JP6656677B2 - 化合物又はその塩、抗炎症剤、肺がんに対する抗がん剤、化合物又はその塩の製造方法、炎症性疾患の治療方法及び肺がんの治療方法 - Google Patents
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Description
X1は、ヘキソース又は水酸基であり、
X2は、リン酸基又は水酸基である。
前記粗抽出液から式(A)又は式(B)で表される化合物又はその塩を単離する精製工程と、
を含むことを特徴とする。
前述のとおり、本発明の化合物又はその塩は、式(A)又は式(B)で表される化合物又はその塩であることを特徴とする。式(A)及び式(B)において、X1とX2との組合せは、ヘキソースとリン酸基、水酸基と水酸基、ヘキソースと水酸基、水酸基とリン酸基の4通りあり、ヘキソースとリン酸基、水酸基と水酸基の組合せが好ましい。X1がヘキソースの場合、例えば、その2位の炭素における水酸基の酸素が、X1の結合先であるヘキソースの4位の炭素に結合している。本発明の化合物又はその塩は、式(A)又は式(B)において、X1及びX2が、それぞれ、ヘキソース及びリン酸基であれば、式(A1)又は式(B1)で表される化合物又はその塩となり、式(A)又は式(B)において、X1及びX2が、いずれも水酸基であれば、式(A2)又は式(B2)で表される化合物又はその塩となる。本発明の化合物又はその塩は、以下、「本発明の新規化合物」ともいう。本発明の新規化合物は、例えば、後述の製造方法で得ることができる。ただし、後述の製造方法は例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。
本発明の抗炎症剤は、本発明の化合物又はその塩(前記新規化合物)が有する抗炎症効果により炎症を抑えるものであり、本発明の新規化合物を含んでいる以外は、何ら制限されない。本発明の抗炎症剤により炎症を抑えられる疾患としては、例えば、潰瘍性大腸炎及びクローン病等の炎症性腸疾患、乾癬及び皮膚炎等の炎症性皮膚疾患、脳炎、肝炎、腎炎、肺炎、気管支炎、脈管炎、髄膜炎、甲状腺炎、糖尿病、炎症性胆汁疾患、炎症を伴う癌等があげられ、特に限定されない。本発明の抗炎症剤によれば、本発明の新規化合物の有する抗炎症効果により、炎症に伴う疼痛の鎮痛効果も発揮される。
本発明の肺がんに対する抗がん剤は、本発明の化合物又はその塩(前記新規化合物)の有する肺がんに対する抗がん効果により肺がんの増殖を抑えるものであり、本発明の新規化合物を含んでいる以外、何ら制限されない。また、本発明の肺がんの治療方法は、前記新規化合物を含む本発明の肺がんに対する抗がん剤を投与する工程を含む。前記抗がん剤の剤形、前記抗がん剤を投与する動物種及び前記抗がん剤の投与方法は、前記抗炎症剤の剤形、前記抗炎症剤を投与する動物種及び前記抗炎症剤の投与方法と同様である。
前述のとおり、本発明の化合物又はその塩(前記新規化合物)の製造方法は、ロドバクター・アゾトフォルマンス(Rhodobacter azotoformans)BP0899株(受託番号 NITE BP−644)及びその培養物の少なくとも一方から、式(A)又は式(B)で表される化合物又はその塩を含む粗抽出液を抽出する粗抽出工程と、
前記粗抽出液から式(A)又は式(B)で表される化合物又はその塩を単離する精製工程と、
を含むことを特徴とする。
前述のとおり、前記粗抽出工程は、ロドバクター・アゾトフォルマンス(Rhodobacter azotoformans)BP0899株(受託番号 NITE BP−644)及びその培養物の少なくとも一方から、式(A)又は式(B)で表される化合物又はその塩を含む粗抽出液を抽出する工程である。
(1)細胞の形:桿状形又は卵形
(2)多形性:なし
(3)細胞の大きさ:0.8μm×1.0μm
(4)運動性の有無:あり
(5)胞子の有無:なし
(6)普通寒天培養における光沢:あり
(7)普通寒天培養における色素産生:あり
(8)普通ブイヨン培養における表面発育の有無:なし
(9)普通ブイヨン培養における培地の混濁の有無:あり
(10)ゼラチン穿刺培養におけるゼラチン液化:陰性
(11)リトマス・ミルク培養における凝固:なし
(12)リトマス・ミルク培養における液化:なし
(13)グラム染色性:陰性
(14)硝酸塩の還元:なし
(15)脱窒反応:なし又はあり
(16)MRテスト:陰性
(17)インドール産生:なし
(18)硫化水素の生成:なし
(19)デンプンの加水分解:なし
(20)クエン酸の利用(Christensen):なし
(21)無機窒素源の利用(アンモニウム塩):あり
(22)カタラーゼの生成:陽性
(23)オキシダーゼの生成:陽性
(24)嫌気的生育性:あり
(25)O−Fテスト(酸化/発酵):陰性/陰性
(26)β−ガラクトシダーゼ活性:陰性
(27)アルギニンジヒドロラーゼ活性:陰性
(28)リジンデカルボキシラーゼ活性:陰性
(29)トリプトファンデアミナーゼ活性:陰性
(30)ゼラチナーゼ活性:陰性
基質 酸産生/ガス産生
L−アラビノース −/−
D−グルコース −/−
D−フラクトース −/−
マルトース −/−
ラクトース −/−
D−ソルビトール −/−
イノシトール −/−
D−キシロース −/−
D−マンノース −/−
D−ガラクトース −/−
サッカロース −/−
トレハロース −/−
