以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。図中同一及び相当する構成については、同一の符号を付して同じ説明を繰り返さない。
<<1.写真撮影遊戯機の構成>>
<1.1.全体構成>
図1は、本実施形態に係る写真撮影遊戯機の外観を表す模式図である。写真撮影遊戯機1は、撮影ブース2と、事前接客部3と、編集ブース4と、事後接客部5(図4参照)と、を備えている。
<1.2.撮影ブースの構成>
撮影ブース2は、図1に示すように、正面筐体20A及び背面筐体20Bによって区画された空間である。撮影ブース2内では、被写体である利用者の写真撮影が行われる。なお、説明の便宜上、正面筐体20A側を前、背面筐体20B側を後ろといい、正面筐体20Aに向かって右を単に右、正面筐体20Aに向かって左を単に左という。図1に示すように、正面筐体20Aと背面筐体20Bとは前後方向に間を空けて配置されており、利用者は、正面筐体20Aと背面筐体20Bとの間を通って撮影ブース2に出入りする。
図2は、正面筐体20Aを表す模式図である。図2に示すように、正面筐体20Aの内側には、撮影ユニット20が設けられている。撮影ユニット20は、カメラ21と、正面ディスプレイ22と、照明装置23と、後述するスピーカ450(図5参照)と、を備えている。
カメラ21は、正面筐体20Aの内側前面の幅方向中央付近に配置されている。カメラ21は、撮影ブース2内の利用者(被写体)を撮影し、所定のタイミングで静止画像として記録する。
正面ディスプレイ22は、カメラ21の下方に配置されている。正面ディスプレイ22は、カメラ21によって撮影された利用者の映像を左右反転させ、リアルタイムにライブ表示する。また、正面ディスプレイ22上にはタッチパネルが配置されており、タッチパネルを介して、利用者による入力操作が受け付けられる。利用者による入力操作は、利用者が正面ディスプレイ22にタッチペン(図示略)又は指で直接タッチすることによって受け付けられる。
照明装置23は、ストロボ光源及び蛍光灯光源を有している。ストロボ光源は、カメラ21が利用者のライブ映像を静止画として記録する瞬間に発光し、発光面を介して撮影ブース2内の利用者に光を照射する。
図3は、背面筐体20Bを表す斜視図である。図3に示すように、背面筐体20Bにおいて、正面筐体20Aと向かい合う内側の面には、背面パネル24が設けられている。背面パネル24は、クロマキー合成用のパネルであってもよいし、クロマキー合成用のカーテンを備えていてもよい。背面筐体20Bの床面25上には、クロマキー合成用の床マットや床板等の床部材(図示略)が設けられる。床部材の色は、背面パネル24の色と同じであり、例えば黄緑色等とされる。特に図示しないが、撮影ブース2内側において、背面筐体20Bの天井や左右側面に、照明装置(図示略)が設けられていてもよい。
<1.3.事前接客部の構成>
事前接客部3は、図1及び図2に示すように、撮影ブース2の外に設けられており、受付装置30を備える。受付装置30は、正面筐体20Aの左側の側面に配置されている。ただし、受付装置30は、正面筐体20Aの右側の側面に設けられていてもよいし、正面筐体20Aの左右両方の側面に設けられていてもよい。
受付装置30は、受付用ディスプレイ31と、コイン投入口32と、スピーカ33と、を備えている。
受付用ディスプレイ31は、利用者がプレイに関する各種設定を入力するための画面等を表示する。受付用ディスプレイ31上にはタッチパネルが配置されており、タッチパネルを介して、利用者による入力操作が受け付けられる。利用者による入力操作は、利用者が受付用ディスプレイ31にタッチペン(図示略)又は指で直接タッチすることによって受け付けられる。コイン投入口32には、利用者によってコインが投入される。スピーカ33は、操作案内やBGM等の音声を出力する。
<1.4.編集ブースの構成>
編集ブース4は、図1及び図4に示すように、正面筐体20Aの前方に設けられており、編集ユニット40を備えている。編集ユニット40は、2つの画像編集装置41と、各画像編集装置41を支持する編集筐体43とを備えている。
2つの画像編集装置41は、左右対称となるよう背中合わせに配置されている。図4では、図4において左側に配置された一方の画像編集装置41のみが示されている。各画像編集装置41は、編集用ディスプレイ411と、2本のタッチペン412と、後述するスピーカ413(図5参照)と、非接触通信装置97(図5参照)を備えている。
編集用ディスプレイ411には、利用者に画像編集を行わせるために、撮影ブース2での撮影によって生成された写真画像が表示される。編集用ディスプレイ411上にはタッチパネルが配置されており、タッチパネルを介して、写真画像に対する利用者による編集操作が受け付けられる。
2本のタッチペン412は、編集用ディスプレイ411の両側に配置されている。利用者による編集操作は、利用者が各タッチペン412で編集用ディスプレイ411にタッチすることによって受け付けられる。ただし、利用者による編集操作は、利用者が編集用ディスプレイ411に指で直接タッチすることによって受け付けられてもよい。
スピーカ413(図5参照)は、操作案内やBGM等の音声を出力する。非接触通信装置97(図5参照)は、画像の取得に必要な情報等を利用者の端末装置に送信する際に用いられる。
<1.5.事後接客部の構成>
事後接客部5は、図4に示すように、編集ユニット40の側面に設けられており、受付装置50を備えている。
受付装置50は、受付用ディスプレイ51と、写真シール排出口52と、スピーカ53と、を備えている。
受付用ディスプレイ51は、携帯端末で画像を取得するためのメールアドレスを入力したり、携帯端末に送信する画像を選択したりするための画面等を表示する。受付用ディスプレイ51上にはタッチパネルが配置されており、タッチパネルを介して、利用者による入力操作が受け付けられる。利用者による入力操作は、指で直接タッチすることによって受け付けられるが、タッチペンによってタッチすることによって受け付けられてもよい。写真シール排出口52は、受付装置50に設けられており、編集筐体43内に備わるプリンタ650(図5参照)で印刷された写真シールが排出される。スピーカ53は、操作案内やBGM等の音声を出力する。
