JP5990050B2 - 照明装置、車両用前照灯および車両 - Google Patents

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本発明は、特定の投光パターンを生成することが可能な照明装置、車両用前照灯および車両に関する。
近年、励起光源として、高輝度なレーザ光を生成することができるレーザ光源(LD;Laser Diode)を用い、当該励起光源から生じた励起光を、蛍光体を含む発光部に照射することによって発生する蛍光を照明光として用いる発光装置の研究が盛んになってきている。このような技術は、車両用前照灯等の照明装置にも適用されている。
ここで、励起光源から出射された励起光を蛍光体に照射することによって生じる蛍光を照明光として利用した照明装置が、次の特許文献1〜4に開示されている。
まず、特許文献1には、励起光を第1の光ファイバにより導波し、波長変換部に照射し波長変換光を発生させ、第2の光ファイバにより当該波長変換光の一部を少なくとも導波する構成の光ファイバ照明装置が開示されている。
また、特許文献2には、励起光を第1の光ファイバにより導波し、波長変換部に照射し波長変換光を発生させ、第2の光ファイバにより当該波長変換光の一部を少なくとも導波し、反射体により、波長変換部で発生した反射散乱光および/または波長変換光のうち第2の光ファイバの入射領域に直接的に入射しなかった光の少なくとも一部を、第2の光ファイバの入射領域に向けて反射させる構成の光ファイバ照明装置が開示されている。
また、特許文献3には、半導体発光素子の光を第1光学部材により蛍光体に集光し、当該蛍光体が設けられている位置に光学的中心を有する第2光学部材により、蛍光体が発生する光を外部に照射する構成の灯具が開示されている。特に、特許文献3には、第2光学部材が、投光パターンの明暗境界を定めるカットラインの少なくとも一部を形成する構成が開示されている。
また、特許文献4〜6には、蛍光体を含む光ファイバに励起光を入射させて、励起光を光ファイバにより導光しつつ、蛍光を生成し、照明光を出射させる構成が開示されている。
まず、特許文献4には、コアおよび内クラッドからなる領域に蛍光物質を分散させ、これらの外周に外クラッドを設けて、励起光を当該領域に導波する構成の光ファイバ型発光体が開示されている。
また、特許文献5には、固体光源から光を発し、任意の画像を作成する画像作成機構を備えた、プロジェクター装置が開示されている。特に、特許文献5には、波長変換材料がドーピングされた光ファイバに固体光源から発した光を導く構成が開示されている。
また、特許文献6には、青色半導体レーザ素子から発した励起光を、蛍光ファイバの一方側端面に入射させ、他方側端面から出射させて、ファイバ端面にレーザ共振器を構成するためのダイクロイックミラー部を有し、励起光で励起されることにより波長変換光を発するレーザ光源が開示されている。
特開2009−39438号公報(2009年2月26日公開) 特開2009−43668号公報(2009年2月26日公開) 特開2005−150041号公報(2005年6月9日公開) 特開2006−71776号公報(2006年3月16日公開) 特開2003−233123号公報(2003年8月22日公開) 特開2007−157764号公報(2007年6月21日公開)
ここで、照明装置では、所望の投光パターンを生成することが求められる場合がある。例えば、車両用前照灯では、歩道の歩行者や側道から進入しようとする車両などの視認性を高めるために、照明光の投光範囲を横長にすることが好ましい。
しかしながら、特許文献1〜2、4〜6に開示されている構成では、所望の投光パターンを生成することは困難である。
一方、特許文献3には、投光パターンの明暗境界を定めるカットラインの少なくとも一部を形成するという、投光パターンを変形させる構成が開示されてはいる。
しかしながら、特許文献3にて開示されている構成では、光ファイバで励起光を導光し蛍光体を励起した後、反射鏡によって投光を行っている。仮に、蛍光体へ入射する励起光の立体角をRex(sr)、スポット面積をSex(mm)とし、蛍光体からの蛍光の立体角をRphos(sr)、スポット面積をSphos(mm)とすると、以下の式(1)および(2)の関係が成り立つ。
Rex<Rphos≒π …(1)
Sex≦Sphos …(2)
つまり、励起光に対して蛍光の立体角およびスポット面積(径)が大きくなるため、蛍光の輝度が著しく低下するといった問題が生じる。これにより、ヘッドランプ等の略平行光を必要とする投光器に適用しようとすると、反射鏡等の光学部材を大きくする必要がある。このため、特許文献3に開示されている構成においても、効率のよい投光を実現するためには、蛍光体から立体角2π(sr)といった広い角度に反射鏡を設ける必要があり、反射鏡が大きくなり、投光部が大型化するといった問題がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、所望の投光パターンを生成できるとともに、投光部が小型な照明装置を提供することにある。
本発明に係る照明装置は、上記の課題を解決するために、
励起光を受けて蛍光を発する発光部を備えている光源部と、
上記光源部から出射された出射光を導光する導光部とを備える照明装置であって、
上記光源部と上記導光部との間に、上記出射光に含まれる上記励起光を減光するフィルタを備え、
上記導光部は、上記出射光を照明光として出射する出射端部を有し、
上記出射端部の開口数を所定値以下とすることにより、上記照明光の投光範囲が限定されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、導光部は、光源部から出射された出射光または当該出射光の変換光を導光し、出射光または変換光を照明光として出射端部から出射する。つまり、光源部から出射された出射光または変換光は、導光部により導光され、照明光として出射されるため、光源部と照明光を出射する部分(以下では、投光部と称する。)とを近接させて設置する必要がない。これにより、投光部から、光源部を別体として離間させることができ、照明装置全体に対して、投光部を小型化することができる。
また、出射端部の開口数を所定値以下とし、照明光の投光範囲が限定されることにより、所望の投光パターンを生成することができる。
また、上記光源部は、レーザ光源を含んでいる
上記の構成によれば、光源部から高輝度のレーザ光を出射することができる。これにより、光源部から出射される出射光の輝度を向上させることができる。その結果、出射光の輝度に依存する照明光の輝度を高くすることができる。
また、光源部から出射された出射光を導光部へ入射させるカップリングにおいては、カップリング効率の観点から、出射光の輝度が高いことが好ましい。上記構成により、輝度の高いレーザ光を出射することができるため、カップリング効率を高めることができる。
また、上記出射端部の開口数は、上記照明光の所望の投光パターンに対応するように規定されていることが好ましい。
上記の構成によれば、出射端部の開口数を規定することにより、照明光の照射範囲が規定される。
例えば、出射端部の開口数を大きくすることにより、出射端部から出射される照明光の配光角を大きくすることができる。これにより、広い範囲に投光される照明光の投光パターンを生成することができる。また、出射端部の開口数を小さくすることにより、出射端部から出射される照明光の配光角を小さくすることができる。これにより、狭い範囲に投光される照明光の投光パターンを生成することができる。
また、上記出射端部から出射された照明光の配光角を制御する光学レンズをさらに備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、光学レンズにより、照明光の配光角を制御することができ、狭い角度範囲に照明光を投光することが可能となる。
また、上記導光部は、上記出射光または上記変換光を導光するコアを有し、
上記コアの形状は、上記照明光の所望の投光パターンに対応するように規定されていることが好ましい。
上記の構成によれば、出射端部は、コアの形状に応じた光分布を有する照明光を出射する。それゆえ、コアの形状を規定することにより、当該コアの形状に応じた所望の光分布を有する照明光を投光することができる。
また、上記導光部は、上記出射光または上記変換光を導光するコアを有し、
上記コアは、上記導光部の長軸方向に沿って形成された、屈折率が互いに異なる複数の層を含み、
上記複数の層の配置は、上記照明光の所望の投光パターンに対応するように規定されていることが好ましい。
上記の構成によれば、出射端部は、各層の屈折率に応じた光分布を有する照明光を出射する。それゆえ、上記複数の層の配置を規定することにより、当該配置に応じた所望の投光パターンを生成できる。
また、上記照明光は、白色光であることが好ましい。