グリセリン −/−
(32)コロニーの色:赤色
(33)ゼラチン穿刺培養:生育しない
(34)VPテスト:陰性
(35)クエン酸の利用(Koser):あり
(36)無機窒素源の利用(硝酸塩):あり
(37)ウレアーゼ活性:陰性
(38)生育するpH範囲:5〜9
(39)D−マンニトールからの酸産生:産生あり
(40)D−マンニトールからのガス産生:産生なし
9F (配列番号2)
5’−GAGTTTGATCCTGGCTCAG−3’
339F (配列番号3)
5’−CTCCTACGGGAGGCAGCAG−3’
785F (配列番号4)
5’−GGATTAGATACCCTGGTAGTC−3’
1099F (配列番号5)
5’−GCAACGAGCGCAACCC−3’
536R (配列番号6)
5’−GTATTACCGCGGCTGCTG−3’
802R (配列番号7)
5’−TACCAGGGTATCTAATCC−3’
1242R (配列番号8)
5’−CCATTGTAGCACGTGT−3’
1541R (配列番号9)
5’−AAGGAGGTGATCCAGCC−3’
まず、前記ロドバクター・アゾトフォルマンス(Rhodobacter azotoformans)BP0899株(受託番号 NITE BP−644)又はその培養物について、色素の脱色処理を行う。前記色素の脱色処理は、特に制限されず、例えば、有機溶媒による脱色処理があげられる。前記有機溶媒は、例えば、アセトン、メタノール、クロロホルム及びそれらの混合溶媒等があげられる。前記脱色処理は、例えば、前記菌体又は前記培養物を前記有機溶媒と混合することによって行える。具体的には、例えば、ビーカー内の前記BP0899株の凍結乾燥菌体10g〜60gに対し、アセトン25mL〜150mLを加え、スターラーを用いて十分に撹拌する。つぎに、前記撹拌した溶液の上澄みを50mLコニカルチューブに移し、2000rpm〜5000rpm、5分〜10分の条件で遠心分離し、得られた上清を除去し、沈殿物にアセトン20mL〜40mLを加え、前記ビーカーに戻す。この操作を、前記BP0899株の色素の色(褐色)を目視で認められなくなるまで繰り返した後、前記沈殿物を、アスピレーターを用いて恒量になるまで減圧乾燥し、脱色された乾燥菌体を得る。
つぎに、前記脱色処理後の菌体又は培養物を、タンパク質を不溶化する有機溶媒で処理し、タンパク質の除去を行う。前記有機溶媒は、例えば、フェノール等があげられる。前記抽出処理は、例えば、前記菌体又は培養物を、前記有機溶媒及び水性溶媒と混合し、前記有機溶媒により不溶化したタンパク質を前記有機溶媒の相に分配させ、前記水性溶媒の相に、目的とする前記化合物を分配させる。具体的には、例えば、前記ビーカー内の脱色乾燥菌体10g〜60gに、前記脱色乾燥菌体の濃度が60mg/mL〜90mg/mLとなるように、注射用水を加える。つぎに、90%フェノールを前記注射用水と等量加え、ホットスターラー上で65℃〜70℃で20分〜40分撹拌し、これを初回の抽出とする。そして、前記撹拌した溶液を10℃以下になるまで冷却した後、遠心分離用チューブを用いて、8000rpm〜20000rpm、20分〜60分、2℃〜10℃の条件で遠心分離することにより、フェノール相と水相とに分離し、得られた前記水相を50mLコニカルチューブに回収し、前記遠心分離用チューブに残ったフェノール相に、回収した水相と等量の注射用水を入れ、前記初回の抽出と同様の操作を繰り返す(2回目の抽出)。さらに、前記初回の抽出と同様の操作をもう一度繰り返す(3回目の抽出)。このようにして、3回分の抽出により得られた水相500mL〜1000mLを回収する。
つぎに、抽出処理で得られた水相に、濾過処理を施し、前記水相に混入した有機溶媒(前記抽出処理で用いたフェノール等の有機溶媒)を除去する。前記濾過としては、例えば、限外濾過等があげられる。前記濾過における分画分子量は、例えば、7000であり、前記分画分子量未満の分子を除去することが好ましい。具体的には、例えば、前記回収した水相を、分画分子量7000の透析チューブに入れ、外液を蒸留水1L〜10Lとし、透析を行う。外液にフェノールの吸収波長である270nmにおける光の吸収が認められなくなるまで、前記透析を繰り返し行い、内液を、前記本発明の新規化合物を含む粗抽出液として回収する。
図2のフローチャートに、前記精製工程の一例を示す。図示のとおり、本例の前記精製工程は、酵素処理(ステップS21)と、抽出処理(ステップS22)と、濾過処理(ステップS23)と、を含む。
前記粗抽出工程で得られた前記本発明の新規化合物を含む粗抽出液について、酵素処理を行う。前記酵素処理は、特に制限されず、例えば、核酸分解酵素による処理、タンパク質分解酵素による処理があげられ、いずれか一方の処理でもよいし、両方の処理でもよい。後者の場合、その順序は、特に制限されないが、例えば、核酸分解酵素による処理を行った後、タンパク質分解酵素による処理を行うことができる。
