JP2019105530A - モード遅延時間差分布試験方法および試験装置 - Google Patents

モード遅延時間差分布試験方法および試験装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高価なレーザ等を用いずに、光ファイバのモード遅延時間差分布を測定可能なモード遅延時間差分布試験方法および試験装置を提供することを目的とする。【解決手段】本開示の光パルス試験方法及び光パルス試験装置は、DMDを直接測定するのではなく、OFDRに比べて比較的安価なデバイスで構築可能なOTDRを用いて被試験光ファイバに光パルスを入射し、後方散乱光に含まれる基本モードと高次モードの強度比率からそれぞれのモードフィールド径(MFD)を取得し、伝搬定数と電界分布の関係性を利用してそのMFDからDMDを算出することとした。【選択図】図1

Description

本開示は、光ファイバのモード遅延時間差分布を測定するための試験方法および試験装置に関する。
動画やゲームに代表される大容量コンテンツの増加やスマートフォンの普及に伴い、光ファイバネットワークにおけるトラフィック量は年々増加している。一方で、現在伝送媒体として用いられているシングルモードファイバには、伝送容量の限界が近づいている。将来的なトラフィック増大に対応するための技術の一つとして、数モードファイバを用いたモード多重伝送が注目されている。
数モードファイバを用いたモード多重伝送における課題の一つとして、モード間の四光波混合(FWM:Four Wave Mixing)が挙げられる。モード間FWMの発生効率は、モード間遅延差(DMD:Differential Mode Delay)の絶対値が小さいほど高くなることが知られている。したがって、DMDの光ファイバ全長にわたる平均値だけでなく、長手方向の分布特性を把握することが重要である。
例えば、非特許文献1では、OFDR(Optical Frequency Domain Reflectometry)を用いたDMD分布測定法が開示されている。
S. Ohno et.al., "Nondestructive characterization of differential mode delay in few−mode fiber link using Rayleigh backscattering spectral shifts," OFC2017, Th4H.2. A. Nakamura et.al., "Effective mode field diameter for LP11 mode and its measurement technique," IEEE Photon. Technol. Lett., vol. 28, no. 22, pp. 2553−2556, 2016. M. Ohashi, H. Kubota, Y. Miyoshi, R. Maruyama and N. Kuwaki,"Longitudinal fiber parameter measurements of two−mode fiber links by using OTDR", ECOC2014, Th.1.4.5, 2014.
しかし、非特許文献1に記載されるDMD分布測定法は高価なレーザ等が必須という課題がある。そこで、本発明は、この課題に着目し、高価なレーザ等を用いずに、光ファイバのモード遅延時間差分布を測定可能なモード遅延時間差分布試験方法および試験装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るモード遅延時間差分布試験方法および試験装置は、OFDRに比べて比較的安価なデバイスで構築可能なOTDR(Optical Time Domain Reflectometry)を用いて光ファイバのモード遅延時間差分布を測定することとした。
具体的には、本発明に係るモード遅延時間差分布試験方法は、
被試験光ファイバを基本モードと第一高次モードで伝搬可能な波長の試験光パルスを生成する生成手順と、
前記生成手順で生成した前記試験光パルスを任意のモードで前記被試験光ファイバの一端に入射する第1入射手順と、
前記第1入射手順で前記被試験光ファイバの一端に入射した前記試験光パルスの戻り光を基本モード及び第一高次モードに分離する第1モード分波手順と、
前記第1モード分波手順で分離した前記戻り光のモード成分それぞれを光電変換し、前記被試験光ファイバの一端からの距離に対する前記戻り光のモード成分それぞれの第1強度分布を取得する第1光強度取得手順と、