車両用前照灯が出射する照明光の色度は、所定の範囲の色度を有する白色にしなければならないことが、国や地域によっては法令等により規定されている。
上記の構成によれば、本発明の照明装置を車両用前照灯として好適に利用できる。
また、上記光源部は、励起光を受けて蛍光を発する発光部を備えている。
上記の構成によれば、例えば、出射光を励起光として用いて発光部を励起し、発光部から蛍光を発生させることができる。つまり、出射光を発光部において変換光(蛍光)に変換することができる。また、出射光と変換光とを合わせて、所望の波長分布を有している照明光を生成することもできる。例えば、互いに補色の関係にある出射光と変換光とを混合することにより、白色の照明光を投光することができる。
また、上記導光部は、上記出射光の波長を変換する蛍光体を含むことが好ましい。
上記の構成によれば、例えば、蛍光体を励起できる励起光を出射光として光源部から出射し、導光部にて当該出射光を導光することにより、当該蛍光体を励起し、蛍光を発生させることができる。つまり、出射光を導光部において変換光(蛍光)に変換することができる。この場合、蛍光体の種類を選択することにより、所望の色度の照明光を生成できる。
また、上記光源部は、互いに異なる波長の光を出射する複数の光源を備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、互いに異なる波長の光を合わせて、所望の波長分布を有する光(例えば、白色光)を生成することができる。
また、上記複数の光源から出射された、互いに異なる波長の光を混合し、上記導光部に入射させる光学部材をさらに備えることが好ましい。
上記の構成によれば、光源部から出射される互いに異なる色の出射光を混合し、混合された出射光を、導光部により導光し、出射端部から照明光として投光することができる。
また、上記出射端部の開口数は、0.3以下であることが好ましい。
上記の構成によれば、出射端部から、狭い立体角で高輝度の照明光を出射させることができる。また、所望の照明光を投光するために反射鏡を用いる必要があるような場合においても、出射端部から出射される照明光の立体角が小さい(狭い)ため、反射鏡を大型化する必要がなくなり、投光部を小型化することができる。
また、上記照明装置を備える車両用前照灯も、本発明の技術的範囲に含まれる。
また、本発明に係る車両用前照灯が、ピラー部に設置されている車両も、本発明の技術的範囲に含まれる。
上記の構成によれば、従来のように、大きな車両用前照灯を車両の外部に露出させて設置する必要がなくなる。これにより、車両の耐衝撃性能が向上するとともに、車両と人との衝突の際に、車両用前照灯に起因して人を傷つけるといった問題を解決することができる。
また、本発明に係る車両用前照灯が備える照明装置の導光部の出射端部が、略ライン状に配置されている車両も、本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係る照明装置は、以上のように、
励起光を受けて蛍光を発する発光部を備えている光源部と、
上記光源部から出射された出射光を導光する導光部とを備える照明装置であって、
上記光源部と上記導光部との間に、上記出射光に含まれる上記励起光を減光するフィルタを備え、
上記導光部は、上記出射光を照明光として出射する出射端部を有し、
上記出射端部の開口数を所定値以下とすることにより、上記照明光の投光範囲が限定されていることを特徴としている。
それゆえ、所望の投光パターンを生成できるとともに、投光部が小型な照明装置を実現することができるという効果を奏する。
(a)は本発明の一実施形態係るヘッドランプの基本的な構成を示す図であり、(b)はマルチモードファイバのコアの屈折率の等高線を示す断面(平面)図である。 (a)はマルチモードファイバの出射端面の位置および方向の規定により投光パターンを生成する構成を示す図であり、(b)は出射端面の開口数の変更により投光パターンを生成する構成を示す図であり、(c)は照明光の配光角を制御する光学レンズにより投光パターンを生成する構成を示す図である。 (a)はマルチモードファイバの断面図であって、多角形状のコア形状を示す図であり、(b)はマルチモードファイバの断面図であって、一部の辺に湾曲部を有する多角形状のコア形状を示す図である。 マルチモードファイバを複数組み合わせることにより投光パターンを生成する構成を示す図である。 (a)〜(c)は、照明光の光軸の方向および配光角を制御するミラーにより投光パターンを生成する構成を示す図であり、(a)は照明光の光軸が反射される前の照明光の光軸に対して略90°の角度をなす構成を示す図であり、(b)は反射された照明光の光軸と反射される前の照明光の光軸とが鈍角をなす構成を示す図であり、(b)は反射された照明光の光軸と反射される前の照明光の光軸とが鋭角をなす構成を示す図である。 マルチモードファイバの出射端面の近傍に配した光学レンズによる照明光の立体角の制御方法を示す図であり、(a)は図2(c)の上図に対応する図であり、(b)は図2(c)の下図に対応する図である。 マルチモードファイバの出射端面の近傍に配したミラーによる照明光の立体角の制御方法を示す図である。 励起光を蛍光ファイバにカップリングさせ白色光を生成するヘッドランプの構成を示す図である。 RGBレーザ光を光ファイバにカップリングさせる構成を示す図である。 偏光ミラーを用いて輝度を高めた白色光を光ファイバにカップリングさせるヘッドランプの構成を示す図である。 本発明の他の実施形態に係るヘッドランプをピラー部に設置した形態を示す図である。 本発明の他の実施形態に係るヘッドランプを略ライン状に設置した形態を示す図である。
ここでは、本発明の照明装置としてヘッドランプ(照明装置、車両用前照灯)を例に挙げて説明する。ただし、本発明の照明装置は、自動車以外の車両・移動物体(例えば、人間・船舶・航空機・潜水艇・ロケットなど)のヘッドランプとして実現されても良いし、その他の照明装置として実現されても良い。その他の照明装置として、例えば、サーチライト、プロジェクター、家庭用照明器具、商業用照明装置、屋外照明装置を挙げることができる。
なお、以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付している。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
〔実施形態1〕
さて、本発明の実施の一形態について図1〜図10に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態のヘッドランプ(照明装置、車両用前照灯)1は、所望の投光パターンを形成する照明装置である。
<ヘッドランプ1の基本的な構成>
図1(a)は、本発明の一実施形態に係るヘッドランプの基本的な構成を示す図である。図1(a)に示すように、ヘッドランプ1は、主に、光源部10、マルチモードファイバ(導光部)20、投光部30を備えている。
(光源部10)
光源部10は、光(出射光)を出射し、マルチモードファイバ20の入射端面(入射端部)20aへ入射させる。すなわち、光源部10は、入射端面20aに入射する光を生成する。
図1(a)に示すように、光源部10は、レーザ素子(レーザ光源)11、放熱部12、立上ミラー13、発光部14、支持部15、楕円ミラー(集光部)16およびレーザ光カットフィルタ17を備えている。以下では、光源部10を構成する各部材の詳細について説明する。
(レーザ素子11)
レーザ素子11は、励起光としてのレーザ光を出射する励起光源として機能する発光素子である。なお、図1(a)に示す例では、光源部10には、レーザ素子11が一つだけ配設されているが、この構成に限定されるわけではない。例えば、複数のレーザ素子11のそれぞれからレーザ光が出射されても良い。また、レーザ素子11は、1チップに1つの発光点を有するものであっても良く、1チップに複数の発光点を有するものであっても良い。
さて、励起光として高輝度な光であるレーザ光を用いることにより、後述する発光部14に含まれる蛍光体を効率的に励起して、従来の光源よりも輝度の高い照明光を生成することができ、さらに、発光部14自体のサイズを小径化することができる。また、レーザ素子11は高輝度光源であるため、効率良く、発光部14のレーザ光照射面14aに形成される照射領域を絞ることが可能となり、その結果、配光角の狭い投光が可能となる。
また、従来において、発光部14を励起するための光源として、高輝度な光を生成できる光源を利用することが困難であったため、発光部14にて発光させることができる光が低輝度にならざるを得ず、当該光を集光してマルチモードファイバ20へ効率良くカップリングさせることが困難であった。しかしながら、本発明のヘッドランプ1では、光源として高輝度な光であるレーザ光を生成できるレーザ素子11を用いている。これにより、発光部14にて高輝度な光を発光させることができ、当該光を集光してマルチモードファイバ20へ効率良くカップリングさせることができる。
