JP4174316B2 - ラミネート用部材およびラミネート印画物 - Google Patents

ラミネート用部材およびラミネート印画物 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印画物の画像面をラミネート層で覆う(ラミネートする)ためのラミネート用部材および印画物の画像面上に、このラミネート用部材を用いて形成したラミネート層を有するラミネート印画物に関する。
【0002】
【従来の技術】
銀塩写真、オフセット、電子写真など印画物は、その画像が形成されている面(画像面)にラミネート加工を施し、画像面の上にラミネート層を形成することによって、耐光性、耐水性、耐摩擦性など画像堅牢性が向上し、更に、これにより、画像表面の光沢度や平滑度、画像の最大濃度が上がり画像品位が向上することが広く知られている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭61−258742号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
印画物の画像面にラミネート用部材を用いてラミネート加工を施してラミネート印画物を作製する場合、銀塩写真等の被記録媒体の画像記録層を構成する紙繊維間や無機粒子材料等に起因する空隙や凹凸が画像面にあると、ラミネート用部材の接着層を構成する接着剤が空隙や凹部に入り込み、物理的に接着性を得ることができる。しかし、画像面の平滑度が高い印画物の場合は、上記の物理的な接着性の寄与が小さくなり、化学的な結合又は親和によって接着性を得る必要があり充分な接着性を得るのが困難となる。
【0005】
ラミネート用接着剤としては、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体などを挙げることができる。低コスト且つ高透明性の接着剤としては、アクリル樹脂が好ましく用いられる。
【0006】
しかしながら、従来のアクリル樹脂は、平滑度の高い印画物に対する接着性が低いため、平滑な画像面を有する印画物のラミネート加工に用いるラミネート用部材の接着剤としては不向きであった。
【0007】
平滑な画像面を有する印画物に対する接着性を向上させるために、粘着付与剤として、ロジン系樹脂、テルペン樹脂、石油系樹脂を添加する方法が一般に知られている。しかしながら、アクリル樹脂に上記の粘着付与剤を添加すると、白濁や着色が生じる。このため、上記粘着付与剤を添加したアクリル系接着剤をラミネート用部材に用いると、ラミネート印画物の画像面上に形成するラミネート層が白濁もしくは黄変し、結果として、ラミネート印画物の画質が悪化してしまう。
【0008】
本発明の目的は、画像品質を向上し、平滑な画像面を有する印画物に対しラミネート加工を施すことにより、印画物の画像面にラミネート層を接着可能なラミネート用部材、これを用いてラミネート加工して得られるラミネート印画物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成することのできるラミネート用部材の一例は、耐熱性基材と、該耐熱性基材上に印画物の画像面上に熱圧着によってラミネート層を接着するための接着層とを有するラミネート用部材であって、
前記接着層が、重量平均分子量20000以上の高分子量アクリル樹脂(A)と、重量平均分子量10000以下の低分子量アクリル樹脂(B)を含み、前記低分子量アクリル樹脂(B)の含有率が、前記高分子量アクリル樹脂(A)に対し、20質量%以上、70質量%以下であることを特徴とする。
また、前記高分子量アクリル樹脂(A)および低分子量アクリル樹脂(B)は、80℃以下のガラス転移温度を有するアクリル樹脂であるのが好ましい。
【0010】
そして、本発明にかかるラミネート用部材は、耐熱性基材と、該耐熱性基材上に印画物の画像面上に熱圧着によってラミネート層を接着するための接着層とを有するラミネート用部材であって、
前記接着層が、アクリル樹脂からなるコアシェル粒子を含む塗工液を用いて形成されたものであり、前記コアシェル粒子のシェル部を構成するアクリル樹脂が、重量平均分子量10000以下の低分子量アクリル樹脂(S)であり、コア部を構成するアクリル樹脂が、重量平均分子量20000以上の高分子量アクリル樹脂(C)であることを特徴とする。