前記生成手順で生成した前記試験光パルスを任意のモードで前記被試験光ファイバの他端に入射する第2入射手順と、
前記第2入射手順で前記被試験光ファイバの他端に入射した前記試験光パルスの戻り光を基本モード及び第一高次モードに分離する第2モード分波手順と、
前記第2モード分波手順で分離した前記戻り光のモード成分それぞれを光電変換し、前記被試験光ファイバの一端からの距離に対する前記戻り光のモード成分それぞれの第2強度分布を取得する第2光強度取得手順と、
前記第1光強度取得手順で取得した第1強度分布と前記第2光強度取得手順で取得した第2強度分布とから前記被試験光ファイバの任意位置における前記戻り光のモード成分それぞれの対数変換した強度の相加平均を算出し、基本モードの対数変換した強度の相加平均と第一高次モードの対数変換した強度の相加平均との差に基づいて基本モードのモードフィールド径と第一高次モードのモードフィールド径を取得するMFD算出手順と、
前記MFD算出手順で取得した基本モードのモードフィールド径と第一高次モードのモードフィールド径からモード遅延時間差を算出するDMD算出手順と、
を行う。
また、本発明に係るモード遅延時間差分布試験装置は、
被試験光ファイバを基本モードと第一高次モードで伝搬可能な波長の試験光パルスを生成する生成部と、
前記生成部が生成した前記試験光パルスを任意のモードで前記被試験光ファイバに入射し、かつ前記試験光パルスからの戻り光を基本モード及び第一高次モードに分離するモード合分波部と、
前記モード合分波部が分離した前記戻り光のモード成分それぞれを光電変換する受光部と、
前記試験光パルスを任意のモードで前記被試験光ファイバの一端に入射したときの前記被試験光ファイバの一端からの距離に対する前記戻り光のモード成分それぞれの第1強度分布、及び前記試験光パルスを任意のモードで前記被試験光ファイバの他端に入射したときの前記被試験光ファイバの一端からの距離に対する前記戻り光のモード成分それぞれの第2強度分布を取得し、前記第1強度分布と前記第2強度分布とから前記被試験光ファイバの任意位置における前記戻り光のモード成分それぞれの対数変換した強度の相加平均を算出し、基本モードの対数変換した強度の相加平均と第一高次モードの対数変換した強度の相加平均との差に基づいて基本モードのモードフィールド径と第一高次モードのモードフィールド径を取得するMFD算出部と、
前記MFD算出部が取得した基本モードのモードフィールド径と第一高次モードのモードフィールド径からモード遅延時間差を取得するDMD算出部と、
を備える。
本発明では、DMDを直接測定するのではなく、被試験光ファイバに光パルスを入射し、後方散乱光に含まれる基本モードと高次モードの強度比率からそれぞれのモードフィールド径(MFD)を取得し、伝搬定数と電界分布の関係性を利用してそのMFDからDMDを算出する。
従って、本発明は、高価なレーザ等を用いずに、光ファイバのモード遅延時間差分布を測定可能なモード遅延時間差分布試験方法および試験装置を提供することができる。
例えば、本発明に係るモード遅延時間差分布試験方法及び試験装置は、モード遅延時間差Δτを式(30)を用いて算出することを特徴とする。
本発明は、高価なレーザ等を用いずに、光ファイバのモード遅延時間差分布を測定可能なモード遅延時間差分布試験方法および試験装置を提供することができる。
本発明に係るモード遅延時間差分布試験方法を説明する図である。 本発明に係るモード遅延時間差分布試験装置を説明する図である。 被試験光ファイバに入射した試験光パルスによる後方散乱光のLP01モードおよびLP11モードの強度を説明する図である。(a)は試験光パルスを被試験光ファイバの一端から入射したときの後方散乱光の強度(S1(z)とS2(z))と試験光パルスを被試験光ファイバの他端から入射したときの後方散乱光の強度(S’1(z)とS’2(z))を説明し、(b)はモード毎に相加平均した強度を説明している。 LP01、LP11aおよびLP11bモードの光強度分布とxy座標の関係を示す図である。 本発明に係るモード遅延時間差分布試験装置を説明する図である。被試験光ファイバ内での、試験光パルスによる散乱光の長手方向、散乱方向、平面角θ、微小な立体角dΩの関係を示す図である。
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
図1は、本実施形態のモード遅延時間差分布試験方法を説明する工程図である。本モード遅延時間差分布試験方法は、
被試験光ファイバを基本モードと第一高次モードで伝搬可能な波長の試験光パルスを生成する生成手順と、
前記生成手順で生成した前記試験光パルスを任意のモードで前記被試験光ファイバの一端に入射する第1入射手順と、
