JPH0999932A - 反応器 - Google Patents

反応器

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JPH0999932A
JPH0999932A JP2024296A JP2024296A JPH0999932A JP H0999932 A JPH0999932 A JP H0999932A JP 2024296 A JP2024296 A JP 2024296A JP 2024296 A JP2024296 A JP 2024296A JP H0999932 A JPH0999932 A JP H0999932A
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reactor
film
reaction
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void
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JP2024296A
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Yoshikazu Nakagawa
美和 中川
Motohiro Oka
素裕 岡
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 少なくとも1個の凹部が設けられた基材
と、フィルムとからなり、前記フィルムが前記基材に熱
溶着又は圧着されることにより前記凹部を密閉すること
が可能である反応器。開口部が設けられた空隙を少なく
とも1個有する容体からなり、前記開口部が熱溶着、圧
着又は凹凸嵌合により閉塞可能である反応器。 【効果】 多数のサンプルを同時に反応させることがで
き、しかも、熱溶着、圧着又は凹凸嵌合により簡単に密
閉することができる。更に、反応液供給部分の容積をサ
ンプル量とほぼ同等に設定することができるので、サン
プルが微量であってもサンプルが加熱により蒸発するこ
とがなく、また、反応液の回収も容易に行うことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遺伝子工学、蛋白
質工学、細胞工学、免疫学等の生化学関連分野におい
て、比較的微量の溶液で加熱を伴う各種反応、例えば、
酵素反応、免疫反応、化学反応等を行う場合に使用する
反応器に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、酵素活性の測定、PCRによる核
酸増幅、DNA抽出、ミエローマ細胞の培養、抗体力価
の測定等の生化学関連分野の研究や、臨床検査において
は、10μl 〜2ml程度の微量溶液の反応器として、微量
遠心管又はマイクロプレートウェルが用いられている。
また、臨床検査自動機器では、プラスチック成形品の試
験管が用いられている。
【0003】多数のサンプルについて同時に反応を行う
場合、例えば、多数の遠心管を接続した反応器が用いら
れるが、例えば、PCRのように50〜100 ℃の比較的高
い温度で反応を行う場合には反応液の蒸発を防止するべ
く各遠心管の蓋を個別に閉めて密閉する必要があるた
め、操作性、迅速性が悪いという問題がある。また、微
量遠心管の容量は、通常、 200〜1500μl 程度である
が、そのような遠心管を用いると、反応液の量が容器容
量に比べて少ない場合、加熱すると反応液が蒸発してし
まうという問題もある。反応液の蒸発を防ぐために、反
応液にミネラルオイルを重層させたり、タグピン付きの
蓋材を使用する等の方法があるが、反応液を回収する際
に前記オイルが混入し易いので穏やかな回収操作を要す
る、オイルの混入を回避しようとすると余剰液が出る、
タグピンに反応液が付着する等の問題がある。
【0004】また、マイクロプレートウェルは、48穴、
96穴等の多サンプルが連結した形態であるが、従来のマ
イクロプレートウェルは完全密閉ができないので上述の
ような比較的高温で反応を行う場合には反応液が蒸発す
るという問題がある。更に、プラスチック成形品の試験
管は、容量が大きいことから微量溶液の反応には不適で
あり、密閉もできない等の問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、微量
溶液を用いて加熱を伴う種々の反応を行う場合に、密閉
操作が容易で、反応液が蒸発するという問題がない反応
器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み、本発明
は、反応液供給部分の容積が反応液の量とほぼ同等にす
