JP6658019B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料を噴射する燃料噴射弁に関する。
従来、燃料を噴射する噴孔と、この噴孔に燃料を供給する燃料通路とを有する燃料噴射弁が知られている。燃料噴射弁は、これら噴孔及び燃料通路に加えて、燃料下流側へ向かって縮径するテーパ面状の弁座面により燃料通路を形成する弁座部材と、当該弁座面に対して離着座することにより噴孔からの燃料噴射を断続する弁部材とを有している。
例えば特許文献1では、燃料噴射弁において、噴孔が形成された噴孔プレートの板面に、弁座部材の端面が重ねられている。噴孔プレートの板面の一部は燃料通路に露出しており、この露出した部分が、弁座部材の弁座面の下流側においてこの弁座面と同様に燃料通路を形成する弁座下流面になっている。弁座下流面は、弁座部材の径方向に延びており、噴孔は噴孔プレートの厚み方向に延びている。燃料通路を流れる燃料は、弁座面から弁座下流面に到達した後、弁座下流面に沿って流れることで噴孔に流入する。この場合、噴孔に流れ込んだ燃料は、噴孔の内周面に衝突することでその内周面に沿って膜状に延び、噴孔から流出する際に微粒化しやすくなる。
また、弁座部材においては、その弁座面が噴孔プレートの弁座下流面から離間しており、この弁座面と弁座下流面との間には、これら弁座面と噴孔プレートの板面とを接続する接続面が設けられている。この接続面は、噴孔プレートの弁座下流面に対して直交している。
特開2013−2432号公報
しかしながら、弁座部材の接続面と噴孔プレートの弁座下流面とが直交した構成では、燃料通路において弁座面に沿って流れてきた燃料が弁座面の下流端部を通過した場合、その燃料の一部が接続面と弁座下流面との入隅部分に流れ込み、この入隅部分に燃料が溜まりやすくなる。この場合、入隅部分において燃料の流れに渦が生じるなど、燃料通路での燃料の流れに乱れが生じることで、燃料通路を流れる燃料について圧力損失が増加してしまう。圧力損失が増加すると、燃料が噴孔の内周面に衝突するエネルギーが減少し、噴孔の内周面に沿って延びる燃料の膜が薄くなりにくい。このため、噴孔から噴射される燃料の微粒化が適正に行われないことが懸念される。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたもので、その目的は、噴孔から噴射される燃料の微粒化を促進することができる燃料噴射弁を提供することにある。
以下、課題を達成するための発明の技術的手段について、説明する。なお、発明の技術的手段を開示する特許請求の範囲及び本欄に記載された括弧内の符号は、後に詳述する実施形態に記載された具体的手段との対応関係を示すものであり、発明の技術的範囲を限定するものではない。
上述の課題を解決するために開示された第1の発明は、燃料通路(15)により供給される燃料を噴射する噴孔(17)を有する噴孔部材(13)と、噴孔よりも上流側において下流側に向かって縮径する弁座面(16)を有し、弁座面により燃料通路を形成する弁座部材(12)と、弁座面に離着座することにより、噴孔からの燃料噴射を断続させる弁部材(40)と、を備えている燃料噴射弁(1)であって、噴孔部材は、当該噴孔部材の径方向に延び、弁座面の下流側において燃料通路を形成する弁座下流面(130)を有しており、弁座部材は、弁座下流面と弁座面の下流端部とにかけ渡され、弁座下流面に向かって縮径する縮径面(18)を有しており、縮径面は、縮径率が一定のテーパ面であり、弁座下流面に対する縮径面の傾斜角度は、30度より大きく且つ60度以下の範囲に設定されており、弁座部材の径方向において、縮径面の下流端部と噴孔の流入口の中心との離間距離(L4)が、縮径面の長さ寸法(L3)より大きい
