以下、本発明の一実施形態である結合分配器を用いた車両用灯具について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の結合分配器10を用いた車両用灯具100の概略構成図である。
車両用灯具100は、灯具ユニット102(本発明の光学系に相当)、光源モジュール104、灯具ユニット102と光源モジュール104とを接続する2本の光ファイバ20Lo、20Hi等を備えている。灯具ユニット102として、2本の光ファイバ20Lo、20Hiに対応して2つの灯具ユニット、すなわち、すれ違いビーム用の灯具ユニット102Lo、走行ビーム用の灯具ユニット102Hiが設けられている。なお、灯具ユニット102は3つ以上であってもよいのは無論である。また、光ファイバは3本以上であってもよいのは無論である。また、灯具ユニットは、すれ違いビーム用の灯具ユニット102Lo、走行ビーム用の灯具ユニット102Hiに限られず、ターンランプ用の灯具ユニット、ポジションランプ用の灯具ユニット、フォグランプ用の灯具ユニット、DRL用の灯具ユニット、リアランプ用の灯具ユニット、ハイマウントストップランプ用の灯具ユニット、それ以外の灯具ユニットであってもよいのは無論である。
すれ違いビーム用の灯具ユニット102Loと走行ビーム用の灯具ユニット102Hiは、略同様の構成であるため、以下、すれ違いビーム用の灯具ユニット102Loの構成を代表して説明する。
灯具ユニット102Loは、いわゆるプロジェクタ型の光学系で、光ファイバ取付部106、ミラー108、波長変換部材110、投影レンズ112、集光レンズ114、冷却フィン116等を備え、光ファイバ取付部106に接続された光ファイバ20Loの出射端部(出射端面)から出射し、ミラー108で反射された光源モジュール104(結合分配器10)からのレーザー光により励起発光する波長変換部材110を光源とした灯具ユニットである。波長変換部材110は、透光性の支持基材132に固定されている。なお、透光性の支持基材132は、省略してもよい。
灯具ユニット102Loは、エクステンション118とともに、アウターレンズ120とこれに組み付けられたハウジング122とで構成される灯室124内に配置されている。符号126で示す部材は、光軸調整機構である。
光源モジュール104は、結合分配器10、電源128等を備えている。結合分配器10、電源128等は、筐体130内に収容されてモジュール化されている。
光ファイバ20Loから出射した青色レーザー光は集光レンズ114により光学調整され、ミラー108で反射された後、支持基材132、波長変換部材110へ入射する。波長変換部材110が青色レーザー光を受けることで波長変換部材110に含まれる蛍光体が励起されて黄色光を発する。そのため、波長変換部材110が青色レーザー光を受けると、当該波長変換部材110で散乱した青色レーザー光が黄色光と混色される結果、波長変換部材110から白色光が出射される。ここで、光ファイバ20Loから出射されたレーザー光は集光レンズ114等による光学調整やミラー108により反射される構造に限定されるものではなく、例えば光ファイバ20Loから出射されたレーザー光が支持基材132を介して、あるいは支持基材132介さず直接波長変換部材110に入射するような構成でもよい。青色レーザー光が波長変換部材110に入射することで波長変換部材110付近に発生した熱は支持基材132およびハウジング122、冷却フィン116を介して放熱される。
図2は、結合分配器の概略構成図である。
図2に示すように、本実施形態の結合分配器10は、複数のレーザー光源12LL1、12LL2、12LL3、複数のコリメートレンズ14LL1、14LL2、14LL3、複数の集光レンズ16Lo、16Hi、複数の光ファイバ取付部40Lo、40Hi、レーザー光源12LL1、12LL2、12LL3からのレーザー光を第1光ファイバ取付部40Lo(これに接続された第1光ファイバ20Loの入射端部(入射端面))又は第2光ファイバ取付部40Hi(これに接続された第2光ファイバ20Hiの入射端部(入射端面))まで導く光路を構成する複数の光学素子、すなわち、ビームスプリッタB1〜B7、ミラーM1〜M3、クロスビームスプリッタCB、1/2波長板PT等を備えた結合分配器として構成されている。複数の光学素子は、レーザー光源12LL1、12LL2、12LL3と光ファイバ取付部40Lo、40Hi(これに接続された光ファイバ20Lo、20Hiの入射端部)との間に配置されている。複数の光学素子として、ビームスプリッタB1〜B7、ミラーM1〜M3、クロスビームスプリッタCB、1/2波長板PT等を用いることで、レーザー光源(半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3)の特性(直線偏光)を利用して、レーザー光源(半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3)のうち少なくとも1つのレーザー光源からのレーザー光を第1光ファイバ20Loの入射端部又は第2光ファイバ20Hiの入射端部まで導く光路を構成することができる。
以下、3つのレーザー光源12LL1、12LL2、12LL3、2本の光ファイバ20Lo、20Hiを用いる例について説明するが、これに限定されず、レーザー光源は1、2又は4つ以上であってもよく、光ファイバは1、2又は4本以上であってもよいのは無論である。また、光学素子は、ビームスプリッタB1〜B7、ミラーM1〜M3、クロスビームスプリッタCB、1/2波長板PTの全てが必要というわけではなく、これらのうち少なくとも1つを備えていればよい。また、これら以外の光学素子を組み合わせてもよい。
レーザー光源12LL1、12LL2、12LL3は、キャップ内に収容された半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3やモニタ用のフォトダイオードPDLL1、PDLL2、PDLL3等を備えている。
図3は、半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3の概略斜視図である。
図3に示すように、半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3は、電界成分が接合面A(活性領域)に対して平行なTEモードのレーザー光(直線偏光)を放出する半導体発光素子(レーザーダイオード)である。半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3は、電界成分が接合面A(活性領域)に対して垂直なTMモードのレーザー光も放出するが、利得の大きなTEモードのレーザー光が支配的となっている。半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3の発光波長は青色域(例えば450nm)である。なお、近紫外域(例えば405nm)であってもよい。
レーザー光源12LL1、12LL2、12LL3は、図2に示すように、放熱板22に固定されている。その際、図4に示すように、第1レーザー光源12LL1は、その接合面ALL1が基準軸AXに対して平行となるように配置されている。このように配置することで、後述の第1ビームスプリッタB1に対して、レーザー光源12LL1から出射されたレーザー光を、p偏光として入射させることが可能となる。一方、第2及び第3レーザー光源12LL2、12LL3は、それぞれの接合面ALL2、ALL3が基準軸AXに対して垂直となるように配置されている。このように配置することで、後述の第5ビームスプリッタB5、及び1/2波長板PTが退避位置p2PTに配置された場合のクロスビームスプリッタCBに対して、レーザー光源12LL2、12LL3から出射されたレーザー光を、s偏光として入射させることが可能となる。
