JP6657617B2 - 細胞培養用キット、及び細胞培養用キット内容液のサンプリング方法、並びにサンプリング補助具 - Google Patents

細胞培養用キット、及び細胞培養用キット内容液のサンプリング方法、並びにサンプリング補助具 Download PDF

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本発明は、閉鎖系の環境を構築して細胞培養を行うに際し、閉鎖系を維持しながら内容液のサンプリングをすることができる細胞培養用キット、及び細胞培養用キット内容液のサンプリング方法、並びにサンプリング補助具に関する。
近年、医薬品の生産や、遺伝子治療、再生医療、免疫療法等の分野において、細胞や組織、微生物などを人工的な環境下で効率良く大量に培養することが求められている。
このような細胞培養にあっては、複数の容器を接続して閉鎖系の環境を構築し、これら複数の容器間で送液を行う方法が採られる場合がある。
ここで、特許文献1には、細胞を培養するための培養容器と、培地等を貯蔵しておくための培地貯蔵容器と、細胞を注入するための細胞注入容器と、培養後の細胞懸濁液を回収する細胞回収容器と、培養中の細胞懸濁液の一部をサンプリングするサンプリング容器とを移送用のチューブで接続した細胞培養用キットが開示されている。このような細胞培養用キットによれば、細胞注入から培地追加、サンプリング、回収までをキット内で閉鎖系を維持しながら行うことが可能となる。
また、特許文献2には、ハウジングの開口部を閉塞する弾性シール部材にスリットを形成し、このスリット内にシリンジなどの雄ルアーを嵌挿することにより、雄ルアーの内部空間とハウジング内の液体通路とを連通させて輸液等の移送を可能とした医療用コネクタが開示されている。
国際公開2013/114845号パンフレット 特開2013−116134号公報
ところで、本発明者らは、複数の培養容器と培地供給容器とを移送用チューブで接続し、培地供給容器から培養容器に培地を移送して、培養容器において細胞を培養し、培養した細胞及び培地を含む培養液(本発明では、細胞と培地を含むものを「培養液」という)を培養面積のより大きい培養容器に移送するとともに、当該培養容器に培地供給容器から培地を追加して、さらに細胞を増殖させることにより、閉鎖系を維持してコンタミネーションのリスクを低減しつつ、効率的に細胞培養を行う細胞培養システムについて検討を重ねてきた。
そして、本発明者らは、かかる細胞培養システムにおいて、培地の状態、雑菌の混入の有無、細胞の状態などを検査する目的で、培養の途中で又は培養終了後に、容器中の内容液をサンプリングする方法について、さらなる検討を重ねた。
なお、培地の状態の検査には、例えば、細胞の種類によっては、低温保存状態でも分解する成分を含む培地を使用する場合があり、そのような成分が必要量残っているかを検査する検査項目などがある。また、細胞の状態の検査には、例えば、培養対象の細胞種が所定の細胞数に増殖しているかを検査する検査項目などがある。
すなわち、特許文献1の細胞培養用キットによれば、閉鎖系を維持しながらサンプリングを行うことも可能であるが、サンプリング容器は、移送用のチューブを介して培養容器に接続され、培養容器からサンプル容器への送液はチューブポンプにより行われるため、容器間で送液を行う流路制御が複雑となってしまうことが懸念される。特に、複数の培養容器を用いて、より培養面積の大きい培養容器に培養液を移送するとともに、当該培養容器に培地供給容器から培地を追加するようにした、本発明者らが検討する細胞培養システムのように、接続される容器の数が多くなるほど容器間で送液を行う流路の制御機構を簡易化するための工夫が求められ、かかる制御機構をより簡易なものとするには、チューブポンプを用いたりすることなく、これらの容器からその内容液を直接サンプリングすることが望まれる。
一方、容器内容液を直接サンプリングするには、特許文献2に開示されているような医療用コネクタを容器に取り付けて、シリンジなどを用いてサンプリングすることが考えられる。