<1.6.写真撮影遊戯機の機能構成>
次に、写真撮影遊戯機1の機能構成について、図5を参照しつつ説明する。
<1.6.1.制御装置の構成>
図5に示すように、写真撮影遊戯機1は、制御装置100を備えている。制御装置100は、コンピュータ装置101と、制御基板102と、クロマキーキャプチャボード17と、を備えている。
コンピュータ装置101は、撮影ユニット20、受付装置30、編集ユニット40の各画像編集装置41、受付装置50、及びプリンタ650と接続されている。コンピュータ装置101は、制御基板102を介して、発光制御部110、蛍光灯14、コイン制御部112、及びサービスパネル113と接続されている。
コンピュータ装置101は、Central Processing Unit(CPU)103と、ハードディスク(HDD)104と、メモリ105と、通信部106と、を備えている。
CPU103は、HDD104に記憶されている制御プログラムを実行することにより、後述する写真撮影遊戯機1の各機能を実現する。
HDD104は、CPU103によって実行される制御プログラム、各処理に必要なグラフィックデータ、音声データ、生成された写真画像の編集に利用される編集画像データ、予め用意された撮影コースを示す情報、予め用意された複数の背景画像を示す背景画像データ等の各種設定データを記憶する。
メモリ105は、コンピュータ装置101のメインメモリであり、CPU103が制御プログラムを実行する際の一時的な作業領域である。通信部106は、ネットワークを介してサーバ(図示略)及び非接触通信装置97との通信を行う。
制御基板(デジタル入出力ボード(DIO))102は、コンピュータ装置101と接続され、コンピュータ装置101との間で信号の入出力を行う。また、制御基板102は、コイン制御部112、発光制御部110、蛍光灯14、及びサービスパネル113とも接続されており、これらとの間で信号の入出力を行う。
<1.6.2.事前接客処理時に動作する機能>
CPU103は、HDD104に記憶された制御プログラムを実行することにより、事前接客処理において予め定められた情報を受付用ディスプレイ31に表示し、事前接客処理において予め定められた音声をスピーカ33から出力させる。
<1.6.3.撮影処理時に動作する機能>
CPU103は、HDD104に記憶された制御プログラムを実行することにより、撮影処理において予め定められた情報を正面ディスプレイ22に表示し、撮影処理において予め定められた音声をスピーカ450から出力させる。
CPU103は、HDD104に記憶された制御プログラムを実行することにより、発光制御部110によって照明装置23を制御する。発光制御部110は、例えば、照明装置23の発光タイミングや発光量を制御する。
クロマキーキャプチャボード17は、撮影ユニット20及びコンピュータ装置101と接続されている。クロマキーキャプチャボード17は、カメラ21が撮影しているライブ映像を所定の間隔(例えば30フレーム/秒)で静止画データとして取り込む。クロマキーキャプチャボード17は、各静止画データから被写体である利用者の領域を抽出し、コンピュータ装置101に転送する。
<1.6.4.画像編集処理時に動作する機能>
CPU103は、HDD104に記憶された制御プログラムを実行することにより、画像編集処理において予め定められた情報を編集用ディスプレイ411に表示し、画像編集処理において予め定められた音声をスピーカ413から出力させる。
コンピュータ装置101は、プリンタ650と接続されている。CPU103は、HDD104に記憶された制御プログラムを実行することにより、プリンタ650に印刷処理を行わせる。
<1.6.5.事後接客処理時に動作する機能>
CPU103は、HDD104に記憶された制御プログラムを実行することにより、事後接客処理において予め定められた情報を受付用ディスプレイ51に表示し、事後接客処理において予め定められた音声をスピーカ53から出力させる。
<<2.写真撮影遊戯機の動作>>
次に、写真撮影遊戯機1の動作について説明する。以下で説明する各処理は、図5に示すCPU103が制御プログラムを実行することにより行う。
図6は、写真撮影遊戯機1の全体動作を示すフロー図である。写真撮影遊戯機1は、まず、プレイの開始を受け付けるための事前接客処理を行う(ステップS10)。次に、写真撮影遊戯機1は、事前接客処理で受け付けたプレイごとに撮影処理を行う(ステップS20)。その後、写真撮影遊戯機1は、撮影処理で生成された写真画像に対する画像編集処理を行う(ステップS30)。最後に、写真撮影遊戯機1は、画像編集処理後の写真画像について事後接客処理を行う(ステップS40)。以下、各処理について詳述する。
<2.1.事前接客処理>
まず、事前接客処理(ステップS10)について説明する。図7は、事前接客処理のフロー図である。
CPU103は、プレイのデモンストレーション映像を表すデモ画面を受付用ディスプレイ31に表示する(ステップS111)。CPU103は、利用者が1プレイ分のコインをコイン投入口32に投入するまで、デモ画面の表示を継続する(ステップS112:No)。このとき、CPU103は、デモンストレーション映像に応じたBGM等をスピーカ33から出力させてもよい。
コイン投入口32に1コインが投入されると、コイン制御部112(図5参照)により、コインが投入されたことを示す情報が制御基板102を介してコンピュータ装置101に出力される。CPU103は、コイン制御部112からの情報ごとにコインカウントを1つインクリメントする。CPU103は、コインカウントが1プレイ分に達すると、1プレイ分のコインが受け付けられたと判断し(ステップS112:Yes)、プレイを開始し、ステップS113以下の処理を行う。
CPU103は、撮影コース選択画面(図示略)を受付用ディスプレイ31に表示し、利用者による撮影コースの選択を受け付ける(ステップS113)。このとき、CPU103は、撮影コースの選択を促す音声をスピーカ33から出力させてもよい。
