反射面と光軸Axとの成す角が小さくなるように形成されている。これにより、一の反射面により反射された光は、車両前方の上下方向において他の反射面とは異なる位置に照射される。例えば、反射面1134bで反射された光は、反射面1134aで反射された光よりも上方に照射される。また、反射面1134cで反射された光は、反射面1134bで反射された光よりも上方に照射される。
図38は、比較例に係るランプユニットの光源32から出射された光が、回転ミラー234の境界部B1で反射された状態を示す上面図である。図39は、図38の回転ミラー234により反射された光で形成された配光パターンP8の一例を示す模式図である。
図38に示す比較例に係る回転ミラー234は、複数(ここでは6つ)の反射面234a〜234fを備えている。各反射面234a〜234fの間の境界部B1は、面取りされておらず、角のある境界線を有するエッジ部として形成されている。
このような回転ミラー234の境界部B1にて反射されたレーザ光は、図38に示すように複数の方向へ散乱し、意図しない方向へ反射してしまう場合がある。これにより、図39に示すように、配光パターンP8の各ラインLA8〜LF8の左右方向の両端部においてスポット光LSが発生する可能性がある。そのため、境界部B1が面取りされていない回転ミラー234を用いる場合には、参考実施形態と同様に、光源32から出射されたレーザ光が境界部B1で反射されないように、光源32からのレーザ光の出射方向が境界部B1と交差するタイミングにおいて光源32を消灯させる必要がある。しかしながら、このように各反射面の境界部B1で光が反射されるタイミングで光源32を消灯することで、レーザ光の消灯ロスが生じ、光の利用効率が下がるという不具合がある。
図40は、第六実施形態に係るランプユニット1130の光源32から出射された光が、回転ミラー1134の境界部Bで反射された状態を示す上面図である。図41は、図40の回転ミラー1134により反射された光で形成された配光パターンP9の一例を示す模式図である。
図40に示すように、第六実施形態に係る回転ミラー1134によれば、回転ミラー1134の隣接する反射面1134a〜1134fの間の境界部Bが面取りされた湾曲面として形成されている。そのため、図41に示すように、境界部Bで反射されたレーザ光は、左右方向の中央部において左右に拡散された状態で照射される。これにより、配光パターンP9の各ラインLA9〜LF9の左右方向の中央部(図41の照射領域LT)に光が拡散照射される。すなわち、回転ミラー1134の構成によれば、配光パターンP9の各ラインLA9〜LF9の左右方向の両端部においてスポット光(図39のスポット光LSのような光)が発生することを抑制することができる。このため、光源32から出射されたレーザ光が回転ミラー1134の境界部Bで反射されるタイミングにおいても光源32を消灯する必要がない。したがって、消灯ロスに起因するレーザ光の利用効率の低下を防止することができる。また、高速で回転している回転ミラー1134に対して、各反射面1134a〜1134fの境界部Bにおける光源32の点消灯の制御が不要となるため、光源32の制御が容易となる。
なお、図40に示す第六実施形態の回転ミラー1134の各反射面1134a〜1134fを構成する平面の回転方向Dに沿った長さは、図38に示す比較例の回転ミラー234の反射面234a〜234fを構成する平面の回転方向Dに沿った長さよりも短い。すなわち、第六実施形態の回転ミラー1134の面取りされた反射面1134a〜1134fは、比較例の回転ミラー234の面取りされていない反射面234a〜234fに比べて、各ラインを形成するために利用可能な長さが短くなる。そのため、図41に示す配光パターンP9のラインLA9〜LF9の左右方向の長さは、図39に示す配光パターンP8のラインLA8〜LF8の左右方向の長さよりも短くなる。
境界部Bは、面取りされていればよく、例えば、凸状湾曲面に代えて平面的な面取り部として構成してもよい。ただし、境界部Bにおいて反射されたレーザ光による迷光をできる限り防止するため、境界部Bは両側の反射面から曲面で連続的につながるような面として形成されることが好ましい(図37参照)。
(第五変形例)
図42は、第五変形例に係るランプユニットが備える回転ミラー334の一例を示す上面図である。
図42に示すように、第五変形例に係る回転ミラー334は、回転方向Dに沿って並列して配置される複数(本例では6面)の反射面334a〜334fで構成されている。反射面334a〜334fは、全て平面状に形成されている。反射面334aと反射面334bとの間の境界部B1は、面取りされていない角部として形成されている。同様に、反射面334aと反射面334fとの間の境界部B1および反射面334eと反射面334fとの間の境界部B1も、面取りされていない角部として形成されている。一方で、反射面334bと反射面334cとの間の境界部B、反射面334cと反射面334dとの間の境界部B、および反射面334dと反射面334eとの間の境界部Bは、凸状湾曲面として形成されている。
図43は、回転ミラー334により反射されたレーザ光で形成された配光パターンP10を示す模式図である。
反射面334aと反射面334bとの境界部B1で反射されたレーザ光は、複数の方向へ散乱する。そのため、図43に示すように、配光パターンP10のラインLA10およびラインLB10の左右方向の端部の少なくとも一部においてスポット光LSが形成される。同様に、反射面334aと反射面334fとの境界部B1で反射されたレーザ光により、ラインLA10およびラインLF10の左右方向の端部の少なくとも一部においてスポット光LSが形成される。また、反射面334eと反射面334fとの境界部B1で反射されたレーザ光により、ラインLE10およびラインLF10の左右方向の端部の少なくとも一部においてスポット光LSが形成される。このようなスポット光LSの形成を防止するためには、光源32から出射されるレーザ光の出射方向が、面取りされていない境界部B1と交差するタイミングにおいては、光源32を消灯させることが好ましい。
一方、反射面334bと反射面334cとの境界部Bで反射されたレーザ光により、配光パターンP10のラインLB10とラインLC10にまたがって左右方向の中央部に拡散光が照射される。同様に、面取りされている反射面334cと反射面334dとの境界部Bで反射されたレーザ光により、ラインLC10とラインLD10にまたがって左右方向の中央部に拡散光が照射される。また、面取りされている反射面334dと反射面334eとの境界部Bで反射されたレーザ光により、ラインLD10とラインLE10にまたがって左右方向の中央部に拡散光が照射される。このため、配光パターンP10の上下方向中央領域に形成されるラインLC10およびラインLD10は、その左右方向の中央部に境界部Bで反射された拡散光LTが照射されるものの、左右方向の端部においてはスポット光LSが発生する可能性は低い(図43参照)。
このように、本変形例によれば、配光パターンP10のうち上下方向の中央部のラインラインLC10,LD10上でのスポット光LSの発生を抑制することができる。ラインLC10,LD10は、対向車に対応する位置に形成されるラインであるため、スポット光LSにより対向車に対してグレアが生じることを防止することができる。
また、中央部のラインLC10,LD10(第二のラインの一例)を形成するために用いられる回転ミラー334の反射面334c,334dは、凸状湾曲面からなる境界部Bで挟まれている一方で、両側部のラインLA10,LF10(第一のラインの一例)を形成するために用いられる回転ミラー334の反射面334a,334fは、面取りされていない境界部B1で挟まれている。すなわち、反射面334a,334fを構成する平面の回転方向Dに沿った長さは、反射面334c,334dを構成する平面の回転方向Dに沿った長さよりも長い。すなわち、ラインLA10を形成するために利用可能な反射面334aの面積やラインLF10を形成するために利用可能な反射面334fの面積は、面取りされた境界部Bで挟まれた反射面334cや反射面334dよりも広く設定されている。そのため、ラインLA10およびラインLF10については、当該ライン上にスポット光LSが発生する場合があるものの、光の利用効率が上がるため、ラインLC10やラインLD10よりも光度を向上させることができる。したがって、本変形例に係る回転ミラー334の構成によれば、対向車に対するグレアの発生を防止することができるととともに、上下方向中央部のラインの光度を両側部のラインの光度により補うことができる。
(第七実施形態)
図44〜図51は、第七実施形態に係るランプユニット2130の上面図を示す。
図44〜図51に示すようにランプユニット2130は、光源2132と、回転ミラー2134と、平凸レンズ36と、蛍光体38と、を備えている。光源2132は、上下方向において、光軸Axに沿った位置(例えば、光軸Axの真下)に配置されている。
第七実施形態における回転ミラー2134の反射面は、回転ミラー2134の回転方向Dにおいて複数(本例では6個)の凸部2134a〜2134fと複数(本例では6個)の凹部2135a〜2135fとが連続的につながるように構成されている。凸部2134a〜2134fは、各々が回転軸R側とは反対側に突出する凸状湾曲反射面として形成されている。また、凹部2135a〜2135fは、各々が回転軸R側に凹んだ凹状湾曲反射面として形成されている。凸部2134a〜2134fは、同じ曲率を有する同形状の凸状湾曲反射面である。凹部2135a〜2135fは、同じ曲率を有する同形状の凹状湾曲反射面である。
凸部2134a〜2134fと凹部2135a〜2135fとは、回転方向Dに沿って交互に配置されている。以下の説明において、凸部2134a〜2134fと凹部2135a〜2135fとにおける隣り合う凸部と凹部との境界、すなわち凸状湾曲から凹状湾曲へと切替わる境界および凹状湾曲から凸状湾曲へと切替わる境界のことを「変曲点」という。例えば、凸部2134aと凹部2135aとにおける凸状湾曲と凹状湾曲の境界を変曲点aa、凹部2135aと凸部2134bとにおける凹状湾曲と凸状湾曲の境界を変曲点abという。また、凸部2134fと凹部2135fにおける凸状湾曲と凹状湾曲の境界を変曲点ff、凹部2135fと凸部2134aにおける凹状湾曲と凸状湾曲の境界を変曲点faという。