第1の発明によれば、弁座部材の縮径面が、弁座下流面と弁座面とにかけ渡された状態になっているため、燃料通路において弁座下流面と縮径面との間の角度が鈍角になる。この構成では、燃料通路において弁座面の下流端部を通過した燃料の一部が、仮に縮径面に沿って流れたとしても、弁座下流面と縮径面との入隅部分に溜まりにくい、という知見を発明者らが得た。この場合、燃料通路を流れる燃料について圧力損失が生じにくくなり、燃料は十分なエネルギーを持った状態で噴孔の内周面に衝突することになるため、噴孔から噴射される燃料の微粒化を促進することができる。
第1実施形態における燃料噴射弁が搭載される内燃機関を示す構成図。 燃料噴射弁を示す縦断面図。 図2を部分的に拡大して示す縦断面図。 図2,3の案内面を拡大して示す縦断面図。 案内面が縮径していない従来構成において燃料通路での燃料の流れを示す図。 案内面が縮径している第1実施形態の構成において燃料通路での燃料の流れを示す図。 案内面が縮径していない従来構成において噴孔での燃料の状態を示す図。 案内面が縮径している第1実施形態の構成において噴孔での燃料の状態を示す図。 第2実施形態における燃料噴射弁の案内面を拡大して示す縦断面図。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の一実施形態として燃料噴射弁1は、気筒2a内においてガソリンを燃焼させる内燃機関2に、搭載される。燃料噴射弁1は、吸入空気と共に気筒2a内へと吸入される燃料を、当該吸入空気の流通する吸気ポート2bへと噴射する。
(基本構成)
まず、燃料噴射弁1の基本構成を説明する。図2に示すように燃料噴射弁1は、弁ハウジング10、固定コア20、可動コア30、弁部材40、弾性部材50及び駆動部60を備えている。
弁ハウジング10は、パイプ部材11、弁座部材12及び噴孔部材13等から構成されている。円筒状のパイプ部材11は、第1磁性部110、非磁性部111及び第2磁性部112を、軸方向の開弁側から閉弁側へ向かってこの順に有している。金属磁性体からなる各磁性部110,112と、金属非磁性体からなる非磁性部111とは、例えばレーザ溶接等により同軸上に結合されている。この結合構造により非磁性部111は、第1磁性部110と第2磁性部112との間における磁束の短絡を、遮断している。
第1磁性部110は、燃料ポンプ3(図1参照)から燃料の供給を受ける供給入口14を、形成している。第2磁性部112には、円筒状の金属からなる弁座部材12が同軸上に嵌入固定されている。弁座部材12は、上流側から導かれる燃料を下流側へと流通させるように、燃料通路15をパイプ部材11と共同して形成している。それと共に弁座部材12は、図2〜4に示すように燃料通路15に露出する弁座面16を、有している。弁座面16は、燃料通路15の下流側へ向かって縮径する縮径形状として、縮径率が一定のテーパ面状に形成されている。この場合、弁座面16は、円錐面を有しており、燃料の流れ方向に沿って真っ直ぐに延びていることになる。
図2〜4に示すように、有底円筒状の金属からなる噴孔部材13は、第2磁性部112とは反対側において、弁座部材12に同軸上に外嵌固定されている。噴孔部材13は、弁座面16の下流側において燃料通路15を形成する弁座下流面130を有している。弁座下流面130は、弁座面16と同様に燃料通路15に露出しており、噴孔部材13の径方向に延びた状態で噴孔部材13の底面を形成している。
噴孔部材13は、複数の噴孔17を底部に有している。各噴孔17は、弁座面16よりも下流側において燃料通路15と連通していると共に、吸気ポート2b(図1参照)へ向かって放射状に開口している。噴孔17は、燃料通路15から燃料が流入する流入口170と、燃料が流出する流出口171とを有しており、噴孔部材13の中心線に対する離間距離は、流出口171の方が流入口170よりも大きくなっている。噴孔部材13の中心線は、後述する弁部材40の中心線Lvと一致している。噴孔17の中心線Naは、流入口170から流出口171に近付くにつれて中心線Lvから遠ざかっている。ただし、流入口170の中心線Nbは、中心線Lvと平行に延びており、噴孔17の中心線Naとは交差している。
