JP6654505B2 - 乾燥剤、封止構造、及び有機el素子 - Google Patents

乾燥剤、封止構造、及び有機el素子 Download PDF

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本発明は、乾燥剤、封止構造、及び有機EL素子に関する。
有機EL(Electroluminescence)素子は、一般に、有機発光材料を含む薄膜である有機層と、これを挟む一対の電極とを含む発光部を有している。有機EL素子は、薄膜に正孔(ホール)及び電子を注入して再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、この励起子が失活する際の光の放出(蛍光又は燐光)を利用する自発光素子である。
有機EL素子に関して、ダークスポットと呼ばれる有機層の非発光部の発生とその成長の防止が望まれている。ダークスポットの主原因としては、水分及び酸素の影響が大きく、特に水分は極めて微量でもダークスポットの発生に大きな影響を及ぼすことが知られている。
そこで、有機EL素子への水分及び酸素の浸入を防止する方法が種々検討されている。例えば、有機層及び電極を乾燥させた不活性ガス雰囲気の気密容器内に封止し、さらに気密容器内に乾燥剤を封入した中空封止構造が提案されている。例えば、特許文献1、2は、フッ素系オイルからなる不活性液体又はフッ素系ゲルに所定量の吸着材を混合したものを乾燥剤として備える有機EL素子を開示している。また、特許文献2は、シリコーン系オイルからなる不活性液体に所定量の吸着材を混合したものを乾燥剤として備える有機EL素子も開示している。
特開2003−163076号公報 特開2007−012372号公報
しかし、シリコーン系オイル等をバインダーとして含む乾燥剤を備えた従来の有機EL素子では、長期保管時に有機EL素子中の有機層が溶解することがある。これは、バインダーが乾燥剤層から染み出し、これが有機層を溶解するためであると考えられる。
そこで本発明は、バインダーを含みながら、有機EL素子中の有機層の溶解を抑制することができる乾燥剤の提供を主な目的とする。
本発明の一側面は、バインダーと、バインダー中に分散している、アルカリ土類金属酸化物を含む酸化物粒子と、を含有する乾燥剤を提供する。バインダーが、ケイ素原子と該ケイ素原子に結合したフッ素化アルキル基とを有するフッ素変性シリコーンを含む。
この乾燥剤によれば、有機EL素子の有機層の溶解を有効に抑制できる。
酸化物粒子の含有量が、乾燥剤全量基準で5〜70質量%であってもよい。酸化物粒子の含有量がこの範囲であると、乾燥剤の粘度調整がより容易になる傾向にある。
乾燥剤の25℃における粘度が、5〜500Pa・sであってもよい。乾燥剤の25℃における粘度がこの範囲であると、塗布によって乾燥剤層をより容易に形成することができる。
別の側面において、本発明は、対向配置された一対の基板と、一対の基板の外周部を封止する封止シール剤と、封止シール剤の内側で一対の基板上の間に設けられた、上記乾燥剤を含む乾燥剤層と、を備える封止構造を提供する。
さらに別の側面において、本発明は、素子基板と、素子基板に対して対向配置された封止基板と、素子基板及び封止基板の外周部を封止する封止シール剤と、封止シール剤の内側で前記素子基板上に設けられた、有機層及びこれを挟持する一対の電極を有する積層体と、封止シール剤の内側で封止基板上に設けられた、上記乾燥剤を含む乾燥剤層と、を備える有機EL素子を提供する。
本発明によれば、バインダーを含みながら、有機EL層中の有機層の溶解を抑制できる乾燥剤が提供される。バインダー中に酸化物粒子が分散していることから、補水成分としての酸化物粒子を均一に分散して配置させることができる。酸化物粒子のバインダー中での分散性が良好であることから、本発明の乾燥剤は、ペースト状等の、塗布等の方法により乾燥剤層を簡便に形成するのに適した形態を有することができる。
一実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
乾燥剤
一実施形態の乾燥剤は、バインダーと、バインダー中に分散しアルカリ土類金属酸化物を含む酸化物粒子と、を含有する。バインダーがフッ素変性シリコーンを含む。
[フッ素変性シリコーン]