図2に示すように、第1ビームスプリッタB1は、p偏光を透過し、s偏光を反射するビームスプリッタで、第1レーザー光源12LL1(半導体レーザーLDLL1)からのレーザー光の光路中に配置されている。
第2ビームスプリッタB2は、p偏光を透過し、s偏光を反射するビームスプリッタで、回転軸AXB2を中心に回転されて、第1レーザー光源12LL1(第1半導体レーザーLDLL1)からのレーザー光の光路中に挿入される挿入位置p1B2又は第1レーザー光源12LL1(第1半導体レーザーLDLL1)からのレーザー光の光路外に退避した退避位置p2B2に配置される。これは、アクチュエータ制御手段24aが、第2ビームスプリッタB2に対応して設けられたアクチュエータ(図示せず)を制御することで実現される。
第3ビームスプリッタB3は、p偏光を反射し、s偏光を透過するビームスプリッタで、図2中紙面に直交する方向に延びる軸AXB3に沿って移動されて、第1レーザー光源12LL1(第1半導体レーザーLDLL1)からのレーザー光の光路中に挿入される挿入位置p1B3又は第1レーザー光源12LL1(第1半導体レーザーLDLL1)からのレーザー光の光路外に退避した退避位置p2B3に配置される。これは、アクチュエータ制御手段24aが、第3ビームスプリッタB3に対応して設けられたアクチュエータ(図示せず)を制御することで実現される。
第1ミラーM1は、回転軸AXM1を中心に回転されて、第1レーザー光源12LL1(第1半導体レーザーLDLL1)からのレーザー光の光路中に挿入される挿入位置p1M1又は第1レーザー光源12LL1(第1半導体レーザーLDLL1)からのレーザー光の光路外に退避した退避位置p2M1に配置される。これは、アクチュエータ制御手段24aが、第1ミラーM1に対応して設けられたアクチュエータ(図示せず)を制御することで実現される。
第4ビームスプリッタB4は、p偏光を透過し、s偏光を反射するビームスプリッタで、図2中紙面に直交する方向に延びる軸AXB4に沿って移動されて、第1レーザー光源12LL1(第1半導体レーザーLDLL1)からのレーザー光の光路中に挿入される挿入位置p1B4又は第1レーザー光源12LL1(第1半導体レーザーLDLL1)からのレーザー光の光路外に退避した退避位置p2B4に配置される。これは、アクチュエータ制御手段24aが、第4ビームスプリッタB4に対応して設けられたアクチュエータ(図示せず)を制御することで実現される。
第5ビームスプリッタB5は、p偏光を反射し、s偏光を透過するビームスプリッタで、第3レーザー光源12LL3(第3半導体レーザーLDLL3)からのレーザー光の光路中に配置されている。
第2ミラーM2は、回転軸AXM2を中心に回転されて、第3レーザー光源12LL3(第3半導体レーザーLDLL3)からのレーザー光の光路中に挿入される挿入位置p1M2又は第3レーザー光源12LL3(第3半導体レーザーLDLL3)からのレーザー光の光路外に退避した退避位置p2M2に配置される。これは、アクチュエータ制御手段24aが、第2ミラーM2に対応して設けられたアクチュエータ(図示せず)を制御することで実現される。
第6ビームスプリッタB6は、p偏光を反射し、s偏光を透過するビームスプリッタで、図2中紙面に直交する方向に延びる軸AXB6に沿って移動されて、第3レーザー光源12LL3(第3半導体レーザーLDLL3)からのレーザー光の光路中に挿入される挿入位置p1B6又は第3レーザー光源12LL3(第3半導体レーザーLDLL3)からのレーザー光の光路外に退避した退避位置p2B6に配置される。これは、アクチュエータ制御手段24aが、第6ビームスプリッタB6に対応して設けられたアクチュエータ(図示せず)を制御することで実現される。
第3ミラーM3は、回転軸AXM3を中心に回転されて、第3レーザー光源12LL3(第3半導体レーザーLDLL3)からのレーザー光の光路中に挿入される挿入位置p1M3又は第3レーザー光源12LL3(第3半導体レーザーLDLL3)からのレーザー光の光路外に退避した退避位置p2M3に配置される。これは、アクチュエータ制御手段24aが、第3ミラーM3に対応して設けられたアクチュエータ(図示せず)を制御することで実現される。
第7ビームスプリッタB7は、p偏光を透過し、s偏光を反射するビームスプリッタで、図2中紙面に直交する方向に延びる軸AXB7に沿って移動されて、第3レーザー光源12LL3(第3半導体レーザーLDLL3)からのレーザー光の光路中に挿入される挿入位置p1B7又は第3レーザー光源12LL3(第3半導体レーザーLDLL3)からのレーザー光の光路外に退避した退避位置p2B7に配置される。これは、アクチュエータ制御手段24aが、第7ビームスプリッタB7に対応して設けられたアクチュエータ(図示せず)を制御することで実現される。
1/2波長板PTは、第2レーザー光源12LL2(第2半導体レーザーLDLL2)からのレーザー光の光路中に挿入される挿入位置p1PT又は第2レーザー光源12LL2(第2半導体レーザーLDLL2)からのレーザー光の光路外に退避した退避位置p2PTに配置される。これは、アクチュエータ制御手段24aが、1/2波長板PTに対応して設けられたアクチュエータ(図示せず)を制御することで実現される。
クロスビームスプリッタCBは、s偏光が入射した場合、当該s偏光を第1ビームスプリッタB1に向けて反射し、p偏光が入射した場合、当該p偏光を第5ビームスプリッタB5に向けて反射するビームスプリッタで、第2レーザー光源12LL2(第2半導体レーザーLDLL2)からのレーザー光の光路中に配置されている。
次に、上記構成の結合分配器10の機能的構成について図5を参照しながら説明する。
図5は、結合分配器10の機能的構成を表す機能ブロック図である。
図5に示すように、結合分配器10は、その全体の動作を司るCPU24を備えている。CPU24には、バスを介して、点灯スイッチ26、フォトダイオードPDLL1、PDLL2、PDLL3、温度センサ28LL1、28LL2、28LL3、周囲環境温度センサ30、ビームスプリッタB2、B3、B4、B6、B7それぞれに対応して設けられたアクチュエータ(図示せず)、ミラーM1〜M3それぞれに対応して設けられたアクチュエータ(図示せず)、各々のアクチュエータを制御するアクチュエータ駆動回路32、半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3に対して電流を供給するLD点灯回路34、半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3とその点灯状態との対応関係が記録されるアラーム検出履歴記録部36a、CPU24が実行する各種プログラムが格納されたプログラム格納部36b、作業領域等として用いられるRAM(図示せず)等が接続されている。
CPU24は、プログラム格納部36bからRAM等に読み込まれた所定プログラムを実行することにより、アクチュエータ制御手段24a、レーザー光源(半導体レーザー)制御手段24b、故障LD(半導体レーザー)記録手段24c等として機能する。
次に、上記構成の結合分配器10の動作(すれ違いビーム点灯時の動作)について、図6を参照しながら説明する。
図6は、結合分配器10の基本動作を示すフローチャートである。
以下の処理は、CPU24がプログラム格納部36bからRAM等に読み込まれた所定プログラムを実行することにより実現される。
点灯スイッチ26がオンされると(すなわち、すれ違いビーム点灯が指示されると)、まず、半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3が故障か否かが判定される(ステップS10)。これは、RAM等に格納された故障フラグEに故障を示す内容(例えば「1」)が格納されているか否かで判定される。