さらに、前記シェル部を構成する低分子量アクリル樹脂(S)は、80℃以下のガラス転移温度を有するアクリル樹脂であるのが好ましい。
【0011】
さらに、印画物の画像面上に、前記のいずれかのラミネート用部材を用いて形成したラミネート層を有することを特徴とする印画物とすることができる
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に本発明にかかるラミネート用部材の一例の断面図を示す。
図1に示したラミネート用部材1は、耐熱性基材2上に、接着層3を積層された構成を有する。ラミネート印画物のラミネート層は、この接着層3を介して、印画物の画像面に熱圧着される。
【0013】
耐熱性基材2としては、印画物の画像面上に熱圧着してラミネート層を形成する際に、加熱加圧状況下で安定して形態を維持できるのもであればよくどのようなものを用いてもよい。
本発明に用いることのできる耐熱性基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)などの材料からなるフィルムやシート等を挙げることができる。
本発明に用いることのできる耐熱性基材の厚さは、ラミネート処理に適した厚さとすれば良く、特に限定されない。一般的には、例えば、15〜50μmの範囲から選択することができる。
【0014】
接着層3は、重量平均分子量(Mwと表すことがある)20000以上の高分子量アクリル樹脂(A)と、重量平均分子量10000以下の低分子量アクリル樹脂(B)を含み、低分子量アクリル樹脂(B)の含有率は、高分子量アクリル樹脂(A)に対し、20〜70質量%である。
接着層3の層厚は、通常は、3〜30μmから選択すればよい。
【0015】
高分子量アクリル樹脂(A)としては、塗工時の乾燥工程で成膜するものであれば良く、例えば、ガラス転移温度が、110℃以下、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下、さらに好ましくは80℃以下のアクリル樹脂から選択することができる。高分子量アクリル樹脂(A)として、ガラス転移温度の低いアクリル樹脂を用いると接着性が向上し、80℃以下とすると特に好適である。
高分子量アクリル樹脂(A)のガラス転移温度の下限は、特に限定されないが、一般的には、−60℃以上であり、好ましくは−40℃以上である。
【0016】
高分子量アクリル樹脂(A)を構成するアクリルモノマーとしては、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物が挙げられる。さらに紫外線吸収剤機能を有するモノマーをアクリルモノマーと共重合することも可能である。例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシ}エトキシベンゾフェノンを挙げることができる。なお、上記の「(メタ)アクリル酸エチル」の記載は「メタアクリル酸エチル」または「アクリル酸エチル」を表す。
【0017】
高分子量アクリル樹脂(A)の重量平均分子量は、20000以上であり、好ましくは30000以上であり、より好ましくは40000以上である。高分子量アクリル樹脂(A)の重量平均分子量を20000以上とすると膜が強靭になり、ラミネート印画物の耐久性が向上する。高分子量アクリル樹脂(A)の重量平均分子量の上限は、特に限定されないが、一般的には、500000以下である。
【0018】
低分子量アクリル樹脂(B)としては、被着体の印刷物表面の極性が高いものから低いものまで接着する必要があり、高分子量アクリル樹脂(A)を構成する上記アクリルモノマーと同種のアクリルモノマーから構成することができる。
【0019】
低分子量アクリル樹脂(B)の重量平均分子量は、10000以下であり、好ましくは8000以下であり、より好ましくは7000以下である。低分子量アクリル樹脂(B)の重量平均分子量を10000以下とすると被着体の印刷物表面の極性が高いものから低いものまで接着することが可能になる。低分子量アクリル樹脂(B)の重量平均分子量の下限は、特に限定されないが、一般的には、1000以上である。