本実施形態では、撮影コース1と撮影コース2の2つが用意されている。撮影コース1と2ともに、後述する撮影処理において6回の撮影を行う。撮影コース1は、1〜3回目の撮影を、利用者の顔及び上半身の一部を写した画像が得られる「アップ」用の画角で撮影し、4回目の撮影を、利用者の全身を斜め上から写したような画像が得られる「上から全身」用の画角で撮影する。そして、5、6回目の撮影を、利用者の全身を正面から写したような画像が得られる「正面全身」用の画角で撮影する。一方、撮影コース2は、1〜6回目の各通常撮影をいずれも「アップ」用の画角で撮影する。この例では、撮影コース1が選択されたものとする。
なお、以下の説明において、「アップ」の撮影で得られる画像をアップ画像、「上から全身」の撮影で得られる画像を上から全身画像、「正面全身」の撮影で得られる画像を正面全身画像と称する。
CPU103は、ステップS113において撮影コースの選択を受け付けると、選択された撮影コースをメモリ105に記憶する。続いて、CPU103は、撮影人数を選択するための選択画面(図示略)を受付用ディスプレイ31に表示し、撮影人数の選択を受け付ける(ステップS114)。
続いて、CPU103は、写り選択画面(図示略)を受付用ディスプレイ31に表示し、写真画像全体の写りの選択を受け付ける(ステップS115)。
次に、CPU103は、ステップS113においてメモリ105に記憶された撮影コースに対応する1〜6回の撮影ごとに、当該撮影の画角に応じた背景画像の選択を受け付ける(ステップS116)。CPU103は、1〜6回の各撮影について背景画像の選択を受け付けると、撮影回数ごとの背景画像を示す情報をメモリ105に記憶する。
ステップS116の後、CPU103は、撮影ブース2が空いているか否かを判断する(ステップS117)。撮影ブース2が空いていない場合(ステップS117:No)、CPU103は、利用者に対して待機を促す待機画面(図示略)を受付用ディスプレイ31に表示させる(ステップS118)。撮影ブース2が空いている場合(ステップS117:Yes)、CPU103は、撮影ブース2への移動を誘導する誘導画面(図示略)を受付用ディスプレイ31に表示させる(ステップS119)。このとき、CPU103は、誘導画面の表示とともに、利用者を撮影ブース2へ誘導する音声をスピーカ33から出力させてもよい。
<2.2.撮影処理>
次に、撮影処理(ステップS20)について説明する。図8は、撮影処理の動作フローを示す図である。
CPU103は、撮影ブース2内の正面ディスプレイ22に、撮影開始を案内する撮影開始画面(図示略)を表示する(ステップS211)。撮影開始画面には、撮影開始ボタンが表示されており、利用者がこの撮影開始ボタンにタッチすることにより以降の処理が開始される。
CPU103は、ステップS113においてメモリ105に記憶された撮影コースに対応する1〜6回の各撮影に定められている画角に基づいて、カメラ21の撮影方向及び焦点距離を制御して撮影を行う(ステップS212)。つまり、CPU103は、1〜6回の撮影ごとに、当該撮影に対して予め定められている画角に応じて、カメラ21の撮影方向及び焦点距離を制御して撮影する。そして、撮影しているライブ映像を表示し、所定のフレームレートでそのライブ映像の画像データを取り込み、クロマキー処理を施した画像データを正面ディスプレイ22に表示する。
CPU103は、1〜6回の撮影によって得られた6枚の画像データをその撮影回数とともにメモリ105に記憶する。この例では、撮影コース1が選択されているため、3枚のアップ画像と、1枚の上から全身画像と、2枚の正面全身画像の各画像データがメモリ105に記憶される。
CPU103は、ステップS212の撮影処理の後、編集ブース4が空いているか否かを判断する(ステップS213)。編集ブース4が空いていない場合(ステップS213:No)、CPU103は、利用者に対して待機を促す待機画面(図示略)を正面ディスプレイ22に表示させる(ステップS214)。編集ブース4が空いている場合(ステップS213:Yes)、CPU103は、編集ブース4への移動を誘導する誘導画面(図示略)を正面ディスプレイ22に表示させる(ステップS215)。なお、CPU103は、誘導画面の表示とともに、利用者を編集ブース4へ誘導する音声をスピーカ450から出力させてもよい。
<2.3.画像編集処理>
次に、画像編集処理(ステップS30)について説明する。図9は、画像編集処理のフロー図である。
CPU103は画像編集に関するデモンストレーション映像等を表示する待機画面(図示略)を編集用ディスプレイ411(図4参照)に表示させる(ステップS311)。
撮影ブース2から編集ブース4へ移動した利用者が待機画面にタッチペン412(図4参照)でタッチすると、CPU103は、目の大きさ、黒目の大きさ、顔の輪郭形状を選択するための顔の写り選択画面(図示略)を編集用ディスプレイ411に表示し、利用者からの選択を受け付ける(ステップS312)。
続いて、CPU103は、顔の写りの選択後、写真画像の明るさを選択するための画面(図示略)を編集用ディスプレイ411に表示し、利用者による選択を受け付ける(ステップS313)。
CPU103は、メモリ105に記憶されている3枚のアップ画像と、1枚の上から全身画像と、2枚の正面全身画像のそれぞれについて、ステップS312で選択された顔の写りに応じた画像処理と、ステップS313で選択された明るさに応じた画像処理を施す。そして、CPU103は、画像処理後の各画像を、縦と横の長さの比率が所定比率となるように所定の画像サイズにトリミングし、6枚の写真画像を生成する(ステップS314)。生成された6枚の写真画像は、撮影回数とともにメモリ105に記憶される。
ステップS314の後、CPU103は、編集用ディスプレイ411に、利用者の名前を入力するための名前入力画面を表示し、利用者による名前の入力を受け付ける(ステップS315)。
続いて、ステップS315の後、CPU103は、編集用ディスプレイ411に編集画面を表示して落書き処理(編集処理)を開始する(ステップS316)。
図10は、編集用ディスプレイ411に表示される編集画面を例示した模式図である。なお、図10に示す編集画面410は、編集用ディスプレイ411に向かって右側で編集を行う利用者が使用する画面例を示しており、編集用ディスプレイ411に向かって左側で編集を行う利用者が使用する画面も同様である。
