JP6651300B2 - フタロシアニン化合物、これを含有する近赤外線カットフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は有機溶剤溶解性、樹脂相溶性が良好で可視光透明性に優れ、耐久性が高い新規なフタロシアニン化合物、および近赤外カットフィルタに関する。詳しくは、近赤外線領域に強い吸収を有し、可視光領域の吸収が小さいため、着色が少なく、光や熱に対する耐久性が高く、有機溶剤や樹脂に対する溶解性が良好で近赤外線カットフィルタ、セキュリティインク、熱線遮蔽フィルム、赤外線感熱記録材料等の近赤外線吸収材料に広く利用可能な新規なフタロシアニン化合物及びこれを含有する近赤外線カットフィルタに関する。
近年、ビデオカメラ、デジタルカメラ、カメラ機能付き携帯電話等にカラー画像の固体撮像素子であるCCDやCMOSは可視光から1100nmの範囲の近赤外線領域に分光感度を有しているが、人間の目は400nm〜700nmの範囲の波長を感じるようになっている。即ち、撮像素子と人間の目とは分光感度に大きな差があり、そのため、撮像素子の前面に近赤外線を吸収する近赤外線カットフィルタを具備して、人間の目の視感度を補正する必要がある。
近赤外線カットフィルタには可視光領域の吸収が小さいということから、シアニン系色素(文献1)、ジインモニウム塩系色素(文献2)、ジチオールニッケル錯体(文献3)が用いられている。
しかし、シアニン系色素は近赤外線吸収能力が高いものの、耐久性が低く、溶解する有機溶剤も極性溶媒に限定されるという問題がある。ジインモニウム塩系色素は近赤外線吸収能力、耐久性共に低く、溶解する有機溶剤も極性溶媒に限定されるという問題がある。ジチオールニッケル錯体も同様な問題が指摘されており、またその安全性についても問題がある。
高耐久性ということからフタロシアニン化合物も検討されており、樹脂中の会合性を抑制したフタロシアニン化合物(文献4)が提案されているが、樹脂相溶性という点で改善が望まれている。
本発明に類似したフタロシアニン化合物(文献5)も提案されているが、樹脂相溶性についは未だ不十分であり、改善が望まれている。
特開2015−34260号公報 特開2002−226827号公報 特開2009−144053号公報 特開2013−218312号公報 特許第2567022号公報
本発明の課題は、近赤外線領域に強い吸収を有し、可視光領域の吸収が非常に小さく、耐久性が高く、有機溶剤溶解性や樹脂に対する溶解性が良好な新規なフタロシアニン化合物及びそれを含有する赤外線カットフィルタを提供することである。
本発明者等は、前記課題について鋭意検討した結果、特定のフタロシアニン化合物が上記した特性を満足することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(i) 下記一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物、
[式(1)中、Mは2個の水素原子、2価の金属又は3価若しくは4価の金属誘導体を表し、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を表す。nは2〜3の整数、mは1〜4の整数を表す。]
さらに、
(ii)MがCu、VO、Pdである(i)のフタロシアニン化合物。
(iii)R〜Rが水素、塩素、臭素、フッ素、メチル基、エチル基、t−ブチル基、メトキシ基、n-ブトキシ基である(i)又は(ii)のフタロシアニン化合物。
(iv)一般式(2)で表されるフタロニトリル化合物及び一般式(3)で表される1,3−ジイミノイソインドリン化合物から選ばれるすくなくとも1種と金属又は金属誘導体を反応させる、(i)〜(iii)のいずれかに記載のフタロシアニン化合物の製造方法。

[式(2)及び(3)中、R〜Rは前記一般式(1)におけるものと同義である。]
(v)一般式(2)で表されるフタロニトリル化合物。

[式(2)中、R〜Rは前記一般式(1)におけるものと同義である。]
(vi)一般式(3)で表される1,3−ジイミノイソンインドリン化合物。

[式(3)中、R〜Rは前記一般式(1)におけるものと同義である。]
(vii)
(i)〜(iii)のいずれかに記載のフタロシアニン化合物を少なくとも1種を含有する近赤外線カットフィルタ。
本発明により、近赤外線領域に強い吸収を有し、可視光領域の吸収が非常に小さく、耐久性が高く、有機溶剤や樹脂にが良好な新規なフタロシアニン化合物及びそれを含有する熱線カットフィルタを提供することが可能になった。
実施例7で製造した化合物(1)−30の吸収スペクトル図である。 実施例8で製造した化合物(1)−31の吸収スペクトル図である。 実施例10で製造した化合物(1)−42の吸収スペクトル図である。 実施例11で製造した化合物(1)−43の吸収スペクトル図である。 実施例12で製造した化合物(1)−19の吸収スペクトル図である。
以下、本発明に関し詳細に説明する。
[フタロシアニン化合物]
本発明の第1の発明は、一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物である。
一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物、
[式(1)中、Mは2個の水素原子、2価の金属又は3価若しくは4価の金属誘導体を表し、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を表す。nは2〜3の整数、mは1〜4の整数を表す。]
上記一般式(1)のフタロシアニン系化合物は異性体1種またはこれらの任意の混合物である。
一般式(1)において、Mは好ましくは、2個の水素原子、Pd、Cu、Zn、Pt、Ni、TiO、Co、Fe、Mn、Sn、Al−Cl、VO、In、SnCl、Sn(OH)、Si(OCH)2、Si(OC、Si(OSi(CH、Si(OSi(C、Si(OSi(C))である。より好ましくは、Mは、Pd、Cu、Zn、VO又はSi(OCH)、Si(OC、である。最も好ましいMは、Cu、VO、Pdである。
〜Rがハロゲン原子であるものとしては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、塩素原子、フッ素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
〜Rがアルキル基であるものとしては炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数3〜8の分岐アルキル基がより好ましい。
アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、1−メチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、n−オクチル基、tert-オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基などの直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられる。
〜Rがアルコキシ基であるものとして炭素数1〜12のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましい。
アルコキシ基の例としてメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec-ペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec-ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、メチルシクロヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、エチルシクロヘキシルオキシ基、2―エチルヘキシルオキシ基等が挙げられる。
一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物の具体例としては、例えば、以下の化合物を挙げることができるが、本発明にこれらに限定されるものではない。
具体例はこれらの異性体又はこれらの2種以上の混合物を含む。
[フタロシアニン化合物の製造方法]
本発明の第2の発明は、一般式(2)で表されるフタロニトリル化合物及び一般式(3)で表される1,3−ジイミノイソインドリン化合物から選ばれる少なくとも1種と、金属又は金属誘導体を反応させる、一般式(1)のフタロシアニン化合物の製造方法である。

[式(2)及び(3)中、R〜Rは前記一般式(1)におけるものと同義である。]
一般式(2)で表されるフタロニトリル化合物および一般式(3)で表される1,3−ジイミノインドリン化合物については、それぞれ個別に後述する。
金属又は金属誘導体としてはAl、Si、Ti,V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Ru、Rh、Pd、In、Sn、Pt、Pb及びこれらのハロゲン化物、カルボン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、カルボニル化合物、酸化物、錯体等が挙げられる。
