JP4366717B2 - 流体噴射弁 - Google Patents

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本発明は、流体の噴射を断続する流体噴射弁に関する。
従来、流体噴射弁としては軸方向に移動する弁部材によって流体通路を開閉し、噴孔からの流体の噴射を断続するものが公知である(特許文献1参照)。特許文献1に開示されている燃料噴射弁では、燃料の流れ方向において下流側に噴孔が開口するサック部を有している。また、特許文献1に開示されている燃料噴射弁では、弁部材が弁座から離座したとき、弁部材の先端がサック部のほぼ中央に位置している。これにより、弁ボディと弁部材との間を通過した燃料はサック部の中央付近へ導かれ、サック部の中央付近での燃料の圧力向上を図るとともに、噴孔から噴射される燃料の微粒化の促進を図っている。
特開2001−65431号公報
しかしながら、燃料通路の延長線上に噴孔のサック部側が開口している場合、燃料通路を通過した燃料の主流は、直接噴孔へ流入しやすくなる。そのため、噴孔における燃料の流れは不安定になる。その結果、燃料の噴射量、および噴孔から噴射される噴霧の形状が不安定になる。
また、燃料通路から噴孔へ燃料が直接流入するため、噴孔のサック部側において弁ボディの内壁面から燃料の流れが剥離しにくくなる。その結果、燃料の微粒化が妨げられるという問題がある。特に、噴射される流体の圧力が低い場合、微粒化が大きく妨げられる。
そこで、本発明の目的は、噴射される流体の圧力に関わらず、微粒化を促進する流体噴射弁を提供することにある。
請求項1記載の発明では、弁部材の先端部は弁部材が弁座から離座しているとき、サック部の軸方向の中央よりも弁座とは反対側に位置している。すなわち、先端部は、サック部において軸方向の中央よりも弁座とは反対側に突出し、サック部と、先端部周囲との間に燃料が通過する間隙を有している。これにより、弁ボディの内壁面と弁部材の外壁面との間に形成される流体通路を通過した流体は、弁部材の先端部を回り込んでサック部の開口する噴孔へ流入する。そのため、流体通路を通過した流体は噴孔へ直接流入しない。その結果、流体の流れは弁部材の位置による影響を受けない。また、流体通路を通過した流体はサック部を形成する弁ボディの内壁面に沿って流れ、噴孔への流入時に剥離が生じやすくなる。したがって、噴射される流体の圧力に関わらず、噴射される流体の微粒化を促進することができる。
又、請求項1記載の発明では、噴孔の軸が、流体通路を形成する弁ボディの内壁面と弁部材の外壁面とがなす角度を二等分した仮想二等分線と概ね平行であり、弁部材が弁座から離座しているとき、流体通路と噴孔のサック部側の開口とは弁部材の先端部により遮られている。これにより、流体通路を形成する弁ボディの内壁面と弁部材の外壁面とがなす角度を二等分した仮想二等分線に沿って流れる流体の主流は、直接噴孔に流入しない。したがって、噴孔の配置の自由度を向上することができる。
請求項記載の発明では、弁部材は中心軸が弁座の中心軸よりも噴孔とは反対側に位置している。これにより、サック部に開口する噴孔の軸と流体通路を通過する流体の流れとの間にはずれが生じる。そのため、流体通路を通過した流体は噴孔へ直接流入しない。その結果、流体の流れは弁部材の位置による影響を受けない。また、流体通路を通過した流体はサック部を形成する弁ボディの内壁面に沿って流れ、噴孔への流入時に剥離が生じやすくなる。したがって、噴射される流体の圧力に関わらず、噴射される流体の微粒化を促進することができる。また、弁部材の中心軸と弁座の中心軸とをずらすだけであるので、噴孔およびサック部を有する弁ボディ、ならびに弁部材の設計を大幅に変更する必要ない。さらに、弁部材の中心軸と弁座の中心軸とがずれることにより、サック部は噴孔が開口する側における面積が増加する。そのため、弁ボディに複数の噴孔を設置する場合、噴孔の配置の自由度を向上することができる。
請求項記載の発明では、弁部材は中心軸がサック部の中心軸よりも噴孔とは反対側に位置している。これにより、サック部に開口する噴孔の軸と流体通路を通過する流体の流れとの間にはずれが生じる。そのため、流体通路を通過した流体は噴孔へ直接流入しない。その結果、流体の流れは弁部材の位置による影響を受けない。また、流体通路を通過した流体はサック部を形成する弁ボディの内壁面に沿って流れ、噴孔への流入時に剥離が生じやすくなる。したがって、噴射される流体の圧力に関わらず、噴射される流体の微粒化を促進することができる。また、弁部材の中心軸とサック部の中心軸とをずらすだけであるので、噴孔およびサック部を有する弁ボディ、ならびに弁部材の設計を大幅に変更する必要ない。さらに、弁部材の中心軸とサック部の中心軸とがずれることにより、サック部は噴孔が開口する側における面積が増加する。そのため、弁ボディに複数の噴孔を設置する場合、噴孔の配置の自由度を向上することができる。
