JP6653617B2 - 光パルス試験装置および光パルス試験方法 - Google Patents

光パルス試験装置および光パルス試験方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6653617B2
JP6653617B2 JP2016093631A JP2016093631A JP6653617B2 JP 6653617 B2 JP6653617 B2 JP 6653617B2 JP 2016093631 A JP2016093631 A JP 2016093631A JP 2016093631 A JP2016093631 A JP 2016093631A JP 6653617 B2 JP6653617 B2 JP 6653617B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
attenuation
test
optical
pulse
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016093631A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017203626A (ja
Inventor
中村 篤志
篤志 中村
岡本 圭司
圭司 岡本
優介 古敷谷
優介 古敷谷
真鍋 哲也
哲也 真鍋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2016093631A priority Critical patent/JP6653617B2/ja
Publication of JP2017203626A publication Critical patent/JP2017203626A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6653617B2 publication Critical patent/JP6653617B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Testing Of Optical Devices Or Fibers (AREA)

Description

本開示は、光ファイバの特性を検出するための光パルス試験装置および光パルス試験方法に関する。
光通信サービスの普及から十年以上が経過し、光設備の経年劣化による故障発生が懸念されている。その中で光線路においては、光ファイバの曲げや接続部が故障の発生しやすい箇所となっている。故障を未然に防ぐために、定期的な試験を行うなどにより、光ファイバに生じる異常箇所を早期に発見することが重要である。
光ファイバの試験方法としては、光パルス試験装置(Optical Time Domain Reflectometer、以後OTDRと記載することがある。)が著名である。OTDRは、パルス化された試験光を被試験光ファイバ(Fiber Under Test、以後FUTと記載することがある。)に入射し、光ファイバ内を伝搬する試験光パルスに由来するレイリー散乱光の後方散乱光やフレネル反射光の強度とラウンドトリップ時間に基づき分布データ(OTDR波形)を取得する方法および装置である。この技術は、光ファイバの破断や損失増加などの異常箇所を検出し、その位置を特定するために用いることができる。
非特許文献1では、曲げによる光ファイバの異常を汎用的なOTDRよりも高感度に検知可能な技術として、汎用的なシングルモードファイバ(Single−mode Fiber、以後SMFと記載することがある。)におけるカットオフ波長より短い波長の試験光とモード合分波器を用いて、後方散乱光の高次モードを測定する技術(1μm帯モード検出OTDR)が開示されている。さらに、非特許文献2では、1μm帯モード検出OTDRで測定される後方散乱光の基本モードおよび高次モードに生じる損失の比率を評価することで、光ファイバに生じる損失要因を識別する手法が開示されている。