なお、レーザ素子11の個数および配置は、特に限定されず、所望の投光パターンを形成するために好ましい数のレーザ素子11を、好ましい配置で用いれば良い。
レーザ素子11のレーザ光の波長は、例えば、395nm(青紫色)または450nm(青色)であるが、これらに限定されず、発光部14に含める蛍光体の種類に応じて適宜選択されれば良い。例えば、レーザ素子11は、直径5.6mmの金属パッケージに実装され、出力2Wで、波長395nmのレーザ光を発振するものであるが、この構成に限定されるわけではない。
(放熱部12)
放熱部12は、レーザ素子11で発生した熱をレーザ素子11から受け取ることにより、レーザ素子11から放熱させる放熱機構として機能する。このため、放熱部12には、熱伝導率の高い金属材料(アルミニウムなど)を用いることが好ましい。
放熱部12を備える光源部10は、投光部30とは別体として形成されているため、投光部30を小型化することができる。
(立上ミラー13)
立上ミラー13は、レーザ素子11から出射されたレーザ光を反射し、発光部14へ導光するための光学部材である。
具体的には、立上ミラー13は、例えば、軸外し放物ミラーであり、レーザ素子11の発光点と対向するように配置されている。また、立上ミラー13は、当該立上ミラー13の略焦点位置にレーザ素子11の発光点が位置するよう配置されている。
レーザ素子11から出射されたレーザ光は、立上ミラー13によって反射されることで略平行光となり、かつ、ビーム幅を縦方向に圧縮された後、楕円ミラー16の図示していない窓部を通って発光部14へ導かれる。
立上ミラー13の設置角度や、レーザ素子11との相対位置を調整することにより、レーザ素子11から出射されるレーザ光の光路を制御できるため、レーザ光照射面14aにおいて所望の位置にレーザ光を照射することが容易になる。
なお、立上ミラー13として、レーザ素子11の非点隔差を補正し、コリメート光とするような非球面ミラーを用いることが好ましい。この場合、さらにコリメート性を向上させることができる。また、立上ミラー13は、これに限らず、その他の放物ミラーなどであっても良い。
なお、図1(a)では、立上ミラー13を備えた構成を示しているが、この構成に限定されるわけではなく、コリメートレンズおよび平面鏡を用いることによっても、立上ミラー13と同様の機能を実現することが可能である。また、レーザ素子11の内部にコリメートレンズあるいはコリメートミラーを設けることにより、レーザ素子11からコリメート光を出射可能な構成の場合には、立上ミラー13を平面鏡にすることで、立上ミラー13と同様の機能を実現することが可能である。
(立上ミラー13の素材)
立上ミラー13は、機材であるAlNセラミックに、反射膜であるAlおよび酸化防止膜としての酸化アルミをコートしたものであるが、本構成に限定されるものではない。
例えば、機材としては、BK7、石英ガラスなどのガラス類、ポリカーボネート、アクリル、FRP、SiC、Alなど、熱膨張係数の小さい素材を用いることが望ましいが、最終的なコリメート精度があまり求められない場合には、Alなどの金属を用いても良い。
また、反射膜としては、Ag、Ptなどの金属が望ましいが、SiO/TiO多層膜などの多層膜構造による反射膜でも良い。
さらに、酸化防止膜は、酸化ケイ素などを用いても良い。なお、酸化防止膜が必ずしもコートされている必要はない。
また、立上ミラー13の表面には、増反射膜(増反射構造、例えばHRコート膜)が設けられていても良い。この場合、レーザ光の立上ミラー13による反射損失(ミラーロス)を低減することができる。
(発光部14)
発光部14は、レーザ光を吸収して蛍光を発する蛍光物質(蛍光体)を含んでおり、レーザ素子11から発振されたレーザ光を受けて蛍光を発するものである。
例えば、発光部14は、封止材の内部に蛍光体の粒子が分散されているもの(封止型)、蛍光体の粒子を固めたもの、または、熱伝導率の高い材質からなる基板上に蛍光体の粒子を塗布した(堆積させた)もの(薄膜型)、などの蛍光体を含有した発光体である。
このような蛍光体を含む発光部14を用いることにより、演色性が高い照明光を生成することが可能となる。
本実施の形態では、発光部14は、2mm×0.5mmの矩形で、厚さ0.1mmの薄膜状となるように、蛍光体の粉末を支持部15の傾斜部15aにTiOをバインダーとして塗布することで形成されている。しかしながら、この寸法、形状、厚さおよびバインダーに限定されるわけではない。
この発光部14は、支持部15の傾斜部15aに固定して、楕円ミラー16が有する2つの焦点のうちの一方の焦点近傍に配置されている。このため、発光部14から発せられる光は、楕円ミラー16の反射曲面によって反射されることで、その光路が制御される。
この発光部14は、十分に小さいことが好ましい。この場合、発光部14が発した光を、楕円ミラー16の他方の焦点に効率良く集光することができる。
また、発光部14は、レーザ光の照射スポットよりも大きいことが望ましい。
(発光部14の傾斜配置)
発光部14から発せられた蛍光が、効率的に楕円ミラー16にて反射されることが可能なように、発光部14は、支持部15の傾斜部15a上に傾いて固定されている。なお、傾斜部15aは、レーザ光の入射方向に対して垂直な面を基準として、その入射方向に15°程度傾斜していることが好ましい。しかしながら、この構成に限定されるわけではなく、レーザ光の入射方向に対して垂直であっても良い。
また、発光部14から発せられた光は、略ランバーシアン配光となる。そのため、発光部14のレーザ光照射面14aがレーザ光の入射方向に対して垂直となるように発光部14が配置されていると、発光部14で発せられた光の最も光度の高い領域が楕円ミラー16の窓部に位置するため、投光効率が悪くなる。
この投光効率を考慮すれば、発光部14のレーザ光照射面14aが15°程度傾斜していることが好ましいが、当該投光効率を考慮しなければ、レーザ光照射面14aがレーザ光の入射方向に対して垂直となるように発光部14が配置されていても良い。
さらに、楕円ミラー16の窓部をレーザ光が透過し、発光部14から発せられた光を反射するような構造とした場合には、製造コストは上昇するが、レーザ光照射面14aがレーザ光の入射方向に対して垂直となるように発光部14が形成されていても、投光効率は向上する。
(蛍光体の種類)
本実施形態では、レーザ素子11によって発振された波長395nmのレーザ光を受けて、白色の蛍光を発するように、発光部14の蛍光体として、BAM(BaMgAl1017:Eu)、BSON(BaSi12:Eu)、Eu−α(Ca−α−SiAlON:Eu)など、複数種類の蛍光体を混合して用いている。しかし、上記蛍光体は、これらに限定されるものではなく、例えば、自動車用にヘッドランプ1が使用される場合、ヘッドランプ1の照明光が、法律により規定されている所定の範囲の色度を有する白色となるように適宜選択されれば良い。また、照明などの用途であれば、適宜必要な色度が出るように、蛍光体を単独で用いても良いし、複数種類の蛍光体を適宜混合して用いても良い。
例えば、他の酸窒化物蛍光体(例えば、JEM(LaAl(SiAl)O:Ce)、β-SiAlONなどのサイアロン蛍光体)、窒化物蛍光体(例えば、CASN(CaAlSiN:Eu)蛍光体、SCASN((Sr,Ca)AlSiN:Eu)蛍光体)、Apataite((Ca,Sr)(POCl:Eu)系、Silicate((Ba,Sr,Mg)SiO:Eu,Mn)系蛍光体または、III−V族化合物半導体ナノ粒子蛍光体(例えば、インジュウムリン:InP)を用いることができる。
また、黄色の蛍光体(または緑色および赤色の蛍光体)を発光部14に含め、450nm(青色)のレーザ光(または、440nm以上490nm以下の波長範囲にピーク波長を有する、いわゆる青色近傍のレーザ光)を照射することでも白色光が得られる。この場合には、レーザ光の一部を照明光として利用することになるためレーザ光カットフィルタ17を設けないようにする。
以下では、発光部14が蛍光体を保持する形態である、封止型および薄膜型について説明する。
(封止型)
発光部14を封止型とした場合の封止材は、例えば、ガラス材(無機ガラス、有機無機ハイブリッドガラス)、シリコーン樹脂などの樹脂材料である。ガラス材として低融点ガラスを用いても良い。封止材は、透明性の高いものが好ましく、レーザ光が高出力の場合には、耐熱性の高いものが好ましい。ゾルゲル法により、酸化ケイ素や酸化チタンなどにより封止する構造でも良い。
発光部14の上面(レーザ光照射面14a)にレーザ光の反射を防止する反射防止構造が形成されていても良い。封止型の場合には、発光部14の上面形状の制御が容易であるため、特に反射防止膜を形成することが望ましい。