半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3が故障でないと判定された場合(ステップS10:No)、雰囲気温度が低温か否かが判定される(ステップS12)。これは、RAM等に格納された雰囲気温度フラグTに低温を示す内容(例えば「0」)が格納されているか否かで判定される。雰囲気温度フラグTには、周囲環境温度センサ30の出力(値)>予め定められたしきい値の場合、雰囲気温度が高温を示す内容(例えば「1」)が格納され、一方、周囲環境温度センサ30の出力(値)<予め定められたしきい値の場合、雰囲気温度が低温を示す内容(例えば「0」)が格納される。
そして、雰囲気温度が低温であると判定された場合(ステップS12:Yes)、1LD循環点灯処理(ステップS14)が実行される。
図7は、1LD循環点灯処理(ステップS14)を示すフローチャートである。
1LD循環点灯処理は、予め定められた時間が経過するごとに、所定の順番かつ予め定められた第1光出力(FULL出力)で1つずつ点灯するように半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3を制御する処理である。この処理は、灯具ユニット102が1つの場合、例えば、灯具ユニット102がすれ違いビーム用の灯具ユニット102Lo(又は走行ビーム用の灯具ユニット102Hi)のみの場合であっても有効である。この場合、ビームスプリッタB3、B4、B6、B7を省略することができる。
以下、半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3が、第1半導体レーザーLDLL1→第2半導体レーザーLDLL2→第3半導体レーザーLDLL3・・・(以下繰り返し)の順番で点灯する例について説明する。もちろん、これ以外の順番であってもよい。
まず、図8に示すように、第1半導体レーザーLDLL1からのレーザー光RayLL1を、第1光ファイバ取付部40Lo(これに接続された第1光ファイバ20Loの入射端部)まで導く光路を構成するため、第2ビームスプリッタB2、第1ミラーM1がそれぞれの退避位置p2B2、p2M1に配置される(挿入位置に配置されている場合)(ステップS1402)。これは、アクチュエータ制御手段24aが、第2ビームスプリッタB2、第1ミラーM1それぞれに対応して設けられたアクチュエータ(図示せず)を制御することで実現される。
次に、レーザー光源制御手段24bが、第1半導体レーザーLDLL1が予め定められた第1光出力(FULL出力)で点灯するように(かつ、第2半導体レーザーLDLL2、第3半導体レーザーLDLL3がアイドル状態となるように)、LD点灯回路34を制御する(ステップS1404)。
第1半導体レーザーLDLL1からのレーザー光RayLL1は、図8に示すように、p偏光として第1ビームスプリッタB1に入射してこれを透過し、集光レンズ16Loで集光されて第1光ファイバ取付部40Lo(これに接続された第1光ファイバ20Loの入射端部)に入射する。そして、第1光ファイバ20Loによりすれ違いビーム用の灯具ユニット102Loまで伝搬されて、すれ違いビーム用配光パターンの形成に用いられる。
次に、予め定められた時間TLL1が経過したか否か判定される(ステップS1406)。そして、予め定められた時間TLL1が経過したと判定されると(ステップS1406:Yes)、図9に示すように、第2半導体レーザーLDLL2からのレーザー光RayLL2を、第1光ファイバ取付部40Lo(これに接続された第1光ファイバ20Loの入射端部)まで導く光路を構成するため、第2ビームスプリッタB2、第1ミラーM1、1/2波長板PTがそれぞれの退避位置p2B2、p2M1、p2PTに配置される(挿入位置に配置されている場合)(ステップS1408)。これは、アクチュエータ制御手段24aが、第2ビームスプリッタB2、第1ミラーM1、1/2波長板PTそれぞれに対応して設けられたアクチュエータ(図示せず)を制御することで実現される。
次に、レーザー光源制御手段24bが、第2半導体レーザーLDLL2が予め定められた第1光出力(FULL出力)で点灯するように(かつ、第1半導体レーザーLDLL1、第3半導体レーザーLDLL3がアイドル状態となるように)、LD点灯回路34を制御する
(ステップS1410)。
第2半導体レーザーLDLL2からのレーザー光RayLL2は、図9に示すように、s偏光としてクロスビームスプリッタCBに入射し、当該クロスビームスプリッタCBで第1ビームスプリッタB1に向けて反射され、さらに、第1ビームスプリッタB1で反射され、集光レンズ16Loで集光されて第1光ファイバ取付部40Lo(これに接続された第1光ファイバ20Loの入射端部)に入射する。そして、第1光ファイバ20Loによりすれ違いビーム用の灯具ユニット102Loまで伝搬されて、すれ違いビーム用配光パターンの形成に用いられる。
次に、予め定められた時間TLL2が経過したか否か判定される(ステップS1412)。そして、予め定められた時間TLL2が経過したと判定されると(ステップS1412:Yes)、図10に示すように、第3半導体レーザーLDLL3からのレーザー光RayLL3を、第1光ファイバ取付部40Lo(これに接続された第1光ファイバ20Loの入射端部)まで導く光路を構成するため、第1ミラーM1、第3ミラーM3がそれぞれの挿入位置p1M1、p1M3に配置される(退避位置に配置されている場合)。(ステップS1414)。それ以外は全て、それぞれの退避位置に配置される。これは、アクチュエータ制御手段24aが、第1ミラーM1、第3ミラーM3等それぞれに対応して設けられたアクチュエータ(図示せず)を制御することで実現される。
次に、レーザー光源制御手段24bが、第3半導体レーザーLDLL3が予め定められた第1光出力(FULL出力)で点灯するように(かつ、第1半導体レーザーLDLL1、第2半導体レーザーLDLL2がアイドル状態となるように)、LD点灯回路34を制御する(ステップS1416)。
第3半導体レーザーLDLL3からのレーザー光RayLL3は、図10に示すように、s偏光として第5ビームスプリッタB5に入射してこれを透過し、第3ミラーM3、第1ミラーM1で反射され、集光レンズ16Loで集光されて第1光ファイバ取付部40Lo(これに接続された第1光ファイバ20Loの入射端部)に入射する。そして、第1光ファイバ20Loによりすれ違いビーム用の灯具ユニット102Loまで伝搬されて、すれ違いビーム用配光パターンの形成に用いられる。
次に、予め定められた時間TLL3が経過したか否か判定される(ステップS1418)。そして、予め定められた時間TLL3が経過したと判定されると(ステップS1418:Yes)、ステップS20に進む。
上記1LD循環点灯処理(ステップS14)は、点灯スイッチ26がオンでないと判定される(ステップS20:No)まで繰り返される。
なお、半導体レーザーLDLL1〜LDLL3の点灯時間TLL1〜TLL3は、均等であってもよいし、不均等であってもよい。
以上のように、予め定められた時間が経過するごとに、所定の順番かつ予め定められた第1光出力(FULL出力)で1つずつ点灯するように半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3を制御することで、放熱板22上で発熱源を分散(時間分散)でき、これによりヒートスプレッダを備えた場合と同等な効果が得られ、放熱効率が向上する。すなわち、半導体レーザーLDLL1〜LDLL3の寿命および故障を防止できる。上記1LD循環点灯処理(ステップS14)においては、半導体レーザーLDLL1〜LDLL3の運転時間を3等分できるので、半導体レーザーLDLL1〜LDLL3の寿命を3倍程度延ばすことができる。
以上のように、予め定められた時間が経過するごとに、所定の順番かつ予め定められた第1光出力(FULL出力)で1つずつ点灯するように半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3が制御されている間(ステップS1402〜S1418)、故障LD記録手段
24cは、図11に示す故障LD記録処理を並列的に実行する。
