JP6753817B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Description
弁ボディは、燃料が流れる燃料通路(100)、燃料通路を形成する内壁(101)に形成された弁座(14)、弁座の下流側で軸(Ax1)方向に凹む凹部(15)、および、凹部と外壁(102)とを接続する噴孔(13)を有している。
ニードルは、弁座から離間および弁座に当接可能なシール部(31)を有し、弁ボディの内側において往復移動可能に設けられ、シール部と凹部との間にサック室(150)を形成する。
また、凹部における噴孔の開口を入口開口(131)、入口開口を通り弁ボディの軸に平行に延びる直線を仮想直線(VL、VL1、VL2、VL3)、仮想直線と入口開口との交点を入口交点(Pi、Pi1、Pi2、Pi3)、仮想直線とシール部との交点をニードル交点(Pn、Pn1、Pn2、Pn3)、同一の仮想直線上の入口交点とニードル交点との距離をDh、弁ボディの軸上における凹部とシール部との距離をDsとすると、シール部が弁座に当接しているとき、Dh>Dsである。そのため、噴孔の上流側での流路縮小による圧力損失を抑制しつつ、サック室の容積を小さくすることができる。これにより、圧力損失による流量特性の悪化や、流速低下による微粒化特性の悪化を抑制することができる。
また、サック室の容積を小さくすることで、燃料噴射後のサック室内の残留燃料を低減することができる。そのため、残留燃料が噴孔から漏れ出ることによる弁ボディの外壁の燃料濡れを抑制することができる。これにより、燃料噴射後の粒子状物質の発生を抑制することができる。
異物捕集部は、燃料が通過可能な複数の穴部(251)を有し、燃料通路を流れる燃料中の異物のうち穴部より大きな異物を捕集可能である。穴部の最大の幅をDfとすると、Ds>Dfである。
弁ボディは、燃料が流れる燃料通路(100)、燃料通路を形成する内壁(101)に形成された弁座(14)、弁座の下流側で軸(Ax1)方向に凹む凹部(15)、および、凹部と外壁(102)とを接続する噴孔(13)を有している。
ニードルは、弁座から離間および弁座に当接可能なシール部(31)を有し、弁ボディの内側において往復移動可能に設けられ、シール部と凹部との間にサック室(150)を形成する。
異物捕集部は、燃料が通過可能な複数の穴部(251)を有し、燃料通路を流れる燃料中の異物のうち穴部より大きな異物を捕集可能である。
凹部における噴孔の開口である入口開口(131)の内径は、Dsより大きい。
(第1実施形態)
燃料噴射弁1は、弁ボディ10、ハウジング20、異物捕集部としてのフィルタ25、ニードル30、可動コア40、固定コア51、弁座側付勢部材としてのスプリング52、固定コア側付勢部材としてのスプリング53、コイル55等を備えている。
第1筒部21、第2筒部22および第3筒部23は、いずれも略円筒状に形成されている。第1筒部21、第2筒部22および第3筒部23は、第1筒部21、第2筒部22、第3筒部23の順に同軸となるよう配置され、互いに接続している。
第1筒部21は、第2筒部22とは反対側の端部の内壁が弁ボディ10の筒部11の外周壁に嵌合するよう設けられている。
インレット部24は、固定コア51と同様、例えばフェライト系ステンレス等の磁性材料により筒状に形成されている。インレット部24は、一端が固定コア51の弁ボディ10とは反対側の端部に接続するよう、固定コア51と一体に形成されている。このように、本実施形態では、第3筒部23と固定コア51とインレット部24とは、同一の材料で一体に形成されている。なお、固定コア51の内径とインレット部24の内径とは同じに設定されている。
燃料通路100は、インレット部24の固定コア51とは反対側の端部開口と噴孔13とを接続している。インレット部24の固定コア51とは反対側の端部には、図示しない配管が接続される。これにより、燃料通路100には、図示しない燃料供給源(燃料ポンプ)からの燃料が配管を経由して流入する。燃料通路100は、燃料を噴孔13に導く。
ニードル30は、燃料通路100内をハウジング20の軸方向へ往復移動可能なようハウジング20の内側に設けられている。ニードル30は、ニードル本体301、シール部31、鍔部34等を有している。
ニードル本体301は、棒状に形成されている。
シール部31は、ニードル本体301の一端、すなわち、弁ボディ10側の端部においてニードル本体301と一体に形成されている。シール部31は、弁座14に当接可能である。つまり、ニードル30は、シール部31が弁座14から離間および弁座14に当接可能なよう弁ボディ10の内側において往復移動可能に設けられている。
可動コア40は、略円柱状に形成されている。可動コア40には、凹部41、軸穴42、通孔43が形成されている。