【0020】
低分子量アクリル樹脂(B)は、ガラス転移温度が、上記高分子アクリル樹脂(A)同様に、110℃以下、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下、さらに好ましくは80℃以下のアクリル樹脂から選択することができる。低分子量アクリル樹脂(B)として、ガラス転移温度の低いアクリル樹脂を用いると接着性が向上し、80℃以下とすると特に好適である。
低分子量アクリル樹脂(B)のガラス転移温度の下限は、特に限定されないが、上記高分子アクリル樹脂(A)と同様に、一般的には、−60℃以上であり、好ましくは−40℃以上である。
【0021】
低分子量アクリル樹脂(B)の含有率は、上述したように、高分子量アクリル樹脂(A)に対し、20〜70質量%であり、25〜65質量%とするのがより好ましく、30〜60質量%とするのがさらに好ましい。
【0022】
低分子量アクリル樹脂(B)の含有率を、20質量%以上とすると、平滑度の高い印画物に対する接着性が良好となり、低分子量アクリル樹脂(B)の含有率を70質量%以下とすると、接着層にクラックが生じるのを防止することができる。
【0023】
また、接着層3は、上記の重量平均分子量(Mwと表すことがある)20000以上の高分子量アクリル樹脂(A)および重量平均分子量10000以下の低分子量アクリル樹脂(B)に代えて、アクリル樹脂からなるコアシェル粒子を含む塗工液を用いて形成される。
【0024】
上記アクリル樹脂からなるコアシェル粒子は、重量平均分子量10000以下の低分子量アクリル樹脂(S)から構成されるシェル部と、重量平均分子量20000以上の高分子量アクリル樹脂(C)から構成されるコア部を有する。
【0025】
シェル部を構成する低分子量アクリル樹脂(S)およびコア部を構成する高分子量アクリル樹脂(C)は、上記高分子量アクリル樹脂(A)、低分子量アクリル樹脂(B)を構成するモノマーと同種のアクリルモノマーを用いて構成することができる。
【0026】
シェル部を構成する低分子量アクリル樹脂(S)の重量平均分子量は10000以下であるが、好ましくは9000以下であり、より好ましくは8000以下である。シェル部を構成する低分子量アクリル樹脂(S)の重量平均分子量を10000以下とすると、接着性が高く好適である。シェル部を構成する低分子量アクリル樹脂(S)の重量平均分子量の下限は、特に限定されないが、一般的には、1000以上である。
【0027】
シェル部を構成する低分子量アクリル樹脂(S)は、ガラス転移温度が、80℃以下、好ましくは70℃以下、より好ましくは60℃以下、さらに好ましくは50℃以下のアクリル樹脂から選択することができる。シェル部を構成する低分子量アクリル樹脂(S)として、ガラス転移温度の低いアクリル樹脂を用いると、接着性が向上し、80℃以下とすると特に好適である。
シェル部を構成する低分子量アクリル樹脂(S)のガラス転移温度の下限は、特に限定されないが、一般的には、−60℃以上であり、好ましくは−40℃以上である。
【0028】
シェル部を構成する低分子量アクリル樹脂(S)の含有率は、コア部を構成する高分子量アクリル樹脂(C)に対し、20〜70質量%であるのが好ましく、25〜65質量%とするのがより好ましく、30〜60質量%とするのがさらに好ましい。
【0029】
シェル部を構成する低分子量アクリル樹脂(S)の含有率を、20質量%以上とすると、被着体の印刷物表面の極性が高いものから低いものまで接着することが可能になる。
シェル部を構成する低分子量アクリル樹脂(S)の含有率を、70質量%以下とすると、膜が強靭になり、ラミネート印画物の耐久性が向上する。
【0030】
コア部を構成する高分子量アクリル樹脂(C)の重量平均分子量は20000以上であるが、好ましくは30000以上であり、より好ましくは40000以上である。コア部を構成する高分子量アクリル樹脂(C)の重量平均分子量を20000以上とすると、接着層にクラックが生じるのを防止することができる。コア部を構成する高分子量アクリル樹脂(C)の重量平均分子量の上限は、特に限定されないが、一般的には、500000以下である。