つぎに、前記粗抽出液を、タンパク質を不溶化する有機溶媒で処理し、タンパク質の除去を行う。前記有機溶媒は、例えば、フェノール等があげられる。具体的には、例えば、前記酵素処理後の抽出液を、2000rpm〜5000rpm、20分〜60分の条件で遠心分離する。そして、得られた沈殿画分約1mL〜10mLと上清画分約50mL〜100mLとのうち、前記沈殿画分を、分画分子量50000〜100000の限外濾過チューブに入れ、外液を蒸留水5mL〜15mLとし、限外濾過を行う。得られた内液に、注射用水10mL〜60mLと90%フェノール10mL〜60mLとを加え、ホットスターラー上で65℃〜70℃で20分〜40分撹拌し、これを初回の抽出とする。そして、前記撹拌した溶液を10℃以下になるまで冷却した後、遠心分離用チューブを用いて、8000rpm〜20000rpm、20分〜60分、2℃〜10℃の条件で遠心分離することにより、フェノール相と水相とに分離し、得られた前記水相は、50mLコニカルチューブに回収し、前記遠心分離用チューブに残ったフェノール相に、回収した水相と等量の注射用水を入れ、前記初回の抽出と同様の操作を繰り返す(2回目の抽出)。さらに、前記初回の抽出と同様の操作をもう一度繰り返す(3回目の抽出)。このようにして、3回分の抽出操作の水相を、計60mL〜120mL回収する。
つぎに、抽出処理で得られた水相に、濾過処理を施し、前記水相に混入した有機溶媒(前記抽出処理で用いたフェノール等の有機溶媒)を除去する。前記濾過としては、例えば、限外濾過等があげられる。前記濾過における分画分子量は、例えば、50000〜100000であり、前記分画分子量未満の分子を除去することが好ましい。具体的には、例えば、前記回収した水相を、分画分子量7000の透析チューブに入れ、外液を蒸留水0.5L〜1Lとし、24時間〜96時間透析を行う。得られた内液を、分画分子量50000〜100000の限外濾過チューブに入れ、外液を蒸留水5mL〜15mLとし、限外濾過を行う。得られた内液を凍結乾燥することにより、本発明の新規化合物である、式(A)又は式(B)で表される化合物又はその塩が得られる。
下記方法により、式(A)で表される化合物及び式(B)で表される化合物を製造した。
(1−1)脱色処理(ステップS11)
ビーカー内の前記BP0899株の凍結乾燥菌体20.03gに対し、アセトン50mLを加え、スターラーを用いて10分撹拌した。つぎに、前記撹拌した溶液の上澄みを50mLコニカルチューブに移し、2000rpm、5分の条件で遠心分離し、得られた上清は除去し、沈殿物には、アセトン20mLを加え、前記ビーカーに戻した。この操作を、前記BP0899株の色素の色(褐色)を目視で認められなくなるまで繰り返した。そして、脱色された沈殿物を、アスピレーターを用いて恒量になるまで減圧乾燥し、脱色乾燥菌体を得た。
ビーカーに入れた前記脱色乾燥菌体16gに、前記脱色乾燥菌体の濃度が75mg/mLとなるように、注射用水を加えた。つぎに、90%フェノールを前記注射用水と等量加え、ホットスターラー上で65℃〜70℃で30分撹拌し、これを初回の抽出とした。そして、前記撹拌した溶液を10℃以下になるまで冷却した後、遠心分離用チューブを用いて、15000rpm、40分、4℃の条件で遠心分離することにより、フェノール相と水相とに分離し、得られた前記水相は、50mLコニカルチューブに回収し、前記遠心分離用チューブに残ったフェノール相に、回収した水相と等量の注射用水を入れ、前記初回の抽出と同様の操作を繰り返した(2回目の抽出)。さらに、前記初回の抽出と同様の操作をもう一度繰り返した(3回目の抽出)。このようにして、3回分の抽出操作の水相450mLを回収した。
前記回収した水相450mLを、分画分子量7000の透析チューブに入れ、外液を蒸留水2.5Lとし、透析を行った。外液にフェノールの吸収波長である270nmにおける光の吸収が認められなくなるまで、前記透析を22回行い、式(A)で表される化合物及び式(B)で表される化合物を含む粗抽出液である内液75mLを回収した。
(2−1)酵素処理(ステップS21)
まず、前記粗抽出工程で得た式(A)で表される化合物及び式(B)で表される化合物を含む粗抽出液に、0.5mg/mLのRNA分解酵素(商品名:シグマ社製のribonuclease A)と、5μg/mLのDNA分解酵素(シグマ社製のDeoxyribonuclease I)とを添加し、37℃で6時間インキュベートした。つぎに、前記粗抽出液に、200μg/mLのタンパク質分解酵素(シグマ社製のProteinase K)を添加し、50℃で4時間インキュベートした後、3000rpm、30分の条件で遠心分離した。
前記酵素処理における遠心分離により得られた、沈殿画分約3mL以下と上清画分約72mLとのうち、前記沈殿画分を、分画分子量100000の限外濾過チューブに入れ、外液を蒸留水15mLとし、限外濾過を行った。得られた内液に、注射用水30mLと90%フェノール30mLとを加え、ホットスターラー上で65℃〜70℃で30分撹拌し、これを初回の抽出とした。そして、前記撹拌した溶液を10℃以下になるまで冷却した後、遠心分離用チューブを用いて、15000rpm、40分、4℃の条件で遠心分離することにより、フェノール相と水相とに分離し、得られた前記水相は、50mLコニカルチューブに回収し、前記遠心分離用チューブに残ったフェノール相に、回収した水相と等量の注射用水を入れ、前記初回の抽出と同様の操作を繰り返した(2回目の抽出)。さらに、前記初回の抽出と同様の操作をもう一度繰り返した(3回目の抽出)。このようにして、3回分の抽出操作の水相80mLを回収した。
前記回収した水相を、分画分子量7000の透析チューブに入れ、外液を蒸留水1Lとし、72時間透析を行った。得られた内液を、分画分子量100000の限外濾過チューブに入れ、外液を蒸留水15mLとし、限外濾過を行った。得られた内液を凍結乾燥することにより、精製物164.53mgを得た。