特に金属のハロゲン化物又はカルボン酸塩が好ましく用いられ、これらの例としては塩化銅、臭化銅、沃化銅、塩化ニッケル、臭化ニッケル、酢酸ニッケル、塩化コバルト、塩化鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、沃化亜鉛、酢酸亜鉛、塩化バナジウム、オキシ塩化バナジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、塩化アルミニウム、塩化マンガン、塩化鉛、酢酸鉛、塩化インジウム、塩化チタン、塩化スズ等が挙げられる。
金属又は金属誘導体の使用量は、一般式(2)のフタロニトリル化合物1モル或いは一般式(3)の1,3−ジイミノベンゾインドリン化合物1モルに対し、0.1倍モル〜0.6倍モル、好ましくは0.2倍モル〜0.5倍モルである。
反応温度は60〜300℃、好ましくは100〜220℃である。
反応時間は30分〜72時間、好ましくは1時間〜48時間である。
反応においては、溶媒を使用することが好ましい。反応に使用される溶媒としては沸点60℃以上、好ましくは80℃以上の有機溶媒が好ましい。
例としてメタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−アミルアルコール、n−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−ドデカノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エトキシエタノール、プロポキシエタノール、ブトキシエタノール、ジメチルエタノール、ジエチルエタノール等のアルコール溶媒、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロロナフタレン、スルフォラン、ニトロベンゼン、キノリン、DMI(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン)、尿素等の高沸点溶媒が挙げられる。
溶媒の使用量は一般式(2)のフタロニトリル化合物或いは一般式(3)の1,3−ジイミノベンゾインドリン化合物の0.5〜50倍容量、好ましくは1〜15倍容量である。
反応は触媒の存在下或いは非存在下に行われるが、触媒存在下の方が好ましい。 触媒としてはモリブデン酸アンモニウム等の無機触媒、或いはDBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン)、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン)等の塩基性有機触媒が使用できる。使用量はフタロニトリル化合物1モル或いは1,3−ジイミノイソンドリン化合物1モルに対して0.01〜10倍モル、好ましくは1〜2倍モルである。
なお、Mが2個の水素原子であるフタロシアニン化合物の場合は、一般式(2)で表されるフタロニトリル化合物および一般式(3)で表される1,3−ジイミノベンゾインドリン化合物から選ばれる少なくとも 1 種と金属ナトリウム或いは金属カリウムと上記反応条件にて反応させた後、中心金属であるナトリウム或いはカリウムを塩酸、硫酸等で脱離処理することにより製造できる。
反応終了後、溶媒を留去するか、又は反応液をフタロシアニン化合物に対する貧溶媒に排出して目的物を析出させ、析出物をろ過することにより一般式(1)のフタロシアニン化合物を得ることが出来る。
通常、フタロシアニン化合物は異性体の混合物として得られる。
目的に応じて、更に再結晶或いはカラムクロマトグラフィー等公知の精製方法で精製することにより、より高純度の目的物を得ることができる。
[フタロニトリル化合物]
本発明の第3の発明は一般式(2)で表されるフタロニトリル化合物である。

[式(2)中、R〜Rは前記一般式(1)におけるものと同義である。]
一般式(2)で表されるフタロニトリル化合物の具体例を下記表2に示すが、これらに限定されるものではない。
一般式(2)で表されるフタロニトリル化合物は公知の方法を参考にして製造できる。例えば、特許第3366508号報に記載の方法により非プロトン性極性溶媒中、塩基の存在下、3−ニトロフタロニトリル或いは4-ニトロフタロニトリルとベンジルアルコール誘導体と反応して一般式(2)のフタロニトリルを得ることが出来る。
反応溶媒としては反応ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキシド、N-メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等を使用することが出来るが、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドが好ましい。
溶媒の使用量は、反応に使用する3−ニトロフタロニトリル或いは4-ニトロフタロニトリルに対して1〜500倍容量、好ましくは 1〜200倍容量、より好ましくは5〜100倍容量である。
塩基としてはDBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン)、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン)等の塩基性有機化合物、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム等の水素化アルカリ金属、水素化カルシウム、水素化マグネシウム等の水素化アルカリ金属を使用できるが、DBU、水素化ナトリウムが好ましい。
塩基の使用量としては反応に使用する3−ニトロフタロニトリル1モル或いは4-ニトロフタロニトリル1モルに対して1〜10倍モル、好ましくは1〜2倍モルである。
ベンジルアルコール誘導体の使用量としては反応に使用する3−ニトロフタロニトリル1モル或いは4-ニトロフタロニトリル1モルに対して1〜10倍モル、好ましくは1〜2倍モルである。
反応温度は−10〜150℃であり、好ましくは−5〜100℃、より好ましくは-5〜80℃である。
反応時間は10分〜48時間、好ましくは20分〜24時間、より好ましくは30分〜12時間である。
全ての反応が終了した、反応溶媒を水に排出、有機溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒にて抽出し、抽出液を水洗、濃縮することにより一般式(2)のフタロニトリル化合物を得ることが出来る。
必要に応じて、この生成物にさらに再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの公知の精製操作を加えることにより、より高純度品を得ることが出来る。
[1,3-ジイミノイソインドリン化合物]
本発明の第4の発明は、一般式(3)で表される1,3-ジイミノイソインドリン化合物である。
[式(3)中、R〜Rは前記一般式(1)におけるものと同義である。]
一般式(3)で表される1,3−ジイミノインドリン化合物の具体例を下記表3に示すが、これらに限定されるものではない。
一般式(3)で表される1,3−ジイミノインドリン化合物は、公知の化合物に関する公知の方法を参考にして製造することができる。
例えば、前記一般式(2)で表されるフタロニトリル化合物とアンモニアとを、金属アルコキサイドの存在下に反応させることにより製造される。
アンモニアの使用量は一般式(2)のフタロニトリル化合物1モルに対し、1倍モル〜20倍モルであり、好ましくは3倍モル〜10倍モルである。
金属アルコキサイドとしては、ナトリウム或いはカリウムのメトキサイド、エトキサイド、n−プロポキサイド、n−ブトキサイド、n−ペントキサイド、n−ヘキシルオキシサイド、n−オクチルオキシサイド、2−メトキシエトキサイド、2−エトキシエトキサイド、2−ブトキシエトキサイド等が用いられる。
金属アルコキサイドの使用量は、一般式(2)のフタロニトリル化合物に対し、0.01倍モル〜5倍モル、好ましくは0.1倍モル〜2.0倍モルである。
反応においては有機溶媒を併用することが好ましく、通常、有機溶媒としてアルコール系溶媒が用いられる。アルコール系溶媒としてはメタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール等が用いられる。
アルコール系溶媒の使用量は、一般式(2)のフタロニトリル化合物1モルに対し200mL〜15Lであり、好ましくは500mL〜5Lである。
反応操作においては、反応溶媒であるアルコール系溶媒に金属ナトリウム又は金属カリウムを添加して金属アルコキサイドのアルコール溶液を調整した後、アンモニア及び一般式(2)のフタロニトリル化合物を装入して反応しても良く、又他の方法として、アンモニア、一般式(2)のフタロニトリル化合物及び別途調整した金属アルコキサイドを反応溶媒に装入して反応しても良い。金属アルコキシサイドを調整するために使用する金属の量は、一般式(2)のフタロニトリル化合物に対し0.01倍モル〜5.0倍モル、好ましくは0.1〜2.0倍モルである。
反応温度は0℃〜溶媒の還流温度であり、好ましくは20℃〜溶媒の還流温度である。
反応時間は30分〜72時間が好ましい。
反応後、溶媒を留去し、トルエン等の芳香族系溶媒や塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒にて抽出し、抽出液を水洗、濃縮して析出物をろ過することにより、一般式(3)の1,3−ジイミノベンゾインドリン化合物を得ることができる。