しかしながら、このようにしたのでは、閉鎖系を維持しながら容器内容液をサンプリングすることができず、容器内容液をサンプリングする際には、シリンジを滅菌するとともに、無菌環境下での作業が必要となり、コンタミネーションのリスクを低減するには相応の手間がかかってしまう。
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、複数の容器を接続して閉鎖系の環境を構築し、コンタミネーションのリスクを低減した細胞培養システムに好適に適用することができ、閉鎖系を維持しながらいずれかの容器の内容液をサンプリングできる細胞培養用キット、及び細胞培養用キット内容液のサンプリング方法、並びにサンプリング補助具の提供を目的とする。
本発明に係る細胞培養用キット内容液のサンプリング方法は、培養容器が、前記培養容器に供給される培地が格納された培地供給容器に接続され、閉鎖系の環境を構築して細胞培養を行う細胞培養用キットの内容液をサンプリングする細胞培養用キット内容液のサンプリング方法であって、前記培養容器及び前記培地供給容器のうち、サンプリング対象の内容液を格納する容器に、末端が閉塞された管状のサンプル取り出し流路を設けておき、培養の途中で又は培養終了後に、前記サンプル取り出し流路が設けられた容器に、前記サンプル取り出し流路の内容物を移動させる工程と、前記サンプル取り出し流路が設けられた容器の内容液の一部を前記サンプル取り出し流路に流入させる工程と、前記サンプル取り出し流路をヒートシールしつつ切断する工程とを含む方法としてある。
また、本発明に係る細胞培養用キットは、本発明に係る細胞培養用キット内容液のサンプリング方法に用いる細胞培養用キットであって、培養容器が、前記培養容器に供給される培地が格納された培地供給容器に接続され、閉鎖系の環境を構築して細胞培養を行う細胞培養用キットであって、前記培養容器及び前記培地供給容器の少なくともいずれか一つに、末端が閉塞された管状のサンプル取り出し流路を設けた構成としてある。
さらに、本発明に係るサンプリング補助具は、上記細胞培養用キット内容液のサンプリング方法において、前記サンプル取り出し流路を押し潰して、その内容物を押し退けながら前記サンプル取り出し流路が設けられた容器に移動させ、次いで、前記サンプル取り出し流路を開放することで、前記サンプル取り出し流路が設けられた容器の内容液の一部を前記サンプル取り出し流路に流入させる際に用いるサンプリング補助具であって、前記サンプル取り出し流路の末端側を保持しつつ、前記サンプル取り出し流路を押し潰しながら巻き取る巻取軸と、前記巻取軸の軸受部とを備える構成としてある。
本発明によれば、閉鎖系を維持しながら細胞培養用キットが備える任意の容器の内容液をサンプリングできる。
本発明の実施形態に係る細胞培養用キットの概略を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る細胞培養用キット内容液のサンプリング方法の工程を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るサンプリング補助具の概略を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るサンプリング補助具の変形例の概略を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るサンプリング補助具の他の変形例の概略を示す説明図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
[細胞培養用キット]
まず、本実施形態に係る細胞培養用キットについて説明する。
図1は、細胞培養用キット1の一例を示しており、複数の培養容器2a,2b,2cが、これらの培養容器2に供給される培地が格納された培地供給容器3に、移送用チューブ4,4a,4b、及び三方活栓5a,5bを介して接続されている。
