JP6657718B2 - 保護層転写シートおよびその製造方法 - Google Patents

保護層転写シートおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は保護層転写シートおよびその製造方法に関する。
透明性に優れ、中間色の再現性や階調性が高く、従来のフルカラー写真画像と同等の高品質画像を容易に形成することができるという理由から、昇華型熱転写方式により、熱転写画像を形成することが広く行われている。昇華型熱転写方式は、基材の一方の面に染料層が設けられた熱転写シートと、他の基材の一方の面に受容層が設けられた熱転写受像シート、あるいは、他の基材の一方の面にこの基材から剥離可能に受容層が設けられた中間転写媒体とを組み合わせて用い、熱転写シートの背面層から熱を印加して染料層に含まれる色材を受容層上に移行させて熱転写画像を形成する方法である(例えば、特許文献1および2)。なお、熱転写受像シートにおいては、受容層に熱転写画像を形成することで印画物を得ることができ、中間転写媒体においては、受容層に熱転写画像を形成した後に、この熱転写画像が形成された受容層を、任意の被転写体上に転写することにより印画物を得ることができる。
このように昇華型熱転写方式により受容層上に形成した熱転写画像は、階調性に優れるものの、熱転写画像が形成された受容層が、印画物の最表面に位置することから、耐久性に劣るという問題がある。
この問題を解決すべく、基材と、基材と剥離可能に設けられた保護層を有する保護層転写シートを用い、熱転写画像が形成された受容層上に保護層を転写し、保護層を備える印画物とすることが提案されている(特許文献3)。
近年、光沢調の外観を有する印画物のみならず、マット調やセミグロス調の外観を有する印画物を得たいとの要求が多くある。このような、光沢調、マット調、セミグロス調の外観を有する印画物は、熱転写画像が形成された受容層上に保護層転写シートの保護層を転写する際に、印加する熱エネルギーを調製することにより得ることができる。例えば、保護層の転写時に印加する熱エネルギーを高くする、具体的には、保護層の熱転写時において、保護層に含まれるバインダー樹脂が凝集破壊を起こす程度の熱エネルギーを印加することにより、マット調の外観を有する印画物を得ることができる。また、保護層の転写時に印加する熱エネルギーを低くする、具体的には、保護層の熱転写時において、保護層に含まれるバインダー樹脂が凝集破壊を起こさない程度の熱エネルギーを印加することにより、光沢調の外観を有する印画物を得ることができる。さらに、保護層の転写時に印加する熱エネルギーを領域ごとに変化させることにより、マット調と光沢調が混在した外観の印画物、すなわち、セミグロス調の外観を有する印画物を得ることができる。
保護層の転写を、高い熱エネルギーを印加することにより行った場合、保護層と基材とが融着を起こし、保護層部で保護層転写シートが破断してしまったり、保護層が適切に転写されなかったりなど、印画適性の問題が生じることがある。また、受容層から保護層を剥がす際に保護層に尾引きが生じてしまうなど、箔切れ性の問題が生じることがある。
ところで、特許文献4には、基材と、数平均分子量(Mn)が異なる2成分以上のバインダー樹脂を含んでなる保護層とを備え、ピールオフ性を向上させた中間転写媒体が開示されている。
特開2013−75480号公報 特開2013−82212号公報 特開2008−238525号公報 特開2014−80016号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、保護層を転写するときに高い熱を印加した場合であっても、高い印画適性および箔切れ性を有する、すなわち、高い熱エネルギーを印加した場合であっても、保護層と基材または離型層とが融着を起こさず、かつ受容層から保護層を剥がす際に保護層に尾引きが生じない、高品質の印画物を得ることができる保護層転写シートを提供することを主たる課題とする。
本発明の保護層転写シートは、
基材と、基材の一方の面に設けられた保護層と、を備えた保護層転写シートであって、
保護層が、ガラス転移温度が60℃以下である(メタ)アクリル系樹脂AおよびBを含んでなり、
(メタ)アクリル系樹脂Aの重量平均分子量が、30000未満であり、
(メタ)アクリル系樹脂Bの重量平均分子量が、50000以上であることを特徴とする。
上記態様においては、基材の保護層を設けた面とは反対側の面に背面層をさらに備え、
背面層が、水酸基含有樹脂とイソシアネート基を有する化合物からなるイソシアネート系硬化剤とを含む2液硬化型樹脂を含んでなり、
水酸基含有樹脂が有する水酸基と、イソシアネート系硬化剤のイソシアネート基とのモル当量比(−NCO/−OH)が、1.5以上であることが好ましい。
上記態様においては、水酸基含有樹脂が、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂またはアクリルポリオール樹脂であることが好ましい。
上記態様においては、保護層における(メタ)アクリル系樹脂Aの含有量が、30質量%以上、80質量%以下であることが好ましい。