請求項記載の発明では、噴孔は軸方向に重ねて配置されている。流体通路を通過した流体は弁部材の先端部によって噴孔への直接の流入が遮られる。これにより、噴孔を軸方向に重ねて配置しても、各噴孔からは微粒化された流体が噴射される。また、噴孔の数が増加することにより、流体の圧力が低い場合でも、十分な流量の流体が噴射される。したがって、噴射される流体の圧力に関わらず、微粒化された十分な流量の流体を噴射することができる。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による流体噴射弁(以下、流体噴射弁を「インジェクタ」という。)を図2に示す。第1実施形態によるインジェクタ10は、例えばエンジンの排気通路に設置されている還元触媒へ還元剤を噴射する排気浄化装置に適用される。なお、インジェクタ10は、排気浄化装置に限らず、エンジンの燃焼室へ燃料を噴射する直噴式のガソリンエンジンもしくはディーゼルエンジン、または吸気通路を流れる吸気へ燃料を噴射する予混合式のガソリンエンジンもしくはディーゼルエンジンなどに適用してもよい。本実施形態の場合、インジェクタ10は、排気浄化装置を構成する図示しない排気通路に設置される。また、インジェクタ10が噴射する流体は還元剤である。本実施形態では、インジェクタ10は、流体である還元剤の一例として燃料を噴射する例について説明する。なお、還元剤である流体としては例えばガソリンや軽油などが適用される。
インジェクタ10のハウジング11は筒状に形成されている。ハウジング11は、第一磁性部12、非磁性部13および第二磁性部14を有している。非磁性部13は、第一磁性部12と第二磁性部14との磁気的な短絡を防止する。第一磁性部12、非磁性部13および第二磁性部14は、例えばレーザ溶接などにより一体に接続されている。なお、ハウジング11を磁性材料により筒状の一体物に成形し、熱加工することにより非磁性部13に対応する部分を非磁性化してもよい。
ハウジング11の軸方向の一方の端部には入口部材15が設置されている。入口部材15はハウジング11の内周側に圧入されている。入口部材15は流入口16を有している。流入口16には、図示しないポンプから流体が供給される。流入口16に供給された流体は、フィルタ部材17を経由してハウジング11の内周側に流入する。フィルタ部材17は、流体に含まれる異物を除去する。
ハウジング11の他方の端部には、ノズルホルダ20が設置されている。ノズルホルダ20は、筒状に形成され、内側に弁ボディとしてのノズルボディ30が設置されている。ノズルボディ30は、筒状に形成され、例えば圧入あるいは溶接などによりノズルホルダ20に固定されている。ノズルボディ30は、図1に示すように先端に近づくにつれて内径が小さくなる円錐台状の円錐台面31に弁座32を有している。円錐台面31は、ノズルボディ30の内壁面である。ノズルボディ30は、円錐台面31のハウジング11とは反対側の端部に接続するサック部33を有している。サック部33には、噴孔41および噴孔42の一方の端部が開口している。噴孔41および噴孔42は、一方の端部がサック部33に開口し、他方の端部がノズルボディ30の外壁に開口している。
弁部材としてのニードル50は、図2に示すようにハウジング11、ノズルホルダ20およびノズルボディ30の内周側に軸方向へ往復移動可能に収容されている。ニードル50は、ノズルボディ30と概ね同軸上に配置されている。ニードル50は、図1に示すように第一円錐台面51および第二円錐台面52を有している。第一円錐台面51と第二円錐台面52との接続部はノズルボディ30の弁座32と接触可能なシール部53となる。第一円錐台面51および第二円錐台面52は、ニードル50の外壁面を形成している。ニードル50の外壁面とノズルボディ30の円錐台面31との間には、流体が流れる流体通路21が形成される。