図2に示すように、円筒状の金属磁性体からなる固定コア20は、第1磁性部110及び非磁性部111に同軸上に内嵌固定されている。固定コア20には、円筒状の金属からなるアジャスティングパイプ22が同軸上に圧入固定されている。固定コア20は、上流側の供給入口14から流入した燃料を下流側へ流出させるように、固定通路24をアジャスティングパイプ22と共同して形成している。
円筒状の金属磁性体からなる可動コア30は、非磁性部111及び第2磁性部112内に同軸上に収容されている。可動コア30は、固定コア20よりも閉弁側において、軸方向の両側へと往復移動可能となっている。有底円筒状の金属非磁性体からなる弁部材40は、第2磁性部112内及び弁座部材12内に跨って同軸上に収容されている。図2,3に示すように弁部材40は、可動コア30に閉弁側から嵌入固定されている。これにより弁部材40は、自身の弁中心線Lvに沿う軸方向の両側へ、可動コア30と一体に往復移動可能となっている。弁部材40は、上流側の固定通路24から流出する燃料を下流側の燃料通路15へと導くように、可動通路42を可動コア30と共同して形成している。
弁部材40は、弁座面16よりも上流側において往復移動する当接部44を、閉弁側の底部に有している。図2〜4に示すように弁部材40は、全噴孔17よりも上流側において上記縮径形状を呈する弁座面16に対して、当接部44を同軸上に離着座させる。具体的に弁部材40は、開弁側へ移動することで、当接部44を弁座面16から全周に亘って離座させる。その結果、弁部材40が開弁して各噴孔17が燃料通路15と連通するので、それら各噴孔17からは燃料が吸気ポート2b(図1参照)へ噴射される。また一方で弁部材40は、閉弁側へ移動することで、当接部44を弁座面16に全周に亘って着座させる。その結果、弁部材40が閉弁して各噴孔17が燃料通路15との連通を遮断されるので、それら各噴孔17からの燃料噴射が停止する。このように弁部材40は、弁座面16に対する離着座により開閉弁することで、各噴孔17からの燃料噴射を断続可能となっている。
図2に示すように弾性部材50は、金属からなる圧縮コイルスプリングであり、固定コア20及び可動コア30内の各通路24,42に同軸上に収容されている。弾性部材50は、固定コア20内のアジャスティングパイプ22と、可動コア30との間に挟持されている。この挟持構造により弾性部材50は、要素22,30間での圧縮に応じて弾性復原力を発生することで、可動コア30及び弁部材40を閉弁側の弁座面16へと向かって付勢する。即ち、弾性部材50の発生する弾性復原力が、可動コア30及び弁部材40を付勢する付勢力となる。
駆動部60は、ソレノイドコイル61、スプール62、ターミナル63及びコネクタ64等から構成されている。ソレノイドコイル61は、円筒状の樹脂からなるスプール62に金属線材を巻回すことで、形成されている。ソレノイドコイル61は、スプール62を介して磁性部110,112及び非磁性部111に同軸上に外嵌固定されている。金属からなるターミナル63は、樹脂からなるコネクタ64に埋設され、外部の制御回路4(図1参照)と内部のソレノイドコイル61との間を電気接続する。この電気接続によりソレノイドコイル61への通電は、制御回路4により制御可能となっている。
以上の如く構成される燃料噴射弁1の開弁作動では、制御回路4により通電されるソレノイドコイル61が励磁することで、第1磁性部110、固定コア20、可動コア30、及び第2磁性部112に磁束が案内される。その結果、互いに対向するコア20,30間には、可動コア30を開弁側の固定コア20へと向かって吸引するように、磁気吸引力が発生する。すると、可動コア30は、弾性部材50の付勢力に抗した開弁側へ弁部材40と共に駆動されるため、固定コア20に当接して係止される。このとき弁部材40は、当接部44を弁座面16から離座させるので、各噴孔17から燃料が噴射される。