フッ素変性シリコーンは、ケイ素原子及び酸素原子を含みこれらが交互に結合しているシロキサンと、シロキサン中のケイ素原子に結合したフッ素化アルキル基とを有する。フッ素変性シリコーンは、例えば、下記一般式(1)で表される。
Figure 0006654505
一般式(1)中、Rは炭素数1〜4のフッ素化アルキル基、又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、一分子中の複数のRは同一でも異なっていてもよく、一分子中の複数のRのうち少なくとも1つが、フッ素化アルキル基である。nは0以上の整数を表す。
Rとしてのフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子の少なくとも一部がフッ素原子に置換された基である。フッ素化アルキル基は、アルキル基の全ての水素原子がフッ素原子に置換された基であってもよい。フッ素化アルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、6,6,6−トリフルオロヘキシル基、8,8,8−トリフルオロオクチル基が挙げられる。
Rとしてのアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、又はtert−ブチル基であることができる。
一般式(1)中のnは、例えば、フッ素変性シリコーンの25℃における粘度が10mPa・s〜100Pa・sとなるような範囲で、設定することができる。具体的なnの範囲は、R等の構造により変動し得るが、例えば10〜1000であってもよい。
フッ素変性シリコーンは、通常の方法で合成することができるし、市販品として入手することもできる。好適な市販品としては、例えば、FL−5、X−22−821、X−22−822、FL−100−100CS、FL−100−450CS、FL−100−1,000CS(製品名、いずれも信越化学工業株式会社)が挙げられる。これらのフッ素変性シリコーンは、1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
フッ素変性シリコーンの25℃における粘度は、10mPa・s〜100Pa・sであってもよい。粘度がこの範囲であると、乾燥剤の粘度調整がより容易になる傾向にある。同様の観点から、フッ素変性シリコーンの粘度は、50mPa・s以上又は100mPa・s以上であってもよく、50Pa・s以下又は10Pa・s以下であってもよい。
[酸化物粒子]
酸化物粒子は、酸化物粒子に補水性能を付与し得るアルカリ土類金属酸化物を含む。酸化物粒子は、通常、酸化物粒子の質量を基準として80質量%以上、又は90質量%以上のアルカリ土類金属酸化物を含む。酸化物粒子は、1種、又は成分の異なる2種以上のアルカリ土類金属酸化物を含むことができる。
アルカリ土類金属酸化物としては、例えば、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)等が挙げられる。アルカリ土類金属酸化物は、酸化マグネシウム及び/又は酸化カルシウムであってもよい。
酸化物粒子の平均粒径は、特に制限されないが、例えば、0.01〜30μmであってもよい。酸化物粒子の平均粒径がこの範囲であると、より充分な補水性能が得られる傾向にある。同様の観点から、酸化物粒子の平均粒径は、0.1μm以上、0.5μm以上、又は1μm以上であってもよく、20μm以下、10μm以下、又は5μm以下であってもよい。
本明細書において、酸化物粒子の平均粒径は、動的光散乱式粒度分布計で測定した体積分布の中央値を意味する。この平均粒径は、酸化物粒子を所定の分散媒中に分散させて調整した分散液を用いて測定される値である。
乾燥剤における酸化物粒子の含有量は、乾燥剤全量基準で5〜70質量%である。酸化物粒子の含有量がこの範囲であると、より充分な補水性能が得られ、乾燥剤の粘度調整がより容易になる傾向にある。同様の観点から、酸化物粒子の含有量は、10質量%以上、20質量%以上、又は30質量%以上であってもよく、65質量%以下又は60質量%以下であってもよい。
酸化カルシウムを含む酸化物粒子は、例えば、生石灰(CaO)を水酸化処理して消石灰(Ca(OH))を得る工程と、消石灰を焼成して生石灰を得る工程と、生石灰を粉砕する工程と、をこの順に備える方法によって得ることができる。消石灰を焼成する温度は、300〜600℃であってもよい。焼成時間は、1〜20時間であってもよい。