A. Nakamura, K. Okamoto, Y. Koshikiya, T. Manabe, M. Oguma, T. Hashimoto and M. Itoh, "High−sensitivity detection of fiber bends: 1−μm−band mode−detection OTDR", J. Lightw. Technol., vol. 33, no. 23, pp. 4862−4869, 2015. A. Nakamura, K. Okamoto, Y. Koshikiya, T. Manabe, M. Oguma, T. Hashimoto, and M. Itoh, "Identification of loss factors by evaluating backscattered modal loss ratio obtained with 1−μm−band mode−detection OTDR", in Proc.Opt. Fiber Commun., Los Angeles, CA, Mar. 2015, paper W4I.1.
1μm帯モード検出OTDRの技術を実際に敷設されている線路へ適用することを考えた場合、数十kmの距離が測定可能なダイナミックレンジが必要となる。ここで、ダイナミックレンジは試験光パルスの入射端近傍の後方散乱光レベルに対する雑音レベルの比であり、測定時に許容される最大損失を表す。一般的に、上述した1μm帯モード検出OTDRの試験光波長である1μm帯の伝送損失は通信波長帯よりも数倍程度大きい。さらに高次モードは光ファイバの曲げや接続等に対する損失が大きい。したがって、数十kmの測定を実現するためには、極めて大きなダイナミックレンジが必要である。
OTDRのダイナミックレンジ向上には、FUTに入射する試験光パルスの強度を増加させることが有効な手段の一つである。一方、後方散乱光を受光する光受信器が入力光強度に対してリニアな出力特性を示す範囲は有限であり、試験光パルスの強度を増加させたときに光受信器の出力が飽和する場合がある。図1に光受信器の出力が飽和した場合における、戻り光強度と光受信器の出力の関係を概略的に示す。飽和が生じた場合、当該区間およびその後正常な応答に戻るまでの区間における正しい情報を取得することができない。
つまり、OTDRのダイナミックレンジの向上を図るために試験光パルスの強度を増加させても光受信器の飽和によりダイナミックレンジが制限されるという課題がある。また、可変光減衰器を設置し、その減衰量を大きく設定してOTDR波形を測定した後、減衰量を小さく設定してOTDR波形を再度測定することで光受信器の飽和を回避することもできるが、減衰量の設定に応じて複数回の測定が必要となり、測定時間が長くなるという課題がある。
そこで、本発明は、上述の課題を鑑みてなされたものであり、光受信器の飽和を防止でき、測定回数を増加させずにダイナミックレンジの向上を図ることができる光パルス試験装置および光パルス試験方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示の光パルス試験装置は、戻り光の受光中に光減衰器の減衰量を変動させるとともに、光減衰器の減衰量を考慮して戻り光受光後の信号を演算することとした。
具体的には、本開示の光パルス試験装置は、
被試験光ファイバの一端に入射する試験光パルスを生成する光パルス生成部と、
前記試験光パルスで前記被試験光ファイバで発生し、前記被試験光ファイバの一端に戻る戻り光のうち、任意期間の光強度を任意減衰量で減衰する可変光減衰部と、
前記可変光減衰部が前記戻り光の任意期間の光強度を減衰できるように、前記光パルス生成部に対して試験光パルスを生成する時期と前記可変光減衰部に対して前記戻り光の光強度を減衰する減衰期間を指示する制御部と、
前記可変光減衰部が任意減衰量で減衰した前記戻り光を受光し光電変換する受光部と、
前記受光部が出力する電気信号から前記被試験光ファイバの距離に対する前記戻り光の強度分布、及び前記可変光減衰部の前記減衰期間と減衰量から前記被試験光ファイバの距離に対する減衰分布を取得し、前記強度分布と前記減衰分布とから前記可変光減衰部が光強度を減衰する前の、前記被試験光ファイバの距離に対する前記戻り光の元強度分布を演算する演算処理部と、
を備える。
また、本開示の光パルス試験方法は、
被試験光ファイバの一端に入射する試験光パルスを生成する光パルス生成手順と、
前記試験光パルスで前記被試験光ファイバで発生し、前記被試験光ファイバの一端に戻る戻り光のうち、任意期間の光強度を任意減衰量で減衰する可変光減衰手順と、
前記戻り光の任意期間の光強度を減衰できるように、前記光パルス生成手順で試験光パルスを生成する時期と前記可変光減衰手順で前記戻り光の光強度を減衰する減衰期間を指示する制御手順と、
