JP6060099B2 - 光ファイバ特性解析装置および光ファイバ特性解析方法 - Google Patents
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Description
本発明は、光ファイバ特性(例えば曲げの位置、コネクタの位置、あるいは融着による接続点の有無など)を検出する技術に関する。
光通信システムでは、伝送媒体である光ファイバが多様な方法で試験される。例えば、光ファイバ内を伝搬する光に由来するレイリー散乱光の後方散乱光やフレネル反射光を検出することで、光ファイバの長手方向における伝送損失の分布や接続点での反射減衰量が得られる。その結果に基づいて、曲げによる損失や、コネクタの接続点、反射点等の位置を特定することができる。このような原理を利用する、光ファイバ特性解析装置(光ファイバ線路分布測定装置)が知られている。光ファイバ特性解析装置は、光ファイバの破断や故障などの異常を検出し、その位置を特定するために用いられることができる。
光ファイバ特性解析装置として、OTDR(Optical Time Domain Reflectometer)や、OFDR(Optical Frequency Domain Reflectometer)が著名である。OTDRは、パルス化された試験光のラウンドトリップ時間に基づき分布データを取得する。OFDRは、周波数変調された試験光を用いて、その変調周波数を解析して位置情報を取得する。
ところで、光ファイバ特性解析装置の検出感度には限りがある。つまり検出感度よりも低い影響をもたらす異常を検出することはできない。例えば、曲げ半径の大きな曲げ、正常に融着された接続点、あるいは、反射減衰量を抑制したAPC(Angled Physical Contact)研磨のコネクタによる接続点は、いずれも、ほんの僅かな損失(反射)を発生させるにすぎない。つまりこれらの場所で生じる損失や反射は既存の光ファイバ特性解析装置の検出感度よりも小さいので、異常を検出することが困難である。
ところで、光ファイバの曲げ損失は、基本モードに比べて高次モードにおいて、より大きいことが知られている。非特許文献1に、高次モードを利用する心線対照技術が開示されている。また、非特許文献2に開示されるように、高次モードを含む光ファイバのコネクタ損失は大きくなることが知られている。
しかし既存の光ファイバ特性解析装置では、試験光を単一モードで伝搬させるために、被試験光ファイバ(Fiber under test:FUT)のカットオフ波長以上の波長の試験光を用いるのが一般的である。例えば被試験光ファイバが一般的なシングルモードファイバであれば、1.31μm帯、1.49μm帯、1.55μm帯、1.65μm帯などの基本モードが試験光として採用される。光ファイバ特性解析装置は、被試験光ファイバ中で発生する戻り光の基本モードを検出し解析を行う。
非特許文献3には、シングルモードファイバのカットオフ波長より短い波長帯の試験光を用いる、OTDRによる光ファイバ線路試験が開示されている。しかしながら非特許文献3の技術は伝送装置の受光帯域外の波長を用いることで試験光による通信への影響を低減することを目的とするもので、OTDRの精度向上を目的とするものではない。
馬麟、辻川恭三、青笹真一、東裕司、"可視光の高次モードを用いた低曲げ損失光ファイバの心線対照技術"、OFT2012−43、pp.55−60、光ファイバ応用研究会、2012、10月
川瀬雅敏、立田光廣、平淳司、瀧澤和宏、"励振モード制御による多モード光ファイバコネクタ損失測定の再現性向上"、OFT2005−88、pp.15−18、光ファイバ応用研究会、2006、3月
吉田陽子他、" 0.65μm帯OTDR による光スプリッタ下部故障判定の一提案", 2004年電子情報通信学会総合大会, B-13-33, pp. 581
以上述べたように既存の光ファイバ特性解析装置の検出感度には限りがあるので、この感度よりも小さい影響をもたらす異常を検出することはできない。光ファイバ特性解析装置の検出感度をさらに向上させることが望まれている。
本発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、検出感度を向上させた光ファイバ特性解析装置および光ファイバ特性解析方法を提供することにある。
本発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、検出感度を向上させた光ファイバ特性解析装置および光ファイバ特性解析方法を提供することにある。
本発明に係る光ファイバ特性解析装置は、以下のような態様の構成とする。