ることができ、しかも反応液供給後、該部分が密閉可能
である反応器を提供するものであり、微量物の包装体、
例えば、プレススルーパック(PTP)、ユニットドー
ス点眼薬包装体、ポーションパック等の医薬品包装体類
似の形状、構造を有する。
【0007】即ち、本発明は、少なくとも1個の凹部が
設けられた基材と、フィルムとからなり、前記フィルム
が前記基材に熱溶着又は圧着されることにより前記凹部
を密閉することが可能である反応器(以下、反応器と
いう。)を提供する。また、本発明は、開口部を有する
空隙を少なくとも1個有する容体からなり、前記開口部
が熱溶着、圧着又は凹凸嵌合により閉塞されて前記空隙
を密閉することが可能である反応器(以下、反応器と
いう。)を提供する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。反応器 反応器は、少なくとも1個の凹部が設けられた基材
と、フィルムから構成され、例えば、医薬品の包装形態
であるプレススルーパック(PTP)等に類似した構造
のものである。反応器の具体例を図1〜2に示す。図
1は、反応器の斜視図であり、反応器は、基材1と、フ
ィルム2とからなり、基材1には、凹部3が多数設けら
れている。図2は、凹部3に反応液を入れた後、フィル
ム2を基材1に熱溶着又は圧着することにより、反応液
を入れた凹部3を密閉することができる(図2参照)。
【0009】基材には、反応液供給部分である凹部が少
なくとも1個設けられており、この凹部に反応液を入れ
る。凹部は、いずれの形状でもよいが、熱伝導を迅速か
つ均一に行うために、加熱部位との接触面積が大きく、
熱伝導が良好となるような形状が望ましい。また、凹部
の容積は、加熱による反応液の蒸発を防ぐために、反応
液の体積とほぼ同等に設定するのが好ましく、具体的に
は、通常、10μl 〜2mlの範囲である。基材の大きさ
は、凹部の大きさ、個数等により適宜設定することがで
きる。
【0010】基材の材料としては、化学的に安定で反応
を阻害せず、成形可能な高分子材料が用いられる。基材
の材料として用いられる高分子材料としては非極性ポリ
オレフィン類、極性ポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル
類、ポリ塩化ビニリデン類、ポリスチレン類、ポリビニ
ルアルコール類、ポリアクリロニトリル類、フッ素樹脂
類、ポリエステル類、ポリカーボネート類、ポリアミド
類、ポリウレタン類、ポリスルホン類、ポリエーテルイ
ミド類、多糖類、蛋白質等があり、具体的にはポリエチ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレ
ン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタク
リル酸共重合体、アイオノマー、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン共重合体、鹸化エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロ
トリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ナイロ
ン、ポリウレタン、ポリエーテルイミド等が例示され、
これらの誘導体等も用いることができる。また、中でも
熱伝導が迅速で水蒸気透過性が少ないものが望ましく、
具体的には、ポリエチレン及びポリプロピレンが好適で
ある。更に、試薬の吸着を防止するため、グロー放電、
コロナ放電等による表面処理を行うことも可能である。
【0011】また、フィルムの材料としては、上記基材
の材料と同様のものが例示される。フィルムの厚さは、
通常、1〜2000μmである。フィルムを基材に熱溶着す
る場合には、基材及び/又はフィルムに熱可塑性樹脂を
塗布する。また、フィルムを基材に圧着する場合には、
基材及び/又はフィルムに接着剤又は粘着剤を塗布す
る。接着剤としては、通常プラスチック成形品用の接着
剤に用いられているものを使用することができ、例え
ば、アクリル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙
げられる。
【0012】また、基材の凹部の汚染防止のため、あら
かじめフィルムで凹部を密閉しておき、反応液を凹部に
供与する場合には、シリンジ等をそのフィルムに貫通さ
せて反応液を供与し、反応液供与後さらにもう一層のフ
ィルムを熱溶着又は圧着して凹部を密閉してもよい。ま
た、操作の簡便性に鑑みて、あらかじめ一部の反応試薬
を容器内に収納しておいても良い。反応後は、シリンジ
をフィルムに貫通させることにより反応液を抜き取るこ