前記可変光減衰手順にて任意減衰量で減衰した前記戻り光を受光し光電変換する受光手順と、
前記受光手順で生成された電気信号から前記被試験光ファイバの距離に対する前記戻り光の強度分布、及び前記可変光減衰部の前記減衰期間と減衰量から前記被試験光ファイバの距離に対する減衰分布を取得し、前記強度分布と前記減衰分布とから前記可変光減衰部が光強度を減衰する前の、前記被試験光ファイバの距離に対する前記戻り光の元強度分布を演算する演算処理手順と、
を行う。
本光パルス試験装置及び本光パルス試験方法は、受光部が受光する戻り光のうち、任意の時間帯における光強度を可変光減衰器で減衰する制御を行うことで、光受信器の飽和を防止する。この構成によれば、戻り光の強度が受光部の飽和レベルを超える時間帯において、可変光減衰器の減衰量を大きな値に設定し、飽和レベルを下回る時間帯は減衰量をゼロまたは小さな値に設定することで、受光部の出力が飽和することを防ぐことができる。
また、FUTの分布特性を取得する際に、受光部が出力する電気信号を可変光減衰器の減衰量で補正して解析することで高ダイナミックレンジな測定結果を得ることができる。すなわち、本光パルス試験装置及び本光パルス試験方法は、光減衰器の減衰量を変化させて何度も測定を行うことなく長距離の被試験光ファイバの情報を正確に取得することができる。
従って、本発明は、光受信器の飽和を防止でき、測定回数を増加させずにダイナミックレンジの向上を図ることができる光パルス試験装置および光パルス試験方法を提供することができる。
本開示の光パルス試験装置の前記制御部は、前記減衰期間中に減衰量が変化するように前記可変光減衰部に対して指示するとしてもよい。光受信器の出力をほぼ一定の値に保つことができ、A/D変換時の分解能を最大限有効活用可能となる。
本開示の光パルス試験装置は、前記光パルス生成部が生成した前記試験光パルスを任意のモードで前記被試験光ファイバに入射し、かつ前記被試験光ファイバからの戻り光を基本モード及び第1高次モードの成分に分離するモード合分波部をさらに備えており、
前記光パルス生成部は、前記試験光パルスを前記被試験光ファイバのカットオフ波長より短い波長とし、
前記可変光減衰部は、前記戻り光のモード成分毎に光強度を減衰し、
前記受光部は、前記戻り光のモード成分毎に前記戻り光を受光し、
前記演算処理部は、前記戻り光のモード成分毎に前記戻り光の元強度分布を演算する
こととしてもよい。
本開示の光パルス試験方法は、前記光パルス生成手順で生成した前記試験光パルスを任意のモードで前記被試験光ファイバに入射し、かつ前記被試験光ファイバからの戻り光を基本モード及び第1高次モードの成分に分離するモード合分波手順をさらに行い、
前記光パルス生成手順では、前記試験光パルスを前記被試験光ファイバのカットオフ波長より短い波長とし、
前記可変光減衰手順では、前記戻り光のモード成分毎に光強度を減衰し、
前記受光手順では、前記戻り光のモード成分毎に前記戻り光を受光し、
前記演算処理手順では、前記戻り光のモード成分毎に前記戻り光の元強度分布を演算することとしてもよい。
このとき、前記制御部は、前記戻り光のモード成分毎に前記減衰時期と減衰量を指示することを特徴とする。本光パルス試験装置及び本光パルス試験方法は、高次モードの戻り光を測定することで被試験光ファイバの異常検出感度を高めることができる。
ただし、本光パルス試験装置及び本光パルス試験方法は、前記可変光減衰部が、前記試験光パルスのパルス幅および前記演算処理部のサンプリング時間より短い時間で減衰量を変化することが条件である。
本発明は、光受信器の飽和を防止でき、測定回数を増加させずにダイナミックレンジの向上を図ることができる光パルス試験装置および光パルス試験方法を提供することができる。
被試験光ファイバの距離に対する(a)戻り光の光強度、(b)光受信器の出力を説明する図である。 本発明に係る光パルス試験装置を説明する図である。 本発明に係る光パルス試験装置の測定原理を説明する図である。 本発明に係る光パルス試験装置の測定原理を説明する図である。 本発明に係る光パルス試験装置を説明する図である。
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
(実施形態1)
本実施形態の光パルス試験装置101は、被試験光ファイバ10で2モード動作する波長の試験光を用い、戻り光に含まれる基本モードと高次モードを分離して測定する構成である。図2は、光パルス試験装置101の構成例を説明するための図である。