図1に示す例において、培養容器2a,2b,2cは、培地供給容器3側から順に、一次培養容器2a、二次培養容器2b、三次培養容器2cとされ、この順に容積が大きくなっている。そして、培地供給容器3から三次培養容器2cに向かう移送用チューブ4の経路の途中には、二つの三方活栓5a,5bが取り付けられており、培地供給容器3側の一方の三方活栓5aには、移送用チューブ4aを介して一次培養容器2aが接続され、他方の三方活栓5bには、移送用チューブ4bを介して二次培養容器2bが接続されている。
また、培養容器2a,2b,2c、及び培地供給容器3には、移送用のポートp,p,p,pが一つずつ設けられており、これらのポートp,p,p,pに移送用チューブ4,4a,4bが接続されている。
本実施形態において、培養容器2a,2b,2c、及び培地供給容器3のそれぞれは、可撓性材料を用いて袋状(バッグ型)に形成してなり、細胞培養を閉鎖系で行うことができるとともに、培養容器2はCOインキュベータ内で使用する場合に必要な酸素及び二酸化炭素に対するガス透過性を有している。培地供給容器3は格納している培地のpHが変化しないように酸素及び二酸化炭素に対するガスバリア性を有している。さらに、これらの容器2a,2b,2c,3は、内容液を確認できるように、一部又は全部が透明性を有している。このような条件を満たす可撓性材料の具体例としては、ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン系エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、シリコーン系熱可塑性エラストマー、シリコーンゴムなどが挙げられる。
また、移送用チューブ4,4a,4bの材質は、使用環境に合わせて適宜選択すればよい。COインキュベータ内で使用する場合は、酸素及び二酸化炭素に対するガス透過性に優れるものが望ましいが、CO2インキュベータ外で使用する場合は、ガスバリア性に優れるものが望ましい。具体的には、例えば、シリコーンゴム、軟質塩化ビニル樹脂、ポリブタジエン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、シリコーン系熱可塑性エラストマー、スチレン系エラストマー等を用いることができる。また、スチレン系エラストマーとしては、例えば、SBS(スチレン・ブタジエン・スチレン)、SIS(スチレン・イソプレン・スチレン)、SEBS(スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン)、SEPS(スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン)等を用いることができる。
このような細胞培養用キット1を用いて細胞培養を行うには、一次培養容器2aに、無菌環境下で培養対象となる細胞と培地を含む培養液を注入し、培養容器2a,2b,2cと培地供給容器3とを移送用チューブ4,4a,4b、三方活栓5a,5bを介して図1に示すように接続し、これによって閉鎖系を構築する。そして、特に図示しないが、培地供給容器3の上方に、三次培養容器2c、二次培養容器2b、一次培養容器2aの順に水平位置が高くなるように、これらの培養容器2a,2b,2cを配置するとともに、移送用チューブ4の培地供給容器3と三方活栓5aとの間の部位をチューブポンプPに取り付ける。
これにより、三方活栓5aを操作し、培地供給容器3と一次培養容器2aとが連通した状態としてチューブポンプPを駆動することによって、培地供給容器3と一次培養容器2aとの間の送液が可能となる。
また、三方活栓5a,5bを操作して一次培養容器2aと二次培養容器2bとが連通した状態とし、必要に応じて移送用チューブ4aが接続された側が低くなるように一次培養容器2aを傾けることで、一次培養容器2aから二次培養容器2bへの自然送液による送液が可能となり、三方活栓5a,5bを操作し、培地供給容器3と二次培養容器2bとが連通した状態としてチューブポンプPを駆動することによって、培地供給容器3と二次培養容器2bとの間の送液が可能となる。
同様に、三方活栓5bを操作して二次培養容器2bと三次培養容器2cとが連通した状態とし、必要に応じて移送用チューブ4bが接続された側が低くなるように二次培養容器2bを傾けることで、二次培養容器2bから三次培養容器2cへの自然送液による送液が可能となり、三方活栓5a,5bを操作し、培地供給容器3と三次培養容器2cとが連通した状態としチューブポンプPを駆動することによって、培地供給容器3と三次培養容器2cとの間の送液が可能となる。