前記第1入射手順で前記被試験光ファイバの一端に入射した前記試験光パルスの戻り光を基本モード及び第一高次モードに分離する第1モード分波手順と、
前記第1モード分波手順で分離した前記戻り光のモード成分それぞれを光電変換し、前記被試験光ファイバの一端からの距離に対する前記戻り光のモード成分それぞれの第1強度分布を取得する第1光強度取得手順と、
前記生成手順で生成した前記試験光パルスを任意のモードで前記被試験光ファイバの他端に入射する第2入射手順と、
前記第2入射手順で前記被試験光ファイバの他端に入射した前記試験光パルスの戻り光を基本モード及び第一高次モードに分離する第2モード分波手順と、
前記第2モード分波手順で分離した前記戻り光のモード成分それぞれを光電変換し、前記被試験光ファイバの一端からの距離に対する前記戻り光のモード成分それぞれの第2強度分布を取得する第2光強度取得手順と、
前記第1光強度取得手順で取得した第1強度分布と前記第2光強度取得手順で取得した第2強度分布とから前記被試験光ファイバの任意位置における前記戻り光のモード成分それぞれの対数変換した強度の相加平均を算出し、基本モードの対数変換した強度の相加平均と第一高次モードの対数変換した強度の相加平均との差に基づいて基本モードのモードフィールド径と第一高次モードのモードフィールド径を取得するMFD算出手順と、
前記MFD算出手順で取得した基本モードのモードフィールド径と第一高次モードのモードフィールド径からモード遅延時間差を算出するDMD算出手順と、
を行う。
ステップS1にて、非特許文献2に示されるようなOTDR法を用いて、被試験光ファイバ両端から基本モードおよび第一高次モードの後方散乱光強度分布を測定する。ステップS1は、前記生成手順、前記第1入射手順、前記第1モード分波手順、前記第1光強度取得手順、前記第2入射手順、前記第2モード分波手順、及び前記第2光強度取得手順である。
次に、ステップS2にて、測定波形から各モードのモードフィールド径を算出する。ステップS2は、前記MFD算出手順である。モードフィールド径を算出する詳細は後述する。
最後に、ステップS3にて、ステップS2で算出したモードフィールド径分布を解析することにより、モード遅延時間差分布を取得する。ステップS3は、前記DMD算出手順である。モード遅延時間差分布を算出する詳細も後述する。
図2は、本実施形態のモード遅延時間差分布試験装置101の構成例を説明する図である。モード遅延時間差分布試験装置101は、
被試験光ファイバ10を基本モードと第一高次モードで伝搬可能な波長の試験光パルスを生成する生成部Aと、
生成部Aが生成した前記試験光パルスを任意のモードで被試験光ファイバ10に入射し、かつ前記試験光パルスからの戻り光を基本モード及び第一高次モードに分離するモード合分波部Bと、
モード合分波部Bが分離した前記戻り光のモード成分それぞれを光電変換する受光部Cと、
前記試験光パルスを任意のモードで被試験光ファイバ10の一端に入射したときの被試験光ファイバ10の一端からの距離に対する前記戻り光のモード成分それぞれの第1強度分布、及び前記試験光パルスを任意のモードで被試験光ファイバ10の他端に入射したときの被試験光ファイバ10の一端からの距離に対する前記戻り光のモード成分それぞれの第2強度分布を取得し、前記第1強度分布と前記第2強度分布とから被試験光ファイバ10の任意位置における前記戻り光のモード成分それぞれの対数変換した強度の相加平均を算出し、基本モードの対数変換した強度の相加平均と第一高次モードの対数変換した強度の相加平均との差に基づいて基本モードのモードフィールド径と第一高次モードのモードフィールド径を取得するMFD算出部20と、
MFD算出部20が取得した基本モードのモードフィールド径と第一高次モードのモードフィールド径からモード遅延時間差を取得するDMD算出部21と、
を備える。
ここで、モード遅延時間差分布試験装置101は、被試験光ファイバ10に実効遮断波長より短い波長の光パルスを入力する。実効遮断波長より短い波長の光は、被試験光ファイバ10において基本モードのみならず第一高次モードも伝搬することができる。
生成部Aは、光源11、パルス発生器12及び光強度変調器13を有する。光源11から出力される連続光は、パルス発生器12の信号に従って光強度変調器13でパルス化される。光強度変調器13は、例えば音響光学素子をパルス駆動するようにした音響光学スイッチを備える、音響光学変調器である。本実施形態では、光源11から出力される連続光の波長が、被試験光ファイバ10が2モード動作する波長である場合を例にとって説明する。