とができる。また、フィルムの反応液との接触面の汚染
防止のために、該接触面に保護フィルムを積層した二層
フィルムとしておき、基材の凹部に反応液を供与した
後、該保護フィルムを剥離しながら基材上にフィルムを
熱溶着又は圧着して凹部を密閉してもよい。
【0013】反応器 反応器は、開口部を有する空隙を少なくとも1個有す
る容体からなり、前記開口部は熱溶着、圧着又は凹凸嵌
合により閉塞され、空隙を密閉することが可能である。
これは、例えば、医薬品の包装形態であるユニットドー
ス点眼薬包装体やポーションパック等に類似した構造の
ものである。また、空隙に均一で一定の厚みをもたせる
ことにより、キュベットのような光学的分析用の容器と
して用いることができるので、臨床検査、反応のモニタ
リング等に用いると都合がよい。
【0014】容体の材料としては、上記した反応器の
基材と同様の材料が挙げられ、反応器の基材の材料と
同様、熱伝導が迅速で水蒸気透過性が少ないものが好ま
しい。更に、反応器の基材の材料と同様、試薬の吸着
力が小さく、反応を阻害しない物質が好ましいことか
ら、上記と同様の表面処理等が行われていてもよい。ま
た、反応器を光学的分析に使用する場合には、測定部
は紫外・可視光吸収の少ないものがよく、例えば、トリ
アセチルセルロース等のセルロース類、ポリエチレン、
ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリメチルメタ
クリレート、ポリエチルアクリレート等のポリ(メタ)
アクリレート類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン
等のポリハロゲン化ビニル等が挙げられる。
【0015】空隙は、いずれの形状でもよいが、反応試
薬を導入するための開口部ができるだけ小さくなるよう
に開口部付近が細くなっており、その他の部分が広がっ
ている形状が好ましい。また、空隙の容積は、加熱によ
る反応液の蒸発を防ぐために、反応液の体積とほぼ同等
に設定するのが好ましく、具体的には、通常、10μl〜
2mlの範囲である。
【0016】空隙の開口部付近には、予めシーラントを
塗布しておき、空隙に反応液を入れた後、熱溶着又は圧
着することにより、開口部を閉塞させることができる。
また、空隙に反応液を入れた後に開口部付近にシーラン
トを塗布して開口部を熱溶着又は圧着してもよい。シー
ラントとしては、通常のプラスチック成形品用の熱可塑
性樹脂が用いられる。また、PCRの反応器として使用
する場合には、DNAの1本鎖への変性の温度である95
℃付近で熱溶着するポリプロピレン、メタロセン触媒ポ
リエチレン、アクリレート系共重合体、酢酸ビニル系共
重合体、アイオノマー、アクリレート−酢酸ビニル共重
合体等の低融点シーラントを用いることも可能である。
或いは接着剤又は粘着剤が使用される。
【0017】また、開口部に予め凹凸嵌合可能な凹凸を
設けておき、空隙に反応液を入れた後、開口部に圧力を
加えて凹凸嵌合することによっても閉塞させることがで
きる。また、容体には、切り込み部分又はくびれ部分が
設けられているのが好ましい。切り込み部分又はくびれ
部分を設けておくことにより、例えば、反応後に密閉さ
れた空隙内の反応溶液を取り出す場合に、その切り込み
部分又はくびれ部分に力を加えて容体を破損して空隙が
外気と連通するように容易に開口部を設けることができ
る。
【0018】反応器の具体例を図3〜6に示す。図3
は、ユニットドース点眼薬包装体型の反応器の縦断面図
である。容体4は開口部5が設けられた空隙6を複数個
有する。開口部5付近には、低融点シーラント7が塗布
されている。反応液をディスペンサー9を用いて開口部
5から空隙6に入れた後(図4参照)、開口部5を熱溶
着又は圧着により閉塞する(図5参照)。また、容体4
には、各空隙の開口部5の反対側に、比較的弱い力で捻
じって切れるようなくびれ部分8が設けられており、反
応終了後は該くびれ部分8を捻じ切って容体4を破損す
ることにより各空隙が外気と連通するような開口部10を
設け、そこからシリンジ11を用いて反応液を取り出すこ
とができる(図6参照)。
【0019】また、容体は、フィルムを開口部を有する
袋状の空隙が少なくとも1個できるように貼り合わせた
タイプの、所謂ポーションパック型のものであってもよ
い。そのようなポーションパック型の反応器の具体例を
図7〜10に示す。図7は、ポーションパック型の反応器
の断面図であり、反応器は、フィルム12と、複数の空隙
6′とを有し、空隙6′には開口部5′が設けられてい
る。ディスペンサー9を用いて反応液を開口部5′から
空隙6′に入れた後(図8参照)、ヒートシーラー等に
より開口部付近にシーラント7′を塗布し、熱溶着又は