上記態様においては、保護層における(メタ)アクリル系樹脂Bの含有量が、20質量%以上、70質量%以下であることが好ましい。
上記態様においては、保護層における(メタ)アクリル系樹脂Aと、(メタ)アクリル系樹脂Bとの配合比が、質量基準で、3:7〜8:2であることが好ましい。
本発明の保護層転写シートの製造方法は、
基材を準備する工程と、
基材上に、ガラス転移温度が60℃以下である(メタ)アクリル系樹脂AおよびBを含んでなる保護層を形成する工程と、を含んでなり、
(メタ)アクリル系樹脂Aの重量平均分子量が、30000未満であり、
(メタ)アクリル系樹脂Bの重量平均分子量が、50000以上であることを特徴とする。
上記態様においては、基材の保護層を設けた面とは反対側の面に背面層を形成する工程をさらに含んでなり、
背面層が、水酸基含有樹脂とイソシアネート基を有する化合物からなるイソシアネート系硬化剤とを含む2液硬化型樹脂を含んでなり、
水酸基含有樹脂が有する水酸基と、イソシアネート系硬化剤のイソシアネート基とのモル当量比(−NCO/−OH)が、1.5以上であることが好ましい。
本発明によれば、高い熱エネルギーを印加した場合であっても、保護層と基材または離型層との融着を防止することができ、かつ受容層から保護層を剥がす際の保護層における尾引きの発生を防止することができ、品質の高い印画物を得ることができる。
図1は、一実施形態における本発明の保護層転写シートの概略図である。
本発明による保護層転写シートを図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態における本発明の保護層転写シートの概略図である。保護層転写シート10は、基材11と、基材11の一方の面に設けられた保護層12と、を備えてなる。また、一実施形態において、保護層転写シート10は、所望により基材11と保護層12との間に離型層13を備えていてもよく、保護層12上に接着層14を備えていてもよい。さらに、基材11の保護層12を設けた面とは反対の面に、背面層15を備えていてもよい。図1に示される保護層転写シート10を用いて被転写体(図示せず)へ転写層16を転写すると、保護層12および接着層14が転写層16として、被転写体へ転写される。以下、本発明の保護層転写シートを構成する各層について説明する。
<基材>
基材としては、保護層転写シートから転写層を被転写体へ転写する際の熱エネルギー(例えば、サーマルヘッドの熱)に耐え得る耐熱性を有し、転写層を支持できる機械的強度や耐溶剤性を有しているものであれば、特に制限なく使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール− エチレングリコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートの共押し出しフィルムなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどの(メタ)アクリル系樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミドなどのイミド系樹脂、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアラミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルファイトなどのエンジニアリング樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのスチレン系樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロースなどのセルロース系フィルムなどが挙げられる。
基材は、上記した樹脂を主成分とする共重合樹脂若しくは混合体(アロイを含む)、または複数層からなる積層体であっても良い。また、基材は、延伸フィルムであっても、未延伸フィルムであってもよいが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸されたフィルムを使用することが好ましい。基材は、これら樹脂の少なくとも1層からなるフィルム、シート、ボード状として使用する。上記した樹脂からなる基材の中でも、PET、PENなどのポリエステル系のフィルムは、耐熱性、機械的強度に優れるため好適に使用され、この中でもPETフィルムがより好ましい。
また、ブロッキング防止のために、必要に応じて基材表面に凹凸を付与することができる。基材に凹凸を形成する手段としては、マット剤練り込み、サンドブラスト加工、ヘアライン加工、マットコーティング、もしくはケミカルエッチングなどが挙げられる。マットコーティングの場合、有機物および無機物のいずれでもよい。
基材の厚みは2.0μm以上、10.0μm以下であることが好ましく、4.0μm以上、6.0μm以下であることがより好ましい。基材の厚みが厚すぎると、機械的強度は高いものの、熱エネルギーの伝達が不十分となり転写性が低下する傾向にある。一方、基材の厚みが薄すぎると、機械的強度が不足し、転写層を支持できなくなる傾向にある。