インジェクタ10は、図2に示すようにニードル50を駆動する駆動部60を有している。駆動部60は、スプール61、コイル62、固定コア63、可動コア64および磁性部材65を有している。スプール61は、ハウジング11の外周側に設置されている。スプール61は、樹脂で筒状に形成され、外周側にコイル62が巻かれている。コイル62は、コネクタ部22の端子23に接続している。ハウジング11を挟んでコイル62の内周側には固定コア63が設置されている。固定コア63は、例えば鉄などの磁性材料により筒状に形成され、ハウジング11の内周側に例えば圧入などにより固定されている。
可動コア64は、ハウジング11の内周側に軸方向へ往復移動可能に収容されている。可動コア64は、例えば鉄などの磁性材料から筒状に形成されている。可動コア64は、固定コア63とは反対側の端部にニードル50が接続している。ニードル50のシール部53とは反対側の端部は可動コア64に固定されている。そのため、可動コア64およびニードル50は一体に軸方向へ往復移動する。
可動コア64は、固定コア63側の端部において付勢手段であるスプリング66と接触している。スプリング66は、一方の端部が可動コア64に接しており、他方の端部がアジャスティングパイプ67に接している。アジャスティングパイプ67は、固定コア63に圧入されている。アジャスティングパイプ67の圧入量を調整することにより、スプリング66の荷重は調整される。スプリング66は、軸方向へ伸びる力を有している。そのため、ニードル50および可動コア64は、スプリング66によりシール部53が弁座32に着座する方向へ押し付けられている。磁性部材65は、例えば鉄などの磁性材料により形成され、コイル62の外周側を覆っている。
コイル62に通電していないとき、可動コア64およびニードル50は弁座方向へ押し付けられ、シール部53は弁座32に着座する。コイル62に通電していないとき、固定コア63と可動コア64との間には所定の隙間が形成されている。コイル62に通電されると、可動コア64は固定コア63に吸引されるとともに、固定コア63と可動コア64とは互いに相対する面同士が接する。これにより、可動コア64および可動コア64と一体のニードル50の移動量は制限される。すなわち、コイル62の非通電時における固定コア63と可動コア64との間の距離は、ニードル50のリフト量に対応する。
次に、ノズルボディ30について詳細に説明する。
図1に示すように、ノズルボディ30は円錐台面31に弁座32を有している。弁座32には、ニードル50のシール部53が着座可能である。円錐台面31の下流側すなわち弁座32とは反対側の端部にはサック部33が接続している。サック部33は、ノズルボディ30の内壁面により形成されている。第1実施形態の場合、サック部33は、円錐台面31と接続しハウジング11とは反対側へ伸びる円筒面331と、円筒面331の円錐台面31とは反対側に接続する半球状面332とから構成されている。
サック部33を形成するノズルボディ30の内壁面には、噴孔41および噴孔42の入口側が開口している。噴孔41および噴孔42は、ノズルボディ30の軸方向へ重ねられて二つ設置されている。噴孔41および噴孔42は、サック部33とは反対側の端部がノズルボディ30の外壁に開口している。これにより、噴孔41および噴孔42は、ノズルボディ30を貫いてサック部33とノズルボディ30の外壁とを接続している。噴孔41および噴孔42は、ノズルボディ30の軸に対し所定の角度を形成している。
ニードル50は、シール部53よりも先端側すなわち可動コア64とは反対側に先端部54を有している。ニードル50の先端部54は、シール部53が弁座32から離座したとき、サック部33の内部に位置している。このとき、先端部54は、可動コア64とは反対側の端部がサック部33の軸方向の中央Cよりも弁座32とは反対側すなわち半球状面332側に位置している。これにより、ノズルボディ30の円錐台面31とニードル50の外壁面との間に形成される流体通路21と、噴孔41および噴孔42のサック部33側の開口とは、ニードル50の先端部54によって遮られる。第1実施形態の場合、先端部54は、略円柱状に形成されている。なお、先端部54は、少なくとも可動コア64とは反対側の端部がサック部33の中央Cよりも弁座32とは反対側に位置していればよい。