凸部2134a〜2134fのうち、凸部2134aと凸部2134dとは対角線上の反対側に配置されている。同様に、凸部2134bと凸部2134e、凸部2134cと凸部2134fとは対角線上の反対側に配置されている。また、凹部2135a〜2135fのうち、凹部2135aと凹部2135dとは対角線上の反対側に配置されている。同様に、凹部2135bと凹部2135e、凹部2135cと凹部2135fとは対角線上の反対側に配置されている。
図44は、光源2132から出射されたレーザ光が回転ミラー2134の凸部2134aにおける頂点Tで反射したときの様子を示している。図44に示すように、凸部2134aの頂点Tで反射したレーザ光Ltaは、ランプユニット2130の左右方向において光軸Axと略同じ方向へ進行するように構成されている。
図45は、回転ミラー2134が図44の位置から回転方向Dへ回転して、光源2132から出射されたレーザ光が回転ミラー2134における凸部2134aの頂点Tと変曲点aaとの間で反射したときの様子を示している。図45に示すように、凸部2134aの頂点Tと変曲点aaとの間で反射したレーザ光は、ランプユニット2130の左右方向において光軸Axの方向から左方向に角度WL1だけ外れた方向に進行するように構成されている。
図46は、回転ミラー2134が図45の位置から回転方向Dへ回転して、光源2132から出射されたレーザ光が回転ミラー2134の変曲点aaで反射したときの様子を示している。図46に示すように、変曲点aaで反射したレーザ光は、ランプユニット2130の左右方向において光軸Axの方向から左方向に角度WL2だけ外れた方向に進行するように構成されている。変更点aaで反射したレーザ光の進行方向と光軸Axとの成す角度WL2は、凸部2134aの頂点Tと変曲点aaとの間で反射したレーザ光の進行方向と光軸Axとの成す角度WL1よりも大きくなる。変曲点aaで反射したレーザ光の進行方向と光軸Axとのなす角度WL2、すなわち凸状湾曲から凹状湾曲へと切替わる境界で反射したレーザ光の進行方向と光軸Axとの成す角度が、レーザ光の進行方向が光軸Axから左方向に外れた場合の最大角度になる。
図47は、回転ミラー2134が図46の位置から回転方向Dへ回転して、光源2132から出射されたレーザ光が回転ミラー2134における変曲点aaと凹部2135aの底点Sとの間で反射したときの様子を示している。図47に示すように、変曲点aaと凹部2135aの底点Sとの間で反射したレーザ光は、ランプユニット2130の左右方向において光軸Axの方向から左方向に角度WL3だけ外れた方向に進行するように構成されている。変曲点aaと凹部2135aの底点Sとの間で反射したレーザ光の進行方向と光軸Axとの成す角度WL3は、変更点aaで反射したレーザ光の進行方向と光軸Axとの成す角度WL2よりも小さくなる。
図48は、回転ミラー2134が図47の位置から回転方向Dへ回転して、光源2132から出射されたレーザ光が回転ミラー2134の凹部2135aにおける底点Sで反射したときの様子を示している。図48に示すように、凹部2135aの底点Sで反射したレーザ光Lsaは、ランプユニット2130の左右方向において光軸Axと略同じ方向へ進行するように構成されている。
図49は、回転ミラー2134が図48の位置から回転方向Dへ回転して、光源2132から出射されたレーザ光が回転ミラー2134における凹部2135aの底点Sと変曲点abとの間で反射したときの様子を示している。図49に示すように、凹部2135aの底点Sと変曲点abとの間で反射したレーザ光は、ランプユニット2130の左右方向において光軸Axの方向から右方向に角度WR1だけ外れた方向に進行するように構成されている。
図50は、回転ミラー2134が図49の位置から回転方向Dへ回転して、光源2132から出射されたレーザ光が回転ミラー2134の変曲点abで反射したときの様子を示している。図50に示すように、変曲点abで反射したレーザ光は、ランプユニット2130の左右方向において光軸Axの方向から右方向に角度WR2だけ外れた方向に進行するように構成されている。変更点abで反射したレーザ光の進行方向と光軸Axとの成す角度WR2は、凹部2135aの底点Sと変曲点abとの間で反射したレーザ光の進行方向と光軸Axとの成す角度WR1よりも大きくなる。変曲点abで反射したレーザ光の進行方向と光軸Axとの成す角度WR2、すなわち凹状湾曲から凸状湾曲へと切替わる境界で反射したレーザ光の進行方向と光軸Axとの成す角度が、レーザ光の進行方向が光軸Axから右方向に外れた場合の最大角度になる。
図51は、回転ミラー2134が図50の位置から回転方向Dへ回転して、光源2132から出射されたレーザ光が回転ミラー2134における変曲点abと凸部2134bの頂点Tとの間で反射したときの様子を示している。図51に示すように、変曲点abと凸部2134bの頂点Tとの間で反射したレーザ光は、ランプユニット2130の左右方向において光軸Axの方向から右方向に角度WR3だけ外れた方向に進行するように構成されている。変曲点abと凸部2134bの頂点Tとの間で反射したレーザ光の進行方向と光軸Axとの成す角度WR3は、変更点abで反射したレーザ光の進行方向と光軸Axとの成す角度WR2よりも小さくなる。
なお、図示は省略するが、回転ミラー2134が図51の位置から回転方向Dへ回転して、光源2132から出射されたレーザ光が凸部2134bの頂点Tで反射すると、図44に示す凸部2134aの頂点Tで反射した場合と同様にレーザ光は光軸Axと略同じ方向へ進行する。そして、凸部2134bの頂点Tから凹部2135bを通って次の凸部2134cの頂点Tに達するまでの反射面により、上述した図44から図51に至るまでの一連のレーザ光の反射が繰り返される。
このように、一つの凸部とその凸部に隣接する一つの凹部とにより反射されたレーザ光によって、ランプユニット2130の左右方向における一往復を走査する走査ラインが形成される。
図4及び図5に示す参考実施形態と同様に、光源2132からのレーザ光が一つの凸部で反射されるときの当該凸部と光軸Axとの成す角は、光源2132からのレーザ光が当該凸部と隣り合う一つの凹部で反射されるときの当該凹部と光軸Axとの成す角と異なるように形成されている。例えば、光源2132からのレーザ光が隣り合う凹部2135aで反射されるときの凹部2135aと光軸Axとの成す角は、光源2132からのレーザ光が凸部2134aで反射されるときの当該凸部2134aと光軸Axとの成す角よりもやや小さくなるように形成されている。同様に、凸部2134b、凹部2135b、凸部2134c、凹部2135c、凸部2134dの順で、各反射面の頂点における面と光軸Axとの成す角が小さくなるように形成されている。これにより、凸部2134aの頂点Tにより反射されたレーザ光Ltaは、車両前方の上下方向において隣り合う凹部2135aの底点Sにより反射されたレーザ光Lsaとは異なる位置に照射される。例えば、凹部2135aの底点Sで反射されたレーザ光Lsaは、図52に示す配光パターンP11において、凸部2134aの頂点Tで反射されたレーザ光Ltaよりも上方に照射される。また、凸部2134bの頂点Tで反射されたレーザ光Ltbは、凹部2135aの底点Sで反射されたレーザ光Lsaよりも上方に照射される。
また、凹部2135dは、その底点における上下方向および前後方向にからなる面と光軸Axとの成す角が凹部2135cの底点における上下方向および前後方向からなる面と光軸Axとの成す角と同一となるように形成されている。これにより、凹部2135dの底点により反射されたレーザ光Lsdは、車両前方の上下方向において凹部2135cの底点により反射されたレーザ光Lscと同一の位置に照射される。同様に、凸部2134eの頂点における面と光軸Axとの成す角は、凸部2134cの頂点における面と光軸Axとの成す角と同一となるように形成されている。これにより、凸部2134eの頂点により反射されたレーザ光Lteは、車両前方の上下方向において凸部2134cの頂点により反射されたレーザ光Ltcと同一の位置に照射される。また、凹部2135eの底点における面と光軸Axとの成す角は、凹部2135bの底点における面と光軸Axとの成す角と同一となるように形成されている。これにより、凹部2135eの底点により反射されたレーザ光Lseは、車両前方の上下方向において凹部2135bの底点により反射されたレーザ光Lsbと同一の位置に照射される。また、凸部2134fの頂点における面と光軸Axとの成す角は、凸部2134bの頂点における面と光軸Axとの成す角と同一となるように形成されている。これにより、凸部2134fの頂点により反射されたレーザ光Ltfは、車両前方の上下方向において凸部2134bの頂点により反射されたレーザ光Ltbと同一の位置に照射される。また、凹部2135fの底点における面と光軸Axとの成す角は、凹部2135aの底点における面と光軸Axとの成す角と同一となるように形成されている。これにより、凹部2135fの底点により反射されたレーザ光Lsfは、車両前方の上下方向において凹部2135aの底点により反射されたレーザ光Lsaと同一の位置に照射される。
なお、隣接する凸部と凹部との境界は、光軸Axに対する傾斜面の角度が緩やかに変化するように形成されていることが好ましい。これにより、後述する配光パターンP6の折り返し部分を違和感なく形成することができる。
図52は、第七実施形態に係るランプユニット2130により車両前方に形成される配光パターンP11を車両側から観察した図である。
図52に示すように、配光パターンP11は、レーザ光により形成される複数のライン(L11〜L17)を含んでいる。光源2132から出射されたレーザ光は、回転ミラー2134の凸部2134a〜2134fおよび凹部2135a〜2135fにより反射され、蛍光体38を介して平凸レンズ36を透過する。本例では、参考実施形態と同様に、平凸レンズ36の後方焦点は、蛍光体38の光出射面近傍に設定されているため、蛍光体38の光出射面上の光源像が上下左右反転して配光パターンP11が形成される。
具体的には、凸部2134aにおける変曲点faから頂点Tを通り変曲点aaまで反射されたレーザ光により、図52に示す配光パターンP11のうち最下部の第一ラインL11が形成される。ここで、凸部2134aの頂点Tで反射されたレーザ光Ltaは、最下部の第一ラインL11の中央部に照射される。このように、変曲点faから頂点Tを通り変曲点aaまで反射されたレーザ光は、第一ラインL11の左端部から中央部を通り右端部へ向けて走査される。
