JP2006345806A - 試薬用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 試薬の蒸発を防止しつつ安定的に試薬を分取可能な試薬用容器を提供する。
【解決手段】 液体12が保存可能な試薬収容部5を有する樹脂成形体から成る試薬用容器において、前記試薬収容部5の開口部3を閉塞し、少なくとも硬質アルミニウム層である基材9及びシール層10を含む密封フィルム8を有することを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

この発明は、試薬用容器に関するものである。
従来から、生物工学や化学等の分野においては様々な試薬を収容・保存するために試薬用容器が用いられている。このような試薬用容器の中には、試験管状のものや、所謂チップに形成されたウェル(凹部)を利用したもの等があり、一般に、これらに収容された試薬は、スポイトや注射針等を用いて分取され、この分取された試薬が別の場所や同一チップ上等に配置された反応部に分注されて、その後の反応過程を行うようになっている。
ところで、このような試薬用容器においては、容器内部と容器外部とが常に連通状態となっているため、長時間放置したり加熱すると試薬が蒸発してしまう場合がある。そこで近年、このような試薬用容器の開口部をフィルム等の蓋材で閉塞して試薬の蒸発を防止しするとともに、スポイトや注射針の先端を蓋材に突き刺して貫通させることで試薬を分取可能にするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平09−099932号公報
しかしながら、上述の試薬用容器においては、スポイトや注射針を蓋材に突き刺した時に形成される貫通孔の内周縁が、スポイトや注射針等の外周面に密着してしまう場合があるため、この状態で試薬を外部に吸出すと容器内が引圧状態になり安定的に試薬の分取を行うことができないという課題がある。
そこで、この発明は、試薬の蒸発を防止しつつ安定的に試薬を分取可能な試薬用容器を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、試薬(例えば、実施の形態における液体12)が保存可能な試薬保存部(例えば、実施の形態における試薬収容部5)を有する樹脂成形体から成る試薬用容器において、前記試薬保存部の開口部(例えば、実施の形態における開口部3)を閉塞し、少なくとも硬質アルミニウム層(例えば、実施の形態における基材9)及びシール層(例えば、実施の形態におけるシール層10)を含む被覆フィルム(例えば、実施の形態における密封フィルム8)を有することを特徴とする。
このように構成することで、例えば、スポイトや注射針等を被覆フィルムに突き刺す時の突き刺し性を向上し、被覆フィルムの貫通孔の周縁がスポイトや注射針等の外周面に密着することがないため、貫通孔の周縁とスポイトや注射針等との隙間を介して気体の行き来が可能となる。
請求項2に記載した発明は、前記硬質アルミニウム層は、厚さが10μm以下、伸びが1%/180mm以下、破裂度が0.5kg/cm以下であることを特徴とする。
このように構成することで、被覆フィルムに、例えば、スポイトや注射針等を突き刺して貫通させる際に硬質アルミニウム層がスポイトや注射針等の外周面に密着するのを防止することができる。以下、破裂度はJIS−P−8112、伸びはJIS−C−2151(引張速度50mm/分)に従った測定値とする。
請求項3に記載した発明は、前記シール層は、酸成分変性共重合ポリエステル系樹脂であり、かつ、厚さが15μm以下、破裂度が2kg/cm以下であることを特徴とする。
このように構成することで、開口部を閉塞する被覆フィルムを確実に固定することができるとともに、被覆フィルムに、例えば、スポイトや注射針等をつき指して貫通させる際にはシール層がスポイトや注射針等の外周面に密着するのを防止することができる。
請求項4に記載した発明は、前記被覆フィルムは、前記硬質アルミニウム層の下面にシール層、上面に保護層(例えば、実施の形態における保護層11)を有することを特徴とする。
このように構成することで、上面に保護層を設けることでハンドリングが良好となり、強度を向上させることができる。
請求項5に記載した発明は、前記シール層は、ヒートシール性樹脂であり、且つ、厚さが5μm以下であることを特徴とする。
このように構成することで、被覆フィルムを加熱するだけで開口部を容易、且つ、確実に閉塞することができる。
請求項6に記載した発明は、前記保護層が、脆性樹脂であることを特徴とする。
このように構成することで、更なる突き刺し性の向上を図ることができる。
請求項7に記載した発明は、前記試薬保存部は、樹脂製の基板(例えば、実施の形態における基板2)上に開口部を有するウェル(例えば、実施の形態におけるウェル4)であることを特徴とする。
このように構成することで、樹脂製の基板に形成されたウェルに試薬を封入することができる。