または前記一般式(2)で表されるフタロニトリル化合物をホルムアミドに溶解して水酸化ナトリウムを添加、発生したアンモニアと反応させることにより製造される。
ホルムアミドの使用量は前記一般式(2)で表されるフタロニトリル化合物1モルに対し、1〜5倍モル、好ましくは1〜2倍モルである。
水酸化ナトリウムの使用量はホルムアミド1モルに1〜5倍モル、好ましくは1〜2倍モルである。
反応温度は0℃〜溶媒の還流温度であり、好ましくは20℃〜100℃である。
反応時間は30分〜72時間が好ましい。
反応後、反応溶媒を水に排出し、トルエン等の芳香族系溶媒や塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒にて抽出し、抽出液を水洗、濃縮することにより、一般式(3)の1,3−ジイミノインドリン化合物を得ることができる。
[近赤外線カットフィルタ]
以下に、本発明の近赤外線カットフィルタについて説明する。
本発明の近赤外線カットフィルタは一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物を少なくとも1種含有して成るフィルタである。ビデオカメラ、デジタルカメラ、カメラ機能付き携帯電話等にカラー画像の固体撮像素子であるCCDやCMOSの前面に具備して近赤外線を吸収する近赤外線カットフィルタとして好適に用いられる。尚、本発明の近赤外線カットフィルタにおいては、一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物は、1種を単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
勿論、一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物としては、存在する4種の異性体化合物から選ばれる1種の化合物、または2種以上の異性体から成る混合物を使用することができる。また、所望により、該混合物から各異性体を分離し、異性体の内の1種の化合物を用いることができ、さらには、任意の割合から成る複数の異性体を併用することができる。尚、一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物とは、結晶は勿論であるが、無定型(アモルファス体)をも包含するものである。
本発明のフィルタの好ましい特性を考慮し、一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物としては、好ましくは、650〜780nmに吸収極大を有する化合物であり、より好ましくは、670〜750nmに吸収極大を有する化合物である。
本発明の近赤外線カットフィルタの構成に関しては、特に限定するものではないが、一般には、基体、透明粘着層、機能性透明層および/または透明導電層から成るフィルタである。
本発明のフィルタの構成は、一般には、
(1)基体から成るフィルタ
(2)基体と透明粘着層から成るフィルタ
(3)基体と透明粘着層と基体から成るフィルタ
(4)機能性透明層と基体と機能性透明層から成るフィルタ
(5)透明粘着層から成るフィルタ
(6)基体と機能性透明層から成るフィルタ
(7)基体、透明粘着層と機能性透明層から成るフィルタ
(8)基体、透明粘着層、機能性透明層と透明導電層から成るフィルタを挙げることができる。
本発明の近赤外線カットフィルタの構成としては、より好ましくは、上記(1)〜(7)の構成を有するものであり、さらに好ましくは、(1)〜(4)の構成を有するものである。本発明の近赤外線カットフィルタは基体、透明粘着層、機能性透明層、透明導電層を構成する少なくとも1つの層、あるいは部材に、一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物を少なくとも1種含有して成るものである。
例えば、上記(2)の構成を有するフィルタにおいては、一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物は、基体または/および透明粘着層に含有されていてもよい。
例えば、上記(3)の構成を有するフィルタにおいては、一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物は、基体または/および透明粘着層に含有されていてもよく、より好ましくは、一般式(1)で表される化合物は、透明粘着層に含有されている。
例えば、上記(4)の構成を有するフィルタにおいては、一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物は、基体または/および機能性透明層に含有されていてもよく、より好ましくは、一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物は、基体に含有されている。
勿論、本発明のフィルタを構成する場合、所望の要求特性を考慮し、その他種々の構成とすることができる。例えば、本発明のフィルタには、所望に応じて、複数の透明粘着層を設けることができる。また、本発明のフィルタには、複数の機能性透明層を設けることもできる。これらの層にも一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物が含有されていてもよい。
以下、基体に関して説明する。
基体は、フィルタの支持体として機能し、一般に、可視光域において、透明ガラス、グリーンガラス、透明高分子フィルムが用いられる。透明高分子フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルフォン、ポリスチレン、ポリアリレート、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素化芳香族ポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル化合物、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ビニル化合物の付加重合体、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニリデン化合物、フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重体などのビニル化合物、またはフッ素系化合物の共重合体、ポリエチレンオキシドなどのポリエーテル、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。基体の厚さに関しては制限するものではないが、一般に、厚さが、10μm〜20mmであり、好ましくは、20μm〜10mmである。
基体は、製造効率の点から、好ましくは可撓性の透明高分子フィルムであり、さらに、例えば、ガラスなどの表面に、直接貼合された透明高分子フィルムを基体とする本発明の光学フィルタは、ガラスが破損した場合、ガラスの飛散防止ができるという利点がある。
本発明においては、基体の表面は、スパッタリング処理、コロナ処理、火炎処理、紫外線照射、電子線照射などのエッチング処理、あるいは下塗り処理が施されていてもよい。基体の少なくとも一方の主面にハードコート層が形成されていてもよい。ハードコート層となるハードコート膜としては、例えば、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂などの熱硬化型樹脂、あるいは光硬化型樹脂などが挙げられる。ハードコート層の厚さは1〜100μm程度である。また、ハードコート層には一般式(1)で表される化合物が1種以上含有されていてもよい。
以下、透明粘着層に関して説明する。
本発明において、透明粘着層は、任意の透明な粘着材(接着剤、粘着剤)から成る層である。透明粘着層は、例えば、アクリル系接着剤、シリコン系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリビニルブチラール接着剤(PVB)、エチレン−酢酸ビニル系接着剤(EVA)など、ポリビニルエーテル、飽和ポリエステル、メラミン樹脂などから形成される。尚、粘着材としては、シート状、または液体状のものが使用できる。
粘着材として、例えば、シート状の感圧型粘着材を使用する場合は、シート状粘着材を貼付け後、または接着剤の塗布後に、ラミネートして貼り合わせる。粘着材として、例えば、液体状の接着剤を使用する場合は、塗布、貼合わせ後に、室温または高温下で処理することにより、あるいは紫外線照射することにより硬化させて貼り合わせる。その塗布方法としては、例えば、スクリーン印刷法、バーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ロールコート法、コンマコート法などの公知の方法を挙げることができる。透明粘着層の厚さは、特に限定されるものではないが、一般に、0.5〜500μmである。透明粘着層が形成される面、および貼合わされる面は、予め易接着コートまたはコロナ放電処理などの易接着処理されていることは好ましい。さらに、透明粘着層を介して貼合わせた後、貼合わせ時に部材間に混入した空気を、脱泡、または粘着材に固溶させて、さらには部材間の密着力を向上させる目的で、加圧、加温条件下で処理を施すことは好ましい。