基材には、後記するように、その表面に保護層、離型層および背面層を設けることができるため、予め、これらの層を設ける面に、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、帯電防止層付与などの易接着処理を行ってもよい。また、基材には、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
<保護層>
保護層は、ガラス転移温度(Tg)が60℃以下であり、重量平均分子量(Mw)が30000未満である(メタ)アクリル系樹脂A、およびTgが60℃以下であり、Mwが50000以上である(メタ)アクリル系樹脂Bを含んでなり、被転写体へ転写された後は、その表面の保護を担う層である。
保護層が、(メタ)アクリル系樹脂AおよびBを含んでなることにより、保護層転写シートの印画適性および箔切れ性を向上させることができる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタクリル」の両方を包含する。また、(メタ)アクリル系樹脂とは、(1)アクリル酸またはメタクリル酸のモノマーの重合体もしくはその誘導体、(2)アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーの重合体もしくはその誘導体、(3)アクリル酸またはメタクリル酸のモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体、および(4)アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体を含むものである。
また、Tgは、DSC(示査走査熱量測定)による熱量変化の測定(DSC法)に基づき求めることができる。
また、Mwは、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定したポリスチレン換算による分子量である。
保護層に含まれる(メタ)アクリル系樹脂AのTgは、60℃以下であるが、保護層の基材または離型層からの離型性を向上させるという観点からは、20℃以上、60℃以下であることがより好ましく、30℃以上、60℃以下であることが好ましい。また、(メタ)アクリル系樹脂AのMwは、30000未満であるが保護層転写シートの箔切れ性を向上させるという観点からは、5000以上、30000以下であることが好ましく、7000以上、20000以下であることがより好ましい。
保護層における(メタ)アクリル系樹脂Aの含有量は、30質量%以上、80質量%以下であることが好ましく、40質量%以上、70質量%以下であることがより好ましい。(メタ)アクリル系樹脂Aの含有量を上記数値範囲とすることにより、保護層転写シートの箔切れ性を向上させることができる。
保護層に含まれる(メタ)アクリル系樹脂BのTgは、60℃以下であるが、保護層の基材または離型層からの離型性を向上させるという観点からは、20℃以上、60℃以下であることがより好ましく、30℃以上、60℃以下であることが好ましい。また、(メタ)アクリル系樹脂BのMwは、50000以上であるが、保護層の耐熱性および保護層転写シートの印画適性を向上させるという観点からは、50000以上、200000以下であることが好ましい。
保護層における(メタ)アクリル系樹脂Bの含有量は、20質量%以上、70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上、60質量%以下であることがより好ましい。(メタ)アクリル系樹脂Bの含有量を上記数値範囲とすることにより、保護層の耐熱性を向上させ、保護層転写シートの印画適性を向上させることができる。
保護層における(メタ)アクリル系樹脂Aと、(メタ)アクリル系樹脂Bとの配合比は、質量基準で、3:7〜8:2であることが好ましく、4:6〜7:3であることがより好ましい。(メタ)アクリル系樹脂Aと、(メタ)アクリル系樹脂Bとの配合比を上記数値範囲とすることにより、保護層転写シートの印画適性および箔切れ性を向上させることができる。
保護層は、その特性を損なわない範囲において、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩酸ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹等のポリエステル系樹脂、ポリウレタンアクリレート等のウレタン系樹脂、エチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、エチルヒドロキシセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等のポリアミド系樹脂、アセタール系樹脂、およびポリカーボネート系樹脂等を含んでいてもよい。
また、保護層は、フィラ―を含んでいてもよい。フィラーとしては、有機フィラー、無機フィラーおよび有機−無機のハイブリッド型のフィラーが挙げられる。また、フィラーは、粉体であっても、ゾル状のものであってもよいが、塗工液を調整する際の溶剤の選択性が広いため、粉状のものを用いることが好ましい。