請求項8に記載した発明は、前記基板が、少なくともPCR部(例えば、実施の形態におけるPCR部6)又は検出部(例えば、実施の形態における検出部7)を有することを特徴とする。
このように構成することで、ウェルに封入された試薬を同一基板上に設けられたPCR部や検出部で利用することができる。
請求項1に記載した発明によれば、例えば、スポイトや注射針等を被覆フィルムに突き刺す時の突き刺し性を向上し、被覆フィルムの貫通孔の周縁がスポイトや注射針等の外周面に密着することがないため、貫通孔とスポイトや注射針等との隙間を介して気体の行き来が可能となり、したがって、スムーズに試薬を吸出すことが可能となり試薬を安定的に分取できる効果がある。
請求項2に記載した発明によれば、被覆フィルムに、例えば、スポイトや注射針等を突き刺して貫通させる際に硬質アルミニウム層がスポイトや注射針等の外周面に密着するのを防止することができるため、スポイトや注射針等の突き刺し性を最適化することができる。
請求項3に記載した発明によれば、開口部を閉塞する被覆フィルムを確実に固定することができるとともに、被覆フィルムに、例えば、スポイトや注射針等をつき指して貫通させる際にはシール層がスポイトや注射針等の外周面に密着するのを防止することができるため、更なる突き刺し性の最適化を図ることができる。
請求項4に記載した発明によれば、上面に保護層を設けることでハンドリングが良好となり、強度を向上させることができ、商品性を向上することができる効果がある。
請求項5に記載した発明によれば、被覆フィルムを加熱するだけで開口部を容易、且つ、確実に閉塞することができるため、製造工数を削減することができる効果がある。
請求項6に記載した発明によれば、更なる突き刺し性の向上を図ることができる効果がある。
請求項7に記載した発明によれば、被覆フィルムによって樹脂製の基板に形成されたウェルに試薬を封入することができるため、とりわけ封入された試薬が少量の場合において効率よく試薬を吸出すことができ有利となる。
請求項8に記載した発明によれば、ウェルに封入された試薬を同一基板上に設けられたPCR部や検出部で利用することができる効果がある。
次に、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施の形態では、複数のウェルを備え、化学反応やDNA反応、たんぱく質反応等をチップ上で行うμ―Total Analysis System技術やLab−on−Chip技術で利用される反応容器を一例に説明する。
図1において、1は反応容器を示している。この反応容器1は、縦横寸法が数ミリ角以下に設定された略長方形で板状の基板2を備えており、この基板2には、この基板2の上面に開口部3を有し断面略半円状に形成された複数のウェル4が配置されている。これらウェル4の配置は、6個の部分、1個の部分、20個の部分に分かれており、夫々用途に応じて試薬収容部(試薬保存部)5、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)部6、検出部7を構成している。なお、試薬収容部5、PCR部6、検出部7を構成するウェル4の個数は適宜設定しても良い。
基板2は、その材質としてプラスチックを用いることが可能であり、例えば、ポリ塩化ビニル、PC(ポリカーボネート)、PP(ポリプロピレン)、ポリエステル、シクロオレフィン系ポリマー、フッ素ポリマー、シリコン樹脂等を用いることができ、その厚さ寸法は、使用時に十分な強度を確保できる厚さ寸法に設定されている。このような合成樹脂を用いて基板2を作成すれば、耐熱性、耐薬品性、成形加工性などに優れており好ましい。ここで、基板2は、2種類以上の樹脂を接合して用いても良く、各樹脂の特徴を活かし、例えば、上半分と下半分とで異なる合成樹脂を配置するようにしても良い。さらに、試薬及び試料等の性質に応じて合成樹脂を組合わせて配置することもできる。
さらに、ウェル4は断面略半円状に限られるものではなく、例えば、円錐台形、角錐台形、円錐、角錐、線端部が半球状のもの等、加工性形成、溶液の注入性などにより様々な形状を採用することができる。また、基板2にウェル4を形成する際、基板2がPC(ポリカーボネート)等のような硬質の樹脂で形成されている場合には、樹脂切削法を用いることが好ましく、さらに、基板2がPP(ポリプロピレン)などの軟質な材料で構成されている場合には、樹脂成型法を用いることが好ましい。
試薬収容部5は、PCR部6で用いる検体試薬やその他の試薬、その後の検出反応に用いる試薬、バッファー、希釈液などの液体(試薬)12を注入しておく収容部となるものであり、この試薬収容部5のウェル4の大きさは、収容される液体12の量に応じて設定され、その開口部3の直径が5〜10mm、深さが5mm以下に設定されている。また、試薬収容部5に対しては、防湿性、ガスバリアー性、耐溶液性を付与するために試薬収容部5のウェル4の内壁表面にシリコンコーティングや無機金属化合物の蒸着層を設けた構成としても良い。さらに、試薬収容部5のウェル4内に収容した液体12の回収効率を向上すべく、ウェル4の内面にシリコン等のコーティング層を設けたりプラズマ処理・コロナ処理等の表面処理を施すようにしても良い。なお、試薬収容部5のウェル4内に検体DNAを収容しておいても良い。