可動コア40は、弁ボディ10とは反対側の面のうち軸穴42周りの部分が、鍔部34の弁ボディ10側の面に当接、または、鍔部34の弁ボディ10側の面から離間可能である。可動コア40の弁ボディ10とは反対側の面が固定コア51および鍔部34に当接した状態では、ニードル30のシール部31は弁座14から離間、すなわち、開弁した状態となる。
スプリング52は、例えばコイルスプリングであり、固定コア51の内側のアジャスティングパイプ54とニードル30との間に設けられている。スプリング52の一端は、アジャスティングパイプ54に当接している。スプリング52の他端は、鍔部34またはニードル本体301の弁ボディ10とは反対側の端面に当接している。スプリング52は、可動コア40をニードル30とともに弁ボディ10側、すなわち、閉弁方向に付勢可能である。スプリング52の付勢力は、固定コア51に対するアジャスティングパイプ54の位置により調整される。
鍔部34の外周壁と固定コア51の内周壁との間には、略円筒状の隙間が常に形成されている。そのため、固定コア51と可動コア40とが当接していないとき、鍔部34に対しインレット部24側の燃料は、当該略円筒状の隙間、固定コア51と可動コア40との間、通孔43を経由して可動コア40に対し弁ボディ10側に流れることができる。
本実施形態の燃料噴射弁1の使用時に想定される燃料通路100内の燃料の圧力は、例えば1〜100MPa程度である。
図2に示すように、弁ボディ10は、凹部15、入口開口131、出口開口132、噴孔内壁133、噴孔13、弁座14を有している。
平面部151は、凹部15の底面の中央に円形の平面状に形成されている。平面部151は、中央を弁ボディ10の軸Ax1が通り、軸Ax1に概ね直交するよう形成されている。テーパ部152は、平面部151の径方向外側に連続するよう環状に形成されている。テーパ部152は、平面部151から開弁方向へ向かうに従い弁ボディ10の軸Ax1から離れるようテーパ状に形成されている。曲面部153は、テーパ部152と弁座14とを接続するよう曲面状に形成されている。
噴孔内壁133は、入口開口131と出口開口132とを接続している。噴孔13は、噴孔内壁133により形成されており、入口開口131から流入した燃料を出口開口132から噴射する。
本実施形態では、噴孔13は、中心線である噴孔中心線CL1が弁ボディ10の軸Ax1と交差するよう形成されている。
また、本実施形態では、噴孔内壁133は、略円筒状に形成されている。つまり、噴孔内壁133は、噴孔中心線CL1に垂直な平面による断面の形状が円形となるよう形成されている。そのため、噴孔内壁133は、入口開口131側から出口開口132側にかけて内径が同一となるストレート状に形成されている。
なお、以下、シール部31が弁座14から離間している状態、すなわち、開弁時においても、上記閉弁時に形成されるサック室150に対応する空間をサック室150ということがある。
なお、本実施形態では、Dh3>Dh2>Dh1である。
また、本実施形態では、Ds>Dfである。
図3は、サック室150の容積と燃料濡れ量との関係を示す図である。ここで、「燃料濡れ量」とは、ニードル30の閉弁後、サック室150内の残留燃料が噴孔13から漏れ出て弁ボディ10の外壁102に付着した量のことである。燃料濡れ量が多い場合、煤等の粒子状物質の発生量が多くなるおそれがある。図3から、サック室150の容積が小さいほど、燃料濡れ量が少なくなることがわかる。上述のように、本実施形態では、サック室150の容積は、0.06mm3より小さく設定されている。そのため、燃料濡れ量を少なくすることができ、煤等の粒子状物質の発生量を低減することができる。
図4、5において、図面が煩雑になることを避けるため、部材の断面のハッチングを省略している。また、図中、網掛けが濃い部分ほど、圧力が高いことを意味している。
一方、図5に示すように、比較形態では、開弁時、噴孔13の上流側の圧力は、特に軸Ax1側の一部において低くなっていることがわかる。つまり、比較形態では、弁座14を通過しシール部31に沿って流れ噴孔13に流入する燃料に圧力損失が生じることがわかる。
なお、本実施形態では、弁座14を凹部15側へ延長した仮想面VS1が噴孔内壁133と交わるため、開弁時、弁座14に沿って噴孔13側へ流れる燃料は、噴孔内壁133のうち軸Ax1側の部位にぶつかり、噴孔内壁133に沿って出口開口132側へ流れ、噴射される。
弁ボディ10は、燃料が流れる燃料通路100、燃料通路100を形成する内壁101に形成された弁座14、弁座14の下流側で軸Ax1方向に凹む凹部15、および、凹部15と外壁102とを接続する噴孔13を有している。