一方、こうした開弁作動後の閉弁作動では、制御回路4により通電を停止されるソレノイドコイル61が消磁するので、コア20,30間の磁気吸引力が消失する。すると、可動コア30は、弾性部材50の付勢力により閉弁側へ弁部材40と共に駆動されるため、当該弁部材40が弁座部材12に当接して係止される。その結果として弁部材40は、当接部44を弁座面16に着座させるので、各噴孔17からの燃料噴射が停止する。また、こうして閉弁した弁部材40は、弾性部材50の付勢力に加えて、可動通路42の燃料から当接部44に作用する燃圧により、弁座面16へと向かって付勢された状態となる。
(弁部材の構成)
次に、弁部材40の構成を図3に基づき説明する。尚、図3は、弁部材40の径方向中心に延伸想定される弁中心線Lvを含んで切られる縦断面の一つを、図示している。そこで以下では、弁部材40に関して図3の縦断面を含む任意の縦断面を、単に縦断面というものとする。
図3に示すように弁部材40は、弁中心線Lvを中心とした円筒面状にストレートに延伸する弁外周面46を、当接部44の外周側且つ開弁側に有している。それと共に弁部材40は、当接部44の内周側且つ閉弁側に、凸曲面状又は平面状の先端面47を有している。さらに弁部材40は、部分球面状に湾曲した二種類の凸曲面440,441を、それぞれ当接部44の全周に亘って同軸上に有している。先端面47の周縁部470は、先端面47と内周側凸曲面440との境界部を前週に亘って形成している。
内周側凸曲面440は、先端面47から外周側且つ開弁側へ連なっている。これにより、内周側凸曲面440よりも下流側に位置する先端面47は、燃料通路15の一部として開弁時に燃料を各噴孔17へと案内する偏平状のサック室150を、弁ハウジング10のうち噴孔部材13との間に形成している。
外周側凸曲面441は、弁外周面46から内周側且つ閉弁側へ連なっている。これにより外周側凸曲面441は、弁外周面46から尖鋭状に屈曲する屈曲部442を、全周に亘って形成している。また、外周側凸曲面441は、内周側凸曲面440から内周側且つ開弁側へ連なっている。これにより外周側凸曲面441は、内周側凸曲面440との境界部443を、全周に亘って形成している。ここで境界部443は、弁ハウジング10のうち弁座部材12の弁座面16へと向かって突出する形状を、全周に亘って有している。
(弁座部材の詳細構成)
続いて、弁座部材12の詳細構成を図4を参照しつつ説明する。
図4に示すように、弁座部材12は、弁座面16の下流端部から下流側に向けて延びた案内面18を有している。案内面18は、弁座面16と同様に燃料通路15に露出しており、弁座面16に沿って流れてきた燃料を弁座下流面130に案内する。弁座部材12は、噴孔部材13の弁座下流面130に重ねられた端面120を有しており、案内面18の下流端部は端面120に接続されている。この場合、案内面18は、弁座面16と端面120とを接続している。上述したように、端面120が弁座下流面130に重ねられているため、案内面18は、弁座面16と弁座下流面130にかけ渡された状態になっている。
弁座部材12においては、案内面18の上流端部180が、案内面18と弁座面16との境界部に含まれており、案内面18の下流端部181が、案内面18と端面120との境界部に含まれている。
案内面18は、弁座面16と同様に、燃料通路15の下流側に向かって縮径する縮径形状として、本実施形態では縮径率が一定のテーパ面状(換言すれば円錐面状)に形成されている。この場合、案内面18は縮径面に相当する。案内面18の縮径率は、弁座面16の縮径率に比べて小さくなっている。この場合、弁座下流面130に対する案内面18の傾斜角度θaは、弁座下流面130に対する弁座面16の傾斜角度θbより大きくなっている。この場合、燃料通路15においては、弁座面16と案内面18との間の角度θcが180度より大きくなっている。