PCR部6は、試薬収容部5と検出部7との間に配置されており、例えば、血液などから抽出したDNAを増幅させるポリメラーゼ連鎖反応などを行うためのものである。一方、検出部7は、PCR部6で調整した検体DNAをプローブDNAやその他の試薬と反応させることによりDNAの配列を分析するところであり、分析するDNA等の数に応じた複数のウェル4を備えている。なお、検出部7はウェル状に限るものではなく、例えば、流路形状で、流路内で反応させ、流路内又は流路に接続されているウェル状の検出部としてもよい。また、試薬収容部5とPCR部6とから成る反応容器であれば、PCR反応チップとして用いることができ、試薬収容部5とPCR部6と検出部7とから成る反応容器であればPCRによる検体の調製からDNAの分析まで同一チップ上で連続して行うことができる。
また、PCR部6、試薬収容部5、検出部7は流路を用いて接続してもかまわない。これら流路を形成することにより、連続した反応を行わせることが可能となり、検査時間の短縮が図れるとともに、微量な試料および試薬で各種の分析を行うことができ、コストの削減を実現できる。
ところで、反応容器1の前述した試薬収容部5には、液体12を注入した後にウェル4の開口部3を閉塞する密封フィルム(被覆フィルム)8が張り付けられている。具体的には、図2に示すように、この密封フィルム8は、上層に基材(硬質アルミニウム層)9、下層にシール層10を配置した2層構造となっており、下層に配置されたシール層10によって基板上面に接着固定され、ウェル4内に液体12が密封されるようになっている。そして、この液体12を分取する際には、注射器の針やピペットチップ等を密封フィルム8に突き刺して貫通させて、ウェル4内の試薬を吸い出すようになっている。
基材9は、所謂硬質アルミニウムで構成されており、その厚さが10μm以下、伸びが1%/cm以下、破裂度が0.5kg/cm以下とされている。
一方、シール層10は、共重合ポリエステル系樹脂であるシート状の酸成分変性PET(ポリエチレンテレフタレート)で構成されており、その厚さが15μm以下、破裂度が1kg/cm以下とされている。
また、密封フィルム8の他の態様として、図3に示すように基材9の上面に保護層11を設けるようにしても良い。この保護層11は、厚さが15μm以下、伸びが30%/180mm以下、破裂度が2kg/cm以下のアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂フィルムを用いることができ、サンドブラスト等を用いて表面をマット状に加工した脆性樹脂である所謂マットPETを用いれば注射器などの針による突き刺し性を向上できるため好ましい。なお、脆性樹脂とは衝撃に対して弱く所謂“脆い”性質を持った樹脂であり、表面がマット状のもの以外に、例えば、発泡状のものを用いても良い。
このように密封フィルム8を保護層11、基材9、シール層10の3層構造にする場合には、保護層11の分だけ密封フィルム8の厚さが増加して前述した突き刺し性が低下するため、シール層10としてヒートシールラッカー等の液状のシール剤を塗付して厚さが5μm以下となるように設定し、さらに、基材の硬質アルミニウムの厚さを10μm以下、好ましくは8μm以下に設定する。このようにすることで、突き刺し性を低下させずに密封フィルム8を3層構造とすることができる。
本発明の反応容器1は、抗原抗体反応及びDNA反応の検出等に用いることができる。
抗原抗体反応による抗原検出の場合、例えば、予め反応容器1の検出部の各ウェル4内に抗原を含む試料を入れておき、後から抗体を含む液体12を添加し、抗原、又は、抗体の何れかに標識物質を付けておくことで、反応の有無を検出できる。標識物質としては、蛍光などの発光物質が一般的に用いられる。
DNAの検出の場合、例えば、予め検出部7のウェル4内に核酸プローブを用意しておく。次に、検体DNAを検出部7に供給し、核酸プローブと検体DNAとのハイブリダイゼーション反応により、DNAの検出を行うことができる。その際、検体DNAに標識物質を付けておけば、その標識物質の有無を検出することにより検出が可能となる。また、検体DNAとして、血液等から抽出したDNAをPCR法、LAMP法等により調整しておいたものを用いることができる。また、配列の異なる核酸プローブを複数用意することで検体DNAがどのような配列であるかを検出することができる。
また、反応容器1は、一塩基遺伝子多型(SNP)の解析にも用いることができる。なお、その場合、核酸プローブやその他検出に用いる試薬は複数あっても良く、それらの試薬のひとつが標識されていれば良い。