尚、透明粘着層には、可塑剤を含有することもできる。
係る可塑剤としては、例えば、トリエチレングリコールのエステル化合物、テトラエチレングリコールのエステル化合物、トリプロピレングリコールのエステル化合物などのグリコールエステル化合物、さらには、有機リン酸化合物、有機亜リン酸化合物を挙げることができる。
透明粘着層は、一般に、基体の少なくとも一方の面に設けられ、例えば、別の基体などに貼り合わせて用いられる。
本発明のフィルタにおいては、透明粘着層は、一層でもよく、さらに複数層設けることができる。
透明粘着層の少なくとも1つの層に、一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物を含有させることができる。
以下、機能性透明層に関して説明する。
本発明の近赤外線カットフィルタには、該フィルタに対する設置方法や要求される機能に応じて、可視光線反射防止機能、防眩機能、反射防止防眩機能、近赤外線反射機能、ハードコート機能(耐摩擦機能)、帯電防止機能、防汚機能、ガスバリア機能、紫外線カット機能のいずれか一つ以上の機能を有し、且つ、可視光線を透過する機能性透明層が設けられる。
機能性透明層は、上記の各機能を一つ以上有する機能膜そのもの、あるいは機能膜を塗布法、印刷法、あるいは従来公知の各種成膜法により形成された支持体、さらには各機能を有する支持体を使用することができる。
支持体は、透明な支持体が好ましく、一般には、透明ガラス、グリーンガラス、透明高分子フィルムである。尚、透明高分子フィルムとしては、例えば、基体で例示した透明高分子フィルムを挙げることができる。支持体の厚さに関しては特に制限するものではない。また、例えば、透明高分子フィルムから成る支持体に一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物を含有させることもできる。
機能性透明層が機能膜そのものの場合にも、その膜中に一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物を含有させることができる。機能性透明層は、可視光線反射を抑制するための可視光線反射防止(AR:アンチリフレクション)機能、防眩(AG:アンチグレア)機能、あるいはその両機能を備えた反射防止防眩(ARAG)機能のいずれかの機能を有していることは好ましい。
可視光線反射防止機能を有する機能性透明層は、反射防止膜を形成する支持体の光学特性を考慮し、光学設計により、反射防止膜の構成部材および各構成部材の膜厚を決定することができる。可視光線反射防止機能を有する機能性透明層としては、例えば、可視光域において屈折率が1.6以下のフッ素系透明高分子樹脂、フッ化マグネシウム、シリコン系樹脂、酸化珪素などの薄膜を、例えば、1/4波長の光学膜厚で単層形成したもの、あるいは屈折率の異なる金属酸化物、フッ化物、ケイ化物、ホウ化物、炭化物、窒化物、硫化物などから成る無機化合物薄膜、あるいはシリコン系樹脂やアクリル樹脂、フッ素系樹脂などから成る有機化合物薄膜を支持体から見て、高屈折率層、低屈折率層の順に2層以上積層したものがある。
近赤外線反射機能を有する機能性透明層は、近赤外線を反射する機能を有する。
このような近赤外線反射機能を有する膜としては、アルミ蒸着膜、貴金属薄膜、酸化インジウムを主成分とし酸化錫を少量含有させた金属酸化物微粒子を分散させた樹脂膜、または高屈折率材料層と低屈折率材料層とを交互に積層した誘電体多層膜などが挙げられる。
このような近赤外線反射機能を有する機能性透明層を有すると、近赤外線をさらに効果的に遮蔽することができる。
本発明では、近赤外線反射機能を有する層は、支持体の一方の片面に設けてもよく、両面に設けてもよい。
近赤外線反射機能を有する機能性透明層は、高屈折率材料層と低屈折率材料層とを交互に積層した誘電体多層膜がより好ましい。
高屈折率材料層を構成する材料としては屈折率が1.7以上の材料を用いることができ、屈折率の範囲が通常1.7〜2.5である材料が選択される。このような材料としては、例えば酸化チタン、酸化ジルコニウム、五酸化タンタル、五酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、または、酸化インジウム等を主成分とし、酸化チタン、酸化錫および/または酸化セリウムなどを少量(例えば、主成分に対し0〜10%)含有させたものなどが挙げられる。
低屈折率材料層を構成する材料としては、屈折率が1.6以下の材料を用いることができ、より好ましくは、屈折率が、1.2〜1.6である材料が選択される。係る材料としては、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム、フッ化ランタン、フッ化マグネシウムおよび六フッ化アルミニウムナトリウムなどが挙げられる。
これら高屈折率材料層および低屈折率材料層の各層の厚みは、通常、遮断しようとする近赤外線波長をλ(nm)とすると、0.1λ〜0.5λの厚みが好ましい。
また、誘電体多層膜における高屈折率材料層と低屈折率材料層との合計の積層数は、5〜60層、より好ましくは、6〜50層である。
尚、無機化合物薄膜の成膜法は、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、湿式塗工法などの公知の方法を適用することができる。有機化合物薄膜の成膜法は、例えば、バーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ロールコート法、コンマコート法などの公知の方法を適用することができる。
可視光線反射防止機能を有する機能性透明層の表面の可視光線反射率は、一般に、2%以下、好ましくは、1.3%以下、より好ましくは0.8%以下であるように調製する。
防眩機能を有する機能性透明層は、一般に0.1〜10μm程度の微少な凹凸の表面状態を有する可視光域に対して透明な層のことである。防眩機能を有する機能性透明層は、例えば、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂などの熱硬化型樹脂、または光硬化型樹脂に、シリカ、有機ケイ素化合物などの無機化合物粒子、あるいはメラミン、アクリルなどの有機化合物粒子を分散させてインク化したものを、例えば、バーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ロールコート法、コンマコート法などの方法によって支持体上に塗布、硬化させて形成することができる。係る無機化合物粒子、および有機化合物粒子の平均粒径は、一般に1〜40μmである。
また、防眩機能を有する機能性透明層は、例えば、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂などの熱硬化型樹脂、あるいは光硬化型樹脂を支持体上に塗布した後、所望のヘイズまたは表面状態を有する型を押しつけて、表面を凹凸に硬化させることにより形成することができる。防眩機能の指標となるヘイズ値は、一般に、0.5〜20%である。
反射防止防眩機能を有する機能性透明層は、防眩機能を有する膜、あるいは防眩機能を有する支持体上に、反射防止膜を形成することにより調製することができる。反射防止防眩機能を有する機能性透明層の表面の可視光線反射率は、一般に、1.5%以下、好ましくは、1.0%以下であるように調製する。本発明のフィルタに耐擦傷性能を付加する目的で、機能性透明層がハードコート機能(耐摩擦機能)を有していることは好適である。ハードコート機能を有する機能性透明層は、ハードコート機能を有する膜、あるいは支持体上にハードコート膜を形成することによって調製することができる。ハードコート膜としては、例えば、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂などの熱硬化型樹脂、あるいは光硬化型樹脂などが挙げられる。ハードコート膜の厚さは、一般に、1〜100μm程度である。
ハードコート膜は、反射防止機能を有する透明機能層の高屈折率層、あるいは低屈折率層に用いることもできる。また、ハードコート膜上に反射防止膜が形成されて、機能性透明層が反射防止機能とハードコート機能の両機能を兼ね備えていてもよい。同様に、機能性透明層が防眩機能とハードコート機能の両機能を備えていてもよい。防眩機能とハードコート機能の両機能を備える機能性透明層は、例えば、粒子の分散などにより凹凸を有するハードコート膜の上に、反射防止膜を形成することにより調製することができる。ハードコート機能を有する機能性透明層の表面硬度は、JISK5600に従った鉛筆硬度が、少なくともH以上、好ましくは、2H以上である。また、本発明のフィルタには、ホコリの付着防止、人体への悪影響防止などを考慮し、帯電防止機能が必要とされる場合がある。
この場合、帯電防止機能を付与するために、機能性透明層が一定の導電性を有していてもよい。尚、導電性は、一般に、面抵抗で1011Ω/□程度以下であればよい。係る導電性材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)などの公知の透明導電膜、ITO超微粒子、酸化スズ超微粒子などの導電性超微粒子を分散させた導電性膜が挙げられる。また、反射防止機能、防眩機能、反射防止防眩機能、近赤外線反射機能、ハードコート機能のいずれか一つ以上の機能を有した機能性透明層を構成する層が導電性を有していることは好ましい。機能性透明膜が、例えば、環境中の物質、あるいは水分に対して、ガスバリア機能を有することは好ましいことである。