【0031】
コア部を構成する高分子量アクリル樹脂(C)は、ガラス転移温度が、80℃以下が好ましく、より好ましくは70℃以下、さらに好ましくは60℃以下のアクリル樹脂から選択することができる。コア部を構成する高分子量アクリル樹脂(C)として、ガラス転移温度の低いアクリル樹脂を用いると、接着性が向上し、80℃以下とすると特に好適である。
コア部を構成する高分子量アクリル樹脂(C)のガラス転移温度の下限は、特に限定されないが、一般的には、−60℃以上であり、好ましくは−40℃以上である。
【0032】
本発明に使用するコアシェル粒子は、公知の方法によって調製することができる。本発明には、コアシェル粒子が水、または水性分散媒に分散されたコアシェル粒子分散体を用いるのが好ましく、コアシェル粒子の水分散体を用いるのがより好ましい。
【0033】
本発明に使用することのできるコアシェル粒子の水分散体の具体例としては、例えば、市販品である、ハイロスX・CT-2064、ハイロスX・CT-2027およびハイロスX・CT-2029(いずれも星光化学工業(株)製;商品名)等を挙げることができる。
【0034】
本ラミネート用部材は上記接着層のほかに他の層を有していてもよい。例えば、本発明のラミネート用部材を熱転写型のラミネート部材として機能するように構成することを目的として、耐熱性基材と接着層の間に、耐熱性基材に対し剥離可能な表面保護層を設けても良い。この場合、表面保護層は本発明の接着層と密着する必要がある。表面保護層の厚さは、特に限定されないが、一般的には、1〜20μmとすることができる。
また、接着層と耐熱性基材との密着性を向上させるために、プライマー層を設けることもできる。この実施形態の場合には、耐熱性基材はラミネート印画物のラミネート層の一部として使用することができる。
【0035】
本発明のラミネート用部材の製造方法としては、使用する材料等に応じて公知の製造方法のなかから適切な方法を選択して採用することができる。
例えば、本発明のラミネート用部材の各層を構成する材料を用い、必要な場合は適当な溶剤と混合して、当該各層を形成するための塗工液を各々調製し、各層の積層順序に応じて、これらを耐熱性基材の上に塗布し、乾燥して、順次各層を形成することによって製造することができる。
【0036】
上記の各層を形成するための各々の塗工液を調整する際に、本発明の効果を阻害することのない範囲内において、本発明の属する技術分野において通常使用されている添加剤、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、可塑剤等を用いることができる。
【0037】
上記各層の塗工方法としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、スロットダイコーティング法、マイクログラビアコーティング法等の方法を用いることができる。
【0038】
本発明のラミネート用部材を用いて形成したラミネート層を有するラミネート印画物は、銀塩写真、オフセット印刷物、電子写真などの平滑な画像面を有する印画物を用いて作製することができる。しかしながら、このような印画物のみならず、インクジェット印画物のように、凹凸のある、粗い画像面を有する印画物を用いてラミネート印画物を作製することもできる。
【0039】
ラミネート印画物は、例えば、印画物の画像面に、本発明のラミネート用部材の接着層面を重ねあわせ、加熱ロール等を用いて加圧・加熱圧着し、ラミネート用部材と圧着された印画物(およびラミネート用部材)を冷却し、耐熱性基材を剥離し、または、剥離することなくこれをラミネート層の一部として利用することにより、画像面上にラミネート層が積層された印画物、すなわち、ラミネート印画物を作製することができる。
【0040】
本発明にかかるラミネート印画物の作製に用いることのできるラミネート装置の一例を図2に示す。図2に示した装置においては、ロール状に巻き取られたラミネート用部材1と印画物4とが、ラミネート用部材1の接着層面3と、印画物4の画像面とが向き合うように配置されて、一対の加熱ローラー5に供給され、これらが加熱ローラー5の間を通過する際に、加圧・加熱されて圧着され、次いで、冷却されてラミネート印画物が作製される。