前記精製物を、質量分析(mass spectrometry)及び核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance、NMR)に供し、その構造を特定した。
前記精製物を以下のようにして分解し、前記精製物の分解物を調製した。まず、前記精製物を、10mg/mLの濃度となるように、0.1mol/Lの塩酸に溶解し、前記溶解液を水浴中で90分間加熱して、沈殿物と無色透明の上清とを得た。つぎに、前記沈殿物を回収し、クロロホルム抽出に供し、クロロホルム画分を回収した。前記クロロホルム画分に、38mg/mLの濃度となるように、クロロホルムを追加し、この溶解液6μLを、薄層クロマトグラフィー(TLC)に供した。なお、TLCプレートとしては、10cm×10cmのシリカゲル60F254TLCプレート(メルク社製)を、展開溶媒としては、クロロホルム:メタノール:蒸留水:トリエチルアミン=30:13:2:0.1(体積比)の溶液を使用した。そして、展開後の前記TLCプレートに、50%の硫酸を噴霧し、最も強く染まったスポットに対応するゲルをかき取り、再度前記展開溶媒に溶解した。そして、溶媒を取り除いた後に、溶媒以外の画分を回収し凍結乾燥し、これを前記精製物の分解物(以下、「分解物」という。)とした。
(I)前記分解物濃度が、30mg/mLとなるように調製したクロロホルム溶液0.1mLに、0.2mg/mL BHT(ジブチルヒドロキシトルエン) クロロホルム溶液1mLを添加し、乾固した。
(II)前記乾固物に、5%塩酸・メタノール1mLを添加し、85℃で24時間反応させた。
(III)前記反応物を放冷後、ヘキサン1mL、水0.5mLを添加し、ヘキサン相を回収した。
(IV)前記回収したヘキサン相を、窒素気流化で溶媒留去し、クロロホルム1mLに再溶解し、メチルエステル化処理物の試料溶液を得た。
(I)前記メチルエステル化処理物の試料溶液200μLをガラス試験管に採取した。
(II)前記ガラス試験管に、ピロリジン400μL及び酢酸40μLを添加して、100℃で30分間反応させた。
(III)反応終了後、前記反応物に、ジクロロメタン2mLと5%酢酸水溶液2mLを加えて振り混ぜた後、ジクロロメタン相を回収した。
(IV)前記回収したジクロロメタン相から、窒素気流下で溶媒を除去した後、クロロホルム200μLに再溶解し、ピロリジド化処理物の試料溶液を得た。
(I)前記分解物に対して、前記メチルエステル化処理物の調製における(I)と同様の処理を行い、乾固物を得た。
(II)前記乾固物に、0.5mol/L NaOH・メタノール1mLを添加し、50℃で1時間反応させた。
(III)前記反応物を放冷後、ヘキサン1mL、1mol/L塩酸試液0.5mLを添加し、ヘキサン相を回収した。
(IV)前記回収したヘキサン相に対して、前記メチルエステル化処理物の調製における(IV)と同様の処理を行い、加水分解メチルエステル化処理物の試料溶液を得た。
前記加水分解メチルエステル化処理物に対して、前記ピロリジド化処理物の調製における(I)〜(IV)と同様の処理を行い、加水分解ピロリジド化処理物の試料溶液を得た。
前記メチルエステル化処理物及び前記加水分解メチルエステル化処理物を、下記条件で、GC−MS(ガスクロマトグラフ−マススペクトロメトリー)分析に供した。
機器:JMS−700V(日本電子(株)製)
カラム:SPB−1 30m×0.25mm 膜厚0.25μm
カラム温度:50℃(1分保持)→300℃(+8℃/分で昇温、30分保持)
注入口温度:250℃
検出器:水素炎イオン化検出器(FID) 300℃
注入量:1μL(splitless注入)
キャリアガス:ヘリウム(線速度30cm/sec、定流量モード)
検出器:MS
イオン化法:EI(Electron Ionization)
イオン化電流:300μA
イオン化エネルギー:70eV
イオン化室温度:300℃
電子加速電圧:10kV
走査範囲:m/z=35〜500(sec/scan)
つぎに、式(4)の化合物における炭素間二重結合位置の決定を目的に、前記ピロリジド化処理物及び前記加水分解ピロリジド化処理物を、下記条件で、GC−MS分析に供した。
機器:JMS−700V(日本電子(株)製)
カラム:SPB−1 30m×0.25mm 膜厚0.25μm
カラム温度:100℃(1分保持)→300℃(+10℃/分で昇温、30分保持)
注入口温度:280℃
検出器:水素炎イオン化検出器(FID) 300℃
注入量:1μL(splitless注入)
キャリアガス:ヘリウム(線速度30cm/sec、定流量モード)
検出器:MS
イオン化法:EI
イオン化電流:300μA
イオン化エネルギー:70eV
イオン化室温度:300℃
電子加速電圧:10kV
走査範囲:m/z=35〜500(sec/scan)
前記(1)で得た分解物の濃度が、30mg/mLとなるように調製したクロロホルム溶液0.1mLから、溶媒を除去し、重DMSO600μLを添加し、5mm試験管に移し、これを試料溶液とした。
前記試料溶液を、下記測定条件で1HNMR測定及び13CNMR測定に供した。
(測定条件)
装置:UNITY INOVA 500型(バリアン社製)
観測周波数:499.8MHz(1H核)