図10に示すように、編集画面410は、編集領域4110と、サムネイル画像表示領域4120と、編集ツール表示領域4130と、ENDボタン4140とを有する。
サムネイル画像表示領域4120には、6枚の写真画像の各々の縦横比を維持した状態で縮小したサムネイル画像が撮影順に表示される。
編集領域4110には、初期状態において、サムネイル画像表示領域4120におけるサムネイル画像のうち、1枚のサムネイル画像の写真画像に、その写真画像に対応する背景画像(図示略)が合成されて表示される。この例では、編集領域4110には、正面全身画像を基に生成された写真画像(以下、正面全身写真画像)4111が表示されている。
編集画面410に向かって左側の利用者は、左側のタッチペン412(図4参照)を用い、左側の編集領域4110に表示される写真画像に対して編集を行う。編集画面410に向かって右側の利用者は、右側のタッチペン412(図4参照)を用い、右側の編集領域4110に表示される写真画像に対して編集を行う。
サムネイル画像表示領域4120に表示されたサムネイル画像のいずれかをタッチペン412でタッチすると、CPU103は、タッチペン412でタッチされたサムネイル画像に対応する写真画像を編集領域4110に表示させる。なお、左右一方のサムネイル画像表示領域4120において、当該一方の編集領域4110に表示されている写真画像と他方の編集領域4110に表示されている写真画像に対応するサムネイル画像の各表示領域には、「らくがき中」の文字が表示される。
編集領域4110の下方には、編集ツール表示領域4130が配置されている。編集ツール表示領域4130は、写真画像の編集に利用可能な編集ツールを選択するためのアイコンが表示される。編集ツールには、例えば、利用者の名前、誕生日等の日付、予め定められたメッセージ等を表したスタンプや、文字、図形、記号等で構成された図柄を表したスタンプ等の編集画像が含まれる。編集ツールは、大カテゴリごとに分類され、同じ大カテゴリ内の編集ツールはさらに小カテゴリごとに分類されている。編集ツール表示領域4130には、利用者が選択したカテゴリ(大カテゴリ、小カテゴリ)に分類された編集ツールに対応するアイコンが表示される。
図10の例では、大カテゴリ「スペシャル」に分類された編集ツールのうち、小カテゴリ「ガーランド」に分類された編集ツールに対応する5つのアイコン4131(4131A〜4131E)が編集ツール表示領域4130に表示されている。便宜上、図10では、アイコン4131C〜4131Eには画像が表されていないが、各アイコン4131には、アイコン4131A、4131Bに示すように、当該アイコン4131に対応する編集ツールを用いて編集を行った場合の編集後のイメージを示すサンプル画像が表される。
図11は、図10に示すアイコン4131Aに表されているサンプル画像の拡大図である。図11に示すように、アイコン4131Aに表されたサンプル画像500は、モデルを用いた正面全身写真画像において、モデルの画像部分Mを除いた一部の領域に、アイコン4131Aが選択された場合に適用される編集画像510Aを合成した画像である。従って、図10の例において、編集画面410に向かって右側の利用者が、アイコン4131Aをタッチペン412で選択すると、サンプル画像500の編集画像510Aと同様のデザインの編集画像が、編集領域4110に表示されている正面全身写真画像4111における被写体部分以外の一部領域に自動的に配置される。以下、このような編集画像を自動スタンプ画像と称し、アイコン4131を自動スタンプ用アイコンと称する。
なお、この例では、アイコン4131に表示されるサンプル画像にはモデルを撮影した写真画像が用いられているが、利用者を撮影した写真画像を用いてもよい。本実施形態のように、サンプル画像にモデルを撮影した写真画像を用いる場合、自動スタンプ画像のデザインを利用者に分かりやすく示すことができる。一方、利用者を撮影した写真画像を用いる場合、写真画像に自動スタンプ画像が合成された際の合成イメージを利用者に示すことができる。
(自動スタンプ画像の合成方法)
ここで、一の写真画像に自動スタンプ画像を合成する合成方法について説明する。なお、ここでは、自動スタンプ画像を合成する写真画像の例として正面全身写真画像を用い、自動スタンプ画像510Aのデザインを簡略化した自動スタンプ画像を例にして説明を行う。
図12は、正面全身写真画像における被写体部分のマスク画像を表す模式図である。マスク画像600において被写体部分601は黒色で表され、被写体部分601以外の領域602は白色で表されている。本実施形態において、マスク画像600は、写真画像における被写体部分とそれ以外の部分を示すマスク情報の一例である。マスク画像600は、例えば、正面全身写真画像の元画像である正面全身画像に写り込んだ背面パネル24や床面25に付されたクロマキー合成用の色をキー色として、正面全身画像における人物と人物以外とを判別することにより生成してもよい。また、周知の画像認識技術を用いて、正面全身写真画像における人物部分を特定することによりマスク画像を生成してもよい。
図13Aは、自動スタンプ画像の構成を表す模式図である。図13Aに示すように、自動スタンプ画像520は、複数の個別スタンプ画像(520A〜520N)が組み合わされて構成されている。各個別スタンプ画像は、Y軸方向に延伸された直線画像の端部にアルファベット(A〜N)の文字画像が描画された画像である。この例における個別スタンプ画像520A〜520NのX軸方向とY軸方向の幅(画素数)はそれぞれPxとPy(Px<Py)であり、個別スタンプ画像520A〜520Nは縦長の短冊形状を有する。各個別スタンプ画像のX軸方向の幅は、図12に示す被写体部分601のX軸方向の幅よりも小さい。また、自動スタンプ画像520全体のX軸方向の幅は、図12に示すマスク画像600のX軸方向の幅と同等である。各個別スタンプ画像のY軸方向の幅は、図12に示すマスク画像600のY軸方向の幅よりも小さい。