光パルス試験装置101は、OTDRの原理に基づいて、被試験光ファイバ10からの戻り光のラウンドトリップ時間に対する強度分布を解析して被試験光ファイバ10の特性を算出する。
光パルス試験装置101は、
被試験光ファイバ10の一端に入射する試験光パルスを生成する光パルス生成部Aと、
前記試験光パルスで被試験光ファイバ10で発生し、被試験光ファイバ10の一端に戻る戻り光のうち、任意期間の光強度を任意減衰量で減衰する可変光減衰部Eと、
可変光減衰部Eが前記戻り光の任意期間の光強度を減衰できるように、光パルス生成部Aに対して試験光パルスを生成する時期と可変光減衰部Eに対して前記戻り光の光強度を減衰する減衰期間を指示する制御部Fと、
可変光減衰部Eが任意減衰量で減衰した前記戻り光を受光し光電変換する受光部Cと、
受光部Cが出力する電気信号から被試験光ファイバ10の距離に対する前記戻り光の強度分布、及び可変光減衰部Eの前記減衰期間と減衰量から被試験光ファイバ10の距離に対する減衰分布を取得し、前記強度分布と前記減衰分布とから可変光減衰部Eが光強度を減衰する前の、被試験光ファイバ10の距離に対する前記戻り光の元強度分布を演算する演算処理部Dと、
を備える。
特に、光パルス試験装置101は、
光パルス生成部Aが生成した前記試験光パルスを任意のモードで被試験光ファイバ10に入射し、かつ被試験光ファイバ10からの戻り光を基本モード及び第1高次モードの成分に分離するモード合分波部Bをさらに備えており、
光パルス生成部Aは、前記試験光パルスを被試験光ファイバ10のカットオフ波長より短い波長とし、
可変光減衰部Eは、前記戻り光のモード成分毎に光強度を減衰し、
受光部Cは、前記戻り光のモード成分毎に前記戻り光を受光し、
演算処理部Dは、前記戻り光のモード成分毎に前記戻り光の元強度分布を演算する
ことを特徴とする。
なお、カットオフ波長より短い波長の光は被試験光ファイバ10をマルチモード伝搬することができる。
また、光パルス試験装置101は、
被試験光ファイバ10の一端に入射する試験光パルスを生成する光パルス生成手順と、
前記試験光パルスにより被試験光ファイバ10で発生し、被試験光ファイバ10の一端に戻る戻り光のうち、任意期間の光強度を任意減衰量で減衰する可変光減衰手順と、
前記戻り光の任意期間の光強度を減衰できるように、前記光パルス生成手順で試験光パルスを生成する時期と前記可変光減衰手順で前記戻り光の光強度を減衰する減衰期間を指示する制御手順と、
前記可変光減衰手順にて任意減衰量で減衰した前記戻り光を受光し光電変換する受光手順と、
前記受光手順で生成された電気信号から被試験光ファイバ10の距離に対する前記戻り光の強度分布、及び前記可変光減衰器の前記減衰期間と減衰量から被試験光ファイバ10の距離に対する減衰分布を取得し、前記強度分布と前記減衰分布とから前記可変光減衰器が光強度を減衰する前の、被試験光ファイバ10の距離に対する前記戻り光の元強度分布を演算する演算処理手順と、
を行う。
特に、光パルス試験装置101は、
前記光パルス生成手順で生成した前記試験光パルスを任意のモードで被試験光ファイバ10に入射し、かつ被試験光ファイバ10からの戻り光を基本モード及び第1高次モードの成分に分離するモード合分波手順をさらに行い、
前記光パルス生成手順では、前記試験光パルスを被試験光ファイバ10のカットオフ波長より短い波長とし、
前記可変光減衰手順では、前記戻り光のモード成分毎に光強度を減衰し、
前記受光手順では、前記戻り光のモード成分毎に前記戻り光を受光し、
前記演算処理手順では、前記戻り光のモード成分毎に前記戻り光の元強度分布を演算することを特徴とする。
生成部Aは、光源11、パルス発生器12及び光強度変調器13を有する。光源11から出力される連続光は、パルス発生器12の信号に従って光強度変調器13でパルス化される。光強度変調器13は、例えば音響光学素子をパルス駆動するようにした音響光学スイッチを備える、音響光学変調器である。本実施形態では、光源11から出力される連続光の波長を、被試験光ファイバ10が2モード動作する波長である場合を例にとって説明する。
モード合分波部Bは、光サーキュレータ14及びモード合分波器15を有する。光強度変調器13で生成された試験光パルスは、光サーキュレータ14を介してモード合分波器15に入射される。モード合分波器15は、例えば非特許文献1に記載されるような平面光波回路で構成された方向性結合器を備える、モード合分波器である。試験光パルスは、モード合分波器15で任意のモードに変換されて被試験光ファイバ10の一端に入射される。