(1) 光ファイバ特性解析装置は、光を入射された被試験光ファイバからの戻り光の距離に対する強度分布を解析する。光ファイバ特性解析装置は、被試験光ファイバのカットオフ波長より短い波長の試験光パルスを生成する生成部と、生成された試験光パルスを被試験光ファイバに入射する入射部と、入射された試験光パルスの戻り光を入射され、当該戻り光から基本モードの後方散乱光と高次モードの後方散乱光とを分離して出力する分離部と、分離部から出力される高次モードの後方散乱光を光/電変換して高次モード信号を生成する高次モード受光部と、高次モード信号を解析して高次モードの後方散乱光の強度分布を取得する信号処理部とを具備する。
従って(1)によれば、受光側で高次モード成分が抽出され、高次モードの後方散乱光に基づく強度分布を得ることができる。これにより、基本モードを用いた場合に比べて高い感度で光ファイバ特性を検出することが可能になる。
(2) 光ファイバ特性解析装置は、(1)において、さらに、分離部から出力される基本モードの後方散乱光を光/電変換して基本モード信号を生成する基本モード受光部を具備し、信号処理部は、基本モード信号を解析して基本モードの後方散乱光の強度分布を取得することを特徴とする。
従って(2)によれば、基本モードの後方散乱光に基づく強度分布も得ることが可能になる。
(3) 光ファイバ特性解析装置は、(1)において、第1、第2および第3のポートを備えるモード合分波器を具備し、モード合分波器は、第1のポートに入射された試験光パルスを第3のポートから基本モードで被試験光ファイバに入射し、第2のポートに入射された試験光パルスを第3のポートから高次モードで被試験光ファイバに入射し、第3のポートに入射された戻り光に含まれる基本モードの後方散乱光を基本モードで第1のポートから出力し、第3のポートに入射された戻り光に含まれる高次モードの後方散乱光を基本モードで第2のポートから出力することを特徴とする。
従って(3)によれば、モード合分波器により基本モードと高次モードとを分離して受光することができる。
(4) 光ファイバ特性解析装置は、(3)において、さらに、生成部により生成された試験光パルスを、第1のポートまたは第2のポートのいずれかに選択的に入射する光スイッチ部を具備することを特徴とする。
従って(4)によれば、基本モードまたは高次モードのいずれかの試験光パルスを被試験光ファイバに入射することが可能になる。
(5) 光ファイバ特性解析装置は、(1)において、信号処理部は、高次モードの後方散乱光の強度分布に基づいて被試験光ファイバの曲げ位置を特定することを特徴とする。
従って(5)によれば、被試験光ファイバの曲げ位置を特定することが可能になる。
(6) 光ファイバ特性解析装置は、(1)において、信号処理部は、高次モードの後方散乱光の強度分布に基づいて被試験光ファイバのコネクタによる接続点の位置を特定することを特徴とする。
従って(6)によれば、被試験光ファイバのコネクタによる接続点の位置を特定することが可能になる。
(7) 光ファイバ特性解析装置は、(1)において、信号処理部は、高次モードの後方散乱光の強度分布に基づいて被試験光ファイバの融着による接続点の位置を特定することを特徴とする。
従って(7)によれば、被試験光ファイバの融着による接続点の位置を特定することが可能になる。
(8) 光ファイバ特性解析方法は、光を入射された被試験光ファイバからの戻り光の距離に対する強度分布を解析する方法である。光ファイバ特性解析方法は、被試験光ファイバのカットオフ波長より短い波長の試験光パルスを生成し、生成された試験光パルスを被試験光ファイバに入射し、試験光パルスの戻り光から基本モードの後方散乱光と高次モードの後方散乱光とを分離して出力し、出力される高次モードの後方散乱光を光/電変換して高次モード信号を生成し、高次モード信号を解析して高次モードの後方散乱光の強度分布を取得することを特徴とする。
従って(8)によれば、高次モードの後方散乱光に基づく強度分布を得られるので、基本モードを用いた場合に比べて高い感度で光ファイバ特性を検出することが可能になる。
本発明によれば、後方散乱光に含まれる高次モード成分を抽出し、これを利用して光ファイバ特性を解析できるようになる。これにより検出感度を向上させた光ファイバ特性解析装置および光ファイバ特性解析方法を提供することが可能になる。
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下に説明する実施の形態は本発明の一例であり、本発明は以下の実施の形態に制限されるものではない。
図1は、実施形態に係る光ファイバ特性解析装置の一例を示す機能ブロック図である。図1は、基本モードの試験光を被試験光ファイバに入射することの可能な装置の一例を示す。図1に示される光ファイバ特性解析装置はOTDRの原理に基づいて、被試験光ファイバからの戻り光の距離に対する強度分布を解析して被試験光ファイバ20の特性を算出する。