弁座面16の傾斜角度θbは、0度より大きく且つ30度以下の範囲に設定されており、案内面18の傾斜角度θaは、30度より大きく且つ60度以下の範囲に設定されている。これら傾斜角度θa,θbの差異は、0度より大きく且つ30度以下になっている。本実施形態では、弁座面16の傾斜角度θbが30に設定されており、案内面18の傾斜角度θaが44度に設定されている。
弁座面16の延長線Ncを想定し、この延長線Ncと弁座下流面130とが交差する点を交点Pと称した場合、この交点Pは、弁座部材12の径方向において案内面18の下流端部181と噴孔17との間に配置されている。この場合、弁座部材12において、下流端部181及び交点Pはいずれも噴孔17より外周側に配置されており、下流端部181は、噴孔17に対して交点Pよりも遠い位置にある。
ここでは、案内面18の位置や縮径率を距離で説明する。交点Pは、下流端部181と流入口170の中心線Nbとの間において、下流端部181寄りの位置に配置されている。この場合、交点Pと下流端部181との離間距離L1は、交点Pと流入口170の中心線Nbとの離間距離L2よりも小さくなっている。
また、弁座部材12の径方向においては、交点Pと上流端部180との間で、下流端部181が上流端部180寄りの位置に配置されている。この場合、弁座部材12の径方向において、案内面18の長さ寸法L3は、下流端部181と交点Pとの離間距離L2より大きくなっている。その一方で、長さ寸法L3は、下流端部181と流入口170の中心線Nbとの離間距離L4より小さくなっている。この離間距離L4は、離間距離L1,L2の合計である。なお、長さ寸法L3は、下流端部181と上流端部180との離間距離である。
弁座面16は、弁部材40が弁座面16に着座した場合に、その弁部材40の当接部44が接触する接触部160を有している。接触部160は、当接部44の境界部443が接触する部分であり、弁座面16と共に噴孔部材13の全周に亘って存在している。弁座部材12の径方向においては、接触部160と下流端部181との間で、上流端部180が下流端部181寄りの位置に配置されている。この場合、上流端部180と接触部160との離間距離L5が、案内面18の長さ寸法L3より大きくなっている。
弁部材40では、この弁部材40の径方向において、先端面47の周縁部470と流入口170の中心線Nbとの離間距離L6が、その中心線Nbと下流端部181との離間距離L4より小さくなっている。この場合、下流端部181は、周縁部470に比べて中心線Lvから遠い位置に配置されていることになる。
次に、本実施形態のように案内面18が縮径している構成と、案内面18が縮径していない構成とを対象として、燃料通路15での燃料の流れ方についてのシミュレーション結果を、図5と図6とを参照しつつ比較する。図5に示すように、案内面18が縮径していない従来構成では、中心線Lvに対する離間距離が案内面18の上流端部180と下流端部181とで同じになっている。
図5に示すように、案内面18が縮径していない本実施形態の構成では、案内面18と弁座下流面130とがほぼ直交している。この構成では、これら案内面18と弁座下流面130との入隅部分に燃料の大きな渦が発生しやすく、それに伴って、噴孔17側から入隅部分側に戻るように流れる燃料も多くなりやすい。この場合、噴孔17の上流側において入隅部分に燃料が溜まりやすく、燃料通路15での燃料の流れが大きく乱れると考えられる。
図6に示すように、案内面18が縮径している構成では、案内面18と弁座下流面130との入隅部分に燃料の渦が発生しやすく、仮に生じたとしてもその渦が小さくなっている。それに伴って、噴孔17側から入隅部分への燃料の逆流も生じにくくなっている。この場合、噴孔17の上流側において入隅部分に燃料が溜まりにくく、燃料通路15での燃料の流れが乱れにくいと考えられる。
次に、噴孔17での燃料の状態についてシミュレーション結果を、案内面18が縮径していない従来構成(図7参照)と縮径している本実施形態の構成(図8参照)とを比較しつつ説明する。