続いて、凹部2135aにおける変曲点aaから底点Sを通り変曲点abにおいて反射されたレーザ光により、第一ラインL11の上側に第二ラインL12が形成される。ここで、凸部2134aと凹部2135aとの間の変曲点aaで反射されたレーザ光Laaは、第一ラインL11と第一ラインL11の上側に配置される第二ラインL12との折り返し部分に照射される。また、凹部2135aの底点Sで反射されたレーザ光Lsaは、第二ラインL12の中央部に照射される。このように、変曲点aaから底点Sを通り変曲点abにおいて反射されたレーザ光は、第二ラインL12の右端部から中央部を通り左端部へ向けて走査される。
続いて、凸部2134bにおける変曲点abから頂点Tを通り変曲点bbにおいて反射されたレーザ光により、第二ラインL12の上側に第三ラインL13が形成される。ここで、凸部2134bの頂点Tで反射されたレーザ光Ltbは、第二ラインL13の中央部に照射される。このように、変曲点abから頂点Tを通り変曲点bbにおいて反射されたレーザ光は、第三ラインL13の左端部から中央部を通り右端部へ向けて走査される。
続いて、凹部2135bにおける変曲点bbから底点Sを通り変曲点bcにおいて反射されたレーザ光により、第三ラインL13の上側に第四ラインL14が形成される。ここで、凹部2135bの底点Sで反射されたレーザ光Lsbは、第四ラインL14の中央部に照射される。このように、変曲点bbから底点Sを通り変曲点bcにおいて反射されたレーザ光は、第四ラインL14の右端部から中央部を通り左端部へ向けて走査される。
続いて、凸部2134cにおける変曲点bcから頂点Tを通り変曲点ccにおいて反射されたレーザ光により、第四ラインL14の上側に第五ラインL15が形成される。ここで、凸部2134cの頂点Tで反射されたレーザ光Ltcは、第五ラインL15の中央部に照射される。このように、変曲点bcから頂点Tを通り変曲点ccにおいて反射されたレーザ光は、第五ラインL15の左端部から中央部を通り右端部へ向けて走査される。
続いて、凹部2135cにおける変曲点ccから底点Sを通り変曲点cdにおいて反射されたレーザ光により、第五ラインL15の上側に第六ラインL16が形成される。ここで、凹部2135cの底点Sで反射されたレーザ光Lscは、第六ラインL16の中央部に照射される。このように、変曲点ccから底点Sを通り変曲点cdにおいて反射されたレーザ光は、第六ラインL16の右端部から中央部を通り左端部へ向けて走査される。
続いて、凸部2134dにおける変曲点cdから頂点Tを通り変曲点ddにおいて反射されたレーザ光により、第六ラインL16の上側に第七ラインL17が形成される。ここで、凸部2134dの頂点Tで反射されたレーザ光Ltdは、第七ラインL17の中央部に照射される。このように、変曲点cdから頂点Tを通り変曲点ddにおいて反射されたレーザ光は、第七ラインL17の左端部から中央部を通り右端部へ向けて走査される。
続いて、凹部2135dにおける変曲点ddから底点Sを通り変曲点deにおいて反射されたレーザ光により、第七ラインL17の下側の第六ラインL16が形成される。ここで、凹部2135dの底点Sで反射されたレーザ光Lsdは、第六ラインL16の中央部、すなわち、凹部2135cの底点Sで反射されたレーザ光Lscと同一の位置に照射される。このように、変曲点ddから底点Sを通り変曲点deにおいて反射されたレーザ光は、第六ラインL16の右端部から中央部を通り左端部へ向けて走査される。
続いて、凸部2134eにおける変曲点deから頂点Tを通り変曲点eeにおいて反射されたレーザ光により、第六ラインL16の下側の第五ラインL15が形成される。ここで、凸部2134eの頂点Tで反射されたレーザ光Lteは、第五ラインL15の中央部、すなわち、凸部2134cの頂点Tで反射されたレーザ光Ltcと同一の位置に照射される。このように、変曲点deから頂点Tを通り変曲点eeにおいて反射されたレーザ光は、第五ラインL15の左端部から中央部を通り右端部へ向けて走査される。
続いて、凹部2135eにおける変曲点eeから底点Sを通り変曲点efにおいて反射されたレーザ光により、第五ラインL15の下側の第四ラインL14が形成される。ここで、凹部2135eの底点Sで反射されたレーザ光Lseは、第四ラインL14の中央部、すなわち、凹部2135bの底点Sで反射されたレーザ光Lsbと同一の位置に照射される。このように、変曲点eeから底点Sを通り変曲点efにおいて反射されたレーザ光は、第四ラインL14の右端部から中央部を通り左端部へ向けて走査される。
続いて、凸部2134fにおける変曲点efから頂点Tを通り変曲点ffにおいて反射されたレーザ光により、第四ラインL14の下側の第三ラインL13が形成される。ここで、凸部2134fの頂点Tで反射されたレーザ光Ltfは、第三ラインL13の中央部、すなわち、凸部2134bの頂点Tで反射されたレーザ光Ltbと同一の位置に照射される。このように、変曲点efから頂点Tを通り変曲点ffにおいて反射されたレーザ光は、第三ラインL13の左端部から中央部を通り右端部へ向けて走査される。
続いて、凹部2135fにおける変曲点ffから底点Sを通り変曲点faにおいて反射されたレーザ光により、第三ラインL13の下側の第二ラインL12が形成される。ここで、凹部2135fの底点Sで反射されたレーザ光Lsfは、第二ラインL12の中央部、すなわち、凹部2135aの底点Sで反射されたレーザ光Lsaと同一の位置に照射される。このように、変曲点ffから底点Sを通り変曲点faにおいて反射されたレーザ光は、第二ラインL12の右端部から中央部を通り左端部へ向けて走査される。
そして、再び、凸部2134aにおける変曲点faから頂点Tを通り変曲点aaまで反射されたレーザ光が、第二ラインL12の下側であって配光パターンP11の最下部の第一ラインL11の左端部から中央部を通り右端部へ向けて走査されることで、第一ラインL11が形成される。
ところで、例えば、回転ミラーが上面視において平面状の反射面を多角形状に配置したポリゴンミラーで構成されている場合、各反射面の間の境界で光源からのレーザ光が反射されると、レーザ光が散乱して不適切な配光が形成されるおそれがある。そこで、このレーザ光の散乱を防止するために、各反射面の間の境界と光源からのレーザ光の光線が交差するタイミングで光源を消灯するように光源の点消灯を制御することが考えられる。この光源を消灯するタイミングは、配光パターンの左右方向における両端部を形成するタイミングに相当する。しかしながら、このタイミングで光源を消灯すると、配光パターンの左右方向の両端部を形成する際のレーザ光の消灯ロスが生じるという不具合がある。
これに対して、上記第七実施形態に係るランプユニット2130の回転ミラー2134は、凸部2134a〜2134fと凹部2135a〜2135fにより構成されている。すなわち、凸状に湾曲した反射面2134a〜2134fと凹状に湾曲した反射面2135a〜2135fとが回転方向Dに沿って連続的に交互に配置されている。この構成によれば各凸部と凹部との境界(変曲点)にエッジ部が発生しないので、凸部と凹部との境界で反射するレーザ光が散乱することがない。このため、配光パターンP11を構成する各ラインL11〜L17の左右方向における両端部を形成する際に光源2132を消灯する必要がなくなる。したがって、消灯ロスに起因するレーザ光の利用効率の低下を防止することができる。また、高速で回転している回転ミラー2134に対して反射面の境界領域における光源2132の点消灯の制御をなくすことができるので光源2132の制御が容易となる。
また、隣接する一つの凸部と一つの凹部とにより反射されたレーザ光によって配光パターンP11の左右方向(レーザ光の走査方向)における一往復の走査ラインを形成することができる。これにより、各走査ラインの両端部において光源を消灯することなく、一往復のラインを連続的に形成することができる。
また、凸部2134a〜2134fと凹部2135a〜2135fとが回転方向Dに沿って交互に配置されているので、配光パターンP11の全体領域にわたって均一なレーザ光を照射することができる。
また、凸部および凹部と光軸Axとの成す角(傾斜面の角度)が、例えば、凸部2134aから凹部2135a、凸部2134b、凹部2135b、凸部2134c、凹部2135c、凸部2134dの順に少しずつ小さくなるように構成されている。さらに、凸部および凹部と光軸Axとの成す角(傾斜面の角度)が、凸部2134dから凹部2135d、凸部2134e、凹部2135e、凸部2134f、凹部2135f、凸部2134aの順に少しずつ大きくななるように構成されている。このため、回転ミラー2134による配光パターンP11の左右方向へのレーザ光の走査を左端部から右方向に走査して右端部まで達したら、走査を上方向に一段ずらして今度は右端部から左方向に向けて走査することが可能である。また、配光パターンP11の最上部のラインを走査したら、今度は最上部のラインの一段下のラインから順に下側のラインへと走査することが可能である。このため、各走査ライン間において切れ目のない連続的な走査により均一な配光パターンP11を形成することができる。
(第八実施形態)
図53は、第八実施形態において、図2の光学ユニットにより車両前方に形成される配光パターンP12の一例を示す模式図である。制御装置は、モータ40に備わるセンサが取得した情報に基づき、回転ミラー34の回転角度(周方向の位置)を特定する。制御装置は、当該特定された回転ミラー34の回転角度に基づき、配光パターンP12の中央部分CRの光度を中央部分CR以外の部分(例えば、配光パターンP12の左右端)の光度よりも高くするように制御する。例えば、当該制御装置は、光が反射面34a〜34lの中央部に当たるときの光の出力を100%に制御する。一方、当該制御装置は、光源32の光が反射面34a〜34lの中央部以外の部分に当たるときの光の出力を80%に制御する。これにより、第八実施形態に係る車両用前照灯10を備える車両においては、当該車両の前方中央を重点的に照らすことができる。
制御装置は、光源32の光の出力を強めることもできる。例えば、通常時における光源32の光の出力が80%である場合において、光が反射面34a〜34lの中央部に当たるとき、当該制御装置は、光源32の光の出力を100%に制御する。このようにして、配光パターンP12の中央部分CRの光度を中央部分CR以外の部分の光度よりも高くしてもよい。