ニードル30は、弁座14から離間および弁座14に当接可能なシール部31を有し、弁ボディ10の内側において往復移動可能に設けられ、シール部31と凹部15との間にサック室150を形成する。
また、凹部15における噴孔13の開口を入口開口131、入口開口131を通り弁ボディ10の軸Ax1に平行に延びる直線を仮想直線VL、仮想直線VLと入口開口131との交点を入口交点Pi、仮想直線VLとシール部31との交点をニードル交点Pn、同一の仮想直線VL上の入口交点Piとニードル交点Pnとの距離をDh、弁ボディ10の軸Ax1上における凹部15とシール部31との距離をDsとすると、シール部31が弁座14に当接しているとき、Dh>Dsである。そのため、噴孔13の上流側での流路縮小による圧力損失を抑制しつつ、サック室150の容積を小さくすることができる。これにより、圧力損失による流量特性の悪化や、流速低下による微粒化特性の悪化を抑制することができる。
また、サック室150の容積を小さくすることで、燃料噴射後のサック室150内の残留燃料を低減することができる。そのため、残留燃料が噴孔13から漏れ出ることによる弁ボディ10の外壁102の燃料濡れを抑制することができる。これにより、燃料噴射後の粒子状物質の発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、サック室150の容積を小さくすることによる副次的な効果として、開弁時のサック室150内の昇圧が速くなるため、噴射初期の燃料の流速が向上し、微粒化の改善効果が期待できる。
フィルタ25は、燃料が通過可能な複数の穴部251を有し、燃料通路を流れる燃料中の異物のうち穴部251より大きな異物を捕集可能である。
本実施形態では、弁ボディ10の軸Ax1上における凹部15とシール部31との距離をDs、穴部251の最大の幅をDfとすると、Ds>Dfである。つまり、フィルタ25を通過する異物の大きさは、凹部15とシール部31との距離Dsより小さい。そのため、異物がニードル30のシール部31と凹部15との間に挟み込まれるのを抑制することができる。これにより、ニードル30と凹部15との間に異物が挟み込まれることによる閉弁不良を抑制することができる。したがって、閉弁後、噴孔13からの燃料の漏れを抑制し、粒子状物質の発生を抑制することができる。
また、(5)本実施形態では、シール部31は、ニードル30の軸方向に突出する球面状に形成されている。そのため、サック室150の容積を小さくすることができる。また、弁座14を通過しシール部31に沿って流れ噴孔13に流入する燃料に、曲がり損失等による圧力損失が生じるのをより効果的に抑制することができる。また、シール部31を切削または研磨等により容易かつ高精度に形成することができる。
第2実施形態による燃料噴射弁の一部を図6に示す。第2実施形態は、噴孔13の構成が第1実施形態と異なる。
第2実施形態では、噴孔13の噴孔内壁133は、入口開口131側から出口開口132側へ向かうに従い噴孔中心線CL1から離れるようテーパ状に形成されている。そのため、燃料が噴孔13から噴射されるとき、燃料の液膜化がさらに促進され、燃料の微粒化がより一層期待できる。
第2実施形態は、上述した点以外の構成は、第1実施形態と同様である。
第3実施形態による燃料噴射弁の一部を図7に示す。第3実施形態は、弁ボディ10およびニードル30の構成が第2実施形態と異なる。
第3実施形態では、弁ボディ10は、凸部16をさらに有している。凸部16は、複数の入口開口131の軸Ax1側において凹部15からシール部31側へ円形に突出するよう形成されている。より詳細には、凸部16は、凹部15の平面部151およびテーパ部152の内縁部からシール部31側へ突出するよう形成されている。そのため、サック室150の容積をより小さくすることができる。
第3実施形態では、Dh1>Dh2>Dh3である。
第3実施形態は、上述した点以外の構成は第2実施形態と同様である。
なお、第3実施形態においても、Dh>Ds、Ds>Dfである。そのため、弁座14と噴孔13との間における燃料の圧力損失を抑制するとともに、燃料噴射後の粒子状物質の発生を抑制することができる。
本発明の他の実施形態では、異物捕集部は、燃料が通過可能な穴部を有しているのであれば、例えばメッシュフィルタ、多孔性物質等、どのような材料により形成されていてもよい。また、異物捕集部は、Ds≦Dfとなるよう形成されていてもよい。また、本発明の他の実施形態では、燃料噴射弁は、異物捕集部を備えていなくてもよい。この場合、燃料噴射弁の上流側で燃料中の異物を除去しておくことが望ましい。