モード合分波部Bは、光サーキュレータ14及びモード合分波器15を有する。光強度変調器13で生成された試験光パルスは、光サーキュレータ14を介してモード合分波器15に入射される。モード合分波器15は、例えば非特許文献2に記載されるような平面光波回路で構成された方向性結合器を備える、モード合分波器である。試験光パルスは、モード合分波器15で任意のモードに変換されて被試験光ファイバ10の一端又は他端に入射される。
LP01モードで入射された試験光パルスが被試験光ファイバ10を伝搬する際、レイリー散乱によって試験光パルスの一部は逆方向に伝搬するLP01モードおよびLP11モード(後方散乱光のLP01モードおよびLP11モード)に結合する。この戻り光(後方散乱光)は、モード合分波器15に再入射される。このとき戻り光のLP01モードとLP11モードのモード成分はモード合分波器15で分離される。
光スイッチ102は、光パルス試験装置101と被試験光ファイバ10の間に設置され、被試験光パルス試験装置101と接続される被試験光ファイバ10の一端と他端とを選択的に切り替える機能を備える。
受光部Cは、2つの光受信器(16、17)を有する。モード合分波器15でモード毎に分離された戻り光のうち、1のモード成分(例えばLP01)は光サーキュレータ14を経由して光受信器16に、他のモード成分(例えばLP11)は光受信器17に入射され、光電変換される。
演算処理部Dは、A/D(アナログ/デジタル)変換器18、信号処理部19、MFD算出部20、DMD算出部21を有する。光受信器16及び17からの電気信号は、A/D変換器18でデジタルデータに変換される。前記デジタルデータは信号処理部19に入力される。
信号処理部19は、戻り光のLP01とLP11のモード成分に対する強度分布S1(z)及びS2(z)を取得する。
さらに、MFD算出部20は、例えば、非特許文献3に記載される手法でLP01モードのMFDを取得する。そして、MFD算出部20は、非特許文献2に記載されるように、一端および他端から測定された戻り光のLP01成分に対する対数変換した強度分布の相加平均値と、一端および他端から測定された戻り光のLP11成分に対する対数変換した強度分布の相加平均値とから、LP01モードとLP11モードのMFD比率を算出する。その後、MFD算出部20は、このMFD比率を用いて、取得したLP01モードのMFDからLP11モードのMFDを計算する。
DMD算出部21は、LP01とLP11のモードのMFDからDMDを算出する演算処理を行う。
[MFD算出手順詳細]
本明細書では、被試験光ファイバにおける長手方向の揺らぎに起因するLP01モードおよびLP11モード間の結合が無視できるほど小さいと仮定する。モード間結合が大きい場合、モード多重による通信は不安定となるため、通常2モード光ファイバのモード結合は極めて小さい。したがって、実用的に使われる2モード光ファイバに対しては、この仮定は妥当であるといえる。
このとき、被試験光ファイバの一端から距離zの位置で生じた後方散乱光のLP01モードおよびLP11モードの強度P(z)およびP(z)は次式で表される。
ただし、Pは被試験光ファイバに入射された試験光パルスのパワー、α(z)はLP01モードで伝搬する試験光パルスに対する距離zでのレイリー散乱係数、B(z)およびB(z)は距離zでの後方散乱光のLP01モードおよびLP11モードに対する捕獲率、γおよびγは距離zでのLP01モードおよびLP11モードに対する損失係数を表す。
ここで、被試験光ファイバの一端から測定した後方散乱光のLP01モードおよびLP11モードの強度P(z)およびP(z)を対数変換、具体的にはデシベル表示した後方散乱光強度をS(z)およびS(z)とする。さらに、他端から測定した後方散乱光のLP01モードおよびLP11モードの強度P(z)およびP(z)を対数変換、具体的にはデシベル表示した後方散乱光強度をS’(L−z)およびS’(L−z)とする。なお、“L”は被試験光ファイバの全長である。
このとき、両端から測定した後方散乱光のLP01モードに対する強度S(z)およびS’(z)の相加平均強度I(z)は、次式で表される。
ただし、aはzに依存しない定数で、次式で表される。
また、両端から測定した後方散乱光のLP11モードに対する強度S(z)およびS’(z)の相加平均強度I(z)は、次式で表される。
ただし、aはzに依存しない定数で、次式で表される。
[補足]
’(z)及びS’(z)は、被試験光ファイバの他端から測定した後方散乱光のLP01モード及びLP11モードの強度であるS’(L−z)及びS’(L−z)を被試験光ファイバの一端から情報に変換したものである。