制御装置は、光源32の光が反射面34a〜34lの中央部又は当該中央部に当たるとき以外においても、光の出力を強める又は弱めることができる。このため、第八実施形態に係る車両用前照灯10を備える車両においては、当該車両が備えるLIDAR等のセンサから得られた情報に基づき、ある特定の歩行者や対象物等に対して重点的に光を照射することができる。
(第九実施形態)
図54〜58は、第九実施形態に係るランプユニット1140の構成を示す上面図である。
図54〜58に示すように、ランプユニット1140は、光源1142と、回転ミラー1144と、平凸レンズ36と、蛍光体38とを備えている。光源1142は、上下方向において、光軸Axに沿った位置(例えば、光軸Axの真下)に配置されている。光源1142は、第一実施形態に係る制御装置と同様の制御装置(図示せず)により、点消灯の制御が可能となっている。
回転ミラー1144は、回転ミラー1144の外方向に突出した6つの凸状湾曲面(凸部の一例)として形成された反射面1144a,1144c,1144e,1144g,1144i,1144kと、回転ミラー1144の回転軸R側に凹んだ6つの凹状湾曲面(凹部の一例)として形成された反射面1144b,1144d,1144f,1144h,1144j,1144lとを有している。具体的には、回転方向Dに沿って、凸状反射面1144a、凹状反射面1144b、凸状反射面1144c、凹状反射面1144d、凸状反射面1144e、凹状反射面1144f、凸状反射面1144g、凹状反射面1144h、凸状反射面1144i、凹状反射面1144j、凸状反射面1144k、凹状反射面1144lの順で凸状反射面と凹状反射面とが交互に連続するように形成されている。
このように構成された回転ミラー1144において、例えば、光源1142から出射されて凸状反射面1144aの頂点で反射されたレーザ光Laは、左右方向において光軸Axに沿った方向に向かって進行する(図54参照)。回転ミラー1144が図54の位置から回転方向Dに沿って回転されていくにつれて、反射光の進行方向は光軸Axから左側へ徐々に移動する。そして、凸状反射面1144aと凹状反射面1144bとの間の変曲点x1で反射されたレーザ光Lx1は、左右方向におけるレーザ光の拡散角度(拡散領域)の左端の位置に向かって進行する(図55参照)。続けて、回転ミラー1144が図55の位置から回転方向Dに沿って回転されていくにつれて、反射光の進行方向が左端位置から折り返されて、右側へ徐々に移動する。そして、凹状反射面1144bの底点で反射されたレーザ光Lbは、左右方向において光軸Axに沿った方向に向かって進行する(図56参照)。回転ミラー1144が図56の位置から回転方向Dに沿ってさらに回転されていくにつれて、反射光の進行方向は光軸Axからさらに右側へ徐々に移動する。そして、凹状反射面1144bと凸状反射面1144cとの間の変曲点x2で反射されたレーザ光Lx2は、左右方向におけるレーザ光の拡散角度(拡散領域)の右端の位置に向かって進行する(図57参照)。続けて、回転ミラー1144が図57の位置から回転方向Dに沿ってさらに回転されていくにつれて、反射光の進行方向が右端位置から折り返されて、左側へ徐々に移動する。そして、凸状反射面1144cの頂点で反射されたレーザ光Lcは、左右方向において光軸Axに沿った方向に向けて反射される(図58参照)。
また、光源1142からのレーザ光が凸状反射面1144aの頂点で反射されるときの上下方向および前後方向からなる面における凸状反射面1144aと光軸Axとの成す角は、光源1142からのレーザ光が他の反射面1144b〜1144lの頂点または底点で反射されるときの上下方向および前後方向からなる面における他の反射面1144b〜1144lと光軸Axとの成す角とは異なるように形成されている。例えば、凹状反射面1144bの底点における面と光軸Axとの成す角は、凸状反射面1144aの頂点における面と光軸Axとの成す角よりもやや小さくなるように形成されている。同様に、凸状反射面1144c、凹状反射面1144d、凸状反射面1144e、凹状反射面1144f、凸状反射面1144gの順で、各反射面の頂点または底点における面と光軸Axとの成す角が小さくなるように形成されている。これにより、凸状反射面1144aの頂点により反射された光は、車両前方の上下方向において他の反射面1144b〜1144lの頂点により反射された光とは異なる位置に照射される。例えば、凹状反射面1144bの底点で反射された光は、凸状反射面1144aの頂点で反射された光よりも上方に照射される。また、凸状反射面1144cの頂点で反射された光は、凹状反射面1144bの底点で反射された光よりも上方に照射される。
また、凹状反射面1144hは、その底点における上下方向および前後方向にからなる面と光軸Axとの成す角が凹状反射面1144fの底点における上下方向および前後方向からなる面と光軸Axとの成す角と同一となるように形成されている。これにより、凹状反射面1144hの底点により反射された光は、車両前方の上下方向において凹状反射面1144fの底点により反射された光と同一の位置に照射される。同様に、凸状反射面1144iの頂点における面と光軸Axとの成す角は、凸状反射面1144eの頂点における面と光軸Axとの成す角と同一となるように形成されている。これにより、凸状反射面1144iの頂点により反射された光は、車両前方の上下方向において凸状反射面1144eの頂点により反射された光と同一の位置に照射される。凹状反射面1144jの底点における面と光軸Axとの成す角は、凹状反射面1144dの底点における面と光軸Axとの成す角と同一となるように形成されている。これにより、凹状反射面1144jの底点により反射された光は、車両前方の上下方向において凹状反射面1144dの底点により反射された光と同一の位置に照射される。凸状反射面1144kの頂点における面と光軸Axとの成す角は、凸状反射面1144cの頂点における面と光軸Axとの成す角と同一となるように形成されている。これにより、凸状反射面1144kにより反射された光は、車両前方の上下方向において凸状反射面1144cにより反射された光と同一の位置に照射される。凹状反射面1144lの底点における面と光軸Axとの成す角は、凹状反射面1144bの底点における面と光軸Axとの成す角と同一となるように形成されている。これにより、凹状反射面1144lにより反射された光は、車両前方の上下方向において凹状反射面1144bにより反射された光と同一の位置に照射される。
なお、隣接する反射面の境界は、光軸Axに対する傾斜面の角度が緩やかに変化するように形成されていることが好ましい。これにより、後述する配光パターンP13の折り返し部分を違和感なく形成することができる。
図59は、図54の光学ユニットにより車両前方に形成される配光パターンP13の模式図である。
図59に示すように、配光パターンP13は、レーザ光により形成されるラインが左右方向において複数の段を形成するように往復されることにより形成される。光源1142から出射されたレーザ光は、回転ミラー1144の各反射面1144a〜1144lにより反射され、蛍光体38を介して平凸レンズ36を透過する。本例では、平凸レンズ36の後方焦点は、蛍光体38の光出射面上に設定されているため、蛍光体38の光出射面上の光源像が上下左右反転して配光パターンP13が形成される。
具体的には、凸状反射面1144aの頂点で反射されたレーザ光Laにより、配光パターンP13を形成する最下部のラインLA13の始点が形成される。ラインLA13の始点は、仮想スクリーンの垂直軸V−V上に形成されている。続けて、凸状反射面1144aの頂点から凸状反射面1144aと凹状反射面1144bとの間の変曲点x1まで反射されたレーザ光により、ラインLA13が始点から右端に向けて形成される。そして、変曲点x1で反射されたレーザ光Lx1により、ラインLA13の右端位置においてラインLA13と当該ラインLA13の上側に形成されるラインLB13との折り返し部分が形成される。続けて、変曲点x1から凹状反射面1144bの底点まで反射されたレーザ光により、ラインLB13がラインLA13との折り返し部分から左側に向けて形成される。そして、凹状反射面1144bの底点で反射されたレーザ光Lbにより、ラインLB13の左右方向における中央部が形成される。続けて、凹状反射面1144bの底点から凹状反射面1144bと凸状反射面1144cとの間の変曲点x2まで反射されたレーザ光により、ラインLB13が中央部から左端に向けて形成される。そして、変曲点x2で反射されたレーザ光Lx2により、ラインLB13の左端位置においてラインLB13と当該ラインLB13の上側に形成されるラインLC13との折り返し部分が形成される。続けて、変曲点x2から凸状反射面1144cの頂点まで反射されたレーザ光により、ラインLC13が折り返し部分から右側に向けて形成される。そして、凸状反射面1144cの頂点で反射されたレーザ光Lcにより、ラインLC13の左右方向における中央部が形成される。続けて、凸状反射面1144cの頂点から凸状反射面1144cと凹状反射面1144dとの間の変曲点まで反射されたレーザ光により、ラインLC13が中央部から右端に向けて形成される。
同様に、凹状反射面1144d、凸状反射面1144e、凹状反射面1144f、凸状反射面1144gの順で反射されたレーザ光により、ラインLC13の上側のラインLD13、ラインLD13の上側のラインLE13、ラインLE13の上側のラインLF13、ラインLF13の上側のラインLG13がそれぞれ折り返されて形成される。
また、凸状反射面1144gと凹状反射面1144hとの間の変曲点付近で反射されたレーザ光によりラインLG13から下側のラインLF13へと配光パターンが折り返される。そして、凹状反射面1144h、凸状反射面1144i、凹状反射面1144j、凸状反射面1144k、凹状反射面1144lにより反射されたレーザ光により、ラインLF13、ラインLE13、ラインLD13、ラインLC13、ラインLB13の順で光が照射される。最後に、凹状反射面1144lと凸状反射面1144aとの間の変曲点付近で反射されたレーザ光により、ラインLB13から下側のラインLA13へと配光パターンが折り返され、凸状反射面1144aの頂点により反射されたレーザ光により最下部のラインLA13の始点が再び照射される。
このように、回転ミラー1144の回転方向Dに沿った回転に伴って各反射面1144a〜1144lによりレーザ光が反射されることにより、レーザ光が左右方向に折り返されながら車両前方に照射され、配光パターンP13を構成する複数のラインLA13〜LG13が上下方向に連続的に形成される。