図1において、光源11から出力される連続光は光パルス化器12でパルス化される。光パルス化器12は、例えば音響光学素子をパルス駆動するようにした音響光学スイッチを備える、音響光学変調器である。光パルス化器12で生成された試験光パルスは光サーキュレータ13を介してモード合分波器14のPort1に入射される。この試験光パルスは、モード合分波器14のPort3から基本モードLP01で被試験光ファイバ20に入射される。なお実施形態では基本モードをLP01と表記し、高次モードをLP11と表記して両者を区別する。
実施形態では、光源11から出力される連続光の波長を、被試験光ファイバ20において高次モードが伝搬可能な波長とする。つまり光源11の発振波長を被試験光ファイバ20のカットオフ波長より短い波長にすることで、試験光パルスの波長を被試験光ファイバ20のカットオフ波長より短くする。
被試験光ファイバ20において発生した試験光パルスの後方散乱光は、Port3からモード合分波器14に再入射する。モード合分波器14は、Port3から入射される戻り光に含まれる基本モード成分LP01と、高次モード成分LP11とを強度的に分離する。つまり後方散乱光の基本モードLP01はPort1から出力され、高次モードLP11はPort2から出力される。
このように、基本モードの後方散乱光と高次モードの後方散乱光とを含む戻り光がPort3からモード合分波器14に入射されると、モード合分波器14において各モードの光強度が分離される。戻り光に含まれる基本モードLP01は光サーキュレータ13経由で光受信器15に達し、光/電変換されたのちA/D(アナログ/ディジタル)変換器16でディジタルデータに変換される。高次モードLP11はモード合分波器14のPort2から光受信器17に達し、光/電変換されたのちA/D変換器18でディジタルデータに変換される。
基本モードに由来するディジタルデータ(基本モード信号)と、高次モードに由来するディジタルデータ(高次モード信号)は演算処理装置19に入力される。演算処理装置19は、高次モード信号を解析して高次モードの後方散乱光の強度分布を取得する。また演算処理装置19は、基本モード信号を解析して基本モードの後方散乱光の強度分布を取得する。
すなわち演算処理装置19は、各モードに対応する後方散乱光の電圧値に対して演算処理を施し、距離に対する強度分布(損失分布と同義)を求める。このような構成であるから、被試験光ファイバ20における損失特性を、基本モードと高次モードとにそれぞれ分離して測定することが可能となる。
図2は、実施形態に係る光ファイバ特性解析装置の他の例を示す機能ブロック図である。図2は、高次モードの試験光を被試験光ファイバに入射することの可能な装置の一例を示す。図2の構成は、図1に示される装置のモード合分波器14のPort1とPort2を入れ替えたものに相当する。このような構成によれば、モード合分波器14のPort2に基本モードの試験光パルスが入射される。この試験光パルスは高次モードに変換されてPort3から被試験光ファイバ20に入射される。
すなわちモード合分波器14は、基本モードまたは高次モードのいずれかの試験光パルスを選択的に被試験光ファイバ20に入射することが可能である。図示しない光スイッチを設けることでPort1とPort2とを光学的に入れ替えることができ、同じ装置を図1と図2の構成に切り替えることができる。
高次モードの試験光パルスの曲げ損失や接続損失は、基本モードの試験光パルスの損失よりも大きい。このことから、試験光パルスとして高次モードを選択することで、被試験光ファイバにおける曲げ部や接続部でより大きな損失を得ることができるので、高感度な測定が可能となる。しかし、より高感度な測定が可能となる一方で、曲げ部や接続部でより大きな損失が生じるので、装置に戻ってくる後方散乱光強度が装置の検出感度を下回ることがある。このような場合には、試験光パルスとして基本モードを選択することが行われる。従って、適用する線路の損失値によって試験光パルスのモードを使い分ける必要がある。光スイッチを用いた構成はこのような用途に便利である。
図3は、モード合分波器14の作用を説明するための図である。図3に示されるように、モード合分波器14のPort1から入射された基本モードの光は基本モードのままPort3から出射される。Port2から入射された基本モードの光は高次モードに変換されてPort3から出射される。Port3から入射された基本モードの光は基本モードのままPort1から出射される。Port3に入射された高次モードの光は基本モードに変換されPort2から出射される。