乾燥剤は、バインダー及び酸化物粒子以外の成分として、例えば、アエロジル(登録商標)等のシリカ粒子を含有していてもよい。
乾燥剤は、25℃でペースト状であることができる。乾燥剤がペースト状であると、有機EL素子の微小な気密空間内に塗布によって乾燥剤層をより容易に形成することができる。また、乾燥剤の25℃における粘度は、5〜500Pa・sであってもよい。乾燥剤の25℃における粘度がこの範囲であると、塗布によって乾燥剤層をより容易に形成することができる。同様の観点から、乾燥剤の粘度は、10Pa・s以上又は30Pa・s以上であってもよく、400Pa・s以下又は200Pa・s以下であってもよい。塗布は、ディスペンサ等によって行うことができる。乾燥剤の粘度は、フッ素変性シリコーンの粘度及び酸化物粒子の含有量によって、調整することができる。ここでの粘度は、B型粘度計、レオメーター等の回転粘度計によって測定される値である。
乾燥剤は、酸化物粒子と、フッ素変性シリコーンとを混合することを含む方法によって、製造することができる。混合は、遠心分離等によって行うことができる。遠心分離の回転速度は、例えば、100〜3000回転/分であってもよい。遠心分離の時間は、1〜60分間であってもよい。
封止構造
本実施形態の封止構造は、対向配置された一対の基板と、一対の基板の外周部を封止する封止シール剤と、封止シール剤の内側で一対の基板の間に設けられた乾燥剤層とを備える。乾燥剤層は、上述の実施形態に係る乾燥剤を含むことができる。乾燥剤層は、封止された空間(一対の基板の間で封止シール剤の内側の空間)を充填していてもよい。
本実施形態の封止構造は、水分の影響を受けやすいデバイスを封入する際に特に好適に利用することができる。このようなデバイスとしては、例えば、有機EL素子、有機半導体、有機太陽電池等の有機電子デバイスが挙げられる。
有機EL素子
図1は、有機EL素子の一実施形態を示す模式断面図である。図1に示す有機EL素子1は、素子基板2と、素子基板2に対して対向配置された封止基板3と、素子基板2上に設けられた、有機層4及び有機層4を挟持する陽極5及び陰極6を有する積層体と、素子基板2及び封止基板3の外周部を封止する封止シール剤8と、封止シール剤8の内側で封止基板3上に設けられた乾燥剤層7とから構成される、いわゆる中空封止構造の有機EL素子である。乾燥剤層7は、上記実施形態の乾燥剤を含むことができる。長期間の保管又は使用の後、乾燥剤層7から染み出したバインダーが有機層4まで到達して有機層4を溶解する可能性があるが、乾燥剤層7が上記実施形態の乾燥剤を含むことにより、バインダーによる有機層4の溶解を抑制することができる。ただし、有機EL素子は、図1のような中空封止構造に限定されず、例えば、素子基板、封止基板及び封止シール層によって囲まれた気密空間に充填された乾燥剤層を有する、充填構造の有機EL素子であってもよい。
有機EL素子1において、乾燥剤層7以外の要素に関しては通常の構成を適用することができるが、その一例を以下で簡単に説明する。
素子基板2は、絶縁性及び透光性を有する矩形状のガラス基板からなり、この素子基板2上には、透明導電材であるITO(Indium Tin Oxide)によって陽極5(電極)が形成されている。この陽極5は、例えば真空蒸着法、スパッタ法等のPVD(Physical Vapor Deposition)法により素子基板2上に成膜されるITO膜をフォトレジスト法によるエッチングで所定のパターン形状にパターニングすることにより形成される。電極としての陽極5の一部は、素子基板2の端部まで引き出されて駆動回路(図示せず)に接続される。
陽極5の上面には、例えば、真空蒸着法、抵抗加熱法等のPVD法により、有機発光材料を含む薄膜である有機層4が積層されている。有機層4は、単一の層から形成されていてもよく、機能の異なる複数の層から形成されていてもよい。本実施形態における有機層4は、陽極5側から順に、ホール注入層4a、ホール輸送層4b、発光層4c及び電子輸送層4dが積層された4層構造である。ホール注入層4aは、例えば数10nmの膜厚の銅フタロシアニン(CuPc)から形成される。ホール輸送層4bは、例えば数10nmの膜厚のbis[N−(1−naphthyl)−N−phenyl]benzidine(α−NPD)から形成される。発光層4cは、例えば数10nmの膜厚のトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)から形成される。電子輸送層4dは、例えば数nmの膜厚のフッ化リチウム(LiF)から形成される。そして、陽極5、有機層4及び後述する陰極6がこの順で積層された積層体により、発光部が形成されている。