(薄膜型)
発光部14を薄膜型とした場合は、Al、Cu、AlNセラミック、SiCセラミック、酸化アルミ、Siなどを基板として用いる。なお、基板と蛍光体との間に、Al、Ag、BaSOなどを光学特性向上を目的として、挿入しても良い。その基板の上に蛍光体の粒子を塗布あるいは堆積させた後、基板毎に、所望の大きさに分割する。その後、当該基板を支持部15に高熱伝導接着剤により固定する。
基板にAlやCuなどを用いた場合には、バリアメタルとしてTiNやTi、TaN、Taなどを、基板の蛍光体の粒子を堆積しない側(支持部15に対向する側)にコートしておくことが望ましい。さらに、バリアメタル上にPtやAuなどをコートしても良い。
高熱伝導性接着剤としては、SnAgCu、AuSnなどの共晶半田を用いることが望ましいが、限定はされない。
(支持部15)
熱伝導性の高い金属などからなる支持部15は、その一端の傾斜部15aにおいて発光部14を支持し、発光部14が楕円ミラー16の略焦点位置に位置するように、楕円ミラー16に接続されている。
支持部15の材質として、本実施の形態ではAlを用いているが、AlN、SiCなどの高熱伝導セラミックスを用いても良い。
また、本実施の形態では、支持部15に、酸化チタンをバインダーとして蛍光体を塗布することにより、発光部14を固定している。このバインダーとしては、酸化ケイ素などを用いても良い。
また、発光部14が薄膜型の場合、支持部15の発光部14と対向する面に、TiNやTi、TaN、Taなどをバリアメタルとしてコートしておくことが望ましい。さらに、バリアメタル上にPtやAuなどをコートしておいても良い。
なお、支持部15の他端は、楕円ミラー16を貫通して、熱伝導性が高い放熱部材(図示せず)に接続されていても良い。この構成では、レーザ光によって発熱する発光部14の熱は、支持部15および放熱部材に伝播し、効率良く放熱される。
(楕円ミラー16)
楕円ミラー16は、発光部14が発した蛍光をマルチモードファイバ20の入射端面20aに集光する反射鏡である。この楕円ミラー16は、楕円を、当該楕円の対称軸を中心として回転させたときに形成される曲面の一部を反射面の形状として有している。また、楕円ミラー16は、レーザ光が入射される側に第1焦点を有しており、第1焦点近傍に発光部14が設置されている。また、楕円ミラー16の第2焦点近傍に、マルチモードファイバ20の入射端面20aが位置している。
この構成により、発光部14によって発せられた光は楕円ミラー16により反射され、楕円ミラー16の第2焦点近傍に集光された後、マルチモードファイバ20によりレンズ(光学レンズ)31へ導光される。
なお、レーザ素子11から出射されたレーザ光は、楕円ミラー16に形成された窓部を透過または通過して発光部14に照射される。この窓部は、貫通孔であっても良く、或いは、レーザ光を透過可能な透明部材を含むものであっても良い。
(楕円ミラー16の材質)
本実施の形態では、楕円ミラー16は、FRPを基材とし、その上に反射膜としてAlコート、さらにその上に、Alの酸化防止を目的とした酸化ケイ素をコートしたものを用いている。
ただし、楕円ミラー16の構成は、上述のものに限定されるものではなく、配光制御機能を有するものであれば良い。例えば、基材としてアクリルやポリカーボネートといった他の樹脂やAlなどの金属製の部材を用いても良いし、反射膜としてAgやPtなどを用いていても良い。また、酸化防止膜としては、酸化アルミ系などを用いても良く、酸化ケイ素および酸化チタンの多層膜とした増反射機能を兼ね備えた膜を用いても良い。
(レーザ光カットフィルタ17)
レーザ光カットフィルタ17は、特定の波長域の光を遮断する。本実施の形態では、レーザ光カットフィルタ17は、400nm以下の波長の光をカットし、レーザ素子11から出射される波長395nmのレーザ光を遮断することができる。それゆえ、発光部14によって蛍光に変換されなかったレーザ光が楕円ミラー16の外部へ出射されることを防止できる。
これにより、レーザ光を投光しない、人の目に優しい安全な照明装置を実現できる。なお、遮断する波長は、レーザ光カットフィルタ17の種類に応じて適宜調整できる。また、レーザ光カットフィルタ17の代わりに波長カットフィルタを用いることもできる。
なお、照明光の一部としてレーザ素子11から出射されたレーザ光を外部へ投光する場合には、レーザ光カットフィルタ17を設けない構成とする。
(マルチモードファイバ20)
マルチモードファイバ20は、入射端面20aおよび出射端面(出射端部)20bを有しており、入射端面20aに入射した光を導光して、出射端面20bから照明光として出射するための光学部材である。ここで、マルチモードファイバ20は、光を透過する材質からなる、コアおよびクラッドを備えている。コアは、クラッドの内部に包含されおり、コアの屈折率はクラッドよりも高くなっている。このような構成をとることにより、コアの一方の端面に入射した光は、略全反射により、コアの他方の端面に導光される。クラッドの外部は被覆等で覆われている。
ヘッドランプ1では、光源部10が出射した出射光を受け入れるために、マルチモードファイバ20の入射端面20a(入射瞳)との楕円ミラー16の第2焦点(出射瞳)とが概ね一致するように配置されている。
また、マルチモードファイバ20の出射端面20bの開口数を所定値以下とすることにより、ヘッドランプ1が発する照明光の投光範囲が限定されている。出射端面20bの好ましい開口数は、0.3以下であり、0.2以下がより好ましい。
(投光部30)
投光部30は、マルチモードファイバ20の出射端面20bから出射された出射光を照明光として外部へ投光する。概ね輝度不変則が成り立つように光源部10およびマルチモードファイバ20が設計されているため、光源部10において生成された光の輝度が投光部30においても保たれている。この投光部30は、レンズ31を備えている。
(レンズ31)
レンズ31は、マルチモードファイバ20の出射端面20bから出射した出射光を略平行光にして、その略平行光を照明光としてヘッドランプ1の前方へ投光する光学部材である。ここで、略平行光とは、完全に平行な光である必要はなく、投光角(光度が半値となる頂角)が20°以下である光である。
ここで、レンズ31の焦点位置とマルチモードファイバ20の出射端面20bとは概ね一致している。また、レンズ31の直径は、10mmである。しかしながら、この直径に限定されるわけではなく、所望の照明光を生成することができる直径であっても良い。
また、後述するようにレンズ31等の光学部材や反射鏡を介さずに、マルチモードファイバ20の出射端面20bから出射した出射光を直接外部へ投光してもよい。
<所望の投光パターンを生成する構成>
本発明は、所望の投光パターンを生成することを一つの目的としている。以下では、所望の投光パターンを生成する構成について説明する。
(出射端面20bの位置および方向の規定による投光パターンの生成)
図2(a)は、マルチモードファイバの出射端面の位置および方向の規定により投光パターンを生成する構成を示す図である。図2(a)に示すマルチモードファイバ20は、ヘッドランプ1が配設されている物体に対してマルチモードファイバ20の出射端面20bの位置および方向を規定している。ここでは、例として、マルチモードファイバ20の出射端面20bが向く方向の、直線状態からの変化を角度αにより規定している。つまり、直線の状態から、マルチモードファイバ20の出射端部(出射端面20b側の一部分)がどの程度曲げられたのかを角度αにより表している。
まず、角度αに応じて、マルチモードファイバ20から出射される照射光の光軸の位置が変化する。また、マルチモードファイバ20において、角度αに応じた曲げ損失が発生し、これにより、マルチモードファイバ20から出射される照射光の投光パターンが有する光分布も変化する。
(出射端面の開口数の変更による投光パターンの生成)
図2(b)は、出射端面の開口数の変更により投光パターンを生成する構成を示す図である。図2(b)の上側に示す、開口数が大きなマルチモードファイバ20では、その出射端面20bから角度β1にて光が出射される。また、開口数が小さなマルチモードファイバ20では、その出射端面20bから角度β1よりも小さい角度β2にて光が出射される。
このように、マルチモードファイバ20の開口数を適宜設定することにより、投光範囲を所望の範囲に設定することができる。
また、出射端面の開口数の変更により投光パターンを生成する構成と、出射端面20bの位置および方向の規定により投光パターンを生成する構成とを組み合わせて用いても良い。
(照明光の配光角を制御する光学レンズによる投光パターンの生成)