125.7MHz(13C核)
溶媒:重DMSO
基準(※):溶媒:1H核(2.49ppm)、13C核(39.7ppm)
温度:70℃に設定
測定法:13CNMR、DEPT、NOESY、ROESY、COSY、TOCSY、HSQC、HMBC
※ 70℃での重DMSOでのケミカルシフトの値は、Albaら(Alba S. et al(2004), Glycobiology, vol.14, No.9, p.805-p.815)に記載の値を使用した。
200μLの85%リン酸が入った3mm試験管を、前記試料溶液の入った前記5mm試験管に挿入した。この際、観測された85%リン酸由来のシグナルを0.000ppmに合わせ、その後、前記3mm試験管を抜き、前記試料溶液を、下記測定条件で31PNMR測定に供した。
(測定条件)
装置:UNITY INOVA 500型(バリアン社製)
観測周波数:499.8MHz(31P核)
溶媒:重DMSO
基準:85%リン酸(外部標準):0.000ppm
温度:25℃に設定
前記分解物が、式(9)の化合物であることをさらに裏付けるべく、以下の分析を行った。
機器:amaZon ETD (Bruker Daltonics社製)にESI interfaceを装着
測定モード:ESI−IT−MS、Negative mode
前記精製物を、Leoneら(Serena Leone et al, “ Structural elucidation of the core-lipid A backbone from the lipopolysaccharide of Acinetobacter radioresistens S13, an organic solvent tolerant Gram-negative bacterium”, Carbohydrate Research, April 10, 2006, Vol.341, issue.5, p.582-590)に記載の方法によりヒドラジン分解し、ヒドラジン分解物105.4mgを得た。前記ヒドラジン分解物濃度が、2.1mg/mLとなるように蒸留水に溶解し、メタノールにより200倍希釈した溶液を試料溶液とし、下記条件で、GC−MS分析に供した。
機器:amaZon ETD (Bruker Daltonics社製)にelectrospray ionization (ESI) interfaceを装着
測定モード:ESI−IT−MS、Negative mode
前記(1)〜(4)の結果をまとめると、前記精製物は、式(A)及び式(B)において、X1及びX2が、それぞれ、ヘキソース及びリン酸基である化合物(式(A1)で表される化合物及び式(B1)で表される化合物)を含むことが特定された。なお、前記(2)においては、式(9)に示すように、β−1,6−ジグルコサミン骨格の1位の炭素には、ヒドロキシル基が結合していると推定された。一方、前記(4)においては、図21の模式図に示すように、β−1,6−ジグルコサミン骨格の1位の炭素には、リン酸基が結合していると推定された。これについては、つぎの理由により、後者のリン酸基が正しい構造であると特定した。すなわち、前記(2)においては、前記精製物に所定の処理を施し、前記分解物を得ているが、この過程で弱酸を用いる際、グルコサミン2分子の内の右側のグルコサミンに結合しているリン酸基が脱落し、−OH基に置き換わる頻度が高いことが一般的に知られているためである。
前記(4)で得たヒドラジン分解物を、4mol/LのKOHで処理し、遊離した糖鎖部分を、ゲルろ過カラムクロマトグラフィー(Bio-Rad社製のBio-gel P4 media Extra fine <45μm(wet):#150-4128)により分画・精製した。図28のグラフに、そのゲルろ過パターンを示す。
(測定条件)
装置:DRX500及びADVANCE600分光器(BrukerBioSpin社製)
プローブ:cryogenic TXI probe、TXI probe及びBBO probe
プローブ温度:25℃
測定法:1D 1H、1D 1H−selective TOCSY、1H−selective NOESY、1H−selective ROSEY、1D 13C、1D 31P、2D 1H−1H DQF−COSY、HOHANA、NOESY、ROESY、1H−13C HSQC−TOCSY、1H−13C HSQC−NOESY、1H−13C HMBC、1H−31P HMBC
1J(C1,H1)
GlcN−1 174 Hz (α)
GlcN−2 164 Hz (β)
GlcA 171 Hz (α)
Glc−1 173 Hz (α)
Glc−2 171 Hz (α)
式(A2)で表される化合物
式(A1)で表される化合物、式(B1)で表される化合物、式(A2)で表される化合物及び式(B2)で表される化合物が、抗炎症効果を有することを確認した。
実施例1で得た精製物(式(A1)で表される化合物、式(B1)で表される化合物、式(A2)で表される化合物及び式(B2)で表される化合物の混合物)を、2mg/mLの濃度となるように注射用水に溶解し4℃で保存した溶液を、37℃で5分加熱し、37℃、1分の条件で超音波処理した。前記超音波処理後の前記溶液10μLを、下記の組成の培養液990μLに添加して十分に混合し、前記精製物の濃度が、20000ng/mLの溶液を調製し、これを、前記培養液を用いて段階的に希釈することにより、2000ng/mL、200ng/mL、20ng/mL、2ng/mL及び0.2ng/mLである計6種類の被験液を得た。なお、前記6種類の被験液は、細胞への添加の際に2倍希釈されるため、前記精製物の終濃度は、それぞれ、10000ng/mL、1000ng/mL、100ng/mL、10ng/mL、1ng/mL及び0.1ng/mLとなる。