圧着することにより開口部5′を閉塞する(図9参
照)。反応後は、シリンジ11をフィルムに貫通させるこ
とにより反応液を抜き取ることができる(図10参照)。
更に、このような容体には、予め容体の端部に切り込み
13を入れたり(図11参照)、ミシン目の切り込み14(図
12参照)を入れておいてもよく、これにより、該切り込
みから容体を破損させて各空隙が外気と連通するような
開口部を容易に設けることができる。このようなポーシ
ョンパック型の反応器は、1枚のフィルムを折って貼
り合わせたものでもよく、2枚のフィルムを貼り合わせ
たものでもよい。フィルムは、1層又は複数の層からな
る。フィルムは、熱溶着又は圧着により貼り合わされ
る。熱溶着により貼り合わせる場合、フィルムは熱可塑
性樹脂層を有しており、その熱可塑性樹脂層同士を貼り
合わせる。また、圧着により貼り合わせる場合、フィル
ムは接着剤層を有しており、その接着剤層同士を貼り合
わせる。
【0020】更に、例えば、厚さが一定で均一の空隙が
形成されるようにスペーサーを介してフィルムを貼り合
わせることにより、光学的分析に使用可能な反応器を
製造することができる。図13は、そのような反応器の
分解斜視図であり、この反応器は、矩形の貫通孔17
と、前記貫通孔17を開口させる切溝18を有するスペーサ
ー15に、2枚の透明で、紫外・可視光吸収の少ないフィ
ルム16a と16b を図中の矢印方向に貼り合わせたもので
ある。図14はかかる反応器の斜視図であり、開口部
5″には予めシーラント又は接着剤を塗布しておき、こ
の反応器の空隙6″に開口部5″から反応液を入れた
後、開口部5″を熱溶着又は圧着することにより空隙
6″を密閉することができる。
【0021】光学的分析に使用可能な反応器は、例え
ば、自動化分析において認識が可能なように識別コード
を付することができる。識別コードとしては、数字、英
字、バーコード、二次元バーコード等が挙げられる。識
別コードは、インキジェットや転写により直接容器に付
することもでき、また、識別コードを印刷したシーツを
貼付することにより付することもできる。
【0022】上記反応器及び反応器を構成する基材
等は、例えば、射出成形、押出成形、圧縮成型、トラン
スファー成形、ブロー成形、熱成形、積層成形、発泡成
形、回転成形、注型、ディップ成形、真空成形等により
所望の形状に成形加工することができる。
【0023】また、反応器の凹部のような比較的微細
な穴を形成する場合には、レーザー加工による穴あけも
適用可能である。反応器及び反応器は、いずれも反
応液供給部分、具体的には反応器においては凹部、反
応器においては空隙を、複数個有することが可能であ
る。したがって、多数のサンプルについて同時に反応さ
せることが可能であり、自動化に伴う各工程での容器の
運搬が容易になる。また、もちろん、反応液供給部分が
1個の反応器を1個又は複数個用いて各種反応を行うこ
とも可能である。反応液供給部分が複数個ある反応器の
場合、かかる部分は1次元的(反応器の場合)又は2
次元的(反応器の場合)に配列する。1次元的に集合
した場合は、反応器はテープのような形状をとり、反応
前後の容器をコンパクトに例えば滅菌パックのようなク
リーン環境下にコンパクトに収納することが可能であ
る。またサンプル数が非常に多種類の場合もライン化す
ることにより対応することが可能である。2次元に集合
させる場合はシート状、プレート状の形態をとる。
【0024】本発明の反応器及びを用いて各種反応
を行う場合、反応器の密閉を熱溶着、圧着又は凹凸嵌合
により行う以外は、通常の方法で行うことができる。反
応後の溶液の回収は、マイクロピペット、シリンジ等を
用いて行われる。また、上述したように、容体に予め切
り込み部分又はくびれ部分を設けておき、該部分で容体
を破損して開口部を設けて回収してもよい。また、本発
明の反応器及びを用いれば、溶液の保存及び反応を
一つの容器で行うことができる。更に本発明の反応器
を用いれば、溶液の保存、反応、及び光学的分析を一つ
の容器で行うことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
【0026】
【実施例】以下、実施例を示して本発明をより詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0027】〔実施例1〕図1に示すような、直径 5.8
mmの半球状のウエル3が等間隔に設けられた長さ120m
l、幅80ml、厚さ 700μmのポリプロピレン製のシート
状基材1を真空成形で作製した。基材1のウエル3部分
を除く部分全面にアクリル系粘着剤を塗布した。フィル
ム2としては2軸延伸ポリプロピレンフィルムを用い
た。