尚、必要とされるガスバリア機能は、一般に、透湿度で10g/m・day以下である。ガスバリア機能を有する膜としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化イットリウム、酸化マグネシウムなど、またはこれらの混合物、またはこれらに他の元素を添加した金属酸化物薄膜、あるいはポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂などの各種樹脂から成る膜を挙げることができる。ガスバリア機能を有する膜の厚さは、金属酸化物薄膜の場合、一般に、10〜200nmであり、樹脂の場合、一般に、1〜100μmである。尚、ガスバリア機能を有する膜は、単層構造でもよく、あるいは多層構造であってもよい。また、水分に対してガスバリア機能を有する膜としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデンと塩化ビニル、塩化ビニリデンとアクリロニトリルの共重合物、フッ素系樹脂などの各種樹脂から成る膜を挙げることができる。
また、可視光線反射防止機能、防眩機能、反射防止防眩機能、近赤外線反射機能、帯電防止機能、ハードコート機能のいずれか一つ以上の機能を有した機能性透明層を構成する層が、さらにガスバリア機能を兼ねる層とすることができる。さらに、指紋などの汚れ防止、あるいは汚れ除去が容易になるように、機能性透明層の表面に防汚機能を付与することができる。防汚機能を有するものとしては、水および/または油脂に対して非濡性を有する化合物であり、例えば、フッ素化合物やケイ素化合物などが挙げられる。また、機能性透明層に、例えば、紫外線を吸収する無機薄膜単層、あるいは無機薄膜多層から成る反射防止膜、または紫外線吸収化合物を含有する透明膜を形成することにより、機能性透明層に、さらに、紫外線カット機能を付与することができる。
本発明のフィルタ、例えば、ディスプレイ用フィルタであるプラズマディスプレイ用フィルタが、ディスプレイ画面からの電磁波を遮蔽する特性を有する電磁波シールド体として機能することは好ましく、プラズマディスプレイ用フィルタには、機能性透明層、基体、透明粘着層の他に、さらに透明導電層(D)を備えていることが好ましい。
以下、透明導電層に関して説明する。
ディスプレイ用フィルタが、電磁波シールド体の形態の場合、基体の一方の主面上に透明導電層が形成される。本発明における透明導電層とは、単層または多層薄膜から成る透明導電層である。尚、電磁波シールド体においては、透明導電層と外部との電気的接続が必要あり、例えば、機能性透明層、透明粘着層などは、透明導電層の周縁部を残して、導通部を確保することが必要となる。単層の透明導電層としては、金属メッシュ、導電性格子状パターン膜などの導電性メッシュ、さらには金属薄膜や酸化物半導体薄膜などの透明導電性薄膜がある。多層薄膜から成る透明導電層としては、金属薄膜と高屈折率透明薄膜を積層した多層薄膜がある。金属薄膜と高屈折率透明薄膜を積層した多層薄膜は、銀などの金属の持つ導電性、およびその自由電子による近赤外線反射特性、および特定波長領域における金属による反射を高屈折率透明薄膜により防止できることから、導電性、近赤外線カット機能、可視光線透過率に関して好ましい特性を有している。電磁波シールド機能、近赤外線カット機能を有するディスプレイ用フィルタを得るためには、電磁波吸収のための高い導電性と電磁波反射のための反射界面を多く有する金属薄膜と、高屈折率透明薄膜を積層した多層薄膜から成る透明導電層は好ましい。高い可視光線透過率と低い可視光線反射率に加え、プラズマディスプレイに必要な電磁波シールド機能を有するには、透明導電層が、面抵抗が、一般に、0.01〜30Ω/□、より好ましくは、0.1〜15Ω/□、さらに好ましくは、0.1〜5Ω/□である。また、透明導電層自体に、近赤外線カット機能を持たせることもでき、近赤外線波長領域、例えば、800〜1100nmにおける光線透過率極小を、20%以下にすることができる。
本発明において好ましい透明導電層は、基体の一方の主面上に、高屈折率透明薄膜層(Dt)、金属薄膜層(Dm)の順に、(Dt)/(Dm)を繰り返し単位として、2〜4回繰り返し積層され、さらにその上に少なくとも高屈折率透明薄膜層を積層して形成され、該透明導電層の面抵抗が、0.1〜5Ω/□である。金属薄膜層の材料として、好ましくは、銀、金、白金、パラジウム、銅、インジウム、スズ、さらには銀と金、白金、パラジウム、銅、インジウムまたはスズとの合金である。銀を含む合金中の銀の含有率は、特に限定されるものではないが、一般に、50質量%以上、100質量%未満である。尚、複数層から成る金属薄膜の場合は、少なくとも1つの層は銀を合金にしないで用いることや、基体から見て、最初の層および/または最外層にある金属薄膜層のみを銀の合金とすることができる。金属薄膜層は、導電性などの点から薄膜は不連続な島状構造ではなく、連続状態であることが必要であり、またその厚さは、4〜30nmが好ましい。複数層から成る金属薄膜の場合は、各層が全て同じ厚さである必要はなく、さらに、各層全てが銀、あるいは同じ組成の銀の合金でなくてもよい。金属薄膜層の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、メッキ法などの公知の方法を挙げることができる。
高屈折率透明薄膜層を形成する透明薄膜としては、可視光領域において透明性を有し、金属薄膜層の可視光領域における光線反射を防止する機能を有するものであれば特に限定されるものではなく、一般に、可視光線に対する屈折率が1.6以上、好ましくは、1.8以上の材料が用いられる。このような透明薄膜を形成する材料としては、例えば、インジウム、チタン、ジルコニウム、ビスマス、スズ、亜鉛、アンチモン、タンタル、セリウム、ネオジウム、ランタン、トリウム、マグネシウム、ガリウムなどの酸化物、または、これら酸化物の混合物や、硫化亜鉛などを挙げることができ、より好ましくは、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化インジウムと酸化スズの混合物(ITO)である。高屈折率透明薄膜層の厚さは、特に限定されるものではないが、一般に、5〜200nmである。高屈折率透明薄膜層の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、真空蒸着法、湿式塗工法などの公知の方法を挙げることができる。透明導電層の耐環境性などの向上を目的に、透明導電層の表面に、導電性、光学特性などの諸特性を著しく損なわない程度に、有機物あるいは無機物から成る保護層を設けることができる。また、金属薄膜層の耐環境性、金属薄膜層と高屈折率透明薄膜層との密着性などを向上させるため、金属薄膜層と高屈折率透明薄膜層の間に、導電性、光学特性などの諸特性を損なわない程度に、無機物層を設けることができる。尚、無機物層を形成する材料としては、例えば、銅、ニッケル、クロム、金、白金、亜鉛、ジルコニウム、チタン、タングステン、スズ、パラジウムなど、あるいはこれらの材料の2種類以上からなる合金が挙げられる。無機物層の厚さは、好ましくは、0.2〜2nm程度である。透明導電層の形成方法としては、透明導電性薄膜を用いる方法の他に、導電性メッシュを用いる方法がある。導電性メッシュの一例として、単層の金属メッシュについて説明する。単層の金属メッシュとしては、例えば、基体上に銅メッシュ層を形成したものがあり、一般には、基体上に銅箔を貼合わせた後、メッシュ状に加工して形成される。銅箔としては、圧延銅、電解銅が用いられ、好ましくは、孔径0.5〜5μmの多孔性の銅箔である。銅箔のポロシティーとしては、0.01〜20%が好ましく、より好ましくは、0.02〜5%である。尚、ポロシティーとは、体積をRとし、孔容積をPとした場合に、P/Rで定義される値である。銅箔は、各種表面処理(例えば、クロメート処理、粗面化処理、酸洗、ジンク・クロメート処理)を施されていてもよい。銅箔の厚さは、一般に、3〜30μmである。金属メッシュの光透過部分の開口率は、一般に、60〜95%である。開口部の形状は、特に限定されるものではないが、正三角形、正四角形、正六角形、円形、長方形、菱形などに形がそろっており、面内に並んでいることが好ましい。光透過部分の開口部の大きさは、一般に、1辺あるいは直径が、5〜200μmであることが好ましい。また、開口部を形成しない部分の金属の幅は、5〜50μmが好ましい。光透過部分を有する金属層の実質的な面抵抗は、好ましくは、0.01〜0.5Ω/□である。尚、透明導電層と表示装置のアース部(グランド導体)とを電気的に接続させるため、導電性粘着層を設ける。