例えば、LP01モードで入射された試験光パルスが被試験光ファイバ10を伝搬する際、レイリー散乱によって試験光パルスの一部は逆方向に伝搬するLP01モードおよびLP11モード(後方散乱光のLP01モードおよびLP11モード)に結合する。この戻り光(後方散乱光)は、モード合分波器15に再入射される。このとき戻り光のLP01モードとLP11モードのモード成分はモード合分波器15で分離される。
可変減衰部Eは、2つの可変光減衰器(27、28)を有する。モード合分波器15で分離された戻り光の一方は光サーキュレータ14を経由して可変光減衰器27に、他方は直接可変光減衰器28に達する。可変光減衰器(27、28)は、後述する任意信号発生器26から出力される任意信号に従って戻り光を減衰させる。ここで、任意信号発生器26とパルス発生器12は、基準となる時間を一致させるために同期されており、可変光減衰器(27、28)は、前記任意信号に従って戻り光の任意の区間(時間)の光強度を減衰することができる。
受光部Cは、2つの光受信器(16、17)を有する。戻り光信号を可変光減衰器(27、28)で減衰された戻り光はそれぞれ光受信器(16、17)に入射され、光電変換される。ここで光受信器(16、17)は、例えば微弱光に対する出力特性が優れた直線性を示すアバランシェフォトダイオード(APD)が用いられる。
演算処理部Dは、A/D(アナログ/デジタル)変換器19、信号処理回路20及び演算処理回路21を有する。光受信器(16、17)からの電気信号は、A/D変換器19でデジタルデータに変換される。前記デジタルデータは信号処理部21に入力される。演算処理部21は、可変光減衰器(27、28)における減衰量を取得する。例えば、演算処理部21は、任意信号発生器26から前記任意信号を受信し、この任意信号に基づいて前記デジタルデータの値を減衰量分補正し、減衰する前の戻り光の基本モードおよび高次モード成分に対する強度分布(元強度分布)を取得する。さらに、演算処理回路21は、元強度分布における信号対雑音強度比を改善するために複数回加算平均処理を施し、平均化された戻り光の基本モードおよび高次モード成分に対する強度分布波形を取得する。
光パルス試験装置101の測定原理を図3を用いて説明する。
図3は、(a)任意信号発生器26が出力する任意信号の波形、(b)可変光減衰器(27、28)の損失値、(c)減衰前の戻り光強度および光受信器(16,17)の出力の関係を概略的に示す図である。任意信号発生器26の出力電圧(任意信号波形)を変化させることで、可変光減衰器(27、28)の減衰量(減衰波形g(t))を制御可能である。また、被試験光ファイバ10からの戻り光の強度が光受信器(16,17)の飽和レベルを超える時間帯(t1からt2)において、可変光減衰器(27、28)の減衰波形g(t)を大きくすることで、飽和のない受信波形F(t)を取得することができる。
演算処理回路21において、受信波形F(t)に任意信号発生器26が出力する任意信号に基づいて得た可変光減衰器(27、28)の減衰波形g(t)を加算することで、減衰前の戻り光波形f(t)を取得することができる。なお、可変光減衰器(27、28)の減衰波形g(t)と任意信号発生器26が出力する任意信号との関係(任意信号の電圧に対する減衰量)は予め取得しておけばよい。
なお、制御部Fは、戻り光のモード成分毎に減衰時期と減衰量を指示してもよい。戻り光のモード成分毎に光強度が異なることもある。それぞれのモード成分の光強度に応じて減衰時期と減衰量を設定することで雑音に影響されずに正確な戻り光の強度分布を取得することができる。
また、可変光減衰器(27,28)のスイッチング時間を試験光のパルス幅およびA/D変換器19のサンプリング時間より短い時間とする必要がある。スイッチング時間がパルス幅より長くなると、当該領域における正確な戻り光強度分布波形を取得できなくなり、被試験光ファイバ10の異常箇所の特定ができなくなる。