図13Bは、本実施形態における写真画像のレイヤー構成を示す模式図である。図13Bにおいて、レイヤーL1にはステップS116(図7参照)で選択された背景画像が配置され、レイヤーL2には写真画像における被写体の画像が配置される。また、レイヤーL3には自動スタンプ画像が配置され、レイヤーL4には自動スタンプ画像を除く他の編集画像が配置される。つまり、この例では、自動スタンプ画像は被写体画像と他の編集画像との間に配置される。なお、自動スタンプ画像が配置されるレイヤーL3の位置はこれに限らず、被写体画像が配置されるレイヤーL2と背景画像が配置されるレイヤーL1の間に配置されていてもよい。
個別スタンプ画像520A〜520Nのそれぞれは、CPU103により、写真画像を元に生成されたマスク画像600に基づき、写真画像における被写体部分以外の領域の一部領域に配置されるように写真画像と合成される。本実施形態において、この一部領域は、写真画像における上端側の領域、つまり、写真画像における被写体の上方側に位置する上端から下端までの一部の領域である。例えば、写真画像に被写体の画像が含まれていない場合、個別スタンプ画像520A〜520Nは、図13Cに示すように配置される。具体的には、個別スタンプ画像520A〜520Nは、写真画像700の上端(Y軸負方向側)から基準線700Lまでの上端側の領域Raに、上端と接して配置される。この場合、個別スタンプ画像520A〜520Nの長さ、すなわち、個別スタンプ画像のY軸正方向側の端部を基点とする長さは全て同じである。
一方、写真画像に被写体が含まれている場合、個別スタンプ画像520A〜520Nは、図13Dに示すように配置される。つまり、個別スタンプ画像520A〜520Nは、写真画像710の上端から基準線700Lまでの領域Raにおいて、写真画像710における被写体部分701と重ならないように配置される。この場合、写真画像710における被写体部分701の位置や形状に応じて、個別スタンプ画像ごとに、個別スタンプ画像のY軸正方向側の端部が配置される位置が変わり、写真画像710に合成される画像部分の長さが変わる。
以下、写真画像に合成する際に基準となる個別スタンプ画像(520A〜520N)のY軸正方向側の端部の位置(以下、基点座標)を特定する処理について具体的に説明する。
図14Aは、被写体部分の図示を省略したマスク画像600の模式図である。CPU103は、図14Aの破線枠で示す画素S(以下、走査対象画素)単位に、マスク画像600の上端(Y=0)からY軸正方向に走査し、走査対象画素Sに被写体部分601の画素値が所定値以上存在するか否か判断する。この例において、走査対象画素SのX軸方向の幅は、個別スタンプ画像のX軸方向の幅(Px)と同等である。以下、マスク画像600におけるX軸方向の幅pxごとの列を画素列A〜Nと称する。
なお、この例におけるY軸正方向の移動量Δyは任意に設定可能であり、画素列A〜NにおけるY軸正方向の走査の限界値(Y=y1)が予め定められている。マスク画像600においてY=y1となる位置は、図13Dに示す写真画像710における基準線700Lの位置に対応する。つまり、画素列Aを走査し、Y座標が限界値(Y=y1)に到達するまで、画素列Aの走査対象画素Sに被写体部分601の画素値が所定値以上存在しなければ、隣接する次の画素列Bの走査対象画素SをY軸正方向に走査する。
例えば、図14Bに示すように、マスク画像600に被写体部分611が配置されている場合、画素列A、B、Cの各走査対象画素Sに被写体部分611の画素値は存在しない。そのため、CPU103は、画素列A、B、CにおいてY座標が限界値(y1)となる座標PA(xa,y1)、PB(xb,y1)、PC(xc,y1)を、画素列A、B、Cに対する基点座標としてそれぞれ特定する。そして、図14Bの例では、画素列Dに被写体部分611の一部が配置されており、CPU103は、n段目の走査対象画素Snに被写体部分611の画素値が所定値以上存在すると判断する。この場合、CPU103は、画素列Dにおけるn−1段目の走査対象画素Sn−1の座標PD(xd,yn−1)を、画素列Dに対する基点座標として特定する。つまり、一の画素列の上端から下端方向に走査し、被写体部分611の画素値が所定値以上存在する走査対象画素Sがある場合、その走査対象画素Sに隣接する上端側に配置された走査対象画素Sの座標が基点座標として特定される。
なお、画素列を走査する際のY軸方向の移動量が小さいほど走査対象となる走査対象画素Sが多くなるため、画素列における被写体部分の有無の判定精度が高くなり、被写体部分に重ならないように個別スタンプ画像を合成することができる。しかしながら、画素列を走査する際のY軸方向の移動量が小さいほど、各画素列を走査する時間が長くなり、個別スタンプ画像を合成するための処理負荷が増大する。
CPU103は、各個別スタンプ画像をマスク画像600の画素列ごとに特定した基点座標に配置して写真画像と合成する。具体的には、各基点座標に、対応する個別スタンプ画像を配置した画像(合成用画像)が描画されたレイヤーL3を、写真画像における被写体部分の画像が描画されたレイヤーL2に合成する。これにより、図15に示すように、写真画像710における被写体部分701以外の一部領域Raに各個別スタンプ画像520A〜520Nが配置された合成画像が生成される。つまり、自動スタンプ画像を構成する各個別スタンプ画像は、写真画像における被写体部分以外の領域において、写真画像の上端から下端までの一部領域に、上端と接するように写真画像と合成される。言い換えれば、少なくとも一部の個別スタンプ画像は、写真画像710の上端から被写体部分701までの領域に合成される。
なお、図10に示す自動スタンプ用アイコン4131A〜4131Eに対応する5つの自動スタンプ画像の個別スタンプ画像の横方向の幅が均一である場合には、上述したように、個別スタンプ画像の横方向の幅と同じ幅となるように走査対象画素の幅を設定し、写真画像ごとに、基点座標を特定する。そして、写真画像ごとに、その写真画像について特定した基点座標を、5つの各自動スタンプ画像の合成に適用すればよい。
