JP2020178602A - 容器、サンプリング方法、及び、細胞を含む収容物の製造方法 - Google Patents

容器、サンプリング方法、及び、細胞を含む収容物の製造方法 Download PDF

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良至 藤枝
Yoshiyuki Fujieda
良至 藤枝
怜 原田
Rei Harada
怜 原田
将慶 籠田
Shokei Kagota
将慶 籠田
寛子 渡邉
Hiroko Watanabe
寛子 渡邉
政彦 長谷
Masahiko Hase
政彦 長谷
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Abstract

【課題】小量のサンプリングに適したサンプリング容器の提供。【解決手段】容器10は、第1収容部25A及び第2収容部25Bを形成する樹脂製のフィルム材23を有する。フィルム材は、フィルム材の対面する部分を剥離可能に接合した部分であって第1収容部25A及び第2収容部25Bを区分けする仮接合部28を有する。仮接合部28でフィルム材23の対面する部分を剥がすことで、第1収容部25Aの収容物Cを第2収容部25Bに移動させることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、容器、サンプリング方法、及び、細胞を含む収容物の製造方法に関する。
例えば細胞の培養などは閉鎖された無菌の環境で行われる。閉鎖された環境は、培養容器、培地収容容器、排液容器等を筒状の部材で接続することで構築され、外部の菌等から隔離された環境内での内容物に対する処理を可能にする。閉鎖された無菌環境に維持された容器内で内容物の処理を行う間、容器内の内容物をサンプリングして内容物の状態や品質等を確認又は評価する必要が生じる。例えば、処理容器内で細胞を培養する場合、培養の進行や培地の濃度等を確認する必要がある。特許文献1では、筒状部材等の接続手段を介してサンプル採取用のサンプリング容器を処理容器に接続し、このサンプリング容器にサンプルを取得することが提案されている。
特開2018−61519号公報
特許文献1に開示された方法によれば、サンプリング容器を閉鎖系環境に接続することで、培養容器等の容器を閉鎖された無菌環境に維持しながら、サンプリングを実施することができる。しかしながら、特許文献1に開示されているように、専用のサンプリング容器を処理容器とは別個に用意する場合、サンプリング対象を収容した容器からサンプリング容器までの経路が長くなる。したがって、小量のサンプリングには適さない。また、系に接続されていないサンプリング容器を無菌状態に維持しておく、或いは使用前に都度殺菌処理する必要もある。さらに、処理容器やサンプリング容器を含む閉鎖系環境に維持されたキット全体の構成が複雑化し、その使用や取り扱いも煩雑となる。
すなわち、従来のサンプリング方法は十分とは言えなかった。
一方、本件発明者等は、サンプリング対象を収容物として収容した容器自体に工夫を施すことによって、収容物の一部を採取し得ることを知見した。本発明は、このような本件発明者等の知見に基づくものであり、従来とは異なる新たな手法で、容器に収容された収容物の一部を採取することを可能にすることを目的とする。
本開示による第1の容器は、
第1収容部及び第2収容部を形成する樹脂製のフィルム材を備え、
前記フィルム材は、前記フィルム材の対面する部分を剥離可能に接合した部分であって前記第1収容部及び前記第2収容部を区分けする仮接合部を有し、
前記仮接合部で前記フィルム材の対面する部分を剥がすことで、前記第1収容部の収容物を前記第2収容部に移動させることができる。
本開示による第1の容器において、
前記フィルム材は、前記フィルム材の対面する部分を接合した部分であって前記第1収容部及び前記第2収容部の少なくとも一方の周縁に位置する接合部を有し、
前記仮接合部は、前記接合部に隣接し、
前記仮接合部での前記フィルム材の対面する部分の接合強度は、前記接合部での前記フィルム材の対面する部分の接合強度よりも低くなっていてもよい。
本開示による第1の容器において、前記仮接合部に、前記フィルム材の対面する部分の剥離を補助する構成を有した剥離補助部が設けられていてもよい。
本開示による第1の容器において、前記仮接合部で前記フィルム材の対面する部分を剥がす際に前記フィルム材を把持しやすくする構成を有した把持部が、前記フィルム材に設けられていてもよい。
本開示による第1の容器において、前記仮接合部の幅は10mm以上であってもよい。
本開示による第1の容器において、前記仮接合部をなしていた前記フィルム材の対面する部分は、互いから剥がされた後に加熱および加圧することで溶着可能であってもよい。
本開示による第2の容器は、
収容物を収容する収容部を形成する樹脂製のフィルム材を備え、
前記フィルム材は、前記フィルム材の対面する部分を溶着することで前記収容部を第1収容部及び第2収容部に区分け可能な区分け部を含む。
本開示による第2の容器は、
前記第1収容部を含む第1容器部と、
前記第2収容部を含み、前記第1容器部に接続した第2容器部と、を備え、
前記第2容器部は、前記第1容器部から突出していてもよい。
本開示による第2の容器において、前記区分け部は、前記第1収容部を取り囲む前記第1容器部の周縁及び前記第2収容部を取り囲む前記第2容器部の周縁の少なくとも一方に設けられていてもよい。
本開示による第2の容器において、前記区分け部に、前記第1収容部を含む第1容器部から前記第2収容部を含む第2容器部を分離させるための前記区分け部の切断を補助する構成を有した切断補助部が、設けられていてもよい。
本開示による第2の容器において、前記区分け部に、前記第1収容部を含む第1容器部から前記第2収容部を含む第2容器部を分離させるための前記区分け部の切断の開始位置をなす開始部が、設けられていてもよい。
本開示による第1及び第2の容器において、前記フィルム材に、前記第2収容部内に収容された収容物の量を示す表示が設けられていてもよい。
本開示による第1及び第2の容器において、前記収容物は細胞を含んでいてもよい。