有機層4(電子輸送層4d)の上面には、真空蒸着法等のPVD法により、金属薄膜である陰極6(電極)が積層されている。金属薄膜の材料としては、例えばAl、Li、Mg、In等の仕事関数の小さい金属単体やAl−Li、Mg−Ag等の仕事関数の小さい合金などが挙げられる。陰極6は、例えば数10nm〜数100nm(好ましくは50nm〜200nm)の膜厚で形成される。陰極6の一部は、素子基板2の端部まで引き出されて駆動回路に接続される。
封止基板3は、有機層4を挟んで素子基板2と対向するように配置され、素子基板2及び封止基板3の外周部は、封止シール剤8により封止されている。封止シール剤としては例えば紫外線硬化樹脂を用いることができる。さらには、乾燥剤層7は、封止シール剤8の内側で封止基板3上の一部又は全部に設けられている。乾燥剤層7は、上記実施形態の乾燥剤を塗布することによって、形成される。乾燥剤層7は、1〜300μmの膜厚で形成される。
有機EL素子の製造方法
まず、素子基板2上に有機層4等(電極は図示せず)が積層された積層体を準備する。
次に、別途準備した封止基板3上に、本実施形態の乾燥剤を、ディスペンサで塗布して、乾燥剤層7を形成する。さらに、封止基板3上に塗布した乾燥剤を囲むように封止シール剤8をディスペンサで塗布する。これらの作業は、露点−76℃以下の窒素で置換されたグローブボックス中で行うことが好ましい。塗布される乾燥剤は、溶剤を含み得るが、典型的には実質的に無溶剤である。
次に、有機層4等が積層された素子基板2と封止基板3とを貼り合わせる。貼り合わせた基板をUV照射及び80℃程度の加熱により封止することにより、本実施形態の有機EL素子1が製造される。
以下、本発明について実施例を挙げてより具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.乾燥剤の調製
平均粒径を2μmに調整した酸化カルシウム粒子を、バインダーとしてのフッ素変性シリコーン(式(1)中のRとしてメチル基及び3,3,3−トリフルオロプロピル基を有する、製品名:FL−100−1000CS、信越化学工業株式会社製、粘度:1.3Pa・s(25℃))、パーフルオロポリエーテル(製品名:デムナムS−20、ダイキン工業株式会社製)、又はジメチルシリコーン(製品名:Element14 PDMS 10K−JC、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)と混合し、1000回転/分で5分間遠心撹拌して、表1に示す実施例1〜3及び比較例1〜4の乾燥剤を得た。乾燥剤全量を基準とする酸化カルシウム粒子の含有量、乾燥剤の形態及び粘度を表1に示す。乾燥剤の25℃における粘度は、測定装置としてレオメーターを用い、せん断速度5s−1という条件で測定した値である。
Figure 0006654505
バインダーとしてフッ素変性シリコーンを含む実施例1〜3の乾燥剤、及びバインダーとしてジメチルシリコーンを含む比較例4の乾燥剤は、ペースト状になった。一方、バインダーとしてパーフルオロポリエーテルを含む比較例1〜3の乾燥剤は、酸化カルシウム粒子の分散性が低いために、ペースト状にならなかった。
2.評価
[有機EL素子の作製]
透明性を有する導電材料のITOを、スパッタ法により素子基板上に140nmの膜厚で成膜した。ITOの膜をフォトレジスト法によるエッチングで所定のパターン形状にパターニングし、陽極を形成させた。