図4は、カットオフ波長より短い波長の試験光パルスを入射された被試験光ファイバ20に生じる後方散乱光について説明するための図である。試験光パルスが被試験光ファイバ20中を伝搬すると、被試験光ファイバ20各所でレイリー散乱が生じる。このレイリー散乱の一部が入射端側の方向に伝搬する基本モードおよび高次モードに結合し、これにより後方散乱光の基本モードおよび高次モードが発生する。
図5は、被試験光ファイバ20における曲げ損失を測定可能な光ファイバ特性解析装置の一例を示す機能ブロック図である。図1に示される構成を基本として、被試験光ファイバ20の全長を約1kmとし、その端点から約500mの位置に半径Rの曲げが付与されたとする。図5の測定系において波長1050nmの試験光パルスを基本モードで入射した。また、空間分解能を5mとした。仮に、被試験光ファイバ20に半径15mmで1ターンの曲げを付与すると図6に示されるような測定結果を得ることができる。
図6に、図5に示される測定系により得られる後方散乱光強度分布を示す。図6(a)は基本モードの後方散乱光強度分布を示す。図6(b)は高次モードの後方散乱光強度分布を示す。図6(c)は比較のため、既存のOTDRを用いて測定された波長1650nmにおける後方散乱光強度分布を示す。
図6(a)〜図6(c)の各グラフの横軸は、被試験光ファイバ20において後方散乱光の発生した距離を示す。縦軸は各モードの後方散乱光強度を表している。図6(a)と図6(b)とを比較すると、後方散乱光強度に対する曲げ部付近での損失は、基本モードよりも高次モードのほうが大きいことがわかる。
図7は、被測定ファイバの曲げ半径Rに対する曲げ損失の解析結果を、伝搬モードごとにプロットしたグラフである。図7において、波長1050nmの試験光については高次モードのほうが基本モードよりも敏感に変化することが示される。1650nmの基本モードの試験光を用いたOTDR測定の結果と比べても、曲げ損失は基本モードよりも高次モードにおいて、より大きいことがわかる。以上の結果から、高次モードの損失分布特性を測定することで通常のOTDR測定では検知できない曲げを高感度に検知することが可能となることがわかる。
一般に、試験光パルスは基本モードで被測定ファイバに入射されると、散乱の生じる位置までは基本モードで伝搬し、高次モードの後方散乱光の生じた位置から入射端に戻るまでは高次モードで伝搬する。よって高次モードの後方散乱光強度の変化は、被試験光ファイバを伝搬する基本モード光の損失と高次モード光の損失との平均を意味する。図7のグラフにおいてもそのことが反映されている。
図8は、APC研磨のコネクタによる接続点を有する非試験光ファイバに対する、既存のOTDRによる測定結果の一例を示すグラフである。約0.45kmの同じ規格の2本の光ファイバをAPC研磨のコネクタで接続して0.9kmの被測定光ファイバを構成し、この被測定光ファイバに対する後方散乱光の損失分布を取得した。
図9および図10は、実施形態に係る光ファイバ特性解析装置による、図8と同じ条件の非試験光ファイバに対する測定結果の例を示すグラフである。図9は後方散乱光の基本モードLP01成分による測定結果を示す。図10は後方散乱光の高次モードLP11成分による測定結果を示す。
図8および図9のグラフからは、0.45kmに存在するはずのAPCコネクタの接続位置を明確に確認することができないことがわかる。これに対して図10のグラフには、0.45km付近に0.4dBの損失を観測することができることがわかる。つまり、高次モードLP11成分を用いる実施形態の測定手法は、既存の技術よりも高い検出感度を実現することがわかる。
以上説明したようにこの実施形態では、被試験光ファイバ20の損失分布試験において、カットオフ波長より短い波長の試験光パルスを用い、これを基本モードLP01、または高次モードLP11のいずれかで被試験光ファイバ20に入射する。試験光パルスが被試験光ファイバ20を伝搬する際に各所で生じる後方散乱光の基本モードLP01および高次モードLP11の光強度を、モード合分波器14で分離する。そして、分離された各モードの後方散乱光強度を個別に光受信器15,17で受信し、光受信器15,17の各出力電圧を解析することで、被試験光ファイバ20における基本モードおよび高次モードの個別の損失分布が求められる。
従って実施形態によれば、高次モードの損失分布特性に基づいて、基本モードの損失分布特性からでは検知することができない曲げ(およびその位置)を高感度に検知することが可能になる。また、融着による接続点およびその位置や、APC研磨のコネクタ接続による接続点およびその位置を特定することも可能になる。
つまり実施形態では、光ファイバの曲げ損失が基本モード(LP01)に比べて高次モード(LP11)の方が大きく、また、光ファイバのコネクタ損失がLP01に比べてLP11の方が大きくなるという特性に着目し、後方散乱光のLP11成分を解析することで、より高感度な後方散乱光強度分布を得ることを可能とした。