本開示によるサンプリング方法は、
対面する部分を接合された樹脂製のフィルム材を有する容器の第1収容部及び第2収容部に収容物を収容する工程と、
前記第1収容部と前記第2収容部との間となる区分け部において前記フィルム材の対面する部分を溶着することで、前記第1収容部及び前記第2収容部を区分けする工程と、を備える。
本開示によるサンプリング方法は、前記区分け部を切断して、前記第1収容部を含む第1容器部から前記第2収容部を含む第2容器部を分離させる工程を、さらに備えるようにしてもよい。
本開示によるサンプリング方法は、
前記フィルム材の対面する部分を剥離可能に溶着し前記第1収容部及び前記第2収容部を区分けした仮接合部で、前記フィルム材の対面する部分を剥がす工程を、更に備え、
前記第1収容部及び第2収容部に収容物を収容する工程において、前記第1収容部に収容した収容物を前記第2収容部に流入させるようにしてもよい。
本開示によるサンプリング方法の記第1収容部及び前記第2収容部を区分けする工程において、前記仮接合部をなしていた前記フィルム材の対面する部分を溶着することによって、前記第1収容部及び前記第2収容部を区分けする前記区分け部を形成するようにしてもよい。
本開示によるサンプリング方法において、前記収容物は細胞を含むようにしてもよい。
本開示による細胞を含む収容物の製造方法は、上述した本開示によるサンプリング方法のいずれかを含む。
本発明によれば、容器に収容された収容物の一部を採取することができる。
図1は、容器の一具体例を示す平面図である。 図2は、図1の容器を示す平面図であって、図1とは異なる状態で容器を示している。 図3は、図1の容器を示す平面図であって、図1及び図2とは異なる状態で容器を示している。 図4は、図1の容器を示す平面図であって、図1〜図3とは異なる状態で容器を示している。 図5は、容器の一変形例を説明するための図であって、容器の一部分を拡大して示す平面図である。 図6は、容器の他の変形例を説明するための図であって、容器の一部分を拡大して示す平面図である。 図7は、容器の仮接合部の作製方法を説明するための断面図である。 図8は、容器の区分け部の作製方法を説明するための断面図である。 図9は、容器の区分け部の作製方法を説明するための正面図である。 図10は、容器の更に他の変形例を説明するための平面図である。 図11は、容器の更に他の変形例を説明するための平面図である。 図12は、容器の更に他の変形例を説明するための平面図である。
図面を参照して本開示の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1〜図12は、本開示の一実施の形態を説明するための図であって、容器の具体例を示している。図示するように、容器10は、収容物Cを収容するための収容部25を画成する容器本体20を有している。容器10は、収容部25に収容した収容物Cの一部を、収容物Cの残りから区分けして採取することができるようになっている。この容器10は、生体物質を収容する容器として用いられる。生体物質は、生物の体内に存在し得る物質であり、例えば細胞や細胞から分泌される分泌物質等を例示することができる。したがって、容器10は、特許文献1及び特許文献2に記載されるような閉鎖系の細胞培養システムに組み込まれて、例えば細胞培養容器として、用いられ得る。そして、とりわけ本実施の形態の容器10は、小量の収容物Cから小量のサンプルを採取することにも適しており、また、容器10が接続された系全体の構成を簡素化すること並びにサンプル採取時の操作を単純化することができる。
とりわけ図示された例においては、閉鎖された無菌環境に維持された収容部25内の収容物Cの一部を、閉鎖された無菌環境を維持しながら、採取することができるようになっている。したがって、図示された容器10は、細胞や食品等を含む収容物Cのように、外部の菌から遮断された閉鎖系環境下で取り扱われることが要求される収容物Cに対して好適である。
以下においては、容器10に収容された収容物Cが細胞を含んでいる例について説明する。一例として、容器10に収容される収容物Cには、人体等の組織や細胞シート等の培養済みの細胞や、培養前の細胞を含んだ細胞懸濁液が含まれる。この例において、容器10の収容部25は、閉鎖された環境、すなわち外部の菌等から隔離された環境に維持される。閉鎖された環境に維持された収容部25において、培養、凍結、凍結保存、解凍といった処理が収容物Cに対して実施される。ただし、本実施の形態の容器10は、このような例に限られず、例えばサンプリングとして収容物Cを採取または区分けすることが要望される種々の用途に好適であって、これらの用途に有効に適用され得る。
なお、本件明細書で用いる「液体」は、厳密な液体に限られることなく、細胞、タンパク質、粒子等が溶媒に分散した懸濁液も含むものとする。
次に、図1〜図4を主として参照しながら、容器10について更に詳述する。なお、図1〜図4は、同一の容器を異なる使用状態で示している。
図1〜図4に示すように、容器10は収容部25を含む容器本体20を有している。容器本体20は、樹脂製のフィルム材23を用いて形成されている。図示された例において、容器本体20は、重ねられた二枚の樹脂製のフィルム材23を有している。二枚のフィルム材23は、容器本体20の収容部25を取り囲む周縁部26において、互いに対面する部分を接合されている。すなわち、フィルム材23は、容器本体20の周縁部26となる領域に、フィルム材23の対面する部分を接合してなる接合部27を有している。フィルム材23の対面する部分が接合部27で接合されることで、収容部25が周縁部26によって取り囲まれる領域に画成されている。フィルム材23の接合部27での接合は、典型的には、熱溶着によるが、この例に限られず、フィルム材23の対面する部分を接合する接着剤や粘着剤等の接合層を含むようにしてもよい。
ただし、この例に限られず、容器本体20は、折り返された一枚の樹脂製のフィルム材23を有するようにしてもよい。この例において、フィルム材23の折り返し部によって形成された縁部を除く容器本体20の周縁部26に、フィルム材23の接合部27が形成される。フィルム材23の折り返し部と接合部27とによって、収容部25が周縁部26によって取り囲まれる領域に画成されている。