図60は、光源1142から出射される光の出力が一定である場合における配光パターンP13の一例を示す模式図である。図60に示すように、光源1142から出射される光の出力が一定である場合、配光パターンP13の左端LE及び右端REにおける光度は、他の部分における光度と比べて高くなる。これは、光源1142の光が凸状反射面と凹状反射面との間の変曲点及びその近傍に当たると、走査速度が相対的に遅くなり、左端LE及び右端REにおける光の照射時間が長くなるからである。この結果、左端LE及び右端REに光溜まりが生じる。このため、左端LE及び右端REにおいては、他の部分と比べて、視認性に違和感が生じる。
光源1142の光が凸状反射面と凹状反射面との間の変曲点及びその近傍に当たるとき、制御装置は、光の出力が他の部分(例えば中央部分CR13)より弱くなるように制御する。例えば、制御装置は、凸状反射面と凹状反射面との間の変曲点及びその近傍へ光を照射する際の光源の出力を20%程度に制御する。この場合、配光パターンP13の左端LE及び右端REにおける光度は、他の部分における光度と同程度またはそれ以下となる。このため、左端LE及び右端REに光溜まりは生じない。この結果、左端LE及び右端REにおける視認性の違和感は生じにくくなる。
さらにこの場合、光源1142の光が凸状反射面と凹状反射面との間の変曲点に当たるときの光源1142の消費電力は小さくなる。このため、第九実施形態の光学ユニットは、光源1142の消費電力の低減に寄与する。
制御装置は、光源1142の光が凸状反射面と凹状反射面との間の変曲点に当たるとき以外においても、光の出力を強める又は弱めることができる。例えば、制御装置は、光源1142の光が凸状反射面と凹状反射面との間の変曲点に当たるときの光の出力を30%に、反射面1144a〜1144lの頂点に当たるときの光の出力を100%に、これら以外の部分に当たるときの光の出力を70%に制御する。そうすると、中央部分CR13の光度は、他の部分(例えば、左端LE及び右端RE)の光度と比べて高くなる。このように、当該制御装置はラインの光度の調整を自在に制御することができる。このため、第九実施形態に係る車両用前照灯10を備える車両においては、当該車両が備えるLIDAR等のセンサから得られた情報に基づき、ある特定の歩行者や対象物等に対して重点的に光を照射することができる。
さらに、第八実施形態及び第九実施形態において、制御装置は、本実施形態に係る車両用前照灯10を備える車両の位置情報に基づき、光の出力を強める又は弱めることができる。例えば、当該車両が備えるGPSにより取得された車両の位置情報から、制御装置が、当該車両が高速道路を走行していると判断した場合、光は車両前方の中央部分に重点的に照射される。
第八実施形態及び第九実施形態に係る光照射装置によれば、光源1142から出射される光の出力を自在に変化させることができる。このため、光を重点的に照射したい箇所の光度を高くするなど、光度をより細やかに調整することができる。
上記第八及び第九実施形態で用いたポリゴンミラー34の代わりに、ブレードスキャン方式の回転ミラー(回転リフレクタ)500を用いてもよい(図14参照)。制御装置は、第八実施形態で説明したように、光源32の光の出力を制御する。このため、ポリゴンミラー34の代わりに回転ミラー500を用いた光照射装置についても、光を重点的に照射したい箇所の光度を高くするなど、光度をより細やかに調整することができる。
上記の第八実施形態及び第九実施形態において、制御装置は、配光パターンP12のラインLA12〜LF12の全て、または配光パターンP13のラインLA13〜LF13の全てについて、光の出力を一律に制御しているがこの例に限られない。制御装置は、一つのラインだけ、他のラインと光度が異なるように光の出力を制御してもよいし、ラインごとに光度を異なるように光の出力を制御させてもよい。
上記の第八実施形態及び第九実施形態においては、上面視において12面体の回転ミラー34を用い、対角線上に配置された一対の反射面により反射された光が配光パターンのうち同一のラインを形成しているが、この例に限られない。例えば、1つの反射面により反射された光により1つのラインを形成するようにしてもよい。この場合は、例えば、配光パターンが6つのラインから構成されるとすると、回転ミラーは、上面視において6面体として形成され、回転方向に沿って6つの反射面を備えることとなる。
(第十実施形態)
第十実施形態に係るハイビーム用のランプユニット3030は、図61〜図64に示すように、光源32と、リフレクタとしての回転ミラー3034と、回転ミラー3034の前方に配置された投影レンズとしての平凸レンズ36と、回転ミラー3034と平凸レンズ36との間に配置された蛍光体38と、を備えている。
図61に示されるように、回転ミラー3034は、皿状部材341と、複数の支柱342と、複数の反射板343(環状ミラーの一例)と、を含む。回転ミラー3034は、駆動源としてのモータ40に回転自在に接続されている。回転ミラー3034は、モータ40により回転軸Rを中心に回転方向Dに回転する。回転ミラー3034の回転軸Rは、光軸Axに対して斜めになっている(図63参照)。このため、光源32の光を用いた走査が可能となる。
複数の反射板343は略四角形の板状の部材である。複数の反射板343は、多角形状の環状に連なって環状ミラーを構成している。環状に連なった反射板343の内側を向いた面は、アルミ蒸着等で、反射面として形成されている。本実施形態では、12枚の反射板343a〜343lが配置されている(図62参照)。
皿状部材341は略円形である。皿状部材341の底面はモータ40の上面及び底面よりも大きい。複数の支柱342は、上下方向に延びる細い棒状部材である。本実施形態では、12本の支柱342が配置されている。複数の支柱342は、複数の反射板343間のエッジから下方向に延びるように配置されている。複数の支柱342は、皿状部材341の周上に一定の間隔で配置されている。すなわち、複数の支柱342間には隙間が形成されている。このため、光源32から照射された光は、複数の支柱342の間を通過することができる。光源32から照射されたレーザ光は、回転ミラー3034の回転軸Rに対して後方に位置し、反射板343a〜343lの内側に設けられた反射面344a〜344lによって反射される(図62参照)。反射されたレーザ光は、蛍光体38上に走査される。各支柱342において、支柱342のいずれか一つは、反射板343間のエッジのいずれか一つと対角線上に位置する。
ここで、反射板343の内側に設けられた反射面344a〜344lのうち、反射面344aと、当該反射面344aと対角線上の反対側に位置する反射面344gとを、第一反射面対344Aとする。反射面344bと、当該反射面344bと対角線上の反対側に位置する反射面344hとを、第二反射面対344Bとする。反射面344cと、当該反射面344cと対角線上の反対側に位置する反射面344iとを、第三反射面対344Cとする。反射面344dと、当該反射面344dと対角線上の反対側に位置する反射面344jとを、第四反射面対344Dとする。反射面344eと、当該反射面344eと対角線上の反対側に位置する反射面344kとを、第五反射面対344Eとする。反射面344fと、当該反射面344fと対角線上の反対側に位置する反射面344lとを、第六反射面対344Fとする。
第一反射面対344Aは、光源32からのレーザ光が反射面344aで反射されるときの(すなわち、図62および図63に示すような配置関係の場合の)上下方向および前後方向からなる面における反射面344aと光軸Axとの成す角θaと、光源32からのレーザ光が反射面344gで反射されるときの上下方向および前後方向からなる面における反射面344gと光軸Axとの成す角が略同一となるように形成されている。同様に、第二反射面対344Bは、光源32からのレーザ光が反射面344bで反射されるときの(すなわち、図64に示すような配置関係の場合の)上下方向および前後方向からなる面における反射面344bと光軸Axとの成す角θbと、光源32からのレーザ光が反射面344hで反射されるときの上下方向および前後方向からなる面における反射面344hと光軸Axとの成す角が略同一となるように形成されている。第三反射面対344Cは、光源32からのレーザ光が反射面344cで反射されるときの反射面344cと光軸Axとの成す角と、光源32からのレーザ光が反射面344iで反射されるときの反射面344iと光軸Axとの成す角が略同一となるように形成されている。第四反射面対344Dは、光源32からのレーザ光が反射面344dで反射されるときの反射面344dと光軸Axとの成す角と、光源32からのレーザ光が反射面344jで反射されるときの反射面344jと光軸Axとの成す角が略同一となるように形成されている。第五反射面対344Eは、光源32からのレーザ光が反射面344eで反射されるときの反射面344eと光軸Axとの成す角と、光源32からのレーザ光が反射面344kで反射されるときの反射面344kと光軸Axとの成す角が略同一となるように形成されている。第六反射面対344Fは、光源32からのレーザ光が反射面344fで反射されるときの反射面344fと光軸Axとの成す角と、反射面344lで反射されるときの反射面344lと光軸Axとの成す角が互いに略同一となるように形成されている。すなわち、回転ミラー3034の各反射面344a〜344lは、対角線上にある一対の反射面同士が同じ角度の傾斜面となるように形成されている。これにより、第一反射面対344A〜第六反射面対344Fをそれぞれ構成する一対の反射面により反射された光は、車両前方の上下方向において略同一の位置に照射される。また、回転ミラー3034がモータ40により回転方向Dに回転する際の回転ミラー3034のブレを防止することができる。
また、光源32からのレーザ光が第一反射面対344Aで反射されるときの当該第一反射面対344Aと光軸Axとの成す角θaは、光源32からのレーザ光が他の反射面対344B〜344Fで反射されるときの他の反射面対344B〜344Fの各反射面と光軸Axとの成す角とは異なるように形成されている。例えば、図64に示す反射面344bと光軸Axとの成す角θbは、図63に示す反射面344aと光軸Axとの成す角θaよりもやや小さくなるように形成されている。同様に、第二反射面対344B、第三反射面対344C、第四反射面対344D、第五反射面対344E、第六反射面対344Fの順で、各反射面対と光軸Axとの成す角が小さくなるように形成されている。これにより、一の反射面対により反射された光は、車両前方の上下方向において他の反射面対とは異なる位置に照射される。例えば、反射面344bにより反射された光Lbは、反射面344aにより反射された光Laよりも下方に照射される。