まず、図1(a)に示すように、マルチモードファイバ20の出射端面20bから出射される照明光は、レンズ31により、必要に応じて略平行光に変換される。これにより、ヘッドランプ1は、マルチモードファイバ20の出射端面20bの形状に応じた投光パターンを生成することができる。
図2(c)は、照明光の配光角を制御するレンズ31により投光パターンを生成する構成を示す図である。ここで、距離Dは、マルチモードファイバ20の出射端面20bとレンズ(光学レンズ)31Aとの間の距離である。
図2(c)に示すように、レンズ31Aは、マルチモードファイバ20の出射端面20bから出射される照明光の配光角を制御する。まず、図2(c)の上側に示す例では、レンズ31Aが、出射端面20bから距離Dの間隔を置いて設置されている。また、図2(c)の下側に示す例では、レンズ(光学レンズ)31Bが、出射端面20bとほぼ接する位置に設置されており、上側に示す例とは異なる投光パターンが得られる。
このように、マルチモードファイバ20の出射端面20bと照明光の配光角を制御する光学レンズとの間の距離を選択することによって、同一のマルチモードファイバ20に対しても、異なる投光パターンを生成することができる。また、照明光の配光角を制御する光学レンズとして、例えば、異なる焦点距離、開口数、屈折率、直径または厚さを有するものを用いることによって、異なる投光パターンを得る構成としても良い。
(マルチモードファイバのコア形状による投光パターンの生成)
まず、図1(a)に示すように、マルチモードファイバ20の出射端面20bから出射される出射光は、レンズ31により、必要に応じて略平行光に変換される。これにより、ヘッドランプ1は、マルチモードファイバ20の出射端面20bの形状に応じた投光パターンを生成することができる。
より具体的には、ヘッドランプ1では、マルチモードファイバ20のコア形状に応じた投光パターンを生成することができる。なぜならば、マルチモードファイバ20により導光される光は、マルチモードファイバ20のコア内を全反射しつつ入射端面20aから出射端面20bまで伝搬されることにより導光されるため、マルチモードファイバ20の出射端面20bから出射される出射光は、コア形状に応じた光分布を有しているからである。
以下では、マルチモードファイバ20の詳細構造について、具体例を挙げて説明する。
図3(a)および(b)は、マルチモードファイバのコア形状を示す図である。図3(a)に示すように、マルチモードファイバ20では、コア21を、コア21よりも屈折率の低いクラッド22で覆っている複層構造を有している。
ここで、従来のマルチモードファイバでは、コアが円形断面を有しており、マルチモードファイバを導光される光は、円形断面のコアの内部を導光されるようになっている。そして、従来では、該マルチモードファイバからの出射光を受けた発光部から蛍光を、遮蔽板を介してレンズを通して照射対象に照射させたり、または、マルチファセットミラーを介して照射対象に照射させたりすることにより、照射対象における所望の投光パターンの光強度分布を制御していた。
しかしながら、このような配光制御では、照明光のロスが発生するという問題を有していた。
そこで、本実施形態のマルチモードファイバ20では、コア21の形状を変更することにより、出射光の光分布を形成して、照明光のロスの発生を抑えている。
具体的には、図3(a)に示すように、マルチモードファイバ20のコア21は、断面多角形のコア形状にてなっている。これによって、断面多角形のコア形状をフーリエ変換した光強度分布を有する出射光を生成することができる。
ここで、コア21の断面多角形のコア形状は、例えば三角形、四角形、五角形等の多角形とすることができると共に、全てが凸になっている必要はなく、図3(a)に示すように、一部に凹部21aを有する複雑な多角形であっても良い。
また、コア21の断面多角形のコア形状は、全てが直線の辺で形成されている必要はなく。例えば、図3(b)に示すように、湾曲部21bと角部とを含むコア形状であっても良い。コア21の形状をこのような形状にすることにより、例えば、すれ違い用前照灯(ロービーム)の配光特性に対応した出射光における所望の光分布形状を実現することができる。
図1(b)は、マルチモードファイバのコアの屈折率の等高線を示す断面(平面)図である。図1(b)に示すように、コア21は、中心の屈折率が最も高く、等高線にて示すように、外周部になるほど屈折率が低くなっている。光は、屈折率が高い部分により偏在する性質を有しているため、コア21における屈折率が高い中心部から出射する光の輝度は、その周囲から出射する光の輝度よりも高くなる。それゆえ、コア21における屈折率分布を適宜設定することにより、照明光の投光パターンにおける輝度分布を所望の分布にすることができる。
すなわち、コア21の形状を変更することにより、投光パターンを変化させることができる。
なお、屈折率分布は、ステップ状に変更しても良いし、グレーデッドに変更しても良い。屈折率分布は、最終的に必要とする投光パターンに応じ、適宜設計すれば良い。
(マルチモードファイバを複数組み合わせることによる投光パターンの変化)
図4は、マルチモードファイバを複数組み合わせることにより投光パターンを生成する構成を示す図である。図4に示すように、ヘッドランプ1は、上述のマルチモードファイバ20の曲げ、マルチモードファイバ20の開口数の変更、マルチモードファイバ20の出射端面20bの近傍に配したレンズ31および/またはマルチモードファイバのコア形状の変更を組み合わせることにより、所望の投光パターン40を投光することができる。つまり、各マルチモードファイバからの投光パターン(光束)は足し合わせが可能であり、これにより十分な出力を有する投光パターンを生成することができるとともに、1本のマルチモードファイバ20では実現困難な投光パターンを容易に実現することができる。
(照明光の光軸の方向および配光角を制御するミラーによる投光パターンの生成)
図5(a)〜(c)は、照明光の光軸の方向および配光角を制御するミラーにより投光パターンを生成する構成を示す図である。まず、上述のように、ヘッドランプ1は、マルチモードファイバ20の出射端面20bの位置および方向を規定することにより、マルチモードファイバ20の出射端面20bから出射される照明光の光軸の方向を変化させることができる(図2(a)参照)。ここで、図5(a)〜(c)に示すように、ヘッドランプ1では、ミラー31Cを用いることによっても、マルチモードファイバ20の出射端面20bから出射される照明光の光軸の方向を規定することができる。なお、マルチモードファイバ20の出射端面20bの位置および方向、またはミラー31Cの角度を動的に変化させることにより、照明光の光軸の方向を動的に変化させても良い。
以下では、ミラー31Cを用いて、マルチモードファイバ20の出射端面20bから出射される照明光の光軸の方向を変化させる構成について詳細に説明する。
まず、図5(a)では、マルチモードファイバ20の出射端面20bから出射された照明光を、ミラー31Cで反射することにより、反射された照明光の光軸が、反射される前の照明光の光軸に対して90°の角度をなすように制御されている。
次に、図5(b)では、マルチモードファイバ20の出射端面20bから出射された照明光を、ミラー31Cで反射することにより、反射された照明光の光軸と反射される前の照明光の光軸とが鈍角をなすように制御されている。
次に、図5(c)では、マルチモードファイバ20の出射端面20bから出射された照明光を、ミラー31Cで反射することにより、反射された照明光の光軸と反射される前の照明光の光軸とが鋭角をなすように制御されている。
以上のように、ミラー31Cを用いることにより、マルチモードファイバ20の出射端面20bから出射される照明光の光軸の方向を変化させることができる。このようなミラー31Cを用いた構成は、例えば、マルチモードファイバ20の設置方向と、マルチモードファイバ20の出射端面20bから出射される照明光の投光方向とが異なる場合に好適である。
また、上述のように、ヘッドランプ1は、光学レンズ(レンズ31A、31B)を用いることにより、マルチモードファイバ20の出射端面20bから出射される照明光の配光角を制御することができる(図2(c)参照)。ここで、図5(a)〜(c)に示すように、ヘッドランプ1は、ミラー31Cを用いることによっても、マルチモードファイバ20の出射端面20bから出射される照明光の配光角を制御することができる。例えば、ミラー31Cを所定の形状に規定することにより、当該照明光の配光角を狭くすることができる。特に、ミラー31Cとして軸外し放物ミラーを用いた場合には、照明光の配光角を最も狭くすることができる。
(投光用光学素子による照明光の立体角の制御)
図6(a)および(b)は、マルチモードファイバ20の出射端面20bの近傍に配した光学レンズ(投光用光学素子)による照明光の立体角の制御方法を示す図である。ここで、図6(a)、(b)は、図2(c)の上図、下図に対応している。