また、容器本体20の収容部25は、第1収容部25A及び第2収容部25Bを含んでいる。さらに、容器本体20は、第1収容部25Aを形成する第1容器部21と、第2収容部25Bを形成する第2容器部22と、を有している。このうち、第1収容部25Aは、収容物Cの通常の貯蔵部となる。一方、第2収容部25Bは、第1収容部25Aに収容された収容物Cの一部を採取するサンプリング用の収容部として機能する。このため、第1収容部25Aの容積は、第2収容部25Bの容積よりも大きくなっている。
第1収容部25Aは、平面視において、矩形形状となっている。図示された例において、第1収容部25Aは、凹部等の液溜りが生じ易くなる部分を含んでいない。第1収容部25Aを画成する第1容器部21も、平面視において、矩形形状となっている。第2容器部22は、第1容器部21から突出している。図示された例において、第2容器部22は、第1容器部21の底部から当該底部の底面に沿った方向に突出している。図示された例において、第2収容部25Bは、平面視において、矩形形状となっている。そして、第2容器部22も、平面視において、矩形形状となっている。
容器本体20は、その使用状態に応じて、第1収容部25A及び第2収容部25Bが互いから区分けされた隔離状態と、第1収容部25A及び第2収容部25Bが互いに通じた連通状態と、を取るようになる。図2に示された状態において、容器本体20は連通状態におかれ、第1収容部25A及び第2収容部25Bは互いに通じている。このとき、第1収容部25A及び第2収容部25Bを含む収容部25を取り囲む周縁部26において、すなわち接合部27において、フィルム材23の対面する部分が接合されている。
一方、図1、図3及び図4に示された状態において、容器本体20は隔離状態におかれ、第1収容部25A及び第2収容部25Bは互いから区分けされている。このとき、収容部25を取り囲む容器本体20の周縁部26に加え、第1収容部25A及び第2収容部25Bの間となる領域においても、フィルム材23の互いに対面する部分が接合されている。第1収容部25Aは、周縁部26の一部分と第1収容部25A及び第2収容部25Bの間となる部分とによって区画されている。第2収容部25Bは、周縁部26の他の一部分と第1収容部25A及び第2収容部25Bの間となる部分とによって区画されている。
図示された容器10では、図1に示された第2収容部25Bに収容物Cを採取する前、フィルム材23は、第1収容部25A及び第2収容部25Bの間となる領域に仮接合部28を有している。仮接合部28において、フィルム材23の互いに対面する部分が互いに接合されている。この仮接合部28が、第1収容部25A及び第2収容部25Bの間に位置することで、第1収容部25A及び第2収容部25Bが区分けされ、収容物Cの第1収容部25A及び第2収容部25Bの間での移動が規制される。ただし、仮接合部28において、フィルム材23に対面する部分は剥離可能に接合されている。仮接合部28でフィルム材23の対面する部分を互いから剥がすことで、図2に示すように、第1収容部25A及び第2収容部25Bを互いに通じさせることができる。
図1に示すように、フィルム材23の接合部27の一部分と仮接合部28とによって、第1収容部25Aが区画されている。また、フィルム材23の接合部27の他の一部分と仮接合部28とによって、第2収容部25Bが区画されている。仮接合部28は、第1収容部25Aの周縁に沿って接合部27に隣接し、第2収容部25Bの周縁に沿っても接合部27に隣接している。すなわち、仮接合部28は、収容部25の周囲を延びる接合部27の互いに離間した二つの位置に接続するように設けられている。
仮接合部28での剥離作業を容易化する観点から、好ましくは、仮接合部28でのフィルム材23の対面する部分の接合強度は、接合部27でのフィルム材23の対面する部分の接合強度よりも低くなっている。なお、接合部27の接合強度および仮接合部28の接合強度は、JIS Z 0238 1998年に準拠して、株式会社オリエンテック製のテンシロン万能材料試験機RTC−1310Aにて測定された剥離に要する力の大小に基づいて評価され、剥離に要する力が大きいほど接合強度が高いことになる。
接合部27及び仮接合部28においてフィルム材23の互いに対面する部分を溶着によって接合する場合、熱溶着加工時における加工条件を変更することで、仮接合部28の接合強度を接合部27の接合強度よりも弱くすることができる。例えば、仮接合部28を作製する際に、接合部27を作製する際と比較して、熱溶着加工時における温度を低くする、加工時間を短くする、加工圧力を低くする、或いは、これらから選択される二以上の組み合わせによって、仮接合部28の接合強度を接合部27の接合強度よりも弱くすることができる。
ここで、図7は、熱溶着加工を説明するための断面図であって、図1のVII−VII線に沿った断面に相当する断面においてフィルム材23を示している。フィルム材23を加熱および加圧するヒートバー71,72の一方71が、仮接合部28に対面する位置に凹部71aを有している。図示された一例では、凹部71aを設けることで、ヒートバー71が、フィルム材23の仮接合部28を形成するようになる領域に直接接触しないようになっている。図7に示された例において、一対のヒートバー71,72が、フィルム材23の互いに対面する二つの部分を加熱加圧することで、フィルム材23の対面する二つの部分が溶着する。ただし、フィルム材23の仮接合部28を形成する部分に加えられる圧力は、凹部71aに起因して、フィルム材23の接合部27を形成する部分に加えられる圧力よりも低くなる。同様に、フィルム材23の仮接合部28を形成する部分に加えられる温度は、凹部71aに起因して、フィルム材23の接合部27を形成する部分に加えられる温度よりも低くなる。結果として、得られた容器10において、仮接合部28の接合強度は接合部27の接合強度よりも低くなる。
なお、図7に示された例において、凹部71aが一方のヒートバー71のみに設けられているが、他方のヒートバー71の仮接合部28に対面する位置にも凹部が設けられていてもよい。