すなわち、故障LD記録手段24cは、フォトダイオードPDLL1、PDLL2、PDLL3の出力を逐次検出し(ステップS30)、この検出した出力(値)と予め定められた第1しきい値(FULL出力を超えたか否かを判定するためのしきい値)とを比較し(ステップS32)、その比較結果に基づき、半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3の点灯状態を判定し、その判定結果をアラーム検出履歴記録部36aに書き込む(ステップS34)。
例えば、フォトダイオードPDLL1、PDLL2、PDLL3の出力が全て、第1しきい値より大きい場合、故障LD記録手段24cは、半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3の点灯状態が全てFULLであると判定し、アラーム検出履歴記録部36aに半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3とそれぞれの点灯状態(FULL)との対応関係を書き込む。この場合、半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3は全て意図どおりの第1光出力(FULL出力)で点灯しているため、故障フラグEに正常を示す内容(例えば「0」)が格納される。
一方、少なくとも1つのフォトダイオード、例えば、第1フォトダイオードPDLL1の出力が第1しきい値より小さい場合、故障LD記録手段24cは、第1半導体レーザーLDLL1の点灯状態がFULLではないと判定し、アラーム検出履歴記録部36aに第1半導体レーザーLDLL1とその点灯状態(FULLではない)との対応関係を書き込む。この場合、第1半導体レーザーLDLL1は意図どおりの第1光出力(FULL出力)で点灯していないため、故障フラグEに故障を示す内容(例えば「1」)が格納される(ステップS38)。
上記故障LD記録処理(ステップS30〜S40)は、点灯スイッチ26がオンでないと判定される(ステップS40:No)まで繰り返される。
一方、雰囲気温度が高温であると判定された場合(ステップS12:No)、2LD循環点灯処理(ステップS16)が実行される。
図12は、2LD循環点灯処理(ステップS16)を示すフローチャートである。
2LD循環点灯処理は、予め定められた時間が経過するごとに、所定の順番かつ予め定められた第2光出力(FULL出力の半分のHALF出力)で2つずつ点灯するように半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3を制御する処理である。この処理は、灯具ユニット102が1つの場合、例えば、灯具ユニット102がすれ違いビーム用の灯具ユニット102Lo(又は走行ビーム用の灯具ユニット102Hi)のみの場合であっても有効である。この場合、ビームスプリッタB3、B4、B6、B7を省略することができる。
以下、半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3が、半導体レーザーLDLL1、LDLL2→半導体レーザーLDLL2、LDLL3→半導体レーザーLDLL1、LDLL3・・・(以下繰
り返し)の順番で点灯する例について説明する。もちろん、これ以外の順番であってもよい。
まず、図13に示すように、第1半導体レーザーLDLL1及び第2半導体レーザーLDLL2からのレーザー光RayLL1、RayLL2を、第1光ファイバ取付部40Lo(これに接続された第1光ファイバ20Loの入射端部)まで導く光路を構成するため、第2ビームスプリッタB2、第1ミラーM1、1/2波長板PTがそれぞれの退避位置p2B2、p2M1、p2PTに配置される(挿入位置に配置されている場合)(ステップS1602)。これは、アクチュエータ制御手段24aが、第2ビームスプリッタB2、第1ミラーM1、1/2波長板PTそれぞれに対応して設けられたアクチュエータ(図示せず)を制御することで実現される。
次に、レーザー光源制御手段24bが、第1半導体レーザーLDLL1及び第2半導体レーザーLDLL2が予め定められた第2光出力(FULL出力の半分のHALF出力)で点灯するように(かつ、第3半導体レーザーLDLL3がアイドル状態となるように)、LD点灯回路34を制御する(ステップS1604)。
第1半導体レーザーLDLL1からのレーザー光RayLL1は、図13に示すように、p偏光として第1ビームスプリッタB1に入射してこれを透過し、集光レンズ16Loで集光されて第1光ファイバ取付部40Lo(これに接続された第1光ファイバ20Loの入射端部)に入射する。一方、第2半導体レーザーLDLL2からのレーザー光RayLL2は、s偏光としてクロスビームスプリッタCBに入射し、当該クロスビームスプリッタCBで第1ビームスプリッタB1に向けて反射され、さらに、第1ビームスプリッタB1で反射され、集光レンズ16Loで集光されて第1光ファイバ取付部40Lo(これに接続された第1光ファイバ20Loの入射端部)に入射する。そして、これらのレーザー光は、第1光ファイバ20Loによりすれ違いビーム用の灯具ユニット102Loまで伝搬されて、すれ違いビーム用配光パターンの形成に用いられる。
次に、予め定められた時間TLL1-LL2が経過したか否か判定される(ステップS1606)。そして、予め定められた時間TLL1-LL2が経過したと判定されると(ステップS1606:Yes)、図14に示すように、第2半導体レーザーLDLL2及び第3半導体レーザーLDLL3からのレーザー光RayLL2、RayLL3を、第1光ファイバ取付部40Lo(これに接続された第1光ファイバ20Loの入射端部)まで導く光路を構成するため、1/2波長板PT、第1ミラーM1、第3ミラーM3がそれぞれの挿入位置p1PT、p1M1、p1M3に配置される(退避位置に配置されている場合)(ステップS1608)。それ以外は全て、それぞれの退避位置に配置される。これは、アクチュエータ制御手段24aが、1/2波長板PT、第1ミラーM1、第3ミラーM3等それぞれに対応して設けられたアクチュエータ(図示せず)を制御することで実現される。
次に、レーザー光源制御手段24bが、第2半導体レーザーLDLL2及び第3半導体レーザーLDLL3が予め定められた第2光出力(FULL出力の半分のHALF出力)で点灯するように(かつ、第1半導体レーザーLDLL1がアイドル状態となるように)、LD点灯回路34を制御する(ステップS1610)。
第2半導体レーザーLDLL2からのレーザー光RayLL2は、図14に示すように、s偏光として1/2波長板PTに入射し、p偏光として1/2波長板PTから出射し、p偏光としてクロスビームスプリッタCBに入射し、当該クロスビームスプリッタCBで第5ビームスプリッタB5に向けて反射され、さらに、第5ビームスプリッタB5、第3ミラーM3、第1ミラーM1で反射され、集光レンズ16Loで集光されて第1光ファイバ取付部40Lo(これに接続された第1光ファイバ20Loの入射端部)に入射する。一方、第3半導体レーザーLDLL3からのレーザー光RayLL3は、s偏光として第5ビームスプリッタB5に入射してこれを透過し、第3ミラーM3、第1ミラーM1で反射され、集光レンズ16Loで集光されて第1光ファイバ取付部40Lo(これに接続された第1光ファイバ20Loの入射端部)に入射する。そして、これらのレーザー光は、第1光ファイバ20Loによりすれ違いビーム用の灯具ユニット102Loまで伝搬されて、すれ違いビーム用配光パターンの形成に用いられる。