本実施形態にあっては、このようにして容器間での送液を可能とした細胞培養用キット1において、容器間で送液を行う流路の制御機構の妨げとならずに、かつ、閉鎖系を維持しながら培養容器内の培養液(容器内容液)をサンプリングできるように、最後に培養が行われる三次培養容器2cに、末端が閉塞された管状のサンプル取り出し流路6を設けてある。
このようなサンプル取り出し流路6を設けることにより、当該流路6に容器内容液の一部を流入させて、チューブシーラーなどを用いて、その基端側をヒートシールしつつ切断することによって、閉鎖系を維持した状態で容器内容液をサンプリングすることが可能となる。
なお、サンプル取り出し流路6に容器内容液の一部を流入させてサンプリングする具体的な方法については後述する。
本実施形態において、サンプル取り出し流路6の具体的な形態は特に限定されない。培地の状態、雑菌の混入の有無、細胞の状態などを検査するには、通常、5ml程度のサンプル量を要することを考慮して、その長さや内径などを適宜選択すればよい。
なお、培地の状態の検査には、例えば、細胞の種類によっては、低温保存状態でも分解する成分を含む培地を使用する場合があり、そのような成分が必要量残っているかを検査する検査項目などがあり、細胞の状態の検査には、例えば、培養対象の細胞種が所定の細胞数に増殖しているかを検査する検査項目などがあるのは前述した通りである。
例えば、サンプル取り出し流路6の長さは、50〜300mmとするのが好ましい。上記範囲に満たないと、必要なサンプル量を確保するために内径を大きくしなければならず、サンプル取り出し流路6をヒートシールしつつ切断する作業に支障をきたす虞がある。上記範囲を超えてサンプル取り出し流路6が長くなってしまうと、ハンドリングの邪魔になる虞があるとともに、サンプル量を必要最低限にして無駄をなくそうとすると内径が小さくなってしまい、容器内容液を流入させ難くなる虞がある。
一方、サンプル取り出し流路6をヒートシールしつつ切断する際の作業性や、容器内容液の流入し易さを考慮すると、サンプル取り出し流路6の内径は、3〜10mmであるのが好ましい。
サンプル取り出し流路6の基端側をヒートシールしつつ切断したときに、検査に必要なサンプル量が確保できるように、サンプル取り出し流路6の容積を適宜設定しておけば、サンプリングする容器内容液の量が多すぎたり、少なすぎたりすることもなく、適量を容易にサンプリングすることができるが、これに限定されない。例えば、容器内容液の経時的な状態変化を検査する場合などには、そのサンプリング回数に応じて、サンプル取り出し流路6を複数回に分けてヒートシールしつつ切断できるように、ハンドリングの邪魔にならない程度にサンプル取り出し流路6を長くすることもできる。この場合、サンプル取り出し流路6には、長手方向に沿って所定の間隔で目盛を付すなどして、切断する位置によって、どの程度の量のサンプルが確保できるかが容易に分かるようにしておくのが好ましい。
また、複数回のサンプリングが要求される場合には、一つの容器に対して複数のサンプル取り出し流路6を設けてもよい。
また、サンプル取り出し流路6の材質は、移送用チューブ4,4a,4bと同様とすることができ、移送用チューブ4,4a,4bの材質として例示したものの中から、ヒートシール性が良好なものを適宜選択すればよいが、サンプリングした内溶液の変質を防止する観点から、ガスバリア性にも優れているのが好ましい。
また、サンプル取り出し流路6は、例えば、図1に示すように、移送用のポートp,p,p,pと同様のサンプル取り出し用ポートpを三次培養容器2cに取り付けておき、移送用チューブ4,4a,4bに用いたのと同様のチューブを所定の長さに切断するとともに、その末端をヒートシールするなどして閉塞したものを、当該ポートpに接続することによって設けることができるが、これに限定されない。末端が閉塞された管状の部材を、三次培養容器2cを製袋する際に直接取り付けることによって設けてもよい。