ただし、図7に示された例とは異なり、フィルム材23を接合部27において強く固定する工程と、フィルム材23を仮接合部28において弱く固定する工程と、を行うようにしてもよい。この例において、フィルム材23を接合部27において強く固定する工程およびフィルム材23を仮接合部28において弱く固定する工程のどちらを先に実施してもよい。また、フィルム材23を仮接合部28において弱く固定する工程において、ヒートバーがフィルム材23の接合部27をなす領域にも接触するようにしてもよい。
同様に、仮接合部28での剥離作業を容易化する観点から、仮接合部28の幅Wは10mm以上となっていることが好ましい。ここで、仮接合部28の幅Wは、図1に示すように、第1収容部25A及び第2収容部25Bを結ぶ方向に直交する方向に沿った仮接合部28の長さに相当する。言い換えると、仮接合部28の幅Wは、第1収容部25A及び第2収容部25Bの境界に沿った仮接合部28の長さに相当する。
さらに図示された容器10では、図3に示された第2収容部25Bに収容物Cを採取した後、フィルム材23は、第1収容部25A及び第2収容部25Bの間となる領域に区分け部29を有するようになる。区分け部29において、フィルム材23の互いに対面する部分は溶着されている。この区分け部29が、第1収容部25A及び第2収容部25Bの間に位置することで、第1収容部25A及び第2収容部25Bが区分けされる。すなわち、区分け部29によって、第1収容部25A及び第2収容部25Bの間での収容物Cの移動が規制される。
図3に示すように、フィルム材23の接合部27の一部分と区分け部29とによって、第1収容部25Aが区画されている。また、フィルム材23の接合部27の他の一部分と区分け部29とによって、第2収容部25Bが区画されている。区分け部29は、第1収容部25Aの周縁に沿って接合部27に隣接し、第2収容部25Bの周縁に沿っても隣接している。すなわち、区分け部29は、収容部25の周囲を延びる接合部27の互いに離間した二つの位置に接続するように設けられている。
なお、容器10の大型化を抑制する観点から、上述した仮接合部28が設けられた位置に、区分け部29が設けられることが好ましい。したがって、仮接合部28をなしていたフィルム材23の対面する部分が、互いから剥がされた後に、加熱および加圧することで再び溶着可能となっていることが好ましい。
フィルム材23に用いられる材料は、図示された例において収容物Cを無菌的に収容できるものであれば特に限定されないが、容器本体20の外部から収容部25を視認できる程度に透明性があることが好ましい。具体例として、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン等のポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー(C−FLEX等)、ポリスチレン、エチレンビニルアルコール共重合体、ナイロン、その他ポリオレフィンからなる、または前記材料のうち2種以上の積層体や複合体により形成されるなどをフィルム材23の材料として好適に用いることができる。
なお、第1容器部21及び第2容器部22は、同一のフィルム材23から一体的に形成されていてもよいし、別個のフィルム材23から形成されていてもよい。第1容器部21及び第2容器部22が別個のフィルム材23を用いて形成されている場合には、第1容器部21をなすフィルム材23と第2容器部22をなすフィルム材23は、溶着可能であることが好ましく、典型的には同一材料で形成されていることが好ましい。溶着により第1容器部21及び第2容器部22を接合することで、接着剤や粘着剤等の接合材を不要するとすることができる。接合材を不要にすることで、接合材に起因した汚染を防止することができる。
接合部27、仮接合部28及び区分け部29において、フィルム材23の互いに対面する部分を溶着によって接合する上で、フィルム材23の互い対面する部分の少なくとも一方は、他方に対面する層として、熱可塑性樹脂を含んだシーラント層を有していることが好ましい。
次に、容器10の第1収容部25Aに収容された収容物Cの一部を採取する際の作用について説明する。
まず、図1に示された容器10を用いて、例えば閉鎖された無菌環境が構築される。容器10の第1収容部25Aが、閉鎖された無菌環境に通じている。そして、第1収容部25Aには、収容物Cが収容されている。図示された例では、最初の状態において、収容物Cを収容した第1収容部25Aは、区分け部29を介して第2収容部25Bから分断されている。すなわち、図1に示すように、第1収容部25Aは、区分け部29によって第2収容部25Bから隔離されている。
区分け部29では、フィルム材23の対面する部分が剥離可能に溶着している。まず、区分け部29において、フィルム材23の対面する部分を互いにから剥離させる。具体的には、フィルム材23の対面する部分を互いにから引き剥がす。これにより、図2に示すように、第2容器部22が第1容器部21に通じるようになる。そして、第1容器部21に収容された収容物Cの一部が、第2容器部22に移動する。なお、第2容器部22が第1容器部21の底部において第1容器部21に接続することで、重力を利用して、第1容器部21から第2容器部22へ収容物Cを容易に移動させること、とりわけ液体の収容物Cを流入させることができる。このようにして、第1容器部21及び第2容器部22の両方に同一の収容物Cを収容することができる。
なお、上述したように、仮接合部28がその両端において接合部27に接続しており、仮接合部28でのフィルム材23の接合強度が接合部27でのフィルム材23の接合強度よりも低くなっている場合、仮接合部28のみにおいて安定してフィルム材23を引き剥がすことができる。すなわち、フィルム材23の剥離が剥がれやすい仮接合部28のみにおいて生じ、剥がれにくい接合部27まで剥離が進むことを効果的に防止することができる。この結果、容器本体20の破損等を効果的に防止して、第1収容部25Aを閉鎖された無菌環境に安定して維持することが可能となる。