【0028】50μl の新生児の血液を含浸させた濾紙を
0.85%生理食塩水に浸漬し、得られた白血球をフェノー
ル抽出した。得られたDNA全量;10mM Tris・塩酸
(pH 8.3) ; 1.6mM塩化マグネシウム;0.01%ゼラチ
ン;オルニチントランスカルバミラーゼ遺伝子の第3エ
クソンを含む106bp の前後20mer の2種のプライマーを
それぞれ50pmole ;dATP、dCTP、dGTP、d
TTPをそれぞれ 100μmole;Taq DNAポリメラーゼ
1.5unitを含む混合液50μl を、上記の各々のウエルに
マイクロピペットを用いて供与した後、フィルムで覆っ
た。次いで、フィルムを基材に荷重2kg/cm2 の圧力で
10秒間圧着し、図2に示すようにウェルを密閉した。密
閉後、この反応器を予め該反応器に密着するよう成形し
た熱サイクル機能付き加熱ブロックに設置し、94℃で
1.5分間、43℃で2分間及び73℃で2分間を1サイクル
として30サイクル繰り返してPCRを行った。反応終了
後、マイクロシリンジをフィルムに貫通させて各ウェル
内の反応液を回収した。この反応液とブランクとしてP
CRを行う前の混合液とを、それぞれDNAマーカー
(λファージDNA/HindIII 分解物)とともに 0.8%
DNAアガロースゲル電気泳動に供与したエチジウムブ
ロマイド染色を行ったところ、PCR後の反応液では10
6bp付近にオルニチントランスカルバミラーゼと考えら
れるDNA断片が目視検出された。PCR反応前の混合
液では確認されなかった。各ウェルのサンプルのエチジ
ウムブロマイド染色の蛍光強度はいずれも同程度であっ
た。
【0029】〔実施例2〕幅50mm、厚さ50μmの2軸延
伸ポリプロピレンフィルム/アクリル系接着剤/無延伸
ポリプロピレンフィルムの複合フィルムの無延伸ポリプ
ロピレンフィルム同士を、図7に示すような等間隔に開
口部5′を有する袋状の空隙6′が20個形成されるよう
に 130℃、荷重2kg/cm2、1秒間熱溶着することによ
り貼り合わた。得られた反応器の各空隙の大きさは20mm
×25mm×0.1mm であった。
【0030】実施例1で用いたものと同様の混合液50μ
lずつを、図8に示すようにそれぞれの空隙6′にマイ
クロディスペンサー9を用いて20サンプル分供与した。
開口部5′を図9に示すように 130℃、荷重2kg/c
m2、1秒間熱溶着することにより閉塞した。この反応器
を、94℃、43℃、73℃の液体浴中でそれぞれ 1.5分間、
2分間、2分間保持することを1サイクルとして30サイ
クル行った。反応終了後、図10に示すようにシリンジを
用いそれぞれの空隙より反応液を回収した。
【0031】実施例1と同様の方法で、各反応液と、反
応前の混合液についてエチジウムブロマイド染色を行っ
た結果、PCR反応後の反応液では 106bp付近にオルニ
チントランスカルバミラーゼと考えられるDNA断片が
目視検出された。反応前の混合液では確認されなかっ
た。各空隙のサンプルのエチジウムブロマイド染色の蛍
光強度はいずれも同程度であった。
【0032】〔実施例3〕射出成形により図3に示すよ
うな開口部5が設けられた空隙6を20個有し、くびれ部
分8を有する容体4を作製した。開口部5周辺にシーラ
ント7(超低温ヒートシール性ポリプロピレン樹脂)を
塗布した。図4に示すように開口部よりマイクロディス
ペンサーを用いて、実施例1で用いたものと同様の混合
液50μlを、各空隙に20サンプル分供与した。治具を用
いて荷重2kg/cm2で各開口部5を密着させた後、この
反応器を94℃、43℃、73℃の液体浴中でそれぞれ 1.5分
間、2分間、2分間保持することを1サイクルとして30
サイクル行った。最初の94℃の温水浴中でシーラント7
が熱融着し、各開口部5は閉塞した。反応終了後、図11
に示すように突起8を折って開口部を設け、そこからマ
イクロピペットを用いて反応液を回収した。
【0033】実施例1と同様の方法で、各反応液と、反
応前の混合液についてエチジウムブロマイド染色を行っ
た結果、PCR反応後の反応液では 106bp付近にオルニ
チントランスカルバミラーゼと考えられるDNA断片が
目視検出された。反応前の混合液では確認されなかっ
た。各空隙のサンプルのエチジウムブロマイド染色の蛍
光強度はいずれも同程度であった。
【0034】〔実施例4〕図13に示すような形状のスペ
ーサー15(厚さ:4mm)を介して、幅50mm、厚さ100μ
mの2軸延伸ポリプロピレンフィルム16a 及び16b を貼
り合わせた。穴部18には無延伸ポリプロピレンを塗布し
た。このようにして図14に示すような反応器を作製し
た。空隙6″の大きさは、20mm×25mm×4mmである。