例えば、反応容器1をサードウェイブテクノロジーズ,Inc(米国ウィスコンシン州マディソン市)が開発したインベーダー法と組み合わせて解析を行うことができる。これによりSNP解析の具現化を図ることが可能となる。
ここで、認識物質は検出部7のウェル4内に固定してもよいし、固定させずに保持させておくだけでもよい。
次に、上述した反応容器1の試薬収容部5より、実際に液体12を分取する場合について説明する。なお、実施例1と比較例1とは密封フィルム8が2層構造の場合を示し、実施例2と比較例2とは密封フィルム8が3層構造の場合を示している。
反応容器1はポリプロピレン樹脂を射出成形加工したものとし、図1に示すように、試薬収容部5として断面半円状に形成されたウェル4を備えた反応容器1とした。このウェル4の開口部3の直径を6mmとし、このウェル4に液体12を充填して、開口部3を密封フィルム8によって閉塞した。
密封フィルム8は、厚さ12μm、破裂度1.8kg/cm、伸び6%/180mmのイソフタル酸変性PETで構成されたシール層10に、基材9として硬質アルミニウム(厚さ8μm、破裂度0.05kg/cm2、伸び1%/180mm)を張り合わせた。
そして、密封フィルム8による閉塞は、ウェル4の開口部3に密封フィルムを重ね、ヒートシーラーにより、190℃、2sec、2kgf/cmでヒートシールした。この密封フィルム8は破裂度が1.0kg/cm、伸びが4%/180mmであった。そして、液体12の分取のための突き刺しはポリプロピレン製のピペットチップ(200ml用)13を使用した。
(比較例1)
密封フィルム8を除く部分は上述した実施例1と同様の構成とし、密封フィルム8としてCPP(無延伸ポリプロピレン)(厚さ12μm、破裂度4kg/cm、伸び40%/180mm)で構成されたシール層10に基材9として軟質アルミニウム(厚さ8μm、破裂度0.05kg/cm、伸び4%/180mm)を張り合わせたものを使用した。この密封フィルム8は破裂度が3.7kg/cm、伸びが35%・180mmであった。そして、液体12の分取のための突き刺しはポリプロピレン製のピペットチップ(200ml用)13を使用した。
上記構成で密封フィルム8にピペットチップ13を突き刺してウェル4内部の液体12を回収した結果、実施例1では、図4に示すように、密封フィルム8にピペットチップ13の径方向外側に向かう裂けが生じて吸出し用の空気流用孔14が形成され、目標試薬量を一回で全て回収することができた。
一方、比較例1では図5に示すように突き刺したピペットチップの外径と略同径の孔15が形成され、液体12を吸出す際にウェル4の内部が引圧状態となり、目標試薬量の85%しか回収することができなかった。
ポリプロピレン樹脂を射出成形加工し、図1に示すように、試薬保存部5として断面半円状に形成されたウェル4を備えた反応容器1とした。このウェル4の開口部3の直径を6mmとし、このウェル4に液体12を充填して、開口部3を密封フィルム8によって閉塞した。
密封フィルム8は、サンドブラスト加工を行った厚さ15μmのマットPET(破裂度2kg/cm、伸び6%/180mm)で構成された保護層11に、基材9として硬質アルミニウム(厚さ8μm、破裂度0.05kg/cm、伸び1%/180mm)を張り合わせ、シール層10として、マレイン酸変性PP(ポリプロピレン)を主成分としたヒートシールラッカーを厚さ3μmで塗付した。そして、密封フィルム8による閉塞は、ウェル4の開口部3に密封フィルム8を重ね、ヒートシーラーにより、200℃、3sec、2kgf/cmでヒートシールした。この密封フィルム8は破裂度が1.8kg/cm、伸びが12%/180mmであった。そして、液体12の分取のための突き刺しはポリプロピレン製のピペットチップ(200ml用)13を使用した。
(比較例2)
密封フィルム8を除く部分は、上述した実施例2と同様の構成とし、密封フィルム8としてマット加工を施していない厚さ15μm、破裂度4kg/cm、伸び50%/180mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)の保護層11に、基材9として軟質アルミニウム(厚さ8μm、破裂度0.05kg/cm、伸び4%/180mm)を張り合わせ、シール層10にマレイン酸変性PP(ポリプロピレン)を主成分としたヒートシールラッカーを厚さ3μmで塗付したものを使用した。この密封フィルム8は破裂度が4kg/cm、伸びが50%/180mmであった。そして、液体12の分取のための突き刺しはポリプロピレン製のピペットチップ(200ml用)13を使用した。
上記構成で密封フィルム8にピペットチップ13を突き刺してウェル4の内部の液体12を回収した結果、実施例2では、図6に示すように、密封フィルム8にピペットチップ13の径方向外側に向かう裂けが生じて吸出し用の空気流用孔14が形成され、目標試薬量を一回で全て回収することができた。