マルチモードファイバ20の出射端面20bから出射された照明光がなす立体角は、マルチモードファイバ20の開口数に応じた大きさ(広さ)を有している。ここで、当該開口数は、全幅半値(FWHM;Full-Width Half-Maximum)により定義されているものとする。
図6(a)および(b)に示すように、マルチモードファイバ20の出射端面20bの近傍に配した光学レンズ(レンズ31A、31B)により、マルチモードファイバ20の出射端面20bから出射された照明光がなす立体角は、各光学レンズの光学特性に応じた立体角へと変化する。ここで、レンズ31Aの出射端31Abから出射された照明光がなす立体角およびレンズ31Bの出射端31Bbから出射された照明光がなす立体角は、マルチモードファイバ20の出射端面20bから出射された照明光がなす立体角よりも小さく(狭く)なっている。このように、マルチモードファイバ20および上述の光学レンズ(投光用光学素子)を用いて、マルチモードファイバ20の出射端面20bから出射される照明光の立体角を小さく(狭く)することにより、当該照明光の光度を向上させることができる。
図7は、マルチモードファイバ20の出射端面20bの近傍に配したミラー(投光用光学素子)による照明光の立体角の制御方法を示す図である。図7に示すように、マルチモードファイバ20の出射端面20bから出射された照明光は、マルチモードファイバ20の出射端面20bの近傍に配したミラー31Cにより反射される。これにより、ミラー31Cの出射端31Cbから出射された照明光の立体角は、ミラー31Cの形状に応じた立体角に変化するとともに、反射前の照明光の立体角と比較して小さい(狭い)立体角に変化する。つまり、上述の光学レンズを用いた場合と同様に、ミラー31Cを用いても、マルチモードファイバ20の出射端面20bから出射される照明光の立体角を小さく(狭く)することができ、これにより当該照明光の光度を向上させることができる。
(光ファイバおよび反射鏡を用いた投光部の小型化)
上述のように、ヘッドランプ1では、光ファイバ(マルチモードファイバ20)および反射鏡(ミラー31C)を用いて、照明光の立体角を狭くすることにより、照明光の輝度を向上させることができる。
従来の車両用前照灯では、蛍光体に励起光を照射し生成した蛍光を、反射鏡で略平行光等に変えて照明光として投光していた。このような従来の構成においては、蛍光体から出射される蛍光の配光がランバーシアン配光となることから、当該蛍光の立体角はπ(sr)といった広い立体角になることが知られている。つまり、このような構成においては、広い立体角を有する蛍光を反射して照明光とするために、さらに広い立体角を有する反射鏡を用いる必要がある。すなわち、当該構成においては、反射鏡のサイズが大きくなり、投光部のサイズも大きくなってしまうといった問題が存在している。
このような問題は、例えば、上述の特許文献3に記載されている従来の構成(特に、同文献の図9に示されている構成)において顕著である。
一方、本発明のヘッドランプ1は、例えば白色光を、マルチモードファイバ20にカップリングさせることにより、マルチモードファイバ20の出射端面20bから、狭い立体角で高輝度の照明光を出射させることができる。ここで、マルチモードファイバ20の開口数は、例えば0.3以下にすることができる。
つまり、仮に、照明光の投光方向や配光角に制限があり、反射鏡を用いる必要があるような場合においても、ヘッドランプ1は、マルチモードファイバ20の出射端面20bから出射される照明光の立体角が小さいため、従来の構成のように反射鏡を大型化する必要がなくなり、小型の反射鏡を用いた小型の投光部にて、所望の投光方向へ所望の配光角度の照明光を投光することができる。
また、仮に、マルチモードファイバ20の出射端面20bにおける照明光の出射方向に対する近視野パターン(NFP;Near Field Pattern)が、従来の構成と同じであったとしても、ヘッドランプ1は、従来の構成と比較してより小型の反射鏡で照明光の配光角を制御することができる。
すなわち、ヘッドランプ1は、反射鏡を用いる場合にも、従来技術と比較して投光部を小型化することができる。
<白色光を生成しマルチモードファイバから照明光として出射する構成>
次に、光源部10における白色光の生成方法の具体例と、当該生成した白色光をマルチモードファイバ20にカップリングさせる構成の具体例について説明する。
白色の照明光は、物体に投光されることにより、他に光源がないような暗い環境においても、当該物体を明るく照らし出すことができる。つまり、白色の照明光は、投光先の物体の視認性を高めることができる。ここで、自動車用の照明装置には、照明光の投光先の物体について高い視認性が求められる。つまり、白色光を投光可能な照明装置は、自動車用に好適であると言える。
また、例えば、日本国においては、自動車用の照明装置の照明光は所定の範囲の色度を有する白色となるように、日本国の法律により規定されている。つまり、自動車用の照明装置は、このような法律による規定を満たす白色の照明光を照射できることが好ましい。また、このことは、日本国に限定されるわけではなく、法律により照明光の色度の範囲が規定されている国であれば、同様に当該国の法律による規定を満たす白色の照明光を出射できることが好ましい。
本発明のヘッドランプ1は、上述のように白色の照射光を投光することができる。しかしながら、上述の構成に限定されるわけではない。以下では、ヘッドランプ1の構成を一部変更した例について説明する。
〔変更例1〕
図8は、励起光を蛍光ファイバにカップリングさせ白色光を生成するヘッドランプ(照明装置、車両用前照灯)1Aの構成を示す図である。以下では、ヘッドランプ1Aの構成を詳細に説明することで、励起光を蛍光ファイバにカップリングさせ白色光を生成する構成について説明する。
ヘッドランプ1Aは、図8に示すように、コリメートレンズ付きレーザ素子(レーザ光源)11A、放熱部12、蛍光ファイバ20A、レンズ31を備えている。このヘッドランプ1Aは、ヘッドランプ1のように光源部10にて白色光を生成する構成を備えてはいない。ヘッドランプ1Aは、光源部10にて白色光を生成するのではなく、ヘッドランプ1のマルチモードファイバ20に相当する蛍光ファイバ20Aの内部にて、白色光を生成する。以下では、ヘッドランプ1Aが備える各部材について詳細に説明する。
(コリメートレンズ付きレーザ素子11A)
コリメートレンズ付きレーザ素子11Aは、レーザ素子およびコリメートレンズを組み合わせた光学部材である。当該レーザ素子は、上述のヘッドランプ1が備えるレーザ素子11と同様のものである。また、当該コリメートレンズは、レーザ素子から出射された励起光を集光し、蛍光ファイバ20Aの入射端面20aに入射させるための光学部材である。
上述のように、ヘッドランプ1では、レーザ素子11から出射された励起光を発光部14に照射して白色光を生成し、当該白色光を、楕円ミラー16を介してマルチモードファイバ20に入射させている。一方、ヘッドランプ1Aでは、コリメートレンズ付きレーザ素子11Aから出射された励起光を、蛍光ファイバ20Aにカップリングさせている。
(蛍光ファイバ20A)
蛍光ファイバ20Aは、上述のマルチモードファイバ20と同様に、入射端面20aおよび出射端面20bを有しており、入射端面20aに入射した光を導光して、出射端面20bから出射するための光学部材である。しかしながら、蛍光ファイバ20Aは、マルチモードファイバ20とは異なり、光を導光する経路に蛍光体が分散されている。それゆえ、励起光を、蛍光ファイバ20Aの入射端面20aにカップリングさせることにより、当該蛍光体が励起され白色光を生成し、当該白色光が導光されて、出射端面20bから出射される。
(低反射コート25aおよび25b)
蛍光ファイバ20Aの入射端面20aには、低反射コート25aが、出射端面20bには、低反射コート25bが配されている。このように、各低反射コートを配することにより、入射端面20aに入射しようとする光および出射端面20bから出射しようとする光の反射によりロスを低減し、最終的にレンズ31を介して外部へ投光される照明光の輝度を向上させることができる。
また、低反射コート25aおよび25bを蛍光ファイバ20Aに適用することにより、蛍光ファイバ20Aのミラーロスが増大する問題や、蛍光ファイバ20Aにおいてファイバーレーザとしてのレーザ発振が起こってしまう問題を抑制することが出来る。安全性の観点から、上記レーザ発振が起こらないことが望ましい。
ヘッドランプ1Aは、以上のような構成を備えることにより、コリメートレンズ付きレーザ素子11Aから出射した励起光を、直接蛍光ファイバ20Aにカップリングすることにより、蛍光ファイバ20Aの内部にて、白色光を生成し、蛍光ファイバ20Aの出射端面20bから当該白色光を出射する。