保護層に含有されるフィラーは、平均一次粒子径が1nm以上、200nm以下であることが好ましく、1nm以上、50nm以下であることがより好ましく、7nm以上、25nm以下であることがさらに好ましい。フィラーの平均粒子径が上記数値範囲内であれば、転写性を向上させることができる。なお、「平均粒子径」とは、体積平均粒子径を意味し、粒度分布・粒径分布測定装置(例えば、ナノトラック粒度分布測定装置、日機装株式会社製など)を用いて公知の方法により測定することができる。
粉体の有機フィラーとしては、非架橋アクリル系粒子、架橋アクリル系粒子などのアクリル系粒子、ポリアミド系粒子、フッ素系粒子、ポリエチレンワックスなどを挙げることが出来る。また、粉体の無機フィラーとしては、炭酸カルシウム粒子、シリカ粒子、酸化チタンなどの金属酸化物粒子などを挙げることができる。また、有機−無機のハイブリッド型のフィラーとしては、アクリル樹脂にシリカ粒子をハイブリッドしたものなどが挙げられる。さらに、ゾル状のフィラーとしては、シリカゾル系、オルガノゾル系のものなどを挙げることができる。これらのフィラーは、単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
保護層の厚さは、0.5μm以上、3.0μm以下であることが好ましく、1.0μm以上、2.0μm以下であることが好ましい。保護層の厚さを上記数値範囲とすることにより、転写不良などの発生を防止することができるとともに、十分な保護機能を発揮することができる。
保護層は、上記したような(メタ)アクリル系樹脂AおよびBなどを含む塗工液を、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、リバースグラビアコート、バーコート、ロッドコートなどの公知の手段により、基材または離型層上へ塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成することができる。また、乾燥時の塗布量は、0.5g/m以上、3.0g/m以下であることが好ましく、1.0g/m以上、2.0g/m以下であることがより好ましい。
<離型層>
本発明において離型層は、熱転写時に保護層が基材から容易に剥離することが可能となるように、所望により設けられる層であり、熱転写時に基材側に留まる層である。
離型層は、離型性を有する材料により形成することが好ましく、例えば、バインダー樹脂と、離型剤等の添加剤とを含むことが好ましい。バインダー樹脂としては、(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂、メラミン系樹脂、ポリオール系樹脂、セルロース系樹脂、およびポリビニルアルコール等が挙げられ、ウレタン系樹脂およびアセタール系樹脂を用いることが好ましい。離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系可塑剤、フッ素系化合物、ワックス、金属石鹸、およびフィラー等を挙げることができ、シリコーンオイルを用いることが好ましい。
離型層の厚さは、特に限定されるものではないが、0.5μm以上、3μm以下であることが好ましく、1.0μm以上、1.5μm以下であることが好ましい
離型層の形成方法は特に限定されないが、従来公知の塗布方法により形成することができる。例えば、適当な溶剤中に上記のバインダー樹脂と、必要に応じて離型剤等の添加剤を加えて、各成分を溶解または分散させて塗工液を調製した後、この塗工液を基材の上に、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、およびグラビアリバースロールコーティング法等の公知の手段を用い塗布、乾燥させて形成することができる。また、乾燥時の塗布量は、0.5g/m以上、3.0g/m以下であることが好ましく、1.0g/m以上、1.5g/m以下であることがより好ましい。
<背面層>
本発明において背面層は、熱転写する際の基材の裏面側(基材の保護層が設けられていない側)からの加熱によるスティキングやシワ等の悪影響を防止するために、所望により設けられる層である。背面層を設けることによって、耐熱性に劣るプラスチックフィルムを基材とした保護層転写シートにおいてもスティッキングが起こることなく熱転写することが可能であって、プラスチックフィルムの持つ切れにくさ、加工のし易さ等のメリットが生かせる。
背面層は、水酸基含有樹脂をイソシアネート系硬化剤により硬化させた2液硬化型樹脂を含んでなる。イソシアネート系硬化剤が有するイソシアネート基(−NCO)と、水酸基含有樹脂が有する水酸基(−OH)とのモル当量比(−NCO/−OH)が、1.5以上であることが好ましい。モル当量比(−NCO/−OH)を1.5以上とすることにより、背面層の耐熱性を向上させることができ、基材および保護層へ伝達される熱エネルギーを低減することができるため、印画適性をより向上させることができる。
また、背面層において、硬化型樹脂の含有量は、50質量%以上、90質量%以下であることが好ましく、60質量%以上、80質量%以下であることがより好ましい。