図3は、S(z)、S’(z)、S(z)およびS’(z)の関係とI(z)およびI(z)の関係を示す図である。
以上より、後方散乱光のLP11モードに対する相加平均強度I(z)と後方散乱光のLP01モードに対する相加平均強度I(z)の差は次式で表される。
ただし、KはLP01モードとLP11モードの損失差を示し、以下の式で表される。
ここで式(7)の右辺第二項はzに依存しない定数であるため、後方散乱光のLP11モードおよびLP01モードに対する相加平均強度の差は、後方散乱光のLP11モードに対する捕獲率B(z)と後方散乱光のLP01モードに対する捕獲率B(z)の比に従って変化する。
ここで、LP01モードおよび直交する2つのLP11モード(以降、LP11aモードおよびLP11bモードと称する)の電界分布をガウス分布およびエルミートガウス分布で近似すると、それらは以下の式で表される。
ただし、E、EおよびEはそれぞれ、LP01、LP11aおよびLP11bモードの電界分布を、wおよびwはそれぞれ、LP01モードおよびLP11のモードフィールド径を、xおよびyはファイバ断面における座標を表す。
図4は、LP01、LP11aおよびLP11bモードの光強度分布とxy座標の関係を示す図である。
試験光パルスが被試験光ファイバを伝搬する際、試験光パルスは被試験光ファイバ各所で全方向に散乱される。散乱される光強度は散乱する方向に依存することが知られており、微小な立体角dΩに散乱される割合は以下の式で表される。
ただし、θは被試験光ファイバ長手方向と散乱方向がなす平面角を表し、平面角θと立体角Ωの関係は以下の式で表される。
図5は、被試験光ファイバ長手方向、散乱方向、平面角θ、微小な立体角dΩの関係を示す図である。
LP01モードで伝搬する試験光パルスが角度θ方向に散乱されたとき、xy平面における散乱された光の電界分布Eは以下の式で表される。
ただし、nは被試験光ファイバの屈折率、λは試験光パルスの波長を、φはx軸と散乱方向がなす角度を表す。
散乱された光と伝搬モードの結合効率は、それらの電界分布の重なり積分で求めることができ、以下の式で近似される。
ただし、T、TおよびTは散乱された光がLP01、LP11aおよびLP11bモードに結合する効率を表す。また、wは以下の式で表される。
ここでLP11aおよびLP11bモードは被試験光ファイバに生じるわずかな応力変化によって強く結合するため、現実的にはそれらのモードを区別することは難しい。そこでLP11aおよびLP11bモードをLP11モードとしてグループ化して考えると、散乱された光がLP11モードに結合する効率Tは以下の式で表される。
後方散乱光の捕獲率は、特定の角度に散乱された光強度と散乱光が伝搬モードに結合する効率の積を、立体角Ωについて0〜2πの範囲で積分することで求まり、以下の式で表される。
ここで、式(20)および式(21)における被積分関数はθ>π/2の領域で極めて小さいため、積分範囲の上限を無限大に変更することができる。このとき、後方散乱光のLP01モードおよびLP11モードに対する捕獲率BおよびBは以下の式で表される。
従って、式(7)、式(22)および式(23)より、LP01モードのモードフィールド径に対するLP11モードのモードフィールド径の比率w/wは、以下の式より求めることができる。
ここで、非特許文献3の手法等で、予めLP01モードのモードフィールド径分布を測定しておき、その値を式(24)に代入することで、LP11モードのモードフィールド径分布を取得することができる。
[DMD算出手順詳細]
以下、LP01とLP11のモードのMFDからDMDを算出する演算処理について説明する。
モード遅延時間差Δτは、以下の式で表される。
なお、cは光速、Δβは基本モードと第一高次モードの伝搬定数差、kは波数を表す。
ここで、光ファイバを伝搬するモードの伝搬定数βは、波動方程式の停留表現式から以下の式で近似できる。
なお、rは動径方向の座標、ψは半径方向の電界分布、n(r)は位置rにおける屈折率、nは弱導波近似(コアの屈折率n1=クラッドの屈折率n2=n)が成り立つと仮定したときのコア及びクラッドの屈折率、νは方位角モード次数を表す。
ここで、基本モードおよび第一高次モードの半径方向の電界分布ψおよびψを以下の式で近似する。
、wはそれぞれ、基本モードと第一高次モードのモードフィールド径を表す。
弱導波近似が成り立つとき、式(26)〜(28)から以下の式を得ることができる。
βおよびβはそれぞれ、基本モードおよび第一高次モードの伝搬定数を表す。
式(25)および式(29)より、以下のモード遅延時間差Δτに関する近似式が得られる。