また、本発明の他の実施形態では、Dh1とDh2とDh3との関係は、どのように設定されていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、弁座14を凹部15側へ延長した仮想面VS1は、噴孔内壁133と交わらなくてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、サック室150の容積は、0.06mm3以上に設定されていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、凹部15は、平面部151またはテーパ部152の一方を有していなくてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、弁ボディ10の筒部11と底部12とは、別体に形成されていてもよい。また、本発明の他の実施形態では、ハウジング20の第1筒部21と弁ボディ10の筒部11とは、一体に形成されていてもよい。また、本発明の他の実施形態では、第3筒部23と固定コア51とインレット部24とは別体に形成されていてもよい。
このように、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
Claims (7)
- 燃料が流れる燃料通路(100)、前記燃料通路を形成する内壁(101)に形成された弁座(14)、前記弁座の下流側で軸(Ax1)方向に凹む凹部(15)、および、前記凹部と外壁(102)とを接続する噴孔(13)を有する弁ボディ(10)と、
前記弁座から離間および前記弁座に当接可能なシール部(31)を有し、前記弁ボディの内側において往復移動可能に設けられ、前記シール部と前記凹部との間にサック室(150)を形成するニードル(30)と、
燃料が通過可能な複数の穴部(251)を有し、前記燃料通路を流れる燃料中の異物のうち前記穴部より大きな異物を捕集可能な異物捕集部(25)と、を備え、
前記シール部は、前記ニードルの軸方向に突出する曲面状に形成されており、
前記凹部における前記噴孔の開口を入口開口(131)、前記入口開口を通り前記弁ボディの軸(Ax1)に平行に延びる直線を仮想直線(VL、VL1、VL2、VL3)、前記仮想直線と前記入口開口との交点を入口交点(Pi、Pi1、Pi2、Pi3)、前記仮想直線と前記シール部との交点をニードル交点(Pn、Pn1、Pn2、Pn3)、同一の前記仮想直線上の前記入口交点と前記ニードル交点との距離をDh、前記弁ボディの軸上における前記凹部と前記シール部との距離をDsとすると、
前記シール部が前記弁座に当接しているとき、Dh>Dsであり、
前記穴部の最大の幅をDfとすると、
Ds>Dfである燃料噴射弁(1)。 - 燃料が流れる燃料通路(100)、前記燃料通路を形成する内壁(101)に形成された弁座(14)、前記弁座の下流側で軸(Ax1)方向に凹む凹部(15)、および、前記凹部と外壁(102)とを接続する噴孔(13)を有する弁ボディ(10)と、
前記弁座から離間および前記弁座に当接可能なシール部(31)を有し、前記弁ボディの内側において往復移動可能に設けられ、前記シール部と前記凹部との間にサック室(150)を形成するニードル(30)と、
燃料が通過可能な複数の穴部(251)を有し、前記燃料通路を流れる燃料中の異物のうち前記穴部より大きな異物を捕集可能な異物捕集部(25)と、を備え、
前記シール部が前記弁座に当接している状態において前記弁ボディの軸上における前記凹部と前記シール部との距離をDs、前記穴部の最大の幅をDfとすると、
Ds>Dfであり、
前記凹部における前記噴孔の開口である入口開口(131)の内径は、Dsより大きい燃料噴射弁(1)。 - 前記シール部は、前記ニードルの軸方向に突出する曲面状に形成されている請求項2に記載の燃料噴射弁。
- 前記シール部は、前記ニードルの軸方向に突出する球面状に形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記弁座を前記凹部側へ延長した仮想面(VS1)は、前記噴孔の内壁(133)と交わる請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記シール部が前記弁座に当接している状態において前記シール部と前記凹部とにより区画される前記サック室の容積は、0.06mm3より小さい請求項1〜5のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
- 前記弁ボディは、前記入口開口の前記弁ボディの軸側において前記凹部から前記シール部側へ突出する凸部(16)を有している請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
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