上記のように構成された回転ミラー3034の各反射面344a〜344lにより反射されて蛍光体38を介して平凸レンズ36を透過した光は、車両前方の所定位置(例えば、車両の25m前方)の仮想鉛直スクリーン上において、参考実施形態の図6に示すような配光パターンP1を形成する。具体的には、第一反射面対344A(反射面344a,344g)で反射された光により、図6に示す配光パターンP1のうち最下部の第一ラインLA1が形成される。また、第二反射面対344B(反射面344b,344h)で反射された光により、第一ラインLA1の上側に第二ラインLB1が形成される。第三反射面対344C(反射面344c,344i)で反射された光により、第二ラインLB1の上側に第三ラインLC1が形成される。第四反射面対344D(反射面344d,344j)で反射された光により、第三ラインLC1の上側に第四ラインLD1が形成される。第五反射面対344E(反射面344e,344k)で反射された光により、第四ラインLD1の上側に第五ラインLE1が形成される。第六反射面対344F(反射面344f,344l)で反射された光により、第五ラインLE1の上側に第六ラインLF1が形成される。このように、回転ミラー3034の回転によって光の反射方向が変位することで、光が複数の段に分かれてライン状に走査されて配光パターンP1が形成される。
また、本実施形態に係るランプユニット3030においては、備えている光源32は比較的小さく、光源32が配置されている位置も回転ミラー3034と平凸レンズ36との間であって光軸Axよりずれている。そのため、従来のプロジェクタ方式のランプユニットのように、光源とリフレクタとレンズとが光軸上に一列に配列されている場合と比較して、車両用前照灯10の車両前後方向の長さを短くすることができる。
また、図62に示すような配置関係において、仮に、光源32からのレーザ光が、反射板343の外側面によって反射された場合、反射面から蛍光体38までの距離はDL1となる。一方、光源32からのレーザ光が、反射面344aによって反射される場合、反射面344aから蛍光体38までの距離はDL2となる。反射面344a〜344lから蛍光体38までの距離が長い方が、走査範囲は広くなる。そのため、光源32からのレーザ光が反射面344aによって反射される場合の走査範囲S2は、光源32からのレーザ光が反射板343の外側面によって反射された場合の走査範囲S1よりも広い。
上記構成に係る光学ユニットによれば、内側の反射面344a〜344lで光が反射されるので、反射板343の外側面で光が反射される場合と比べて、反射面から蛍光体38までの距離が長くなる。このため、蛍光体38上での走査範囲が狭まってしまうことを防ぎつつ、光学ユニットを小型化させることができる。
このように、上記構成によれば、蛍光体38上での走査範囲を狭めることなく、光学ユニットを小型化することができる光照射装置を提供することができる。
なお、ランプユニット3030が、蛍光体38を含んでいない場合においても、上記構成に係る光学ユニットによれば、環状ミラー3034の内側の反射面344a〜344lで光が反射されるので、ミラーの外側面で光が反射される場合と比べて、反射面から当該光学ユニットの光出射面(投影レンズ36又はクリアカバー)までの距離が長くなる。このため、配光パターンの拡散幅が狭まってしまうことを防ぎつつ、光学ユニットを小型化させることができる。
なお、各反射面344a〜344lの間の境界で光源32からのレーザ光が反射されると、レーザ光が散乱して不適切な配光が形成されるおそれがある。ただし、第十実施形態では、いずれかのエッジが、光源32から照射されるレーザ光の進行方向上に位置するとき、光源32から照射されるレーザ光は、支柱342に当たる。このため、光源32から照射されるレーザ光は、当該支柱342と対角線上に位置するエッジには当たらない。すなわち、回転ミラー3034が回転すると、複数の支柱342は、複数の反射板343間のエッジと、光源32から射出されるレーザ光の射出方向において直線上に並ぶように配置される時点が生じる。このとき、光源32から照射されるレーザ光はエッジに当たらない。このため、各反射面344a〜344lの間の境界で光源32からのレーザ光が散乱して不適切な配光が形成されるおそれがない。
(第十一実施形態)
図65は、第十一実施形態に係るランプユニット3130の上面図を示している。図66は、第十一実施形態に係る光学ユニットの側面図である。図67は、第十一実施形態に係る光学ユニットにおいて回転ミラー3134が回転した状態を示す側面図である。図65に示すように、第十一実施形態に係るランプユニット3130は、第一光源3132Aと、第二光源3132Bと、回転ミラー3134と、平凸レンズ36と、蛍光体38と、を備えている。回転ミラー3134は、反射板343の外側に設けられた反射面345a〜345lをさらに備えている。このように、光源を二つ備えている点と、回転ミラー3134が外側の反射面345a〜345lをさらに備えている点で、第十一実施形態のランプユニット3130は、第十実施形態のランプユニット3030と異なっている。
図65〜67に示されるように、第一光源3132Aは、皿状部材341と同程度の高さに位置する。第一光源3132Aは、回転ミラー3134の回転軸Rの後方に位置する反射面344a〜344lに向いている。第二光源3132Bは、回転ミラー3134の回転軸Rの前方に位置する反射面345a〜345lに向いている。このため、第一光源3132Aから照射されたレーザ光は、複数の支柱342の間を通過することができる。一方、第二光源3132Bから照射されたレーザ光は、複数の支柱342の間を通過しない。
ここで、反射板343の外側に設けられた反射面345a〜345lのうち、反射面345aと、当該反射面345aと対角線上の反対側に位置する反射面345gとを、第一反射面対345Aとする。反射面345bと、当該反射面345bと対角線上の反対側に位置する反射面345hとを、第二反射面対345Bとする。反射面345cと、当該反射面345cと対角線上の反対側に位置する反射面345iとを、第三反射面対345Cとする。反射面345dと、当該反射面345dと対角線上の反対側に位置する反射面345jとを、第四反射面対345Dとする。反射面345eと、当該反射面345eと対角線上の反対側に位置する反射面345kとを、第五反射面対345Eとする。反射面345fと、当該反射面345fと対角線上の反対側に位置する反射面345lとを、第六反射面対345Fとする。
例えば、図65に示す位置において、第一光源3132Aからレーザ光が照射されると、レーザ光は支柱342の間を通過し、内側の反射面344aで反射される。反射面344aで反射されたレーザ光は、蛍光体38に当たる。このときの走査範囲はS2となる。
一方、図65に示す位置において、第二光源3132Bからレーザ光が照射されると、レーザ光は支柱342の間を通過することなく、外側の反射面345gによって反射される。反射面345gによって反射されたレーザ光は、蛍光体38に当たる。このときの走査範囲はS1となる。内側の反射面344aから蛍光体38までの距離DL2は、外側の反射面345gから蛍光体38までの距離DL1よりも長い。このため、走査範囲S2は走査範囲S1よりも広い。
内側の反射面344a〜344lと外側の反射面345a〜345lは、それぞれ所望の角度となるように形成されている。第一反射面対344A,345Aは、第一光源3132Aからのレーザ光が内側の反射面344aで反射されるときの(すなわち、図65および図66に示すような配置関係の場合の)上下方向および前後方向からなる面における反射面344aと光軸Axとの成す角θaと、第二光源3132Bからのレーザ光が外側の反射面345gで反射されるときの上下方向および前後方向からなる面における反射面345gと光軸Axに平行な仮想線Ayとの成す角が略同一となるように形成されている。同様に、第二反射面対344B,345Bは、第一光源3132Aからのレーザ光が内側の反射面344bで反射されるときの(すなわち、図67に示すような配置関係の場合の)上下方向および前後方向からなる面における反射面344bと光軸Axとの成す角θbと、第二光源3132Bからのレーザ光が外側の反射面345hで反射されるときの上下方向および前後方向からなる面における反射面345hと仮想線Ayとの成す角が略同一となるように形成されている。第三反射面対344C,345Cは、第一光源3132Aからのレーザ光が内側の反射面344cで反射されるときの反射面344cと光軸Axとの成す角と、第二光源3132Bからのレーザ光が外側の反射面345iで反射されるときの反射面345iと仮想線Ayとの成す角が略同一となるように形成されている。第四反射面対344D,345Dは、第一光源3132Aからのレーザ光が内側の反射面344dで反射されるときの反射面344dと光軸Axとの成す角と、第二光源3132Bからのレーザ光が外側の反射面345jで反射されるときの反射面345jと仮想線Ayとの成す角が略同一となるように形成されている。第五反射面対344E,345Eは、第一光源3132Aからのレーザ光が内側の反射面344eで反射されるときの反射面344eと光軸Axとの成す角と、第二光源3132Bからのレーザ光が外側の反射面345kで反射されるときの反射面345kと仮想線Ayとの成す角が略同一となるように形成されている。第六反射面対344F,345Fは、第一光源3132Aからのレーザ光が内側の反射面344fで反射されるときの反射面344fと光軸Axとの成す角と、第二光源3132Bからのレーザ光が外側の反射面345lで反射されるときの反射面345lと仮想線Ayとの成す角が互いに略同一となるように形成されている。