次に、予め定められた時間TLL2-LL3が経過したか否か判定される(ステップS1612)。そして、予め定められた時間TLL2-LL3が経過したと判定されると(ステップS1612:Yes)、図15に示すように、第1半導体レーザーLDLL1及び第3半導体レーザーLDLL3からのレーザー光RayLL1、RayLL3を、第1光ファイバ取付部40Lo(これに接続された第1光ファイバ20Loの入射端部)まで導く光路を構成するため、第2ビームスプリッタB2、第2ミラーM2がそれぞれの挿入位置p1B2、p1M2に配置される(退避位置に配置されている場合)(ステップS1614)。それ以外は全て、それぞれの退避位置に配置される。これは、アクチュエータ制御手段24aが、第2ビームスプリッタB2、第2ミラーM2等それぞれに対応して設けられたアクチュエータ(図示せず)を制御することで実現される。
次に、レーザー光源制御手段24bが、第1半導体レーザーLDLL1及び第3半導体レーザーLDLL3が予め定められた第2光出力(FULL出力の半分のHALF出力)で点灯するように(かつ、第2半導体レーザーLDLL2がアイドル状態となるように)、LD点灯回路34を制御する(ステップS1616)。
第1半導体レーザーLDLL1からのレーザー光RayLL1は、図15に示すように、p偏光として第1ビームスプリッタB1、第2ビームスプリッタB2に入射してこれらを透過し、集光レンズ16Loで集光されて第1光ファイバ取付部40Lo(これに接続された第1光ファイバ20Loの入射端部)に入射する。一方、第3半導体レーザーLDLL3からのレーザー光RayLL3は、s偏光として第5ビームスプリッタB5に入射してこれを透過し、第2ミラーM2、第2ビームスプリッタB2で反射され、集光レンズ16Loで集光されて第1光ファイバ取付部40Lo(これに接続された第1光ファイバ20Loの入射端部)に入射する。そして、これらのレーザー光は、第1光ファイバ20Loによりすれ違いビーム用の灯具ユニット102Loまで伝搬されて、すれ違いビーム用配光パターンの形成に用いられる。
次に、予め定められた時間TLL1-LL3が経過したか否か判定される(ステップS1618)。そして、予め定められた時間TLL1-LL3が経過したと判定されると(ステップS1618:Yes)、ステップS20に進む。
上記2LD循環点灯処理(ステップS16)は、点灯スイッチ26がオンでないと判定される(ステップS20:No)まで繰り返される。
なお、半導体レーザーLDLL1〜LDLL3の点灯時間TLL1-LL2〜TLL1-LL3は、均等であってもよいし、不均等であってもよい。
以上のように、予め定められた時間が経過するごとに、所定の順番かつ予め定められた第2光出力(FULL出力の半分のHALF出力)で2つずつ点灯するように半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3を制御することで、半導体レーザーLDLL1〜LDLL3の
出力負荷を減らすのと同時に放熱板22上で発熱源を分散(出力分散)できる。これによりヒートスプレッダを備えた場合と同等な効果が得られ、放熱効率が向上する。また、放熱系の熱抵抗は系で一定なので、出力を低下すればジャンクション部の上昇温度ΔTjを半減できる。すなわち、半導体レーザーLDLL1〜LDLL3の寿命および故障を防止できる。上記2LD循環点灯処理(ステップS16)においては、半導体レーザーLDLL1〜LDLL3の運転時間を3等分でき、半導体レーザーLDLL1〜LDLL3の出力負荷が半減するので、半導体レーザーLDLL1〜LDLL3の寿命を3倍程度延ばすことができる。
以上のように、レーザー光源制御手段24bは、周囲環境の温度が予め定められたしきい値より小さい場合、予め定められた時間が経過するごとに、所定の順番かつ第1光出力(FULL出力)で点灯するようにレーザー光源(半導体レーザーLDLL1〜LDLL3)を制御し、一方、周囲環境の温度が予め定められたしきい値より大きい場合、予め定められた時間が経過するごとに、所定の順番かつ第1光出力より小さい第2光出力(HALF出力)で点灯するようにレーザー光源(半導体レーザーLDLL1〜LDLL3)を制御する。
これにより、複数のレーザー光源(半導体レーザーLDLL1〜LDLL3)を用いた車両用灯具(例えば、すれ違いビーム用の灯具ユニット102Lo、走行ビーム用の灯具ユニット102Hi)において、複数のレーザー光源(半導体レーザーLDLL1〜LDLL3)の放熱性をさらに改善すること(その結果、レーザー光源(半導体レーザーLDLL1〜LDLL3)の寿命をさらに改善し、レーザー光源(半導体レーザーLDLL1〜LDLL3)の故障発生をさらに抑制すること)ができる。
これは、複数のレーザー光源(半導体レーザーLDLL1〜LDLL3)が、従来技術のように同時かつ継続して点灯するのではなく、周囲環境の温度が低いとき(周囲環境の温度<予め定められたしきい値)、周囲環境の温度が高いとき(周囲環境の温度>予め定められたしきい値)それぞれに応じた形態で点灯する(すなわち、出力が分散する)ように制御されることによるものである。
以上のように、予め定められた時間が経過するごとに、所定の順番かつ予め定められた第2光出力(FULL出力の半分のHALF出力)で2つずつ点灯するように半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3が制御されている間(ステップS1602〜S1618)、故障LD記録手段24cは、図11に示す故障LD記録処理を並列的に実行する。
すなわち、故障LD記録手段24cは、フォトダイオードPDLL1、PDLL2、PDLL3の出力を逐次検出し(ステップS30)、この検出した出力(値)と予め定められた第2しきい値(HALF出力を超えたか否かを判定するためのしきい値)とを比較し(ステップS32)、その比較結果に基づき、半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3の点灯状態を判定し、その判定結果をアラーム検出履歴記録部36aに書き込む(ステップS34)。
例えば、フォトダイオードPDLL1、PDLL2、PDLL3の出力が全て、第2しきい値より大きい場合、故障LD記録手段24cは、半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3の点灯状態が全てHALFであると判定し、アラーム検出履歴記録部36aに半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3とそれぞれの点灯状態(HALF)との対応関係を書き込む。この場合、半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3は全て意図どおりの第2光出力(HALF出力)で点灯しているため、故障フラグEに正常を示す内容(例えば「0」)が格納される。
一方、少なくとも1つのフォトダイオード、例えば、第1フォトダイオードPDLL1の出力が第2しきい値より小さい場合、故障LD記録手段24cは、第1半導体レーザーLDLL1の点灯状態がHALFではないと判定し、アラーム検出履歴記録部36aに第1半導体レーザーLDLL1とその点灯状態(HALFではない)との対応関係を書き込む。この場合、第1半導体レーザーLDLL1は意図どおりの第2光出力(HALF出力)で点灯していないため、故障フラグEに故障を示す内容(例えば「1」)が格納される(ステップS38)。
上記故障LD記録処理(ステップS30〜S40)は、点灯スイッチ26がオンでないと判定される(ステップS40:No)まで繰り返される。
次に、半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3が故障であると判定された場合(ステップS10:Yes)に実行される故障時点灯処理(フェールセーフ処理)について説明する。
図16は、故障時点灯処理(ステップS18)を示すフローチャートである。
まず、図16に示すように、故障LDの数(及びどのLDが故障したか)を把握する(ステップS1802)。これは、レーザー光源制御手段24bが、アラーム検出履歴記録部36aに記録された内容を参照することで実現される。