水酸基含有樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリルポリオール樹脂などが挙げられる。
また、水酸基含有樹脂は、水酸基価が5質量%以上、30質量%以下であることが好ましく、10質量%以上、20質量%以下であることがさらに好ましい。水酸基含有樹脂の水酸基価を上記数値範囲とすることにより、背面層の耐熱性を向上させることができ、基材および保護層へ伝達される熱エネルギーを低減することができるため、印画適性をより向上させることができる。なお、本発明において、「水酸基価」とは、樹脂ポリマー中の水酸基を有するモノマー成分の割合を意味するものであり、樹脂ポリマー全体の質量に対する水酸基を有するモノマー成分の質量の割合(質量%)として算出される値である。
イソシアネート系硬化剤としては、ポリイソシアネート樹脂を使用することができる。ポリイソシアネート樹脂としては、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネートおよび2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン、1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフェスフェートなどが挙げられ、これらの中でも、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネートおよび2,6−トルエンジイソシアネートの混合物が好ましい。
背面層は、その特性を損なわない範囲において、ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等のポリアミド系樹脂、アセタール系樹脂、およびポリカーボネート系樹脂等を含んでいてもよい。
背面層は、滑り剤を含んでなることが好ましい。滑り剤としては、金属石鹸、ワックス、シリコーンオイル、脂肪酸エステル、フィラー、タルク等が挙げられる。
背面層の形成方法は特に限定されないが、従来公知の塗布方法により形成することができる。例えば、適当な溶剤中に上記のバインダー樹脂と、必要に応じて滑り剤等の添加剤を加えて、各成分を溶解または分散させて塗布液を調製した後、この塗布液を基材の上に、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、およびグラビアリバースロールコーティング法等の公知の手段を用い塗布、乾燥させて形成することができる。また、乾燥時の塗布量は、0.3g/m以上、2.0g/m以下であることが好ましく、0.5g/m以上、1.5g/m以下であることがより好ましい。
<保護層転写シートの製造方法>
本発明の保護層転写シートの製造方法は、
基材を準備する工程と、
基材上に、ガラス転移温度が60℃以下である(メタ)アクリル系樹脂AおよびBを含んでなる保護層を形成する工程と、を含んでなる。
また、一実施形態において、本発明の保護層転写シートの製造方法は、
基材の前記保護層を設けた面とは反対側の面に背面層を形成する工程、
基材と保護層との間に離型層を形成する工程、および/または
保護層上に接着層を形成する工程をさらに含んでいてもよい。
保護層転写シートを構成する各層などについては上記した通りである。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
厚さ4.5μmのPETフィルム(東レ社、商品名:ルミラー)の一方の面に、下記の組成からなる保護層用塗工液をグラビアコート法により塗布し(塗布量1.0g/m(乾燥時))、乾燥させ、保護層を形成した。アクリル系樹脂Aとアクリル系樹脂Bとの配合比は、質量基準で、5.5:4.5であった。
<保護層用塗工液>
・アクリル樹脂系A1 11質量部
(Mw:7000、Tg:57℃、大成ファインケミカル株式会社製、商品名:1FM−1072、固形分:50%)
・(メタ)アクリル系樹脂B1 4.5質量部
(Mw:160000、Tg:50℃、三菱レイヨン株式会社製、商品名:BR−101)
・メチルエチルケトン 23質量部
保護層上に、下記の組成からなる接着層用塗工液をグラビアコート法により塗布し(塗布量1.0g/m(乾燥時))、乾燥させ、接着層を形成した。
<接着層用塗工液>
・ポリエステル樹脂 20質量部
(東洋紡株式会社製、商品名:バイロン200)
・紫外線吸収剤共重合樹脂 10質量部
(BASF社製、商品名:UVA−635L)
・メチルエチルケトン 80質量部
基材の離型層を形成した面とは反対の面に、下記の組成からなる背面層用塗工液をグラビアコート法により塗布し(塗布量1.0g/m(乾燥時))、乾燥させ、背面層を形成させ、保護層転写シートを得た。なお、モル当量比(−NCO/−OH)は、2.2であった。
<背面層用塗工液>
・ポリビニルブチラール 27.7質量部
(積水化学工業株式会社製、商品名:エスレックBX−1)
・イソシアネート系硬化剤 56.3質量部
(DIC株式会社製、商品名:バーノック D750)
・リン酸エステル 16.0質量部
(第一工業製薬株式会社製、商品名:プライサーフA208S)
・メチルエチルケトン 400質量部
(実施例2)