さらに、制御部Fは、減衰期間中に減衰量が変化するように可変光減衰部Eに対して指示してもよい。図4は、(a)任意信号発生器26が出力する任意信号の波形、(b)可変光減衰器(27、28)の損失値、(c)減衰前の戻り光強度および光受信器(16,17)の出力の関係を概略的に示す図である。制御部Fは、可変光減衰器(27、28)の減衰量が被試験光ファイバ10の伝送損失と等しくなるように、任意信号発生器の出力電圧を制御することで、光受信器の出力をほぼ一定の値に保つことができる。光受信器(16、17)の出力をほぼ一定の値に保つことによって、A/D変換器19の分解能を最大限有効活用可能となる。
以上のように、光パルス試験器101は、被試験光ファイバ10からの戻り光強度を可変光減衰器(27、28)で制御することで光受信器(16、17)の出力が飽和することを防止する。さらに減衰量を演算処理回路21で補正することで本来の戻り光強度を取得することができる。これらの処理を戻り光の基本モードおよび高次モード成分に対して個別に実施することで、基本モードおよび高次モード成分に対する本来の戻り光強度を取得することができる。
(実施形態2)
本実施形態の光パルス試験装置102は、被試験光ファイバ10でシングルモード動作する波長の試験光を用いて測定する構成である。図5は、光パルス試験装置102の構成例を説明するための図である。
光パルス試験装置102は、
被試験光ファイバ10の一端に入射する試験光パルスを生成する光パルス生成部Aと、
前記試験光パルスで被試験光ファイバ10で発生し、被試験光ファイバ10の一端に戻る戻り光のうち、任意期間の光強度を任意減衰量で減衰する可変光減衰部Eと、
可変光減衰部Eが前記戻り光の任意期間の光強度を減衰できるように、光パルス生成部Aに対して試験光パルスを生成する時期と可変光減衰部Eに対して前記戻り光の光強度を減衰する減衰期間を指示する制御部Fと、
可変光減衰部Eが任意減衰量で減衰した前記戻り光を受光し光電変換する受光部Cと、
受光部Cが出力する電気信号から被試験光ファイバ10の距離に対する前記戻り光の強度分布、及び可変光減衰部Eの前記減衰期間と減衰量から被試験光ファイバ10の距離に対する減衰分布を取得し、前記強度分布と前記減衰分布とから可変光減衰部Eが光強度を減衰する前の、被試験光ファイバ10の距離に対する前記戻り光の元強度分布を演算する演算処理部Dと、
を備える。
また、光パルス試験装置102は、
被試験光ファイバ10の一端に入射する試験光パルスを生成する光パルス生成手順と、
前記試験光パルスで被試験光ファイバ10で発生し、被試験光ファイバ10の一端に戻る戻り光のうち、任意期間の光強度を任意減衰量で減衰する可変光減衰手順と、
前記戻り光の任意期間の光強度を減衰できるように、前記光パルス生成手順で試験光パルスを生成する時期と前記可変光減衰手順で前記戻り光の光強度を減衰する減衰期間を指示する制御手順と、
前記可変光減衰手順にて任意減衰量で減衰した前記戻り光を受光し光電変換する受光手順と、
前記受光手順で生成された電気信号から被試験光ファイバ10の距離に対する前記戻り光の強度分布、及び前記可変光減衰器の前記減衰期間と減衰量から被試験光ファイバ10の距離に対する減衰分布を取得し、前記強度分布と前記減衰分布とから前記可変光減衰器が光強度を減衰する前の、被試験光ファイバ10の距離に対する前記戻り光の元強度分布を演算する演算処理手順と、
を行う。
光パルス試験装置102は、図2の光パルス試験装置101と比較して、戻り光をモード毎に分波する必要が無いので、モード合分波器15を備えず、可変光減衰部Eと受光部Cがそれぞれ1台の可変光減衰器27と光受信器16だけを備える。
このため、光強度変調器13で生成された試験光パルスは、光サーキュレータ14を介して直接被試験光ファイバ10に入射される。そして、試験光パルスが被試験光ファイバ10を伝搬する際に発生した戻り光は、光サーキュレータ14を経由して可変光減衰器17に達する。
光パルス試験装置102は、図2の光パルス試験装置101と同様に減衰前の戻り光の強度分布を取得する。つまり、構成形態1と同様に、受信波形F(t)に予め測定した可変光減衰器の減衰波形g(t)を加算することで、本来の戻り光波形f(t)を取得することができる。
(他の実施形態)
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
10:被試験光ファイバ
11:光源
12:パルス発生器
13:光強度変調器
14:光サーキュレータ
15:モード合分波器
16、17:光受信器
19:A/D変換器
20:信号処理回路
21:演算処理回路
26:任意信号発生器
27、28:可変光減衰器
101、102:光パルス試験装置