【0041】
加圧・加熱条件は、使用する機械のラミネート印画物の作製速度、印画物やラミネート用部材の材質等を考慮して、適切な条件を選べばよい。例えば、本発明のラミネート用部材を用いて図2に示したような加熱ロール方式の装置により加圧・加熱して圧着してラミネート印画物を作製する場合には、一般的には5〜50N/cm、好ましくは15〜35N/cmの線圧で、また、一般的には60〜160℃、好ましくは、80〜130℃の温度で加圧・加熱して圧着すればよい。
【0042】
【実施例】
実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下の実施例1及び2は本発明に関連する参考例であり、実施例3〜5が本発明の実施例である。
(実施例1)
アクリル樹脂として、ダイヤナール LR574(三菱レイヨン(株)製;Mw=7.0万、Tg=31℃;商品名)80質量部と、B−102(星光化学工業(株)製;Mw=0.6万、Tg=90℃;商品名)20質量部を2−ブタノン400質量部に溶解して接着層を形成するための塗工液を調製した。耐熱性基材として、PETフィルム、コスモシャイン A4100(東洋紡績(株)製;25μm;商品名)を用い、前記塗工液を、前記PETフィルムの易接着面にバーコーターで乾燥層厚15μmとなるよう塗工し、乾燥し、ラミネート用部材を得た。
【0043】
(実施例2)
アクリル樹脂として、ダイアナール LR574(三菱レイヨン(株)製;Mw=7.0万、Tg=31℃;商品名)80質量部と、B-100(星光化学工業(株)製;Mw=0.6万、Tg=71℃;商品名)20質量部を使用した以外は、実施例1と同様にして、ラミネート用部材を得た。
【0044】
(実施例3)
アクリル樹脂として、コアシェル型アクリル樹脂ハイロスX・CT-2027(星光化学工業(株)製;固形分40%水分散体、シェル部を構成するアクリル樹脂の、Mw=0.7万、Tg=90℃、シェル部を構成するアクリル樹脂の含有率=50質量%;コア部を構成するアクリル樹脂の、Mw=10.8万、Tg=−32℃;コアおよびシェル部を構成する全アクリル樹脂の、Mw=4.4万、Tg=17℃)を使用した以外は、実施例1と同様に塗工し、乾燥して、ラミネート用部材を得た。
【0045】
(実施例4)
アクリル樹脂として、コアシェル型アクリル樹脂、ハイロスX・CT-2029(星光化学工業(株)製;固形分40%水分散体、シェル部を構成するアクリル樹脂の、Mw=0.7万、Tg=71℃、シェル部を構成するアクリル樹脂の含有率=50質量%;コア部を構成するアクリル樹脂のMw=23.3万、Tg=−22℃;コア部およびシェル部を構成する全アクリル樹脂のMw=10.7万、Tg=17℃)を使用した以外は、実施例3と同様にして、ラミネート用部材を得た。
【0046】
(実施例5)
アクリル樹脂として、コアシェル型アクリル樹脂、ハイロスX・CT-2064(星光化学工業(株)製;固形分40%水分散体、シェル部を構成するアクリル樹脂の、Mw=0.7万、Tg=49℃、シェル部を構成するアクリル樹脂の含有率=50質量%;コア部を構成するアクリル樹脂のMw=17.0万、Tg=−10℃;コア部およびシェル部を構成する全アクリル樹脂のMw=7.5万、Tg=17℃)を使用した以外は、実施例3と同様にして、ラミネート用部材を得た。
【0047】
(比較例1)
アクリル樹脂として、ダイアナール LR574(三菱レイヨン(株)製;固形分40%水分散体、Mw=7.0万、Tg=31℃;商品名)100質量部を使用し、B−102を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、ラミネート用部材を得た。
【0048】
(比較例2)
アクリル樹脂として、コアシェル型アクリル樹脂 ハイロスX・CT-2033(星光化学工業(株)製;シェル部を構成するアクリル樹脂の、Mw=1.4万、Tg=71℃、シェル部を構成するアクリル樹脂の含有率=50質量%;コア部を構成するアクリル樹脂のMw=23.7万、Tg=−22℃;コア部およびシェル部を構成する全アクリル樹脂のMw=10.5万、Tg=17℃)を使用した以外は、実施例3と同様にして、ラミネート用部材を得た。