一方、図16Aに示すように、X軸方向の幅が均一でない複数の個別スタンプ画像521(521a〜521e)で自動スタンプ画像が構成されている場合、図16Bに示すように、各写真画像のマスク画像600を走査する走査対象画素の幅を予め定められた固定値の幅(Δx)にする。そして、固定値の幅(Δx)ごとに基点座標P1〜P12を特定し、個別スタンプ画像521a〜521eのそれぞれに対する基点座標として、基点座標P1〜P12のいずれかを割り当てるようにしてもよい。つまり、例えば、個別スタンプ画像521aには基点座標P1を割り当て、個別スタンプ画像521bには基点座標P5を割り当てるなど、個別スタンプ画像ごとに、個別スタンプ画像のX軸方向の幅に応じた基点座標を割り当てるようにする。よって、複数の自動スタンプ画像の個別スタンプ画像の幅が均一でない場合であっても、写真画像ごとに、基点座標を特定する処理は1回だけ行えばよい。このように構成することで、自動スタンプ画像に応じて走査対象画素の幅を変えて基点座標を特定する場合と比べ、写真画像に自動スタンプ画像を合成する処理負荷を軽減することができる。
CPU103は、図10に示す編集画面410が表示される前に、図9のステップS314で生成された6枚の写真画像のそれぞれについて、当該写真画像の被写体部分を示すマスク画像を生成して基点座標を特定し、写真画像ごとの基点座標をメモリ105に記憶しておく。図10に示す編集画面410の編集領域4110に表示されている編集対象の写真画像に対し、自動スタンプ用アイコン4131A〜4131Eのいずれかのアイコンが選択された場合、メモリ105に記憶されている当該編集対象の写真画像の基点座標を基に、選択された自動スタンプ用アイコンに応じた自動スタンプ画像が合成されて編集領域4110に表示される。
自動スタンプ画像は、上述したように、写真画像における被写体部分と重ならないように合成されるが、マスク画像を走査する精度によって、自動スタンプ画像の一部が被写体と重なる場合がある。本実施形態では、被写体部分に重なった自動スタンプ画像の部分を利用者の操作によって消去(編集)可能に構成されている。以下、自動スタンプ画像の編集について説明する。
図10に示すように、編集画面410の編集ツール表示領域4130には、アイコン4132が表示されている。アイコン4132は、編集領域4110に表示された写真画像に合成されている自動スタンプ画像を編集するためのアイコン(以下、消しゴムアイコン)である。利用者によって消しゴムアイコン4132がタッチされ、編集領域4110に表示されている写真画像に合成された自動スタンプ画像の上をなぞる操作がなされた場合、CPU103は、各基点座標に個別スタンプ画像が配置されたレイヤーL3(図13B)において、なぞられた画像部分を非表示にする。このように、利用者は、消しゴムアイコン4132を用いて写真画像に合成された自動スタンプ画像を編集できるので、利用者が所望する仕上がりにすることができる。
CPU103は、消しゴムアイコン4132を用いてなぞられた部分を自動スタンプ画像の編集情報として、その自動スタンプ画像が合成された写真画像とともにメモリ105に記憶する。
利用者は、編集領域4110に表示中の写真画像に対する落書きを終えると、サムネイル画像表示領域4120の別のサムネイル画像を選択し、編集領域4110の写真画像の表示を切り替える。利用者は、全ての写真画像に対して落書きを終えると、ENDボタン4140をタッチする。
CPU103は、利用者によるENDボタン4140のタッチ操作により、図9におけるステップS316の落書き処理を終了し、6枚の各写真画像について落書き処理で選択された編集画像及び自動スタンプ画像の編集情報を、写真画像と対応づけてメモリ105に記憶する。
次に、CPU103は、シートレイアウト選択画面を編集用ディスプレイ411に表示させ、利用者によるシートレイアウトの選択を受け付ける(ステップS317)。
続いて、CPU103は、利用者が選択したシートレイアウトに基づき、シール紙に印刷するためのシート画像を生成する(ステップS318)。シート画像は、ステップS314で生成された6枚の各写真画像と、ステップS116で選択された各写真画像に対応する背景画像と、ステップS316で選択された各写真画像に対応する編集画像とを合成した合成画像が、選択されたシートレイアウトにおける所定の配置領域に配置されることにより生成される。なお、CPU103は、ステップS316において、写真画像に対応する編集画像として自動スタンプ画像が選択され、当該自動スタンプ画像の編集情報がメモリ105に記憶されている場合には、その編集情報で示される自動スタンプ画像の一部が視認できないように透過して合成する。
続いて、CPU103は、事後接客部5が空いているか否かを判断する(ステップS319)。事後接客部5が空いていない場合(ステップS319:No)、CPU103は、利用者に対して待機を促す待機画面(図示略)を編集用ディスプレイ411に表示させる(ステップS320)。事後接客部5が空いている場合(ステップS319:Yes)、CPU103は、ステップS318で生成したシート画像をプリンタ650に送信し、印刷を開始する(ステップS321)。また、CPU103は、利用者を事後接客部5へ誘導する誘導画面(図示略)を編集用ディスプレイ411に表示させる(ステップS322)。CPU103は、誘導画面の表示とともに、利用者を事後接客部5へ誘導する音声をスピーカ413から出力させてもよい。
<2.4.事後接客処理>
次に、事後接客処理(ステップS40)について説明する。図17は、事後接客処理のフロー図である。
CPU103は、開始画面を受付用ディスプレイ51に表示させる。編集ブース4から移動してきた利用者が開始画面を指でタッチすると、画像送信処理が開始される(ステップS411)。また、CPU103は、操作に必要な音声をスピーカ53に出力する。
画像送信処理が開始されると、CPU103は、利用者ごとに、利用者の携帯電話機に送信するための画像を選択する画像選択画面を受付用ディスプレイ51に表示する。その後、利用者が選択した送信対象画像を取得するためのURLを記載した通知メールを利用者に送信するため、利用者にメールアドレスの入力を促す入力画面(図示略)を受付用ディスプレイ51(図4参照)に表示する。具体的には、CPU103は、まず、画像選択画面を表示して、1人目の利用者による送信用画像の選択を受け付けた後、その利用者のメールアドレスの入力を受け付ける。1人目の利用者のメールアドレスの入力を受け付けた後、CPU103は、画像選択画面を表示して2人目の利用者の送信対象画像の選択を受け付け、続いて、2人目の利用者のメールアドレスの入力を受け付ける。