さらに、実施形態によれば、被試験光ファイバ20における複数の伝搬モードの特性が混在することなく、各モードの損失分布特性を個別に測定することが可能になる。
例えばシングルモードファイバ(SMF)に対しカットオフ波長より短い波長でOTDR測定を行うと、複数の伝搬モードが存在するので被測定光ファイバ中の伝送速度が異なり、伝送損失や曲げ損失などの伝送特性がモード間で混在することになる。よってOTDR波形から光ファイバの伝送損失測定や曲げ損失などの異常点を正確に検出することが難しく、まして、各伝搬モード個別の特性を得ることは困難であった。
これに対し実施形態によれば、モード合分波器14で基本モードと高次モードとが分離されるので、各モードの損失分布特性を個別に測定することが可能になる。
これらのことから、検出感度を向上させた光ファイバ特性解析装置および光ファイバ特性解析方法を提供することが可能となる。
なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示される複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
11…光源、12…光パルス化器、13…光サーキュレータ、14…モード合分波器、15…光受信器、16…A/D変換器、17…光受信器、18…A/D変換器、19…演算処理装置、20…被試験光ファイバ
Claims (8)
- 光を入射された被試験光ファイバからの戻り光の距離に対する強度分布を解析する光ファイバ特性解析装置において、
前記被試験光ファイバのカットオフ波長より短い波長の試験光パルスを生成する生成部と、
前記生成された試験光パルスを前記被試験光ファイバに入射する入射部と、
前記入射された試験光パルスの戻り光を入射され、当該戻り光から基本モードの後方散乱光と高次モードの後方散乱光とを分離して出力する分離部と、
前記分離部から出力される前記高次モードの後方散乱光を光/電変換して高次モード信号を生成する高次モード受光部と、
前記高次モード信号を解析して前記高次モードの後方散乱光の強度分布を取得する信号処理部とを具備することを特徴とする、光ファイバ特性解析装置。 - さらに、前記分離部から出力される前記基本モードの後方散乱光を光/電変換して基本モード信号を生成する基本モード受光部を具備し、
前記信号処理部は、前記基本モード信号を解析して前記基本モードの後方散乱光の強度分布を取得することを特徴とする、請求項1に記載の光ファイバ特性解析装置。 - 第1、第2および第3のポートを備えるモード合分波器を具備し、
前記モード合分波器は、
前記第1のポートに入射された前記試験光パルスを前記第3のポートから基本モードで前記被試験光ファイバに入射し、
前記第2のポートに入射された前記試験光パルスを前記第3のポートから高次モードで前記被試験光ファイバに入射し、
前記第3のポートに入射された前記戻り光に含まれる前記基本モードの後方散乱光を基本モードで前記第1のポートから出力し、
前記第3のポートに入射された前記戻り光に含まれる前記高次モードの後方散乱光を基本モードで前記第2のポートから出力することを特徴とする、請求項1に記載の光ファイバ特性解析装置。 - さらに、前記生成部により生成された試験光パルスを、前記第1のポートまたは前記第2のポートのいずれかに選択的に入射する光スイッチ部を具備することを特徴とする、請求項3に記載の光ファイバ特性解析装置。
- 前記信号処理部は、前記高次モードの後方散乱光の強度分布に基づいて前記被試験光ファイバの曲げ位置を特定することを特徴とする、請求項1に記載の光ファイバ特性解析装置。
- 前記信号処理部は、前記高次モードの後方散乱光の強度分布に基づいて前記被試験光ファイバのコネクタによる接続点の位置を特定することを特徴とする、請求項1に記載の光ファイバ特性解析装置。
- 前記信号処理部は、前記高次モードの後方散乱光の強度分布に基づいて前記被試験光ファイバの融着による接続点の位置を特定することを特徴とする、請求項1に記載の光ファイバ特性解析装置。
- 光を入射された被試験光ファイバからの戻り光の距離に対する強度分布を解析する光ファイバ特性解析方法において、
前記被試験光ファイバのカットオフ波長より短い波長の試験光パルスを生成し、
前記生成された試験光パルスを前記被試験光ファイバに入射し、
前記試験光パルスの戻り光から基本モードの後方散乱光と高次モードの後方散乱光とを分離して出力し、
前記出力される前記高次モードの後方散乱光を光/電変換して高次モード信号を生成し、
前記高次モード信号を解析して前記高次モードの後方散乱光の強度分布を取得することを特徴とする、光ファイバ特性解析方法。
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