保護層用塗工液における(メタ)アクリル系樹脂B1に代え、(メタ)アクリル系樹脂B2(Mw:60000、Tg:50℃、三菱レイヨン株式会社製、商品名:BR−107)を使用した以外は、実施例1と同様にして保護層転写シートを得た。
(実施例3)
保護層用塗工液における(メタ)アクリル系樹脂B1に代え、(メタ)アクリル系樹脂B3(Mw:140000、Tg:35℃、三菱レイヨン株式会社製、商品名:BR−118)を使用した以外は、実施例1と同様にして保護層転写シートを得た。
(実施例4)
保護層用塗工液における(メタ)アクリル系樹脂A1−に代え、(メタ)アクリル系樹脂A2(Mw:14000、Tg:57℃、東亜合成株式会社製、商品名:アルフォン UH−2170)を使用した以外は、実施例1と同様にして保護層転写シートを得た。
(実施例5)
保護層用塗工液における(メタ)アクリル系樹脂A1に代え、(メタ)アクリル系樹脂A3(Mw:27000、Tg:60℃、大成ファインケミカル株式会社製)を使用した以外は、実施例1と同様にして保護層転写シートを得た。
(実施例6)
背面層用塗工液の組成をモル当量比(−NCO/−OH)が、1.5となるよう変更した以外は、実施例1と同様にして保護層転写シートを得た。
(実施例7)
背面層用塗工液の組成をモル当量比(−NCO/−OH)が、1.0となるよう変更した以外は、実施例1と同様にして保護層転写シートを得た。
(実施例8)
背面層用塗工液におけるポリビニルブチラール(積水化学工業株式会社製、商品名:エスレックBX−1)に代え、ポリビニルアセタール(積水化学工業株式会社製、商品名:エスレックKS−5)を使用した以外は、実施例1と同様にして保護層転写シートを得た。
(実施例9)
背面層用塗工液におけるポリビニルブチラール(積水化学工業株式会社製、商品名:エスレックBX−1)に代え、アクリルポリオール(大成ファインケミカル株式会社製、商品名:6KW−700)を使用した以外は、実施例1と同様にして保護層転写シートを得た。
(実施例10)
基材と、保護層との間に、下記の組成からなる離型層用塗工液をグラビアコート法により塗布し(塗布量1.0g/m(乾燥時))、乾燥させ、離型層を形成した以外は、実施例1と同様にして保護層転写シートを得た。
<離型層用塗工液>
・ポリビニルアセタール 10質量部
(積水化学工業株式会社製、商品名:エスレックKS−1)
・メチルエチルケトン 20質量部
(比較例1)
保護層用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして保護層転写シートを得た。
<保護層用塗工液>
・ポリエステル系樹脂 10質量部
(Tg:47℃、東洋紡績株式会社製、商品名:バイロン600)
・メチルエチルケトン 20質量部
(比較例2)
保護層用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして保護層転写シートを得た。
<保護層用塗工液>
・ブチラール系樹脂 10質量部
(Mw:27000、Tg:63℃、積水化学工業株式会社製、商品名:エスレックBL−2)
・メチルエチルケトン 20質量部
(比較例3)
保護層用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして保護層転写シートを得た。
<保護層用塗工液>
・(メタ)アクリル系樹脂A1 10質量部
(Mw:7000、Tg:57℃、大成ファインケミカル株式会社製、商品名:1FM−1072、固形分:50%)
・メチルエチルケトン 7質量部
(比較例4)
保護層用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして保護層転写シートを得た。
<保護層用塗工液>
・(メタ)アクリル系樹脂B2 10質量部
(Mw:60000、Tg:50℃、三菱レイヨン株式会社製、商品名:BR−107)
・メチルエチルケトン 20質量部
(比較例5)
保護層用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして保護層転写シートを得た。
<保護層用塗工液>
・(メタ)アクリル系樹脂A4 5.5質量部
(Mw:27000、Tg:105℃、三菱レイヨン株式会社製、商品名:BR−87)
・(メタ)アクリル系樹脂B4 4.5質量部
(Mw:85000、Tg:105℃、三菱レイヨン株式会社製、商品名:BR−52)
・メチルエチルケトン 23質量部
(保護層転写シートの評価)
<<箔切れ性>>
下記テストプリンターを用いて、実施例および比較例により得られた保護層転写シートにより、下記のようにして作製した印画物の受容層上へ転写層(保護層+接着層)を転写した後、保護層を備える印画物の外観特性を目視により評価した。評価基準は以下の通りとした。また、評価結果は、下記表1に示される通りであった。
(テストプリンター)
サーマルヘッド:KEE−57−12GAN2−STA(京セラ株式会社製)
印画電圧:25.5V
発熱体平均抵抗値:5545(Ω)
主走査方向印字密度:300dpi
副走査方向印字密度:300dpi
1ライン周期:2(msec.)