CPU103は、入力画面において各利用者のメールアドレスが入力されると、利用者ごとのメールアドレスと、利用者ごとに選択された送信対象画像の情報と、ステップS314で生成された6枚の各写真画像に、当該写真画像の撮影に対し、ステップS116で選択された背景画像及びステップS316で選択された編集画像を合成した写真画像データをサーバ(図示略)に送信する。なお、CPU103は、ステップS316において、写真画像に対応する編集画像として自動スタンプ画像が選択され、当該自動スタンプ画像の編集情報がメモリ105に記憶されている場合には、その編集情報で示される自動スタンプ画像の一部を透過して合成する。サーバは、写真撮影遊戯機1から送信された各利用者のメールアドレスを宛先として、写真撮影遊戯機1から送信された画像データのうち、各利用者の送信対象画像の画像データを取得するためのURLが記載された通知メールを送信する。
各利用者は、各々の携帯電話機でサーバからの通知メールを受信し、通知メールに記載されたURLにアクセスすることにより、選択した送信対象画像を取得することができる。なお、各利用者は、所定の会員登録をすることにより、サーバを介して、画像選択画面で選択しなかった全ての画像を取得することができる。
図9のステップS321におけるシート画像印刷処理が終了するまでの待ち時間に、上記ステップS411の処理が実行される。ステップS321においてシート画像の印刷が終了すると、CPU103は、シート画像が印刷されたシール紙(写真シール)を写真シール排出口52から排出する(ステップS412)。ここまでが、1回の利用における一連のプレイである。
上述した実施形態では、画像編集処理(ステップS30)において、利用者によって選択された自動スタンプ画像が、編集対象の写真画像の上端から、写真画像に写る被写体部分までの領域に合成される。その結果、写真画像における被写体部分と重ならないように、写真画像の上端から下端までの上端側の一部領域Raにおいて、写真画像の上端と接するように自動スタンプ画像が合成された合成画像が得られる(図15等参照)。そのため、利用者は、所望するデザインの自動スタンプ画像を選択するだけで、写真画像における被写体部分を除いた一部の領域に自動スタンプ画像のデザインを施すことができる。従って、写真画像における被写体部分を除いた領域に利用者自身でスタンプ画像を配置して写真画像を編集する場合と比べ、編集操作時間を短縮するとともに、写真画像全体のデザイン性を向上させることができる。また、自動スタンプ画像は、写真画像に写る被写体に重ならないように合成されるため、自動スタンプ画像のデザイン全体が反映された合成画像を得ることができる。
また、自動スタンプ画像は、被写体の周りだけに合成されるオーラの画像や被写体の影を表した画像と異なり、図11、15等に示すように写真画像における被写体の周りだけでなく、被写体から離れた位置にも合成される。そのため、写真画像における被写体以外の領域の余白が自動スタンプ画像のデザインによって装飾され、写真画像全体としてバランスの良い仕上がりの写真画像を提供することができる。
なお、上述した実施形態では、正面全身写真画像を例に自動スタンプ画像を合成する例を説明したが、編集領域4110に表示された写真画像がアップ写真画像や上から全身写真画像であっても、正面全身写真画像と同様、選択された自動スタンプ画像を合成してもよい。但し、正面全身写真画像は、アップ写真画像や上から全身写真画像よりも被写体部分を除いた領域が比較的大きい。そのため、編集対象の写真画像が正面全身写真画像の場合にのみ、自動スタンプ画像の選択を受け付け、写真画像に合成してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
(1)上述した実施形態において、図10に示す編集画面410において、編集領域4110に表示された写真画像に自動スタンプ画像を合成した結果を表示する際、自動スタンプ画像の各個別スタンプ画像を、当該個別スタンプ画像に対応する基点座標から写真画像の上端までの長さになるまで、個別スタンプ画像の長さが徐々に長くなるように段階的に合成して表示してもよい。このように構成することで、自動スタンプ画像の合成過程を演出することができ、利用者にわくわく感を与え、エンターテインメント性を向上させることができる。
(2)また、上述した実施形態において、撮影時に表示されるライブ映像に所定の自動スタンプ画像を合成して表示してもよい。所定の自動スタンプ画像は、撮影処理の前に利用者から選択を受け付けた自動スタンプ画像であってもよいし、予め規定された自動スタンプ画像であってもよい。また、図7におけるステップS116で選択された背景画像の一部が自動スタンプ画像としてライブ映像に合成されて表示されてもよい。
(3)また、上述した実施形態において、ステップS114(図7)で入力を受け付けた撮影人数が3人以上の場合には、編集画面410に自動スタンプ用アイコン4131と消しゴムアイコン4132を表示しないようにしてもよい。撮影人数が3人以上の場合、撮影人数が2人の場合と比べ、写真画像に写る被写体部分以外の領域が小さくなるため、自動スタンプ画像が配置される領域も小さくなる。従って、3人以上の被写体が写っている写真画像に自動スタンプ画像を合成しても、自動スタンプ画像のデザイン全体が現れず、写真画像全体のデザイン性を向上させにくい。そのため、写真画像に写る被写体の人数に応じて、写真画像に自動スタンプ画像を合成するようにしてもよい。