本実施形態の場合、噴孔42の軸L2は、流体通路21を流れる流体の主流と一致している。ここで、主流とは、流体通路21を流れる流体のうち流量および流速の大きな部分をいう。この主流は、ノズルボディ30の内壁面を構成する円錐台面31とニードル50の外壁面を構成する第一円錐台面51との二等分線Leにほぼ一致する。すなわち、本実施形態の場合、二等分線Leと噴孔42の軸L2とは、ほぼ同一の直線上に位置している。そのため、流体通路21を通過した流体は二等分線Leに沿って主流が形成され、形成された主流は噴孔42に向けて流れる。
ニードル50の先端部54がサック部33の軸方向の中央Cよりも弁座32とは反対側すなわち図1の下方に位置することにより、流体通路21を流れる流体の主流はニードル50の先端部54によって遮られる。これにより、流体通路21を通過した流体の主流は、噴孔42に直接流入することはない。また、ニードル50の先端部54がサック部33の軸方向の中央Cよりも弁座32とは反対側すなわち図1の下方に位置することにより、流体通路21を通過した流体は先端部54の外側を回り込んで噴孔42へ流入する。これにより、噴孔42に流入する流体の流れには、噴孔42の入口側すなわちサック部33側の開口において剥離が生じやすくなる。
特に、排気浄化装置にインジェクタ10を適用する場合、インジェクタ10から噴射される流体すなわち還元剤の噴射圧力は数MPa程度である。流体の噴射圧力が低い場合、噴孔41、42一つあたりの流体の噴射量は低下する。流体の噴射量を確保するためには、噴孔の数を増加する必要がある。一方、噴孔の数が増大すると、流体通路21を流れる流体の主流といずれかの噴孔の軸とが同一直線上に位置しやすくなる。そこで、本実施形態のように、ニードル50のシール部53が弁座32から離座しているときでも、ニードル50の先端部54をサック部33の軸方向の中央Cよりも弁座32とは反対側すなわち図1の下方に位置させることにより、流体通路21を流れる流体の主流は、ニードル50の先端部54で遮られる。その結果、流体通路21を通過した流体の主流が噴孔42へ直接流入することはない。
次に、上記の構成によるインジェクタ10の作動について説明する。
図2に示すコイル62への通電が停止されているとき、固定コア63と可動コア64との間には磁気吸引力が発生しない。そのため、可動コア64はスプリング66の押し付け力により固定コア63とは反対側へ移動している。その結果、コイル62への通電が停止されているとき、ニードル50のシール部53は弁座32に着座している。したがって、流体は噴孔41および噴孔42から噴射されない。
コイル62に通電されると、コイル62に発生した磁界により磁性部材65、第一磁性部12、可動コア64、固定コア63および第二磁性部14に磁束が流れ、磁気回路が形成される。これにより、固定コア63と可動コア64との間には磁気吸引力が発生する。固定コア63と可動コア64との間に発生する磁気吸引力がスプリング66の押し付け力よりも大きくなると、可動コア64は固定コア63方向へ移動する。その結果、ニードル50のシール部53は弁座32から離座する。
流入口16からインジェクタ10の内部へ流入した流体は、フィルタ部材17、入口部材15の内周側、アジャスティングパイプ67の内周側、可動コア64の内周側、可動コア64を貫く流体孔68およびノズルホルダ20の内周側を経由して流体通路24へ流入する。流体通路24へ流入した流体は、弁座32から離座したニードル50とノズルボディ30との間に形成される流体通路21、およびサック部33を経由して噴孔41および噴孔42へ流入する。これにより、噴孔41および噴孔42から流体が噴射される。
コイル62への通電を停止すると、固定コア63と可動コア64との間の磁気吸引力は消滅する。これにより、可動コア64およびニードル50はスプリング66の押し付け力により固定コア63とは反対側へ移動する。そのため、ニードル50のシール部53は再び弁座32に着座し、流体通路21と噴孔41および噴孔42との間の流体の流れは遮断される。したがって、流体の噴射は終了する。
以上、説明したように、第1実施形態では、ニードル50がリフトしたとき、ニードル50の先端部54はサック部33の軸方向の中央Cよりも弁座32とは反対側すなわち図1の下方に位置している。そのため、流体通路21を通過する流体の主流は、ニードル50の先端部54により遮られ、噴孔41および噴孔42へ直接流入しない。したがって、流体の圧力が低い場合でも、流体の流量および噴孔41、42から噴射される噴霧の形状を安定化させることができる。