したがって、MFD算出手順で取得したLP01とLP11のモードのMFDから式(30)を用いることでモード遅延時間差を算出することができる。
(他の実施形態)
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば、演算処理部Dは、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
10:被測定光ファイバ
11:光源
12:パルス発生器
13:光強度変調器
14:光サーキュレータ
15:モード合分波器
16、17:光受信器
18:A/D変換器
19:信号処理部
20:MFD算出部
21:DMD算出部
101:光パルス試験装置
102:光スイッチ

Claims (3)

  1. 被試験光ファイバを基本モードと第一高次モードで伝搬可能な波長の試験光パルスを生成する生成手順と、
    前記生成手順で生成した前記試験光パルスを任意のモードで前記被試験光ファイバの一端に入射する第1入射手順と、
    前記第1入射手順で前記被試験光ファイバの一端に入射した前記試験光パルスの戻り光を基本モード及び第一高次モードに分離する第1モード分波手順と、
    前記第1モード分波手順で分離した前記戻り光のモード成分それぞれを光電変換し、前記被試験光ファイバの一端からの距離に対する前記戻り光のモード成分それぞれの第1強度分布を取得する第1光強度取得手順と、
    前記生成手順で生成した前記試験光パルスを任意のモードで前記被試験光ファイバの他端に入射する第2入射手順と、
    前記第2入射手順で前記被試験光ファイバの他端に入射した前記試験光パルスの戻り光を基本モード及び第一高次モードに分離する第2モード分波手順と、
    前記第2モード分波手順で分離した前記戻り光のモード成分それぞれを光電変換し、前記被試験光ファイバの一端からの距離に対する前記戻り光のモード成分それぞれの第2強度分布を取得する第2光強度取得手順と、
    前記第1光強度取得手順で取得した第1強度分布と前記第2光強度取得手順で取得した第2強度分布とから前記被試験光ファイバの任意位置における前記戻り光のモード成分それぞれの対数変換した強度の相加平均を算出し、基本モードの対数変換した強度の相加平均と第一高次モードの対数変換した強度の相加平均との差に基づいて基本モードのモードフィールド径と第一高次モードのモードフィールド径を取得するMFD算出手順と、
    前記MFD算出手順で取得した基本モードのモードフィールド径と第一高次モードのモードフィールド径からモード遅延時間差を算出するDMD算出手順と、
    を行うモード遅延時間差分布試験方法。
  2. 前記DMD算出手順では、モード遅延時間差Δτを次式を用いて算出することを特徴とする請求項1に記載のモード遅延時間差分布試験方法。
    ただし、λは試験光パルスの波長、cは光速、nは弱導波近似したときのコア及びクラッドの屈折率、wは基本モードのモードフィールド径、及びwは第一高次モードのモードフィールド径である。
  3. 被試験光ファイバを基本モードと第一高次モードで伝搬可能な波長の試験光パルスを生成する生成部と、
    前記生成部が生成した前記試験光パルスを任意のモードで前記被試験光ファイバに入射し、かつ前記試験光パルスからの戻り光を基本モード及び第一高次モードに分離するモード合分波部と、
    前記モード合分波部が分離した前記戻り光のモード成分それぞれを光電変換する受光部と、
    前記試験光パルスを任意のモードで前記被試験光ファイバの一端に入射したときの前記被試験光ファイバの一端からの距離に対する前記戻り光のモード成分それぞれの第1強度分布、及び前記試験光パルスを任意のモードで前記被試験光ファイバの他端に入射したときの前記被試験光ファイバの一端からの距離に対する前記戻り光のモード成分それぞれの第2強度分布を取得し、前記第1強度分布と前記第2強度分布とから前記被試験光ファイバの任意位置における前記戻り光のモード成分それぞれの対数変換した強度の相加平均を算出し、基本モードの対数変換した強度の相加平均と第一高次モードの対数変換した強度の相加平均との差に基づいて基本モードのモードフィールド径と第一高次モードのモードフィールド径を取得するMFD算出部と、
    前記MFD算出部が取得した基本モードのモードフィールド径と第一高次モードのモードフィールド径からモード遅延時間差を取得するDMD算出部と、
    を備えるモード遅延時間差分布試験装置。
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