(4)上述した実施形態では、図14等に示すマスク画像600における各画素列のY軸方向の走査の限界値は、マスク画像の座標面においてY=y1となる直線上の位置が設定されていたが、各画素列の限界値はこれに限らない。例えば、各画素列のY軸方向の走査の限界値として、マスク画像の座標面において予め規定された、端部の方向に凸な、二次曲線等の曲線上の位置を設定してもよい。例えば、マスク画像の座標面において放物線が規定されている場合、マスク画像に被写体部分が含まれていなければ、写真画像に個別スタンプ画像を合成すると、図18に示すように、個別スタンプ画像520A〜520NのY軸正方向側の端部の軌跡は放物線を描く。このように構成することで、全ての個別スタンプ画像に対応する限界値を一括して変更することができ、個別スタンプ画像ごとに限界値を固定値で設定しておく場合と比べ、個別スタンプ画像の限界値の変更に柔軟に対応することができる。
(5)また、自動スタンプ画像のデザインに応じて、マスク画像の走査の限界値の設定を異なるようにしてもよい。具体的には、自動スタンプ画像のデザインが、対象物(例えば、人物)が写っていない領域に描画しても対象物の見栄えに邪魔にならないようなシンプルなデザインの場合、限界値を示す直線又は二次曲線が写真画像の辺と接する切片が、所定の位置(例えば、Y=y2)となるようにする。一方、自動スタンプ画像のデザインが、対象物の見栄えに邪魔になるデザインである場合、すなわち、個別スタンプ画像(個別画像)の先端部分の画像の柄や模様が目立つ又はカラフルなデザインの場合、上記切片が、シンプルなデザインの場合よりも写真画像の端部(例えば、対象物の上方側の端部)に近い所定の位置(例えば、Y=y3、y3<y2)となるようにする。これにより、どのデザインの自動スタンプ画像を描画しても、自動スタンプ画像のデザインが対象物の見栄えを邪魔することがないようにできる。
(6)上述した実施形態では、写真画像に含まれる人物の被写体部分を除く一部の領域に自動スタンプ画像を合成する例を説明したが、例えば、写真画像に合成された他の編集画像の部分を除く一部の領域に自動スタンプ画像を合成するようにしてもよい。つまり、自動スタンプ画像の各個別スタンプ画像を写真画像に合成する際に基準となる対象物は、人物に限らず、自動スタンプ画像以外の編集画像等であってもよい。要は、写真画像において基準となる対象物とそれ以外とを区別できるマスク情報を生成することができればよい。
(7)上述した実施形態では、写真画像の被写体部分を除く、写真画像の上端から下端までの一部領域Ra(図15参照)において、写真画像の上端と接するように自動スタンプ画像が合成される例を説明したが、自動スタンプ画像が合成される領域はこれに限らない。例えば、図19Aに示すように、写真画像720における被写体部分701を除く、写真画像720の下端側(Y軸正方向側)の一部領域Rbにおいて下端と接するように自動スタンプ画像が合成されてもよい。この場合には、写真画像720のマスク画像を下端から上端に向かって(Y軸負方向)に走査し、各個別スタンプ画像の基点座標を特定するようにする。
また、図19Bに示すように、写真画像720における被写体部分701を除く、写真画像720の右端側(X軸正方向側)の一部領域Rd又は左端側(X軸負方向側)の一部領域Rcにおいて、右端又は左端と接するように自動スタンプ画像が合成されてもよい。この場合には、写真画像720のマスク画像を右端から左端(X軸負方向)又は左端から右端(X軸正方向)に向かって走査し、各個別スタンプ画像の基点座標を特定するようにする。
また、図19Cに示すように、写真画像720における被写体部分701を除く、写真画像720の上端と左端との間の一部領域Reにおいて、上端及び左端と接するように自動スタンプ画像が合成されてもよい。また、写真画像720の下端と右端との間の一部領域Rfにおいて、下端及び右端と接するように自動スタンプ画像が合成されてもよい。この場合には、写真画像720のマスク画像を上端から左端、又は下端から右端に向かって斜め方向に走査し、各個別スタンプ画像の基点座標を特定するようにする。そして、各個別スタンプ画像の長さが、当該個別スタンプ画像の基点座標から上端又は下端までの斜め方向の長さとなるように、各個別スタンプ画像を回転させて写真画像720に合成してもよい。
また、図19Dに示すように、写真画像720における被写体部分701を除く、写真画像720の上端と右端端との間の一部領域Rgにおいて、上端及び右端と接するように自動スタンプ画像が合成されてもよい。また、写真画像720の下端と左端との間の一部領域Rhにおいて、下端及び左端と接するように自動スタンプ画像が合成されてもよい。この場合には、写真画像720のマスク画像を上端から右端、又は下端から左端に向かって斜め方向に走査し、各個別スタンプ画像の基点座標を特定するようにする。そして、各個別スタンプ画像の長さが、当該個別スタンプ画像の基点座標から上端又は下端までの斜め方向の長さとなるように、各個別スタンプ画像を回転させて写真画像720に合成してもよい。
また、写真画像における被写体の位置によって、被写体部分の上下左右の余白領域の大きさも変わるため、写真画像における被写体部分の位置に応じて、自動スタンプ画像を写真画像に合成する一部領域を変えてもよい。
また、実施形態では、写真画像における上端側の一部領域Ra(図15)のみに自動スタンプ画像を合成したが、写真画像における下端側の一部領域Rb(図19A)にも自動スタンプ画像を合成してもよい。つまり、上述した写真画像における一部領域Ra〜Rhのうちの複数の一部領域に自動スタンプ画像が配置されるようにしてもよい。
また、写真画像における上端側の一部領域Raと下端側の一部領域Rbのそれぞれに自動スタンプ画像を配置する場合、各領域に配置する自動スタンプ画像のデザインに応じて、各自動スタンプ画像を描画するレイヤーを被写体画像の前又は後に配置してもよい。例えば、一部領域Rbに配置する自動スタンプ画像のデザインが被写体の前に配置するべきデザインであり、一部領域Raに配置する自動スタンプ画像のデザインが被写体の後に配置するべきデザインであるとする。この場合、一部領域Rbに配置する自動スタンプ画像を、図13Bにおける被写体画像のレイヤーL2と他の編集画像のレイヤーL4との間に描画し、一部領域Raに配置する自動スタンプ画像を、図13Bにおける被写体画像のレイヤーL2と背景画像のレイヤーL1との間に描画する。このように、自動スタンプ画像を描画するレイヤーは、被写体画像のレイヤーの前と後の両方に配置されていてもよい。