〔変更例2〕
図9は、RGBレーザ光を光ファイバにカップリングさせる構成を示す図である。ここで、RGBレーザ光とは、赤色のレーザ光と、緑色のレーザ光と、青色のレーザ光とを混色させた白色のレーザ光である。
また、図9は、ヘッドランプ(照明装置、車両用前照灯)1Bの全体構成を示す図である。図9に示すように、ヘッドランプ1Bは、コリメートレンズ付きレーザ素子11R、11Gおよび11B、ダイクロイックミラー13Rおよび13G、軸外し放物ミラー16B、マルチモードファイバ20ならびにレンズ31を備えている。以下では、ヘッドランプ1Bが備えるこれらの構成部材を詳細に説明する。
(コリメートレンズ付きレーザ素子11R、11Gおよび11B)
コリメートレンズ付きレーザ素子11R、11Gおよび11Bは、図8に示すコリメートレンズ付きレーザ素子11Aと同様の基本構造を有する素子である。コリメートレンズ付きレーザ素子11Rは、赤色のレーザ光を発光するレーザ素子である。また、コリメートレンズ付きレーザ素子11Gは、緑色のレーザ光を発光するレーザ素子である。また、コリメートレンズ付きレーザ素子11Bは、青色のレーザ光を発光するレーザ素子である。ここで、赤色のレーザ光とは、波長範囲が概ね620〜750nmであるレーザ光を指す。また、緑色のレーザ光とは、波長範囲が概ね495〜570nmであるレーザ光を指す。また、青色のレーザ光とは、波長範囲が概ね450〜495nmであるレーザ光を指す。
(ダイクロイックミラー13Rおよび13G)
ダイクロイックミラーとは、特定の波長範囲の光を選択的に反射し、それ以外の範囲の長さの波長範囲の光を透過する光学素子である。
ダイクロイックミラー13Rは、波長範囲が概ね赤色(620〜750nm)の範囲のである光を選択的に反射し、波長範囲がそれ以外の範囲である光を透過する。これにより、ダイクロイックミラー13Rは、コリメートレンズ付きレーザ素子11Rから出射される赤色のレーザ光を反射し、コリメートレンズ付きレーザ素子11Gおよび11Bから出射される光を透過する。
また、ダイクロイックミラー13Gは、波長範囲が概ね緑色(495〜570nm)の範囲である光を選択的に反射し、波長範囲がそれ以外の範囲である光を透過する。これにより、ダイクロイックミラー13Gは、コリメートレンズ付きレーザ素子11Gから出射される赤色のレーザ光を反射し、コリメートレンズ付きレーザ素子11Bから出射される光を透過する。
次に、ダイクロイックミラー13Rおよび13Gが、コリメートレンズ付きレーザ素子11R、11G、11Bおよび後述する軸外し放物ミラー16Bと、どのような位置関係で配されているかについて説明する。
まず、ダイクロイックミラー13Gは、コリメートレンズ付きレーザ素子11Bおよびコリメートレンズ付きレーザ素子11Gから出射される各レーザ光が交わる位置に配されているとともに、各レーザ光が45°の角度で入射する角度にて配されている。このように配されることにより、ダイクロイックミラー13Gは、コリメートレンズ付きレーザ素子11Bから出射される青色のレーザ光を透過するとともに、コリメートレンズ付きレーザ素子11Gから出射される緑色のレーザ光を反射して、同一直線状に各レーザ光を出射することができる。つまり、青色のレーザ光および緑色のレーザ光を混色することができる。
次に、ダイクロイックミラー13Rは、コリメートレンズ付きレーザ素子11Bおよびコリメートレンズ付きレーザ素子11Rから出射される各レーザ光が交わる位置に配されているとともに、各レーザ光が45°の角度で入射する角度にて配されている。このように配されることにより、ダイクロイックミラー13Rは、コリメートレンズ付きレーザ素子11Bから出射される青色のレーザ光およびコリメートレンズ付きレーザ素子11Gから出射される緑色のレーザ光を透過するとともに、コリメートレンズ付きレーザ素子11Rから出射される赤色のレーザ光を反射して、同一直線状に各レーザ光を出射することができる。つまり、青色のレーザ光、緑色のレーザ光および赤色のレーザ光を混色することができる。
このように、ダイクロイックミラー13Rおよび13Gにより、最終的に、コリメートレンズ付きレーザ素子11Rから出射される赤色のレーザ光と、コリメートレンズ付きレーザ素子11Gから出射される緑色のレーザ光と、コリメートレンズ付きレーザ素子11Bから出射される青色のレーザ光とを混色させて、白色光を生成することができる。
(軸外し放物ミラー16B)
軸外し放物ミラー16Bは、ダイクロイックミラー13Rおよび13Gにより混色させて生成した白色のレーザ光を集光して、マルチモードファイバ20の入射端面20aへ入射させるための光学素子である。
ここで、軸外し放物ミラー16Bの焦点位置とマルチモードファイバ20の入射端面20aとは概ね一致している。また、軸外し放物ミラー16Bの開口数は、マルチモードファイバ20の入射端面20aの開口数と同一または当該開口数より大きいことが好ましい。
また、反射鏡として軸外し放物ミラーを用いる例を説明したが、楕円ミラー、パラボラミラー、球面ミラーなどを用いることもでき、反射鏡の種類は特に限定されない。さらに、反射鏡ではなく、レンズなどの光学素子を用いて、レーザ光を集光しても良いが、レンズを用いる場合、例えば色収差が発生するため、ファイバへのカップリング効率が落ちないように、ミラーを用いる場合よりも厳密な光学素子設計および光学素子設置精度が求められる。
以上の構成により、ヘッドランプ1Bは、白色光を照明光として出射することができる。
<ヘッドランプ1の効果>
上述の構成により、ヘッドランプ1は、まず、所望の投光パターンを生成することができる。また、マルチモードファイバ20を用いて光源部10から投光部30へ、照明光を導光することにより、投光部30から光源部10を離間させ、ヘッドランプ1の全体として、投光部30を小型化することができる。
さらに、ヘッドランプ1は、上述のヘッドランプ1Aおよび1Bとして示す構成をとることもできる。これにより、ヘッドランプ1は、ヘッドランプ1Aおよび1Bと同様の効果を奏する。
つまり、ヘッドランプ1は、所望の投光パターンを生成できるとともに、投光部が小型化でき、白色光を照明光として出射可能な照明装置を実現することができるという効果を奏する。
<ヘッドランプ1の利用形態>
上述のヘッドランプ1は、所望の投光パターンを生成できるとともに、投光部が小型化でき、白色光を照明光として出射可能という特徴を備えており、特に、自動車(車両)用に好適である。以下では、ヘッドランプ1を自動車に適用する際の形態について説明する。
〔変更例3〕
図10は、偏光ミラーを用いて輝度を高めた白色光を光ファイバにカップリングさせるヘッドランプ(照明装置、車両用前照灯)1Cの構成を示す図である。図10に示すように、ヘッドランプ1Cは、主に、コリメートレンズ付きレーザ素子11A、ミラー13C、偏光ミラー13P、発光部14、楕円ミラー16、マルチモードファイバ20およびレンズ31を備えている。以下では、ヘッドランプ1Cが備えるこれらの部材について詳細に説明する。
(ミラー13C)
ミラー13Cは、コリメートレンズ付きレーザ素子11Aから出射されたレーザ光を反射し、偏光ミラー13Pが位置する方向へ導光する光学素子である。
また、ミラー13Cは、コリメートレンズ付きレーザ素子11Aから出射されたレーザ光が略45°の角度で入射する角度にて配されている。
なお、ミラー13Cの表面に、反射膜としてAlなどの金属を用いてコートしても良い。このような反射膜としては、Ag、Ptなどの金属が望ましいが、SiO/TiO多層膜などの多層膜構造による反射膜でも良い。
また、ミラー13Cは、機材がAlNセラミックであっても良いし、酸化防止膜としての酸化アルミをコートしたものであっても良い。
例えば、機材としては、BK7、石英ガラスなどのガラス類、ポリカーボネート、アクリル、FRP、SiC、Alなど、熱膨張係数の小さい素材を用いることが望ましい。
さらに、酸化防止膜は、酸化ケイ素などを用いても良い。なお、酸化防止膜が必ずしもコートされている必要はない。
また、ミラー13Cの表面には、増反射膜(増反射構造、例えばHRコート膜)が設けられていても良い。この場合、レーザ光のミラー13Cによる反射損失(ミラーロス)を低減することができる。
(偏光ミラー13P)
偏光ミラー13Pは、コリメートレンズ付きレーザ素子11Aから出射されたレーザ光を反射し、発光部14の方向へ導光する光学素子である。
また、偏光ミラー13Pは、ミラー13Cにより反射されたレーザ光を透過し、発光部14の方向へ導光する。