故障数が「1」の場合(ステップS1802:故障数=1)、故障していない2つの半導体レーザーからのレーザー光を、光ファイバ取付部40Lo(これに取り付けられた光ファイバ20Loの入射端部)まで導く光路が構成されるように、複数の光学素子、すなわち、ビームスプリッタB2、B3、B4、B6、B7、ミラーM1〜M3、1/2波長板PTが退避位置又は挿入位置に配置される(ステップS1804)。これは、アクチュエータ制御手段24aが、各々のアクチュエータを制御することで実現される。
例えば、第3半導体レーザーLDLL3が故障した場合、図13に示すように、ビームスプリッタB2、B3、B4、B6、B7、ミラーM1〜M3、1/2波長板PTが退避位置又は挿入位置に配置される。
次に、レーザー光源制御手段24bが、故障していない2つの半導体レーザー(例えば、図13に示す半導体レーザーLDLL1、LDLL2)が予め定められた第2光出力(FULL出力の半分のHALF出力)で点灯(同時点灯)するように、LD点灯回路34を制御する(ステップS1806)。
あるいは、故障していない2つの半導体レーザー(例えば、図13に示す半導体レーザーLDLL1、LDLL2)が予め定められた第1光出力(FULL出力)で点灯(1LD循環点灯)するように、LD点灯回路34を制御してもよい。
一方、故障数が「2」の場合(ステップS1802:故障数2)、故障していない1つの半導体レーザーからのレーザー光を、光ファイバ取付部40Lo(これに取り付けられた光ファイバ20Loの入射端部)まで導く光路が構成されるように、複数の光学素子、すなわち、ビームスプリッタB2、B3、B4、B6、B7、ミラーM1〜M3、1/2波長板PTが退避位置又は挿入位置に配置される(ステップS1808)。これは、アクチュエータ制御手段24aが、各々のアクチュエータを制御することで実現される。
例えば、半導体レーザーLDLL2、LDLL3が故障した場合、図8に示すように、ビームスプリッタB2、B3、B4、B6、B7、ミラーM1〜M3、1/2波長板PTが退避位置又は挿入位置に配置される。
次に、レーザー光源制御手段24bが、故障していない1つの半導体レーザー(例えば、図8に示す半導体レーザーLDLL1)が予め定められた第1光出力(FULL出力)で点灯するように、LD点灯回路34を制御する(ステップS1810)。
上記故障時点灯処理(ステップS18)は、点灯スイッチ26がオンでないと判定される(ステップS20:No)まで繰り返される。
以上のように、複数のレーザー光源(半導体レーザーLDLL1〜LDLL3)のうち少なくとも1つのレーザー光源が故障した場合、複数のレーザー光源(半導体レーザーLDLL1〜LDLL3)のうち故障したレーザー光源以外のレーザー光源が用いられる。
これにより、複数のレーザー光源(半導体レーザーLDLL1〜LDLL3)のうち一部のレーザー光源の故障時にも出力を補償することができる。
次に、上記構成の結合分配器10の動作(走行ビーム点灯時の動作)について、図6を参照しながら説明する。
図6は、結合分配器10の動作を示すフローチャートである。
以下の処理は、CPU24がプログラム格納部36bからRAM等に読み込まれた所定プログラムを実行することにより実現される。
点灯スイッチ26がオンされると(すなわち、走行ビーム点灯が指示されると)、まず、半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3が故障か否かが判定される(ステップS10)。これは、RAM等に格納された故障フラグEに故障を示す内容(例えば「1」)が格納されているか否かで判定される。
半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3が故障でないと判定された場合(ステップS10:No)、雰囲気温度が低温か否かが判定される(ステップS12)。これは、RAM等に格納された雰囲気温度フラグTに低温を示す内容(例えば「0」)が格納されているか否かで判定される。雰囲気温度フラグTには、周囲環境温度センサ30の出力(値)>予め定められたしきい値の場合、雰囲気温度が高温を示す内容(例えば「1」)が格納され、一方、周囲環境温度センサ30の出力(値)<予め定められたしきい値の場合、雰囲気温度が低温を示す内容(例えば「0」)が格納される。
そして、雰囲気温度が低温であると判定された場合(ステップS12:Yes)、1LD循環点灯処理(ステップS14)が実行される。
図7は、1LD循環点灯処理(ステップS14)を示すフローチャートである。
以下、半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3が、第1半導体レーザーLDLL1→第2半導体レーザーLDLL2→第3半導体レーザーLDLL3・・・(以下繰り返し)の順番で点灯する例について説明する。もちろん、これ以外の順番であってもよい。
まず、図17に示すように、第1半導体レーザーLDLL1からのレーザー光RayLL1を、第2光ファイバ取付部40Hi(これに接続された第2光ファイバ20Hiの入射端部)まで導く光路を構成するため、第3ビームスプリッタB3、第6ビームスプリッタB6がそれぞれの挿入位置p1B3、p1B6に配置される(退避位置に配置されている場合)(ステップS1402)。それ以外は全て、それぞれの退避位置に配置される。これは、アクチュエータ制御手段24aが、第3ビームスプリッタB3、第6ビームスプリッタB6それぞれに対応して設けられたアクチュエータ(図示せず)を制御することで実現される。
次に、レーザー光源制御手段24bが、第1半導体レーザーLDLL1が予め定められた第1光出力(FULL出力)で点灯するように(かつ、第2半導体レーザーLDLL2、第3半導体レーザーLDLL3がアイドル状態となるように)、LD点灯回路34を制御する(ステップS1404)。
第1半導体レーザーLDLL1からのレーザー光RayLL1は、図17に示すように、p偏光として第1ビームスプリッタB1に入射してこれを透過し、第3ビームスプリッタB3、第6ビームスプリッタB6で反射され、第2光ファイバ取付部40Hi(これに接続された第2光ファイバ20Hiの入射端部)に入射する。そして、第2光ファイバ20Hiにより走行ビーム用の灯具ユニット102Hiまで伝搬されて、走行ビーム用配光パターンの形成に用いられる。
次に、予め定められた時間TLL1が経過したか否か判定される(ステップS1406)。そして、予め定められた時間TLL1が経過したと判定されると(ステップS1406:Yes)、図18に示すように、第2半導体レーザーLDLL2からのレーザー光RayLL2を、第2光ファイバ取付部40Hi(これに接続された第2光ファイバ20Hiの入射端部)まで導く光路を構成するため、1/2波長板PTが挿入位置p1PTに配置される(退避位置に配置されている場合)(ステップS1408)。それ以外は全て、それぞれの退避位置に配置される。これは、アクチュエータ制御手段24aが、1/2波長板PT等それぞれに対応して設けられたアクチュエータ(図示せず)を制御することで実現される。
次に、レーザー光源制御手段24bが、第2半導体レーザーLDLL2が予め定められた第1光出力(FULL出力)で点灯するように(かつ、第1半導体レーザーLDLL1、第3半導体レーザーLDLL3がアイドル状態となるように)、LD点灯回路34を制御する
(ステップS1410)。
第2半導体レーザーLDLL2からのレーザー光RayLL2は、図18に示すように、s偏光として1/2波長板PTに入射し、p偏光として1/2波長板PTから出射し、p偏光としてクロスビームスプリッタCBに入射し、当該クロスビームスプリッタCBで第5ビームスプリッタB5に向けて反射され、さらに、第5ビームスプリッタB5で反射され、集光レンズ16Hiで集光されて第2光ファイバ取付部40Hi(これに接続された第2光ファイバ20Hiの入射端部)に入射する。そして、第2光ファイバ20Hiにより走行ビーム用の灯具ユニット102Hiまで伝搬されて、走行ビーム用配光パターンの形成に用いられる。