印字開始温度:30(℃)
パルスDuty比:80%

(箔切れ性評価基準)
A:尾引きが確認できない。
B:尾引きが0.3mm以下であり、実用上問題無い。
C:尾引きが生じている(1.0mm以上)。

(印画物の作製)
下記のようにして作製した熱転写受像シートの受容層上に、下記テストプリンターを用いて、イエロー、マゼンダ、シアンの染料からなる画像を印画し、印画物を得た、イエロー、マゼンダ、シアンの染料としては、下記のようにして作製した熱転写シートを用いた。

(熱転写受像シートの作製)
厚さ35μmの多孔質PEフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名:トヨパール−SS P4255)上に、下記組成の中間層用塗工液、受容層用塗工液をグラビアコート法により、順次塗布、乾燥することにより中間層および受容層を形成した。多孔質PEフィルム
の中間層を設けた面とは反対の面に、下記組成の接着層用塗工液をリバースロールコート法により塗布、乾燥することにより接着層を形成し、RC原紙(155g/m、厚さ151μm、三菱製紙株式会社製)と貼り合わせ、熱転写受像シートを作製した。上記各々の塗工液の塗布量は、乾燥時で、中間層1.5g/m、受容層5.0g/m、接着層5.0g/mであった。
<中間層用塗工液>
・ポリエステル樹脂 50質量部
(日本合成化学工業株式会社製、商品名:ポリエスター WR−905)
・酸化チタン 20質量部
(トーケムプロダクツ株式会社製、商品名:TCA888)
・蛍光増白剤 1.2質量部
(チバ・スペシャリティーケミカルズ株式会社製、商品名:ユビテックスBAC)
・水/イソプロピルアルコール(1/1) 28.8質量部
<受容層用塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 60質量部
(日信化学工業株式会社製、商品名:ソルバインC)
・エポキシ変性シリコーン 1.2質量部
(信越化学工業株式会社製、商品名:X−22−3000T)
・メチルスチル変性シリコーン 0.6質量部
(信越化学工業株式会社製、商品名:X−24−510)
・メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 5質量部
<接着層用塗工液>
・ウレタン樹脂 30質量部
(三井武田ケミカル株式会社製、商品名:タケラックA−969V)
・イソシアネート 10質量部
(三井武田ケミカル株式会社製、商品名:タケネートA−5)
・酢酸エチル 100質量部

(熱転写シートの作製)
基材として厚さ4.5μmの易接着処理済みPETフィルム上に、下記組成の耐熱滑性層用塗工液を乾燥時の塗布量が0.8g/mとなるように塗布、乾燥し、基材の一方の面に耐熱滑性層を形成した。基材の他方の面に、イエロー染料層用塗工液、マゼンダ染料層用塗工液、シアン染料層用塗工液をそれぞれ乾燥時の塗布量が0.6g/mとなるように面順次塗布、乾燥し、染料層を形成し、熱転写シートを得た。
<耐熱活性層用塗工液>
・ポリビニルアセタール樹脂 60.8質量部
(積水化学工業株式会社製、エスレックKS−1)
・イソシアネート系硬化剤 4.2質量部
(大日本インキ化学工業株式会社製、バーノックD750)
・フィラー(ステアリルリン酸亜鉛) 10質量部
(境化学工業株式会社製、商品名:LBT1830)
・フィラー(ステアリン酸亜鉛) 10質量部
(境化学工業株式会社製、商品名:SZ−PF)
・フィラー(ポリエチレンワックス) 3質量部
(東洋アドレ株式会社製、商品名:ポリワックス3000)
・フィラー(エトキシ化アルコール変性ワックス) 7質量部
(東洋アドレ株式会社製、商品名:ユニトックス750)
・トルエン 200質量部
・メチルエチルケトン 100質量部
<イエロー染料層用塗工液>
・Disperse Yellow 201 4質量部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5質量部
(積水化学工業株式会社製、商品名:エスレックKS−5)
・ポリエチレンワックス 0.1質量部
・メチルエチルケトン 45質量部
・トルエン 45質量部
<マゼンダ染料層用塗工液>
・Disperse Red 60 1.5質量部
・Disperse Violet 26 2質量部
・ポリビニルアセタール樹脂 4.5質量部
(積水化学工業株式会社製、商品名:エスレックKS−5)
・ポリエチレンワックス 0.1質量部
・メチルエチルケトン 45質量部
・トルエン 45質量部
<シアン染料層用塗工液>
・Solvent Blue 63 2質量部
・Disperse Blue 354 2質量部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5質量部
(積水化学工業株式会社製、商品名:エスレックKS−5)
・ポリエチレンワックス 0.1質量部
・メチルエチルケトン 45質量部
・トルエン 45質量部

(テストプリンター)
サーマルヘッド:KEE−57−12GAN2−STA(京セラ株式会社製)
印画電圧:25.5V
発熱体平均抵抗値:5545(Ω)
主走査方向印字密度:300dpi
副走査方向印字密度:300dpi
1ライン周期:2(msec.)