図7、図8に示すように、燃料通路15において燃料が噴孔17の径方向に流れていることに起因して、案内面18が縮径していない構成及び縮径している構成にいずれにおいても、燃料が流れ込んだ噴孔17においては燃料層と空気層とが形成される。燃料層は、噴孔17に流れ込んだ燃料がその噴孔17の内周面に衝突し、その内周面に沿って延びることで膜状になる。そして、噴孔17の流出口171から放出されることで、膜状の層になっていた燃料が微粒化しやすくなる。
本実施形態のように案内面18が縮径している構成の燃料層の厚み寸法A1(図7参照)は、案内面18が縮径していない従来構成の燃料層の厚み寸法A2(図8参照)より小さくなっている。このシミュレーションにおいては、縮径している方の厚み寸法A1が89.4μmであり、縮径していない方の厚み寸法A2が90.9μmである。
(作用効果)
ここまで説明した第1実施形態の作用効果を、以下に説明する。
第1実施形態によれば、案内面18が縮径しているため、この案内面18と弁座下流面130との間の角度が鈍角になる。この構成では、案内面18と弁座下流面130との入隅部分に燃料がたまりにくく、燃料通路15を流れる燃料について圧力損失が生じにくい。この場合、燃料が十分なエネルギーを持った状態で噴孔17の流入口170から流れ込んで、その噴孔17の内周面に衝突し、その内周面に沿って膜状になりやすい。その結果、流出口171から流出する燃料の微粒化を促進することができる。
第1実施形態によれば、案内面18の縮径率が弁座面16の縮径率より小さくなっているため、弁座部材12の径方向位において、案内面18の長さ寸法が極力短くなっている。ここで、案内面18が弁座面16と弁座下流面130とにかけ渡されているということは、弁座部材12の厚み寸法が、案内面18の下流端部181に向けて徐々に小さくなっていることである。この場合、弁座部材12において、案内面18を形成している部分の強度が低下することが懸念されるが、案内面18の長さ寸法が極力小さくなっていることで、強度が低下しやすい部分が縮小化されている。このため、弁座部材12において案内面18を形成している部分の強度を適正に確保することができる。
第1実施形態によれば、案内面18は、縮径率が一定のテーパ面になっている。この場合、例えば案内面18が上流側に向けて膨らんだ湾曲面になっている構成に比べて、案内面18と弁座下流面130との入隅部分が小さくなるため、この入隅部分に燃料が溜まりにくい構成を実現できる。また、例えば案内面18が下流側に向けて膨らんだ湾曲面になっている構成に比べて、弁座部材12において案内面18を形成する部分について、下流端部181周辺で厚み寸法の小さい部分を極力狭い範囲に抑えることができる。このため、弁座部材12において案内面18を形成している部分の強度を適正に確保することができる。
第1実施形態によれば、弁座下流面130に対する案内面18の傾斜角度θaと、弁座面16の傾斜角度θbとの差異が0度より大きく且つ30度以下になっている。この構成が実現されていることで、燃料通路15での燃料の流れに乱れが生じにくく、噴孔17から噴射される燃料の微粒化が促進される、という知見を発明者らが得た。
第1実施形態によれば、案内面18の傾斜角度θaが30度より大きく且つ60度以下になっている。この構成が実現されていることで、弁座部材12において案内面18を形成している部分の強度を適正に確保できる、という知見を発明者らが得た。
第1実施形態によれば、弁座部材12の径方向において、案内面18と流入口170の中心線Nbとの離間距離L4が、案内面18の長さ寸法である長さ寸法L3より大きい。この場合、弁座下流面130に到達した燃料の流れを、案内面18に沿って流れてきた向きから、弁座下流面130に沿って流れる向きに変えるための領域を、案内面18と噴孔17との間に確保することができる。このため、燃料が案内面18に沿って流れることで、仮に燃料通路15での燃料の流れに乱れが生じたとしても、燃料が噴孔17に到達するまでにその乱れを低減することができる。