DMEM培地 500mL
ウシ胎児血清 55.5mL
ペニシリン−ストレプトマイシン−グルタミン(100×) 5.6mL
ヒトTLR4遺伝子を導入したヒト胎児由来腎臓細胞(InvivoGen社製)に、前記培養液を添加し、前記細胞の濃度が、4×105細胞/mLとなる溶液を調製した。前記溶液を、96ウェル平底プレートに、100μLずつ(すなわち、4×104細胞/100μL/ウェル)となるように播種した。播種後、37℃、5%CO2下で24時間培養した後、培養上清を除去し、新たな前記培養液を各ウェルに100μLずつ添加した。つぎに、前記被験液を各ウェルに100μLずつ添加した。前記被験液の添加後、37℃、5%CO2下で24時間培養した。
各ウェルの培養上清を回収し、Human IL-8 ELISA MAX(登録商標) Standard(Biolegend社製)を用い、インターロイキン−8(Interleukin-8:IL−8)の濃度を測定した。
式(A1)で表される化合物、式(B1)で表される化合物、式(A2)で表される化合物及び式(B2)で表される化合物が、抗炎症効果を有することを確認した。
実施例3における「(1)被験液の調製」と同様にして、前記精製物の濃度が、20000ng/mLの溶液を調製し、これを、下記の組成の培養液を用いて段階的に希釈することにより、100ng/mL及び10000ng/mLである計2種類の被験液を得た。なお、前記2種類の被験液は、細胞への添加の際に100倍希釈されるため、前記精製物の終濃度は、それぞれ、1ng/mL及び100ng/mLとなる。
RPMI1640培地 500mL
非動化ウシ胎児血清 55.5mL
ペニシリン−ストレプトマイシン−グルタミン(100×) 5.6mL
マウスマクロファージ細胞(RAW264.7、ATCC)に、前記培養液を添加し、前記細胞の濃度が、1.067×106細胞/mLとなる溶液を調製した。前記溶液を、6ウェルプレートに、3mLずつ(すなわち、3.2×106細胞/3mL/ウェル)となるように播種した。播種後、37℃、5%CO2下で2時間培養した後、前記被験液を各ウェルに30μLずつ添加した。前記被験液の添加後、37℃、5%CO2下で24時間培養した。つぎに、前記各ウェルの培養上清を、15mLチューブに回収した。そして、前記各ウェルに、新たな前記培養液1mLを添加し、ウェル全体に行き渡らせた後、前記15mLチューブに回収する作業を2回繰り返した。その後、前記15mLチューブに回収した前記培養液を、1000rpm、3分の条件で遠心分離した後、上清を除去し、さらに、37℃の新たな前記培養液3mLを添加して懸濁し、再度同様の条件で遠心分離した。遠心分離後、上清を除去し、沈殿に、37℃の新たな前記培養液2mLを添加して懸濁した。そして、前記懸濁液を、2mLずつ、新たな前記培養液1mLが予め添加してある状態の各ウェルに添加した。その後、新たな前記培養液30μLを添加した(以下、この工程を、「培養液添加工程」という。)。添加後、37℃、5%CO2下で30分培養した後、前記各ウェルの培養上清を、15mLチューブに回収し、1000rpm、3分の条件で遠心分離し、上清をアスピレーターにより除去した。さらに、培養上清を除去した前記6ウェルプレートの各ウェルに、冷却したPBS(Phosphate buffered saline)/Phosphatase Inhibitors液3mLを添加し、ピペッティングにより細胞を剥がし、細胞懸濁液を前記15mLチューブに添加した。前記15mLチューブを、1000rpm、3分の条件で遠心分離し、上清をアスピレーターにより除去した後、前記15mLチューブに冷却した前記PBS/Phosphatase Inhibitors液0.5mLを添加して懸濁することにより、細胞懸濁液を調製した。前記細胞懸濁液から、Nuclear Extract キット(アクティブ モティフ社製)を用いて、核タンパク質を抽出した。
Trans AM NF−κB p65キット(アクティブ モティフ社製)を用いて吸光度を測定することにより、前記核タンパク質中のNF−κB量を確認した。
式(A1)で表される化合物、式(B1)で表される化合物、式(A2)で表される化合物及び式(B2)で表される化合物が、抗炎症効果を有することを確認した。
式(A1)で表される化合物、式(B1)で表される化合物、式(A2)で表される化合物及び式(B2)で表される化合物が、抗炎症効果を有することを確認した。
実施例3における「(1)被験液の調製」と同様にして、前記精製物の濃度が、20000ng/mLの溶液を調製し、これを、下記組成の培養液を用いて段階的に希釈することにより、2ng/mL、0.2ng/mL及び0.02ng/mLである計3種類の被験液を得た。なお、前記3種類の被験液は、細胞への添加の際に2倍希釈されるため、前記精製物の終濃度は、それぞれ、1ng/mL、0.1ng/mL及び0.01ng/mLとなる。
RPMI1640培地 500mL
ウシ胎児血清 55.5mL