印字開始温度:30(℃)
<<印画適性>>
印画電圧を変更した下記テストプリンターを用い、実施例および比較例により得られた保護層転写シートより、上記のようにして作製した印画物の受容層上へ転写層(保護層+接着層)を転写した後、以下の評価基準に従い、保護層転写シートの印画適性を評価した。評価結果は、下記表1に示される通りであった。
(テストプリンター)
サーマルヘッド:KEE−57−12GAN2−STA(京セラ株式会社製)
印画電圧:15.5V〜25.5V
発熱体平均抵抗値:5545(Ω)
主走査方向印字密度:300dpi
副走査方向印字密度:300dpi
1ライン周期:2(msec.)
印字開始温度:30(℃)
(印画適性評価基準)
A:印画電圧が25.5Vであっても、基材と保護層との間で融着が生じない。
B:印画電圧が20.5V以上、23.5V以下の場合は、基材と保護層との間で融着が生じないが、印画電圧が23.5Vより高い(25.5V以下の)場合では、基材と保護層との間で融着が生じてしまう。
C:印画電圧が(15.5V以上)20.5V以下の場合であっても、基材と保護層との間で融着が生じてしまう。
Figure 0006657718
10:保護層転写シート
11:基材
12:保護層
13:離型層
14:接着層
15:背面層
16:転写層

Claims (6)

  1. 基材と、前記基材の一方の面に設けられた保護層と、を備えた保護層転写シートであって、
    前記保護層が、ガラス転移温度が20℃以上60℃以下である(メタ)アクリル系樹脂AおよびBを含んでなり、
    前記(メタ)アクリル系樹脂Aの重量平均分子量が、30000未満であり、
    前記(メタ)アクリル系樹脂Bの重量平均分子量が、50000以上であり、
    前記保護層における前記(メタ)アクリル系樹脂Aの含有量が、30質量%以上、80質量%以下であり、
    前記保護層における前記(メタ)アクリル系樹脂Bの含有量が、20質量%以上、70質量%以下であり、
    前記保護層が転写時における剥離界面に位置することを特徴とする、保護層転写シート。
  2. 前記基材の前記保護層を設けた面とは反対側の面に背面層をさらに備え、
    前記背面層が、水酸基含有樹脂とイソシアネート基を有する化合物からなるイソシアネート系硬化剤とを含む2液硬化型樹脂を含んでなる、請求項1に記載の保護層転写シート。
  3. 前記水酸基含有樹脂が、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂またはアクリルポリオール樹脂である、請求項2に記載の保護層転写シート。
  4. 前記保護層における前記(メタ)アクリル系樹脂Aと、前記(メタ)アクリル系樹脂Bとの配合比が、質量基準で、3:7〜8:2である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の保護層転写シート。
  5. 基材を準備する工程と、
    前記基材上に、ガラス転移温度が60℃以下である(メタ)アクリル系樹脂AおよびBを含んでなる保護層を形成する工程と、を含んでなり、
    前記(メタ)アクリル系樹脂Aの重量平均分子量が、30000未満であり、
    前記(メタ)アクリル系樹脂Bの重量平均分子量が、50000以上であることを特徴とする、保護層転写シートの製造方法。
  6. 前記基材の前記保護層を設けた面とは反対側の面に背面層を形成する工程をさらに含んでなり、
    前記背面層が、水酸基含有樹脂とイソシアネート基を有する化合物からなるイソシアネート系硬化剤とを含む2液硬化型樹脂を含んでなる、請求項5に記載の保護層転写シートの製造方法。
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