第1実施形態によれば、弁座部材12の径方向において、弁座面16の長さ寸法が案内面18の長さ寸法より大きいため、燃料通路15においては、燃料が案内面18に到達する前の段階で、燃料の流れが弁座面16により整えられることになる。このため、燃料が案内面18に沿って流れることで、仮に燃料通路15での燃料の流れに乱れが生じたとしても、その乱れを最小限に抑えることができる。
第1実施形態によれば、燃料噴射弁1により吸気ポート2bへの燃料噴射が行われるため、燃料通路15を流れる燃料の圧力が比較的低くなっている。これに対して、燃料通路15を流れる燃料の圧力損失が生じにくい構成が案内面18により実現されているため、燃料圧力が比較的低くても噴孔17から噴射される燃料の微粒化が適正に行われる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、弁座部材12が弁座面16及び端面120に加えて案内面18を有していたが、第2実施形態では、弁座部材12が案内面18を有していない。本実施形態では、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図9に示すように、弁座部材12においては、弁座面16と端面120とが直接的に接続されている。このため、弁座面16が弁座下流面130から上流側に向けて延びている。この場合、燃料通路15において、弁座面16に沿って流れてきた燃料は、弁座面16の下流端部161を通過することで弁座下流面130に到達する。弁座下流面130に対する弁座面16の傾斜角度θdは、上記第1実施形態での弁座下流面130に対する弁座面16の傾斜角度θaと同じになっている。
燃料通路15においては、弁座面16と弁座下流面130との間の角度が鈍角になっており、弁座面16と弁座下流面130との入隅部分に燃料が溜まりにくくなっている。したがって、上記第1実施形態と同様に、燃料噴射に際して圧力損失が生じにくく、噴孔17から噴射される燃料の微粒化が促進される。
弁座部材12の径方向においては、弁座面16の下流端部161と噴孔17の流入口170との離間距離L7が、流入口170の幅寸法L8より大きくなっている。この場合、上記第1実施形態と同様に、弁座下流面130に到達した燃料の流れを、弁座面16に沿って流れてきた向きから、弁座下流面130に沿って流れる向きに変えるための領域を、弁座面16と噴孔17との間に確保することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
変形例1として、上記第1実施形態において、案内面18の傾斜角度θaは、弁座面16の傾斜角度θbと同じ又はそれより小さくてもよい。案内面18の傾斜角度θaが弁座面16の傾斜角度θbより小さい構成では、燃料通路15において、案内面18と弁座下流面130との間に燃料が更に溜まりにくくなっており、燃料について生じる圧力損失の更なる低減化を実現できる。また、案内面18の傾斜角度θaが弁座面16の傾斜角度θbと同じ構成は、弁座面16が弁座下流面130から上流側に向けて延びているという上記第2実施形態と同じ構成になる。
変形例2として、上記第1実施形態において、弁座面16の傾斜角度θbは、30度より大きい値に設定されていてもよい。また、案内面18の傾斜角度θaは、30度以下の値に設定されていてもよく、60度より大きい値に設定されていてもよい。いずれの場合でも、燃料通路15での燃料の流れに乱れが生じにくい構成が案内面18により実現されていればよい。
変形例3として、上記第1実施形態において、案内面18の縮径率が一定でなくてもよい。縮径率が一定でない構成としては、案内面18が上流側や下流側に向けて膨らんだ湾曲面になっている構成が挙げられる。
変形例4として、上記第1実施形態の噴孔部材13の径方向にて、案内面18の下流端部181と流入口170の中心線Nbとの離間距離L4が案内面18の長さ寸法L3より大きければ、交点Pは、噴孔17と案内面18との間においてどの位置にあってもよい。例えば、交点Pと下流端部181との離間距離L1が、交点Pと流入口170の中心線Nbとの離間距離L2より小さいのではなく、同じ又はそれより大きくなっていてもよい。