導電性粘着層に用いる導電性接着剤、導電性粘着材としては、例えば、アクリル系接着剤、シリコン系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリビニルブチラール接着剤(PVB)、エチレン−酢酸ビニル系接着剤(EVA)、ポリビニルエーテル、飽和ポリエステル、メラミン樹脂などのベース材料に、導電性粒子として、例えばカーボン、Cu、Ni、Ag、Feなどの金属粒子を分散させたものがある。尚、導電性接着剤、導電性粘着材の体積固有抵抗は、一般に1×10−4〜1×10Ω・cmである。導電性接着剤、導電性粘着材としては、シート状、液体状のものがある。導電性粘着材としては、シート状の感圧型粘着材が好適に使用できる。シート状粘着材を貼付けた後、または接着剤の塗布後にラミネートして貼合わせる。液体状の導電性接着剤は、塗布、貼合わせ後に、室温または高温下で処理することにより、あるいは紫外線照射することにより硬化させることができる。液体状の導電性接着剤の塗布方法としては、例えば、スクリーン印刷法、バーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ロールコート法、コンマコート法などが挙げられる。尚、導電性粘着層の厚さは、体積固有抵抗と必要な導電性を考慮して設定され、一般には、0.5〜50μm、好ましくは、1〜30μmである。また、両面に導電性を有する両面接着タイプの導電性テープも使用できる。
本発明のフィルタには、一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物を少なくとも1種含有してなるものである。尚、本明細書において、含有とは、各種部材または膜などから成る各層、あるいは透明粘着材の内部に含有されることは勿論、部材または各層の表面に、塗布された状態を包含するものである。
一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物を、本発明のフィルタに含有させる方法としては、例えば、以下の(ア)〜(エ)の方法がある。
(ア)透明粘着材に添加して、透明粘着層に含有させる方法、
(イ)高分子樹脂に混練して含有させる方法、
(ウ)高分子樹脂または樹脂モノマーを含む有機溶媒に、一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物を、分散または溶解させ、各種部材、各層上に、例えば、キャスティングする方法、
(エ)バインダー樹脂を含む有機溶媒に、一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物を加え、塗料として各種部材、各層上にコーティングする方法、がある。

一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物は、耐熱性に優れており、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリブチラールを使用して、200〜350℃で、射出成形、押出成形のような方法でも成形することができる。
本発明のフィルタに含有される一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物の量に関しては、特に制限するものではなく、フィルタの使用する目的に応じて、所望の量を使用することができる。
例えば、上記(ア)の方法においては、一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物の含有量は、特に限定するものではないが、一般に、透明粘着材に対して、10ppm〜30質量%、好ましくは、10ppm〜20質量%である。
また、(イ)および(ウ)の方法においては、一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物の含有量は、特に限定するものではないが、一般に、高分子樹脂または樹脂モノマーに対して、10ppm〜30質量%、好ましくは、10ppm〜20質量%である。
また、(エ)の方法においては、一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物の含有量は、特に限定するものではないが、一般に、バインダー樹脂に対して、10ppm〜30質量%、好ましくは、10ppm〜20質量%である。また、バインダー樹脂濃度は、塗料全体に対して、一般に、1〜50質量%である。
また、本発明のフィルタの形状に関しては、特に制限するものではなく、例えば、平板状やフィルム状、波板状、球面状、ドーム状など様々な形状のものを包含するものである。
本発明のフィルタには、一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物以外に、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、光吸収化合物を1種以上併用することができる。
係る光吸収化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、可視領域、または近赤外領域に所望の吸収を有する化合物を挙げることができ、
例えば、公知のアントラキノン化合物、メチン化合物、アゾメチン化合物、オキサジン化合物、アゾ化合物、スチリル化合物、クマリン化合物、ポルフィリン化合物、テトラアザポルフィリン化合物、ジベンゾフラノン化合物、ジケトピロロピロール化合物、ローダミン化合物、キサンテン化合物、ピロメテン化合物などの可視領域に吸収を有する化合物、例えば、公知のフタロシアニン化合物(例えば、金属フタロシアニン錯体)、ナフタロシアニン化合物(例えば、金属ナフタロシアニン錯体)、シアニン化合物、アントラキノン化合物、ジチオール化合物(例えば、ニッケルジチオール錯体)、ジイモニウム化合物、さらに、例えば、酸化タングステン系化合物(例えば、セシウム酸化タングステン)などの金属酸化物などの一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物以外の近赤外領域に吸収を有する化合物を挙げることができる。
これら光吸収化合物の使用量は、該化合物の吸収波長、吸光係数、さらには、所望の光学特性(例えば、色、透過特性、視野、コントラスト)を考慮し任意に設定することができる。
例えば、他の近赤外領域に吸収を有する化合物の使用量は、特に制限するものではないが、一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物に対して、好ましくは、80質量%以下であり、より好ましくは、60質量%以下であり、さらに好ましくは、40質量%以下である。
また、本発明のフィルタは、所望に応じて、さらに紫外線吸収剤、酸化防止剤を含んでもよい。
係る紫外線吸収剤としては、特に限定するものではなく、例えば、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、シアノアクリレート系の紫外線吸収剤を挙げることができる。
酸化防止剤としては、特に限定するものではなく、例えば、フェノール系の酸化防止剤を挙げることができる。
本発明のフィルタは、一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物を少なくとも1種含有することによって、近赤外領域の光を遮蔽し、且つ可視領域での優れた透過特性を有することから、熱線遮蔽(近赤外線遮蔽)フィルタとして機能する。
係る熱線遮蔽フィルタは、例えば、建物の窓、車、飛行機、電車などの輸送機の窓(外気側、または内気側)に装着して使用することができる。
本発明のフィルタは、一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物を少なくとも1種含有することによって、撮像装置用の光学フィルタ、ディスプレイ用の光学フィルタとして機能する。
係る光学フィルタは、例えば、カメラモジュール、各種センサー、各種ディスプレイ(液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ)に装着して使用することができる。
また、本発明の光学用フィルタは、例えば、ディスプレイ画面からの電磁波を遮断する特性を有する電磁波シールド体として機能する。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)3−(2−(2−ベンジルオキシ)エトキシ)エトキシ)フタロニトリル((具体例(2)−1)の製造
DMF140mLにジエチレングリコールベンジルエーテル26.3gを溶解、0〜5℃にて60%NaH5.4gを添加、30分間撹拌した。次いで3−ニトロフタロニトリル17.3gをDMF60mLに溶解した溶液を滴下して0〜5℃にて2時間撹拌した。
反応液を希塩酸2500mLに排出、30分間撹拌して析出物をろ取、水洗乾燥した。
得られた固体を80%イソプロピルアルコール水溶液で再結晶して黄白色固体21.7g(融点98.5〜100.5℃)を得た。
得られた化合物は、下記の分析結果より目的の化合物であることを確認した。
・MS:(EI)m/z 322(M+)
・元素分析値:実測値(C:70.82%、H:5.65%、N:8.66%);
理論値(C:70.79%、H:5.63%、N:8.69%)
(実施例2)3−(2−(2−(2−(ベンジルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)フタロニトリル(具体例(2)−20)の製造
実施例1におけるジエチレングリコールベンジルエーテル26.3gの代わりにトリエチレングリコールベンジルエーテル32.2gを使用した以外は実施例1と同様に反応した。反応液を希塩酸2500mLに排出してトルエン400mLにて抽出、水洗後、トルエンを留去して黄褐色オイル28.5gを得た。