形成された陽極の上面に、銅フタロシアニン(CuPc)を抵抗加熱法により70nmの膜厚で成膜することでホール注入層を形成し、ホール注入層の上面にBis[N−(1−naphthyl)−N−phenyl]benzidine(α−NPD)を30nmの膜厚で成膜することでホール輸送層を形成し、ホール輸送層の上面にトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)を50nmの膜厚で成膜して発光層を形成した。さらに、発光層の上面にフッ化リチウム(LiF)を7nmの膜厚で成膜して電子輸送層を形成し、電子輸送層の表面に陰極としてアルミニウムを150nmの膜厚で物理蒸着した。以上のようにして、陽極、有機層(ホール注入層/ホール輸送層/発光層/電子輸送層)及び陰極がこの順に積層されている積層体を素子基板上に形成した。
次に、露点−76℃以下の窒素で置換されたグローブボックス中で、実施例2又は比較例4の乾燥剤をディスペンサによって封止基板の中央部に塗布して、乾燥剤層を形成させた。乾燥剤層を囲むように、紫外線硬化型樹脂からなる封止シール剤をディスペンサによって封止基板上に塗布した。
その後、素子基板と封止基板とを、積層体、乾燥剤層及び封止シール剤が内側になる向きで貼り合わせた。その状態で、紫外線照射及び80℃の加熱により素子基板及び封止基板の外周部を封止し、封止シール剤によって囲まれた気密空間内に乾燥剤層が設けられた中空封止構造の有機EL素子を得た。
[経過時間に対する発光面積率の変化]
得られた有機EL素子を85℃、85%RHの高温高湿環境に放置し、経過時間に対する発光面積率の変化を追跡した。発光面積率の変化を表2に示す。
Figure 0006654505
[経過時間に対する有機層の溶解距離]
実施例2又は比較例4の乾燥剤を、封止シール剤によって囲まれた密閉容器内に充填可能な容量だけディスペンスによって塗布したこと以外は、上記[有機EL素子の作製]と同様にして、気密容器内に充填された乾燥剤層を含む充填封止構造の有機EL素子を得た。
得られた有機EL素子の陰極にレーザーで孔を形成し、有機EL素子を85℃の条件下に放置し、有機層の溶解距離を光学顕微鏡で観察して測定した。溶解距離を表3に示す。なお、溶解距離とは、孔の中心から有機層の溶解が発生した部分の端までの距離を示し、数値が大きいほど、有機層の溶解が進行していることを意味する。
Figure 0006654505
実施例2の乾燥剤を含む有機EL素子は、100時間後において90%以上の発光面積率を示し、170時間後においても、85%以上の発光面積率を維持した。さらに、実施例2の乾燥剤を含む有機EL素子では、有機層の溶解がほとんど進行しなかった。これに対して、比較例4の乾燥剤を含む有機EL素子は、実施例2の乾燥剤を含む有機EL素子と同等の発光面積率を維持したものの、有機EL素子中の有機層の溶解が進行した。これらの結果から、バインダーが染み出した場合においても、本発明の乾燥剤が、有機層の溶解を有効に抑制できることが確認された。
1…有機EL素子、2…素子基板、3…封止基板、4…有機層、4a…ホール注入層、4b…ホール輸送層、4c…発光層、4d…電子輸送層、5…陽極、6…陰極、7…乾燥剤層、8…封止シール剤。

Claims (5)

  1. バインダーと、前記バインダー中に分散している、アルカリ土類金属酸化物を含む酸化物粒子と、を含有し、
    前記バインダーが、ケイ素原子と該ケイ素原子に結合したフッ素化アルキル基とを有するフッ素変性シリコーンを含む、乾燥剤。
  2. 前記酸化物粒子の含有量が、乾燥剤全量基準で5〜70質量%である、請求項1に記載の乾燥剤。
  3. 当該乾燥剤の25℃における粘度が5〜500Pa・sである、請求項1又は2に記載の乾燥剤。
  4. 対向配置された一対の基板と、
    前記一対の基板の外周部を封止する封止シール剤と、
    前記封止シール剤の内側で前記一対の基板の間に設けられた、請求項1〜3のいずれか一項に記載の乾燥剤を含む乾燥剤層と、
    を備える封止構造。
  5. 素子基板と、
    前記素子基板に対して対向配置された封止基板と、
    前記素子基板及び前記封止基板の外周部を封止する封止シール剤と、
    前記封止シール剤の内側で前記素子基板上に設けられた、有機層及びこれを挟持する一対の電極を有する積層体と、
    前記封止シール剤の内側で前記封止基板上に設けられた、請求項1〜3のいずれか一項に記載の乾燥剤を含む乾燥剤層と、
    を備える有機EL素子。
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