また、第二光源3132Bからのレーザ光が第一反射面対345Aで反射されるときの当該第一反射面対345Aと仮想線Ayとの成す角θaは、第二光源3132Bからのレーザ光が他の反射面対345B〜345Fで反射されるときの他の反射面対345B〜345Fの各反射面と仮想線Ayとの成す角とは異なるように形成されている。例えば、図67に示す反射面344bと光軸Axとの成す角θbは、図66に示す反射面344aと光軸Axとの成す角θaよりもやや小さくなるように形成されている。同様に、第二反射面対345B、第三反射面対345C、第四反射面対345D、第五反射面対345E、第六反射面対345Fの順で、各反射面対と仮想線Ayとの成す角が小さくなるように形成されている。これにより、一の反射面対により反射された光は、車両前方の上下方向において他の反射面対とは異なる位置に照射される。例えば、反射面345hにより反射された光Ldは、反射面345gにより反射された光Lcよりも下方に照射される。
図68は、第十一実施形態に係るランプユニット3130の第二光源3132Bから出射されたレーザにより車両前方に形成される配光パターンP14を示している。
第一光源3132Aから出射されたレーザ光により形成される配光パターンは、第十実施形態における配光パターンP1(図6参照)と同じであるので、説明を省略する。
図68に示すように、配光パターンP14は、第二光源3132Bから出射されたレーザ光により形成される複数のライン(LA14〜LF14)を含んでいる。第二光源3132Bから出射されたレーザ光は、回転ミラー3134の各反射面345a〜345lにより反射され、蛍光体38を介して平凸レンズ36を透過する。
具体的には、第二光源3132Bから出射され反射面対345A(反射面345a,345g)で反射されたレーザ光により、図68に示す配光パターンP14のうち最下部の第一ラインLA14が形成される。また、第二光源3132Bから出射され反射面対345B(反射面345b,345h)で反射されたレーザ光により、第一ラインLA14の上側に第二ラインLB14が形成される。第二光源3132Bから出射され反射面対345C(反射面345c,345i)で反射されたレーザ光により、第二ラインLB14の上側に第三ラインLC14が形成される。第二光源3132Bから出射され反射面対345D(反射面345d,345j)で反射されたレーザ光により、第三ラインLC14の上側に第四ラインLD14が形成される。第二光源3132Bから出射され反射面対345E(反射面345e,345k)で反射されたレーザ光により、第四ラインLD14の上側に第五ラインLE14が形成される。第二光源3132Bから出射され反射面対345F(反射面345f,345l)で反射されたレーザ光により、第五ラインLE14の上側に第六ラインLF14が形成される。このように、回転ミラー3134の回転によって光の反射方向が変位することで、光が複数の段に分かれてライン状に走査されて配光パターンP14が形成される。
第一光源3132Aから出射されたレーザ光により形成される配光パターンP1(図6参照)は、水平方向において、第二光源3132Bから出射されたレーザ光により形成される配光パターンP14よりも長い。これは、走査範囲S2が走査範囲S1よりも広いためである。
第二光源3132Bから出射されたレーザ光により形成される配光パターンP14は、垂直方向において、第一光源3132Aから出射されたレーザ光により形成される配光パターンP1よりもやや高い位置に形成される。配光パターンP14と配光パターンP1とは一部が重複しているものの、第一ラインLA14は、垂直方向において、第一ラインLA1よりも高い位置に形成される。これは、外側の反射面345a〜345lで反射される光は、内側の反射面344a〜344lで反射される光よりも下方の位置で、内側の反射面344a〜344lで反射される光と平行に、蛍光体38に向かって直進するためである。
第一光源3132Aと第二光源3132Bは、どちらか一方のみをON状態にしてもよいし、どちらもON状態にしてもよい。どちらもON状態にした場合、配光パターンP1と配光パターンP14が重複する。このため、当該重複部分は、重複しない部分よりも、光度が高い。このように、光度を高くしたい箇所について、配光パターンP1と配光パターンP14とを重ねてもよい。尚、第一光源3132Aの出力の大きさと第二光源3132Bの出力の大きさは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
なお、外側の反射面345a〜345lの間の境界では、レーザ光が散乱して不適切な配光が形成されるおそれがある。そのため、光源制御部は、反射面345a〜345l間の境界と第二光源3132Bからのレーザ光の光線が交差するタイミングでは第二光源3132Bを消灯するように、第二光源3132Bの点消灯を制御することが好ましい。
上記構成に係る光学ユニットによれば、より自在に蛍光体38上での走査範囲を調整することができる。
上記の第十実施形態及び第十一実施形態においては、回転ミラー3034,3134に係る反射板343同士の境界面は不連続であるが、この例に限られない。例えば、反射板343同士の境界面は連続面であってもよい。
上記の第十実施形態及び第十一実施形態においては、反射面344a〜344l及び反射面345a〜345lは略四角形であるが、この例に限られない。例えば、これらは円形や多角形であってもよい。
上記の第十実施形態及び第十一実施形態においては、12本の支柱342が配置されているが、この例に限られない。支柱342は12本より多くても少なくてもよい。
上記の第十一実施形態においては、同一種類の第一光源3132Aおよび第二光源3132Bを用いているが、この例に限られない。光出射面の径が互いに異なる複数の光源を用いて、異なるスポット径のレーザ光をそれぞれ出射することで、上下幅の異なる複数のラインから構成された配光パターンを形成してもよい。
上記の第十実施形態及び第十一実施形態においては、上面視において12枚の反射板343を用い、対角線上に配置された一対の反射面により反射された光が配光パターンのうち同一のラインを形成しているが、この例に限られない。例えば、1つの反射面により反射された光により1つのラインを形成するようにしてもよい。この場合は、例えば、配光パターンが6つのラインから構成されるとすると、回転ミラーは、上面視において6面体として形成され、回転方向に沿って6枚の反射板343を備えることとなる。
以上、本発明を上述の各実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の各実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて各実施の形態における組合せや処理の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を各実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
上記の各実施形態においては、ランプユニットが車両用前照灯に搭載されたものとして説明しているが、この例に限られない。上記で説明したような光源や回転ミラー等を備えた光学ユニットを、車両に搭載されるセンサユニット(例えば、レーザレーダやLiDAR、可視光線カメラ、赤外線カメラ等)の構成部品に適用することもできる。この場合も、回転ミラーの各反射面の回転軸に沿った方向の曲率を異ならせることで、走査範囲の精緻な制御や、センサ感度の向上を達成することができる。また、凸状に湾曲した反射面と凹状に湾曲した反射面とが回転方向に沿って連続的に交互に配置されているように回転ミラーの反射面を構成することで、例えば、センサ範囲の両端部において光源を消灯する必要がなくなるため、センサ感度を向上させることができる。また、回転ミラーの反射面の境界部を面取りされた形状とすることで、例えば、センサ範囲の両端部において光源を消灯する必要がなく、スポット光の発生を抑制できるため、センサ感度を向上させることができる。
本出願は、2018年9月25日出願の日本特許出願2018−179107号、2018年9月25日出願の日本特許出願2018−179108号、2018年9月25日出願の日本特許出願2018−179109号、2018年9月25日出願の日本特許出願2018−179110号、2018年9月25日出願の日本特許出願2018−179111号、2018年9月25日出願の日本特許出願2018−179112号および2018年9月25日出願の日本特許出願2018−179113号に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

Claims (41)

  1. 光源と、
    前記光源から出射された光を反射させる回転可能なミラーと、
    を備え、
    前記ミラーの回転によって前記光の反射方向が変位することで、前記光が複数の段に分かれてライン状に走査されて配光パターンを形成する、光照射装置であって、
    前記配光パターンは、第一のラインと第二のラインを含み、
    前記第一のラインの幅は、前記第二のラインの幅と異なっている、光照射装置。
  2. 前記ミラーは、前記第一のラインを形成するための第一の反射面と、前記第一の反射面に対して前記ミラーの回転方向に沿って並列され、前記第二のラインを形成するための第二の反射面と、を少なくとも有し、
    前記第一の反射面の前記ミラーの回転軸に沿った方向の曲率が、前記第二の反射面の前記回転軸に沿った方向の曲率と異なっている、請求項1に記載の光照射装置。
  3. 前記第一の反射面は前記方向において凸状に湾曲した面から構成され、前記第二の反射面は前記方向において凹状に湾曲した面から構成されている、請求項2に記載の光照射装置。
  4. 前記第一の反射面および前記第二の反射面は、前記方向において凸状に湾曲した面からそれぞれ構成されている、請求項2に記載の光照射装置。
  5. 前記第一の反射面および前記第二の反射面は、前記方向において凹状に湾曲した面からそれぞれ構成されている、請求項2に記載の光照射装置。
  6. 前記第一の反射面は前記方向において凸状に湾曲した面から構成され、前記第二の反射面は前記方向において平面から構成されている、請求項2に記載の光照射装置。
  7. 前記第一の反射面は前記方向において平面から構成され、前記第二の反射面は前記方向において凹状に湾曲した面から構成されている、請求項2に記載の光照射装置。
  8. 前記第一の反射面の前記ミラーの回転軸に対する傾斜角が、前記第二の反射面の前記回転軸に対する傾斜角と異なっている、請求項2から7のいずれか一項に記載の光照射装置。
  9. 前記第二のラインは、複数の前記第一のラインの間に配置され、
    前記第二のラインの幅は、複数の前記第一のラインの幅よりも狭い、請求項8に記載の光照射装置。