Claims (6)

  1. 被試験光ファイバの一端に入射する試験光パルスを生成する光パルス生成部と、
    前記試験光パルスで前記被試験光ファイバで発生し、前記被試験光ファイバの一端に戻る戻り光のうち、任意期間の光強度を任意減衰量で減衰する可変光減衰部と、
    前記可変光減衰部が前記戻り光の任意期間の光強度を減衰できるように、前記光パルス生成部に対して試験光パルスを生成する時期と前記可変光減衰部に対して前記戻り光の光強度を減衰する減衰期間を指示する制御部と、
    前記可変光減衰部が任意減衰量で減衰した前記戻り光を受光し光電変換する受光部と、
    前記受光部が出力する電気信号から前記被試験光ファイバの距離に対する前記戻り光の強度分布、及び前記可変光減衰部の前記減衰期間と減衰量から前記被試験光ファイバの距離に対する減衰分布を取得し、前記強度分布と前記減衰分布とから前記可変光減衰部が光強度を減衰する前の、前記被試験光ファイバの距離に対する前記戻り光の元強度分布を演算する演算処理部と、
    を備え
    前記制御部は、前記可変光減衰部に対して前記減衰期間中に減衰量を変化するように指示する光パルス試験装置。
  2. 前記光パルス生成部が生成した前記試験光パルスを任意のモードで前記被試験光ファイバに入射し、かつ前記被試験光ファイバからの戻り光を基本モード及び第1高次モードの成分に分離するモード合分波部をさらに備えており、
    前記光パルス生成部は、前記試験光パルスを前記被試験光ファイバのカットオフ波長より短い波長とし、
    前記可変光減衰部は、前記戻り光のモード成分毎に光強度を減衰し、
    前記受光部は、前記戻り光のモード成分毎に前記戻り光を受光し、
    前記演算処理部は、前記戻り光のモード成分毎に前記戻り光の元強度分布を演算する
    ことを特徴とする請求項に記載の光パルス試験装置。
  3. 前記制御部は、前記戻り光のモード成分毎に前記減衰時期と減衰量を指示することを特徴とする請求項に記載の光パルス試験装置。
  4. 前記可変光減衰部は、前記試験光パルスのパルス幅および前記演算処理部のサンプリング時間より短い時間で減衰量を変化することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の光パルス試験装置。
  5. 被試験光ファイバの一端に入射する試験光パルスを生成する光パルス生成手順と、
    前記試験光パルスで前記被試験光ファイバで発生し、前記被試験光ファイバの一端に戻る戻り光のうち、任意期間の光強度を任意減衰量で減衰する可変光減衰手順と、
    前記戻り光の任意期間の光強度を減衰できるように、前記光パルス生成手順で試験光パルスを生成する時期と前記可変光減衰手順で前記戻り光の光強度を減衰する減衰期間を指示する制御手順と、
    前記可変光減衰手順にて任意減衰量で減衰した前記戻り光を受光し光電変換する受光手順と、
    前記受光手順で生成された電気信号から前記被試験光ファイバの距離に対する前記戻り光の強度分布、及び記減衰期間と減衰量から前記被試験光ファイバの距離に対する減衰分布を取得し、前記強度分布と前記減衰分布とから前記可変光減衰手順で光強度を減衰する前の、前記被試験光ファイバの距離に対する前記戻り光の元強度分布を演算する演算処理手順と、
    を行い、
    前記制御手順では、前記可変光減衰手順で前記減衰期間中に変化する減衰量を指示する光パルス試験方法。
  6. 前記光パルス生成手順で生成した前記試験光パルスを任意のモードで前記被試験光ファイバに入射し、かつ前記被試験光ファイバからの戻り光を基本モード及び第1高次モードの成分に分離するモード合分波手順をさらに行い、
    前記光パルス生成手順では、前記試験光パルスを前記被試験光ファイバのカットオフ波長より短い波長とし、
    前記可変光減衰手順では、前記戻り光のモード成分毎に光強度を減衰し、
    前記受光手順では、前記戻り光のモード成分毎に前記戻り光を受光し、
    前記演算処理手順では、前記戻り光のモード成分毎に前記戻り光の元強度分布を演算する
    ことを特徴とする請求項に記載の光パルス試験方法。
JP2016093631A 2016-05-09 2016-05-09 光パルス試験装置および光パルス試験方法 Active JP6653617B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016093631A JP6653617B2 (ja) 2016-05-09 2016-05-09 光パルス試験装置および光パルス試験方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016093631A JP6653617B2 (ja) 2016-05-09 2016-05-09 光パルス試験装置および光パルス試験方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017203626A JP2017203626A (ja) 2017-11-16
JP6653617B2 true JP6653617B2 (ja) 2020-02-26