[細胞培養用キット内容液のサンプリング方法]
次に、本実施形態に係る細胞培養用キット内容液のサンプリング方法について説明する。
本実施形態では、前述した細胞培養用キット1を用いて細胞培養を行い、培養の途中で又は培養終了後に、最後に培養が行われる三次培養容器2c内の培養液をサンプリング対象としてサンプリングする。
サンプリングは、三次培養容器2cに設けたサンプル取り出し流路6に、三次培養容器2c内の培養液の一部を流入させて行うが、多くの場合、サンプル取り出し流路6には、三次培養容器2cに最初に培養液を移送したときに、その一部が空気とともに成り行き任せで入り込んだままの状態になっており、サンプリングに適した状態となっていない。
サンプル取り出し流路6が、三次培養容器2c内の培養液と同じ状態の培養液で満たされていなければ、サンプリングの目的を果たせないので、本実施形態では、まず、サンプル取り出し流路6をしごくなどして、サンプル取り出し流路6を押し潰して、その内容物(サンプル取り出し流路6内に入り込んだ空気を含む)を押し退けながら三次培養容器2cに移動させる(図2(a)参照)。次いで、必要に応じてサンプル取り出し流路6が下側となるように三次培養容器2cを傾けるなどしつつ、サンプル取り出し流路6を開放する(図2(b)参照)。
これにより、三次培養容器2c内の培養液の一部がサンプル取り出し流路6に流入し、サンプル取り出し流路6が、三次培養容器2c内の培養液と同じ状態の培養液で満たされた状態となる(図2(c)参照)。このような状態としてから、サンプル取り出し流路6の基端側を、チューブシーラーTなどを用いて、ヒートシールしつつ切断する(図2(d)参照)。
これによって、閉鎖系を維持した状態で培養液をサンプリングすることが可能となり、切断されたサンプル取り出し流路6は、そのまま検査工程に搬送することができる。
また、このようにして三次培養容器2c内の培養液をサンプリングするに際し、サンプル取り出し流路6の容積を適宜設定しておけば、サンプリングする培養液の量が多すぎたり、少なすぎたりすることもなく、適量の培養液を容易にサンプリングすることができる。
なお、サンプリング回数に応じて、サンプル取り出し流路6を長くして複数回に分けてヒートシールしつつ切断できるようにしてもよいのは、前述した通りである。
サンプル取り出し流路6の内容物を三次培養容器2cに移動させるには、例えば、チューブローラ鉗子などを用いることができる。具体的には、チューブローラ鉗子のローラ部Rでサンプル取り出し流路の末端側を挟み、基端側に向かってしごいていくことによって、内容物を押し退けながら三次培養容器2cに移動させることができる(図2(a)参照)。
また、作業性よく、より容易にサンプル取り出し流路6の内容物を三次培養容器2cに移動させるには、図3に示すようなサンプリング補助具10を用いるのが好ましい。
図3に示すサンプリング補助具10は、サンプル取り出し流路6の末端側を保持しつつ、サンプル取り出し流路6を押し潰しながら巻き取る巻取軸11と、この巻取軸11の軸受部12とを備えている。
なお、図3は、本実施形態に係るサンプリング補助具の概略を示す説明図であり、図3(a)は、その斜視図、図3(b)は、正面図、図3(c)は、側面図である。図3(b)には、巻取軸11に巻取られたサンプル取り出し流路6を一点鎖線で示している。
図3に示すサンプリング補助具10において、巻取軸11には、サンプル取り出し流路6の末端側を挟持して保持する保持溝11aが形成されているが、サンプル取り出し流路6の末端側を保持する機構は、これに限定されない。バネ弾性を利用したクリップ状の機構によって、サンプル取り出し流路6の末端側を保持するようにしてもよい。
また、サンプリング補助具10は、巻取軸11を軸周りに回転させるハンドル13を備えているのが好ましい。サンプル取り出し流路6を巻き取るに際し、巻取軸11は、モータなどを利用して電動で回転するようにしてもよいが、かかるハンドル13を備えることで、作業者は、サンプル取り出し流路6の巻き取り具合を適宜確認しつつ、力を加減しながら手動で巻き取ることができる。