得られた化合物は、下記の分析結果より目的の化合物であることを確認した。
・MS:(EI)m/z 366(M+)
・元素分析値:実測値(C:68.87%、H:6.07%、N:7.61%);
理論値(C:68.84%、H:6.05%、N:7.65%)
(実施例3)3−(2−(2−(2−(4−tert−ブチル)ベンジルオキシ)エトキシ)エトキシ)フタロニトリル(具体例(2)−11)の製造
DMF70mLにジエチレングリコール−4−tert−ブチルベンジルエーテル16.9gを溶解、0〜5℃にて60%NaH2.7gを添加、30分間撹拌した。次いで3−ニトロフタロニトリル8.6gをDMF30mLに溶解した溶液を滴下して0〜5℃にて2時間撹拌した。
反応液を希塩酸2000mLに排出、30分間撹拌してトルエン250mLにて抽出、トルエン留去した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル/ヘキサン:酢酸エチル3/2)にて精製して褐色オイル14.7gを得た。
得られた化合物は、下記の分析結果より目的の化合物であることを確認した。
・MS:(EI)m/z 378(M+)
・元素分析値:実測値(C:73.01%、H:6.95%、N:7.38%);
理論値(C:72.99%、H:6.92%、N:7.40%)
(実施例4)4−(2−(2−ベンジルオキシ)エトキシ)エトキシ)−1,3−ジイミノイソインドリン(具体例(3)−1)の製造
ホルムアミド106.5gに実施例1で製造した3−(2−(2−ベンジルオキシ)エトキシ)エトキシ)フタロニトリル20.9g、DMI21g、NaOH2.6gを装入、60〜61℃にて15分間撹拌した。更にNaOH2.6gを添加、60〜61℃にて3時間撹拌した。冷却後、水250mLを添加、更にクロロホルム300mLを添加、抽出した。クロロホルム層を分離、水洗後、留去した。
残渣にヘキサン100mLを添加、粉末化した。ろ取、乾燥して黄白色粉末16.6g(融点116.0〜118.5℃)を得た。
得られた化合物は、下記の分析結果より目的の化合物であることを確認した。
・MS:(EI)m/z 339(M+)
・元素分析値:実測値(C:67.26%、H:6.27%、N:12.33%);
理論値(C:67.24%、H:6.24%、N:12.38%)
(実施例5)4−(2−(2−(2−(ベンジルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)−1,3−ジイミノイソインドリン(具体例(3)−20)の製造
実施例4における3−(2−(2−ベンジルオキシ)エトキシ)エトキシ)フタロニトリル20.9gの代わりに実施例2で製造した3−(2−(2−(2−(ベンジルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)フタロニトリル23.8gを使用した以外は実施例4と同様にして茶褐色オイル18.3gを得た。
得られた化合物は、下記の分析結果より目的の化合物であることを確認した。
・MS:(EI)m/z 383(M+)
・元素分析値:実測値(C:65.82%、H:6.61%、N:10.93%);
理論値(C:65.78%、H:6.57%、N:10.96%)
(実施例6)4−(2−(2−(2−(4−tert−ブチル)ベンジルオキシ)エトキシ)エトキシ)−1,3−ジイミノイソインドリン(具体例(3)−11)の製造
実施例4における3−(2−(2−ベンジルオキシ)エトキシ)エトキシ)フタロニトリル20.9gの代わりに実施例3で製造した3−(2−(2−(2−(4−tert−ブチル)ベンジルオキシ)エトキシ)エトキシ)フタロニトリル24.6gを使用した以外は実施例4と同様にして茶褐色粉末18.8g(融点56.0〜58.5℃)を得た。
得られた化合物は、下記の分析結果より目的の化合物であることを確認した。
・MS:(EI)m/z 395(M+)
・元素分析値:実測値(C:69.88%、H:7.43%、N:10.59%);
理論値(C:69.85%、H:7.39%、N:10.62%)
(実施例7)フタロシアニン化合物(具体例(1)―30)の製造
実施例4で製造した4−(2−(2−ベンジルオキシ)エトキシ)エトキシ)−1,3−ジイミノイソインドリン8g、塩化銅1.17g、DBU 5.4gを1−ペンタノール40mL中、内温135〜138℃にて6時間撹拌した。反応液を冷却後、メタノール400mLを添加、析出物をろ取、乾燥した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル/トルエン:エタノール)で精製して深緑色粉末2.3gを得た。
得られた化合物は、下記の分析結果より目的の化合物であることを確認した。
・MS:(EI)m/z 1351(M+)
・元素分析値:実測値(C:67.51%、H:5.38%、N:8.25%);
理論値(C:67.47%、H:5.36%、N:8.28%)
このようにして得られた化合物のトルエン溶液は700.5nmに極大吸収を示し、グラム吸光係数は1.58×10g/mL・cmであった。この吸収スペクトルチャートを図1に示す。
(実施例8)フタロシアニン化合物(具体例(1)−31)の製造
実施例7における塩化銅1.17gの代わりに塩化バナジウム1.87gを使用した以外は実施例7と同様にして青色粉末3.9gを得た。
得られた化合物は、下記の分析結果より目的の化合物であることを確認した。
・MS:(EI)m/z 1355(M+)
・元素分析値:実測値(C:67.33%、H:5.36%、N:8.24%);
理論値(C:67.30%、H:5.35%、N:8.26%)
このようにして得られた化合物のトルエン溶液は728.5nmに極大吸収を示し、グラム吸光係数は1.49×10g/mL・cmであった。この吸収スペクトルチャートを図2に示す。
(実施例9)フタロシアニン化合物(具体例(1)−31)の製造
実施例7における4−(2−(2−ベンジルオキシ)エトキシ)エトキシ)−1,3−ジイミノイソインドリン8gの代わりに実施例1で製造した3−(2−(2−ベンジルオキシ)エトキシ)エトキシ)フタロニトリル7.6gを使用した以外は実施例8と同様にして青色粉末3.5gを得た。
得られた化合物は、下記の分析結果より目的の化合物であることを確認した。
・MS:(EI)m/z 1355(M+)
・元素分析値:実測値(C:67.35%、H:5.38%、N:8.23%);
理論値(C:67.30%、H:5.35%、N:8.26%)
このようにして得られた化合物のトルエン溶液は728.5nmに極大吸収を示し、グラム吸光係数は1.47×10g/mL・cmであった。
(実施例10)フタロシアニン化合物(具体例(1)−42)の製造
実施例7における4−(2−(2−ベンジルオキシ)エトキシ)エトキシ)−1,3−ジイミノイソインドリン8gの代わりに実施例5で製造した4−(2−(2−(2−(ベンジルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)−1,3−ジイミノイソインドリン9gを使用した以外は実施例7と同様にして青色粉末4.1gを得た。
得られた化合物は、下記の分析結果より目的の化合物であることを確認した。
・MS:(EI)m/z 1527(M+)
・元素分析値:実測値(C:66.01%、H:5.83%、N:7.30%);
理論値(C:65.98%、H:5.80%、N:7.33%)
このようにして得られた化合物のトルエン溶液は700.5nmに極大吸収を示し、グラム吸光係数は1.52×10g/mL・cmであった。
この吸収スペクトルチャートを図3に示す。
(実施例11)フタロシアニン化合物(具体例(1)−43)の製造
実施例10における塩化銅1.17gの代わりに塩化バナジウム1.87gを使用した以外は実施例10と同様にして青色粉末5.1gを得た。
得られた化合物は、下記の分析結果より目的の化合物であることを確認した。
・MS:(EI)m/z 1531(M+)
・元素分析値:実測値(C:65.86%、H:5.82%、N:7.28%);
理論値(C:65.83%、H:5.79%、N:7.31%)
このようにして得られた化合物のトルエン溶液は728nmに極大吸収を示し、グラム吸光係数は1.35×10g/mL・cmであった。
この吸収スペクトルチャートを図4に示す。
(実施例12)フタロシアニン化合物(具体例(1)−19)の製造
実施例6で製造した4−(2−(2−(2−(4−tert−ブチル)ベンジルオキシ)エトキシ)エトキシ)−1,3−ジイミノイソインドリン10.9g、1,3−ジイミノイソインドリン(東京化成工業株式会社製)20g、四塩化ケイ素14.06g、DBU 12.6gを1,3−ジメチルイミダゾリジノン25mL中、内温145〜150℃にて5時間撹拌した。反応液を冷却後、1−ブタノール39.2g、ピリジン13gを添加、内温120〜125℃にて5時間撹拌した。反応液を冷却後、メタノール250mLを添加、析出物をろ取、乾燥した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル/トルエン:酢酸エチル)で精製して青色粉末1.8gを得た。
得られた化合物は、下記の分析結果より目的の化合物であることを確認した。
・MS:(EI)m/z 936(M+)