Family

ID=60323235

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016093631A Active JP6653617B2 (ja) 2016-05-09 2016-05-09 光パルス試験装置および光パルス試験方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6653617B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6774451B2 (ja) * 2018-03-06 2020-10-21 日本電信電話株式会社 光ファイバケーブル監視方法および光ファイバケーブル監視システム
CN113764966A (zh) * 2021-08-24 2021-12-07 武汉光迅科技股份有限公司 拉曼放大器及其控制方法、装置以及存储介质
JP2024131225A (ja) * 2023-03-15 2024-09-30 横河電機株式会社 光パルス試験器

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57161633A (en) * 1981-03-31 1982-10-05 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> Pulse tester for optical cable
US5028775A (en) * 1989-06-30 1991-07-02 Anritsu Corporation Optical time domain reflectometer using optical element with three control modes of oscillation, attenuation and amplification
JP3912801B2 (ja) * 1994-06-27 2007-05-09 横河電機株式会社 光スペクトル測定装置
EP1206056B1 (en) * 2001-09-08 2004-03-17 Agilent Technologies, Inc. (a Delaware corporation) Reflectometer with improved receiver sensibility
JP2011007618A (ja) * 2009-06-25 2011-01-13 Anritsu Corp 光パルス試験装置
JP6060099B2 (ja) * 2014-02-13 2017-01-11 日本電信電話株式会社 光ファイバ特性解析装置および光ファイバ特性解析方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017203626A (ja) 2017-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10014935B2 (en) Multiple-acquisition OTDR method and device
KR101536375B1 (ko) 광 선로 감시 장치 및 광 선로 감시 시스템
JP6338153B2 (ja) モード結合比率分布測定方法及びモード結合比率分布測定装置
JP6060099B2 (ja) 光ファイバ特性解析装置および光ファイバ特性解析方法
US11802809B2 (en) Backscattering optical amplification device, optical pulse testing device, backscattering optical amplification method and optical pulse testing method
WO2004010098A1 (ja) 光ファイバの偏波モード分散の測定方法及びその測定装置
JP6653617B2 (ja) 光パルス試験装置および光パルス試験方法
JP2019105530A (ja) モード遅延時間差分布試験方法および試験装置
US20210356358A1 (en) Optical pulse reflectometer and optical pulse reflectometry
JP2020041842A (ja) 光ファイバ特性測定装置及び光ファイバ特性測定方法
JP5849056B2 (ja) 光パルス試験装置及び光パルス試験方法
JP6748027B2 (ja) 光パルス試験装置及び光パルス試験方法
JP5753834B2 (ja) 光パルス試験装置及び光パルス試験方法
JP6653616B2 (ja) 光パルス試験方法及び光パルス試験装置
JP7081471B2 (ja) 光パルス試験方法および光パルス試験装置
JP2017072495A (ja) 試験光合分波器及び光線路試験システム
JP6751378B2 (ja) 光時間領域反射測定方法および光時間領域反射測定装置
JP2017026474A (ja) 光ファイバ特性解析装置および光ファイバ特性解析方法
JP2017191046A (ja) 光パルス試験装置および光パルス試験方法
JP2007163364A (ja) 光線路試験方法及び試験システム
JP6353429B2 (ja) 光線路損失解析方法及び光線路損失解析装置
JP6764247B2 (ja) 光線路特性解析装置及び信号処理方法
JP2022146053A (ja) オフセット量決定プログラム、オフセット量決定方法及びオフセット量決定装置
JPH06160128A (ja) 物理量多点計測装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180704

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190522

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190618

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190815

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200121

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6653617

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150