  10. 前記ミラーにより反射された前記光を透過する光学部材をさらに備え、
    前記第一の反射面および前記第二の反射面の前記曲率に応じて前記光学部材に入射される前記光の入射径が異なっている、請求項2から9のいずれか一項に記載の光照射装置。
  11. 前記ミラーは、ポリゴンミラーとして構成されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の光照射装置。
  12. 光源と、
    前記光源から出射された光を反射させる回転可能なミラーと、
    を備え、
    前記ミラーの回転によって前記光の反射方向が変位することで、前記光が複数の段に分かれてライン状に走査されて配光パターンを形成する、光照射装置であって、
    前記配光パターンは、第一のラインと第二のラインを含み、
    前記第一のラインを形成するために前記光源から出射される前記光のスポット径と、前記第二のラインを形成するために前記光源から出射される前記光のスポット径と、が異なっている、光照射装置。
  13. 前記光源は、前記第一のラインを形成するための第一の光源と、前記第二のラインを形成するための第二の光源とを含み、
    前記第一の光源から出射される前記光のスポット径と、前記第二の光源から出射される前記光のスポット径とが異なっている、請求項12に記載の光照射装置。
  14. 前記光のスポット形状は、扁平形状であり、
    前記第一のラインを形成する場合に、前記扁平形状の短径が前記光の走査方向に沿うように、前記光を照射し、
    前記第二のラインを形成する場合に、前記扁平形状の長径が前記光の走査方向に沿うように、前記光を照射するように構成されている、請求項12又は13に記載の光照射装置。
  15. 前記光源から出射された光は平行光である、請求項12から14のいずれか一項に記載の光照射装置。
  16. 前記第二のラインは、前記第一のラインの幅よりも狭い、請求項12から15のいずれか一項に記載の光照射装置。
  17. 前記第二のラインは、複数の前記第一のラインの間に配置されている、請求項12から16のいずれか一項に記載の光照射装置。
  18. 第一光源と、
    第二光源と、
    前記第一光源から出射された第一光と前記第二光源から出射された第二光とをそれぞれ反射させる回転可能なミラーと、を備え、
    前記ミラーの回転によって前記第一光および前記第二光の反射方向が変位することで、前記第一光および前記第二光がそれぞれ複数の段に分かれてライン状に走査されて配光パターンを形成する、光照射装置であって、
    前記配光パターンは、前記第一光の走査により形成される第一配光パターンと、前記第二光の走査により形成される第二配光パターンとを含み、
    前記第一配光パターンと前記第二配光パターンの一部が重複するように形成されている、光照射装置。
  19. 前記第一配光パターンと前記第二配光パターンとが前記前記第一光および前記第二光の走査方向における中央領域において重複するように形成されている、請求項18に記載の光照射装置。
  20. 前記ミラーの反射面は、前記ミラーの回転方向において、少なくとも一つの凸部と、少なくとも一つの凹部とが連続的につながるように構成され、
    前記第一配光パターンは、前記第一光が前記第一光の走査方向において往復するように走査されることで形成され、
    前記第二配光パターンは、前記第二光が前記第二光の走査方向において往復するように走査されることで形成され、
    前記第一配光パターンと前記第二配光パターンの一部が前記第一光および前記第二光の前記走査方向における中央領域において重複するように形成されている、請求項18又は19に記載の光照射装置。
  21. 前記ミラーは、ポリゴンミラーとして構成されている、請求項18から20のいずれか一項に記載の光照射装置。
  22. 第一光源と、前記第一光源から出射された第一光を反射させる回転可能な第一ミラーと、を有する第一ユニットと、
    第二光源と、前記第二光源から出射された第二光を反射させる回転可能な第二ミラーと、を有する第二ユニットと、を備え、
    前記第一ミラーおよび第二ミラーの回転によって前記第一光および前記第二光の反射方向がそれぞれ変位することで、前記第一光および前記第二光がそれぞれ複数の段に分かれてライン状に走査されて配光パターンを形成する、光照射装置であって、
    前記配光パターンは、前記第一光の走査により形成される第一配光パターンと、前記第二光の走査により形成される第二配光パターンとを含み、
    前記第一配光パターンと前記第二配光パターンの一部が重複するように形成されている、光照射装置。
  23. 前記第一ミラーの反射面は、前記第一ミラーの回転方向において、少なくとも一つの凸部と、少なくとも一つの凹部とが連続的につながるように構成され、
    前記第二ミラーの反射面は、前記第二ミラーの回転方向において、少なくとも一つの凸部と、少なくとも一つの凹部とが連続的につながるように構成され、
    前記第一配光パターンは、前記第一光が走査方向において往復するように走査されることで形成され、
    前記第二配光パターンは、前記第二光が走査方向において往復するように走査されることで形成され、
    前記第一配光パターンと前記第二配光パターンの一部が前記第一光および前記第二光の前記走査方向における中央領域において重複するように形成されている、請求項22に記載の光照射装置。
  24. 前記第一ミラーおよび前記第二ミラーは、ポリゴンミラーとして構成されている、請求項22又は23に記載の光照射装置。
  25. 光源と、
    前記光源から出射された光を反射させる回転可能なミラーと、
    を備え、
    前記ミラーの回転によって前記光の反射方向が変位することで、前記光が複数の段に分かれてライン状に走査されて配光パターンを形成する、光照射装置であって、
    前記ミラーは、前記ミラーの回転方向において連続する複数の反射面を有し、
    前記複数の反射面のうち少なくとも一つ反射面と当該少なくとも一つの反射面と隣接する反射面との間の境界部が面取りされている、光照射装置。
  26. 前記複数の反射面のうちすべての反射面間の境界部が面取りされている、請求項25に記載の光照射装置。
  27. 前記複数の反射面のうち一部の反射面間の境界部が面取りされている一方で、他の反射面間の境界部が面取りされていない、請求項25に記載の光照射装置。
  28. 前記配光パターンは、複数の第一のラインと、第二のラインとを含み、
    前記複数の第一のラインは、面取りされていない境界部で挟まれた反射面で反射された光により形成され、
    前記第二のラインは、面取りされている境界部で挟まれた反射面で反射された光により形成され、
    前記第二のラインは前記複数の第一のラインの間に配置されている、請求項27に記載の光照射装置。
  29. 前記ミラーは、ポリゴンミラーとして構成されている、請求項25から28のいずれか一項に記載の光照射装置。
  30. 光源と、
    前記光源から出射された光を反射させる回転可能なミラーと、
    を備え、
    前記ミラーの回転によって前記光の反射方向が変位することで、前記光が複数の段に分かれてライン状に走査されて配光パターンを形成する、光照射装置であって、
    前記ミラーの反射面は、前記ミラーの回転方向において、少なくとも一つの凸部と、少なくとも一つの凹部とが連続的につながるように構成されている、光照射装置。
  31. 一つの凸部と前記一つの凸部に隣接する一つの凹部とにより反射された光によって、前記配光パターンのうち前記光の走査方向における一往復のラインが形成される、請求項30に記載の光照射装置。
  32. 前記反射面は、複数の前記凸部と複数の前記凹部を含み、
    前記凸部と前記凹部とが、前記回転方向に沿って交互に配置されている、請求項30又は31に記載の光照射装置。
  33. 光源と、
    前記光源から出射された光を反射させる回転可能なミラーと、
    を備え、
    前記ミラーの回転によって前記光の反射方向が変位することで、前記光が複数の段に分かれてライン状に走査され、
    前記ライン状に走査された前記光によって配光パターンを形成する、光照射装置であって、
    前記配光パターンにおける少なくとも一つのラインにおいて、前記光源から出射される前記光の出力を変化させる、光照射装置。
  34. 前記光の走査方向が往復するように構成されている、請求項33に記載の光照射装置。
  35. 前記ラインの走査方向の中央で、他の部分より前記光の出力が大きくなるように前記出力を変化させる、請求項33又は34に記載の光照射装置。
  36. 光源と、
    前記光源から出射された光を反射させる回転可能なミラーと、
    を備え、
    前記ミラーの回転によって前記光の反射方向が変位することで、前記光が複数の段に分かれてライン状に走査される、光照射装置であって、
    前記ミラーは環状ミラーであり、
    前記環状ミラーの内側面により、前記光が反射される、光照射装置。
  37. 前記環状ミラーの外側面によっても前記光が反射される、請求項36に記載の光照射装置。
  38. 前記光源は、前記内側面に前記光を照射するための第一の光源と、前記外側面に前記光を照射するための第二の光源と、を含む、請求項36又は37に記載の光照射装置。
  39. 前記ミラーを回転させるためのモータと、
    前記モータによって前記ミラーを支えるための支柱と、をさらに備え、
    前記ミラーは、複数の反射面から構成され、
    前記複数の反射面間のエッジと、前記支柱とが、前記光源から出射される光の出射方向において直線上に並ぶように配置されている、請求項36から38のいずれか一項に記載の光照射装置。
  40. 前記内側面により反射された光を透過する光学部材をさらに備える、請求項36から39のいずれか一項に記載の光照射装置。
  41. 前記光学部材は、蛍光体と投影レンズとを含み、
    前記蛍光体は、前記ミラーと前記投影レンズとの間に配置され、
    前記内側面により反射された光は、前記蛍光体上に走査され、
    前記蛍光体から出射された光は、前記投影レンズを透過して出射される、請求項40に記載の光照射装置。
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