同様に上述したように、仮接合部28でのフィルム材23の剥離操作を容易化する観点から、仮接合部28の幅Wは狭すぎない方が良い。本件発明者等が確認したところ、上述の材料を用いて作製されるフィルム材23の仮接合部28での剥離操作を容易に実施することを可能にする観点から、仮接合部28の幅Wを10mm以上とすることが有効であった。本件発明者等は、仮接合部28の幅Wを8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、20mmとしたサンプルを実際に作製して、各サンプルでの剥離操作を確認した。この実験では、仮接合部28の幅Wが10mm未満であると、フィルム材23を剥離させるための十分な大きさの力を仮接合部28に有効に加えることができず、仮接合部28においてフィルム材23を剥離させることができなかった。
さらに、図5に示された例によれば、仮接合部28での剥離操作を容易に実施可能とすることができる。図5に示された容器10では、フィルム材23の対面する部分の剥離を促進する構成を有した剥離補助部33が、仮接合部28に設けられている。図示された剥離補助部33は、一例として、凹部または切欠となっており、この凹部または切欠が剥離の起点となってフィルム材23の剥離操作を補助する。さらに、図5に示された容器10には把持部34が設けられている。把持部34は、仮接合部28でフィルム材23の対面する部分を剥がす際にフィルム材23を把持しやすくする構成を有している。図示された把持部34は、フィルム材23に固定された突起物からなり、つまみを構成している。ただし、この例に限られず、把持部34は、フィルム材23を把持しやすくする種々の構成、例えばフィルム材23を延伸して形成した突出部であってもよいし、フィルム材23に形成された皺部であってもよい。図5の示された例によれば、剥離補助部33や把持部34を利用することで、仮接合部28でフィルム材23を安定して容易に剥離させることが可能となる。これにより、第1収容部25Aを閉鎖された無菌環境に安定して維持しながら、第1収容部25Aの収容物Cの一部を第2収容部25Bに採取することができる。
その後、第1収容部25Aと第2収容部25Bとの間となる区分け部29において、フィルム材23の対面する部分を溶着する。これにより、図3に示すように、第1収容部25Aは、再び、第2収容部25Bから区分けされる。
とりわけ図示された例において、仮接合部28をなしていたフィルム材23の対面する部分は、互いから剥がされた後に加熱および加圧することで溶着可能となっている。例えば、仮接合部28で溶着していた熱可塑性樹脂を含むシーラント層を再度溶着させることで、仮接合部28をなしていたフィルム材23の対面する部分を再度溶着させることができる。そして、図1及び図3に示された例では、仮接合部28をなしていたフィルム材23の対面する部分を溶着することによって、第1収容部25A及び第2収容部25Bを区分けする区分け部29を形成している。このように、仮接合部28および区分け部29をフィルム材23の少なくとも部分的に同一の領域に形成することで、容器本体20の大型化を効果的に抑制することができ、これにともなって容器10の取り扱い性を向上させることができる。
ここで、図8は、フィルム材23の互いに対面する部分を溶着させて区分け部29を形成する工程を説明するための断面図である。図8は、図7と同一の位置にてフィルム材23を示している。図8に示された例において、フィルム材23を加熱および加圧するヒートバー73,74の一方73が、区分け部29に対面する位置に凸部73aを有している。凸部73aの突出高さは、例えば、フィルム材23の厚みよりも厚くなっている。図8に示された例において、一対のヒートバー73,74が、フィルム材23の互いに対面する二つの部分を加熱加圧することで、二つの部分が溶着する。このとき、フィルム材23は、ヒートバー73の凸部73aに対面する領域のみで加熱加圧され、この領域に区分け部29が形成される。
なお、図8に示された例において、凸部73a一方のヒートバー73のみに設けられている例を示しているが、他方のヒートバー74の区分け部29に対面する位置にも凸部が設けられていてもよい。
ところで、区分け部29を形成する際、第1収容部25A及び第2収容部25B内の収容物Cをヒートバー73,74の熱で損傷してしまうことを防止するため、フィルム材23の加熱加圧は、図9に示すように、区分け部29が形成される領域を持ち上げた状態で実施されることが好ましい。図9に示された例によれば、収容部25内の収容物Cがヒートバー73,74から離間するので、加熱による収容物Cの損傷を効果的に回避することができる。
また、第2収容部25Bに適量の収容物Cを採取することができるよう、第2容器部22に、第2収容部25B内に収容された収容物Cの量を示す表示35が、設けられていても良い。図6に示された例において、第2収容部25Bは、区分け部29から離間する方向に長手方向を有している。そして、表示35は、区分け部29から離間する位置を底部として第2収容部25B内に収容された収容物Cの体積を示す指標を有している。
次に、区分け部29を切断して、第1収容部25Aを形成する第1容器部21から第2収容部25Bを形成する第2容器部22を分離させる。その後、第2容器部22の第2収容部25Bから収容物Cが取り出され、取り出された収容物Cの状態や品質等の確認や評価が行われる。第1容器部21から第2容器部22を分離させておくことで、第2容器部22の第2収容部25Bから収容物Cを採取する際、閉鎖された無菌環境に接続した第1容器部21によって第2容器部22の取り扱いが阻害されることを効果的に回避することができる。
以上のようにして、容器10の第1収容部25A内の収容物Cの一部を、第1収容部25Aから区分けされた第2収容部25Bに採取すること、すなわちサンプリングすることができる。したがって、収容物Cを収容した第1収容部25Aを閉鎖された無菌環境に維持しながら、収容物Cの状態や品質等を確認または評価することができる。そして、容器10を含むシステムによれば、このようなサンプリング方法を用いて収容物Cの状態や品質等を確認または評価しながら、例えば細胞を含む収容物Cを製造することができる。