偏光ミラー13Pは、コリメートレンズ付きレーザ素子11Aから出射されたレーザ光およびミラー13Cにより反射されたレーザ光が交わる位置に配されているとともに、各レーザ光が略45°の角度で入射する角度にて配されている。また、偏光ミラー13Pは、図10においてレーザ素子11Aの側から入射するレーザ光を反射し、ミラー13Cの側から入射するレーザ光を透過する性質を有している。これにより、同一直線状に各レーザ光を出射させることができる。そして、このように偏光ミラー13Pを用いることにより、同一スポットサイズのレーザ光の強度を約2倍とすることができ、輝度を向上させることができる。これにより、発光部14から出射(励起)される白色光の励起輝度を高めることができる。
なお、レーザ素子11Aで、異なった波長のレーザ光を用い、偏光ミラー13Pの代わりにダイクロックミラーを用いても、同様の効果を奏する構成を実現できる。
また、本実施形態では、放熱部12の同一面上にレーザ素子11Aを設置している。このため、ミラー13Cを用いて、偏光ミラー13Pにレーザ光が入射する様に光路を変更しているが、レーザ素子11Aの配置位置を、レーザ素子11Aの出射光が、偏光ミラー13Pに直接入射するような配置とした場合、ミラー13Cを設置する必要は無い。
以上の構成により、ヘッドランプ1Cは、より高輝度の白色光を照明光として出射することができる。
〔実施形態2〕
さて、本発明の実施の他の形態について図11に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態の自動車(車両)100は、所望の投光パターンを形成するヘッドランプを備えた自動車である。
図11は、本発明の他の実施形態に係るヘッドランプをピラー部に設置した形態を示す図である。図11に示すように、ヘッドランプ1が、自動車100のピラー部110に、投光部30を外部へ向けて埋め込まれている。ここで、ピラー部とは、自動車を構成する部材であり、バンパー、ボンネット、窓ガラスなどを支える枠材として利用されている部材である。
自動車は、当該自動車に搭乗する搭乗者の安全を確保できることが好ましい。例えば、砂利や小石などの小さな質量の物体から搭乗者を守ることが好ましく、風雨などからも搭乗者を守ることが好ましい。さらには、大きな質量の物体との衝突などからも搭乗者を守ることが好ましい。例えば、自動車と自動車との衝突が起こるような場合にも、搭乗者が守られていることが好ましい。よって、自動車を構成する部材には、一般に強度が求められる。しかしながら、従来のヘッドランプは、車体の構成部材としては強度が弱い部材である。
また、自動車は、歩行者と衝突する危険性があるため、上述のように強度が求められながらも、当該衝突によるエネルギーを吸収できるような柔軟性を求められる。しかしながら、従来のヘッドランプは、例えば、ポリカーボネートといった材料により構成されており、比較的衝突によるエネルギーを吸収することができない柔軟性のない部材である。
本発明のヘッドランプ1は、特に、投光部を小型化できるため、自動車のピラー部に収納することが可能となる。つまり、大きなヘッドランプを自動車の外部に露出させて設置する必要がなくなる。これにより、従来ヘッドランプが設置されていた位置において、自動車の構造部材を自由に選ぶ余地が産まれ、上述の従来の問題を解決し得る。例えば、従来ヘッドランプが設置されていた位置の材質を、高い強度を有する材質にする、または、衝突によるエネルギーを吸収できる柔軟性のある材質にすることで、上述の従来の問題を解決することができる。
また、本発明のヘッドランプ1を利用することにより、自動車100は、例えば、ピラー部110の上部といった高い位置に設置して、高い位置から投光パターンを生成することができる。これにより、自動車100は、例えば、従来のヘッドランプにおけるロービームのように、下方向に投光角度を有する投光パターンを生成することにより、対向車線を走行する自動車の搭乗者を、投光により幻惑することを防止できるとともに、従来のヘッドランプにおけるハイビームと同様の位置またはそれより先の位置まで、投光パターンを生成することができる。
また、従来技術においては、ヘッドランプのサイズが大きくなるため、自動車に複数のヘッドランプを設置することが困難であった。しかしながら、本発明のヘッドランプ1は、特に、投光部のサイズが小さい。これにより、所定の空間に、多数のヘッドランプ1を設置することができる。また、これにより、特に、縦方向に多数のヘッドランプ1を設置することができるようになる。
〔実施形態3〕
さて、本発明の実施の他の形態について図12に基づいて説明すれば、以下のとおりである。上述のように、本実施形態の自動車100は、所望の投光パターンを形成するヘッドランプを備えた自動車である。
図12は、本発明の他の実施形態に係るヘッドランプを略ライン状に設置した形態を示す図である。図12に示すように、自動車100には、従来技術においてヘッドランプが設置されていたバンパー上部120の左右に、略ライン状にヘッドランプ1の投光部30が設置されている。ここで、ヘッドランプ1の投光部30のサイズは、例えば5mm程度まで小型化することができる。つまり、例えば5個のヘッドランプをライン状に並べるとしても、ライン状に設置した複数のヘッドランプ1の投光部30全体の寸法は、5mm×25mm程度に納めることができる。これは、従来技術のヘッドランプよりも遥かに小さい。また、従来技術のヘッドランプにはない新しいデザインを有しているとも言える。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、照明光の特定の投光パターンを投光する照明装置、特に自動車用などのヘッドランプに好適に適用することができる。
1 ヘッドランプ(照明装置、車両用前照灯)
1A ヘッドランプ(照明装置、車両用前照灯)
1B ヘッドランプ(照明装置、車両用前照灯)
1C ヘッドランプ(照明装置、車両用前照灯)
10 光源部
11 レーザ素子(レーザ光源)
11A コリメートレンズ付きレーザ素子(レーザ光源)
11B コリメートレンズ付きレーザ素子(レーザ光源、光源)
11G コリメートレンズ付きレーザ素子(レーザ光源、光源)
11R コリメートレンズ付きレーザ素子(レーザ光源、光源)
14 発光部
20 マルチモードファイバ(導光部)
20A 蛍光ファイバ(導光部)
20b 出射端面(出射端部)
21 コア
30 投光部
31A レンズ(光学レンズ)
31B レンズ(光学レンズ)
40 投光パターン
100 自動車(車両)

Claims (10)

  1. 励起光を受けて蛍光を発する発光部を備えている光源部と、
    上記光源部から出射された出射光を導光する導光部とを備える照明装置であって、
    上記光源部と上記導光部との間に、上記出射光に含まれる上記励起光を減光するフィルタを備え、
    上記導光部は、上記出射光を照明光として出射する出射端部を有し、
    上記出射端部の開口数を所定値以下とすることにより、上記照明光の投光範囲が限定されていることを特徴とする照明装置。
  2. 上記出射端部の開口数は、上記照明光の所望の投光パターンに対応するように規定されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
  3. 上記出射端部から出射された照明光の配光角を制御する光学レンズをさらに備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
  4. 上記導光部は、上記出射光を導光するコアを有し、
    上記コアの形状は、上記照明光の所望の投光パターンに対応するように規定されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の照明装置。
  5. 上記導光部は、上記出射光を導光するコアを有し、
    上記コアは、上記導光部の長軸方向に沿って形成された、屈折率が互いに異なる複数の層を含み、
    上記複数の層の配置は、上記照明光の所望の投光パターンに対応するように規定されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の照明装置。
  6. 上記照明光は、白色光であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の照明装置。
  7. 上記出射端部の開口数は、0.3以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の照明装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の照明装置を備えることを特徴とする車両用前照灯。
  9. 請求項に記載の車両用前照灯が、ピラー部に設置されていることを特徴とする車両。
  10. 請求項に記載の車両用前照灯が備える上記導光部の上記出射端部が、略ライン状に配置されていることを特徴とする車両。
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