次に、予め定められた時間TLL2が経過したか否か判定される(ステップS1412)。そして、予め定められた時間TLL2が経過したと判定されると(ステップS1412:Yes)、図19に示すように、第3半導体レーザーLDLL3からのレーザー光RayLL3を、第2光ファイバ取付部40Hi(これに接続された第2光ファイバ20Hiの入射端部)まで導く光路を構成するため、第2ミラーM2、第3ミラーM3がそれぞれの退避位置p2M2、p2M3に配置される(挿入位置に配置されている場合)(ステップS1414)。これは、アクチュエータ制御手段24aが、第2ミラーM2、第3ミラーM3それぞれに対応して設けられたアクチュエータ(図示せず)を制御することで実現される。
次に、レーザー光源制御手段24bが、第3半導体レーザーLDLL3が予め定められた第1光出力(FULL出力)で点灯するように(かつ、第1半導体レーザーLDLL1、第2半導体レーザーLDLL2がアイドル状態となるように)、LD点灯回路34を制御する
(ステップS1416)。
第3半導体レーザーLDLL3からのレーザー光RayLL3は、図19に示すように、s偏光として第5ビームスプリッタB5に入射してこれを透過し、集光レンズ16Hiで集光されて第2光ファイバ取付部40Hi(これに接続された第2光ファイバ20Hiの入射端部)に入射する。そして、第2光ファイバ20Hiにより走行ビーム用の灯具ユニット102Hiまで伝搬されて、走行ビーム用配光パターンの形成に用いられる。
次に、予め定められた時間TLL3が経過したか否か判定される(ステップS1418)。そして、予め定められた時間TLL3が経過したと判定されると(ステップS1418:Yes)、ステップS20に進む。
上記1LD循環点灯処理(ステップS14)は、点灯スイッチ26がオンでないと判定される(ステップS20:No)まで繰り返される。
なお、半導体レーザーLDLL1〜LDLL3の点灯時間TLL1〜TLL3は、均等であってもよいし、不均等であってもよい。
以上のように、予め定められた時間が経過するごとに、所定の順番かつ予め定められた第2光出力(HALF出力)で1つずつ点灯するように半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3を制御することで、放熱板22上で発熱源を分散(出力分散)でき、これによりヒートスプレッダを備えた場合と同等な効果が得られ、放熱効率が向上する。すなわち、半導体レーザーLDLL1〜LDLL3の寿命および故障を防止できる。上記1LD循環点灯処理(ステップS14)においては、半導体レーザーLDLL1〜LDLL3の運転時間を3等分できるので、半導体レーザーLDLL1〜LDLL3の寿命を3倍程度延ばすことができる。
以上のように、予め定められた時間が経過するごとに、所定の順番かつ予め定められた第1光出力(FULL出力)で1つずつ点灯するように半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3が制御されている間(ステップS1402〜S1418)、故障LD記録手段24cは、図11に示す故障LD記録処理を並列的に実行する。この故障LD記録処理については既に説明したので省略する。また、故障時点灯処理(ステップS18)についても既に説明したので省略する。
一方、雰囲気温度が高温であると判定された場合(ステップS12:No)、2LD循環点灯処理(ステップS16)が実行される。
図12は、2LD循環点灯処理(ステップS16)を示すフローチャートである。
以下、半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3が、半導体レーザーLDLL1、LDLL2→半導体レーザーLDLL2、LDLL3→半導体レーザーLDLL1、LDLL3・・・(以下繰
り返し)の順番で点灯する例について説明する。もちろん、これ以外の順番であってもよい。
まず、図20に示すように、第1半導体レーザーLDLL1及び第2半導体レーザーLDLL2からのレーザー光RayLL1、RayLL2を、第2光ファイバ取付部40Hi(これに接続された第2光ファイバ20Hiの入射端部)まで導く光路を構成するため、第3ビームスプリッタB3、第4ビームスプリッタB4、第6ビームスプリッタB6、第7ビームスプリッタB7がそれぞれの挿入位置p1B3、p1B4、p1B6、p1B7に配置される(退避位置に配置されている場合)(ステップS1602)。これは、アクチュエータ制御手段24aが、第3ビームスプリッタB3、第4ビームスプリッタB4、第6ビームスプリッタB6、第7ビームスプリッタB7それぞれに対応して設けられたアクチュエータ(図示せず)を制御することで実現される。
次に、レーザー光源制御手段24bが、第1半導体レーザーLDLL1及び第2半導体レーザーLDLL2が予め定められた第2光出力(FULL出力の半分のHALF出力)で点灯するように(かつ、第3半導体レーザーLDLL3がアイドル状態となるように)、LD点灯回路34を制御する(ステップS1604)。
第1半導体レーザーLDLL1からのレーザー光RayLL1は、図20に示すように、p偏光として第1ビームスプリッタB1に入射してこれを透過し、第3ビームスプリッタB3、第6ビームスプリッタB6で反射され、さらに、第7ビームスプリッタB7を透過し、集光レンズ16Hiで集光されて第2光ファイバ取付部40Hi(これに接続された第2光ファイバ20Hiの入射端部)に入射する。一方、第2半導体レーザーLDLL2からのレーザー光RayLL2は、s偏光としてクロスビームスプリッタCBに入射し、当該クロスビームスプリッタCBで第1ビームスプリッタB1に向けて反射され、第1ビームスプリッタB1で反射され、第3ビームスプリッタB3を透過し、第4ビームスプリッタB4、第7ビームスプリッタB7で反射され、集光レンズ16Hiで集光されて第2光ファイバ取付部40Hi(これに接続された第2光ファイバ20Hiの入射端部)に入射する。そして、これらのレーザー光は、第2光ファイバ20Hiにより走行ビーム用の灯具ユニット102Hiまで伝搬されて、走行ビーム用配光パターンの形成に用いられる。
次に、予め定められた時間TLL1-LL2が経過したか否か判定される(ステップS1606)。そして、予め定められた時間TLL1-LL2が経過したと判定されると(ステップS1606:Yes)、図21に示すように、第2半導体レーザーLDLL2及び第3半導体レーザーLDLL3からのレーザー光RayLL2、RayLL3を、第2光ファイバ取付部40Hi(これに接続された第2光ファイバ20Hiの入射端部)まで導く光路を構成するため、1/2波長板PTが挿入位置p1PTに配置される(退避位置に配置されている場合)(ステップS1608)。それ以外は全て、それぞれの退避位置に配置される。これは、アクチュエータ制御手段24aが、1/2波長板PT等それぞれに対応して設けられたアクチュエータ(図示せず)を制御することで実現される。
次に、レーザー光源制御手段24bが、第2半導体レーザーLDLL2及び第3半導体レーザーLDLL3が予め定められた第2光出力(FULL出力の半分のHALF出力)で点灯するように(かつ、第1半導体レーザーLDLL1がアイドル状態となるように)、LD点灯回路34を制御する(ステップS1610)。
第2半導体レーザーLDLL2からのレーザー光RayLL2は、図21に示すように、s偏光として1/2波長板PTに入射し、p偏光として1/2波長板PTから出射し、p偏光としてクロスビームスプリッタCBに入射し、当該クロスビームスプリッタCBで第5ビームスプリッタB5に向けて反射され、第5ビームスプリッタB5で反射され、集光レンズ16Hiで集光されて第2光ファイバ取付部40Hi(これに接続された第2光ファイバ20Hiの入射端部)に入射する。一方、第3半導体レーザーLDLL3からのレーザー光RayLL3は、s偏光として第5ビームスプリッタB5に入射してこれを透過し、集光レンズ16Hiで集光されて第2光ファイバ取付部40Hi(これに接続された第2光ファイバ20Hiの入射端部)に入射する。そして、これらのレーザー光は、第2光ファイバ20Hiにより走行ビーム用の灯具ユニット102Hiまで伝搬されて、走行ビーム用配光パターンの形成に用いられる。