とりわけ、以上に説明した容器10及びサンプリング方法によれば、第1収容部25A及び第2収容部25Bが一つの容器10に配置され、第1収容部25A及び第2収容部25Bを近接配置することが可能である。したがって、背景技術の欄で説明した特開2018−61519号公報とは異なり、第1収容部25Aと第2収容部25Bとの間の経路中に大量の収容物Cを無駄にすることもない。すなわち、以上に説明した容器10及びサンプリング方法は、小量の収容物Cから小量のサンプルを採取することにも好適である。また、以上に説明した容器10及びサンプリング方法によれば、容器10の仮接合部28や区分け部29を操作することで収容物Cの一部を採取することが可能となる。
なお、区分け部29での第1容器部21及び第2容器部22の分離作業を補助する目的で、図6に示すように、区分け部29に切断補助部31が設けられていてもよい。切断補助部31は、第1容器部21から第2容器部22を分離させるための区分け部29の切断を補助する構成を有している。すなわち、切断補助部31は、区分け部29においてフィルム材23を切断し易くする構成を有している。切断補助部31の具体例として、線状に延びる薄肉部や、フィルム材23を貫通しないように形成された線状または点線状の切り込みや切欠を例示することができる。
また、区分け部29での第1容器部21及び第2容器部22の分離作業を補助する目的で、図6に示すように、区分け部29に開始部32が設けられていてもよい。開始部32は、第1容器部21から第2容器部22を分離させるための区分け部29の切断の開始位置をなす構成を有している。開始部32の具体例として、区分け部29に設けられた切り込みや切欠を例示することができる。
切断補助部31によれば、その長手方向に沿って、すなわち図6の点線に沿って区分け部29を切断することが促進され、区分け部29を安定して切断することができる。同様に、開始部32によっても、区分け部29の切断が促進され、区分け部29を安定して切断することができる。したがって、切断補助部31又は開始部32によれば、意図せず第1容器部21や第2容器部22を切断してしまい、第1収容部25Aや第2収容部25Bを外部に開放してしまうことを効果的に防止することができる。これにより、収容物Cを収容した第1収容部25Aを閉鎖された無菌環境に安定して維持しながら、第2収容部25Bを第1収容部25Aから切り離すことができる。これにより、収容物Cを安定して正確に確認することができる。
以上に説明した一実施の形態において、容器10は、収容物Cを収容する収容部25を形成する樹脂製のフィルム材23を有している。フィルム材23は、フィルム材23の対面する部分を溶着することで収容物Cを、主たる収容部としての第1収容部25Aとサンプル収容部としての第2収容部25Bとに区分け可能な区分け部29を含んでいる。このような一実施の形態によれば、第1収容部25A内の収容物Cの一部を第1収容部25Aから区画された第2収容部25Bに採取、すなわちサンプリングすることができる。したがって、収容物Cを収容した第1収容部25Aを閉鎖された無菌環境に維持しながら、収容物Cの状態や品質等を確認または評価することができる。とりわけ、この一実施の形態は、小量の収容物Cから小量のサンプルを採取することにも好適である。また、この一実施の形態によれば、この容器10とともに閉鎖された系全体の構成を簡素化すること並びにサンプル採取時の操作を単純化することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、容器10は、第1収容部25Aを形成する第1容器部21と、第2収容部25Bを形成し第1容器部21に接続した第2容器部22と、を有している。第2容器部22は、第1容器部21から突出している。このような具体例によれば、第2容器部22を第1容器部21から分離させやすく、更に第1容器部21から分離した第2容器部22から収容物Cのサンプルを安定して容易に採取することができる。或いは、第1容器部21に阻害されることなく第2容器部22から収容物のサンプルを安定して容易に採取することができる。したがって、収容物Cを収容した第1収容部25Aを閉鎖された無菌環境に安定して維持しながら、収容物Cの状態や品質等を確認または評価することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、区分け部29は、第1収容部25Aを取り囲む第1容器部21の周縁及び第2収容部25Bを取り囲む第2容器部22の周縁の少なくとも一方に設けられている。このような具体例によれば、第1収容部25Aや第2収容部25Bを区画する周縁の一部を区分け部29として利用しているので、容器10の大型化を効果的に抑制することができる。
以上に説明した一実施の形態において、容器10は、第1収容部25A及び第2収容部25Bを形成する樹脂製のフィルム材23を有している。フィルム材23は、フィルム材23の対面する部分を剥離可能に接合した部分であって第1収容部25A及び第2収容部25Bを区分けする仮接合部28を有している。仮接合部28でフィルム材23の対面する部分を剥がすことで、第1収容部25Aの収容物Cを第2収容部25Bに流入させることができる。このような一実施の形態によれば、第1収容部25Aを閉鎖された無菌環境に維持しながら、第1収容部25Aで培養や保管等された収容物Cの一部を第2収容部25Bに採取、すなわちサンプリングすることができる。これにより、収容物Cを収容した第1収容部25Aを閉鎖された無菌環境に維持しながら、収容物Cの状態や品質等を確認または評価することができる。とりわけ、この一実施の形態は、小量の収容物Cから小量のサンプルを採取することにも好適である。また、この一実施の形態によれば、この容器10とともに閉鎖された系全体の構成を簡素化すること並びにサンプル採取時の操作を単純化することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、仮接合部28をなしていたフィルム材23の対面する部分は、互いから剥がされた後に加熱および加圧することで溶着可能となっている。このような具体例によれば、第1収容部25A内の収容物Cの一部を第1収容部25Aから区画された第2収容部25Bに採取、すなわちサンプリングすることができる。したがって、収容物を収容した第1収容部を閉鎖された無菌環境に維持しながら、収容物の状態や品質等を確認または評価することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、収容物Cは細胞を含んでいる。上述の一実施の形態によれば、第1収容物Cを閉鎖された無菌環境に安定して維持しながら、第1収容部25Aの収容物Cの一部を第2収容部25Bに採取することができる。したがって、上述の一実施の形態は細胞を含んだ収容物Cに対して好適である。