硫酸カナマイシン 0.11mL
アンピシリンナトリウム 0.134mL
マウスマクロファージ細胞(RAW264.7、ATCC)に、前記培養液を添加し、前記細胞の濃度が、4×105細胞/mLとなる溶液を調製した。前記溶液を、96ウェル平底プレートに、100μLずつ(すなわち、4×104細胞/100μL/ウェル)となるように播種した。播種後、37℃、5%CO2下で、前記細胞がウェルの底に接着して伸展するまで2時間培養した。つぎに、前記被験液を各ウェルに100μLずつ添加した。前記被験液の添加後、37℃、5%CO2下で24時間培養した。培養後、各ウェルの培養上清を除去し、新たに前記培養液150μLを添加し(以下、この工程を、「培養液添加工程」という。)、37℃、5%CO2下で24時間培養した。
培養後、各ウェルの培養上清50μLを回収し、新たな96ウェル平底プレートの各ウェルへと移し、mouse TNF−α測定キット(Biolegend社製)を用いて吸光度を測定し、TNF−α濃度に換算した。
式(A1)で表される化合物、式(B1)で表される化合物、式(A2)で表される化合物及び式(B2)で表される化合物が、抗炎症効果を有することを確認した。
〔実施例8−1〕
式(A1)で表される化合物、式(B1)で表される化合物、式(A2)で表される化合物及び式(B2)で表される化合物が、抗炎症効果を有することを確認した。
実施例3における「(1)被験液の調製」と同様にして、前記精製物の濃度が、20000ng/mLの溶液を調製し、これを、下記組成の培養液を用いて段階的に希釈することにより、400ng/mL、4000ng/mL及び40000ng/mLである計3種類の被験液を得た。なお、前記3種類の被験液は、細胞への添加の際に4倍希釈されるため、前記精製物の終濃度は、それぞれ、100ng/mL、1000ng/mL及び10000ng/mLとなる。
RPMI1640培地 500mL
非動化ウシ胎児血清 55.5mL
ペニシリン−ストレプトマイシン−グルタミン(100×) 5.6mL
ヒト末梢血単球由来細胞(THP−1、DSファーマバイオメディカル(株)製)に、前記培養液を添加し、前記細胞の濃度が、4×105細胞/mLとなる溶液を調製した。前記溶液を、24ウェルプレートに、500μLずつ(すなわち、2.0×105細胞/500μL/ウェル)となるように播種した。播種後、前記培養液250μL、又は、40μmol/LのGW9662(和光純薬工業(株)製)を含有する前記培養液250μLを、各ウェルに添加した。なお、前記GW9662は、核内受容体の一種であるPPARγ(Peroxisome proliferator-activated receptor γ)の阻害剤である。添加後、37℃、5%CO2下で1時間培養した。その後、前記被験液を各ウェルに250μLずつ添加し、37℃、5%CO2下で22時間培養した。培養後、各ウェルの培養上清を、2mLチューブに回収した。また、各ウェルに新たな前記培養液0.5mLを添加し、ウェル全体に行き渡らせ、前記2mLチューブに回収した。空になった各ウェルには、新たな前記培養液0.49mLを添加しておいた。前記2mLチューブに回収した前記培養液を、1000rpm、5分の条件で遠心分離し、上清を除去し、さらに、新たな前記培養液1mLを添加して懸濁し、再度同様の条件で遠心分離した。遠心分離後、上清を除去し、各ウェル中の0.49mLの培養液を、前記2mLチューブに添加して懸濁し、各ウェルに再び戻した。そして、各ウェルに、培養液250μL、又は、40μmol/Lの前記GW9662を含有する培養液250μLを添加し、37℃、5%CO2下で1時間培養した。培養後、各ウェルに対して、前記LPSpの終濃度が100ng/mLとなるように、LPSpを含む培養液250μLを添加して、37℃、5%CO2下で22時間培養した。
培養後、各ウェルの培養上清をチューブに回収して遠心分離し、上清を1.5mLチューブに回収し、Human IL-6 ELISA MAX Deluxe(Biolegend社)を用いて吸光度を測定し、インターロイキン−6(Interleukin6:IL−6)の濃度を換算した。
式(A1)で表される化合物、式(B1)で表される化合物、式(A2)で表される化合物及び式(B2)で表される化合物が、PPARγ遺伝子の発現を促進することを、理化学研究所が開発したCAGE(Cap Analysis of Gene Expression)法により確認した。
式(A1)で表される化合物、式(B1)で表される化合物、式(A2)で表される化合物及び式(B2)で表される化合物が、肺がんに対する抗がん効果を有することを確認した。