また、図3に示すサンプリング補助具10にあっては、円形状とされた軸受部12の周縁に沿ってガイド壁14を立設してある。そして、このガイド壁14には、サンプル取り出し流路6を巻き取る際に、サンプル取り出し流路6を案内しつつガイド壁14の内側に引き込むための切り欠き14aが形成されている。
かかる切り欠き14aは、サンプリング対象の内容液が満たされた状態のサンプル取り出し流路6の外径よりも若干大きい幅で形成するのが好ましい。このようにすることで、案内されるサンプル取り出し流路6が切り欠き14aの端縁に引っ掛り難くして、案内が妨げられないようにすることができる。
また、図3に示すサンプリング補助具10では、軸受部12を円形状としているが、軸受部12は、図4に示すように方形状としてもよく、その具体的な形状は限定されない。ただし、ガイド壁14を軸受部12の周縁に沿って立設する場合には、ガイド壁14の内周面を円筒状に形成するのが好ましい。
なお、図4は、本実施形態に係るサンプリング補助具の変形例の概略を示す説明図であり、図4(a)は、斜視図、図4(b)は、正面図、図4(c)は、側面図である。
また、ガイド壁14の上端側には、巻取軸11に巻取られるサンプル取り出し流路6を覆う蓋部15を設けるのが好ましい(図3(c)参照)。このとき、軸受部12から突出する巻取軸11の高さと、ガイド壁14の高さが、サンプル取り出し流路6を押し潰したときの幅よりも若干高くなるように適宜調整することで、サンプル取り出し流路6に巻崩れが生じてしまうのを有効に回避することができる。
サンプリング補助具10を、このような態様とする場合、少なくとも蓋部15とガイド壁14の両方又は一方は、サンプル取り出し流路6の巻き取り具合を目視できる程度の透明性を有しているのが好ましい。
また、操作性を良好なものとするために、サンプリング補助具10は、図5に示すように巻取軸11の軸方向と直交する方向に延在する把持部16を備えているのが好ましい。このような把持部16を備えることで、例えば、作業者は、一方の手で把持部16を把持し、他方の手でハンドル13を操作することによって、その巻き具合を適宜確認しつつ、サンプル取り出し流路6を押し潰しながら巻取軸11に巻き取っていくことができる。
サンプリング補助具10が把持部16を備える態様とする場合、その操作性を考慮すると、ガイド壁14に形成した切り欠き14aと巻取軸11とを結ぶ方向が、把持部16が延在する方向に対して斜めに傾くように、当該切り欠き14aを形成するのが好ましい(図5(c)参照)。
なお、図5は、本実施形態に係るサンプリング補助具の他の変形例の概略を示す説明図であり、図5(a)は、斜視図、図5(b)は、正面図、図5(c)は、側面図である。
このようなサンプリング補助具10を用いて、サンプル取り出し流路6を巻取軸11に巻き取った後は、巻き取りを解除してサンプル取り出し流路6を開放する。これにより、サンプリング対象の内容液がサンプル取り出し流路6に流入し、サンプル取り出し流路6がサンプリング対象の内容液で満たされた状態になったら、サンプル取り出し流路6をヒートシールしつつ切断するのは前述した通りである。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、前述した実施形態では、複数の培養容器2a,2b,2cが培地供給容器3に接続された細胞培養用キット1を一例として示したが、本発明は、このような構成の細胞培養用キット1に限定されることなく実施することができる。
すなわち、少なくとも一つの培養容器が培地供給容器に接続された細胞培養用キットにおいて、いずれかの容器に格納される内容液をサンプリングする場合に広く適用することできる。また、培地供給容器は一つに限らず、複数の培地供給容器から培養容器に培地を供給できるように細胞培養用キットを構成することもできる。