一方、比較例2では図7に示すように突き刺したピペットチップ13の外径と略同径の孔15が形成され、液体12を吸出す際にウェル4の内部が引圧状態となり、目標試薬量の80%しか回収することができなかった。
したがって、上述の実施の形態によれば、ピペットチップ13や注射針等を密封フィルム8に突き刺す時の突き刺し性を向上し、密封フィルム8に空気流用孔14が形成されることで、ピペットチップ13や注射針等の外周面に密封フィルム8が密着することがないため、ウェル4の内部への外気導入を容易に行うことができ、この結果、スムーズに液体12を吸出すことが可能となり、試薬を安定的に分取することができる。
また、密封フィルム8に、ピペットチップ13や注射針等を突き刺して貫通させる際に基材9の硬質アルミニウムを用いることで、ピペットチップ13や注射針等の外周面に密封フィルム8が密着するのを防止することができ、この結果、ピペットチップ13や注射針等の突き刺し性を最適化することができる。
さらに、ウェル4の開口部3を閉塞する密封フィルム8をシール層10によって確実に固定することができるとともに、密封フィルム8に、ピペットチップ13や注射針等を突き刺して貫通させる際にはシール層10がピペットチップ13や注射針等の外周面に密着するのを防止することができるため、更なる突き刺し性の最適化を図ることができる。
とりわけ封入された試薬が少量の場合において効率よく試薬を吸出すことができ有利となる。
そして、密封フィルム8の基材9の上面に保護層11を設ける3層構造とした場合には、ハンドリングが良好となり、強度を向上させることができ、この結果、商品性を向上することができる
また、密封フィルム8を加熱するだけでウェル4の開口部3を容易、且つ、確実に閉塞することができるため、製造工数を削減することができる。
さらに、試薬収容部5と同一の反応容器1上にPCR部6や検出部7を設けることで、ウェル4に封入された液体12をPCR部6や検出部7で効率よく利用することができる。
尚、この発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、チップに設けられた試薬収容部以外に、例えば、チューブ状、ボトル状等の様々な形状の容器に試薬を充填して開口部を密封フィルムで閉塞するようにしても良い。
また、上記実施の形態ではチップにPCR部を設けてある場合について説明したが、PCR部は適宜設ければ良い。
本発明の実施の形態におけるチップの斜視図である。 本発明の実施の形態における図1のA−A線に沿うチップの断面図である。 本発明の実施の形態における他の態様の図2に相当する断面図である。 本発明の実施の形態における実施例1の上面図である。 比較例1の図4に相当する上面図である。 本発明の実施の形態における実施例2の上面図である。 比較例2の図6に相当する上面図である。
符号の説明
2 基板
3 開口部
4 ウェル
5 試薬収容部(試薬保存部)
6 PCR部
7 検出部
8 密封フィルム(被覆フィルム)
9 基材(硬質アルミニウム層)
10 シール層
11 保護層
12 液体(試薬)

Claims (8)

  1. 試薬が保存可能な試薬保存部を有する樹脂成形体から成る試薬用容器において、前記試薬保存部の開口部を閉塞し、少なくとも硬質アルミニウム層及びシール層を含む被覆フィルムを有することを特徴とする試薬用容器。
  2. 前記硬質アルミニウム層は、厚さが10μm以下、伸びが1%/180mm以下、破裂度が0.5kg/cm以下であることを特徴とする請求項1に記載の試薬用容器。
  3. 前記シール層は、酸成分変性共重合ポリエステル系樹脂であり、かつ、厚さが15μm以下、破裂度が2kg/cm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の試薬用容器。
  4. 前記被覆フィルムは、前記硬質アルミニウム層の下面にシール層、上面に保護層を有することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の試薬用容器。
  5. 前記シール層は、ヒートシール性樹脂であり、かつ、厚さが5μm以下であることを特徴とする請求項4に記載の試薬用容器。
  6. 前記保護層は、脆性樹脂であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の試薬用容器。
  7. 前記試薬保存部は、樹脂製の基板上に開口部を有するウェルであることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の試薬用容器。
  8. 前記基板は、少なくともPCR部又は検出部を有することを特徴とする請求項7に記載の試薬用容器。

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