【0049】
(比較例3)
アクリル樹脂として、ビニブラン2706D(日信化学工業(株)製;Mw=5.7万、Tg=14℃;商品名)100質量部を使用し、B−102を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、ラミネート用部材を得た。
【0050】
(ガラス転移温度)
本実施例および比較例におけるガラス転移温度(Tgと表すことがある)は、T.G.Foxの方法(Bull.Am.Phys.Soc,第1巻、第3号、第123頁、1956年)によって算出した。
【0051】
(銀塩写真の作成)
機器としては、コニカナイスプリントシステム602AQ(コニカ(株)製;商品名)を、処理液としては、コニカミニラボカラーペーパープロセス2−20QA−M(コニカ(株)製;商品名)を用いた。また、処理済みネガとしては、コニカインプレッサ50(コニカ(株)製、SuperDD100、フジリアラ;商品名)を用いた。印画紙として、コニカカラーQAペーパータイプA5(コニカ(株);商品名)を用いて処理し、銀塩写真を得た。
【0052】
(オフセット印刷物の作成)
オフセット印刷用インキとして、スーパーテックプラス 墨((株)ティーアンドケイ東華製;商品名)を、オフセット印刷用紙 ハイマッキンレー アート(五條製紙(株)製、坪量104.7g/m2;商品名)に、RI印刷適性試験機(明製作所(株)製、RI−2型;商品名)を使用して、坪量0.5g/m2となるように黒べた画像を印刷し、オフセット印刷物を得た。
【0053】
(評価方法)
上記実施例および比較例のラミネート用部材を上記銀塩写真、オフセット印刷物の画像表面に120℃、10mm/sで熱圧着し、ラミネート印画物を得る。その後、ラミネート印画物をカッターにて、100mm2の面積を1mmピッチで縦横を碁盤目状に100個の升目を、ラミネート層表面から被着体と印画物の界面までカットし、セロファンテープを密着後、セロファンテープを剥がし、ラミネート印画物の被着体と印画物の界面で剥れるか否かで接着性を評価した(JIS K5600−5−6)。
接着性は次の基準に従って評価した。
◎:剥がれが、100升中0升
○:剥がれが、100升中10〜1升
×:剥がれが、100升中10升より多い
結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
Figure 0004174316
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、平滑な印画物に対しても適応可能なラミネート用部材、および、これを用いて形成したラミネート層を有するラミネート印画物を、画像品質を損なうことなく得ることができ、これを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のラミネート用部材の構成の一例を説明するための断面図である。
【図2】ラミネート装置の一例の要部を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 ラミネート用部材
2 耐熱性基材
3 接着層
4 印画物
5 加熱ローラー

Claims (2)

  1. 耐熱性基材と、該耐熱性基材上に印画物の画像面上に熱圧着によってラミネート層を接着するための接着層とを有するラミネート用部材であって、
    前記接着層が、アクリル樹脂からなるコアシェル粒子を含む塗工液を用いて形成されたものであり、前記コアシェル粒子のシェル部を構成するアクリル樹脂が、重量平均分子量10000以下の低分子量アクリル樹脂(S)であり、コア部を構成するアクリル樹脂が、重量平均分子量20000以上の高分子量アクリル樹脂(C)であることを特徴とするラミネート用部材。
  2. 前記シェル部を構成する低分子量アクリル樹脂(S)は、80℃以下のガラス転移温度を有するアクリル樹脂であることを特徴とする請求項に記載のラミネート用部材。
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