【0035】空隙6″に、尿検体50μl 、1%グアヤク
脂エタノール溶液2μl 、 1.2w/v%グルコースオキシ
ダーゼリン酸緩衝溶液(pH 6.5)75μl 、0.9w/v%ペル
オキシダーゼ(西洋ワサビ由来)リン酸緩衝溶液(pH
6.5)73μl を順次加えた。次いで、開口部5″を 130
℃、荷重2kg/cm2 で1秒間ヒートシール熱溶着するこ
とにより閉塞した。続いて、直ちに37℃でインキュベー
トし、30秒後に 570nmで吸光度測定を行って尿中に含ま
れるグルコース濃度を測定した。
【0036】
【発明の効果】本発明の反応器は、多数のサンプルを同
時に反応させることができ、しかも、熱溶着、圧着又は
凹凸嵌合により簡単に密閉することができる。更に、反
応液供給部分の容積をサンプル量とほぼ同等に設定する
ことができるので、サンプルが微量であってもサンプル
が加熱により蒸発することがなく、また、反応液の回収
も容易に行うことができる。したがって、本発明の反応
器は、反応を自動的に行う場合や、臨床検査等の分析を
自動的に行う場合に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プレススルーパック型の本発明の反応器の斜視
図である。
【図2】プレススルーパック型の本発明の反応器の斜視
図である。
【図3】ユニットドース点眼薬包装体型の本発明の反応
器の縦断面図である。
【図4】ユニットドース点眼薬包装体型の本発明の反応
器の縦断面図である。
【図5】ユニットドース点眼薬包装体型の本発明の反応
器の縦断面図である。
【図6】ユニットドース点眼薬包装体型の本発明の反応
器の縦断面図である。
【図7】ポーションパック型の本発明の反応器の断面図
である。
【図8】ポーションパック型の本発明の反応器の断面図
である。
【図9】ポーションパック型の本発明の反応器の断面図
である。
【図10】ポーションパック型の本発明の反応器の断面
図である。
【図11】ポーションパック型の本発明の反応器の断面
図である。
【図12】ポーションパック型の本発明の反応器の断面
図である。
【図13】光学的分析に使用可能な反応器の分解斜視図
である。
【図14】光学的分析に使用可能な反応器の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1…基材、2…フィルム、3…凹部、4…容体、5…開
口部、5′…開口部、5″…開口部、6…空隙、6′…
空隙、6″…空隙、8…くびれ部分、13…切り込み、14
…切り込み

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1個の凹部が設けられた基材
    と、フィルムとからなり、前記フィルムが前記基材に熱
    溶着又は圧着されることにより前記凹部を密閉すること
    が可能である反応器。
  2. 【請求項2】 凹部の容積が、10μl 〜2mlである、請
    求項1に記載の反応器。
  3. 【請求項3】 開口部を有する空隙を少なくとも1個有
    する容体からなり、前記開口部が熱溶着、圧着又は凹凸
    嵌合により閉塞されて前記空隙を密閉することが可能で
    ある反応器。
  4. 【請求項4】 空隙の容積が、10μl 〜2mlである、請
    求項3に記載の反応器。
  5. 【請求項5】 前記容体が切り込み部分又はくびれ部分
    を有しており、前記切り込み部分又はくびれ部分に力を
    加えて前記容体を破損することにより前記空隙が外気と
    連通する請求項3又は4に記載の反応器。
  6. 【請求項6】 前記容体が、フィルムを開口部を有する
    袋状の空隙が少なくとも1個できるように貼り合わせた
    ものである、請求項3〜5のいずれか1項に記載の反応
    器。
  7. 【請求項7】 酵素反応用である、請求項1〜6のいず
    れか1項に記載の反応器。
  8. 【請求項8】 酵素反応がPCRである、請求項7に記
    載の反応器。
  9. 【請求項9】 免疫反応用である、請求項1〜6のいず
    れか1項に記載の反応器。
  10. 【請求項10】 化学反応用である、請求項1〜6のい
    ずれか1項に記載の反応器。
  11. 【請求項11】 光学的分析に使用可能な臨床検査用で
    ある、請求項3〜5のいずれか1項に記載の反応器。
  12. 【請求項12】 識別コードが付された請求項9に記載
    の反応器。
  13. 【請求項13】 識別コードが、英字、数字、バーコー
    ド又は二次元バーコードである、請求項10に記載の反応
    器。
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