以上に説明した一実施の形態において、サンプリング方法は、対面する部分を接合された樹脂製のフィルム材23を有する容器10の第1収容部25A及び第2収容部25Bに収容物Cを収容する工程と、第1収容部25Aと第2収容部25Bとの間となる区分け部29においてフィルム材23の対面する部分を溶着することで第1収容部25A及び第2収容部25Bを区分けする工程と、を有している。このような一実施の形態によれば、第1収容部25A内の収容物Cの一部を第1収容部25Aから区画された第2収容部25Bに採取、すなわちサンプリングすることができる。したがって、収容物Cを収容した第1収容部25Aを閉鎖された無菌環境に維持しながら、収容物Cの状態や品質等を確認または評価することができる。とりわけ、この一実施の形態は、小量の収容物Cから小量のサンプルを採取することにも好適である。また、この一実施の形態によれば、この容器10とともに閉鎖された系全体の構成を簡素化すること並びにサンプル採取時の操作を単純化することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、サンプリング方法は、フィルム材23の対面する部分を剥離可能に溶着し第1収容部25A及び第2収容部25Bを区分けした仮接合部28で、フィルム材23の対面する部分を剥がす工程を、更に有している。そして、第1収容部25A及び第2収容部25Bに収容物Cを収容する工程において、第1収容部25Aに収容した収容物Cを第2収容部25Bに流入させる。このような具体例によれば、第1収容部25Aで培養や保管等された収容物Cの一部を第2収容部25Bに採取、すなわちサンプリングすることができる。また、第1収容部25Aの形状を培養や保管等に適した形状、例えば凸部や凹部を含まない形状とすることができ、これにより、第1収容部25Aにおいて均一な培養や保管等を実現することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、収容物Cは細胞を含んでいる。上述の一実施の形態によれば、第1収容物Cを閉鎖された無菌環境に安定して維持しながら、第1収容部25Aの収容物Cの一部を第2収容部25Bに採取することができる。したがって、上述の一実施の形態は細胞を含んだ収容物Cに対して好適である。
一実施の形態を複数の具体例により説明してきたが、これらの具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加を行うことができる。
以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した具体例と同様に構成され得る部分について、上述の具体例における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
上述の具体例において、第1収容部25A及び第2収容部25Bが平面視において矩形形状を有する例を示したが、この例に限られない。例えば、図10に示すように、第1収容部25Aが突出部を有し、仮接合部28又は区分け部29が、第1収容部25Aを区画するその他の周縁からずれて位置するようにしてもよい。
また、上述の具体例において、区分け部29と仮接合部28がフィルム材23の同一の領域に形成される例を示したが、これに限られず、区分け部29と仮接合部28がフィルム材23の異なる領域に形成されるようにしてもよい。
さらに、上述の具体例において、容器10が、一つの第1収容部25Aと一つの第2収容部25Bとを有する例を示したが、この例に限られない。図11に示すように、容器10が、一つの第1収容部25Aに対して、サンプル採取用の複数の第2収容部25Bを有するようにしてもよい。
さらに、上述の具体例において、容器10に仮接合部28が設けられている例を示した。この例において、仮接合部28を介して第2収容部25Bが第1収容部25Aから隔離され、第1収容部25Aのみが無菌環境系に接続され、第1収容部25Aにおいて収容物Cの処理等が実施される例を示した。しかしながら、この例に限られず、容器10に仮接合部28が設けられていなくてもよい。この変形例によれば、第1収容部25A及び第2収容部25Bが無菌環境系に接続され、第1収容部25A及び第2収容部25Bにおいて収容物Cの処理等が実施されるようにしてもよい。
さらに、上述の具体例において、区分け部29を切断して第2容器部22を第1容器部21から分離する工程を設けていたが、この例に限られず、この工程を省略してもよい。この変形例において、第1容器部21に接続した第2容器部22の第2収容部25Bから試験や評価用の収容物Cを抜き取るようにしてもよい。
さらに、上述の具体例において、容器10が含まれる系の接続手段52が容器10の容器本体20に接続している例を示したが、この例に限られない。図12に示すように、容器10が、容器本体20と、容器本体20に接続した筒状部材15と、を有するようにしてもよい。図示された例において、二つの筒状部材15が、容器本体20とは別体として容器本体20に設けられている。筒状部材15は接合部27を通過している。各筒状部材15の一方の端部は第1収容部25Aの内部に位置している。ただし、筒状部材15は、容器本体20と一体的に成形されていてもよい。また、筒状部材15の端部が接合部27に保持され、接合部27に保持された端部において筒状部材15が第1収容部25Aに開口するようにしてもよい。