また、前述した実施形態では、最後に培養が行われる三次培養容器2cにサンプル取り出し流路6を設けた例について説明したが、他の培養容器2a,2bの一方又は両方にもサンプル取り出し流路6を設けて、他の培養容器2a,2b内の培養液のサンプリングができるようにすることもできる。さらに、培地供給容器3にサンプル取り出し流路6を設けて、培地供給容器3内の培地のサンプリングができるようにすることもできる。換言すれば、サンプリング対象の内容液を格納する容器にサンプル取り出し流路6を設けておくことにより、当該内容液をサンプリングすることができる。
本発明は、細胞培養容器を用いて、無菌的かつ簡便に閉鎖系で細胞を培養する遺伝子治療、免疫療法、再生医療、抗体医薬生産などに好適に利用することが可能である。
1 細胞培養用キット
2a,2b,2c 培養容器
3 培地供給容器
6 サンプル取り出し流路
10 サンプリング補助具
11 巻取軸
12 軸受部
13 ハンドル
14 ガイド壁
14a 切り欠き
15 蓋部
16 把持部

Claims (11)

  1. 培養容器が、前記培養容器に供給される培地が格納された培地供給容器に接続され、閉鎖系の環境を構築して細胞培養を行う細胞培養用キットの内容液をサンプリングする細胞培養用キット内容液のサンプリング方法であって、
    前記培養容器及び前記培地供給容器のうち、サンプリング対象の内容液を格納する容器に、末端が閉塞された管状のサンプル取り出し流路を設けておき、
    培養の途中で又は培養終了後に、
    前記サンプル取り出し流路が設けられた容器に、前記サンプル取り出し流路の内容物を移動させる工程と、
    前記サンプル取り出し流路が設けられた容器の内容液の一部を前記サンプル取り出し流路に流入させる工程と、
    前記サンプル取り出し流路をヒートシールしつつ切断する工程と
    を含むことを特徴とする細胞培養用キット内容液のサンプリング方法。
  2. 前記サンプル取り出し流路を押し潰して、その内容物を押し退けながら前記サンプル取り出し流路が設けられた容器に移動させ、次いで、前記サンプル取り出し流路を開放することで、前記サンプル取り出し流路が設けられた容器の内容液の一部を前記サンプル取り出し流路に流入させる請求項に記載の細胞培養用キット内容液のサンプリング方法。
  3. 請求項1又は2に記載の細胞培養用キット内容液のサンプリング方法に用いる細胞培養用キットであって、
    培養容器が、前記培養容器に供給される培地が格納された培地供給容器に接続され、閉鎖系の環境を構築して細胞培養を行う細胞培養用キットであって、
    前記培養容器及び前記培地供給容器の少なくともいずれか一つに、末端が閉塞された管状のサンプル取り出し流路を設けたことを特徴とする細胞培養用キット。
  4. 前記培養容器を複数備え、前記培養容器の少なくとも一つに、一又は二以上の前記サンプル取り出し流路を設けた請求項に記載の細胞培養用キット。
  5. 前記培地供給容器を複数備え、前記培地供給容器の少なくとも一つに、一又は二以上の前記サンプル取り出し流路を設けた請求項又はに記載の細胞培養用キット。
  6. 前記サンプル取り出し流路に、長手方向に沿って所定の間隔で目盛を付した請求項のいずれか一項に記載の細胞培養用キット。
  7. 請求項に記載の細胞培養用キット内容液のサンプリング方法に用いるサンプリング補助具であって、
    前記サンプル取り出し流路の末端側を保持しつつ、前記サンプル取り出し流路を押し潰しながら巻き取る巻取軸と、
    前記巻取軸の軸受部とを備えることを特徴とするサンプリング補助具。
  8. 前記巻取軸を軸周りに回転させるハンドルを備える請求項7に記載のサンプリング補助具。
  9. 前記軸受部の周縁に沿ってガイド壁を立設し、
    前記サンプル取り出し流路を巻き取る際に、前記サンプル取り出し流路を案内しつつ前記ガイド壁の内側に引き込むための切り欠きを前記ガイド壁に形成した請求項7又は8に記載のサンプリング補助具。
  10. 前記ガイド壁の上端側に、前記巻取軸に巻取られる前記サンプル取り出し流路を覆う蓋部を設けた請求項9に記載のサンプリング補助具。
  11. 前記巻取軸の軸方向と直交する方向に延在する把持部を備えた請求項7〜10のいずれか一項に記載のサンプリング補助具。
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