また、第1実施形態では、流体通路21を通過した流体はニードル50の先端部54を回り込んで噴孔42へ流入する。そのため、噴孔42の入口側では流体の流れに剥離が生じやすくなる。これにより、噴孔41および噴孔42を流れる流体は複雑な流れを形成する。したがって、流体の圧力が低い場合でも、噴孔41および噴孔42から噴射される流体の微粒化を促進することができる。
さらに、第1実施形態では、ニードル50の先端部54により流体の主流が噴孔41および噴孔42へ直接流入することは回避される。そのため、流体の主流を避けて噴孔41、42を配置する必要がなく、噴孔41、42の配置の自由度は向上する。また、複数の噴孔を軸方向に重ねて配置する場合でも、流体の主流は先端部54に遮られ、流体通路21から各噴孔へ流体の主流が直接流入することはない。さらに、噴孔の数を増加させることができるので、流体の圧力が低い場合でも、流体の噴射量を十分に確保することができる。
(第2、第3、第4実施形態)
本発明の第2、第3、第4実施形態によるインジェクタのサック部の近傍を図3、図4または図5に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態では、図3に示すようにニードル50は第二円錐台面52の第一円錐台面51とは反対側に円錐状の先端部55を有している。先端部55は、サック部33の軸方向の中央よりも弁座32とは反対側に位置し、流体通路21と噴孔41または噴孔42の入口側とを遮る構成であればよく、形状が問われない。そのため、第2実施形態のように円錐状の先端部55であってもよい。
また、第3実施形態では、図4に示すように第一円錐台面51に円錐状の先端部56が接続している。第3実施形態の場合、第一円錐台面51に円環状のシール部57が形成される。上述のように、ニードル50の先端部56の形状は問わない。そのため、第一円錐台面51に先端部56が直接接続する構成としてもよい。
第4実施形態では、図5に示すようにノズルボディ30は一つの噴孔43を有している。噴孔の形状および数は、インジェクタ10を適用する装置が要求する流体噴射特性に応じて、任意に変更することができる。そのため、第4実施形態のように噴孔43は一つであってもよい。また、噴孔は、一つまたは二つに限らず三つ以上であってもよい。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態によるインジェクタのサック部の近傍を図6に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第5実施形態では、ノズルボディ30はサック部33および噴孔41、42を有している。また、ノズルボディ30は、弁座32を形成している。第5実施形態では、弁座32は、中心軸がニードル50の中心軸C1と一致している。すなわち、弁座32は、ニードル50と同軸上に配置されている。一方、サック部33は、中心軸C2がニードル50の中心軸C1とずれている。すなわち、サック部33の中心軸C2とニードル50の中心軸C1とは、所定の距離Lずれている。このとき、ニードル50の中心軸C1は、サック部33の中心軸C2よりもサック部33に開口する噴孔41、42の反対側に位置している。
第5実施形態では、ニードル50の中心軸C1はサック部33の中心軸C2から噴孔41、42とは反対側へずれている。そのため、ニードル50とノズルボディ30との間に形成される流体通路21を流れる流体の流線の延長線上には、サック部33の半球状面332が位置する。その結果、流体通路21を流れる流体は、サック部33の半球状面332に衝突した後、噴孔41、42へ流入する。すなわち、流体通路21における流体の流れと噴孔41、42の軸線とは一致せず、流体通路21を流れる流体は噴孔41、42へ直接流入しない。これにより、第5実施形態では、ニードル50に先端部などを設置する必要がない。したがって、第5実施形態では、ニードル50、ノズルボディ30および噴孔41、42の設計を大きく変更することなく、流体の流量および噴孔41、42から噴射される噴霧の形状を安定化させることができる。
また、第5実施形態では、ニードル50の中心軸C1がサック部33の中心軸C2から噴孔41、42とは反対側へずれることにより、サック部33は噴孔41、42が開口する側の壁面が増大する。すなわち、噴孔41、42のサック部33側の端部が開口するサック部33の内壁面は、例えば図1に示す第1実施形態と比較して円錐台部31から半球状面332の底までの距離が増大する。これにより、図6に示す第5実施形態のように噴孔41および噴孔42を軸方向へ重ねて配置する場合、噴孔41および噴孔42の配置の自由度が向上する。