ルイス肺がん由来細胞株(Lewis lung carcinoma:3LL、JCRB細胞バンクより入手)の懸濁液を、1匹当たりのがん細胞投与量が2.5×105cells/200μLとなるように、6週齢の雄性C57 BL/6Jマウス5匹の腹側部に皮下投与した。投与から2週間後、前記マウス1匹から腫瘍を摘出し、ディッシュ上でPBS(−)を用いて洗浄した。つぎに、洗浄した前記腫瘍を2mm角程度に細かくきざみ腫瘍断片とし、前記腫瘍断片を50mLチューブに移して、コラゲナーゼ液5mLを添加し、37℃で10分温めた。その後、前記腫瘍断片を含むコラゲナーゼ液をピペッティングすることにより、さらに細かい腫瘍断片とし、前記腫瘍断片を含むコラゲナーゼ液を別の50mLチューブに移し、氷上で冷却した。冷却後、前記腫瘍断片を含むコラゲナーゼ液にさらにコラゲナーゼ液5mLを添加し、同様の操作を、腫瘍断片を観察できなくなるまで5回繰り返した。その後、前記腫瘍断片を含むコラゲナーゼ液をセルストレイナー(メッシュサイズ70μm、BD社製)でろ過し、ろ過液を1200rpm、7分の条件で遠心分離した。遠心分離後、上清を除去し、沈殿に、RPMI1260培地(血清無添加)20mLを添加し、転倒混和による懸濁後、1200rpm、7分の条件で遠心分離した。遠心分離後、上清を除去し、沈殿に、PBS(−)を添加し2回洗浄した後、PBS(−)10mLを添加し懸濁し、がん細胞懸濁液を調製した。前記がん細胞懸濁液を、1匹当たりのがん細胞投与量が2.5×105cells/200μLとなるように、前記マウス12匹の腹側部に皮下投与した。投与から14日後、前記マウス10匹から腫瘍を摘出し、前述と同様の方法で、がん細胞懸濁液を調製した。前記がん細胞懸濁液を、1匹当たりのがん細胞投与量が2.5×105cells/50μLとなるように、前記マウス108匹の腹部皮内に投与した。投与後、各マウスの腫瘍サイズが直径5mm程度になった時点(投与後8日目)で、マウスを下記に示す6群(各群n=6)に分けた。
群分けした後、各群に、前記表5に示す物質を投与した。前記精製物の投与は、実施例9−1及び実施例9−2の腹腔内投与(ip)においては、マウスにおける前記精製物の摂取量が0.5mg/10mL/kgとなるように、群分け直後に1回行い、実施例9−3及び実施例9−4の自由摂取(po)の場合は、前記精製物の濃度が1μg/mLの溶液が入った給水瓶を用いて、群分け直後から開始した。なお、給水瓶は3日ごとに新しいものへと交換した。比較例9−1の生理食塩水の投与は、ipにより、マウスの生理食塩水摂取量が10mL/kgとなるように、群分け直後に1回行った。実施例9−2、実施例9−4及び参考例9−1におけるCY(シクロフォスファミド、肺がんに対する抗がん剤、和光純薬工業(株)製)の投与は、ipにより、マウスのCY摂取量が100mg/10mL/kgとなるように、群分け直後に1回行った。
群分けした日を0日目として、3日目、6日目及び9日目に、ノギスを用いて腫瘍の長径及び短径を測定し、それを基に腫瘍体積を算出した。腫瘍体積の算出は、Shime ら(Shime H, et al, “ Toll-like receptor 3 signaling converts tumor-supporting myeloid cells to tumoricidal effectors”, Proc Natl Acad Sci USA, February 7, 2012, Vol.109, no.6, p.2066-2071)に記載の方法に従い、計算式:長径(mm)×短径(mm)2×0.4=腫瘍体積(mm3)により行った。
Claims (11)
- 式(A)又は式(B)で表されることを特徴とする、化合物又はその塩。
X1は、ヘキソース又は水酸基であり、
X2は、リン酸基又は水酸基である。 - ロドバクター・アゾトフォルマンス(Rhodobacter azotoformans)BP0899株(受託番号 NITE BP−644)及びその培養物の少なくとも一方から、式(A)又は式(B)で表される化合物又はその塩を含む粗抽出液を抽出する粗抽出工程と、
前記粗抽出液から式(A)又は式(B)で表される化合物又はその塩を単離する精製工程と、
を含むことを特徴とする、式(A)又は式(B)で表される化合物又はその塩の製造方法。
X1は、ヘキソース又は水酸基であり、
X2は、リン酸基又は水酸基である。 - 前記粗抽出工程における抽出処理が、タンパク質を不溶化する有機溶媒による抽出処理である、請求項2記載の製造方法。
- 前記有機溶媒が、フェノールである、請求項3記載の製造方法。
- 前記粗抽出工程において、前記抽出処理の前に、ロドバクター・アゾトフォルマンス(Rhodobacter azotoformans)BP0899株(受託番号 NITE BP−644)及びその培養物の少なくとも一方について、色素の脱色処理を行う、請求項2から4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記色素の脱色処理が、アセトン、メタノール及びクロロホルムからなる群から選択される少なくとも一つによる脱色処理である、請求項5記載の製造方法。
- 前記粗抽出工程において、前記粗抽出液について濾過処理を行う、請求項2から6のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記精製工程において、前記粗抽出液について、酵素処理と、タンパク質を不溶化する有機溶媒による抽出処理とを行う、請求項2から7のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記酵素処理が、核酸分解酵素及びタンパク質分解酵素の少なくとも一方による酵素処理である、請求項8記載の製造方法。
- 前記有機溶媒が、フェノールである、請求項8又は9記載の製造方法。
- 前記精製工程において、前記抽出処理後の抽出液について濾過処理を行う、請求項8から10のいずれか一項に記載の製造方法。
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