変形例5として、上記第1実施形態の噴孔部材13の径方向において、案内面18の下流端部181と流入口170の中心線Nbとの離間距離L4は、案内面18の長さ寸法L3より大きいのではなく、同じ又はそれより小さくなっていてもよい。
変形例6として、上記第1実施形態の噴孔部材13の径方向において、上流端部180と接触部160との離間距離L5が、案内面18の長さ寸法L3より大きいのではなく、同じ又はそれより小さくなっていてもよい。
変形例7として、上記第2実施形態の噴孔部材13の径方向において、弁座面16の下流端部161と噴孔17の流入口170との離間距離L7が、流入口170の幅寸法L8より大きのではなく、同じ又はそれより小さくなっていてもよい。
変形例8として、燃料噴射弁1は、ガソリン式内燃機関の気筒内へ燃料を噴射する燃料噴射弁であってもよい。
変形例9として、燃料噴射弁1は、ディーゼル式内燃機関の気筒内へ燃料を噴射する燃料噴射弁であってもよい。
1…燃料噴射弁、12…弁座部材、13…噴孔部材、130…弁座下流面、15…燃料通路、16…弁座面、17…噴孔、18…案内面(縮径面)、181…下流端部、L3…離間距離(長さ寸法)、L4,L5…離間距離Nc…延長線、P…交点。

Claims (5)

  1. 燃料通路(15)により供給される燃料を噴射する噴孔(17)を有する噴孔部材(13)と、
    前記噴孔よりも上流側において下流側に向かって縮径する弁座面(16)を有し、前記弁座面により前記燃料通路の一部を形成する弁座部材(12)と、
    前記弁座面に離着座することにより、前記噴孔からの燃料噴射を断続させる弁部材(40)と、を備えている燃料噴射弁(1)であって、
    前記噴孔部材は、当該噴孔部材の径方向に延び、前記弁座面の下流側において前記燃料通路の一部を形成する弁座下流面(130)を有しており、
    前記弁座部材は、前記弁座下流面と前記弁座面の下流端部とにかけ渡され、前記弁座下流面に向かって縮径する縮径面(18)を有しており、
    前記縮径面は、縮径率が一定のテーパ面であり、
    前記弁座下流面に対する前記縮径面の傾斜角度は、30度より大きく且つ60度以下の範囲に設定されており、
    前記弁座部材の径方向において、前記縮径面の下流端部と前記噴孔の流入口の中心との離間距離(L4)が、前記縮径面の長さ寸法(L3)より大きい燃料噴射弁。
  2. 前記弁座面の延長線(Nc)を想定した場合に、前記延長線は、前記噴孔よりも上流側において前記弁座下流面に交差しており、
    前記縮径面の下流端部(181)は、前記弁座部材の径方向において、前記延長線が前記弁座下流面に交差する交点(P)に比べて、前記噴孔から遠い位置に設けられている請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記弁座下流面に対する前記縮径面の傾斜角度は、前記弁座下流面に対する前記弁座面の傾斜角度よりも大きく、これら傾斜角度の差異は、0度より大きく且つ30度以下の範囲に設定されている請求項1または請求項2に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記弁座面は、前記弁部材が前記弁座面に着座した場合に前記弁部材が接触する接触部(160)を有しており、
    前記弁座部材の径方向において、前記弁座面の前記接触部と前記縮径面の上流端部との離間距離(L5)が、前記縮径面の長さ寸法(L3)より大きい請求項1〜3のいずれか1つに記載の燃料噴射弁。
  5. 前記噴孔は、内燃機関の吸気ポート(2b)に燃料を噴射する請求項1〜4のいずれか1つに記載の燃料噴射弁。
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