第5実施形態では、ニードル50および弁座32の中心軸C1とサック部33の中心軸C2とがずれている例について説明した。しかし、ニードル50または弁座32の中心軸のいずれか一方がサック部33の中心軸とずれる構成としてもよい。
(その他の実施形態)
以上、説明した複数の実施形態では、噴孔41、42、43をスリット状に形成する例について説明した。しかし、噴孔41、42、43はスリット状に限らず円筒状あるいはテーパ状であってもよい。また、複数の実施形態では、サック部33を円筒面331と半球状面332とから構成する例について説明した。しかし、サック部33は、例えば単一の半球形状、あるいは単一の円筒状など、任意の形状を選択することができる。また、第1実施例および第4実施例ではニードル50が略円柱状の先端部54を有する例について説明し、第2実施例および第3実施例ではニードル50が円錐状の先端部55、56を有する例について説明した。しかし、ニードル50の先端部の形状は、略円柱状または円錐状に限るものではなく、任意の形状とすることができる。
本発明の第1実施形態によるインジェクタの噴孔の近傍を示す断面図である。 本発明の第1実施形態によるインジェクタを示す断面図である。 本発明の第2実施形態によるインジェクタの噴孔の近傍を示す断面図である。 本発明の第3実施形態によるインジェクタの噴孔の近傍を示す断面図である。 本発明の第4実施形態によるインジェクタの噴孔の近傍を示す断面図である。 本発明の第5実施形態によるインジェクタの噴孔の近傍を示す断面図である。
符号の説明
10 インジェクタ(流体噴射弁)、21 流体通路、30 ノズルボディ(弁ボディ)、31 円錐台面(内壁面)、32 弁座、33 サック部、41、42、43 噴孔、50 ニードル(弁部材)、51 第一円錐台面(外壁面)、52 第二円錐台面(外壁面)、54、55、56 先端部

Claims (4)

  1. 流体通路を形成する内壁面に弁座、流体の流れ方向において前記弁座の下流側に設置されているサック部、および一方の端部が前記サック部に開口し他方の端部が外壁に開口している噴孔を有する弁ボディと、
    前記弁ボディとともに前記流体通路を形成する外壁面を有し、前記弁座から離座または前記弁座に着座することにより前記流体通路を開閉し、先端に前記弁座から離座しているとき前記サック部の軸方向の中央よりも前記弁座とは反対側に突出している先端部を有する弁部材とを備え、
    前記噴孔の軸は、前記流体通路を形成する前記弁ボディの内壁面と前記弁部材の外壁面とがなす角度を二等分した仮想二等分線と概ね平行であり、前記弁部材が前記弁座から離座しているとき、前記流体通路と前記噴孔の前記サック部側の開口とは前記先端部により遮られ、
    前記サック部と、前記先端部周囲との間に燃料が通過する間隙があることを特徴とする流体噴射弁。
  2. 流体通路を形成する内壁面に弁座、流体の流れ方向において前記弁座の下流側に設置されているサック部、および一方の端部が前記サック部に開口し他方の端部が外壁に開口している噴孔を有する弁ボディと、
    前記弁ボディとともに前記流体通路を形成する外壁面を有し、前記弁座から離座または前記弁座に着座することにより前記流体通路を開閉し、中心軸が前記弁座の中心軸よりも前記噴孔とは反対側に位置する弁部材と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の流体噴射弁。
  3. 流体通路を形成する内壁面に弁座、流体の流れ方向において前記弁座の下流側に設置されているサック部、および一方の端部が前記サック部に開口し他方の端部が外壁に開口している噴孔を有する弁ボディと、
    前記弁ボディとともに前記流体通路を形成する外壁面を有し、前記弁座から離座または前記弁座に着座することにより前記流体通路を開閉し、中心軸が前記サック部の中心軸よりも前記噴孔とは反対側に位置する弁部材と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の流体噴射弁。
  4. 前記弁ボディは、軸方向に重ねられている複数の前記噴孔を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の流体噴射弁。
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