なお、容器10が筒状部材15を介して他の容器等に接続されていない状態のとき、筒状部材15の容器本体20から離間する側の端部は密封されていることが好ましい。筒状部材15の端部が密封されることで、容器本体20の収容部25を閉鎖された無菌環境に維持することができる。一方、使用に際して、例えば無菌接続装置を用いて、他の容器等に通じる接続手段52等と筒状部材15を無菌接続することができる。筒状部材15の端部を熱封止により密封しやすいように、溶融温度が低く軟質性が高い材料によって筒状部材15が作製されていることが好ましい。具体例として、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、C−FEX等を筒状部材15の材料として用いることができる。
あるいは、筒状部材15の容器本体20から離間する側の端部に無菌接続ポートが設けられ、使用時に他の容器等に通じる接続手段52等と無菌的に接続し得るようにしてもよい。無菌接続ポートは、複数の接続口を有して、複数の器具に接続可能としてもよい。
C 収容物
10 容器
15 筒状部材
20 容器本体
21 第1容器部
22 第2容器部
23 フィルム材
25 収容部
25A 第1収容部
25B 第2収容部
26 周縁部
27 接合部
28 仮接合部
29 区分け部
31 切断補助部
32 開始部
33 剥離補助部
34 把持部
35 表示
71 ヒートバー
71a 凹部
72 ヒートバー
73 ヒートバー
73a 凸部
74 ヒートバー

Claims (19)

  1. 第1収容部及び第2収容部を形成する樹脂製のフィルム材を備え、
    前記フィルム材は、前記フィルム材の対面する部分を剥離可能に接合した部分であって前記第1収容部及び前記第2収容部を区分けする仮接合部を有し、
    前記仮接合部で前記フィルム材の対面する部分を剥がすことで、前記第1収容部の収容物を前記第2収容部に移動させることができる、容器。
  2. 前記フィルム材は、前記フィルム材の対面する部分を接合した部分であって前記第1収容部及び前記第2収容部の少なくとも一方の周縁に位置する接合部を有し、
    前記仮接合部は、前記接合部に隣接し、
    前記仮接合部での前記フィルム材の対面する部分の接合強度は、前記接合部での前記フィルム材の対面する部分の接合強度よりも低い、請求項1に記載の容器。
  3. 前記仮接合部に、前記フィルム材の対面する部分の剥離を補助する構成を有した剥離補助部が設けられている、請求項1又は2に記載の容器。
  4. 前記仮接合部で前記フィルム材の対面する部分を剥がす際に前記フィルム材を把持しやすくする構成を有した把持部が、前記フィルム材に設けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の容器。
  5. 前記仮接合部の幅は10mm以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の容器。
  6. 前記仮接合部をなしていた前記フィルム材の対面する部分は、互いから剥がされた後に加熱および加圧することで溶着可能である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の容器。
  7. 収容物を収容する収容部を形成する樹脂製のフィルム材を備え、
    前記フィルム材は、前記フィルム材の対面する部分を溶着することで前記収容部を第1収容部及び第2収容部に区分け可能な区分け部を含む、容器。
  8. 前記第1収容部を含む第1容器部と、
    前記第2収容部を含み、前記第1容器部に接続した第2容器部と、を備え、
    前記第2容器部は、前記第1容器部から突出している、請求項7に記載の容器。
  9. 前記区分け部は、前記第1収容部を取り囲む前記第1容器部の周縁及び前記第2収容部を取り囲む前記第2容器部の周縁の少なくとも一方に設けられている、請求項8に記載の容器。
  10. 前記区分け部に、前記第1収容部を含む第1容器部から前記第2収容部を含む第2容器部を分離させるための前記区分け部の切断を補助する構成を有した切断補助部が、設けられている、請求項7〜9のいずれか一項に記載の容器。
  11. 前記区分け部に、前記第1収容部を含む第1容器部から前記第2収容部を含む第2容器部を分離させるための前記区分け部の切断の開始位置をなす開始部が、設けられている、請求項7〜10のいずれか一項に記載の容器。
  12. 前記フィルム材に、前記第2収容部内に収容された収容物の量を示す表示が設けられている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の容器。
  13. 前記収容物は細胞を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の容器。
  14. 対面する部分を接合された樹脂製のフィルム材を有する容器の第1収容部及び第2収容部に収容物を収容する工程と、
    前記第1収容部と前記第2収容部との間となる区分け部において前記フィルム材の対面する部分を溶着することで、前記第1収容部及び前記第2収容部を区分けする工程と、を備える、サンプリング方法。
  15. 前記区分け部を切断して、前記第1収容部を含む第1容器部から前記第2収容部を含む第2容器部を分離させる工程を、さらに備える、請求項14に記載のサンプリング方法。
  16. 前記フィルム材の対面する部分を剥離可能に溶着し前記第1収容部及び前記第2収容部を区分けした仮接合部で、前記フィルム材の対面する部分を剥がす工程を、更に備え、
    前記第1収容部及び第2収容部に収容物を収容する工程において、前記第1収容部に収容した収容物を前記第2収容部に流入させる、請求項14又は15に記載のサンプリング方法。
  17. 記第1収容部及び前記第2収容部を区分けする工程において、前記仮接合部をなしていた前記フィルム材の対面する部分を溶着することによって、前記第1収容部及び前記第2収容部を区分けする前記区分け部を形成する、請求項16に記載のサンプリング方法。
  18. 前記収容物は、細胞を含む、請求項14〜17のいずれか一項に記載のサンプリング方法。
  19. 請求項14〜18のいずれか一項に記載されたサンプリング方法を含む、細胞を含む収容物の製造方法。
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