・元素分析値:実測値(C:70.52%、H:6.05%、N:11.93%);
理論値(C:70.49%、H:6.02%、N:11.96%)
このようにして得られた化合物のトルエン溶液は672.5nmに極大吸収を示し、グラム吸光係数は3.68×10g/mL・cmであった。この吸収スペクトルチャートを図5に示す。
[溶解度]
上記実施例で製造した本発明のフタロシアニン化合物は芳香族有機溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等)に対する溶解度が高い。また極性有機溶媒(アセトン、酢酸エチル、炭酸プロピレン等)に対する溶解度も高い。
炭酸プロピレンに対する溶解度を下記方法で測定した。結果を表4に示す。
(溶解度測定法)
フタロシアニン化合物約1gに、総重量が約10gになるように炭酸プロピレンを加え、超音波を約30分照射し、その後室温で二時間撹拌して、約10wt%の分散を調製した。この分散液をメンブランフィルタ(0.2μm)で濾過し、得られた濾物を60℃の乾燥器で1時間乾燥後、濾物の重量を測定した。
フタロシアニン化合物の溶剤に対する溶解度を、以下の式で表した。
溶解度(wt%)=(W0−W1)/W0
なお、W0:処理前のフタロシアニン化合物の正確な重量、W1:乾燥後の濾物(フタロシアニン化合物の溶解残分)の重量である。フィルタに濾物が残余しなかった場合は、溶解度は 10wt%以上とした。
実施例の化合物はいずれも比較例の化合物と比較して炭酸プロピレンに対する溶解性が高い。
比較例1の化合物(以下「比較例1化合物」と略称)として、市販の代表的なフタロシアニン化合物である下記構造の異性体混合物を用いた。
以下、分光特性は、日立ハイテクノロジー社製の分光光度計(U−4100)を用いて、以下のように測定、評価した。
<入射角依存性の評価>
波長560〜800nmの範囲において、フィルタの垂直方向から測定した透過率が50%となる波長(Xa)、とフィルタの垂直方向に対して、30°の角度から測定した透過率が50%となる波長(Xb)を測定し、XaとXbとの差の絶対値|Xa−Xb|を求めた。|Xa−Xb|の値が小さい程、吸収波長の入射角依存性が小さく、視野角の広いフィルタであることを示すものである。尚、実用的には、|Xa−Xb|の値は20nm以下が好ましい。
<吸収の急峻さの評価>
吸収極大波長(L)における吸収極大の吸光度を1.0に規格化した場合、吸光度が0.3となる波長(M)の差|L−M|を求めた。|L−M|の値が小さい程、吸収スペクトルは急峻であることを示すものである。尚、実用的には|L−M|の値は40nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましい。
(実施例13)近赤外線カットフィルタの製造
環状オレフィン系樹脂(ゼオノア1020R、日本ゼオン株式会社製)100g、実施例7で製造したフタロシアニン化合物(具体例化合物(1)−30)0.1g、およびシクロヘキサンとキシレンの3:7(質量比)混合溶液を加えて、樹脂濃度が20質量%の溶液を得た。次いで、得られた溶液を平滑なガラス板上にキャストし、60℃で8時間、80℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。
剥離した塗膜をさらに減圧下、100℃で24時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基体を作製した。
この基体の分光透過率を測定し、吸収極大波長、可視光波長領域における透過率、および|L−M|を求めた。結果を表5に示す。

続いて、得られた基体の片面に、蒸着温度100℃で、近赤外線を反射する誘電体多層膜〔シリカ層(SiO2:膜厚83〜199nm)とチタニア層(TiO2:膜厚101〜125nm)とが交互に20層積層されてなるもの〕を形成し、さらに基体のもう一方の面に、蒸着温度100℃で近赤外線を反射する誘電体多層膜〔シリカ層(SiO2:膜厚77〜189nm)とチタニア層(TiO2:膜厚84〜118nm)とが交互に26層積層されてなるもの〕を形成し、厚さ0.105mmのフィルタを作製した。
このフィルタの分光透過率を測定し赤外波長領域における光学特性および|Xa−Xb|を求めた。波長430〜580nmにおける透過率の平均値は90%、波長800〜1000nmにおける透過率の平均値は1%以下であった。結果を第1表に示した。
(実施例14)近赤外線カットフィルタの製造
環状オレフィン系樹脂(APEL6015T、三井化学株式会社製)100g、実施例8で製造したフタロシアニン化合物(具体例(1)−31)0.1g、およびシクロヘキサンと塩化メチレンの7:3(質量比)混合溶液を加えることで、樹脂濃度が20質量%の溶液を得た。
次いで、得られた溶液を平滑なガラス板上にキャストし、40℃で4時間、60℃で4時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基体を作製した。
この基体を用いて、実施例1と同様にして、誘電体多層膜を有する厚さ0.105mmのフィルタを作製し評価した。結果を表5に示した。
(実施例15〜17)近赤外線カットフィルタの製造
実施例2において、フタロシアニン化合物として具体例化合物(1)−30の化合物を使用する代わりに、実施例10で製造したフタロシアニン化合物(具体例(1)−42)、実施例11で製造したフタロシアニン化合物(具体例(1)−43)、実施例12で製造したフタロシアニン化合物(具体例(1)−19)を使用した以外は、実施例2に記載の方法により基体を作製し、さらに、誘電体多層膜を有するフィルタを作製し評価した。
結果を表5に示した。
(実施例18)近赤外線カットフィルタの製造
ポリカーボネート樹脂(ピュアエース、帝人株式会社製)100g、フタロシアニン化合物として具体例(1)-31の化合物0.05g、具体例化合物(1)−43の化合物0.05g、および塩化メチレンを加えて、樹脂濃度が20質量%の溶液を得た。
次いで、得られた溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下、100℃で6時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基体を作製した。
この基体を用いて、実施例1と同様にして、誘電体多層膜を有する厚さ0.105mmのフィルタを作製し評価した。結果を表5に示した。
(実施例19)近赤外線カットフィルタの製造
ポリエーテルスルフォン(スミライトFS−1300、住友ベークライト株式会社製)100g、フタロシアニン化合物として具体例(1)−30の化合物 0.05g、具体例(1)−42の化合物 0.05g、およびN−メチル−2−ピロリドンを加えて、樹脂濃度が20質量%の溶液を得た。次いで、得られた溶液を平滑なガラス板上にキャストし、60℃で4時間、80℃で4時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下120℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基体を作製した。
この基体を用いて、実施例1と同様にして、厚さ0.105mmのフィルタを作製し評価した。結果を表5に示す。
(比較例1)近赤外線カットフィルタの製造
実施例13において、フタロシアニン化合物として具体例(1)−30の化合物を使用する代わりに、比較例1化合物を使用した以外は、実施例13に記載の方法により、基体を作製した。
さらにこの基体を用いて、実施例1と同様にして、誘電体多層膜を有する厚さ0.105mmのフィルタを作製し評価した。結果を表5に示した。
本発明のフタロシアニン化合物は、近赤外領域に強い吸収を有し、可視光領域の吸収が小さく、有機溶剤や樹脂に対する溶解性が良好であり、また耐光性、耐熱性に高い耐久性を有する。そのため、近赤外線カットフィルタ、セキュリティ用に用いられる透明インク、熱線遮蔽フィルム、撮像用の光学フィルタ、各種ディスプレイ用フィルタなどの用途に使用することができる。

Claims (4)

  1. 一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物。
    [式(1)中、Mは2個の水素原子、Pd、Zn、Pt、TiO、Fe、Mn、Sn、Al−Cl、In、SnCl、Sn(OH)、Si(OCH)、Si(OC)、Si(OSi(CH))、Si(OSi(C))、Si(OSi(C))を表し、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を表す。nは2〜3の整数、mは1〜の整数を表す。]
  2. MがSi(OCH)、Si(OC)、Si(OSi(CH))、Si(OSi(C))、Si(OSi(C))であり、mが1である請求項1のフタロシアニン化合物。
  3. 〜Rが水素、塩素、臭素、フッ素、メチル基、エチル基、t−ブチル基、メトキシ基、n-ブトキシ基である請求項1又は2のフタロシアニン化合物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のフタロシアニン系化合物の少なくとも1種を含有する近赤外線カットフィルタ。
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