次に、予め定められた時間TLL2-LL3が経過したか否か判定される(ステップS1612)。そして、予め定められた時間TLL2-LL3が経過したと判定されると(ステップS1612:Yes)、図22に示すように、第1半導体レーザーLDLL1及び第3半導体レーザーLDLL3からのレーザー光RayLL1、RayLL3を、第2光ファイバ取付部40Hi(これに接続された第2光ファイバ20Hiの入射端部)まで導く光路を構成するため、第3ビームスプリッタB3、第6ビームスプリッタB6がそれぞれの挿入位置p1B3、p1B6に配置される(退避位置に配置されている場合)(ステップS1614)。それ以外は全て、それぞれの退避位置に配置される。これは、アクチュエータ制御手段24aが、第3ビームスプリッタB3、第6ビームスプリッタB6それぞれに対応して設けられたアクチュエータ(図示せず)を制御することで実現される。
次に、レーザー光源制御手段24bが、第1半導体レーザーLDLL1及び第3半導体レーザーLDLL3が予め定められた第2光出力(FULL出力の半分のHALF出力)で点灯するように(かつ、第2半導体レーザーLDLL2がアイドル状態となるように)、LD点灯回路34を制御する(ステップS1616)。
第1半導体レーザーLDLL1からのレーザー光RayLL1は、図22に示すように、p偏光として第1ビームスプリッタB1に入射してこれを透過し、第3ビームスプリッタB3、第6ビームスプリッタB6で反射され、集光レンズ16Hiで集光されて第2光ファイバ取付部40Hi(これに接続された第2光ファイバ20Hiの入射端部)に入射する。一方、第3半導体レーザーLDLL3からのレーザー光RayLL3は、s偏光として第5ビームスプリッタB5及び第6ビームスプリッタB6に入射してこれらを透過し、集光レンズ16Hiで集光されて第2光ファイバ取付部40Hi(これに接続された第2光ファイバ20Hiの入射端部)に入射する。そして、これらのレーザー光は、第2光ファイバ20Hiにより走行ビーム用の灯具ユニット102Hiまで伝搬されて、走行ビーム用配光パターンの形成に用いられる。
次に、予め定められた時間TLL1-LL3が経過したか否か判定される(ステップS1618)。そして、予め定められた時間TLL1-LL3が経過したと判定されると(ステップS1618:Yes)、ステップS20に進む。
上記2LD循環点灯処理(ステップS16)は、点灯スイッチ26がオンでないと判定される(ステップS20:No)まで繰り返される。
なお、半導体レーザーLDLL1〜LDLL3の点灯時間TLL1-LL2〜TLL1-LL3は、均等であってもよいし、不均等であってもよい。
以上のように、予め定められた時間が経過するごとに、所定の順番かつ予め定められた第2光出力(FULL出力の半分のHALF出力)で2つずつ点灯するように半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3を制御することで、半導体レーザーLDLL1〜LDLL3の出力負荷を減らすのと同時に放熱板22上で発熱源を分散(出力分散)できる。これによりヒートスプレッダを備えた場合と同等な効果が得られ、放熱効率が向上する。また、放熱系の熱抵抗は系で一定なので、出力を低下すればジャンクション部の上昇温度ΔTjを半減できる。すなわち、半導体レーザーLDLL1〜LDLL3の寿命および故障を防止できる。上記2LD循環点灯処理(ステップS16)においては、半導体レーザーLDLL1〜LDLL3の運転時間を3等分でき、半導体レーザーLDLL1〜LDLL3の出力負荷が半減するので、半導体レーザーLDLL1〜LDLL3の寿命を3倍程度延ばすことができる。
以上のように、レーザー光源制御手段24bは、周囲環境の温度が予め定められたしきい値より小さい場合、予め定められた時間が経過するごとに、所定の順番かつ第1光出力(FULL出力)で点灯するようにレーザー光源(半導体レーザーLDLL1〜LDLL3)を制御し、一方、周囲環境の温度が予め定められたしきい値より大きい場合、予め定められた時間が経過するごとに、所定の順番かつ第1光出力より小さい第2光出力(HALF出力)で点灯するようにレーザー光源(半導体レーザーLDLL1〜LDLL3)を制御する。
これにより、複数のレーザー光源(半導体レーザーLDLL1〜LDLL3)を用いた車両用灯具(例えば、すれ違いビーム用の灯具ユニット102Lo、走行ビーム用の灯具ユニット102Hi)において、複数のレーザー光源(半導体レーザーLDLL1〜LDLL3)の放熱性をさらに改善すること(その結果、レーザー光源(半導体レーザーLDLL1〜LDLL3)の寿命をさらに改善し、レーザー光源(半導体レーザーLDLL1〜LDLL3)の故障発生をさらに抑制すること)ができる。
これは、複数のレーザー光源(半導体レーザーLDLL1〜LDLL3)が、従来技術のように同時かつ継続して点灯するのではなく、周囲環境の温度が低いとき(周囲環境の温度<予め定められたしきい値)、周囲環境の温度が高いとき(周囲環境の温度>予め定められたしきい値)それぞれに応じた形態で点灯する(すなわち、出力が分散する)ように制御されることによるものである。
以上のように、予め定められた時間が経過するごとに、所定の順番かつ予め定められた第2光出力(HALF出力)で2つずつ点灯するように半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3が制御されている間(ステップS1602〜S1618)、故障LD記録手段24cは、図11に示す故障LD記録処理を並列的に実行する。この故障LD記録処理については既に説明したので省略する。また、故障時点灯処理(ステップS18)についても既に説明したので省略する。
以上説明したように、本実施形態によれば、複数のレーザー光源(半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3)を用いた車両用灯具100において、複数のレーザー光源(半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3)からのレーザー光を、複数の光学系(例えば、すれ違いビーム用の灯具ユニット102Lo、走行ビーム用の灯具ユニット102Hi)に導き、当該複数の光学系で利用することができる。
これは、複数のレーザー光源(半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3)と1又は複数の光ファイバ20Lo、20Hiの入射端部との間に、複数のレーザー光源(半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3)のうち少なくとも1つのレーザー光源からのレーザー光を1又は複数の光ファイバ20Lo、20Hiの入射端部まで導く光路を構成する複数の光学素子、すなわち、ビームスプリッタB1〜B7、ミラーM1〜M3、クロスビームスプリッタCB、1/2波長板PT等が配置されていることによるものである。
また、本実施形態によれば、複数のレーザー光源(半導体レーザーLDLL1、LDLL2、LDLL3)からのレーザー光を、複数の光学系(例えば、すれ違いビーム用の灯具ユニット102Lo、走行ビーム用の灯具ユニット102Hi)に導くことができるため、光学系ごとの使用頻度によるレーザー光源の寿命に差異が生じず、レーザー光源の寿命を延ばすことができる。
上記実施形態及び各変形例で示した各数値は全て例示であり、これと異なる適宜の数値を用いることができる。
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。